JP4580534B2 - 歯科用ポリマーハイブリッド充填材およびその製造方法ならびにそれを含む歯科用組成物 - Google Patents

歯科用ポリマーハイブリッド充填材およびその製造方法ならびにそれを含む歯科用組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は歯科用分野における歯冠材料、充填材料、補綴材料および接着材料等の歯科用組成物において充填材として用いることのできるポリマーハイブリッド充填材、およびその製造方法ならびにそれを含む歯科用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯科分野で近年多用されている複合修復材には以下のような特性が求められている。咀嚼時の高い咬合圧に耐え得る機械的強度、過酷な条件下での耐久性、歯質と同程度の熱膨張率、重合硬化時に歯質からの剥離を防ぐための低重合収縮率等の機械的特性、天然歯に適合する色調および透明性、研磨時に認められる表面滑沢性および光沢性等の光学的特性、さらには非毒性、非溶解性および低吸水性等の生体親和性などが挙げられる。また、特に最近では、歯質を強化および二次う蝕を抑制するフッ素徐放性や治療後のう蝕の再発状況を確認し歯質のエナメル質と識別できるエックス線造影性等も要求されてきている。
【0003】
従来から歯牙欠損部の修復や補綴、人工歯根、その他の用途に重合可能な重合性単量体、重合開始剤および無機物、有機物または有機−無機複合物等の充填材等により構成される複合修復材が使用されている。これら構成成分の中でも充填材に関しては、これまで多くの報告がある。これは複合修復材中に占める充填材の割合が多いことから充填材の特性が複合修復材の特性に影響を与えるものと考えられているからである。
【0004】
初期の複合修復材に用いられていた充填材は、平均粒子径が数μmから数百μmのα―石英や種々のガラスで、大きな塊を粉砕して製造した破砕型充填材が主流であった。これらの充填材を用いた場合、適度な粘度と操作性、機械的強度、少ない重合収縮、歯牙に近い熱膨張係数等の諸性質を複合修復材に付与することができる。
しかし、平均粒子径が大きいことに由来して、研磨性が良好ではなく、特に研磨後の表面平滑性や表面光沢性に劣る等の欠点がある。この問題を解決するために、平均粒子径をできるだけ細かくしようとする試みがなされているが、未だ不十分である。
この欠点を克服するために、熱分解法や気相反応法により合成された平均粒子径0.01〜0.1μmの超微粒子、例えば噴霧熱分解法シリカやヒュームドシリカを充填材として用いた複合修復材が提案されており、これらはMFRという一般略称で広く愛用されてきた。この複合修復材は研磨性が良好で、且つ表面平滑性や表面光沢性に優れる。しかし、これら超微粒子を重合性単量体中に分散させた時、比表面積が大きいことから、得られるペーストの粘稠度が非常に上がり、このため充填量を非常に低く抑えなければならない。このため複合修復材の機械的特性、特に曲げ強度が劣ったものになる。また、ペーストが硬化する時の重合収縮が比較的大きいこと、また硬化物の熱膨張係数も非常に大きくなるなどの問題点も有していた。
【0005】
他の充填材としては有機金属化合物から出発するゾル-ゲル法等の溶液反応から合成された粒度分布が狭く球状で、且つ平均粒子径が0.1μmから数μmのシリカまたはシリカ複合酸化物等が挙げられる。これら充填材は、特開昭59−101409号公報等に開示されている。この充填材は乾燥工程で凝集を生じることから充填材への表面処理が均一に行えず、機械的強度や吸水による材料劣化等の耐久性に問題がある。
そこで、それぞれの充填材の長所を合わせ持たせようという考えのもとに、超微粒子シリカと比較的大きな無機充填材を組合わせたハイブリッド型の複合修復材が提案されている。例えば、特開昭57―82303号公報、特表昭57−500150号公報、特開昭61−148109号公報等に開示されている。しかし、これらハイブリッド型では機械的特性の向上は充分であるものの、ペーストが粘って操作性が悪いこと、さらに仕上げ研磨後の平滑さがMFRに比較すると不足していること等が問題である。
【0006】
最近では、研磨性や表面滑択性等の光学的特性に焦点を当てた充填材がいくつか提案されており、例えば有機−無機複合充填材または複合充填材と一般に呼ばれるものがある。これらは無機粒子を重合可能な単量体と予め混合して、一度重合させた後、その重合物を粉砕して複合充填材としたものである。特開昭54−107187号公報には無機粒子として超微粒子シリカを用いた複合充填材が開示されているが、超微粒子シリカの比表面積が大きいことにより、複合充填材中に占める割合が少なくなり、その結果この複合充填材を含む複合修復材の表面硬度が低く、熱膨張係数が大きくなるなどの欠点を有している。また特公平3−12043号公報には無機粒子として平均粒子径が0.1〜1.0μmで且つ球形であるシリカおよびシリカと結合可能な他の元素との複合無機酸化物、特開平8−143747号公報には無機粒子として平均粒子径が0.01〜0.1μmの範囲である二酸化珪素および周期律表第II族〜第IV族元素の複合酸化物、特開平5−194135号公報には無機粒子として平均粒子径が0.1〜5.0μmのガラス粉末、をそれぞれ含んだ複合修復材が開示されている。これらは充填材中の無機成分含有量の割合を増加させることにより表面硬度および熱膨張係数等の問題点は解消できるものの、機械的特性の向上はほとんどない。また、特公平6−62687号公報には複合充填材に三官能性または二官能性重合性単量体を用いることにより充填材表面に二重結合を残存させた複合充填材が、特開平7−196430号公報には平均粒子径が1μm以下の無機粒子を凝集させ、熱処理した凝集体を含んだ複合充填材がそれぞれ開示されている。しかし、これらは機械的特性の向上を目的としているものの、その効果は未だ不十分である。そこで、機械的特性の向上を目的として複合修復材中に複合充填材および他の無機充填材を用いた複合修復材が開示されている。特公平7−91170号公報にはガラス粉末、超微粒子シリカおよび複合フィラーが、特開平9−194674号公報には複合ポリマーおよび無機酸化物の凝集粒子をそれぞれ含む複合修復材が開示されている。しかし、これらは無機系充填材を用いたことによる欠点もあり、複合修復材に必要なすべての諸特性において決して満足できるものではなかった。
【0007】
以上述べたように、複合充填材は、仕上げ研磨後の表面滑沢性および光沢性等の光学的特性は優れているものの、複合充填材に対する表面処理の効果が不十分で、樹脂成分との濡れ性が悪くなり機械的特性または操作性に大きな問題を抱えていた。複合充填材表面は無機成分が少なく、ほとんどが有機成分であること。
また、無機成分が現れていても複合充填材を製造する際、無機粒子は既にシランカップリング剤等を用いて表面処理されている。そのため、複合充填材粒子への表面処理効果が認められず、十分な機械的特性が得られない。また、表面処理が均一かつ効率よく行われていない場合、複合修復材の硬化前の状態であるペーストの操作性および硬化後の複合修復材の耐久性等にも影響を及ぼす。今までの複合充填材の表面処理においてはそのほとんどが物理的な表面処理剤の吸着に留まっていた。そのため、そのフィラー表面とレジンマトリックスとの界面に微少な隙間が生じ、この隙間に水が浸透することから耐久性等に問題が生じていた。これらのように、従来から複合充填材の特徴として認められている優れた研磨性、特に研磨後の表面滑沢性および光沢性は損なわず、且つ表面処理剤が効果的に作用し、優れた機械的特性および耐久性を付与できる有機複合フィラーはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の有機−無機複合充填材はその表面に無機成分が少なく、ほとんどが有機成分であることから、シランカップリング剤等が効果的に作用せず、レジン成分との濡れ性が悪い。そのため歯科用組成物に含んだ場合、均一に分散させることができないことから、優れた機械的強度、表面硬度および耐久性を歯科用組成物に付与することができなかった。
