JP2009008806A - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents
プラズマディスプレイパネルの駆動方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009008806A JP2009008806A JP2007168920A JP2007168920A JP2009008806A JP 2009008806 A JP2009008806 A JP 2009008806A JP 2007168920 A JP2007168920 A JP 2007168920A JP 2007168920 A JP2007168920 A JP 2007168920A JP 2009008806 A JP2009008806 A JP 2009008806A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- discharge
- discharge cell
- bit
- pixel
- drive data
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G09—EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
- G09G—ARRANGEMENTS OR CIRCUITS FOR CONTROL OF INDICATING DEVICES USING STATIC MEANS TO PRESENT VARIABLE INFORMATION
- G09G3/00—Control arrangements or circuits, of interest only in connection with visual indicators other than cathode-ray tubes
- G09G3/20—Control arrangements or circuits, of interest only in connection with visual indicators other than cathode-ray tubes for presentation of an assembly of a number of characters, e.g. a page, by composing the assembly by combination of individual elements arranged in a matrix no fixed position being assigned to or needed to be assigned to the individual characters or partial characters
- G09G3/22—Control arrangements or circuits, of interest only in connection with visual indicators other than cathode-ray tubes for presentation of an assembly of a number of characters, e.g. a page, by composing the assembly by combination of individual elements arranged in a matrix no fixed position being assigned to or needed to be assigned to the individual characters or partial characters using controlled light sources
- G09G3/28—Control arrangements or circuits, of interest only in connection with visual indicators other than cathode-ray tubes for presentation of an assembly of a number of characters, e.g. a page, by composing the assembly by combination of individual elements arranged in a matrix no fixed position being assigned to or needed to be assigned to the individual characters or partial characters using controlled light sources using luminous gas-discharge panels, e.g. plasma panels
- G09G3/288—Control arrangements or circuits, of interest only in connection with visual indicators other than cathode-ray tubes for presentation of an assembly of a number of characters, e.g. a page, by composing the assembly by combination of individual elements arranged in a matrix no fixed position being assigned to or needed to be assigned to the individual characters or partial characters using controlled light sources using luminous gas-discharge panels, e.g. plasma panels using AC panels
- G09G3/291—Control arrangements or circuits, of interest only in connection with visual indicators other than cathode-ray tubes for presentation of an assembly of a number of characters, e.g. a page, by composing the assembly by combination of individual elements arranged in a matrix no fixed position being assigned to or needed to be assigned to the individual characters or partial characters using controlled light sources using luminous gas-discharge panels, e.g. plasma panels using AC panels controlling the gas discharge to control a cell condition, e.g. by means of specific pulse shapes
- G09G3/293—Control arrangements or circuits, of interest only in connection with visual indicators other than cathode-ray tubes for presentation of an assembly of a number of characters, e.g. a page, by composing the assembly by combination of individual elements arranged in a matrix no fixed position being assigned to or needed to be assigned to the individual characters or partial characters using controlled light sources using luminous gas-discharge panels, e.g. plasma panels using AC panels controlling the gas discharge to control a cell condition, e.g. by means of specific pulse shapes for address discharge
- G09G3/2935—Addressed by erasing selected cells that are in an ON state
-
- G—PHYSICS
- G09—EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
- G09G—ARRANGEMENTS OR CIRCUITS FOR CONTROL OF INDICATING DEVICES USING STATIC MEANS TO PRESENT VARIABLE INFORMATION
- G09G3/00—Control arrangements or circuits, of interest only in connection with visual indicators other than cathode-ray tubes
- G09G3/20—Control arrangements or circuits, of interest only in connection with visual indicators other than cathode-ray tubes for presentation of an assembly of a number of characters, e.g. a page, by composing the assembly by combination of individual elements arranged in a matrix no fixed position being assigned to or needed to be assigned to the individual characters or partial characters
- G09G3/2007—Display of intermediate tones
- G09G3/2044—Display of intermediate tones using dithering
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Plasma & Fusion (AREA)
- Computer Hardware Design (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
- Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
- Control Of Gas Discharge Display Tubes (AREA)
Abstract
【課題】放電ミスを生じさせることなく暗コントラストを向上させることが可能なプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
【解決手段】入力映像信号(画素駆動データ)に従ってアドレス放電されるべき少なくとも1の放電セルが属する表示ラインの直前でアドレス対象となる表示ラインに属する放電セル各々の内で、上記1の放電セルに隣接した位置に配置されている放電セルを、強制的にアドレス放電させる。
【選択図】 図9
【解決手段】入力映像信号(画素駆動データ)に従ってアドレス放電されるべき少なくとも1の放電セルが属する表示ラインの直前でアドレス対象となる表示ラインに属する放電セル各々の内で、上記1の放電セルに隣接した位置に配置されている放電セルを、強制的にアドレス放電させる。
【選択図】 図9
Description
本発明は、入力映像信号に応じてプラズマディスプレイパネルを駆動する駆動方法に関する。
