JP4588892B2 - タイヤ空気圧検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両をメインスイッチをオフにして停車しておいた後、メインスイッチをオンにした時にタイヤ空気圧が低下したかどうかを監視したり、送信側のバッテリの消耗を抑えるのに好適なタイヤ空気圧検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤの空気圧を検知し、タイヤの空気圧に異常があった場合に対処するタイヤ空気圧検知装置としては、例えば、特開平9−240446号公報「ブレーキ制御装置」に記載されたものが知られている。
【0003】
上記公報の技術は、同公報の図4に示される通り、タイヤの空気圧を直接測定する左前輪空気圧センサ14(符号については同公報に記載されているものをそのまま使用した。)及び右前輪空気圧センサ15と、これらの左・右前輪空気圧センサ14,15側から送信した空気圧の信号を受信する受信器(符号なし)と、この受信器からの空気圧の信号を受ける制御部30と、タイヤの空気圧が所定値未満となった場合に、制御部30からの信号に基づき警報を発する警報器8とを備えるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の技術では、車両のメインスイッチを切って停車している間は、車体側に設けた受信機、制御部30に通電されていないので、例えば、停車中にタイヤの空気圧が低下した場合には、受信機でタイヤ空気圧の信号を受信することができないという状態が生じ得る。
【0005】
このような状態で、メインスイッチをオンにし、受信部及び制御部30が作動したとしても、メインスイッチをオンにした後、走行を開始するまでの間に、左・右前輪空気圧センサ14,15側から最新の空気圧の信号の送信がなければ、警報器8を鳴らすことができず、運転者は走行を開始する時にタイヤ空気圧の低下を知ることができない。
【0006】
そこで、左・右前輪空気圧センサ14,15側を常時送信する構造にすることが考えられるが、左・右前輪空気圧センサ14,15や送信装置に常時通電しなければならず、左・右前輪空気圧センサ14,15や送信装置を作動させるバッテリの消耗を早める。
【0007】
本発明の目的は、タイヤ空気圧検知装置において、車両をメインスイッチをオフにして停車しておいた後にメインスイッチをオンにした時点で最新のタイヤ空気圧を検出できるとともに、送信側のバッテリの消耗を少なくすることができる技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、車輪側で検出したタイヤ空気圧の信号を車体側へ送信し、このタイヤ空気圧の信号を車体側で受信することでタイヤ空気圧を監視するタイヤ空気圧検知装置であり、車輪側に、タイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、このタイヤ空気圧検出手段で検出したタイヤ空気圧の空気圧信号を車体側に送信する主送信手段とを備え、車体側に、主送信手段で送信した空気圧信号を受信する主受信手段と、メインスイッチのオン動作を検出したときにメインスイッチオン信号を生成するメインスイッチオン動作検出手段と、主受信手段で受信した空気圧信号及びメインスイッチオン動作検出手段で生成したメインスイッチオン信号を受ける車体側制御手段と、車体側制御手段がメインスイッチオン信号を受けたときに車体側制御手段からの車体側制御信号に基づいて主送信手段から主受信手段へ新たな空気圧信号を送信するように送信指示信号を車輪側へ送る副送信手段とを備え、車輪側に、更に、副送信手段で発信した発信指示信号を受ける副受信手段と、この副受信手段で受信した発信指示信号に基づいてタイヤ空気圧検出手段から新たな空気圧信号を取り込むとともに主送信手段に空気圧信号を送らせるための車輪側制御信号を生成する車輪側制御手段とを備えたタイヤ空気圧検知装置において、車輪側制御手段に、検出した車速信号を取り込まれる、車速検出手段が備えられ、車輪側制御手段は、車速検出手段が検出する車速によりタイヤ空気圧の取り込み頻度を設定し、車速が大きくなるにつれ前記タイヤ空気圧の取り込み頻度を多くすることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、メインスイッチがオンになったときに、副送信手段から副受信手段へ発信指示信号を送ることにより、車体側制御手段で新たな空気圧信号を取り込むことができ、メインスイッチオン時点で直ちにタイヤ空気圧の状態を把握することができる。