本発明の目的は、歯科用分野において歯冠材料、充填材料、補綴材料および接着材料等の歯科用組成物に用いることのできる有機−無機複合系充填材であり、特に充填材料として要求される優れた研磨性、研磨後の表面滑沢性および光沢性等の特性を有し、且つ優れた機械的強度、表面硬度および耐久性を共に付与することのできるポリマーハイブリッド充填材およびその製造方法ならびに歯科用組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を達成するために鋭意研究した結果、有機成分と無機成分を分子レベルで複合化したポリマーハイブリッド充填材を提供することによりこの課題を解決するに至った。すなわち本発明者らは本願において以下の発明を提供する。
本発明は(a)分子内に少なくとも1個以上のシリル基を含むオリゴマーおよび/またはポリマーと、
(b)金属化合物の共存下または非共存下で一般式(I):
【化4】
Figure 0004580534
(式中、ZはR1O-またはOCN-、Xはハロゲン、YはOH-、R1は炭素数が8以下の有機基、R2は有機基、a、bおよびcは0〜4の整数、pは0〜3の整数であって、a+b+c+p=4である)
で表される(オルガノ)シラン化合物および/または(オルガノ)シラン化合物の低縮合物が単独で、またはそれと金属酸化物ゾルとが共に加水分解または部分加水分解されたポリ(オルガノ)シロキサン縮合物とを含むことを特徴とするポリマーハイブリッド充填材を提供する。
さらに、(a)および(b)成分に加えて(c)金属キレ−ト化合物とを含むことを特徴とするポリマーハイブリッド充填材を提供する。
また、本発明は、(a)成分が0.01〜100.0重量部、(b)成分が0.01〜200重量部の割合で含まれた上記ポリマーハイブリッド充填材を提供する。さらに、前記割合の(a)および(b)成分に加えて(c)成分が0.001〜30重量部の割合で含まれた上記ポリマーハイブリッド充填材を提供する。
【0010】
また、本発明は、
(1):分子内に少なくとも1個以上のシリル基を含むオリゴマーおよび/またはポリマーを含む溶液を調製する工程、
(2):金属化合物の共存下または非共存下で一般式(I)で表される(オルガノ)シラン化合物および/または(オルガノ)シラン化合物の低縮合物を単独でまたはそれと金属酸化物ゾルとが共に加水分解または部分加水分解して(共)縮合されたポリ(オルガノ)シロキサン縮合物を含む溶液を調製する工程、および(3):(1)工程および(2)工程で調製した溶液を金属キレート化合物存在下または不存在下で反応させポリマーハイブリッド充填材を生成する工程を含むポリマーハイブリッド充填材の製造方法を提供する。
さらには、(a)上記のポリマーハイブリッド充填材、(b)重合性単量体、および(c)重合開始剤、を含有してなる歯科用組成物を提供する。
【0011】
上記本発明のポリマーハイブリッド充填材により以下の諸効果がもたらされる。
▲1▼本発明のポリマーハイブリッド充填材は有機成分と無機成分が分子レベルで複合化され、且つ多くの無機成分を含むことができることから、シランカップリング剤等が効率よく作用し、レジンマトリックス中に均一に分散することができる。
▲2▼本発明のポリマーハイブリッド充填材を歯科用組成物中に充填材として用いた場合、優れた研磨性、研磨後の表面滑沢性および光沢性と共に、優れた機械的強度、表面硬度および耐久性を付与することができる。
▲3▼さらにはポリマーハイブリッド充填材中に重金属元素を含むことにより、優れたX線造影性をも付与することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
【0013】
本発明のポリマーハイブリッド充填材に含まれる分子内に少なくとも1個以上のシリル基を含むオリゴマーおよび/またはポリマーの例としては、一般式(II):
【化5】
Figure 0004580534
(式中、ZはR1O-またはOCN-、Xはハロゲン、YはOH-、R1は炭素数が8以下の有機基、R2 は不飽和基を含む有機基、a、bおよびcは0〜3の整数、pは1〜3の整数であって、a+b+c+p=4である)
で表される不飽和基を有するオルガノシラン化合物および/またはオルガノシラン化合物の低縮合物を単独重合させることにより、あるいは他の重合性単量体との共存下で共重合させることにより得られるオリゴマーおよび/またはポリマー等が挙げられる。これらのオリゴマーおよび/またはポリマーの数平均分子量は500〜100000の範囲であり、より好ましくは500〜30000の範囲である。これらのオリゴマーおよび/またはポリマーは分子内に少なくとも1個以上のシリル基を含まなければならず、好ましくは5〜75個の範囲である。
【0014】
オリゴマーまたはポリマーの調製は有機溶媒中で重合触媒を用いることにより公知の重合方法、例えば溶液重合、乳化重合および懸濁重合等のいずれの重合方法においても行うことができる。有機溶媒としてはベンゼン、トルエン、へキサンおよびイソプロパノール等が何等制限なく使用することができる。また、重合触媒としてはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウム等が何等制限なく使用することができる。
一般式(II)で表されるオルガノシラン化合物において、R2’は不飽和基を含む有機基を表し、具体的にはビニル基、アクロイル基、メタクリロイル基およびそれらの誘導体基等が挙げられる。また、Zは加水分解によりシラノール基を生成し得るR1O基またはOCN基、Xはハロゲン、YはOH基、R1は炭素数が8以下の有機基を表し、具体的には、メチル、エチル、2-クロロエチル、アリル、アミノエチル、プロピル、イソペンチル、ヘキシル、2-メトキシエチル、フェニル、m-ニトロフェニル、2,4-ジクロロフェニル等のアルキル基またはアルキル誘導体基が挙げられるが、加水分解速度や縮合物内でのカーボン残留などから、好ましくはメチルまたはエチルであり、ハロゲンは塩素、臭素が挙げられ、好ましくは塩素である。
【0015】
一般式(II)で表される不飽和基を有するオルガノシラン化合物を具体的に例示すると、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルシリルトリイソシアネート等が挙げられる。また、これらオルガノシラン化合物の低縮合物も使用することができる。
これらの化合物は単独または複数組み合わせて使用することができる。
また、一般式(II)で表される不飽和基を有するオルガノシラン化合物および/またはオルガノシラン化合物の低縮合物と共重合させることができる他の重合性単量体は、特に制限なく、不飽和基を有するものであれば、何等制限なく用いることができる。具体的に例示すると、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン等の不飽和芳香族類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;ブタジエン、イソプレン等の不飽和基を有する化合物が挙げられる。好ましくは、歯科分野で既に公知の後述する重合性単量体である。これらの重合性単量体の中でも単官能性重合性単量体と共重合させることが好ましい態様である。
また、重合性単量体の分子内に他の置換基、例えばカルボン酸基やリン酸基等の酸性基を含んでいても何等問題はない。
これらの中でもγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの単独重合させたまたはγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランとメタクリル酸メチルを共重合させたオリゴマーおよび/またはポリマーを用いることがより好ましい。
【0016】
本発明のポリマーハイブリッド充填材に含まれるポリ(オルガノ)シロキサン縮合物は、
一般式(I):
【化6】
Figure 0004580534
(式中、ZはR1O-またはOCN-、Xはハロゲン、YはOH-、R1は炭素数が8以下の有機基、R2は有機基、a、bおよびcは0〜4の整数、pは0〜3の整数であって、a+b+c+p=4である)
で表される(オルガノ)シラン化合物および/または(オルガノ)シラン化合物の低縮合物を単独でまたはそれと金属酸化物ゾルとが共に加水分解または部分加水分解して縮合させる、あるいは
一般式(I)で表される(オルガノ)シラン化合物および/または(オルガノ)シラン化合物の低縮合物を単独でまたはそれと金属酸化物ゾルと共に金属化合物の共存下で、加水分解または部分加水分解して共縮合させることにより得ることができる。
【0017】
