JP4593301B2 - エレベータの故障解析装置 - Google Patents
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Description
また、従来の故障解析機能は、エレベータの各製品ソフトウエア(以下S/Wと略す)、例えば、各台管理S/W、制御S/W、駆動S/W等のうち、どれかのS/Wが故障を検出すると同時に故障発生時の動作履歴(信号状態)を記録してしまうため、実際に知りたい情報が記録されていない場合が多々あり、精度の高い解析ができていない。すなわち、実際には各製品S/Wで別々に故障検出を実施しているが、違う故障のデータタイミングで記録を行ってしまう。
これをタイムチャートで示すと、例えば図6のとおりとなる。図中、50は各台管理S/W、60は制御S/W、70は駆動S/W、80は保守S/W、A1〜E1は各S/Wの故障検出点、A2〜E2は保守S/W80が運行状況データを解析して生成した各故障検出点における故障コード、A3〜E3は保守S/Wが生成した故障コードを自己診断履歴として記録したものである。
各S/W50、60、70が故障検出点A1〜E1で故障を検出し、保守S/W80が各台管理S/W50、制御S/W60、駆動S/W70の運行状況データを採取(記録)し、保守S/W80が採取した運行状況データを解析して故障コードA2〜E2を生成し、保守S/W80が生成した故障コードA2〜E2を自己診断履歴として記録A3〜E3として記録する。次の故障を検出すると、運行状況データを上書きして記録する。
図6の例では、一走行で発生する故障は全部で5つあるが、実際に保守員が確認したい故障時運行状況データは、「記録A3」である場合が殆どである。しかし、最終的に記録される故障時運行状況データは、「記録E3」で実際の故障原因とは無関係の場合が多い。これはエレベータ資源の関係であまり多くの記録領域が確保できないためである。また、故障時詳細データが必要になる故障によっては、必要なデータが残っていないため、故障箇所の特定作業や現象確認作業に時間が掛っている。また、繰り返しで発生するような故障の場合、同じ内容のデータを何度も記録してしまい、他の故障時データを上書きで消去してしまう可能性が高い。また、故障発生点での履歴であるため、その後のエレベータの動作が判らず、他の現象が発生していても把握できない。
また、特許文献1記載のものでは、最初に発生した例えば4回分と最後に発生した例えば4回分の故障に関するデータが残るようにするだけであるので、故障検出機能を各製品S/Wに分割して、精度の高い故障検出を行うことについてまで言及されたものではない。
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの故障解析装置の全体構成を示すシステム構成図、図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの故障解析装置の基本動作を説明するためのフローチャート、図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの故障解析装置の保守S/Wの動作を説明するためのフローチャート、図4はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの故障解析装置のデータ表示端末の動作を説明するためのフローチャート、図5はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの故障解析装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
また、エレベータ運行制御装置1は、エレベータを運行制御するための、例えば、各台管理S/W、制御S/W、駆動S/W等からなる各製品S/W11を備えている。そして、この各製品S/W11は、それ毎にエレベータを運行制御するためのエレベータ運行処理部111と、エレベータ故障検出時の運行状況を生成するための故障時エレベータ運行データ生成部112と、エレベータの故障を検出するための故障検出部113とを備えている。