また、主送信手段は、特に空気圧信号の送信頻度を多くする必要がなく、車輪側のバッテリの消耗を少なくすることができる。
加えて、車速が小さいときは取り込み頻度を少なくすることで空気圧検出装置のバッテリの消耗を少なくして、空気圧検出装置の使用時間を延ばすことができる。
また、車速が大きいときは、取り込み頻度を多くすることでタイヤ空気圧の低下をより早期に検知することができ、いち速く警報を発したり、エンジンの出力を制御したりすることができる。
【0010】
請求項2は、車体側制御手段からの警報信号を受け作動される警報装置と、車体側制御手段からのエンジン制御信号を受けてエンジン出力を変更し車両の車速を下げ停止させるエンジン出力変更手段とが備えられ、車体側制御手段は、タイヤの空気圧がしきい値を下回り且つ車速が所定値未満の場合は、警報装置のみを作動させ、タイヤの空気圧がしきい値を下回り且つ車速が所定値以上の場合は、警報装置を作動させつつ、エンジン出力変更手段を作動させ、車両を停止させることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るタイヤ空気圧検知装置を備えた自動二輪車の側面図であり、自動二輪車10は、ハンドル11と、このハンドル11の下部に操舵自在に取付けたフロントフォーク12及び車輪としての前輪13と、ハンドル11の下部及びフロントフォーク12の上部を覆うフロントカバー14及びフロントインナカバー15と、フロントカバー14の下部後方に配置したフロアステップ16と、フロアステップ16の後部上方に続くボデーカバー17と、このボデーカバー17の内側から後方に延びるパワーユニット18と、このパワーユニット18の後部に取付けた車輪としての後輪21と、パワーユニット18の後端部及びボデーカバー17内の図示せぬ車体フレームにそれぞれ渡したエアサスペンション装置22とを備えた車両である。
【0013】
ここで、23は挿入したキーでオンオフすることで電気系統の通電又は通電停止を行うためにフロントインナカバー15の上部に配置したメインスイッチ、24はハンドル11に取付けたメータパネル、25,26は前輪13のホイール及びタイヤ、31,32は後輪21のホイール及びタイヤ、33はシートである。
【0014】
本発明のタイヤ空気圧検知装置40は、前輪13のホイール25に取付けることでタイヤ26の空気圧及び温度を検出し且つ後述する車体側の制御装置に検出データを送信する前輪用の空気圧検出装置41と、後輪21のホイール31に取付けることでタイヤ32の空気圧及び温度を検出し且つ後述する車体側の制御装置に検出データを送信する後輪用のタイヤ空気圧検出装置42と、エンジンの出力を変更するエンジン出力変更装置44と、これらの空気圧検出装置41,42からの検出信号を受信することにより、後述する警報装置を作動させたりエンジン出力変更装置44を制御するために車体側に取付けた制御装置45と、制御装置45からの信号を受けて前輪13のタイヤ26の空気圧、前輪13のタイヤ26の温度、後輪21のタイヤ32の空気圧、後輪21のタイヤ32の温度を表示する表示装置46と、上記したタイヤ26,32のそれぞれの空気圧、温度が異常となった場合に警報を発する警報装置47とからなる。
制御装置45は、例えば、シート33の下方に配置し、表示装置46及び警報装置47は、例えば、メータパネル24又はその周辺に設けたものである。
【0015】
図2は本発明に係るタイヤ空気圧検知装置における空気圧検出装置の取付状態を示す第1断面図であり、前輪用の空気圧検出装置41について説明する。後輪用の空気圧検出装置42については、前輪用の空気圧検出装置41と同一構造であり、図2以降の説明は省略する。