一般式(I)で表される(オルガノ)シラン化合物において、Zは加水分解によりシラノール基を生成し得るR1O基またはOCN基、Xはハロゲン、YはOH基、R1は炭素数が8以下の有機基、R2は有機基を表す。具体的には、R1はメチル、エチル、2-クロロエチル、アリル、アミノエチル、プロピル、イソペンチル、ヘキシル、2-メトキシエチル、フェニル、m-ニトロフェニル、2,4-ジクロロフェニル等のアルキル基またはアルキル誘導体基等が挙げられるが、加水分解速度や(共)縮合物内でのカーボン残留などから、好ましくはメチルまたはエチルであり、ハロゲンは塩素、臭素が挙げられ、好ましくは塩素である。
【0018】
一般式(I)中のp=0で表されるシラン化合物を具体的に例示すると、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラアリロキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シラン、トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリイソプロポキシクロロシラン、トリメトキシヒドロキシシラン、ジエトキシジクロロシラン、テトラフェノキシシラン、テトラクロロシラン、水酸化ケイ素(酸化ケイ素水和物)、テトライソシアネートシラン、エトキシシラントリイソシアネートおよびこれらシラン化合物の低縮合物等が挙げられ、これらの中でもテトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランが好ましい。これらの化合物は単独でまたは複数組み合わせて使用することができる。
【0019】
一般式(I)中のp=1〜3で表されるオルガノシラン化合物を具体的に例示すると、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メトキシトリプロピルシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、トリメチルシリルイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネート、フェニルシリルトリイソシアネートおよびこれらオルガノシラン化合物の低縮合物等が挙げられる。これらの中でもメチルトリメトキシシランまたはγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。これらの化合物は単独でまたは複数組み合わせて使用することができる。
【0020】
金属酸化物ゾルとしては水を分散媒としたヒドロゾル、メタノール、エチルセロソルブ、エチレングリコールおよびジメチルアセトアミド等の有機溶媒を分散媒としたオルガノゾルおよびエーロゾル等が何等制限なく用いることができる。
また、金属酸化物超微粒子を適当な分散機を用い、種々の分散媒中で分散させたものを用いても何等制限はない。ゾルまたは微粒子として用いることができる金属酸化物はシリカ、アルミナ、酸化アンチモンおよびジルコニア等の種々の金属酸化物またはそれらの混合物等が挙げられる。
【0021】
上記の種々の化合物の中でもポリマーハイブリッド充填材に含まれるポリ(オルガノ)シロキサン縮合物としては一般式(I)で表されるオルガノシラン化合物と一般式(I)で表されるシラン化合物または一般式(I)で表されるオルガノシラン化合物と金属酸化物ゾルとの組合わせのものが好ましく、より好ましくはオルガノシラン化合物と金属酸化物ゾルの組合わせである。具体的に例示するとメチルトリメトキシシランおよび/またはγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランとシリカゾル等の組合わせが挙げられる。
【0022】
また、ポリ(オルガノ)シロキサン縮合物調製時において共存させることができる金属化合物としては単独で加水分解または部分加水分解し、縮合してポリ(オルガノ)シロキサン縮合物の骨格を形成するものまたはポリ(オルガノ)シロキサン縮合物の骨格を形成する他の化合物との共存下で修飾的に骨格に対し寄与するもの等のいずれにおいても特に制限なく使用することができる。それら金属化合物を具体的に例示すると、金属ハロゲン化物、金属硝酸塩、金属硫酸塩、金属アンモニウム塩、有機金属化合物、アルコキシ金属化合物またはこれら金属化合物の誘導体等が挙げられる。金属化合物は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。これら金属化合物を構成する金属元素としては、周期律表第I族〜第V族の各元素が挙げられる。また、これら金属化合物の中でも単独で加水分解・縮合して三次元的な骨格を形成できる周期律表第III族〜第V族の金属元素からなる金属化合物が好ましい。さらに好ましくは、ZrまたはTiからなる金属化合物である。これらの金属元素を含む金属化合物を共存させたポリ(オルガノ)シロキサン縮合物をポリマーハイブリッド充填材の調製に用いることにより、X線造影性能を有するポリマーハイブリッド充填材を得ることができる。ZrまたはTiからなる金属化合物を具体的に例示すると、四塩化チタン、硫酸チタニル、メチルトリクロロチタン、ジメチルジクロロチタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシテタン、テトライソブトキシチタン、テトラ(2−エチルヘキシロキシ)チタン、ジエトキシジブトキシチタン、イソプロポキシチタントリオクタレート、ジイソプロポキシチタンジアクリレート、トリブトキシチタンステアレート、四塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムラクテート、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等が挙げられる。また上記金属化合物の誘導体を使用することもできる。金属化合物の誘導体としては、例えば、ハロゲン、NO3、SO4、アルコキシ基、アシロキシ基等の加水分解基の一部をジカルボン酸基、オキシカルボン酸基、β―ジケトン基、β―ケトエステル基、β―ジエステル基、アルカノールアミン基等のキレート化合物を形成しうる基で置換した金属化合物が挙げられる。また、金属化合物を部分加水分解し低縮合して得られた低縮合金属化合物(オリゴマーまたはポリマー)も用いることができる。
【0023】
上記化合物の加水分解または部分加水分解および(共)縮合は比較的低速の撹拌状態下で行われる。攪拌温度は10℃から100℃の範囲、より好ましくは25℃から50℃の範囲である。ポリ(オルガノ)シロキサン縮合物を調製する工程において水性媒体等を用いる場合はそれらの水性媒体が有する沸点以下の温度であれば何等問題はない。撹拌時間は通常数分から数十時間、より好ましくは30分〜24時間の範囲であり、縮合させる化合物の種類および添加量または、用いた溶媒の種類および全体に占める割合等により、適宜調整することができる。
撹拌は特別な方法を必要とするものではなく、当該分野で通常に使用されている設備を採用して行うことができる。例えば、万能混合撹拌機やプラネタリーミキサー等の撹拌できる撹拌機を用いて撹拌すればよい。
【0024】
また、加水分解または部分加水分解および(共)縮合の速度を制御するために、酸およびアルカリ、有機金属化合物、金属アルコキシド、金属キレート化合物等のゾル−ゲル触媒の添加は好ましい態様である。触媒として具体的に例示すると、塩酸、酢酸、硝酸、ギ酸、硫酸、リン酸等の無機酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸等の有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア等のアルカリ触媒が挙げられる。
水性媒体としては、水単独または水の一部または全部を必要に応じてアルコール類、アセトン等のケトン類やエーテル類等の水性溶媒で置換したものを用いてもよい。
上記ポリ(オルガノ)シロキサン縮合物の調製工程において縮合させる化合物の形態は特に制限はなく、単量体、単量体が部分加水分解して低縮合した低縮合物(オリゴマー)およびそれらの混合物のいずれの形態でも用いることができる。
縮合させる化合物の溶液中への添加方法に関しては特に制限はなく、添加する化合物を別々にまたは予め混合して、一括または断続的に分割して添加することができる。しかし、添加の均一性を高めるために、添加する縮合させる化合物および水性媒体等に相溶する有機溶媒を用いて希釈し断続的に分割して添加する方法が好ましい。