また、第1の保守S/W2は、エレベータの故障状態を常時チェックする状態監視部21と、エレベータの故障時のデータを記録/加工するためのデータ処理部22とを備えている。そして、状態監視部21は、エレベータ故障時の故障検出内容を採取する故障検出データ取得部211と、エレベータ故障時の運行状況データを採取するエレベータ運行データ取得部212とを備えている。また、データ処理部22は、採取した故障検出内容を自己診断履歴として加工する自己診断履歴生成部221と、採取した運行状況データの記録処理を実施するための故障時データ記録処理部222とを備えている。
また、エレベータ運行制御装置1と第1の保守S/W2の共用部3は、エレベータの情報を一時的に記録するRAM部31と、故障検出状況を監視するための状態監視用インターフェース部32とを備えている。
また、第2の保守S/W4は、エレベータ故障時の各種データを蓄積する故障時情報記録部41と、蓄積したデータをデータ表示用端末5に表示するためのデータ表示用端末インターフェース部42とを備えている。そして、故障時情報記録部41は、自己診断履歴を蓄積する自己診断履歴記録部411と、運行状況データを蓄積するエレベータ運行データ記録部412とを備えている。
先ず、エレベータの故障解析機能のうち、エレベータ運行制御装置1の動作フローについて、図2により説明する。ステップS1でエレベータ故障時の運行状況を生成するために、故障時エレベータ運行データ生成部112がエレベータ運行データをトレースし、ステップS2で故障検出部113がエレベータの故障検出を実施している。ステップS3で各製品S/W11が故障検出状況を状態監視用インターフェース部32に書き込む。このような状態において、ステップS4で故障を検出すると、ステップS5に進み、各製品S/W11が状態監視用インターフェース部32に故障検出内容を書き込み、更にステップS6に進み、各製品S/W11が故障時エレベータ運行データをRAM部31に書き込む。
次に、エレベータの故障解析機能のうち、第1の保守S/W2及び第2の保守S/W4の動作フローについて、図3により説明する。ステップS11で状態監視部21が状態監視用インターフェース部32の内容を監視している。ステップS12で状態監視用インターフェース部32の内容が変化すると、ステップS13に進み、故障検出データ取得部211が状態監視用インターフェース部32に書き込まれた故障検出内容を取得する。そして、ステップS14でエレベータ運行データ取得部212がRAM部31に書き込まれた故障時エレベータ運行データを取得する。次に、ステップS15では故障検出データ取得部211が取得した故障検出内容を基に自己診断履歴生成部221が自己診断履歴を生成する。ステップS16で自己診断履歴生成部221が生成した自己診断履歴とエレベータ運行データ取得部212が取得した故障時エレベータ運行データを故障時データ記録処理部222が第2の保守S/Wへ転送する。ステップS17では故障時データ記録処理部222から転送された自己診断履歴と故障時エレベータ運行データを故障時情報記録部41の自己診断履歴記録部411とエレベータ運行データ記録部412に記録する。これにより、故障発生時の状況がより詳細に確認でき、故障発生時状況の理解度が増し、故障復旧の対応時間が短縮される。
次に、エレベータの故障解析機能のうち、データ表示用端末5の動作フローについて、図4により説明する。ステップS21でデータ表示用端末5が第2の保守S/W4のデータ表示用端末インターフェース部42へデータ参照を要求し、ステップS22でデータ表示用端末5がデータ表示用端末インターフェース部42を介してデータを取得する。そして、ステップS23に進み、データ表示用端末5が自己診断履歴記録部411とエレベータ運行データ記録部412に記録されているデータを表示する。これにより、故障発生時の詳細データを利用して、発生時状況のグラフ等をビジュアル的に表現することが可能となり、客先へ状況報告する場合などの説明がし易くなり、また客先の理解度も良くなる。
先ず、エレベータの走行開始で第1の保守S/W90が記録を開始し、各S/W50、60、70が故障検出点A1〜E1で故障を検出する。第1の保守S/W90がA1点の故障コードA2を記録し、第1の保守S/W90がA1点の運行状況データを採取する。次に、第1の保守S/W90がB1点の故障コードB2を記録し、第1の保守S/W90がB1点の運行状況データを採取する。以下、同様に、第1の保守S/W90がC1点の故障コードC2を記録し、第1の保守S/W90がC1点の運行状況データを採取し、第1の保守S/W90がD1点の故障コードD2を記録し、第1の保守S/W90がD1点の運行状況データを採取し、第1の保守S/W90がE1点の故障コードE2を記録し、第1の保守S/W90がE1点の運行状況データを採取する。これにより、一走行(一事象)が終了したので、第1の保守S/W90は記録を終了し、第1の保守S/W90は自己診断履歴を生成するとともに、運行状況データを記録する。記録条件としては、一事象(一走行)内では各製品S/W毎に最初に採取されたデータを記録することとする。図5の例では、A1点、B1点、E1点で採取されたデータである。これは、故障原因としては、最初に発生した故障が考えられるためである。