空気圧検出装置41は、検出装置本体51と、この検出装置本体51に取付けることでタイヤ26(図1参照)内に空気を供給するときのみ開くとともにタイヤ26内に供給した空気が外部へ流出しないように閉じておくタイヤバルブ52とからなり、検出装置本体51をリム53の底に設けた凹部54に配置し、リム53の底に開けたバルブ挿通穴55にタイヤバルブ52を挿入し、タイヤバルブ52の外周面に設けたおねじ部56にナット57を捩じ込んでホイール25に空気圧検出装置41を取付ける。
【0016】
図3は本発明に係るタイヤ空気圧検知装置における空気圧検出装置の取付状態を示す第2断面図である。
ホイール25は、フランジ部61,61と、これらのフランジ部61,61の内側に設けたビードシート部62,62と、これらのビードシート部62,62の内側に盛り上げ成形したハンプ部63,63と、これらのハンプ部63,63のそれぞれの間を窪ませたリムドロップ部64と、このリムドロップ部64に設けた前述の凹部54とからなる。
【0017】
ビードシート部62は、タイヤ26(図1参照)のビード部を保持する部分である。
ハンプ部63は、タイヤ26がホイール25のビードシート部62から外れるのを防ぐ環状の凸部である。
【0018】
リムドロップ部64は、深く落込ませることで、タイヤ26の着脱を容易にするための部分である。
ここで、67はタイヤ26内の空気室から外部に空気が洩れるのを防止するためのシール部材、68はタイヤ26の内外を連通させるためにタイヤバルブ52内に設けた連通穴(図示せぬ弁体で塞いである。)である。
【0019】
図4は本発明に係るタイヤ空気圧検知装置のブロック構成図であり、タイヤ空気圧検知装置40は、図1に説明したように、空気圧検出装置41、制御装置45、表示装置46、警報装置47及びエンジン出力変更装置44からなる。
【0020】
空気圧検出装置41は、前輪13(図1参照。空気圧検出装置42では後輪21(図1参照)。)のタイヤ空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段71と、前輪13のタイヤ温度を検出するタイヤ温度検出手段72と、自動二輪車(図1参照)の車速を検出する車速検出手段73と、時間信号SJを生成するタイマ75と、タイヤ空気圧検出手段71からの空気圧信号SP、タイヤ温度検出手段72からの温度信号ST及び車速検出手段73からの車速信号SVを、タイマ75からの時間信号SJに基づいて所定の時間間隔、即ち所定の頻度で取り込む車輪側制御手段としての第1制御手段76と、この第1制御手段76で取り込んだ空気圧信号SP及び温度信号STを含む車輪側制御信号SCを受けるとともに所定の頻度で主送信信号SGを制御装置45へ送信する主送信手段77と、制御装置45からの信号SRを受信する副受信手段78(詳細は後述する。)と、図示せぬバッテリとからなる。
【0021】
タイヤ空気圧検出手段71は、例えば、圧力センサであり、タイヤ温度検出手段72は、例えば、熱電対等の温度センサである。
第1制御手段76は、例えば、車速Vが小さいときに空気圧信号SP及び温度信号STの取り込み頻度を少なく(取り込み頻度の一例として、15秒に1回)し、車速Vが大きいときに空気圧信号SP及び温度信号STの取り込み頻度を多く(取り込み頻度の一例として、0.5秒に1回)するものである。
【0022】
この場合の車速と取り込み頻度との関係は、正比例となる直線関係や、車速に対して取り込み頻度が2次曲線的に増加する関係でもよく、また、所定の車速(例えば、80km/h)を越えると、取り込み頻度がステップ状に変化する関係でもよい。
【0023】
このような第1制御手段76によって、車速Vが小さいときは取り込み頻度を少なくすることで空気圧検出装置41(図1参照)のバッテリの消耗を少なくして、空気圧検出装置41の使用時間を延ばすことができる。
また、車速が大きいときは、取り込み頻度を多くすることでタイヤ空気圧の低下をより早期に検知することができ、いち速く警報を発したり、エンジンの出力を制御したりすることができる。
【0024】
