JP4585258B2 - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents

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本発明は、プラズマディスプレイパネルを用いたプラズマディスプレイ装置に関する。
かかるマトリクス表示方式のディスプレイパネルの一つとしてAC(交流放電)型のPDPが知られている。AC型のPDPは、複数の列電極(アドレス電極)と、これら列電極と直交して配列されておりかつ一対にて1走査ラインを形成する複数の行電極対とを備えている。これら各行電極対及び列電極は、放電空間に対して誘電体層で被覆されており、行電極対と列電極との交点にて1画素に対応した放電セルが形成される構造となっている。
ここで、かかるPDPに対して中間調表示を実施させる方法の一つとして、1フィールド期間を、Nビットの画素データの各ビット桁の重み付けに対応した時間だけ発光するN個のサブフィールドに分割して表示する、いわゆるサブフィールド法が知られている。図1は、かかるサブフィールド法による1フィールド期間中での発光駆動フォーマットを示す図である。
図1に示される一例においては、供給される画素データが6ビットの場合を想定し、1フィールドの期間をSF1、SF2...、SF6なる6個のサブフィールドに分割して発光駆動を行う。これら6個のサブフィールドによる発光を1通り実行することにより、1フィールド分の画像に対する64階調表現が可能となるのである。
各サブフィールドは、リセット行程Rc、アドレス行程Wc、及びサスティン行程Icにて構成される。リセット行程Rcでは、上記PDPの全放電セルを一斉に放電励起(リセット放電)せしめることにより、全放電セル内に一様に壁電荷を形成させる。次のアドレス行程Wcでは、各放電セル毎に、画素データに応じた選択的な消去放電を励起せしめる。この際、かかる消去放電が実施された放電セル内の壁電荷は消滅して"消灯セル"となる。一方、消去放電が実施されなかった放電セルは壁電荷が残留したままとなっているので"点灯セル"となる。サスティン行程Icでは、上記点灯セルに対してのみ各サブフィールドの重み付けに対応した時間だけ放電発光状態を継続させる。これにより、各サブフィールドSF1〜SF6では、順に1:2:4:8:16:32なる発光期間比にて維持発光が行われるのである。
上記アドレス行程Wcにおいて、上述した如き各放電セル内に形成されている壁電荷を選択的に消去せしめるという選択消去アドレス法を採用した場合には、各サブフィールドの先頭部において図1の斜線部にて示されるリセット行程Rcを実施することが必須となる。ところが、かかるリセット行程Rcにて全放電セルに対して実施されるリセット放電は、比較的強い放電、すなわち輝度レベルの高い発光を伴うものである。よって、図1の斜線にて示される6箇所にて、画素データとは何等関与しない発光が起こるので、画像のコントラストを低下させてしまうという問題があった。
そこで、特許文献1に示されたように1フィールドの先頭でのみ全セルに壁電荷を形成するリセット放電を生じさせ、いずれか1のSFでのみ選択消去アドレスを行うことにより、コントラストを向上させるシーケンスが提案されている。
このシーケンスでは、リセット放電によるプライミング効果が低下し、各駆動パルスの印加による放電を確実に生起させるために、各駆動パルスのパルス幅を広くすることが必要となる。
本発明が解決しようとする課題には、上記の欠点が一例として挙げられ、誤放電を抑制しつつコントラストを向上させることができるプラズマディスプレイ装置を提供することが本発明の目的である。