【0025】
上記に調製したポリ(オルガノ)シロキサン縮合物を含む溶液およびシリル基含有オリゴマーおよび/またはポリマーを含む溶液を混合し、加温下で攪拌してグラフト反応させることにより、均一な混合溶液、いわゆるポリマーハイブリッド前駆体溶液を得ることができる。またグラフト反応の均一性を高める目的で混合溶液中に金属キレート化合物を共存させることによってもポリマーハイブリッド前駆体溶液を得ることができる。
グラフト反応に用いる金属キレート化合物は何等制限なく用いることができる。それら金属キレート化合物の中でもアルミニウム、チタンおよびジルコニウム等の金属キレート化合物が好ましい。それらを具体的に例示すると、アルミニウムキレート化合物としてはアルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセトアセテート)およびアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセテネート等が挙げられ、特にアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)が好ましい。チタンキレート化合物としてはジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、テトラアセチルアセトネートチタンおよびヒドロキシビス(ラクタト)チタン等が挙げられ、特にテトラアセチルアセトネートチタンが好ましい。ジルコニウムキレート化合物としてはトリ−n−ブトキシエチルアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウムおよびテトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム等が挙げられ、特にトリ−n−ブトキシエチルアセテートジルコニウムが好ましい。これらの化合物は単独でまたは複数組合わせて使用することができる。
【0026】
上記反応系中でのグラフト反応は比較的低速の撹拌状態下で行われる。攪拌温度は0℃から150℃の範囲、より好ましくは10℃から80℃の範囲である。
撹拌時間は通常数分から数十時間、より好ましくは30分〜24時間の範囲である。撹拌は特別な方法を必要とするものではなく、当該分野で通常に使用されている設備を採用して行うことができる。
またグラフト反応の均一性を高めるために、調製した二種の溶液に相溶する溶媒を何等制限なく使用することができる。特に好ましくは、アルコール類、ケトン類およびエーテル類から適宜選択することができる。これら溶媒を具体的に例示すると、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン等のケトン類が挙げられる。これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を使用してもよい。好ましくは、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールが好適に使用される。
【0027】
次に、このようにして得られたポリマーハイブリッド前駆体溶液から溶媒を分離する。分離する方法は、常法によることができ、遠心分離、再沈、限外ろ過等により分離および精製することができる。また、加熱、真空および凍結等の乾燥方法を用いて溶液中から、溶媒を除去して分離することもできる。分離した後、ポリマーハイブリッド前駆体を熱処理することによりポリマーハイブリッド固化物が得られる。この熱処理はポリマーハイブリッド前駆体中に含まれる無機質相の強化を目的としており、箱型の熱風乾燥機(静置方式)やロータリーキルン(回転方式)等のいずれの熱源装置および乾燥方式を用いても行うことができる。
また、箱型の熱風乾燥機を用いた場合は、溶媒の除去および無機質相の強化を同時に行うことができる。熱処理は無機質相構造にひずみを与えないよう、低温で行う必要がある。
熱処理温度は、ポリマーハイブリッド前駆体中に含まれる有機成分に対して炭化等の悪影響を与えない程度に、適宜選択することができる。熱処理温度は10℃から200℃の範囲、より好ましくは40〜150℃の範囲である。温度がこの範囲より低い場合は、溶媒除去が不十分であり、またこの範囲より高い場合は、溶媒が急激に揮発し、無機質相内に欠陥が生じたり、クラックが発生したりする恐れがある。熱処理時間は用いた設備等の能力等にもよるため、適宜選択することができる。
従って、次の工程としてこのポリマーハイブリッド固化物を粉砕すると、本発明のポリマーハイブリッド充填材が得られる。ポリマーハイブリッド固化物の粉砕方法は特に限定されないが、当該分野で一般に採用されている方法で行うことができる。例えば、ボールミルや振動ミル等の容器駆動媒体ミル、ハンマーミルやターボミル等の高速回転ミル、サンドグラインダーやアトライター等の媒体攪拌ミルが挙げられ、必要な平均粒子径に応じて適宜選定できる。ポリマーハイブリッド充填材の平均粒子径は特に制限はないが、0.1〜100.0μmの範囲が好ましく、より好ましくは5.0〜50.0μmの範囲である。ポリマーハイブリッド充填材の形状は球状、板状、破砕状、鱗片状等の任意の形状でよく、特に何等制限はない。
【0028】
本発明のポリマーハイブリッド充填材は
(a)分子内に少なくとも1個以上のシリル基を含むオリゴマーおよび/またはポリマー0.01〜100.0重量部と、
(b)金属化合物の存在下または不存在下で一般式(I)で表される(オルガノ)シラン化合物および/または(オルガノ)シラン化合物の低縮合物を単独で、またはそれと金属酸化物ゾルとの共存下で、加水分解または部分加水分解し(共)縮合されたポリ(オルガノ)シロキサン縮合物0.01〜200重量部との混合割合でグラフト反応させることにより得ることができる。またグラフト反応の均一性を高めるためにポリマーハイブリッド充填材中に(c)成分として金属キレート化合物を含む場合は0.001〜30重量部の範囲で含むことができる。
ポリマーハイブリッド充填材中に含まれる(a)成分は0.01〜100.0重量部の範囲であり、(a)成分の含有量が多くなると、ポリマーハイブリッド充填材の機械的特性、特に機械的強度、熱膨張係数および表面硬度等に問題が生じるため好ましくない。またポリマーハイブリッド充填材中に含まれる(b)成分は0.01〜200.0重量部の範囲であり、(b)成分の含有量が多くなると、ポリマーハイブリッド充填材の機械的特性は向上するものの、逆に脆くなる傾向にあり、また歯科用組成物を構成している有機成分との濡れ性が悪くなるため好ましくない。(b)成分の含有量はSiO2換算量および/またはSi元素以外の元素の金属酸化物換算量との合算値を示す。またグラフト反応の均一性を高めるためにポリマーハイブリッド充填材中に(c)成分として金属キレート化合物を含む場合は0.001〜30重量部の範囲で含むことができる。
【0029】
こうして得られた本発明のポリマーハイブリッド充填材は有機成分と無機成分が分子レベルで複合化された充填材であり、従来の有機複合フィラーに比べ高いレベルの無機成分を含有することができる。ポリマーハイブリッド充填材に含まれる無機成分量はTG−DTA分析またはアッシュ法等で確認することができる。また、従来の有機複合フィラーはフィラー内部において無機成分が不均一に分散しているが、本発明のポリマーハイブリッド充填材は、その充填材内部において有機成分と無機成分が分子レベルで複合化されているために、均一に分散している。この分散状況は透過型電子顕微鏡(TEM)にて確認することができる。
また、このポリマーハイブリッド充填材を歯科用組成物中に高充填するためには、
一般式(I):
【化7】
Figure 0004580534
(式中、ZはR1O-またはOCN−、Xはハロゲン、YはOH-、R1は炭素数が8以下の有機基、R2は有機基、pは1〜3の整数、a、bおよびcはいずれも0〜3の整数であって、a+b+c+p=4である)
で表されるオルガノシラン化合物でポリマーハイブリッド充填材表面をさらに処理することが効果的である。この結果、ポリマーハイブリッド充填材の高充填が可能になり、歯科組成物として必要な諸特性を満たすことができる。
【0030】