現在、薄型で大画面の表示デバイスとして、画素に対応した放電セルがマトリクス状に配列されているプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)を搭載したプラズマディスプレイ装置が製品化されている。
又、各放電セル内において電極を被覆すべく設けられている酸化マグネシウム層内に、電子線照射によって200〜300nmにピークを有するCL発光を為す気相酸化マグネシウム単結晶体を含ませることにより、放電確率を高めるようにしたPDPが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなPDPによれば、放電遅れが大幅に短縮されるので、微弱な放電を短時間に安定して生起させることが可能となる。よって、表示画像には関与しない放電に伴う発光を抑制させて、暗い画像を表示している際のコントラスト、いわゆる暗コントラストを向上させることが可能となる。
ところが、表示画像には関与しない放電として、放電セルの状態を初期化すべく全放電セルにおいて一斉に生起されるリセット放電が存在する為、暗コントラストを大幅に向上させることはできなかった。
そこで、リセット放電を生起させずにPDPを駆動する駆動方法が提案された(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、リセット放電を生起させておかないと、その後の各種放電が安定して生起されなくなり、放電ミスが発生する可能性が高まるという問題が生じた。
特開2006−54160号公報
特開2001−312244号公報
本発明は、かかる問題を解決すべく為されたものであり、放電ミスを生じさせることなく暗コントラストを向上させることが可能なプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
請求項1記載によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、複数の表示ライン各々に各画素を担う複数の放電セルが配列されたプラズマディスプレイパネルを、入力映像信号の各フィールドを構成する複数のサブフィールド毎に駆動して階調表示を行うプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、前記サブフィールド各々は、前記入力映像信号に基づき前記放電セル各々をアドレス放電させるか否かを示す画素駆動データを生成し、前記表示ライン各々を1表示ライン分ずつ順次アドレス対象としつつ当該アドレス対象となった表示ラインに属する放電セル各々を前記画素駆動データに応じて選択的にアドレス放電させることにより点灯モード及び消灯モードの内の一方の状態に設定するアドレス行程と、前記点灯モードに設定されている放電セルのみを前記サブフィールドの輝度重みに対応した回数に亘り繰り返しサスティン放電させるサスティン行程と、を含み、前記サブフィールド各々の内の所定サブフィールドの前記アドレス行程では、前記画素駆動データに従ってアドレス放電されるべき少なくとも1の放電セルが属する表示ラインの直前で前記アドレス対象となる表示ラインに属する放電セルの内で、前記1の放電セルに隣接した位置に配置されている放電セルを強制的にアドレス放電させる。
入力映像信号(画素駆動データ)に従ってアドレス放電されるべき少なくとも1の放電セルが属する表示ラインの直前でアドレス対象となる表示ラインに属する放電セル各々の内で、上記1の放電セルに隣接した位置に配置されている放電セルを、強制的にアドレス放電させる。これにより、上記1の放電セルに対してアドレス放電を生起させる際には、その直前で必ず、この放電セルに隣接した位置に配置されている放電セルでもアドレス放電が生起されることになる。よって、このように強制的に生起されたアドレス放電により、その直後、放電に必要な量の荷電粒子が確保され、上記1の放電セルにおいて確実にアドレス放電が生起されるようになる。よって、リセット放電に頼ることなく、アドレス放電を確実に生起させ得る量の荷電粒子を確保することが可能となるので、暗コントラスト向上を図るべくリセット放電を微弱化、或いは省略した場合にも、放電ミスを生じさせることなく放電セルを駆動させることができるようになる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明によるプラズマディスプレイ装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように、かかるプラズマディスプレイ装置は、A/D変換器1、画素駆動データ生成回路2、強制点灯処理回路3、メモリ4、PDP50、X電極ドライバ51、Y電極ドライバ53、アドレスドライバ55、及び駆動制御回路56から構成される。
プラズマディスプレイパネルとしてのPDP50には、2次元表示画面の縦方向(垂直方向)に夫々伸張して配列された列電極D1〜Dm、横方向(水平方向)に夫々伸張して配列された行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Ynが形成されている。この際、互いに隣接するもの同士で対を為す行電極対(Y1,X1)、(Y2,X2)、(Y3,X3)、・・・、(Yn,Xn)が夫々、PDP50における第1表示ライン〜第n表示ラインを担う。各表示ラインと列電極D1〜Dm各々との交叉部(図1中の一点鎖線にて囲まれた領域)には、画素を担う放電セル(表示セル)PCが形成されている。すなわち、PDP50には、第1表示ラインに属する放電セルPC1,1〜PC1,m、第2表示ラインに属する放電セルPC2,1〜PC2,m、・・・・、第n表示ラインに属する放電セルPCn,1〜PCn,mの各々がマトリクス状に配列されているのである。
図2は、表示面側から眺めたPDP50の内部構造を模式的に示す正面図である。尚、図2においては、夫々隣接する3つの列電極Dと、互いに隣接する2つの表示ラインとの各交叉部を抜粋して示すものである。又、図3(a)は、図2のV−V線におけるPDP50の断面を示す図であり、図4は、図2のW−W線におけるPDP50の断面を示す図である。
図2に示すように、各行電極Xは、2次元表示画面の水平方向に伸張するバス電極Xbと、かかるバス電極Xb上の各放電セルPCに対応した位置に夫々接触して設けられたT字形状の透明電極Xaと、から構成される。各行電極Yは、2次元表示画面の水平方向に伸張するバス電極Ybと、かかるバス電極Yb上の各放電セルPCに対応した位置に夫々接触して設けられたT字形状の透明電極Yaと、から構成される。透明電極Xa及びYaは例えばITO等の透明導電膜からなり、バス電極Xb及びYbは例えば金属膜からなる。透明電極Xa及バス電極Xbからなる行電極X、並びに透明電極Ya及バス電極Ybからなる行電極Yは、図3(a)に示す如く、その前面側がPDP50の表示面となる前面透明基板10の背面側に形成されている。この際、透明電極Xa及びYaは、互いに対を為す相手側の行電極の方に向けて伸張しており、その幅広部の頂辺同士が所定幅の放電ギャップg1を介して互いに対向している。尚、以降、各放電ギャップg1を形成させる透明電極Xa及びYaが属する行電極X及びYの組み合わせを、行電極対(X、Y)と称する。前面透明基板10の背面側には、行電極対(X、Y)とこの行電極対に隣接する行電極対(X、Y)との間に、2次元表示画面の水平方向に伸張する黒色または暗色の光吸収層(遮光層)11が形成されている。さらに、前面透明基板10の背面側には、行電極対(X,Y)を被覆するように誘電体層12が形成されている。誘電体層12の表面上には、酸化マグネシウム層13が形成されている。尚、酸化マグネシウム層13は、電子線の照射によって励起されて波長200〜300nm内、特に、230〜250nm内にピークを有するCL(カソードルミネッセンス)発光を行う二次電子放出材としての酸化マグネシウム結晶体(以下、CL発光MgO結晶体と称する)を含むものである。このCL発光MgO結晶体は、マグネシウムを加熱して発生するマグネシウム蒸気を気相酸化して得られるものであり、例えば立方体の結晶体が互いに嵌り込んだ多重結晶構造、あるいは立方体の単結晶構造を有する。CL発光MgO結晶体の平均粒径は、2000オングストローム以上(BET法による測定結果)である。
平均粒径が2000オングストローム以上の大きな粒径の気相法酸化マグネシウム単結晶体を形成しようとする場合には、マグネシウム蒸気を発生させる際の加熱温度を高くする必要がある。このため、マグネシウムと酸素が反応する火炎の長さが長くなり、この火炎と周囲との温度差が大きくなることによって、粒径の大きい気相法酸化マグネシウム単結晶体ほど、上述した如きCL発光のピーク波長(例えば、235nm付近、230〜250nm内)に対応したエネルギー準位を有するものが多く形成されることになる。また、一般的な気相酸化法に比べ、単位時間当たりに蒸発させるマグネシウムの量を増加させてマグネシウムと酸素との反応領域をより増大させ、より多くの酸素と反応することによって生成された気相法酸化マグネシウム単結晶体は、上述したCL発光のピーク波長に対応したエネルギー準位を有するものとなる。
このようなCL発光MgO結晶体を、スプレー法や静電塗布法等によって、誘電体層12の表面に付着させることにより酸化マグネシウム層13が形成されている。尚、誘電体層12の表面に蒸着又はスパッタ法により薄膜酸化マグネシウム層を形成し、その上にCL発光MgO結晶体を付着させて酸化マグネシウム層13を形成するようにしても良い。
一方、前面透明基板10と平行に配置された背面基板14上には、各行電極対(X,Y)における透明電極Xa及びYaに対向する位置において、列電極Dの各々が行電極対(X,Y)と直交する方向に伸張して形成されている。背面基板14上には、更に列電極Dを被覆する白色の列電極保護層15が形成されている。この列電極保護層15上には横壁16A及び縦壁16Bからなる隔壁16が形成されている。横壁16Aは、互いに隣接する行電極対(X,Y)同士の間の位置において、2次元表示画面の横方向に夫々伸張して形成されている。一方、縦壁16Bは、互いに隣接する列電極Dの間の位置において2次元表示画面の縦方向に伸張して形成されている。この際、横壁16A及び縦壁16Bに囲まれた領域に、夫々独立した放電空間S、透明電極Xa及びYaを含む放電セルPCが区画される。放電空間S内には、キセノンガスを含む放電ガスが封入されている。ここで、横壁16Aと酸化マグネシウム層13の表面との間には僅かな隙間が形成されており、この隙間を介して、2次元表示画面の縦方向において互いに隣接する放電セルPC同士の放電空間が連通している。この隙間は、製造上における横壁16A及縦壁16B各々の高さのバラツキ、或いは酸化マグネシウム層13の表面上における微小な凸凹形態に起因して形成されるものである。尚、図3(b)に示す如く、縦壁16Bよりもその壁の高さが所定長分だけ低い横壁16Aを採用することにより、2次元表示画面の縦方向において互いに隣接する放電セルPC同士の放電空間を、隙間rを介して連通させるようにしても良い。
又、横壁16Aを省略して縦壁16Bだけで隔壁16を形成させるようにしても良い。
又、横壁16Aを省略して縦壁16Bだけで隔壁16を形成させるようにしても良い。
各放電セルPC内における横壁16Aの側面、縦壁16Bの側面、及び列電極保護層15の表面には、これらの面を全て覆うように蛍光体層17が形成されている。この蛍光体層17は、実際には、赤色発光を為す蛍光体、緑色発光を為す蛍光体、及び青色発光を為す蛍光体の3種類からなる。例えば、第(3K−2)番目の列電極(D1,D4,D7,D10,・・・)に属する放電セルPC各々の蛍光体層17には赤色発光を為す蛍光体、第(3K−1)番目の列電極(D2,D5,D8,D11,・・・)に属する放電セルPC各々の蛍光体層17には緑色発光を為す蛍光体、第(3K)番目の列電極(D3,D6,D9,D12,・・・)に属する放電セルPC各々の蛍光体層17には青色発光を為す蛍光体が夫々形成されている。つまり、1つの列電極D上には、赤、緑及び青の内の1の色の発光を担う放電セルが配列されているのである。尚、蛍光体層17内には、二次電子放出材としてのMgO結晶体(CL発光MgO結晶体を含む)が含まれており、その一部は、蛍光体層17の表面上における放電空間Sを覆う面上、つまり放電空間Sと接する面上において、放電ガスと接触するように蛍光体層17から露出している。このように、PDP50では、酸化マグネシウム層13及び蛍光体層17の双方にCL発光MgO結晶体を含ませる構造を採用することにより、従来のPDPに比して放電遅れ時間の大幅な短縮化、及び放電の微弱化が図られている。
