JP4583255B2 - 熱処理炉の使用方法 - Google Patents
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Description
そこで、前記特許文献1記載の発明では、その正逆切換を1回だけとして昇温時間の短縮を図っている(特許文献1の第3図参照)。
厚鋼板の熱処理炉において被加熱材に昇温時間差が生じると、当該厚鋼板内の強度分布にバラツキが生じる。
すなわち、本発明の特徴とするところは、被処理材載置台に載置された被処理材を収納する炉室と、該炉室内の雰囲気ガスを加熱する加熱手段と、該加熱手段により加熱された雰囲気ガスを熱風として送風する送風手段とを有する熱処理炉の使用方法において、前記熱風が被処理材の表面において形成する速度境界層が、被処理材の一端部から他端部にわたって同じ厚さになるように、前記被処理材の一端部であって熱風の流れ方向で上流側に速度境界層生成手段を設けておき、前記速度境界層生成手段として、異なる高さを有する複数の邪魔板を用意しておき、前記被処理材の表面と面一となる高さの邪魔板を選択した上で、前記被処理材の一端部に接するように被処理材載置台に固定し、その上で、前記送風手段により前記被処理材の一端部から他端部へ該被処理材の表面に沿って熱風を流すことにより、該被処理材を加熱することを特徴とする。
図3は、前記仮説の説明図であり、当該仮説は「ガス流れに対して鋼板先端は速度境界層が薄いため熱伝達率が高く、速度境界層の成長と共に熱伝達率は低くなる。この影響により板幅方向の昇温時間差を生じる。」と言うものである。
そこで、本発明は、前記送風手段による熱風が前記被処理材の表面において形成する速度境界層が、前記被処理材の一端部から他端部にわたって同じ厚さになるように、被処理材の上流側端部に速度境界層生成手段を設けたのである。こうすることで、仮想的に被処理材の端部が上流側に延長されることになり、本来の被処理材の部分では、速度境界層の厚さが幅方向で略一定となる。換言すれば、速度境界層の厚さが変化しながら分布している部分を、速度境界層生成手段に対応するように位置づけするものである。
また、前記送風手段は正逆運転可能なものとされており、該送風手段の正逆運転により前記被処理材の両側より交互に熱風を送風することが好ましい。
さらに、前述した被処理材は厚さ、幅及び長手方向を有する鋼板であり、前述した熱処理炉に関し、炉室は前記長手方向に複数の制御ゾーンに区画され、各制御ゾーンには前記加熱手段と送風手段が設けられているのが好ましい。
図1に示すものは、本発明方法に使用する熱処理炉の断面図である。この実施の形態では、熱処理炉として、厚鋼板を熱処理する台車炉が例示されている。
前記熱処理炉は、燃焼排ガス(雰囲気ガス)が充満する炉室1を有する。この炉室1は、被処理材2を収納するものである。前記熱処理炉は、該炉室1内の雰囲気ガスを加熱する加熱手段3を有する。また、前記熱処理炉は、送風手段4を有する。この送風手段4は、前記加熱手段3により加熱された雰囲気ガスを炉室1内で循環させるものである。この送風手段4は、正逆運転可能とされている。
被処理材2は、この実施の形態では、厚板鋼板が例示される。被処理材2は、厚さ、幅及び長手方向を有する。図1においては、厚さ方向は上下方向であり、幅方向は左右方向であり、長手方向は紙面に直交する前後方向である。
仕切壁11によって区画された上側炉室1は加熱室12とされ、下側炉室1は被処理材2を処理する熱処理室13とされている。加熱室12に加熱手段3が設けられている。この加熱手段3の一例として、コークス炉や高炉で発生した燃焼ガスを燃焼させるバーナが例示されている。この加熱手段3は、炉体天井部(炉室1の天井部)に取り付けられ、略垂直下方側に向かって火炎を放出するよう構成されている。
また、第1熱風通路14に第1温度測定手段17と、第2熱風通路15に第2温度測定手段18が設けられている。これら両温度測定手段17,18は、送風手段4から送風される熱風の温度を測定するものである。