制御装置45は、主送信手段77から送信した主送信信号SGを受信する主受信手段81と、メインスイッチのオン動作を検出したときにメインスイッチオン信号Sonを生成するメインスイッチオン動作検出手段82と、前輪13、後輪21のタイヤ空気圧が低下したときに、警報を発したりエンジン出力を制御したりするためのタイヤ空気圧の範囲と車速の範囲とを予めロムに記憶させた警報マップ83と、主受信手段81からの受信出力信号SBを取り込んで表示信号SEを生成し、受信出力信号SB、メインスイッチオン信号Son、マップ情報JMに基づいて警報信号SK及びエンジン制御信号SHを生成する車体側制御手段としての第2制御手段84と、この第2制御手段84からの車体側制御信号SNにより第1制御手段76が新たに空気圧信号SP及び温度信号STを取り込んでこれらの空気圧信号SP及び温度信号STを主送信手段77から主受信手段81へ送信するように第1制御手段76に指示するための信号(送信指示信号SR)を副送信信号SFとして副受信手段78へ送る副送信手段85とからなる。
【0025】
エンジン出力変更装置44は、第2制御手段84からのエンジン制御信号SHを受けてエンジン出力を変更するための装置であり、例えば、エンジンの負圧、油圧を利用したりモータ、ソレノイドを用いるアクチュエータをエンジンのスロットル軸に取付けることで、スロットル軸を駆動する装置、前述の点火制御を受ける点火装置、燃料をカットする装置、ACゼネレータ抵抗を変化させる装置等である。
【0026】
表示装置46は、第2制御手段84からの表示信号SEを受けてタイヤ空気圧(実空気圧)及びタイヤ温度を表示するものである。
警報装置47は、第2制御手段84からの警報信号SKを受けて警報を発するものであり、運転者のヘルメット内に設けてもよい。
【0027】
メインスイッチオン動作検出手段82は、例えば、メインスイッチ23(図1参照)に一体的に取付けたスイッチであり、メインスイッチ23のオン動作に対応してメインスイッチオン信号を生成する。
【0028】
以上に述べたタイヤ空気圧検知装置40の作用を次に説明する。
図5は本発明に係るタイヤ空気圧検知装置の作用を説明するグラフであり、図4で説明した主送信手段77、主受信手段81、副送信手段85及び副受信手段78の動作の経過を説明する。グラフの縦軸は主送信手段77、主受信手段81、副送信手段85及び副受信手段78の動作状態をHレベル(作動している状態を表す。)とLレベル(作動していない状態を表す。)とで表し、グラフの横軸は時間tを表す。
時間tがt0(ゼロ)の時に、既に主送信手段は、車輪側の空気圧検出装置に設けたバッテリによって主受信手段に所定の頻度で空気圧信号及び温度信号を送信している。このときの主送信手段の作動時間間隔、即ち送信時間間隔をTt、主送信手段の作動時間、即ち送信時間間隔Tt毎の送信時間をHtとする。
【0029】
この時(t=t0)、主受信手段及び副送信手段は作動しておらず、副受信手段は車輪側のバッテリによって常に作動し、副送信手段からの送信を待ち受けている状態にある。
【0030】
時間tがt1になった時にメインスイッチをオン(ON)にすると、副送信手段は所定時間Tsだけ作動状態し、この所定時間Ts内に副受信手段に副送信信号SFを送る。
この結果、副受信手段は、副送信手段からの副送信信号を受ける。
【0031】
図6は本発明に係るタイヤ空気圧検知装置の作用を説明するフローであり、ST××はステップ番号を示す。(符号は図1及び図4参照)
ST01……メインスイッチ23をオンにする。
ST02……第2制御手段84が作動して車輪側から新たなタイヤ空気圧pt及びタイヤ温度Tyを送信するように、副送信手段85から副受信手段78に送信指示信号SRを副送信信号SFとして送信させる。
【0032】
ST03……第1制御手段76は、副受信手段78で受信した送信指示信号SRを受ける。
ST04……車速検出手段73で車速Vを検出する。
ST05……車速Vにより第1制御手段76はタイヤ空気圧Ptの取り込み頻度を設定する。
ST06……第1制御手段76はタイヤ空気圧Pt、タイヤ温度Tyを取り込む。
【0033】
ST07……第1制御手段76は主送信手段77に車輪側制御信号SCを送り、主送信手段77は主送信信号SGを送信する。
ST08……主送信信号SGを主受信手段81で受信する。
ST09……タイヤ空気圧Pt及びタイヤ温度Tyを表示する。
【0034】
ST10……第2制御手段84は、主受信手段81で受信した車輪側制御信号SCから得られるタイヤ空気圧Ptがタイヤ空気圧しきい値Pbを下回ったかどうか、即ち、Pt<Pbかどうか判断する。