A/D変換器1は、入力映像信号をサンプリングしてこれを各画素に対応した例えば8ビットの画素データPDに変換して、画素駆動データ生成回路2に供給する。画素駆動データ生成回路2は、先ず、各画素毎の画素データPD各々に対して誤差拡散処理及びディザ処理からなる多階調化処理を施す。例えば、誤差拡散処理において画素駆動データ生成回路2は、画素データの上位6ビット分を表示データ、残りの下位2ビット分を誤差データとし、周辺画素各々に対応した画素データにおける誤差データを重み付け加算したものを、上記表示データに反映させることにより6ビットの誤差拡散処理画素データを得る。かかる誤差拡散処理によれば、原画素における下位2ビット分の輝度が周辺画素によって擬似的に表現され、それ故に8ビットよりも少ない6ビット分の表示データにて、上記8ビット分の画素データと同等の輝度階調表現が可能になる。そして、画素駆動データ生成回路2は、この誤差拡散処理によって得られた6ビットの誤差拡散処理画素データに対してディザ処理を施す。ディザ処理では、互いに隣接する複数の画素を1画素単位とし、この1画素単位内の各画素に対応した上記誤差拡散処理画素データに夫々、互いに異なる係数値からなるディザ係数を夫々割り当てて加算することによりディザ加算画素データを得る。かかるディザ係数の加算によれば、上記の如き画素単位で眺めた場合には、ディザ加算画素データの上位4ビット分だけでも8ビットに相当する輝度を表現することが可能となる。画素駆動データ生成回路2は、上記ディザ加算画素データ中から例えば上位4ビット分を抽出し、これを、各画素毎の輝度レベルを図5に示す如く12段階(第1〜第12階調)で区分けして表す4ビットの多階調化画素データPDSとする。そして、画素駆動データ生成回路2は、各画素に対応した多階調化画素データPDSの各々を順次、図5に示す如きデータ変換テーブルに従って11ビットの画素駆動データGDに変換して、強制点灯処理回路3に供給する。尚、画素駆動データGDにおける第1〜第11ビット各々の論理レベルは、そのビット桁に対応したサブフィールド(後述する)においてアドレス放電(後述する)を生起させるか否かを示す。すなわち、画素駆動データGDの第1ビットは先頭のサブフィールド、第11ビットは最後尾のサブフィールドに対応しており、その論理レベルが例えば1である場合にはアドレス放電を生起させる一方、論理レベル0である場合にはそのビット桁に対応したサブフィールドではアドレス放電を生起させない。
強制点灯処理回路3は、各画素毎の画素駆動データGD各々に対して強制点灯処理(後述する)を施して得られた画素駆動データGGDをメモリ4に供給する。尚、画素駆動データGGDも、図5に示す如き、各階調毎に夫々異なるビットパターンを有する11ビットのデータである。
メモリ4は、上記画素駆動データGGDを順次書き込む。ここで、1画面分、つまり第1行・第1列〜第n行・第m列の各画素に対応した(n×m)個分の画素駆動データGGD(1,1)〜GGD(n,m)の書き込みが終了すると、メモリ4は、以下の如き読み出し動作を行う。
先ず、メモリ4は、画素駆動データGGD(1,1)〜GGD(n,m)各々の第1ビット目を画素駆動データビットDB(1,1)〜RDB(n,m)と捉え、これらを後述するサブフィールドSF1において1表示ライン分ずつ読み出してアドレスドライバ55に供給する。次に、メモリ4は、画素駆動データGGD(1,1)〜GGD(n,m)各々の第2ビット目を画素駆動データビットDB(1,1)〜DB(n,m)と捉え、これらを後述するサブフィールドSF2において1表示ライン分ずつ読み出してアドレスドライバ55に供給する。以下、同様にして、メモリ4は、画素駆動データGGD(1,1)〜GGD(n,m)各々の各ビットを同一ビット桁同士にて分離して読み出し、そのビット桁に対応したサブフィールドにおいて、夫々を画素駆動データビットDB(1,1)〜DB(n,m)としてアドレスドライバ55に供給する。
駆動制御回路56は、PDP50を図6に示す如きサブフィールド法(サブフレーム法)を採用した発光駆動シーケンスに従って駆動させるべき各種制御信号を、X電極ドライバ51、Y電極ドライバ53及びアドレスドライバ55からなるパネルドライバに供給する。
すなわち、駆動制御回路56は、図6に示す如く、1フィールド又は1フレーム表示期間(以下、単位表示期間と称する)毎に、サブフィールドSF1〜SF11各々で、選択書込アドレス行程WW、サスティン行程I及び消去行程E各々に従った駆動を順次実施させるべき各種制御信号をパネルドライバに供給する。尚、駆動制御回路56は、単位表示期間内の先頭のサブフィールドSF1に限り、選択書込アドレス行程WWに先立ち、リセット行程Rに従った駆動を順次実施させるべき各種制御信号をパネルドライバに供給する。
パネルドライバ(X電極ドライバ51、Y電極ドライバ53、アドレスドライバ55)は、駆動制御回路56から供給された各種制御信号に応じて、PDP50の列電極D、行電極X及びYに各種駆動パルスを印加することにより、PDP50に対して以下の如き駆動を実施する。
先ず、先頭のサブフィールドSF1のみで実施されるリセット行程Rでは、Y電極ドライバ53が、全ての行電極Y1〜Ynにリセットパルスを印加する。かかるリセットパルスの印加に応じて、全ての放電セルPC内においてリセット放電が生起される。かかるリセット放電により、各放電セルPC内の行電極X及びY各々の近傍に残留していた壁電荷が消去され、全ての放電セルPCが消灯モードの状態に初期化される。
次に、サブフィールドSF1〜SF11各々の選択書込アドレス行程WWでは、アドレスドライバ55が、そのSFに対応した画素駆動データビットDBの論理レベルに応じたパルス電圧を有する画素データパルス(後述する)を生成し、これを1表示ライン分(m個)ずつ順次、列電極D1〜Dmに印加する。例えば、アドレスドライバ55は、画素駆動データビットDBが、放電セルを点灯モードに設定させることを示す論理レベル1である場合には高電圧、消灯モードに設定させることを示す論理レベル0である場合には低電圧(例えば0ボルト)の画素データパルスを生成する。更に、この間、Y電極ドライバ53は、上述した如き、夫々が1表示ライン分からなる画素データパルス群の各印加タイミングに同期させて、書込走査パルス(後述する)を行電極Y1〜Yn各々に順次択一的に印加する。この際、上記書込走査パルスと同時に、高電圧の画素データパルスが印加された放電セルPC内の列電極D及び行電極Y間において選択書込アドレス放電が生起される。かかる放電に伴い放電セルPC内には所望量の壁電荷が形成され、この放電セルは点灯モードの状態に設定される。一方、かかる書込走査パルスと同時に低電圧の画素データパルスが印加された放電セルPC内には上述した如き選択書込アドレス放電は生起されず、その直前までの状態、つまり消灯モードの状態を保持する。
次に、サブフィールドSF1〜SF11各々のサスティン行程Iでは、X電極ドライバ51及びY電極ドライバ53が、行電極X及びYに対して交互に、そのサブフィールドの輝度重みに対応した回数分だけ繰り返し、サスティンパルスを印加する。このサスティンパルスが印加される度に、点灯モードの状態にある放電セルPC内の行電極X及びY間においてサスティン放電が生起される。かかるサスティン放電に伴って蛍光体層17から照射される光が前面透明基板10を介して外部に照射されることにより、このサブフィールドSFの輝度重みに対応した回数分の表示発光が為される。尚、図6に示す発光駆動シーケンスでは、単位表示期間内において先頭に近いサブフィールドほど、そのサブフィールドに割り当てられている輝度重みが小である。
そして、サブフィールドSF1〜SF11各々の消去行程Eでは、Y電極ドライバ53が、消去パルスを全行電極Y1〜Ynに印加する。かかる消去パルスの印加に応じて、点灯モード状態にある放電セルPCのみに消去放電が生起される。かかる消去放電によって点灯モード状態にあった放電セルPCは消灯モードの状態に遷移する。
以上の如き駆動を、図5に示す如き12通りの画素駆動データGGDに基づいて実行する。かかる駆動によると、図5に示すように、輝度レベル0を表現する場合(第1階調)を除き、先頭のサブフィールドSF1から、表現すべき輝度レベルに対応した数だけ連続したサブフィールド各々で、放電セルPCにおいて書込アドレス放電が生起され(二重丸にて示す)、この放電セルPCは点灯モードに設定される。従って、放電セルPCは、表現すべき中間輝度に対応した分だけ連続したサブフィールド各々で点灯モードに設定され、これらサブフィールドの各々に割り当てられている回数分だけサスティン放電に伴う発光を繰り返し生起する(二重丸にて示す)。この際、単位表示期間内において生起されたサスティン放電の総数に対応した輝度が視覚される。よって、図5に示す如き第1〜第12階調駆動による12種類の発光パターンによれば、二重丸にて示すサブフィールド各々で生起されたサスティン放電の合計回数に対応した12階調分の中間輝度が表現される。
このように、図1に示されるプラズマディスプレイ装置は、画素駆動データGGDに基づき、PDP50に対して図5及び図6に示されるが如き駆動を実施するようにしている。
ここで、かかる画素駆動データGGDとは、強制点灯処理回路3が、入力映像信号によって表される各画素毎の輝度階調に対応した画素駆動データGDに対して以下の如き強制点灯処理を施して得られたものである。
図7は、強制点灯処理回路3の内部構成を示す図である。
図7に示すように、強制点灯処理回路3は、1H遅延回路31〜34、及びオアゲート35〜37から構成される。
1H遅延回路31は、1表示ライン分(m個)の画素駆動データGDが供給されるのに費やされる期間(以下、1H期間と称する)だけ、かかる画素駆動データGDにおける第1ビット(GD1)を遅延させたものを遅延第1ビットGDH1としてオアゲート35に供給する。オアゲート35は、かかる遅延第1ビットGDH1と、画素駆動データGDにおける第1ビット(GD1)との論理和の結果を、画素駆動データGGDにおける第1ビット(GGD1)として出力する。1H遅延回路32は、画素駆動データGDにおける第2ビット(GD2)を、上記1H期間だけ遅延させたものを遅延第2ビットGDH2としてオアゲート36に供給する。オアゲート36は、かかる遅延第2ビットGDH2と、画素駆動データGDにおける第2ビット(GD2)との論理和の結果を、画素駆動データGGDにおける第2ビット(GGD2)として出力する。1H遅延回路33は、画素駆動データGDにおける第3ビット(GD3)を、上記1H期間だけ遅延させたものを遅延第3ビットGDH3としてオアゲート37に供給する。オアゲート37は、かかる遅延第3ビットGDH3と、画素駆動データGDにおける第3ビット(GD3)との論理和の結果を、画素駆動データGGDにおける第3ビット(GGD3)として出力する。1H遅延回路34は、画素駆動データGDにおける第4ビット(GD4)〜第11ビット(GD11)を夫々上記1H期間だけ遅延させたものを、画素駆動データGGDにおける第4ビット(GGD4)〜第11ビット(GGD11)として出力する。
すなわち、強制点灯処理回路3は、画素駆動データGDにおける第1ビット〜第11ビットの内、輝度重み値が所定値よりも大なるサブフィールドSF4〜SF11に対応した第4〜第11ビットに対しては、各ビット毎の論理レベルをそのまま画素駆動データGGDの第4ビット〜第11ビットとする。
一方、輝度重み値が所定値よりも小なるサブフィールドSF1〜SF3に対応した第1〜第3ビットに対しては、強制点灯処理回路3は、各ビット桁毎に、1H期間後に供給されることになるビットとの論理和を求め、その結果を画素駆動データGGDの第1ビット〜第3ビットとしてメモリ4に供給する。すなわち、画素駆動データGD中の第1〜第3ビットに対しては、強制点灯処理回路3は、各放電セルに対応した画素駆動データGD毎に、その放電セルの下側に隣接する放電セルに対応した画素駆動データGDのビット(第1〜第3ビット)との論理和を各ビット桁毎に求めるのである。
