JP4594193B2 - イオンミリング装置 - Google Patents

イオンミリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4594193B2
JP4594193B2 JP2005246187A JP2005246187A JP4594193B2 JP 4594193 B2 JP4594193 B2 JP 4594193B2 JP 2005246187 A JP2005246187 A JP 2005246187A JP 2005246187 A JP2005246187 A JP 2005246187A JP 4594193 B2 JP4594193 B2 JP 4594193B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion
excavation
sample
change
irradiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005246187A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007057486A (ja
Inventor
一誠 飯塚
紀一郎 大塚
俊夫 坂牧
栄一 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP2005246187A priority Critical patent/JP4594193B2/ja
Publication of JP2007057486A publication Critical patent/JP2007057486A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4594193B2 publication Critical patent/JP4594193B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/30Electron or ion beam tubes for processing objects
    • H01J2237/317Processing objects on a microscale
    • H01J2237/3174Etching microareas
    • H01J2237/31745Etching microareas for preparing specimen to be viewed in microscopes or analyzed in microanalysers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/30Electron or ion beam tubes for processing objects
    • H01J2237/317Processing objects on a microscale
    • H01J2237/31749Focused ion beam

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Description

この発明は、イオンビームを試料に照射し、この試料を電子顕微鏡用試料(以下、電顕用試料と称する)に加工するイオンミリング装置に関する。
電子顕微鏡で検査に用いられる試料は、検査前に加工処理され、検査に最適なものとされる。この加工処理では、例えば、試料の薄膜化、研磨等の掘削加工が、イオンミリング装置を用いて行われる。そして、イオンミリング装置は、これら加工処理を、試料に向かって照射されるアルゴン等のイオンビームを用いたイオンエッチングにより行う。
ここで、イオンエッチングには多くの時間を要するため、例えば、イオンビームをフォーカスする等のことによりビーム径を絞り、エッチング速度を向上させることが行われる。また、この方法では、イオンビームの照射領域、すなわち試料の加工面が限定されたものとなるので、イオンビームのビーム径をより大きなものとし、遮断部材等を用いて目的とする大きさの加工面を確保することも行われる(例えば、特許文献1参照)。
また、これらの装置は、オペレータが照射時間の設定を行うタイマーを有し、このタイマー情報に基づいてイオンビームの照射時間を制御している。一方、その他の照射条件、例えば、イオンビームに含まれるイオンの量あるいはイオンを加速する際の電圧等は一定に保たれている。
特開平9―210883号公報、(第8〜10頁、図1〜3)