請求項1に係る発明のプラズマディスプレイ装置は、複数の行電極対と、その行電極対に対して交差する方向に延びて行電極対との各交差部分に各々放電セルを形成する複数の列電極と、電子線の照射によって励起されて波長域200〜300nm内にピークを有するカソードルミネッセンス発光を行う酸化マグネシウム結晶体が、前記表示セル各々内の前記放電空間に接する面において形成された酸化マグネシウム層が設けられているプラズマディスプレイパネルと、前記複数の行電極対各々の対をなす行電極間にリセットパルスを印加して前記放電セル中に壁電荷を形成するリセット放電を生起せしめるリセット手段と、前記行電極対の一方の行電極に走査パルスを印加すると共に映像信号に基づく表示データに応じて列電極にデータパルスを印加して前記放電セル各々に形成されている前記壁電荷を選択的に消去させる選択消去放電を生起せしめるアドレス手段と、前記対をなす行電極間にサスティンパルスを印加して前記放電セル内で前記壁電荷が形成されている放電セルのみに維持放電を生起せしめるサスティン手段と、を備え、前記映像信号の1フィールドの表示期間をアドレス期間とサスティン期間とからなる複数のサブフィールドで構成し、前記リセット手段は、前記1フィールドの表示期間の先頭サブフィールドのアドレス期間に先立って前記リセットパルスを1つのみ印加することを特徴としている。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図2は、本発明によるプラズマディスプレイ装置の概略構成を示す図である。
図2に示す如く、かかるプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルとしてのPDP50、X行電極駆動回路51、Y行電極駆動回路53、列電極駆動回路55、及び駆動制御回路56から構成される。
PDP50には、2次元表示画面の縦方向(垂直方向)に各々伸張して配列された列電極D1〜Dm、横方向(水平方向)に各々伸張して配列された行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Ynが形成されている。この際、互いに隣接するもの同士で対を為す行電極対(Y1,X1)、(Y2,X2)、(Y3,X3)、・・・、(Yn,Xn)が各々、PDP50における第1表示ライン〜第n表示ラインを担う。各表示ラインと列電極D1〜Dm各々との各交叉部(図2中の一点鎖線にて囲まれた領域)には、画素を担う放電セルPCが形成されている。すなわち、PDP50には、第1表示ラインに属する放電セルPC1、1〜PC1、m、第2表示ラインに属する放電セルPC2、1〜PC2、m、・・・・、第n表示ラインに属する放電セルPCn、1〜PCnmの各々がマトリクス状に配列されているのである。
PDP50の列電極D1〜Dm各々は列電極駆動回路55に接続され、行電極X1〜Xn各々はX行電極駆動回路51に接続され、行電極Y1〜Yn各々はY行電極駆動回路53に接続されている。
図3は、表示面側から眺めたPDP50の内部構造を模式的に示す正面図である。図3においては、PDP50の列電極D1〜D3各々と、第1表示ライン(Y1,X1)及び第2表示ライン(Y2,X2)との各交叉部を抜粋して示すものである。図4は、図3のV3−V3線におけるPDP50の断面を示す図であり、図5は、図3のW2−W2線におけるPDP50の断面を示す図である。
図3に示すように、各行電極Xは、2次元表示画面の水平方向に伸張するバス電極Xbと、かかるバス電極Xb上の各放電セルPCに対応した位置に各々接触して設けられたT字形状の透明電極Xaと、から構成される。各行電極Yは、2次元表示画面の水平方向に伸張するバス電極Ybと、かかるバス電極Yb上の各放電セルPCに対応した位置に各々接触して設けられたT字形状の透明電極Yaと、から構成される。透明電極Xa及びYaは例えばITO等の透明導電膜からなり、バス電極Xb及びYbは例えば金属膜からなる。透明電極Xa及バス電極Xbからなる行電極X、並びに透明電極Ya及バス電極Ybからなる行電極Yは、図4に示す如く、その前面側がPDP50の表示面となる前面透明基板10の背面側に形成されている。この際、各行電極対(X、Y)における透明電極Xa及びYaは、互いに対となる相手の行電極側に伸張しており、その幅広部の頂辺同士が所定幅の放電ギャップg1を介して互いに対向している。