例えば、図8に示す如き、放電セルPC1,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル0であるときに、その下側に隣接する放電セルPC2,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル1である場合には、この放電セルPC1,1に対応した画素駆動データGGDの第1ビットとして、両者の論理和である論理レベル1が得られる。又、放電セルPC2,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル1であるときに、その下側に隣接する放電セルPC3,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル1である場合には、この放電セルPC2,1に対応した画素駆動データGGDの第1ビットとして、両者の論理和である論理レベル1が得られる。又、放電セルPC3,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル0であるときに、その下側に隣接する放電セルPC4,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル0である場合には、この放電セルPC3,1に対応した画素駆動データGGDの第1ビットとして、両者の論理和である論理レベル0が得られる。又、放電セルPC4,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル0であるときに、その下側に隣接する放電セルPC5,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル0である場合には、この放電セルPC4,1に対応した画素駆動データGGDの第1ビットとして、両者の論理和である論理レベル0が得られる。又、放電セルPC5,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル0であるときに、その下側に隣接する放電セルPC6,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル1である場合には、この放電セルPC5,1に対応した画素駆動データGGDの第1ビットとして、両者の論理和である論理レベル1が得られる。
すなわち、強制点灯処理回路3は、画素駆動データGD中の第Pビット(P:1、2、3)に対しては、例えその論理レベルが消灯モードを表す0であっても、下側に隣接する放電セルに対応した画素駆動データGDの第Pビットが論理レベル1である場合には、これを強制的に点灯モードを表す論理レベル1に置換すべき強制点灯処理を施すのである。
ここで、画素駆動データGGDにおける各ビットが論理レベル1である場合には、そのビット桁に対応したサブフィールドの選択書込アドレス行程WWにおいて、放電セルPC内の列電極D及び行電極Y間で書込アドレス放電が生起され、この放電セルPCが点灯モードに設定される。
以下に、かかる動作について図9に示される一例を用いて説明する。
尚、図9は、PDP50中から列電極D1及び行電極Y1〜Y9を抜粋して、サブフィールドSF1の選択書込アドレス行程WWで為される放電セルPC1,1〜PC9,1各々での駆動動作を表す図である。
先ず、放電セルPC1,1〜PC9,1各々に対応した画素駆動データGD各々の第1ビットが[0,1,0,0,0,1,0,1,1]なるビット系列となる場合、強制点灯処理回路3は、かかるビット系列に対して前述した如き強制点灯処理を施すことにより[1,1,0,0,1,1,1,1,1]なる第1ビットのビット系列を有する画素駆動データGGDを得る。アドレスドライバ55は、画素駆動データGGDによる上記ビット系列中における各ビット毎に、そのビットが論理レベル1である場合には正極性の高電圧、論理レベル0である場合には低電圧(0ボルト)の画素データパルスDPを、図9に示す如く順次、列電極D1に印加する。この間、図9に示す如く各ビット毎に印加された画素データパルスDP各々に同期させて、Y電極ドライバ53は、負極性の走査パルスSPを行電極Y1からY9へと順次択一的に印加する。この際、走査パルスSPが印加されると共に、正極性の高電圧の画素データパルスDPが同時に印加された放電セルPC内の列電極D1及び行電極Y間において書込アドレス放電が生起され、この放電セルPCは点灯モードに遷移する。尚、走査パルスSPが印加されたものの、低電圧の画素データパルスDPが印加された放電セルPC内では上述した如き書込アドレス放電は生起されず、放電セルPCはその直前までの状態、つまり消灯モードの状態を維持する。
ここで、[0,1,0,0,0,1,0,1,1]なるビット系列を有する画素駆動データGDによれば、図9に示す如き論理レベル1のビットに対応した放電セルPC2,1、PC6,1、PC8,1及びPC9,1各々で書込アドレス放電が生起されることになる。この際、放電セルPCの放電空間内では、各種の放電が生起される度に荷電粒子が生成されるが、放電が停止すると時間経過に伴いその量が徐々に減少して行き、放電確率が低下して行く。例えば、図9に示す如き画素駆動データGDに従って放電セルを駆動すると、放電セルPC9,1では、書込アドレス放電を生起させる直前に、真上に隣接する放電セルPC8,1において書込アドレス放電が生起されることになるので、この放電によって発生した荷電粒子が放電セルPC9,1に拡散し、放電に必要な量の荷電粒子が確保される。この荷電粒子によって、放電セルPC9,1では、放電の発生確率が大幅に上昇するため、確実に書込みアドレス放電を生起させることが可能となる。ところが、画素駆動データGDに従って放電セルを駆動すると、放電セルPC2,1(又はPC6,1、PC9,1)では、この書込アドレス放電を生起させる直前の段階で真上に隣接する放電セルPC1,1(又はPC5,1、PC7,1)において書込アドレス放電が生起されないので、荷電粒子の密度が低い。よって、放電セルPC2,1(又はPC6,1、PC9,1)では、上述した如き放電セルPC9,1の場合に比して、書込アドレス放電が生起される確率が低下してしまう。
そこで、画素駆動データGDに従って書込アドレス放電を生起させることになる放電セル(PC2,1、PC6,1、PC8,1、PC9,1)の上側に隣接する放電セル(PC1,1、PC5,1、PC7,1、PC8,1)に対しては、画素駆動データGDに拘わらず、強制的に書込アドレス放電させるようにしたのである。すなわち、図9に示すように、放電セルPC1,1、PC5,1、PC7,1に対応した画素駆動データGDの値が消灯モードに設定することを示す論理レベル0であっても、これを、点灯モードに設定することを示す論理レベル1に置き換えた画素駆動データGGDに従って駆動を実施するのである。これにより、放電セルPC2,1、PC6,1、PC8,1、及びPC9,1において書込アドレス放電を生起させる場合には、その直前で必ず、その上側に隣接する放電セルPC1,1、PC5,1、PC7,1、PC8,1でも書込アドレス放電が生起されることになる。よって、このような強制的に為された書込アドレス放電により、その直後、放電に必要な量の荷電粒子が確保され、放電セルPC2,1、PC6,1、及びPC8,1各々で確実に書込アドレス放電が生起されるようになるのである。尚、強制的に書込アドレス放電の対象とされた放電セル(PC1,1、PC5,1、PC7,1、PC8,1)において放電が生起されない場合があるが、このような場合でも、かかる放電を生起させるべく印加された電圧によって、本来、書込アドレス放電を生起させるべき放電セル(PC2,1、PC6,1、PC8,1)の放電確率は高まる。
よって、前述した如き強制点灯処理によれば、リセット放電に頼ることなく、その後の書込アドレス放電を確実に生起させ得る量の荷電粒子を確保することが可能となる。これにより、暗コントラスト向上を図るべくリセット放電を微弱化、或いは省略した場合にも、放電ミスを生じさせることなく放電セルを駆動させることができるようになる。
尚、かかる強制点灯処理によると、入力映像信号に対応した画素駆動データGDに拘わらず、強制的に点灯モードに設定されてしまう放電セルPCがPDP50の画面内に存在することになるので、画質劣化が生じる場合がある。
例えば、画素駆動データGDにより、ある放電セルPCを図5に示す如き第4階調、その真上に隣接する放電セルPCを図5に示す如き第3階調で駆動させる場合、この真上に隣接する放電セルPCではSF3において強制点灯処理を実施させることになる。よって、真上に隣接する放電セルPCは、本来、第3階調で駆動されるべきところを、第4階調で駆動されることになる。従って、この際、両者の輝度差、つまりSF3でのサスティン放電発光分が階調輝度誤差となり、画質劣化を招くのである。
そこで、図1に示されるプラズマディスプレイ装置では、図6に示されるが如きサブフィールドSF1〜SF11の内から、比較的画質劣化が目立たない、低輝度成分に対する駆動を担うサブフィールドSF1〜SF3のみで前述した如き強制点灯処理を実行するようにしている。この際、図5に示す如き駆動によれば、黒表示(第1階調)を行う場合を除き、サブフィールドSF1〜SF3のいずれか1において必ず、前述した如き強制点灯処理が実施されるので、荷電粒子不足に伴う放電確率の低下を抑えた良好な駆動が為されるようになる。尚、サブフィールドSF3以降は、各サスティン行程Iにおいて繰り返し生起されるサスティン放電が荷電粒子の供給源となる。したがって、単位表示期間の先頭部に位置するサブフィールドSF1〜SF3のいずれか1において放電が発生すれば、続くSF4〜SF11での放電確率が高まるため、これらSF4〜SF11各々で前述した如き強制点灯処理を実施していなくても安定した駆動が可能となる。
尚、かかる強制点灯処理では、本来、書込アドレス放電を生起させるべき放電セルと同一列電極上に配列されている放電セルを強制的に放電させているので、両者は互いに同一色の発光を担う放電セルである。それ故に、色差の面での誤差が無いので、強制放電に伴う誤差発光は視認性が低い。
又、上記実施例においては、サブフィールドSF1〜SF3の全てで前述した如き強制点灯処理を実行するようにしているが、SF1〜SF3のいずれか1、或いはSF1〜SF3の内の2つのSFのみで、かかる強制点灯処理を実行するようにしても良い。例えば、画素駆動データGDに基づき、図5に示す第4〜第12階調による駆動が為される場合には、サブフィールドSF1〜SF3の内のSF1のみで前述した如き強制点灯処理を実行するようにしても良い。
更に、強制点灯処理を実施したが故に生じる上記の如き階調輝度誤差を抑制させるべく、以下の如き駆動を実施するようにしても良い。
例えば、ある放電セルPCに対応した画素駆動データGDが図5に示す第4階調(SF1〜SF3でサスティン放電)、その真上に隣接する放電セルPCが図5に示す第3階調(SF1及びSF2でサスティン放電)を表す場合、この真上に隣接する放電セルPCではSF3で強制点灯処理を実施させることになる。よって、真上に隣接する放電セルPCは、本来、第3階調で駆動されるべきところを、第4階調で駆動されることになる。このような場合、真上に隣接する放電セルPCに対しては、図5に示す如き第4階調の駆動に代わり、図10に示す第4階調駆動を実施するようにする。すなわち、この際、強制点灯処理回路3は、図5に示す如き第3階調に対応した[11000000000]なる画素駆動データGDを、図10に示す如き第4階調に対応した[00100000000]なる画素駆動データGGDに変換する。かかる画素駆動データGGDによれば、図10に示されるように、サブフィールドSF1〜SF11の内のSF3のみで書込アドレス放電が生起される(二重丸にて示す)。よって、サブフィールドSF1〜SF11の内のSF3のみで放電セルPCが点灯モードに設定され、このSF3のサスティン行程Iのみでサスティン放電が生起される。一方、図5に示される第4階調の駆動によると、かかるSF3のみならずSF1及びSF2においても放電セルPCがサスティン放電することになる。従って、図10に示す第4階調の駆動によれば、図5に示す如き第4階調の駆動を実施した場合よりも、図5に示される第3階調との輝度差が小となる。すなわち、強制点灯処理によって入力映像信号に対応した輝度階調よりも1段階高輝度な階調で駆動されるようになっても、その階調輝度誤差が低減されるのである。
又、上記実施例においては、画素駆動データGDにより点灯モードの設定対象となる放電セルPCの真上に隣接する放電セルを強制的に書込アドレス放電させることにより、放電セルPCでの放電確率を高めるという、いわゆるプライミング効果を得ている。しかしながら、このようなプライミング効果は、真上に隣接する放電セルからだけではなく、例えば2表示ライン分上に位置する放電セルが書込アドレス放電した場合にも得られる。