しかしながら、上記背景技術によれば、オペレータによる、照射時間の決定は、煩雑で時間のかかるものである。すなわち、電顕用試料は、材質、形状、加工の大きさ等が多種多様である。そして、イオンビームの照射時間のみでこれら試料に目的とする加工を施すことは、見当の付けにくいものである。また、オペレータは、照射時間の決定の為に、何度かイオンビームの照射を繰り返し、試料の掘削、すなわちエッチング大きさをその都度計測し、目的とする加工の大きさを達成したかどうかを判定する。これらの作業は、イオンミリング装置が真空装置であり、準備に手間のかかる装置であるので、一層煩雑である。
特に、電顕用試料によっては、目的とする加工に達するまでの照射時間が、長時間に及ぶものが存在し、これら電顕用試料の作成は、オペレータにとって大きな負担となる。
これらのことから、異なる電顕用試料ごとに最適な異なる照射条件の掘削を行い、イオンビームの照射時間の短縮を計ると共に、オペレータの負担を軽減するイオンミリング装置をいかに実現するかが重要となる。
この発明は、上述した背景技術による課題を解決するためになされたものであり、異なる電顕用試料ごとに最適な異なる照射条件の掘削を行い、イオンビームの照射時間の短縮を計ると共に、オペレータの負担を軽減するイオンミリング装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の発明にかかるイオンミリング装置は、気体状の照射物質をイオン化し、前記イオン化された照射物質からなるイオンを試料に照射し、前記試料の掘削を行うイオンミリング装置であって、前記イオン化の際に、前記照射物質の供給量を増減させる供給量調整手段と、前記照射の際に、前記イオンを加速する電圧を可変にする可変電圧発生手段と、前記試料を通過するイオンの通過量を計測する通過イオン計測手段と、前記イオン通過量情報に基づいて、前記供給量調整手段および前記可変電圧発生手段の少なくとも1つを制御する掘削制御手段とを備えるイオンミリング装置において、前記掘削制御手段は、異なる時間に計測される前記イオンの通過量の変化から、前記異なる時間の間に生じる前記掘削の変化を推定する推定手段を備え、前記掘削の変化は、前記掘削の深さの変化であることを特徴とする。
この請求項1に記載の発明では、イオン化の際に、供給量調整手段により、照射物質の供給量を増減させ、照射の際に、可変電圧発生手段により、前記イオンを加速する電圧を可変にし、通過イオン計測手段により、試料を通過するイオンの通過量を計測し、掘削制御手段は、このイオン通過量の変化から、異なる時間の間に生じる掘削の変化を掘削の深さの変化として推定し、供給量調整手段および可変電圧発生手段の少なくとも1つを制御する。
また、請求項2に記載の発明にかかるイオンミリング装置は、請求項1に記載の発明において、前記通過イオン計測手段が、前記試料の前記イオンが照射されない側に配設される電極板および前記電極板に流れる電流を検出する検流計を備えることを特徴とする。
この請求項2に記載の発明では、通過イオン計測手段は、電極板を、試料のイオンが照射されない側に配設し、この電極板に流れる電流を検出する。
また、請求項3に記載の発明にかかるイオンミリング装置は、請求項2に記載の発明において、前記イオン通過量情報が、前記検流計で計測されるイオン電流情報であることを特徴とする。
この請求項3に記載の発明では、イオン通過量情報は、イオン電流情報とされる。
また、請求項4に記載の発明にかかるイオンミリング装置は、請求項1記載の発明において、前記掘削制御手段は、前記掘削の深さの変化の情報に基づいて、前記制御を行うことを特徴とする。
この請求項4記載の発明では、前記掘削制御手段は、前記掘削の深さの変化の情報に基づいて、前記制御を行う。
また、請求項5に記載の発明にかかるイオンミリング装置は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の発明において、前記掘削制御手段は、前記制御を行う際の、前記照射物質の供給量および前記電圧の情報を保存する記憶部を備えることを特徴とする。
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、イオン化の際に、供給量調整手段により、照射物質の供給量を増減させ、照射の際に、可変電圧発生手段により、前記イオンを加速する電圧を可変にし、通過イオン計測手段により、試料を通過するイオンの通過量を計測し、掘削制御手段は、このイオン通過量の変化から、異なる時間の間に生じる掘削の変化を掘削の深さの変化として推定し、供給量調整手段および可変電圧発生手段の少なくとも1つを制御するようにしているので、多種多様な電子顕微鏡用試料ごとに最適な照射条件を、目的とするイオンビームの照射時間から、照射物質の供給量およびイオンを加減速させる電圧の少なくとも1つの調整により、容易に決定し、ひいてはイオンビームの照射時間を短縮し、オペレータの負担を軽減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、通過イオン計測手段は、電極板を、試料のイオンが照射されない側に配設し、この電極板に流れる電流を検出することとしているので、簡易にイオン電流を検出することができる。