一般式(I)で表されるオルガノシラン化合物を具体的に例示すると、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メトキシトリプロピルシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等が挙げられる。
これらオルガノシラン化合物の中でも歯科分野でシランカップリング剤として公知の化合物であるビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニル(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。より好ましくはγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランである。これらのオルガノシラン化合物は単独でまたは複数併用して使用することができる。
これらのオルガノシラン化合物により、樹脂成分との親和性が高められたのは、ポリマーハイブリッド充填材中に多くの無機成分が含有されていることから、オルガノシラン化合物が、効率よく、且つ均一に表面処理されたためである。
【0031】
本発明のもう1つの態様は上記本発明のポリマーハイブリッド充填材を含む歯科用組成物である。特に、(a)本発明のポリマーハイブリッド充填材、(b)重合性単量体および(c)重合開始剤を含有する歯科用組成物である。
本発明のポリマーハイブリッド充填材は有機高分子材料を主成分とするレジンマトリックス中に、非凝集状態で均一分散することができる。さらに、本発明のポリマーハイブリッド充填材を充填材として含む歯科用組成物の硬化体は、優れた研磨性、特に研磨後の表面滑沢性および光沢性、機械的特性および耐久性等の優れた物性を発現するという特徴を有する。この優れた特性は、ポリマーハイブリッド充填材中に含まれる有機成分および無機成分が分子レベルで複合化されたためである。
【0032】
本発明のポリマーハイブリッド充填材と共に、歯科用組成物中に使用することのできる重合性単量体は、一般に歯科用組成物として用いられている公知の単官能性および多官能性の重合性単量体のうちから使用することができる。
一般に好適に使用される代表的なものを例示すれば、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する重合性単量体である。なお、本発明においては(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリロイルをもってアクリロイル基含有重合性単量体とメタクリロイル基含有重合性単量体の両者を包括的に表記する。
【0033】
具体的に例示すれば次の通りである。
酸性基を有しない重合性単量体類として、
単官能性単量体:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のシラン化合物類、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等の窒素含有化合物、
芳香族系二官能性単量体:2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン等、
脂肪族系二官能性単量体:2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート等、
三官能性単量体:トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等、
四官能性単量体:ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等、
また、ウレタン系重合性単量体として具体的に例示すると;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;3−クロロー2−ハイドロキシプロピル(メタ)アクリレートのような水酸基を有する重合性単量体とメチルシクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルメチルベンゼン、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物との付加物から誘導される二官能性または三官能性以上のウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレート系重合性単量体以外に歯科用組成物の目的に応じて他の重合性単量体、例えば分子内に少なくとも1個以上の重合性基を有する単量体、オリゴマーまたはポリマーを用いても何等制限はない。また、酸性基やフルオロ基等の置換基を同一分子内に有していても何等問題はない。
【0034】
本発明において、重合性単量体とは単一成分の場合のみならず、複数の重合性単量体からなる重合性単量体の混合物も含む。また、重合性単量体の粘性が室温で極めて高い場合、または固体である場合は、低粘度の重合性単量体と組合せ重合性単量体の混合物として使用するのが好ましい。この組合せは2種類に限らず、3種類以上であってもよい。また、単官能性重合性単量体だけの重合体は架橋構造を有しないので、一般に重合体の機械的強度が劣る傾向にある。そのために、重合性単量体を使用する場合は、多官能性重合性単量体とともに使用するのが好ましい。重合性単量体の最も好ましい組合せは、二官能性重合性単量体の芳香族化合物を主成分として二官能性重合性単量体の脂肪族化合物と組合わせる方法である。
【0035】
本発明のポリマーハイブリッド充填材を含んだ歯科組成物に歯質または卑金属接着性を付与する場合は、重合性単量体の一部または全部としてリン酸基、カルボン酸基、スルホン酸基等の酸基を分子内に含有した重合性単量体を用いることが効果的である。また、貴金属接着性を付与させるには、硫黄原子を分子内に含有した重合性単量体を使用することも本発明にとって有効である。これらに対し接着能を有する重合性単量体として、具体的に例示すれば次の通りである。
カルボン酸基含有重合性単量体:(メタ)アクリル酸、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルピロメリット酸、6−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、N−(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸およびその無水物、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレエート、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、p−ビニル安息香酸等が挙げられる。
【0036】
リン酸基含有単量体:2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンフォスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンフォスフェート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンフォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンフォスフェート等が挙げられる。
スルホン酸基含有単量体:2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシベンゼンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸等が挙げられる。
硫黄原子を含有する重合性単量体:トリアジンチオール基を有する(メタ)アクリレート、メルカプト基を有する(メタ)アクリレート、ポリスルフィド基を有する(メタ)アクリレート、チオリン酸基を有する(メタ)アクリレート、ジスルフィド環式基を有する(メタ)アクリレート、メルカプトジアチアゾール基を(メタ)アクリレート、チオウラシル基を有する(メタ)アクリレート、チイラン基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。これら重合性単量体は単独でまたは2種以上を混合して使用しても何等問題はない。
【0037】
本発明のポリマーハイブリッド充填材と共に、歯科用組成物中に使用することのできる重合開始剤は特に限定されず、公知のラジカル発生剤が何等制限なく用いられる。