Pt<Pbでない(NO)場合、ST04に戻る。
Pt<Pbである(YES)場合、ST11に進む。
【0035】
ST11……車速Vが0(ゼロ)以上で車速所定値Vst未満(0≦V<Vst)かどうか、即ち、車両が停止状態又は停止に近い状態にあるかどうか判断する。
0≦V<Vstでない(NO)場合、即ち、車両が走行中である場合、ST12に進む。
0≦V<Vstである(YES)場合、即ち、車両が停止状態又は停止に近い状態にある場合、ST13に進む。
【0036】
ST12……警報手段47で警報を発し、エンジン出力変更手段44でエンジン出力を変更し、車両の車速を下げ、停止させる。
ST13……警報手段47で警報を発する。
ST14……メインスイッチ23をオフにする。
【0037】
以上の図1及び図4で説明したように、本発明は、車輪側で検出したタイヤ空気圧Ptの信号を車体側へ送信し、このタイヤ空気圧Ptの信号を車体側で受信することでタイヤ空気圧Ptを監視するタイヤ空気圧検知装置40において、車輪側に、タイヤ26,32の空気圧Ptを検出するタイヤ空気圧検出手段71と、このタイヤ空気圧検出手段71で検出したタイヤ空気圧Ptの空気圧信号SPを車体側に送信する主送信手段77とを備え、車体側に、主送信手段77で送信した空気圧信号SPを受信する主受信手段81と、メインスイッチ23のオン動作を検出したときにメインスイッチオン信号Sonを生成するメインスイッチオン動作検出手段82と、主受信手段81で受信した空気圧信号SP及びメインスイッチオン動作検出手段82で生成したメインスイッチオン信号Sonを受ける第2制御手段84と、第2制御手段84がメインスイッチオン信号Sonを受けたときに第2制御手段84からの車体側制御信号SNに基づいて主送信手段77から主受信手段81へ新たな空気圧信号SPを送信するように車輪側へ送信指示信号SRを副送信信号SFとして送る副送信手段85とを備え、車輪側に、更に、副送信手段85で発信した発信指示信号SRを受ける副受信手段78と、この副受信手段78で受信した発信指示信号SRに基づいてタイヤ空気圧検出手段71から新たな空気圧信号SPを取り込むとともに主送信手段77に空気圧信号SPを送らせるための車輪側制御信号SCを生成する第1制御手段76とを備えることを特徴とする。
【0038】
メインスイッチ23がオンになったときに、副送信手段85から副受信手段78へ発信指示信号SRを送ることにより、第2制御手段84で新たな空気圧信号SPを取り込むことができ、メインスイッチオン時点で直ちにタイヤ空気圧の状態を把握することができる。従って、車両が走行する前に、例えば、タイヤの空気圧が低下したことを知ることができる。
また、主送信手段77は、空気圧信号SPを常時送信したり送信頻度を多くする必要がなく、車輪側のバッテリの消耗を少なくすることができる。
【0039】
図7は本発明に係るタイヤ空気圧検知装置の別の実施の形態のブロック構成図であり、図1〜図6で説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
タイヤ空気圧検知装置100は、前輪13(図1参照)及び後輪21(図1参照)に設けた空気圧検出装置101と、車体側に設けた制御装置102とを備える。
【0040】
空気圧検出装置101は、タイヤ空気圧検出手段71と、タイヤ温度検出手段72と、車速検出手段73と、第1時間信号SJ1を生成する第1タイマ104と、第1制御手段76と、この第1制御手段76で取り込んだ取り込み信号SC(空気圧信号SP及び温度信号ST)を受けるとともにこの取り込み信号SCを所定の頻度で送信信号SSとして制御装置102へ送信する送信手段105と、図示せぬバッテリとからなる。
【0041】
制御装置102は、送信手段105から送信した送信信号SSを受信する受信手段106と、メインスイッチ23(図1参照)をオフしたときのオフ動作を検出したときにメインスイッチオフ信号Soffを生成するメインスイッチオフ動作検出手段107と、警報マップ83と、第2時間信号SJ2を生成する車体側タイマとしての第2タイマ108と、受信手段106から受信出力信号SBを取り込んで表示信号SEを生成し、且つ受信出力信号SB、メインスイッチオフ信号Soff、マップ情報JM、第2時間信号SJ2に基づいて警報信号SK及びエンジン制御信号SHを生成する車体側制御手段としての第2制御手段111とからなる。