そこで、点灯モードの設定対象となる放電セルPCの2表示ライン分だけ上に位置する放電セルが点灯モードの設定対象となっている場合には、この放電セルPCの真上に隣接する放電セルに対しては、上記強制点灯処理を実施しないようにしても良い。すなわち、強制点灯処理回路3は、先ず、画素駆動データGDに基づき、点灯モードの設定対象となる放電セルPCの2表示ライン分上に位置する放電セルが点灯モードの設定対象となっているか否かを判定する。そして、強制点灯処理回路3は、点灯モードの設定対象となる放電セルPCの2表示ライン分上に位置する放電セルが点灯モードの設定対象となっていないと判定された場合に限り、この放電セルPCの真上に隣接する放電セルに対応した画素駆動データGDに対して前述した如き強制点灯処理を施すのである。かかる駆動によれば、前述した如き階調輝度誤差を更に低減させることが可能となる。
又、2表示ライン分上に位置する放電セルからのプライミング効果を利用して、点灯モードの設定対象となっている放電セルPCの2表示ライン分だけ真上に位置する放電セルに対して上記強制点灯処理を実施するようにしても良い。例えば、図6に示す選択書込アドレス行程WWにおいて、図11に示す如く奇数番目の表示ラインに属する放電セルに対するアドレス動作(WODD)と、偶数番目の表示ラインに属する放電セルに対するアドレス動作(WEVE)とを時間的に分散させる場合に、このような強制点灯処理を実行する。
図11に示される選択書込アドレス行程WWの前半部(WODD)では、アドレスドライバ55は、奇数表示ラインに属する放電セルPC各々に対応した画素駆動データGGDに基づく画素データパルスDPを1表示ライン分(m個)ずつ順次、列電極Dに印加する。この間、Y電極ドライバ53は、負極性の走査パルスSPを図11に示すように、奇数番目の行電極Y1、Y3、Y5、Y7、Y9、・・・、Yn-1へと順次択一的に印加する。次に、選択書込アドレス行程WWの後半部(WEVE)では、アドレスドライバ55は、偶数表示ラインに属する放電セルPC各々に対応した画素駆動データGGDに基づく画素データパルスDPを1表示ライン分(m個)ずつ順次、列電極Dに印加する。この間、Y電極ドライバ53は、負極性の走査パルスSPを図11に示すように、偶数番目の行電極Y2、Y4、Y6、Y8、・・・、Ynへと順次択一的に印加する。
図12は、点灯モードの設定対象となっている放電セルPCの2表示ライン分だけ真上に位置する放電セルに対して上記強制点灯処理を実施する場合に採用する強制点灯処理回路3の内部構成の一例を示す図である。
尚、図12に示される構成では、図7に示される1H遅延回路31〜34を、夫々1H期間の2倍の期間(以降、2H期間と称する)だけ画素駆動データGDを遅延して出力する2H遅延回路310〜340に代えたものであり、その他の構成及び動作については、図7に示されるもの同一である。かかる構成により、強制点灯処理回路3は、各放電セルに対応した画素駆動データGD中の第Pビット(P:1、2、3)を、その2表示ライン分だけ真下に位置する放電セルに対応した画素駆動データGDの第Pビットが論理レベル1である場合には、強制的に点灯モードを表す論理レベル1に置換する。
ここで、例えば列電極D1に属する放電セルPC1,1〜PC9,1各々に対応した画素駆動データGDにおける第1ビットのビット系列が[0,0,1,0,0,1,0,1,1]なる場合、奇数番目の表示ラインに属する放電セルPC1,1、PC3,1、PC5,1、PC7,1、PC9,1各々に対応した画素駆動データGDのビット系列は図11に示す如く[0,1,0,0,1]となる。この際、放電セルPC1,1はPC3,1の2表示ライン分だけ真上の位置に存在し、放電セルPC3,1はPC5,1の2表示ライン分だけ真上の位置に存在する。又、放電セルPC5,1はPC7,1の2表示ライン分だけ真上の位置に存在し、放電セルPC7,1はPC9,1の2表示ライン分だけ真上の位置に存在する。よって、強制点灯処理回路3は、かかるビット系列に対して前述した如き強制点灯処理を施すことにより、図11に示す如き[1,1,0,1,1]なる第1ビットのビット系列を有する画素駆動データGGDを得る。一方、偶数番目の表示ラインに属する放電セルPC2,1、PC4,1、PC6,1、PC8,1各々に対応した画素駆動データGDのビット系列は図11に示す如く[0,0,1,1]となる。この際、放電セルPC2,1はPC4,1の2表示ライン分だけ真上の位置に存在し、放電セルPC4,1はPC6,1の2表示ライン分だけ真上の位置に存在する。又、放電セルPC6,1はPC8,1の2表示ライン分だけ真上の位置に存在する。よって、強制点灯処理回路3は、かかるビット系列に対して前述した如き強制点灯処理を施すことにより、図11に示す如き[0,1,1,1]なる第1ビットのビット系列を有する画素駆動データGGDを得る。
アドレスドライバ55は、上述した如き画素駆動データGGDによるビット系列中における各ビット毎に、そのビットが論理レベル1である場合には正極性の高電圧、論理レベル0である場合には低電圧(0ボルト)の画素データパルスDPを、図11に示す如く順次、列電極D1に印加する。すなわち、アドレスドライバ55は、選択書込アドレス行程WWの前半部(WODD)では、画素駆動データGGDによるビット系列[1,1,0,1,1]に応じた画素データパルスDPを列電極D1に印加し、選択書込アドレス行程WWの後半部(WEVE)では、画素駆動データGGDによるビット系列[0,1,1,1]に応じた画素データパルスDPを列電極D1に印加する。この際、走査パルスSPが印加されると共に、正極性の高電圧の画素データパルスDPが同時に印加された放電セルPC内の列電極D1及び行電極Y間において書込アドレス放電が生起され、この放電セルPCは点灯モードに遷移する。尚、走査パルスSPが印加されたものの、低電圧の画素データパルスDPが印加された放電セルPC内では上述した如き書込アドレス放電は生起されず、放電セルPCはその直前までの状態、つまり消灯モードの状態を維持する。
ここで、例えば図11に示す如き選択書込アドレス行程WWの前半部(WODD)において、[0,1,0,0,1]なるビット系列を有する画素駆動データGDによれば、その論理レベル1のビットに対応した放電セルPC3,1及びPC9,1各々で書込アドレス放電が生起されることになる。この際、放電セルPC3,1及びPC9,1各々での書込アドレス放電の確率を高めるべく、これら放電セルPC3,1及びPC9,1各々の2表示ライン分だけ上に配置されている放電セルPC1,1及びPC7,1各々を強制的に書込アドレス放電させる。すなわち、図11に示す如く、放電セルPC1,1及びPC7,1に対応した画素駆動データGDの値が消灯モードを示す論理レベル0であっても、これを、点灯モードに設定することを示す論理レベル1に置き換えた画素駆動データGGDに従って駆動を実施するのである。これにより、放電セルPC3,1及びPC9,1において書込アドレス放電を生起させる際には、その直前で必ず、2表示ライン分だけ真上に位置する放電セルPC1,1及びPC8,1でも書込アドレス放電が生起されることになる。よって、画素駆動データGDに拘わらずに強制的に為された書込アドレス放電の影響により、その直後において放電に必要な量の荷電粒子が確保され、放電セルPC1,1及びPC8,1各々で確実に書込アドレス放電が生起されるようになる。
又、前述したように、サスティン放電が生起された放電セルは、この放電によって生成された荷電粒子の影響により、サスティン行程I後の選択書込アドレス行程WWの段階において放電確率が高い状態にある。この際、サスティン放電によって生成される荷電粒子は時間経過に伴い減少するが、1フィールド表示期間中は、放電に必要な量が確保される。そこで、直前のフィールドでサスティン放電が一切生起されなかった放電セルPCに対してのみ、前述した如き強制点灯処理を施すようにしても良い。
図13は、かかる点に鑑みて為された強制点灯処理回路3の他の内部構成を示す図である。
図13に示される実施例においては、強制点灯処理回路3は、1H遅延回路31〜34、セレクタ35〜37、1V遅延回路41及び比較器42から構成される。
1H遅延回路31は、画素駆動データGDにおける第1ビット(GD1)を1H期間だけ遅延させたものを遅延第1ビットGDH1としてオアゲート35及びセレクタ38に供給する。オアゲート35は、かかる遅延第1ビットGDH1と、画素駆動データGDにおける第1ビット(GD1)との論理和の結果を強制点灯第1ビットGPD1としてセレクタ38に供給する。セレクタ38は、強制点灯処理を実施させるべき論理レベル1の強制点灯オン信号TON(後述する)が供給された場合には、強制点灯第1ビットGPD1及び遅延第1ビットGDH1の内からGPD1を選択し、これを画素駆動データGGDにおける第1ビット(GGD1)として出力する。一方、論理レベル0の強制点灯オン信号TONが供給された場合には、セレクタ38は、強制点灯第1ビットGPD1及び遅延第1ビットGDH1の内からGDH1を選択し、これを画素駆動データGGDにおける第1ビット(GGD1)として出力する。
1H遅延回路32は、画素駆動データGDにおける第2ビット(GD2)を1H期間だけ遅延させたものを遅延第2ビットGDH2としてオアゲート36及びセレクタ39に供給する。オアゲート36は、かかる遅延第2ビットGDH2と、画素駆動データGDにおける第2ビット(GD2)との論理和の結果を強制点灯第2ビットGPD2としてセレクタ39に供給する。セレクタ39は、強制点灯処理を実施させるべき論理レベル1の強制点灯オン信号TONが供給された場合には、強制点灯第2ビットGPD2及び遅延第2ビットGDH2の内からGPD2を選択し、これを画素駆動データGGDにおける第2ビット(GGD2)として出力する。一方、論理レベル0の強制点灯オン信号TONが供給された場合には、セレクタ39は、強制点灯第2ビットGPD2及び遅延第2ビットGDH2の内からGDH2を選択し、これを画素駆動データGGDにおける第2ビット(GGD2)として出力する。
1H遅延回路33は、画素駆動データGDにおける第3ビット(GD3)を1H期間だけ遅延させたものを遅延第3ビットGDH3としてオアゲート37及びセレクタ40に供給する。オアゲート37は、かかる遅延第3ビットGDH3と、画素駆動データGDにおける第3ビット(GD3)との論理和の結果を強制点灯第3ビットGPD3としてセレクタ40に供給する。セレクタ40は、強制点灯処理を実施させるべき論理レベル1の強制点灯オン信号TONが供給された場合には、強制点灯第3ビットGPD3及び遅延第3ビットGDH3の内からGPD3を選択し、これを画素駆動データGGDにおける第3ビット(GGD3)として出力する。一方、論理レベル0の強制点灯オン信号TONが供給された場合には、セレクタ40は、強制点灯第3ビットGPD3及び遅延第3ビットGDH3の内からGDH3を選択し、これを画素駆動データGGDにおける第3ビット(GGD3)として出力する。
1H遅延回路34は、画素駆動データGDにおける第4ビット(GD4)〜第11ビット(GD11)を夫々上記1H期間だけ遅延させたものを、画素駆動データGGDにおける第4ビット(GGD4)〜第11ビット(GGD11)として出力する。
1V遅延回路41は、各画素毎の11ビットの画素駆動データGDを1フィールド(又は1フレーム)分の表示期間(以下、1V期間と称する)だけ、かかる画素駆動データGD(GD1〜GD11)を遅延させたものを1V遅延画素駆動データGVDとして比較器42に供給する。比較器42は、かかる1V遅延画素駆動データGVDによる11ビットのビット系列が、図5に示す如き第1階調(黒表示)に対応したビット系列[00000000000]と一致するか否かを判定する。比較器42は、両者が一致していないと判定された場合には論理レベル0の強制点灯オン信号TONをセレクタ38〜40に供給する一方、両者が一致していると判定された場合には、強制点灯処理を実施させるべき論理レベル1の強制点灯オン信号TONをセレクタ38〜40に供給する。
すなわち、図13に示す強制点灯処理回路3によれば、1フィールド前の画素駆動データGDが黒表示を表す第1階調に対応したビット系列[00000000000]である場合には、図7に示す構成と同一の構成となる。一方、1フィールド前の画素駆動データGDが黒表示を表す第1階調に対応したビット系列[00000000000]以外となる場合には、画素駆動データGDが1H期間だけ遅延されたものがそのまま画素駆動データGDDとなる。ここで、画素駆動データGDが黒表示を表すビット系列[00000000000]である場合には、1フィールド(又は1フレーム)表示期間に亘りサスティン放電は一切生起されない。ところが、画素駆動データGDがビット系列[00000000000]以外の場合には、少なくともSF1においてサスティン放電が生起され、このサスティン放電によって生成された荷電粒子が時間経過に伴い減少しつつも、1フィールド表示期間に亘り放電に必要な分量が維持される。