請求項3に記載の発明によれば、イオン通過量情報は、イオン電流情報とされるので、イオン電流情報を用いて容易にイオン通過量情報を取得することができる。
請求項4に記載の発明によれば、掘削制御手段は、変化の情報に基づいて、制御を行うこととしているので、掘削の変化をオペレータの目的とする大きさにすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、掘削制御手段は、記憶部に制御を行う際の供給量および電圧の情報を保存することとしているで、繰り返し行われる同様の掘削を、効率よく行うことができる
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるイオンミリング装置を実施するための最良の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
まず、本実施の形態にかかるイオンミリング装置1の全体構成について図1を用いて説明する。図1は、イオンミリング装置1の全体構成を示す図である。なお、イオンミリング装置1の主たる構成要素である筐体9の部分には、筐体9の断面図が示されている。
イオンミリング装置1は、筐体9、真空ポンプ3、制御弁11、ガスボンベ12、可変電圧源13、検流計14および掘削制御手段10を含む。また、筐体9は、内部にイオン発生手段4、絞り6、遮断部7、試料5、電極板15および試料移動台2を含む。ここで、筐体9は、内蔵するイオン発生手段4、試料5、電極板15および試料移動台2等を、高真空状態の環境に配設する。また、真空ポンプ3は、筐体9の吸気口に接続される排気ポンプで、随時、筐体9の内部に存在する空気の排気を行う。
ガスボンベ12は、照射物質、例えばアルゴン(Ar)が封入されており、制御弁11を介してイオン発生手段4にアルゴンガスを供給する。ここで、制御弁11は、供給量調整手段をなし、イオン発生手段4に供給されるアルゴンガスの流量を、弁の開度に応じて調整する。なお、弁の開度は、掘削制御手段10により自動制御される。
イオン発生手段4は、ガスボンベ12から供給されるアルゴンガスをイオン化し、試料5に向けてイオンビーム8を照射する。イオン発生手段4は、図示しない高電圧が印加される放電電極等を有し、この放電電極の放電によりアルゴンイオンを発生する。なお、アルゴンガス以外の照射物質としては、ネオン、窒素等を用いることもできる。
絞り6は、イオンビーム8のxy面の直径を1mm程度に絞り、イオンビーム8方向を向く試料5の加工面に適合した位置と大きさにする。遮断部7は、イオンビーム8を部分的に遮断し、試料5の目的とする部位にイオンビーム8が照射されるようにする。
試料5は、掘削が行われる電顕用試料で、電極板15上に載置される。この電極板15は、試料5を挟んでイオンビーム8が入射する側と反対の側に位置され、試料5を通過するイオンビーム8の通過量を検出する。
ここで、試料5に照射されたイオンビーム8は、試料5に吸収されアースに流れる分と、試料5の加工面の近傍をすり抜けて電極板15に達するか又は加工面で散乱されて電極板15に達する分とに分かれる。本発明の説明においては、「イオンビーム8が試料の加工面の近傍をすり抜けて電極板15に達するか又は加工面で散乱されて電極板15に達する」ことを、「イオンビーム8が試料5を通過する」と表す。
イオン発生手段4および電極板15の間には、可変電圧源13および検流計14が接続される。可変電圧源13は、可変電圧発生手段をなし、イオン発生手段4および電極板15間に電圧を印加し、イオン発生手段4から照射されるイオンビーム8を加速する。ここで、可変電圧源13は、出力電圧が可変とされ、加速されるイオンビーム8の速さを調整する。なお、可変電圧源13の出力電圧は、掘削制御手段10からの指示により変更される。
検流計14は、イオン発生手段4および電極板15の間に流れるイオン電流を計測する。電極板15は、試料5を通過したイオンビーム8を検出するので、検流計14により計測されるイオン電流は、試料5を通過したイオンの通過量情報を含む。なお、電極板15および検流計14は、通過イオン計測手段をなし、このイオン電流情報は、後に詳述する様にイオン通過量情報を含み、掘削制御手段10に送信される。
掘削制御手段10は、CPU、記憶部およびキーボード等の入力部等からなり、検流計14からのイオン電流情報に基づいて、制御弁11あるいは可変電圧源13を制御し、試料5の掘削を効率的なものとする。また、掘削制御手段10は、後述する推定手段も有する。この推定手段では、イオン電流情報の変化から、試料5の掘削深さの変化が推定される。
図2は、図1に示す遮断部7、試料5、電極板15およぼ試料移動台2部分の詳細を示す構成図である。