又、前面透明基板10の背面側には、1対の行電極対(X1、Y1)とこの行電極対に隣接する行電極対(X2、Y2)との間に、2次元表示画面の水平方向に伸張する黒色または暗色の光吸収層(遮光層)11が形成されている。さらに、前面透明基板10の背面側には、行電極対(X,Y)を被覆するように誘電体層12が形成されている。この誘電体層12の背面側(行電極対が接触する面とは反対側の面)には、図4に示す如く、光吸収層11とこの光吸収層11に隣接するバス電極Xb及びYbとが形成されている領域に対応した部分に、嵩上げ誘電体層12Aが形成されている。この誘電体層12及び嵩上げ誘電体層12Aの表面上には、後述するような気相法酸化マグネシウム(MgO)単結晶体粉末を含む酸化マグネシウム層13が形成されている。
一方、前面透明基板10と平行に配置された背面基板14上には、列電極Dの各々が、各行電極対(X,Y)における透明電極Xa及びYaに対向する位置において行電極対(X,Y)と直交する方向に伸張して形成されている。背面基板14上には、更に列電極Dを被覆する白色の列電極保護層15が形成されている。この列電極保護層15上には隔壁16が形成されている。隔壁16は、各行電極対(X,Y)のバス電極Xb及びYbに対応した位置において各々2次元表示画面の横方向に伸張している横壁16Aと、互いに隣接する列電極D間の各中間位置において2次元表示画面の縦方向に伸張している縦壁16Bとによって梯子形状に形成されている。なお、PDP50の各表示ライン毎に、図3に示す如き梯子形状の隔壁16が各々形成されており、互いに隣接する隔壁16の間には、図3に示す如き隙間SLが存在する。又、梯子状の隔壁16によって、各々独立した放電空間S、透明電極Xa及びYaを含む放電セルPCが区画されている。放電空間S内には、キセノンガスを含む放電ガスが封入されている。各放電セルPC内における横壁16Aの側面、縦壁16Bの側面、及び列電極保護層15の表面には、図4に示す如くこれらの面を全て覆うように蛍光体層17が形成されている。この蛍光体層17は、実際には、赤色発光を為す蛍光体、緑色発光を為す蛍光体、及び青色発光を為す蛍光体の3種類からなる。各放電セルPCの放電空間Sと隙間SLとの間は、図4に示す如く酸化マグネシウム層13が横壁16Aに当接されることによって互いに閉じられている。一方、図5に示す如く、縦壁16Bは酸化マグネシウム層13に当接されていないので、その間に隙間r1が存在する。すなわち、2次元表示画面の横方向において互いに隣接する放電セルPC各々の放電空間Sは、この隙間r1を介して互いに連通しているのである。
ここで、上記酸化マグネシウム層13を形成する酸化マグネシウム結晶体は、マグネシウムを加熱して発生するマグネシウム蒸気を気相酸化して得られる単結晶体、例えば電子線の照射により励起されて波長域200〜300nm内(特に、230〜250nm内の235nm付近)にピークを有するCL発光を行う気相法酸化マグネシウム結晶体を含んでいる。この気相法酸化マグネシウム結晶体には、図6のSEM写真像に示す如き立方体の結晶体が互いに嵌り込んだ多重結晶構造、あるいは図7のSEM写真像に示す如き立方体の単結晶構造を有する、2000オングストローム以上の粒径のマグネシウム単結晶体が含まれている。このようなマグネシウム単結晶体は、他の方法によって生成された酸化マグネシウムと比較すると高純度であると共に微粒子であり、粒子の凝集が少ない等の特徴を備えており、後述するように放電遅れ等の放電特性の改善に寄与する。なお、本実施例においては、BET法によって測定した平均粒径が500オングストローム以上、好ましくは2000オングストローム以上の気相酸化マグネシウム単結晶体を用いている。そして、このような酸化マグネシウム単結晶体を、スプレー法や静電塗布法等により、図8に示す如く誘電体層12の表面に付着させることにより酸化マグネシウム層13を形成させるのである。尚、誘電体層12及び嵩上げ誘電体層12Aの表面に蒸着又はスパッタ法により薄膜酸化マグネシウム層を形成し、その上に気相法酸化マグネシウム単結晶体を付着させて酸化マグネシウム層13を形成するようにしても良い。