そこで、図13に示す強制点灯処理回路3では、1フィールド前の画素駆動データGDが黒表示を表す第1階調に対応したビット系列[00000000000]である場合に限り、画素駆動データGDにおける第1〜第3ビットのみに前述した如き強制点灯処理を施すようにしたのである。
尚、図5に示される駆動では、先頭から連続したサブフィールドSF各々で選択書込アドレス放電を生起させることにより、N個のSFを用いて(N+1)階調分の中間輝度表示を行うようにしているが、必ずしも連続したSFで選択書込アドレス放電を生起させなくても良い。例えば、N個のSF各々の内で選択書込アドレス放電を生起させるサブフィールドの組み合わせ方により、2N階調分の中間輝度を表現するようにしても良い。
図14は、本発明による駆動方法に従ってプラズマディスプレイパネルの駆動を行うプラズマディスプレイ装置の他の概略構成を示す図である。
尚、図14に示されるプラズマディスプレイ装置のPDP50は、図1に示されるPDP50と同一構造を有するものである。
図14において、A/D変換器1は、入力映像信号を各画素に対応した例えば8ビットの画素データPDに変換して、画素駆動データ生成回路20に供給する。画素駆動データ生成回路20は、先ず、各画素毎の画素データPD各々に対して誤差拡散処理及びディザ処理からなる多階調化処理を施す。尚、かかる多階調化処理は、前述した如き、画素駆動データ生成回路2において為される処理と同一である。すなわち、画素駆動データ生成回路20は、画素データPDに対して前述した如き多階調化処理を施すことにより、全輝度範囲を図15に示す如く15段階に区切ってその輝度レベルを表す4ビットの多階調化画素データPDSを得る。そして、画素駆動データ生成回路20は、かかる多階調化画素データPDSを、図15に示す如きデータ変換テーブルに従って14ビットの画素駆動データGDに変換して強制点灯処理回路30に供給する。尚、画素駆動データGDにおける第1〜第14ビット各々の論理レベルは、そのビット桁に対応した図16に示す如きサブフィールドSF1〜SF14においてアドレス放電(後述する)を生起させるか否かを示す。すなわち、画素駆動データGDの第1ビットは先頭のサブフィールドSF1、第14ビットは最後尾のサブフィールドSF14に対応しており、その論理レベルが例えば1である場合にはアドレス放電を生起させる一方、論理レベル0である場合にはそのビット桁に対応したサブフィールドではアドレス放電を生起させない。
強制点灯処理回路30は、各画素毎の画素駆動データGD各々に対して強制点灯処理(後述する)を施して得られた画素駆動データGGDをメモリ4に供給する。
メモリ4は、上記画素駆動データGGDを順次書き込む。ここで、1画面分、つまり第1行・第1列〜第n行・第m列の各画素に対応した(n×m)個分の画素駆動データGGD(1,1)〜GGD(n,m)の書き込みが終了すると、メモリ4は、以下の如き読み出し動作を行う。
先ず、メモリ4は、画素駆動データGGD(1,1)〜GGD(n,m)各々の第1ビット目を画素駆動データビットDB(1,1)〜RDB(n,m)と捉え、これらを後述するサブフィールドSF1において1表示ライン分ずつ読み出してアドレスドライバ55に供給する。次に、メモリ4は、画素駆動データGGD(1,1)〜GGD(n,m)各々の第2ビット目を画素駆動データビットDB(1,1)〜DB(n,m)と捉え、これらを後述するサブフィールドSF2において1表示ライン分ずつ読み出してアドレスドライバ55に供給する。以下、同様にして、メモリ4は、画素駆動データGGD(1,1)〜GGD(n,m)各々の各ビットを同一ビット桁同士にて分離して読み出し、そのビット桁に対応したサブフィールドにおいて、夫々を画素駆動データビットDB(1,1)〜DB(n,m)としてアドレスドライバ55に供給する。
駆動制御回路560は、PDP50を図16に示す如きサブフィールド法(サブフレーム法)を採用した発光駆動シーケンスに従って駆動させるべき各種制御信号を、X電極ドライバ51、Y電極ドライバ53及びアドレスドライバ55からなるパネルドライバに供給する。すなわち、駆動制御回路560は、図16に示す如き1フィールド(1フレーム)表示期間内の先頭のサブフィールドSF1では、リセット行程R、選択書込アドレス行程WW及びサスティン行程I各々に従った駆動を順次実施させるべき各種制御信号をパネルドライバに供給する。又、サブフィールドSF2〜SF14各々では、選択消去アドレス行程WD及びサスティン行程I各々に従った駆動を順次実施させるべき各種制御信号をパネルドライバに供給する。
パネルドライバ、すなわち、X電極ドライバ51、Y電極ドライバ53及びアドレスドライバ55は、駆動制御回路560から供給された各種制御信号に応じて、図17に示す如き各種駆動パルスを生成してPDP50の列電極D、行電極X及びYに供給する。尚、図17においては、図16に示されるサブフィールドSF1〜SF14の内の、先頭のサブフィールドSF1と、それに続くサブフィールドSF2、並びに最後尾のサブフィールドSF14での動作のみを抜粋して示すものである。
先ず、サブフィールドSF1のリセット行程Rでは、Y電極ドライバ53が、時間経過に伴う前縁部での電位推移が緩やかな負極性ピーク電位を有するリセットパルスRPを発生し、これを全ての行電極Y1〜Ynに印加する。更に、リセット行程Rでは、X電極ドライバ51が、上記リセットパルスRPが行電極Yに印加されている間に亘り、正極性のピーク電位を有するベースパルスBP+を行電極X1〜Xn各々に印加する。これら負極性のリセットパルスRP及び正極性のベースパルスBP+の印加に応じて、全ての放電セルPC内の行電極X及びY間において微小なリセット放電が生起される。かかる第2リセット放電により、全放電セルPC内の行電極X及びY各々の近傍に形成されていた壁電荷の大半が消去される。これにより全放電セルPCは、行電極X近傍には微量な負極性の壁電荷、行電極Y近傍には微量な正極性の壁電荷が夫々残留した状態、つまり消灯モードに初期化される。更に、上記リセットパルスRPの印加に応じて、全放電セルPC内の行電極Y及び列電極D間においても微弱な放電が生起され、列電極D近傍に形成されていた正極性の壁電荷の一部が消去される。これにより、全放電セルPCの列電極D近傍に残留する壁電荷量が、後述する選択書込アドレス行程WWにおいて正しく選択書込アドレス放電を生起させることが可能な量に調整される。尚、リセットパルスRPにおける負極性のピーク電位は、後述する負極性の書込走査パルスSPWのピーク電位よりも高い電位、つまり0ボルトに近い電位に設定されている。すなわち、リセットパルスRPのピーク電位を書込走査パルスSPWのピーク電位よりも低くしてしまうと、行電極Y及び列電極D間において強い放電が生起され、列電極D近傍に形成されていた壁電荷が大幅に消去されてしまい、選択書込アドレス行程WWでのアドレス放電が不安定となるからである。
次に、サブフィールドSF1の選択書込アドレス行程WWでは、Y電極ドライバ53が、図17に示す如き負極性のピーク電位有するベースパルスBP-を行電極Y1〜Ynに同時に印加しつつ、負極性のピーク電位を有する書込走査パルスSPWを行電極Y1〜Yn各々に順次択一的に印加して行く。X電極ドライバ51は、この間、上記ベースパルスBP+を行電極X1〜Xnに印加し続ける。ベースパルスBP+及びBP-によって行電極X及びY間に印加される電圧は、放電セルPCの放電開始電圧よりも低い。
更に、この選択書込アドレス行程WWでは、アドレスドライバ55が、先ず、サブフィールドSF1に対応した画素駆動データビットをその論理レベルに応じたパルス電圧を有する画素データパルスDPに変換する。例えば、アドレスドライバ55は、放電セルPCを点灯モードに設定させるべき論理レベル1の画素駆動データビットが供給された場合にはこれを正極性のピーク電位を有する画素データパルスDPに変換する。一方、放電セルPCを消灯モードに設定させるべき論理レベル0の画素駆動データビットに対してはこれを低電圧(0ボルト)の画素データパルスDPに変換する。そして、アドレスドライバ55は、かかる画素データパルスDPを1表示ライン分(m個)ずつ、各書込走査パルスSPWの印加タイミングに同期して列電極D1〜Dmに印加して行く。この際、上記書込走査パルスSPWと同時に、点灯モードに設定させるべき高電圧の画素データパルスDPが印加された放電セルPC内の列電極D及び行電極Y間には選択書込アドレス放電が生起される。かかる選択書込アドレス放電により、この放電セルPCは、その行電極Y近傍に正極性の壁電荷、行電極X近傍に負極性の壁電荷、列電極D近傍に負極性の壁電荷が夫々形成された状態、すなわち、点灯モードに設定される。一方、上記書込走査パルスSPWと同時に、消灯モードに設定させるべき低電圧(0ボルト)の画素データパルスDPが印加された放電セルPC内の列電極D及び行電極Y間には上述した如き選択書込アドレス放電は生起されず、それ故に行電極X及びY間にでの放電も生じることはない。よって、この放電セルPCは、その直前までの状態、すなわち、リセット行程Rにおいて初期化された消灯モードの状態を維持する。
次に、サブフィールドSF1のサスティン行程Iでは、Y電極ドライバ53が、正極性のピーク電位を有するサスティンパルスIPを1パルス分だけ発生しこれを行電極Y1〜Yn各々に同時に印加する。この間、X電極ドライバ51は、行電極X1〜Xnを接地電位(0ボルト)の状態に設定し、アドレスドライバ55は、列電極D1〜Dmを接地電位(0ボルト)の状態に設定する。上記サスティンパルスIPの印加に応じて、上述した如き点灯モードに設定されている放電セルPC内の行電極X及びY間においてサスティン放電が生起される。かかるサスティン放電に伴って蛍光体層17から照射される光が前面透明基板10を介して外部に照射されることにより、このサブフィールドSF1の輝度重みに対応した1回分の表示発光が為される。そして、かかるサスティンパルスIPの印加後、Y電極ドライバ53は、図17に示す如く時間経過に伴う前縁部での電位推移が緩やかな負極性のピーク電位を有する壁電荷調整パルスCPを行電極Y1〜Ynに印加する。かかる壁電荷調整パルスCPの印加に応じて、上記の如きサスティン放電の生起された放電セルPC内で微弱な消去放電が生起され、その内部に形成されていた壁電荷の一部が消去される。これにより、放電セルPC内の壁電荷の量が、次の選択消去アドレス行程WDにおいて正しく選択消去アドレス放電を生起させ得る量に調整される。
サブフィールドSF2〜SF14各々の選択消去アドレス行程WOでは、Y電極ドライバ53が、正極性のピーク電位を有するベースパルスBP+を行電極Y1〜Yn各々に印加しつつ、図17に示す如き負極性のピーク電位を有する消去走査パルスSPDを行電極Y1〜Yn各々に順次択一的に印加して行く。尚、ベースパルスBP+の電位は、この選択消去アドレス行程WOの実行期間中に亘り、行電極X及びY間での誤った放電を防止し得る電位に設定されている。又、選択消去アドレス行程WOの実行期間中に亘り、X電極ドライバ51は、行電極X1〜Xn各々を接地電位(0ボルト)に設定する。又、この選択消去アドレス行程WDにおいて、アドレスドライバ55は、先ず、そのサブフィールドSFに対応した画素駆動データビットをその論理レベルに応じたパルス電圧を有する画素データパルスDPに変換する。例えば、アドレスドライバ55は、放電セルPCを点灯モードから消灯モードに遷移させるべき論理レベル1の画素駆動データビットが供給された場合にはこれを正極性のピーク電位を有する画素データパルスDPに変換する。一方、放電セルPCの現状態を維持させるべき論理レベル0の画素駆動データビットが供給された場合にはこれを低電圧(0ボルト)の画素データパルスDPに変換する。そして、アドレスドライバ55は、かかる画素データパルスDPを1表示ライン分(m個)ずつ、各消去走査パルスSPDの印加タイミングに同期して列電極D1〜Dmに印加して行く。この際、上記消去走査パルスSPDと同時に、高電圧で正極性の画素データパルスDPが印加された放電セルPC内の列電極D及び行電極Y間に選択消去アドレス放電が生起される。かかる選択消去アドレス放電により、この放電セルPCは、その行電極Y及びX各々の近傍に正極性の壁電荷、列電極D近傍に負極性の壁電荷が夫々形成された状態、すなわち、消灯モードに設定される。一方、上記消去走査パルスSPDと同時に、低電圧(0ボルト)の画素データパルスDPが印加された放電セルPC内の列電極D及び行電極Y間には上述した如き選択消去アドレス放電は生起されない。よって、この放電セルPCは、その直前までの状態(点灯モード、消灯モード)を維持する。