試料5は、固定具23に固定される。また、固定具23は、電極板15上に固定されており、この電極板15は、試料5を挟んでイオンビーム8が入射する側と反対の側面に位置される。なお、試料5および電極板15の間には、これらを電気的に絶縁するための図示しない絶縁板が配設されるが、この絶縁板については後述する。
電極板15は、試料移動台2に載置され、試料5と共にxyz軸方向の目的とする位置に配置される。図2の例では、電極板15は回転テーブル30上に載置され、回転テーブル30は昇降テーブル24上に載置され、昇降テーブル24は、ナットブロック26が装着されており、スクリュウシャフト28の回転により上下動を行う。なお、ナットブロック26は、コーナーにガイド27を有し、z軸方向である鉛直方向にのみ移動可能となっている。また、スクリュウシャフト28は、回転伝達ギアを内部に有するギアボックス29および回転軸21により回転され、手動あるいは自動による回転軸21の回転により筐体9の外部から遠隔操作される。
図3は、イオンビーム8による試料5の掘削の一例を示す説明図である。図3(A)において、試料5の加工部位にイオンビーム8が照射されるように遮断部材22と試料5の位置が調整される。試料5と電極板15は、絶縁板16により電気的に絶縁されている。試料5に吸収されたイオンはイオン電流としてアースに流れ、試料を通過して電極板15に達したイオンは検流計14を流れるイオン電流となる。試料5が未だ掘削されていないとき、検流計14に流れるイオン電流はIAである。図3(B)は、掘削が進行し、掘削深さhのときの検流計14を流れるイオン電流がIBに増加していることを示している。また、図3(C)は、さらに掘削が試料5の下の絶縁板16にまで及び、電極板15に直接達するイオンビームも増加して検流計14を流れるイオン電流がICとなっている状態を示している。
図4は、試料5の掘削深さhと、検流計14で検出されるイオン電流Iの関係を示した図である。この図では、横軸は掘削深さhを示し、縦軸はイオン電流Iの大きさを示し、また、試料5に照射されるイオン電流の大きさは、一定であるとされる。ここで、試料5の掘削深さhが大きくなるに従い、イオンビーム8の通過量が概ね指数関数的に増大する。そして、掘削深さh=AからBまで変化する際に、電極板15で検出されるイオン電流は同様にIAからIBまで増大する。そして、試料5に照射されるイオン電流の大きさが一定である場合には、イオン電流の変化ΔI=IB−IAは、掘削深さhの変化Δhと一対一に対応したものとなる。また逆に、掘削深さhの変化Δhを、イオン電流の変化ΔIから、推定することもできる。掘削制御手段10の推定手段は、この方法により、異なる時間に取得されたイオン電流値の差分ΔIから、掘削深さの変化Δhを推定する。
なお、図4に示した様な掘削深さhおよびイオン電流の間の関係曲線は、試料5の材質、形状、およびイオンビーム8を形成する照射物質等から、理論的あるいは実験的に決定することができる。また、推定手段は、照射条件、すなわち制御弁11の開度あるいは可変電圧源13の電圧の変更により照射するイオン電流の大きさを変化させた場合には、弁の開度情報あるいは印加電圧の変化量情報、あるいは実測される試料5を通過するイオン電流の変化幅から、試料5に照射される新たなイオン電流値を推定し、図4に示す関係曲線を補正し、適正なものとすることができる。
つぎに、本実施の形態にかかるイオンミリング装置1の動作について、図5を用いて説明する。図5は、イオンミリング装置1の動作を示すフローチャートである。まず、オペレータは、試料5を筐体9の試料移動台2に配置し、イオンビーム8を照射する準備を行う(ステップS501)。この準備では、真空ポンプ3を動作させて筐体9の内部を高真空とし、遮断部7および試料5が載置された試料移動台2を操作し、試料5を掘削するのに最適な位置とする。
その後、オペレータは、掘削制御手段10に,例えばイオンビーム8の全照射時間、試料5の期待掘削深さ等の掘削条件を入力する(ステップS502)。そして、掘削制御手段10は、制御弁11および可変電圧源13に対して、弁の開度情報および電圧情報を設定し、照射物質であるアルゴンイオンの照射を開始する(ステップS503)。ここで、照射条件である弁の開度情報および電圧情報としては、あらかじめ設定される初期値が用いられる。なお、試料5を掘削する際の最適な弁の開度情報および電圧情報が、後述する照射条件として掘削制御手段10に保存されている場合には、この照射条件を用いることもできる。
その後、掘削制御手段10は、通過イオン計測手段である電極板15および検流計14により、イオン電流Iの大きさを所定時間間隔Δtを置いて2度計測し、イオン電流の変化ΔIを計測する(ステップS504)。