重合開始剤は一般に使用直前に混合することにより重合を開始させるもの(化学重合開始剤)、加熱や加温により重合を開始させるもの(熱重合開始剤)、光照射により重合を開始させるもの(光重合開始剤)に大別される。
化学重合開始剤としては、有機過酸化物/アミン化合物または有機過酸化物/アミン化合物/スルフィン酸塩、有機過酸化物/アミン化合物/ボレート化合物からなるレドックス型の重合開始系、酸素や水と反応して重合を開始する有機金属型の重合開始剤系が挙げられ、さらにはスルフィン酸塩類やボレート化合物類は酸性基を有する重合性単量体との反応により重合を開始させることもできる。
上記有機過酸化物として具体的に例示すると、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエード等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、アミン基がアリール基に結合した第二級または第三級アミンが好ましく、具体的に例示するとp−N,N−ジメチル−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、N−β−ヒドロキシエチル−アニリン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−アニリン、p−N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−トルイジン、N−メチル−アニリン、p−N−メチル−トルイジン等が挙げられる。
【0038】
上記スルフィン酸塩類としては具体的に例示すると、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記ボレート化合物としては、トリアルキルフェニルホウ素、トリアルキル(p−フロロフェニル)ホウ素(アルキル基はn−ブチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
また、上記有機金属型の重合開始剤としては、トリフェニルボラン、トリブチルボラン、トリブチルボラン部分酸化物等の有機ホウ素化合物類等が挙げられる。
また加熱や加温による熱重合開始剤としては、上記有機過酸化物の他にアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物類が好適に使用される。
【0039】
一方、光重合開始剤としては、光増感剤からなるもの、光増感剤/光重合促進剤等が挙げられる。
上記光増感剤として具体的に例示すると、 ベンジル、カンファーキノン、α−ナフチル、アセトナフセン、p,p’−ジメトキシベンジル、p,p’−ジクロロベンジルアセチル、ペンタンジオン、1,2−フェナントレンキノン、1,4−フェナントレンキノン、3,4−フェナントレンキノン、9,10−フェナントレンキノン、ナフトキノン等のα−ジケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、2−ヒドロキシチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類、2−ベンジル―ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル―ジエチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−プロパノン−1等のα-アミノアセトフェノン類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジル(2−メトキシエチルケタール)等のケタール類、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1−ピロリル)フェニル]−チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(ペンタンフルオロフェニル)−チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ジシロキシフェニル)−チタン等のチタノセン類が挙げられる。
【0040】
上記光重合促進剤として具体的に例示すると、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、p−N,N−ジメチル−トルイジン、m−N,N−ジメチル−トルイジン、p−N,N−ジエチル−トルイジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッド、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッドエチルエステル、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッドアミノエステル、N,N−ジメチルアンスラニリックアシッドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、p−N,N−ジヒドロキシエチル−トルイジン、p−ジメチルアミノフェニルアルコール、p−ジメチルアミノスチレン、N,N−ジメチル−3,5−キシリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2,2’−(n−ブチルイミノ)ジエタノール等の第三級アミン類、N−フェニルグリシン等の第二級アミン類、5−ブチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸等のバルビツール酸類、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジバーサテート、ジオクチルスズビス(メルカプト酢酸イソオクチルエステル)塩、テトラメチル−1,3−ジアセトキシジスタノキサン等のスズ化合物類、ラウリルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のアルデヒド化合物類、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾオキサゾール、1−デカンチオール、チオサルチル酸等の含イオウ化合物等が挙げられる。さらに、光重合促進能の向上のために、上記光重合促進剤に加えて、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸、グルコン酸、α−オキシイソ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、ジメチロールプロピオン酸等のオキシカルボン酸類の添加が効果的である。
【0041】
これらの重合開始剤は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
また、重合形態や重合開始剤の種類に関係なく、組合わせて用いることもできる。
重合開始剤の添加量は、使用用途に応じて適宜選択すればよい。一般には、重合性単量体に対して0.1〜10重量部の範囲から選べばよい。
上記に述べた重合開始剤の中でも、光照射によりラジカルを発生する光重合開始剤を用いることが好ましい態様であり、空気の混入が少ない状態で歯科用組成物を重合させることができる点で最も好適に使用される。また、光重合開始剤の中でも、α−ジケトンと第三級アミンの組合せがより好ましく、カンファーキノンとp−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミノ基がベンゼン環に直結した芳香族アミンまたはN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等の分子内に二重結合を有した脂肪族アミン等の組合せが最も好ましい。
また、使用用途に応じて他に、クマリン系、シアニン系、チアジン系等の増感色素類、ハロメチル基置換−s−トリアジン誘導体、ジフェニルヨードニウム塩化合物等の光照射によりブレンステッド酸またはルイス酸を生成する光酸発生剤、第四級アンモニウムハライド類、遷移金属化合物類等も適宜使用することができる。
【0042】