次に、サブフィールドSF2〜SF14各々のサスティン行程Iでは、X電極ドライバ51及びY電極ドライバ53が、図17に示す如く、行電極X及びY交互に、そのサブフィールドの輝度重みに対応した回数(偶数回数)分だけ繰り返し、正極性のピーク電位を有するサスティンパルスIPを行電極X1〜Xn及びY1〜Yn各々に印加する。かかるサスティンパルスIPが印加される度に、点灯モードに設定されている放電セルPC内の行電極X及びY間においてサスティン放電が生起される。かかるサスティン放電に伴って蛍光体層17から照射される光が前面透明基板10を介して外部に照射されることにより、そのサブフィールドSFの輝度重みに対応した回数分の表示発光が為される。この際、サブフィールドSF2〜SF14各々のサスティン行程Iにおいて最終に印加されるサスティンパルスIPに応じてサスティン放電が生起された放電セルPC内の行電極Y近傍には負極性の壁電荷、行電極X及び列電極D各々の近傍には正極性の壁電荷が形成される。そして、かかる最終サスティンパルスIPの印加後、Y電極ドライバ53は、図17に示す如く時間経過に伴う前縁部での電位推移が緩やかな負極性のピーク電位を有する壁電荷調整パルスCPを行電極Y1〜Ynに印加する。かかる壁電荷調整パルスCPの印加に応じて、上記の如きサスティン放電の生起された放電セルPC内で微弱な消去放電が生起され、その内部に形成されていた壁電荷の一部が消去される。これにより、放電セルPC内の壁電荷の量が、次の選択消去アドレス行程WDにおいて正しく選択消去アドレス放電を生起させ得る量に調整される。
以上の如き駆動を、図15に示す如き15通りの画素駆動データGDに基づいて実行する。かかる駆動によると、図15に示すように、輝度レベル0を表現する場合(第1階調)を除き、先ず、先頭のサブフィールドSF1において各放電セルPC内で書込アドレス放電が生起され(二重丸にて示す)、この放電セルPCは点灯モードに設定される。その後、サブフィールドSF2〜SF14各々の内の1のサブフィールドの選択消去アドレス行程WOのみで選択消去アドレス放電が生起され(黒丸にて示す)、その後、放電セルPCは消灯モードに設定される。つまり、各放電セルPCは、表現すべき中間輝度に対応した分だけ連続したサブフィールド各々で点灯モードに設定され、これらサブフィールドの各々に割り当てられている回数分だけサスティン放電に伴う発光を繰り返し生起する(白丸にて示す)。この際、1フィールド(又は1フレーム)表示期間内において生起されたサスティン放電の総数に対応した輝度が視覚される。よって、図15に示す如き第1〜第15階調駆動による15種類の発光パターンによれば、白丸にて示すサブフィールド各々で生起されたサスティン放電の合計回数に対応した15階調分の中間輝度が表現される。
又、図15〜図17に示す駆動では、先頭サブフィールドSF1にて、先ず全放電セルPCをリセット放電させることにより消灯モードに初期化し、黒表示(第1階調)を実施する場合を除き、各放電セルPCに対して書込アドレス放電(二重丸にて示す)を生起させてこれを点灯モードに遷移させるようにしている。よって、かかる駆動によって黒表示を行う場合、1フィールド表示期間を通して生起される放電は、先頭サブフィールドSF1でのリセット放電だけとなる。従って、全放電セルをリセット放電させて点灯モードの状態に初期化してから、これを消灯モード状態に遷移させるべき選択消去アドレス放電を生起させる駆動を採用する場合に比して、1フィールド表示期間内で生起される放電回数が少なくなる。これにより、暗い画像を表示する際のコントラスト、いわゆる暗コントラストを向上させることが可能となる。
更に、図14に示されるプラズマディスプレイ装置では、強制点灯処理回路30による以下の如き強制点灯処理により、サブフィールドSF1での書込アドレス放電の確率が高められる。
図18は、強制点灯処理回路30の内部構成の一例を示す図である。
図18に示す如く、強制点灯処理回路30は、1H遅延回路311、341及びオアゲート350から構成される。
1H遅延回路311は、画素駆動データ生成回路20から供給された画素駆動データGDにおける第1ビット(GD1)を、1表示ライン分(m個)の画素駆動データGDが供給されるのに費やされる期間(以下、1H期間と称する)だけ遅延させたものを遅延第1ビットGDH1としてオアゲート350に供給する。オアゲート350は、かかる遅延第1ビットGDH1と、画素駆動データGDにおける第1ビット(GD1)との論理和の結果を、画素駆動データGGDにおける第1ビット(GGD1)として出力する。1H遅延回路341は、画素駆動データGDにおける第2ビット(GD2)〜第14ビット(GD14)を夫々上記1H期間だけ遅延させたものを、画素駆動データGGDにおける第2ビット(GGD2)〜第14ビット(GGD14)として出力する。
すなわち、強制点灯処理回路30は、画素駆動データGDにおける第1ビット〜第14ビットの内、選択消去アドレス行程WDを夫々含むサブフィールドSF2〜SF14に対応した第2〜第14ビットに対しては、各ビット毎の論理レベルをそのまま画素駆動データGGDの第2ビット〜第14ビットとする。
一方、選択書込アドレス行程WWを含むサブフィールドSF1に対応した第1ビットに対しては、強制点灯処理回路30は、1H期間後に供給されることになるビットとの論理和を求め、その結果を画素駆動データGGDの第1ビットとする。すなわち、画素駆動データGD中の第1ビットに対しては、各放電セルに対応した画素駆動データGD毎に、その放電セルの下側に隣接する放電セルに対応した画素駆動データGDの第1ビットとの論理和を各ビット桁毎に求めるのである。
例えば、画面内の第1行・第1列の放電セルPC1,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル0であるときに、その下側に隣接する第2行・第1列の放電セルPC2,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル1である場合には、この放電セルPC1,1に対応した画素駆動データGGDの第1ビットとして、両者の論理和である論理レベル1が得られる。又、第2行・第1列の放電セルPC2,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル1であるときに、その下側に隣接する第3行・第1列の放電セルPC3,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル1である場合には、この放電セルPC2,1に対応した画素駆動データGGDの第1ビットとして、両者の論理和である論理レベル1が得られる。又、第3行・第1列の放電セルPC3,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル0であるときに、その下側に隣接する第4行・第1列の放電セルPC4,1に対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル0である場合には、この放電セルPC3,1に対応した画素駆動データGGDの第1ビットとして、両者の論理和である論理レベル0が得られる。
すなわち、強制点灯処理回路30は、画素駆動データGD中の第1ビットに対しては、例えその論理レベルが消灯モードを表す0であっても、下側に隣接する放電セルに対応した画素駆動データGDの第1ビットが論理レベル1である場合には、これを強制的に点灯モードを表す論理レベル1に置換すべき強制点灯処理を施すのである。
ここで、画素駆動データGGDにおける第1ビットが論理レベル1である場合には、サブフィールドSF1の選択書込アドレス行程WWにおいて、放電セルPC内の列電極D及び行電極Y間で書込アドレス放電が生起され、この放電セルPCが点灯モードに設定される。
以下に、かかる動作について図19に示される一例を用いて説明する。
尚、図19は、PDP50中から列電極D1及び行電極Y1〜Y9を抜粋して、サブフィールドSF1の選択書込アドレス行程WWで為される放電セルPC1,1〜PC9,1各々での駆動動作を表す図である。
先ず、放電セルPC1,1〜PC9,1各々に対応した画素駆動データGD各々の第1ビットが[0,1,0,0,0,1,0,1,1]なるビット系列となる場合、強制点灯処理回路30は、かかるビット系列に対して前述した如き強制点灯処理を施すことにより[1,1,0,0,1,1,1,1,1]なる第1ビットのビット系列を有する画素駆動データGGDを得る。アドレスドライバ55は、画素駆動データGGDによる上記ビット系列中における各ビット毎に、そのビットが論理レベル1である場合には正極性の高電圧、論理レベル0である場合には低電圧(0ボルト)の画素データパルスDPを、図19に示す如く順次、列電極D1に印加する。この間、図19に示す如く各ビット毎に印加された画素データパルスDP各々に同期させて、Y電極ドライバ53は、負極性の走査パルスSPを行電極Y1からY9へと順次択一的に印加する。この際、走査パルスSPが印加されると共に、正極性の高電圧の画素データパルスDPが同時に印加された放電セルPC内の列電極D1及び行電極Y間において書込アドレス放電が生起され、この放電セルPCは点灯モードに遷移する。尚、走査パルスSPが印加されたものの、低電圧の画素データパルスDPが印加された放電セルPC内では上述した如き書込アドレス放電は生起されず、放電セルPCはその直前までの状態、つまり消灯モードの状態を維持する。
ここで、[0,1,0,0,0,1,0,1,1]なるビット系列を有する画素駆動データGDによれば、図19に示す如き論理レベル1のビットに対応した放電セルPC2,1、PC6,1、PC8,1及びPC9,1各々で書込アドレス放電が生起されることになる。この際、放電セルPCの放電空間内では、各種の放電が生起される度に荷電粒子が生成されるが、放電が停止すると時間経過に伴いその量が徐々に減少して行き、放電確率が低下して行く。例えば、図19に示す如き画素駆動データGDに従って放電セルを駆動すると、放電セルPC9,1では、書込アドレス放電を生起させる直前に、真上に隣接する放電セルPC8,1において書込アドレス放電が生起されることになるので、この放電によって発生した荷電粒子が放電セルPC9,1に拡散し、放電に必要な量の荷電粒子が確保される。この荷電粒子によって、放電セルPC9,1では、放電の発生確率が大幅に上昇するため、確実に書込みアドレス放電を生起させることが可能となる。ところが、画素駆動データGDに従って放電セルを駆動すると、放電セルPC2,1(又はPC6,1、PC9,1)では、この書込アドレス放電を生起させる直前の段階で真上に隣接する放電セルPC1,1(又はPC5,1、PC7,1)において書込アドレス放電が生起されないので、荷電粒子の密度が低い。よって、放電セルPC2,1(又はPC6,1、PC9,1)では、上述した如き放電セルPC9,1の場合に比して、書込アドレス放電が生起される確率が低下してしまう。
そこで、画素駆動データGDによって書込アドレス放電を生起させることになる放電セル(PC2,1、PC6,1、PC8,1、PC9,1)の真上に隣接する放電セル(PC1,1、PC5,1、PC7,1、PC8,1)に対しては、画素駆動データGDに拘わらず、強制的に書込アドレス放電させる。すなわち、図19に示すように、放電セルPC1,1、PC5,1、PC7,1に対応した画素駆動データGDの値が消灯モードを示す論理レベル0であっても、これを、点灯モードを示す論理レベル1に置き換えた画素駆動データGGDに従って駆動を実施するのである。これにより、放電セルPC2,1、PC6,1、PC8,1、及びPC9,1において書込アドレス放電を生起させる場合には、その直前で必ず、真上に隣接する放電セルPC1,1、PC5,1、PC7,1、PC8,1でも強制的に書込アドレス放電が生起されることになる。よって、放電セルPC2,1、PC6,1及びPC8,1各々に対する書込アドレス放電の直前の段階において、上述した如く強制的に生起された放電(書込アドレス放電)により、書込アドレス放電を確実に生起させ得る量の荷電粒子が確保され、これらPC2,1、PC6,1及びPC8,1各々での放電確率が高まる。尚、強制的に書込アドレス放電の対象とされた放電セルで放電が生起されない場合があるが、このような場合でも、かかる放電を生起させるべく印加された電圧によって、本来、書込アドレス放電を生起させるべき放電セルの放電確率は高まる。