【0042】
第2制御手段111は、メインスイッチオフ動作検出手段107がメインスイッチをオフにしたことを検出して生成したメインスイッチオフ動作信号Soffを受けたときに、このメインスイッチオフ動作信号Soffに基づいて、第2タイマ108に作動信号SWを送ることで第2タイマ108を作動させるとともに受信手段106に駆動信号SDを送り、第2タイマ108からの第2時間信号SJ2に基づいて受信手段106を所定時間毎に一定時間作動させ、新たな受信出力信号SBを取り込み、更に、取り込んだ受信出力信号SBから得られるタイヤ空気圧Pt及びタイヤ温度Ttを記憶するものである。
【0043】
図8は本発明に係るタイヤ空気圧検知装置の別の実施の形態の作用を説明するグラフであり、図7で説明した受信手段106の作用を説明する。グラフの縦軸は送信手段105、受信手段106の動作状態をHレベル(作動している状態を表す。)とLレベル(作動していない状態を表す。)とで表し、グラフの横軸は時間tを表す。
時間tがt10の時に、既に送信手段は、車輪側の空気圧検出装置に設けたバッテリによって受信手段へ所定の頻度で空気圧信号及び温度信号を送信している。このときの送信手段の作動時間間隔、即ち送信時間間隔をTt、送信手段の作動時間、即ち送信時間をHtとする。
【0044】
この時(t=t10)、メインスイッチをオンにすると、受信手段は作動する。
そして、時間tがt11のときに、メインスイッチをオフ(OFF)にすると、第2タイマが作動する(ON)。
【0045】
これにより、受信手段は作動を停止せずに所定時間間隔毎に一定時間作動する。このときの所定時間間隔、即ち受信時間間隔をTr、一定時間、即ち、受信時間をHrとすると、受信時間Hrと送信時間間隔Ttとの関係はHr>Ttとなる。
ここで、受信手段は、送信手段が作動期間N1,N2,N3で送信した空気圧信号及び温度信号を、それぞれ作動期間N4,N5,N6で受信する。
この受信手段の作動に伴い、第2制御手段は上記受信手段の作動中に空気圧信号及び温度信号を取り込み、記憶する。
【0046】
時間tがt12の時にメインスイッチをオン(ON)にすると、第2タイマは停止(OFF)し、受信手段は、間欠作動を止め、連続作動する。
この時、第2制御手段は、記憶しておいた最新の空気圧信号及び温度信号(グラフ中の作動期間N6での信号であり、詳しくは、送信手段から作動期間N3で送信した信号)から得られるタイヤ空気圧Pt及びタイヤ温度Tyの処理(表示する、警報を発する、エンジン出力を変更する等)を行う。
【0047】
図9は本発明に係るタイヤ空気圧検知装置の別の実施の形態の作用を説明するフローであり、ST××はステップ番号を示す。(符号は図1及び図7を参照)
ST20……メインスイッチ23をオフにする。
ST21……第2タイマ108がオンになる。
ST22……受信手段106で受信出力信号(空気圧信号及び温度信号)を所定頻度(受信時間間隔Tr毎に受信時間Hr)で受信し、第2制御手段111に取り込む。
ST23……第2制御手段111で受信出力信号SBから得られるタイヤ空気圧Pt及びタイヤ温度Tyを記憶する。
【0048】
ST24……メインスイッチ23がオンかどうかを判断する。
メインスイッチ23がオンでない(NO)場合、即ちメインスイッチ23がオフの場合は、ST22に戻る。
メインスイッチがオンである(YES)場合は、ST25に進む。
【0049】
ST25……第2タイマ108がオフになる。
ST26……表示装置46でタイヤ空気圧Pt及びタイヤ温度Tyを表示する。
ST27……第2制御手段111は、タイヤ空気圧Ptがタイヤ空気圧しきい値Pbを下回ったかどうか、即ち、Pt<Pbかどうか判断する。
Pt<Pbでない(NO)場合、処理を終了する。
Pt<Pbである(YES)場合、ST28に進む。
ST28……警報装置47から警報を発する。
【0050】