歯科用組成物として本発明のポリマーハイブリッド充填材以外に第2のフィラーを配合することができる。第2のフィラーとしては、歯科用フィラーとして公知なもの、例えば、石英、無定形シリカ、クレー、酸化アルミニウム、タルク、雲母、カオリン、ガラス、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム等の無機物;ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ナイロン等の高分子またはオリゴマー等の有機物;および有機−無機の複合物等が好適に使用できる。第2のフィラーは単独でまたは2種以上を使用しても何等問題はない。またこの第2のフィラーは通常、公知として用いられているチタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤やシランカップリング剤で表面処理したものを使用するのがより好ましい。第2のフィラーの混合割合は、必要に応じて適宜選択でき、例えば1〜90重量部の割合となる範囲から選べばよい。
【0043】
また、歯科用組成物の中には、2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾフェノンのような紫外線吸収剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤、変色防止剤、抗菌材、着色顔料、その他の従来公知の添加剤等の成分を、必要に応じて任意に添加できる。
本発明の歯科用組成物の包装形態は、特に限定されず、重合開始剤の種類、または使用目的により、1パック包装形態および2パック包装形態、またはそれ以外の形態のいずれも可能であり、用途に応じて適宜選択することができる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に、且つ具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の実施例において採用した歯科用組成物の性能評価法は次の通りである。
(1)曲げ試験および耐久性試験
評価目的:
歯科用組成物試験体の曲げ強度および長期水中浸漬後の曲げ強度を評価する。
評価方法:
調製した歯科用組成物をステンレス製金型に充填した後、両面にカバーガラスを置きガラス練板で圧接した後、光重合照射器(デンタ−カラーXS:クルッツァー社製)を用いて片面:3分間光照射を行い、硬化させた。硬化後、金型から硬化物を取り出した後、再び同様に裏面も3分間光照射(両面で6分間)を行い、硬化させた。その硬化物をカーボランダムペーパー#2000を用いて仕上げ研磨し、それを試験体(25×2×2mm:直方体型)とした。その試験体を37℃、24時間および3ヶ月間水中に浸漬した後、曲げ試験を行った。
曲げ試験は、インストロン万能試験機(インストロン5567,インストロン社製)を用い支点間距離20mm,クロスヘッドスピード1mm/min、ロードセル1KNにて行った。なお、試験は試験体数5個で行い、その平均値をもって採用した。
【0045】
(2)硬さ試験
評価目的:
歯科用組成物試験体の硬さを評価する。
評価方法:
調製した歯科用組成物をガラス製金型に充填した後、両面にカバーガラスを置きガラス練板で圧接した後、光重合照射器(デンタ−カラーXS:クルッツァー社製)を用いて片面:3分間光照射を行い、硬化させた。硬化後、金型から硬化物を取り出した後、再び同様に裏面も3分間光照射(両面で6分間)を行い、硬化させた。その硬化物をカーボランダムペーパー#2000を用いて仕上げ研磨し、それを試験体(25×2×2mm:直方体型)とした。その試験体を37℃、24時間水中に浸漬した後ロックウェル硬さ試験を行った。
硬さ試験は、スーパーフィシャル型ロックウェル硬度計(アカシ社製)を用い鋼球1/8インチ、荷重30Kgf、(249N)の条件下(30W)、荷重時間30秒にて行った。なお、試験は試験体数5個で行い、1個に付き2点づつ測定し、その平均値をもって評価した。
【0046】
参考例1
[シリル基含有ポリマー溶液1の調製]
攪拌器および冷却管を備えた反応器中にベンゼン100.0部を入れ、さらにγ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(以下γ-MPTSと略す)100.0部(0.4mol)、およびアゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略す)2.7部を加え、80℃で3時間攪拌して固形分濃度50%のシリル基含有ポリマー溶液1を調製した。このポリマーをゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下GPCと略す)分析の結果、ポリスチレン換算で数平均分子量11000であり、ポリマー1分子当り平均44個のシリル基を含有していることが推定された。
【0047】
参考例2
[シリル基含有ポリマー溶液2の調製]
攪拌器および冷却管を備えた反応器中にベンゼン140.0部を入れ、さらにメチルメタクリレート(以下MMAと略す)40部(0.4mol)、γ-MPTS100.0部(0.4mol)、およびAIBN4.0部を加え、80℃で5時間攪拌して固形分濃度50%のシリル基含有ポリマー溶液2を調製した。このポリマーをGPC分析の結果、ポリスチレン換算で数平均分子量12000であり、ポリマー1分子当り平均26個のシリル基を含有していることが推定された。
【0048】
参考例3
[ポリ(オルガノ)シロキサン縮合物溶液3の調製]
攪拌器および冷却管を備えた反応器中にテトラエトキシシラン(以下ESと略す)145.8部(0.7mol)、γ-MPTS 24.8部(0.1mol)、メチルトリエトキシシラン(以下MTESと略す)35.7部(0.2mol)、イオン交換水30.6部(1.7mol)および0.1N塩酸溶液0.3部を加え60℃で3時間攪拌して固形分濃度32%のポリ(オルガノ)シロキサン縮合物溶液3を調製した。このポリ(オルガノ)シロキサン縮合物をGPC分析の結果、ポリスチレン換算で数平均分子量3300であった。
【0049】
参考例4および5
[ポリ(オルガノ)シロキサン縮合物溶液4および5の調製]
参考例3と同様にして表1に示す混合組成でポリ(オルガノ)シロキサン縮合物溶液4および5を調製した。
【0050】
参考例6
[ポリ(オルガノ)シロキサン縮合物溶液6の調製]
攪拌器および冷却管を備えた反応器中にMTES 100.0部(0.48mol)、γ-MPTS 24.8部(0.1mol)、メタノール性シリカゾル(以下シリカゾルと略する:シリカ含有量30%)200.0部、イオン交換水25.0部(1.9mol)を加え、60℃で3時間攪拌して、ポリ(オルガノ)シロキサン縮合物溶液6を調製した。
【0051】
参考例7〜9
[ポリ(オルガノ)シロキサン縮合物溶液7〜9の調製]
参考例6と同様にして表1に示す混合組成でポリ(オルガノ)シロキサン縮合物溶液7〜9を調製した。
【0052】
実施例1
[ポリマーハイブリッド充填材1の製造]
攪拌器および冷却管を備えた反応器中に参考例3で調製したポリ(オルガノ)シロキサン縮合物溶液3 237.3部、エチルアルコール45.4部および参考例1で調製したシリル基含有ポリマー溶液1 22.9部を入れ、さらにトリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム(以下TEAALと略す:川研ファインケミカル社製)加え、20℃で30分間攪拌し、さらに50℃で2時間攪拌してグラフト反応を終了した。反応終了後、溶媒を除去し、ポリマーハイブリッド固化物を得た。そのポリマーハイブリッド固化物を105℃で3時間熱処理を行った後、ボールミルで粉砕し、325meshesのフルイにて篩ったものをポリマーハイブリッド充填材1とした。
【0053】
実施例2〜7
[ポリマーハイブリッド充填材2〜7の製造]
参考例1または2で調製したシリル基含有ポリマー溶液1または2および参考例4〜7で調製したポリ(オルガノ)シロキサン縮合物溶液4〜7を用いて、実施例1と同様に表2に示した混合組成にてポリマーハイブリッド充填材2〜7を製造した。
【0054】
実施例8
[歯科用組成物の調製]
下記に示した混合割合にてそれぞれの成分を混練した後、減圧下で脱泡を行い、歯科用組成物1〜7を調製した。これらの歯科用組成物1〜7を用いて曲げ試験、耐久性試験および硬さ試験を行い表3に結果を示した。
ジメタクリロイルオキシエチル-2,2,4-トリメチル 13部
ヘキサメチレン-1,6-ジカーバメ−ト
(以下UDMAと略す:新中村化学製)
トリエチレングリコールジメタクリレート 10部
(以下TEGDMAと略す:新中村化学製)