これにより、選択書込アドレス行程WWの直前のリセット放電によって生成させるべき荷電粒子の量は比較的少量で済むので、リセット放電を微弱化、或いは省略することにより暗コントラスト向上を図ることが可能となる。
従って、上記強制点灯処理によれば、書込アドレス放電の放電確率を低下させることなく、暗コントラストを向上させることができるようになる。
2 画素駆動データ生成回路
3 強制点灯処理回路
50 PDP
51 X電極ドライバ
53 Y電極ドライバ
55 アドレスドライバ
56 駆動制御回路
3 強制点灯処理回路
50 PDP
51 X電極ドライバ
53 Y電極ドライバ
55 アドレスドライバ
56 駆動制御回路
Claims (8)
- 複数の表示ライン各々に各画素を担う複数の放電セルが配列されたプラズマディスプレイパネルを、入力映像信号の各フィールドを構成する複数のサブフィールド毎に駆動して階調表示を行うプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
前記サブフィールド各々は、前記入力映像信号に基づき前記放電セル各々をアドレス放電させるか否かを示す画素駆動データを生成し、前記表示ライン各々を1表示ライン分ずつ順次アドレス対象としつつ当該アドレス対象となった表示ラインに属する放電セル各々を前記画素駆動データに応じて選択的にアドレス放電させることにより点灯モード及び消灯モードの内の一方の状態に設定するアドレス行程と、
前記点灯モードに設定されている放電セルのみを前記サブフィールドの輝度重みに対応した回数に亘り繰り返しサスティン放電させるサスティン行程と、を含み、
前記サブフィールド各々の内の所定サブフィールドの前記アドレス行程では、前記画素駆動データに従ってアドレス放電されるべき少なくとも1の放電セルが属する表示ラインの直前で前記アドレス対象となる表示ラインに属する放電セルの内で、前記1の放電セルに隣接した位置に配置されている放電セルを強制的にアドレス放電させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - 前記所定サブフィールドの前記アドレス行程では、前記1の放電セルの上側に隣接して配置されている放電セルを強制的にアドレス放電させることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記所定サブフィールドの前記アドレス行程では、前記1の放電セルの2表示ライン分だけ上に隣接して配置されている放電セルを強制的にアドレス放電させることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記所定サブフィールドの前記アドレス行程では、前記1の放電セルが属する表示ラインの直前で前記アドレス対象となる表示ラインに属する放電セルの内で、直前のフィールドにおいて前記サスティン放電が一切生起されなかった放電セルのみを対象として強制的にアドレス放電を生起させることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記アドレス行程では、前記放電セル各々を前記画素駆動データに応じて選択的にアドレス放電させることにより当該放電セルを前記点灯モードの状態に設定し、
前記所定サブフィールドの前記アドレス行程では、前記1の放電セルが属する表示ラインの直前で前記アドレス対象となる表示ラインに属する放電セルの内で前記1の放電セルに隣接した位置に配置されている放電セルを、この放電セルに対応した前記画素駆動データに拘わらずに強制的にアドレス放電させることにより前記点灯モードの状態に設定することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - 前記所定のサブフィールドは、1フィールド期間内における先頭のサブフィールド又は前記先頭のサブフィールドから連続して配置された少なくとも2つのサブフィールドであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
- 前記先頭のサブフィールドは前記サブフィールド各々の内で最も輝度重みが小であり、
前記先頭のサブフィールド又は前記2つのサブフィールド各々の前記アドレス行程では、前記放電セルに対して書込アドレス放電を生起させることにより前記放電セルを前記点灯モードの状態に設定することを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - 前記入力映像信号に基づく輝度レベルに対応したサブフィールドの数だけ前記先頭のサブフィールドから連続したサブフィールド各々のサスティン行程において前記サスティン放電を生起させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007168920A JP2009008806A (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 |
US12/125,690 US20090002276A1 (en) | 2007-06-27 | 2008-05-22 | Method of driving plasma display panel |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007168920A JP2009008806A (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009008806A true JP2009008806A (ja) | 2009-01-15 |
Family
ID=40159774
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007168920A Pending JP2009008806A (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20090002276A1 (ja) |
JP (1) | JP2009008806A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010146827A1 (ja) * | 2009-06-15 | 2010-12-23 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置 |
WO2011004595A1 (ja) * | 2009-07-10 | 2011-01-13 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5134264B2 (ja) * | 2007-03-02 | 2013-01-30 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4385121B2 (ja) * | 2003-09-22 | 2009-12-16 | パナソニック株式会社 | 表示装置 |
KR20050122791A (ko) * | 2004-06-25 | 2005-12-29 | 엘지전자 주식회사 | 플라즈마 표시 패널의 구동 방법 |
-
2007
- 2007-06-27 JP JP2007168920A patent/JP2009008806A/ja active Pending
-
2008
- 2008-05-22 US US12/125,690 patent/US20090002276A1/en not_active Abandoned
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010146827A1 (ja) * | 2009-06-15 | 2010-12-23 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置 |
WO2011004595A1 (ja) * | 2009-07-10 | 2011-01-13 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置 |
JP5170313B2 (ja) * | 2009-07-10 | 2013-03-27 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20090002276A1 (en) | 2009-01-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4801914B2 (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
US20080278415A1 (en) | Method for driving plasma display panel | |
JP5134264B2 (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
JP2009008806A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
JP5355843B2 (ja) | プラズマディスプレイ装置 | |
JP4928211B2 (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
JP2008281928A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
US8111212B2 (en) | Method for driving plasma display panel | |
JP2009025547A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
JP2008070538A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
KR100956564B1 (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널의 구동 방법 | |
KR100949749B1 (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널의 구동 방법 | |
JP2008107626A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
JP2008233154A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
JP2008122684A (ja) | プラズマディスプレイ装置および表示パネルの駆動方法 | |
JP2009198687A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
JP2010019900A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
JP2010008661A (ja) | 表示パネルの駆動装置 | |
JP2008170780A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
JP2008203459A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
JP2008070443A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
JP2008304756A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 | |
JP2008203328A (ja) | プラズマディスプレイ装置 | |
JP2008197442A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置 | |
JP2008216878A (ja) | プラズマディスプレイパネルの駆動方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20090605 |