駆動制御回路56は、上記構造を有するPDP50を図9に示す如きサブフィールド法(サブフレーム法)を採用した発光駆動シーケンスに従って駆動させるべき各種制御信号をX行電極駆動回路51、Y行電極駆動回路53、及び列電極駆動回路55の各々に供給する。X行電極駆動回路51、Y行電極駆動回路53、及び列電極駆動回路55は、図9に示す発光駆動シーケンスに従ってPDP50を駆動すべき各種駆動パルスを生成してPDP50に供給する。X行電極駆動回路51はリセットパルス発生回路51a及びサスティンパルス発生回路51bとを有している。Y行電極駆動回路53はリセットパルス発生回路53a、スキャンパルス発生回路53b及びサスティンパルス発生回路53cを有している。
図9に示す発光駆動シーケンスにおいては、1フィールド(1フレーム)の表示期間内のサブフィールドSF1〜SFN各々において、アドレス行程W及びサスティン行程Iを各々実行する。また、先頭のサブフィールドSF1に限り、アドレス行程Wに先立ちリセット行程Rを実行する。
図10は、サブフィールドSF1〜SFNの内からSF1及びSF2を抜粋して、PDP50の列電極D、行電極X及びYに印加される各種駆動パルスの印加タイミングを示す図である。
先頭のサブフィールドSF1においてのみアドレス行程Wに先立ち実施されるリセット行程Rでは、X行電極駆動回路51のリセットパルス発生回路51aが図10に示す如き負極性のリセットパルスRPXを行電極X1〜Xnに一斉に印加する。リセットパルスRPXは急峻な立ち上がり及び立ち上がり波形を有している。更に、かかるリセットパルスRPXの印加と同時に、Y行電極駆動回路53のリセットパルス発生回路53aは、図10に示す如き、時間経過に伴い緩やかに電圧値が上昇してピーク電圧値V1に至るパルス波形を有する正極性のリセットパルスRPYを行電極Y1〜Ynに一斉に印加する。リセットパルスRPYのピーク電圧値は、後述のサスティンパルスIPX及びIPYのピーク電圧値よりも大である。リセットパルスRPY及びリセットパルスRPxの同時印加により、全ての放電セルPC1、1〜PCnm各々内の行電極X及びY間においてリセット放電が生起される。かかるリセット放電の終息後、各放電セルPCの放電空間S内における酸化マグネシウム層13の表面に所定量の壁電荷が形成される。具体的には酸化マグネシウム層13の表面上における行電極Xの近傍には正極性の電荷が形成され、行電極Yの近傍には負極性の電荷が形成される、いわゆる壁電荷の形成された状態となる。その後、Y行電極駆動回路53は、リセットパルスRPYの立ち下がり時に緩やかに電圧変化させる。すなわち、図10に示すように、リセットパルスRPYを走査パルスと接地電位との間の中間電位V2までアンダーシュートさせる。これにより、リセットパルスRPYの立ち下がり時に壁電荷を消去してしまう強い消去放電が生じないようにしていると共に次のアドレス行程での選択的な消去放電が良好に行われるように壁電荷量を調整している。
保護層として気相法酸化マグネシウム層13を設けたパネルでは、放電確率が著しく高いため、微弱なリセット放電が安定して生じる。突起電極、特にT字形状の先端幅広電極との組み合わせにより、放電ギャップ近傍にリセット放電が局所化され、行電極全体で放電が生じるような強い突発的なリセット放電が生じる可能性が一層抑制される。よって、列電極と行電極との間で強い放電が生じ難く、短時間に安定した微弱リセット放電を生じさせることが可能である。
また、気相法酸化マグネシウム層13を設けた構成では、放電確率が著しく向上しているので、1つのリセットパルスの印加、すなわち1回のリセット放電であってもプライミング効果が持続する。よって、リセット動作及び選択消去動作をより安定化することができる。また、リセット放電の回数を最小にすることによりコントラストが向上する。
なお、気相法酸化マグネシウム層13を設けた場合の作用については更に後述する。