その後、掘削制御手段10は、イオンの照射開始からの照射時間が、ステップS502で入力された全照射時間を越えるかどうかを判定する(ステップS505)。ここで、掘削制御手段10は、イオンの照射時間が全照射時間を越えない場合には(ステップS505否定)、推定手段により、計測されたイオン電流の変化ΔIの大きさおよび図4に示した様なイオン電流Iと掘削深さhとの関係曲線を用いて、掘削深さhの変化量を推定する(ステップS506)。
その後、掘削制御手段10は、推定される掘削深さhの変化量が、適正かどうかを判定する(ステップS507)。ここで、掘削深さhの変化量が適正であるかどうかは、例えば、ステップS502で入力された期待掘削深さを全照射時間で等分し、この値に、イオン電流の計測時間間隔であるΔtを乗じた期待掘削深さ変化に一致するかどうかで判断される。そして、掘削制御手段10は、推定される掘削深さhの変化量が、適正なものである場合には(ステップS507肯定)、ステップS504に移行し、所定時間間隔Δtを置いてイオン電流の計測を2度行う。
また、掘削制御手段10は、推定される掘削深さhの変化量が、適正なものでない場合には(ステップS507否定)、イオンビーム8の照射条件を変更する(ステップS508)。この変更では、例えば、推定される掘削深さhの変化量が上述した期待掘削深さ変化未満である場合には、(1)制御弁11の弁の開度を上昇させ、照射物質であるアルゴンの供給量を増加させる、(2)可変電圧源13の電圧を上昇させ、照射されるイオンビーム8の速さを増加させる、(3)これら2つの制御を同時に行うのいずれか1つのことが行われ、掘削深さhの変化が大きくなるようにされる。また、逆に、推定される掘削深さhの変化量が上述した期待掘削深さ変化を越える場合には、(4))制御弁11の弁の開度を下降させる、あるいは(5)可変電圧源13の電圧を上昇させる、あるいは(6)これら2つの制御を同時に行うのいずれか1つのことが行われ、掘削深さhの変化が小さくなるようにされる。なお、これら制御は、制御弁11の最大開度および可変電圧源13の最大電圧等を考慮し、適宜最適なものが選択される。
なお、掘削制御手段10の推定手段は、照射条件の変更後、図4に示すイオン電流と掘削深さhの関係式を、試料5に照射される新たなイオン電流値に基づいて変更する。
その後、掘削制御手段10は、ステップS504に移行し、イオン電流の大きさを所定時間間隔Δtを置いて2度計測し、イオン電流の変化ΔIを計測する。
図6は、ステップS504〜508における、所定時間間隔Δtごとに行われるイオン電流Iの計測および照射条件の変更を示した説明図である。図6は、横軸が照射時間、縦軸が計測されるイオン電流Iを示している。ここで、掘削制御手段10は、所定時間間隔Δtごとに、この間のイオン電流の変化ΔIを計測し、このイオン電流の変化ΔIから掘削深さhの変化量を推定する。そして、この変化量が適正なものでない場合には、照射条件の変更によりイオン電流を変化させ、適正なものに近似させる動作を繰り返す。なお、図6に示す様に、照射条件の変更により、イオン電流は不連続的に変化する。そして、この変化の大きさは、照射条件の変更を繰り返す程、イオン電流の変化、すなわち掘削深さhの変化が適正なものに近似し、小さなものとなる様にされる。
また、掘削制御手段10は、イオンの照射時間が全照射時間を越える場合には(ステップS505肯定)、イオンの照射を停止し、掘削を終了する(ステップS509)。そして、掘削制御手段10は、照射条件である制御弁11の弁の開度情報および可変電圧源13の電圧情報を、記憶部に保存し(ステップS510)、本処理を終了する。なお、この保存された照射条件は、後日試料5を用いた掘削を行う場合に初期条件として用い、イオンビーム8の全照射時間および期待掘削深さの掘削条件に、より適合した掘削を行うことができる。
上述してきたように、本実施の形態では、電極板15および検流計14による通過イオン計測手段により、通過イオンのイオン電流を所定時間間隔ごとに計測し、このイオン電流の変化情報から試料5の掘削深さhの変化量を推定し、掘削深さhの変化量を期待掘削深さ変化量に一致させる様に制御弁11および可変電圧源13の弁の開度および加速電圧を調整することとしているので、オペレータが入力する全照射時間に近似する時間で掘削を終了することができると共に、多種多様な電顕用試料ごとの制御弁11の開度情報および可変電圧源13の電圧情報を最適なものとし、繰り返し行われる試料5の同様の掘削を、効率的に行うことができる。
また、本実施の形態では、掘削制御手段10は、CPU、記憶部および入力部等からなるものとしたが、PC(personal computer)を用いることもできる。
また、本実施の形態では、通過イオン検出手段として、電極板15および検流計14を用いることとしたが、電極板15のかわりにファラデーカップ等を用いることもできる。