ペンタメタクリロイルオキシエトキシモノフルオロシクロトリ 10部
ホスファゼン(合成物)
カンファーキノン 0.3部
ジベンジル 1.5部
2−メタクリロイルオキシエチル-p-ジメチルアミノベンゾエート 1.4部
ポリマーハイブリッド充填材1〜7 67.0部
【0055】
比較例1
比較例1として有機複合フィラーを含有する市販可視光線重合型コンポジットレジン ヘリオモラーラジオペーク(ビバデント社:Lot22542;前臼歯用)を用いて同一の試験を行い、その結果を表3に示した。
【0056】
【表1】
Figure 0004580534
【0057】
【表2】
Figure 0004580534
【0058】
【表3】
Figure 0004580534
【0059】
【発明の効果】
歯科用組成物において、充填材として本発明のポリマーハイブリッド充填材を配合することにより、優れた研磨性、表面滑沢性および光沢性等の特性と共に優れた機械的強度、表面硬度および耐久性を付与することができる。

Claims (4)

  1. (a)一般式(II):
    Figure 0004580534
    (式中、ZはR 1 O-またはOCN-、Xはハロゲン、Yは-OH、R 1 は炭素数が8以下の有機基、R 2 はγ−メタクリロイルオキシプロピル基、ビニル基、アクロイル基、メタクリロイル基、γ−メタクリロキシプロピル基、およびアリル基よりなる群から選択される不飽和基を含む有機基、a、bおよびcは0〜3の整数、pは1〜3の整数であって、a+b+c+p=4である)
    で表されるオルガノシラン化合物および/またはオルガノシラン化合物の低縮合物を単独重合させた、あるいは他の重合性単量体の共存下で共重合させた、分子内に少なくとも1個以上のシリル基を含むオリゴマーおよび/またはポリマー、
    ここに該他の重合性単量体が、
    スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、プロピオン酸メチル、アクリロニトリル、ブタジエン、およびイソプレン、ならびに
    単官能性単量体としての、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド;
    芳香族系二官能性単量体としての、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン;
    脂肪族系二官能性単量体としての、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート;
    三官能性単量体としての、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;
    四官能性単量体としての、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート;
    ウレタン系重合性単量体としての、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートおよび3−クロロ−2−ハイドロキシプロピル(メタ)アクリレートから選択される水酸基を有する重合性単量体とメチルシクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルメチルベンゼン、および4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートから選択されるジイソシアネート化合物との付加物から誘導される二官能性または三官能性以上のウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート;
    カルボン酸基含有重合性単量体としての、(メタ)アクリル酸、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルピロメリット酸、6−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、N−(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸およびその無水物、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレエート、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、p−ビニル安息香酸;
    リン酸基含有単量体としての、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンフォスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンフォスフェート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンフォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンフォスフェート;
    スルホン酸基含有単量体としての、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシベンゼンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸;
    硫黄原子を含有する重合性単量体としての、トリアジンチオール基を有する(メタ)アクリレート、メルカプト基を有する(メタ)アクリレート、ポリスルフィド基を有する(メタ)アクリレート、チオリン酸基を有する(メタ)アクリレート、ジスルフィド環式基を有する(メタ)アクリレート、メルカプトジアチアゾール基を(メタ)アクリレート、チオウラシル基を有する(メタ)アクリレート、チイラン基を有する(メタ)アクリレート;
    よりなる群から選択され、
    (b)一般式(I):
    Figure 0004580534
    (式中、ZはR1O-またはOCN-、Xはハロゲン、Yは-OH、R1は炭素数が8以下の有機基、R2メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、ビニル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−アミノプロピル基、3−アミノプロピル基、およびフェニル基よりなる群から選択される有機基、a、bおよびcは0〜4の整数、pは0〜3の整数であって、a+b+c+p=4である)
    で表される(オルガノ)シラン化合物および/または(オルガノ)シラン化合物の低縮合物が、金属酸化物ゾルの存在下または不存在下で、加水分解または部分加水分解し、縮合されたポリ(オルガノ)シロキサン縮合物、および
    (c)金属キレート化合物
    を含むことを特徴とするポリマーハイブリッド充填材。
  2. (a)成分が0.01〜100.0重量部、(b)成分が0.01〜200重量部、および(c)成分が0.001〜30重量部の割合で含まれる請求項1記載のポリマーハイブリッド充填材。
  3. (1):一般式(II)で表されるオルガノシラン化合物および/またはオルガノシラン化合物の低縮合物を単独重合させた、あるいは他の重合性単量体の共存下で共重合させた、分子内に少なくとも1個以上のシリル基を含むオリゴマーおよび/またはポリマーを含む溶液を調製する工程、(2):一般式(I)で表される(オルガノ)シラン化合物および/または(オルガノ)シラン化合物の低縮合物を単独で、またはそれと金属酸化物ゾルとが共に加水分解または部分加水分解して(共)縮合されたポリ(オルガノ)シロキサン縮合物を含む溶液を調製する工程、および(3):(1)工程および(2)工程で調製した溶液を金属キレ−ト化合物存在下で反応させてポリマーハイブリッド充填材を生成させる工程を含む請求項1または2記載のポリマーハイブリッド充填材の製造方法。
  4. (a)請求項1または2に記載のポリマーハイブリッド充填材および請求項3に記載のポリマーハイブリッド充填材の製造方法により得られるポリマーハイブリッド充填材のうちの1つのポリマーハイブリッド充填材、(b)重合性単量体、および(c)重合開始剤、を含有してなる歯科用組成物。
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