11 各製品S/W
111 エレベータ運行処理部
112 故障時エレベータ運行データ生成部
113 故障検出部
2 第1の保守S/W
21 状態監視部
211 故障検出データ取得部
212 エレベータ運行データ取得部
22 データ処理部
221 自己診断履歴生成部
222 故障時データ記録処理部
3 共用部
31 RAM部
32 状態監視用インターフェース部
4 第2の保守S/W
41 故障時情報記録部
411 自己診断履歴記録部
412 エレベータ運行データ記録部
42 データ表示用端末インターフェース部
5 データ表示用端末
Claims (4)
- 故障発生時に故障解析に必要なエレベータの運行状況データを記録保存して、故障箇所の特定や現象確認を行うエレベータの故障解析装置において、
エレベータを運行制御するための各製品ソフトウエアを有し、この製品ソフトウエア毎にエレベータの故障を検出して、エレベータ故障検出時の運行状況を生成するエレベータ運行制御装置と、
エレベータの故障状態を常時監視し、エレベータの故障時のデータを記録/加工して、自己診断履歴を生成するとともに、故障時運行状況データを記録処理する第1の保守ソフトウエアと、
エレベータの情報を一時的に記録するとともに、故障検出状況を監視する前記エレベータ運行制御装置と前記第1の保守ソフトウエアの共用部と、
エレベータ故障時の各種データから自己診断履歴を蓄積するともに、運行状況データを蓄積する第2の保守ソフトウエアと、
前記第2の保守ソフトウエアに蓄積されたデータを表示するデータ表示用端末とを備え、
前記第1の保守ソフトウエアは、エレベータの故障状態を常時監視する状態監視部と、エレベータの故障時のデータを記録/加工するデータ処理部とを備え、前記状態監視部は、エレベータ故障時の故障内容を採取する故障検出データ取得部と、エレベータ故障時の運行状況データを採取するエレベータ運行データ取得部とを備え、前記データ処理部は、採取した故障内容を自己診断履歴として加工する自己診断履歴生成部と、採取した運行状況データ記録処理を実行する故障時データ記録処理部とを備え、エレベータの走行開始で前記第1の保守ソフトウエアが記録を開始し、各製品ソフトウエアが各故障検出点で故障を検出し、前記第1の保守ソフトウエアは、前記各故障検出点の故障コードを記憶するとともに、各故障検出点の運行状況データを採取し、一走行内では各製品ソフトウエア毎に最初に採取されたデータを記録することを特徴とするエレベータの故障解析装置。 - エレベータ運行制御装置の各製品ソフトウエアは、エレベータを運行制御するエレベータ運行処理部と、エレベータの故障を検出する故障検出部と、エレベータ故障時の運行状況を生成する故障時エレベータ運行データ生成部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベータの故障解析装置。
- エレベータ運行制御装置と第1の保守ソフトウエアの共用部は、エレベータの情報を一時的に記録するRAM部と、故障検出状況を監視する状態監視用インターフェース部とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエレベータの故障解析装置。
- 第2の保守ソフトウエアは、エレベータ故障時の各種データを蓄積する故障時情報記録部と、蓄積したデータをデータ表示用端末に表示するデータ表示用端末インターフェース部とを備え、前記故障時情報記録部は、自己診断履歴を蓄積する自己診断履歴記録部と、運行状況データを蓄積するエレベータ運行データ記録部とを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエレベータの故障解析装置。
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