以上の図1及び図7で説明したように、本発明は、車輪側で検出したタイヤ空気圧Ptの信号を車体側へ送信し、このタイヤ空気圧Ptの信号を車体側で受信することでタイヤ空気圧Ptを監視するタイヤ空気圧検知装置100において、車輪側に、タイヤ26,32の空気圧Ptを検出するタイヤ空気圧検出手段71と、このタイヤ空気圧検出手段71で検出した空気圧Ptの空気圧信号SPを車体側に送信する送信手段105とを備え、車体側に、送信手段105で送信信号SSとして送信した空気圧信号SPを受信する受信手段106と、メインスイッチ23のオフ動作を検出したときにメインスイッチオフ信号Soffを生成するメインスイッチオフ動作検出手段107と、このメインスイッチオフ動作検出手段107で生成したメインスイッチオフ信号Soff及び受信手段106で受信した空気圧信号SPを受信出力信号SBとして受けるとともにこの空気圧信号SPを記憶する第2制御手段111と、この第2制御手段111がメインスイッチオフ信号Soffを受けたときに受信手段106を所定時間間隔Tr毎に一定時間Hr作動させるための第2タイマ108とを備えることを特徴とする。
【0051】
メインスイッチ23がオフになったときに、受信手段106を所定時間間隔Tr毎に一定時間Hr作動させることで、メインスイッチ23がオンになるまでに第2制御手段111で空気圧信号SPを受けてこの空気圧信号から得られるタイヤ空気圧Ptを記憶させておくことができ、次にメインスイッチ23がオンになったときに、記憶させておいたタイヤ空気圧Ptから車両の走行開始前に最新のタイヤ空気圧状態を把握することができる。
【0052】
尚、本発明では、メインスイッチオン動作検出手段でメインスイッチオン動作を検出したが、これに限らず、メインスイッチのオン動作を、メインスイッチオンにより第2制御手段に通電したときに第2制御手段自体で検出してもよい。
【0053】
また、例えば、図4に示した車輪側の空気圧検出装置41で送信ができない事態(空気圧検出装置41の各構成の機能停止やバッテリ切れ等)が発生した場合に、第2制御手段84は、主受信手段81から受信出力信号SBが送られてこないことを検知して、警報装置47に警報信号SKを送り、空気圧検出装置41が異常であることを発光部材や音発生部材で警報を発するようにしてもよい。これにより、運転者は、空気圧検出装置41に異常が発生したことを直ちに知ることができ、空気圧検出装置41の異常に迅速に対処することができて、タイヤ空気圧やタイヤ温度の検出洩れを防止することができる。
このような処理は、図7に示した実施の形態に採用してもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1のタイヤ空気圧検知装置は、車輪側に、タイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、このタイヤ空気圧検出手段で検出したタイヤ空気圧の空気圧信号を車体側に送信する主送信手段とを備え、車体側に、主送信手段で送信した空気圧信号を受信する主受信手段と、メインスイッチのオン動作を検出するメインスイッチオン動作検出手段と、主受信手段で受信した空気圧信号及びメインスイッチオン動作検出手段で生成したメインスイッチオン信号を受ける車体側制御手段と、車体側制御手段がメインスイッチオン信号を受けたときに車体側制御手段からの車体側制御信号に基づいて主送信手段から主受信手段へ新たな空気圧信号を送信するように送信指示信号を車輪側へ送る副送信手段とを備え、車輪側に、更に、副送信手段で発信した発信指示信号を受ける副受信手段と、この副受信手段で受信した発信指示信号に基づいてタイヤ空気圧検出手段から新たな空気圧信号を取り込むとともに主送信手段に空気圧信号を送らせるための車輪側制御信号を生成する車輪側制御手段とを備えるので、メインスイッチがオンになったときに、副送信手段から副受信手段へ発信指示信号を送ることにより、車体側制御手段で新たな空気圧信号を取り込むことができ、メインスイッチオン時点で直ちにタイヤ空気圧の状態を把握することができる。
従って、主送信手段は、空気圧信号を常時発信したり、送信頻度を多くする必要がなく、車輪側のバッテリの消耗を少なくすることができる。
加えて、車速が小さいときは取り込み頻度を少なくすることで空気圧検出装置のバッテリの消耗を少なくして、空気圧検出装置の使用時間を延ばすことができる。