次に、サブフィールドSF1〜SF15各々のアドレス行程Wでは、Y行電極駆動回路53のスキャンパルス発生回路53bが正極性の電圧を全ての行電極Y1〜Ynに印加しつつ、それに重畳して負極性の電圧を有する走査パルスSPを行電極Y2〜Yn各々に順次印加して行く。この間、X電極駆動回路51は、行電極X1〜Xn各々を0Vにさせる。列電極駆動回路55は、このサブフィールドSF1に対応した画素駆動データビット群DB1における各データビットをその論理レベルに応じたパルス電圧を有する画素データパルスDPに変換する。例えば、列電極駆動回路55は、論理レベル0の画素駆動データビットを正極性の高電圧の画素データパルスDPに変換する一方、論理レベル1の画素駆動データビットを低電圧(0ボルト)の画素データパルスDPに変換する。そして、かかる画素データパルスDPを走査パルスSPの印加タイミングに同期して1表示ライン分(m個)ずつ列電極D1〜Dmに印加して行く。つまり、列電極駆動回路55は、先ず、第1表示ラインに対応したm個の画素データパルスDPからなる画素データパルス群DP1を列電極D1〜Dmに印加し、次に、第2表示ラインに対応したm個の画素データパルスDPからなる画素データパルス群DP2を列電極D1〜Dmに印加して行くのである。負極性の電圧を有する走査パルスSPと高電圧の画素データパルスDPとが同時に印加された放電セルPC内の列電極D及び行電極Y間において選択消去放電が生起され、放電セルPC内に形成されていた壁電荷が消滅する。一方、走査パルスSPが印加されたものの低電圧(0ボルト)の画素データパルスDPが印加された放電セルPC内では上記の如き選択消去放電は生起されない。よって、放電セルPC内の壁電荷の形成状態が維持される。すなわち、放電セルPC内に壁電荷が存在する場合にはそれがそのまま残留し、壁電荷が存在しない場合には壁電荷の非形成状態が維持される。
このように、選択消去アドレス法に基づくアドレス行程Wでは、サブフィールドに対応した画素駆動データビット群の各データビットに応じて選択的に放電セルPC各々内に選択消去アドレス放電を生起させて壁電荷を消去させる。これにより、壁電荷の残留する放電セルPCを点灯セル状態、壁電荷が消去された放電セルPCを消灯セル状態に設定するのである。
次に、各サブフィールドのサスティン行程Iでは、X行電極駆動回路51のサスティンパルス発生回路51b及びY行電極駆動回路53のサスティンパルス発生回路53cの各々が、交互に繰り返し正極性のサスティンパルスIPX及びIPYを行電極X1〜Xn及びY1〜Ynに印加する。サスティンパルスIPX及びIPYを印加する回数は、各サブフィールドにおける輝度の重み付けに依存する。この際、これらサスティンパルスIPX及びIPYが印加される度に、所定量の壁電荷が形成されている上記点灯セル状態にある放電セルPCのみがサスティン放電し、この放電に伴い蛍光体層17が発光してパネル面に画像が形成される。
ここで、前述した如く、各放電セルPC内に形成されている酸化マグネシウム層13に含まれている気相酸化マグネシウム単結晶体は、電子線の照射により励起されて図11に示す如き波長域200〜300nm内(特に、230〜250nm内の235nm付近)にピークを有するCL発光を行う。この際、図12に示す如く、気相法酸化マグネシウム結晶体の粒径が大なるほどCL発光のピーク強度が大となる。すなわち、気相法酸化マグネシウム結晶体を生成する際に、通常よりも高い温度でマグネシウムを加熱すると、平均粒径500オングストロームの気相酸化マグネシウム単結晶体と共に、図6或いは図7の如き粒径2000オングストローム以上の比較的大なる単結晶体が形成される。この際、マグネシウムを加熱する際の温度が通常よりも高温であるので、マグネシウムと酸素が反応する火炎の長さも長くなる。従って、かかる火炎と周囲との温度差が大になり、それ故に、粒径が大なる気相酸化マグネシウム単結晶体のグループほど、200〜300nm(特に235nm付近)に対応したエネルギー準位の高い単結晶体が多く含まれることになると推測される。
図13は、放電セルPC内に酸化マグネシウム層を設けなかった場合の放電確率、従来の蒸着法によって酸化マグネシウム層を構築した場合の放電確率、電子線の照射により200〜300nm(特に230〜250nm内の235nm付近)にピークを有するCL発光を生起する気相酸化マグネシウム単結晶体を含む酸化マグネシウム層を設けた場合各々での放電確率を示す図である。尚、図13中において横軸は、放電の休止時間、つまり放電が生起されてから次の放電が生起されるまでの時間間隔を表すものである。