また、本実施の形態では、イオンビーム8の照射時間が、オペレータの目的とする全照射時間に達した後に、掘削制御手段10はイオンビーム8の照射を停止することとしたが、掘削条件に応じて、イオンビーム8の照射を減弱させるに留めることもできる。この場合には、イオンビーム8の照射を継続しているにもかかわらず、試料5が受けるダメージを微弱なものとすることができる。
イオンミリング装置の全体構成を示す全体構成図である。 イオンミリング装置の試料近傍の詳細な構成を示す部分構成図である。 試料の掘削を示す説明図である。 試料の掘削深さとイオン電流の関係を示す説明図である。 実施の形態の掘削制御手段の動作を示すフローチャートである。 掘削制御手段のによるイオン電流制御の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 イオンミリング装置
2 試料移動台
3 真空ポンプ
4 イオン発生手段
5 試料
6 絞り
7 遮断部
8 イオンビーム
9 筐体
10 掘削制御手段
11 制御弁
12 ガスボンベ
13 可変電圧源
14 検流計
15 電極板
16 絶縁板
21 回転軸
22 遮断部材
23 固定具
24 昇降テーブル
26 ナットブロック
27 ガイド
28 スクリュウシャフト
29 ギアボックス
30 回転テーブル
31 掘削部

Claims (5)

  1. 気体状の照射物質をイオン化し、前記イオン化された照射物質からなるイオンを試料に照射し、前記試料の掘削を行うイオンミリング装置であって、
    前記イオン化の際に、前記照射物質の供給量を増減させる供給量調整手段と、
    前記照射の際に、前記イオンを加速する電圧を可変にする可変電圧発生手段と、
    前記試料を通過するイオンの通過量を計測する通過イオン計測手段と、
    前記イオン通過量情報に基づいて、前記供給量調整手段および前記可変電圧発生手段の少なくとも1つを制御する掘削制御手段と、
    を備えるイオンミリング装置において、
    前記掘削制御手段は、異なる時間に計測される前記イオンの通過量の変化から、前記異なる時間の間に生じる前記掘削の変化を推定する推定手段を備え、
    前記掘削の変化は、前記掘削の深さの変化であることを特徴とするイオンミリング装置。
  2. 前記通過イオン計測手段は、前記試料の前記イオンが照射されない側に配設される電極板および前記電極板に流れる電流を検出する検流計を備えることを特徴とする請求項1記載のイオンミリング装置。
  3. 前記イオン通過量情報は、前記検流計で計測されるイオン電流情報であることを特徴とする請求項2記載のイオンミリング装置。
  4. 前記掘削制御手段は、前記掘削の深さの変化の情報に基づいて、前記制御を行うことを特徴とする請求項1記載のイオンミリング装置。
  5. 前記掘削制御手段は、前記制御を行う際の、前記照射物質の供給量および前記電圧の情報を保存する記憶部を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のイオンミリング装置。
JP2005246187A 2005-08-26 2005-08-26 イオンミリング装置 Active JP4594193B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005246187A JP4594193B2 (ja) 2005-08-26 2005-08-26 イオンミリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005246187A JP4594193B2 (ja) 2005-08-26 2005-08-26 イオンミリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007057486A JP2007057486A (ja) 2007-03-08
JP4594193B2 true JP4594193B2 (ja) 2010-12-08

Family

ID=37921103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005246187A Active JP4594193B2 (ja) 2005-08-26 2005-08-26 イオンミリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4594193B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015170400A1 (ja) * 2014-05-09 2015-11-12 株式会社日立ハイテクノロジーズ イオンミリング装置、及び試料加工方法
US10060948B2 (en) * 2016-08-12 2018-08-28 Tiptek, LLC Scanning probe and electron microscope probes and their manufacture