図2は、熱処理炉の平面図である。炉室1は前記長手方向に複数の制御ゾーンに区画されている。各制御ゾーンは、仮想線で示す位置に設けられた垂直仕切壁により区画されている。この実施の形態では5個の制御ゾーンが設けられ、各制御ゾーンに前記加熱手段3と送風手段4が一つずつ設けられている。各送風手段4により熱風は前記被処理材の上下表面に沿って幅方向に流れる。
本発明においては、この速度境界層が、前記被処理材2の一端部から他端部にわたって同じ厚さになるように、前記被処理材2の一端部の熱風上流側に速度境界層生成手段23が設けられている。
前記速度境界層生成手段3として、前記被処理材2の表面と面一になるように配置された邪魔板が例示されている。この邪魔板は、被処理材載置台10に固定されている。被処理材2のサイズが変わるので、この邪魔板は位置変更可能、形状変更可能に設けられる。
図6には、かかる邪魔板を設置した場合としない場合の昇温時間差のシミュレーション結果が示されている。計算条件としては、「被処理材2の板幅が4.5mであって、かかる被処理材2の板幅方向両側に0.75mの邪魔板を設置している」としている。
即ち、送風手段4の正逆運転により被処理材2の両側から交互に熱風を供給して、該被処理材2を目標温度に加熱する方法であって、被処理材2の両側の温度が目標温度に到達する時間差を最短とするよう、送風手段4の正逆運転を制御する。尚、この実施の形態では被処理材2の両側とは、鋼板の幅方向両側である。
T正/T逆=(Q正/Q逆)a ・・・(1)
但し、a=0.8〜0.9
送風手段4の正転時回転数と、逆転時回転数が同一でない場合は、送風手段4の正逆運転の制御は次のように行うことができる。
本実施の形態においては、被処理材2を炉室1に収納する前に、炉室1内を予熱する。
更に本実施の形態では、前記雰囲気ガスの被処理材2に対する上流側炉温(t上流)と下流側炉温(t下流)を前記第1及び第2温度測定手段17,18で測定し、その温度差が各制御ゾーンで同一となるように、各々の送風手段4を制御装置を介して制御する。
なお、本発明は、前記実施の形態に示したものに限定されるものではなく、加熱手段3として、特開2000−144239号公報に記載のような電気ヒータを採用したものであってもよい。また、熱処理炉として、加熱室が下方に設けられ熱処理室が上方に設けられたものであってもよく、その形式は限定されるものではない。
2 被処理材
3 加熱手段
4 送風手段
23 速度境界層生成手段
Claims (3)
- 被処理材載置台に載置された被処理材を収納する炉室と、該炉室内の雰囲気ガスを加熱する加熱手段と、該加熱手段により加熱された雰囲気ガスを熱風として送風する送風手段とを有する熱処理炉の使用方法において、
前記熱風が被処理材の表面において形成する速度境界層が、被処理材の一端部から他端部にわたって同じ厚さになるように、前記被処理材の一端部であって熱風の流れ方向で上流側に速度境界層生成手段を設けておき、
前記速度境界層生成手段として、異なる高さを有する複数の邪魔板を用意しておき、
前記被処理材の表面と面一となる高さの邪魔板を選択した上で、前記被処理材の一端部に接するように被処理材載置台に固定し、
その上で、前記送風手段により前記被処理材の一端部から他端部へ該被処理材の表面に沿って熱風を流すことにより、該被処理材を加熱することを特徴とする熱処理炉の使用方法。 - 前記送風手段は正逆運転可能なものとされており、
該送風手段の正逆運転により前記被処理材の両側より交互に熱風を送風することを特徴とする請求項1に記載の熱処理炉の使用方法。 - 請求項1又は2に記載された被処理材は厚さ、幅及び長手方向を有する鋼板であり、
請求項1又は2に記載された熱処理炉に関し、炉室は前記長手方向に複数の制御ゾーンに区画され、各制御ゾーンには前記加熱手段と送風手段が設けられていることを特徴とする熱処理炉の使用方法。
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