このように、各放電セルPCの放電空間Sに、図6又は図7に示す如き電子線の照射により200〜300nm(特に230〜250nm内の235nm付近)にピークを有するCL発光を行う気相酸化マグネシウム単結晶体を含む酸化マグネシウム層13を形成すると、従来の蒸着法によって酸化マグネシウム層を形成させた場合に比して放電確率が高まるのである。尚、図14に示す如く、上記気相酸化マグネシウム単結晶体としては、電子線を照射した際の特に235nmにピークを有するCL発光の強度が大なるものほど、放電空間S内において生起される放電遅れを短縮させることができる。
従って、表示画像には関与しないリセット放電に伴う発光を抑えてコントラスト向上を図るべく、行電極Yに印加するリセットパルスRPYの電圧推移を図10に示す如く緩やかにしてリセット放電を微弱化させても、この微弱なリセット放電を短時間に安定して生起させることが可能となる。特に、各放電セルPCは、T字形状の透明電極Xa及びYa間の放電ギャップ近傍で局所的に放電を生起させる構造を採用しているので、行電極全体で放電してしまうような強い突発的なリセット放電が抑制されると共に、列電極及び行電極間での強い誤放電も阻止される。
また、放電確率が高くなる(放電遅れが少なくなる)ことにより、上記リセット行程Rでのリセット放電によるプライミング効果が長く持続することになるので、アドレス行程Wにおいて生起されるアドレス放電、並びにサスティン行程Iにおいて生起されるサスティン放電が高速化する。これにより、アドレス放電を生起させるべく列電極D及び行電極Yに夫々印加される図10に示す如き画素データパルスDP及び走査パルスSP各々のパルス幅Waを短くすることができるようになり、その分だけ、アドレス行程Wに費やす処理時間を短縮させることが可能となる。更に、サスティン放電を生起させるべく行電極Yに印加される図10に示す如きサスティンパルスIPYのパルス幅Wbを短くすることができるようになり、その分だけ、サスティン行程Iに費やす処理時間を短縮させることが可能となる。
従って、アドレス行程W及びサスティン行程I各々に費やされる処理時間を短縮した分だけ、1フィールド(又は1フレーム)表示期間内において設けるべきサブフィールドの数を増加させることが可能となり、階調数の増加を図ることができるようになる。
また、上記した実施例におけるPDP50としては、行電極対(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、・・・、(Xn,Yn)の如き互いに対を為す行電極Xと行電極Yとの間に放電セルPCが形成される構造を採用しているが、互いに隣接する全ての行電極間に放電セルPCが形成された構造を採用しても良い。要するに、行電極X1及びY1の間、行電極Y1及びX2間、行電極X2及びY2の間、・・・、行電極Yn-1及びXnの間、行電極Xn及びYnの間、に夫々放電セルPCが形成された構造を採用しても良いのである。
更に、上記した実施例におけるPDP50としては、前面透明基板10に行電極X及びY、背面基板14に列電極D及び蛍光体層17を夫々形成される構造を採用しているが、前面透明基板10に列電極Dと共に行電極X及びYを形成し、背面基板14に蛍光体層17を形成させた構造を採用しても良い。
以上のように、本発明によれば、複数の行電極対と列電極との各交差部分に形成された放電セルに面する部分に電子線によって励起されて波長域200〜300nm内にピークを有するカソードルミネッセンス発光を行う酸化マグネシウム結晶体を含む酸化マグネシウム層が設けられているプラズマディスプレイパネルを備え、複数の行電極対各々の対をなす行電極間にリセットパルスを印加してリセット放電を生起せしめ、行電極対の一方の行電極に走査パルスを印加すると共に映像信号に基づく表示データに応じて列電極にデータパルスを印加して放電セル各々に形成されている壁電荷を選択的に消去させる選択消去放電を生起せしめ、対をなす行電極間にサスティンパルスを印加して壁電荷が形成されている放電セルのみに維持放電を生起せしめる。よって、誤放電を抑制しつつコントラストを向上させることができる。