US11244802B2 (en) 2018-02-28 2022-02-08 Hitachi High-Tech Corporation Ion milling device and ion source adjusting method for ion milling device

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0626198B2 (ja) * 1986-12-26 1994-04-06 株式会社日立製作所 集束イオンビーム加工方法及びその装置
JPH03239945A (ja) * 1990-02-19 1991-10-25 Matsushita Electron Corp イオンミリング装置
JP2675688B2 (ja) * 1991-05-15 1997-11-12 株式会社日立製作所 イオンミリング装置のガス導入系
JPH06273297A (ja) * 1993-03-19 1994-09-30 Casio Comput Co Ltd イオンビームによるエッチング方法
JP3263920B2 (ja) * 1996-02-01 2002-03-11 日本電子株式会社 電子顕微鏡用試料作成装置および方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007057486A (ja) 2007-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5247013B2 (ja) イオンビーム加工方法および装置
TWI667719B (zh) 蝕刻基板的方法、蝕刻裝置結構的方法以及處理設備
JP4594193B2 (ja) イオンミリング装置
JP2008204905A (ja) イオンミリング装置、及びイオンミリング加工方法
TWI691999B (zh) 複合帶電粒子束裝置
JP2007227562A (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
US20140124367A1 (en) Sample preparation apparatus, sample preparation method, and charged particle beam apparatus using the same
JP2007048588A (ja) ガス流量設定方法およびイオンビーム加工装置
JP6998467B2 (ja) イオンミリング装置
KR20220100026A (ko) 이온 밀링 장치
US10861674B2 (en) Compensated location specific processing apparatus and method
KR101664924B1 (ko) 라만 산란을 이용한 플라즈마 진단 방법 및 장치
JP2007149861A (ja) イオンミリング装置
KR100839909B1 (ko) 고밀도 플라즈마 화학 기상 증착 설비 및 그의 처리 방법
JP5649153B2 (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
JP2008051779A (ja) 試料観察方法及び試料観察装置
JP2013195292A (ja) グロー放電掘削装置及びグロー放電掘削方法
KR20120074046A (ko) 플라즈마 발생 장치 및 이를 이용한 플라즈마 제어 방법
JP2009121933A (ja) 2次イオン質量分析方法
TWI773042B (zh) 離子研磨裝置
CN111800930B (zh) 一种能够模拟电离层等离子体环境的试验装置
WO2023166551A1 (ja) イオンミリング装置及び検査システム
JP5045310B2 (ja) 二次イオン質量分析技術による高精度な深さ方向分析法および分析装置
JP2630603B2 (ja) プラズマ処理装置
WO2022060921A1 (en) Atomic oxygen detection in semiconductor processing chambers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100914

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100916

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4594193

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 3