また、車速が大きいときは、取り込み頻度を多くすることでタイヤ空気圧の低下をより早期に検知することができ、いち速く警報を発したり、エンジンの出力を制御したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタイヤ空気圧検知装置を備えた自動二輪車の側面図
【図2】本発明に係るタイヤ空気圧検知装置における空気圧検出装置の取付状態を示す第1断面図
【図3】本発明に係るタイヤ空気圧検知装置における空気圧検出装置の取付状態を示す第2断面図
【図4】本発明に係るタイヤ空気圧検知装置のブロック構成図
【図5】本発明に係るタイヤ空気圧検知装置の作用を説明するグラフ
【図6】本発明に係るタイヤ空気圧検知装置の作用を説明するフロー
【図7】本発明に係るタイヤ空気圧検知装置の別の実施の形態のブロック構成図
【図8】本発明に係るタイヤ空気圧検知装置の別の実施の形態の作用を説明するグラフ
【図9】本発明に係るタイヤ空気圧検知装置の別の実施の形態の作用を説明するフロー
【符号の説明】
13,21…車輪(前輪、後輪)、26,32…タイヤ、40,100…タイヤ空気圧検知装置、41,42…空気圧検出装置、44…エンジン出力変更手段、47…警報装置、71…タイヤ空気圧検出手段、73…車速検出手段、76…車輪側制御手段(第1制御手段)、77…主送信手段、78…副受信手段、81…主受信手段、82…メインスイッチオン動作検出手段、84,111…車体側制御手段(第2制御手段)、105…送信手段、106…受信手段、107…メインスイッチオフ動作検出手段、108…車体側タイマ(第2タイマ)、Hr…一定時間、Pt…タイヤ空気圧、SC…車輪側制御信号、SN…車体側制御信号、Son…メインスイッチオン信号、Soff…メインスイッチオフ信号、SP…空気圧信号、SR…送信指示信号、Tr…所定時間間隔。
Claims (2)
- 車輪側で検出したタイヤ空気圧の信号を車体側へ送信し、このタイヤ空気圧の信号を車体側で受信することでタイヤ空気圧を監視するタイヤ空気圧検出手段であり、
車輪側に、タイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、このタイヤ空気圧検出手段で検出したタイヤ空気圧の空気圧信号を車体側に送信する主送信手段とを備え、
車体側に、前記主送信手段で送信した空気圧信号を受信する主受信手段と、メインスイッチのオン動作を検出したときにメインスイッチオン信号を生成するメインスイッチオン動作検出手段と、前記主受信手段で受信した空気圧信号及び前記メインスイッチオン動作検出手段で生成したメインスイッチオン信号を受ける車体側制御手段と、前記車体側制御手段がメインスイッチオン信号を受けたときに車体側制御手段からの車体側制御信号に基づいて前記主送信手段から前記主受信手段へ新たな空気圧信号を送信するように送信指示信号を車輪側へ送る副送信手段とを備え、
前記車輪側に、更に、前記副送信手段で発信した発信指示信号を受ける副受信手段と、この副受信手段で受信した発信指示信号に基づいて前記タイヤ空気圧検出手段から新たな空気圧信号を取り込むとともに前記主送信手段に空気圧信号を送らせるための車輪側制御信号を生成する車輪側制御手段とを備えるタイヤ空気圧検知装置において、
前記車輪側制御手段に、検出した車速信号を取り込まれる、車速検出手段が備えられ、
前記車輪側制御手段は、前記車速検出手段が検出する車速によりタイヤ空気圧の取り込み頻度を設定し、車速が大きくなるにつれ前記タイヤ空気圧の取り込み頻度を多くすることを特徴とするタイヤ空気圧検知装置。 - 前記車体側制御手段からの警報信号を受け作動される警報装置と、前記車体側制御手段からのエンジン制御信号を受けてエンジン出力を変更し車両の車速を下げ停止させるエンジン出力変更手段とが備えられ、
前記車体側制御手段は、タイヤの空気圧がしきい値を下回り且つ車速が所定値未満の場合は、前記警報装置のみを作動させ、
タイヤの空気圧がしきい値を下回り且つ車速が所定値以上の場合は、前記警報装置を作動させつつ、前記エンジン出力変更手段を作動させ、車両を停止させることを特徴とする請求項1記載のタイヤ空気圧検知装置。
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