従来のプラズマディスプレイ装置において採用される発光駆動シーケンスの一例を示す図である。 本発明によるプラズマディスプレイ装置の概略構成を示す図である。 図3の装置の表示面側から眺めたPDPの内部構造を模式的に示す正面図である。 図3に示されるV3−V3線上での断面を示す図である。 図3に示されるW2−W2線上での断面を示す図である。 立方体の多重結晶構造を有する酸化マグネシウム単結晶体を示す図である。 立方体の多重結晶構造を有する酸化マグネシウム単結晶体を示す図である。 酸化マグネシウム単結晶体粉末を誘電体層及び嵩上げ誘電体層の表面に付着させて酸化マグネシウム層を形成させた場合の形態を示す図である。 図2に示されるプラズマディスプレイ装置において採用される発光駆動シーケンスの一例を示す図である。 図9に示す発光駆動シーケンスに従ってPDPに印加される各種駆動パルスとその印加タイミングを示す図である。 酸化マグネシウム単結晶体粉末の粒径とCL発光の波長との関係を示すグラフである。 酸化マグネシウム単結晶体粉末の粒径と235nmのCL発光の強度との関係を示すグラフである。 表示セル内に酸化マグネシウム層を設けなかった場合の放電確率、従来の蒸着法によって酸化マグネシウム層を構築した場合の放電確率、多重結晶構造の酸化マグネシウム層を構築した場合の放電確率を各々示す図である。 235nmピークのCL発光強度と放電遅れ時間との対応関係を示す図である。
符号の説明
13 酸化マグネシウム層
50 PDP
51 X行電極駆動回路
53 Y行電極駆動回路
55 列電極駆動回路
56 駆動制御回路

Claims (3)

  1. 複数の行電極対と、その行電極対に対して交差する方向に延びて行電極対との各交差部分に各々放電セルを形成する複数の列電極と、電子線の照射によって励起されて波長域200〜300nm内にピークを有するカソードルミネッセンス発光を行う酸化マグネシウム結晶体が、前記表示セル各々内の前記放電空間に接する面において形成された酸化マグネシウム層が設けられているプラズマディスプレイパネルと、
    前記複数の行電極対各々の対をなす行電極間にリセットパルスを印加して前記放電セル中に壁電荷を形成するリセット放電を生起せしめるリセット手段と、
    前記行電極対の一方の行電極に走査パルスを印加すると共に映像信号に基づく表示データに応じて列電極にデータパルスを印加して前記放電セル各々に形成されている前記壁電荷を選択的に消去させる選択消去放電を生起せしめるアドレス手段と、
    前記対をなす行電極間にサスティンパルスを印加して前記放電セル内で前記壁電荷が形成されている放電セルのみに維持放電を生起せしめるサスティン手段と、を備え、
    前記映像信号の1フィールドの表示期間をアドレス期間とサスティン期間とからなる複数のサブフィールドで構成し、前記リセット手段は、前記1フィールドの表示期間の先頭サブフィールドのアドレス期間に先立って前記リセットパルスを1つのみ印加することを特徴とする記載のプラズマディスプレイ装置。
  2. 前記リセットパルスは、時間経過に伴ってその電圧が漸増して第1所定電圧値に到達する前縁部と時間経過に伴ってその電圧が漸減して前記走査パルス印加時における前記行電極の電位と前記走査パルス非印加時における前記行電極の電位との間の第2所定電圧値に到達する後縁部とを有することを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ装置。
  3. 前記第1所定電圧値は、前記サスティンパルスの印加時における前記行電極上の電圧値よりも大であることを特徴とする請求項2記載のプラズマディスプレイ装置。
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