JP4580162B2 - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

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Description

この発明は、プラズマディスプレイパネルの駆動方法に関し、詳しくは書込み放電から直ちに2つの維持電極間での維持放電に移行し得るプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
一般に、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPともいう)は、薄型で大画面表示が比較的容易にできること、視野角が広いこと、応答速度が速いなど、数多くの特徴を有している。これらの特徴を有していることから、近年、フラットディスプレイとして、壁掛けテレビや公共表示板などとして利用されている。
そして、PDPは、その駆動方式により、電極が放電空間(放電ガス)に露出して直流放電の状態で動作させる直流放電型(DC型)と、電極が誘電体層で被覆されて直接露出せず、交流放電の状態で動作させる交流放電型(AC型)とに分類される。DC型では電圧が印加されている期間中放電が発生し、AC型では電圧の極性を反転させることにより放電を持続させる。
以下においては、現在、一般に製品化されている、従来の3極AC型プラズマディスプレイパネルの構造及び駆動方法について説明する。図15は、従来のプラズマディスプレイパネルの一例についてのセル縦断面を示す。
図15に示すように、プラズマディスプレイパネル14は、第1の絶縁性基板18上に、走査電極Siと維持電極Sui(i=1、2、…、mのうちの1つ)との対(以下、電極対)20iが、横方向に平行に複数組配置される一方、上記第1の絶縁性基板18と対向する第2の絶縁性基板22上に上記電極対20iと直交する形式でデータ電極Dj(j=1、2、…、nのうちの1つ)が配置されて構成されている(図16も参照)。第1の絶縁性基板18も、また、第2の絶縁性基板22も、例えば、ガラス基板であり、以下、単に基板ともいう。
そして、図16に示すように、プラズマディスプレイパネル14の電極対20iとデータ電極Djとの交点の各々に、1つのセル(例えば、図16においてはセル34ij)が構成されている。
また、基板18上に配置される走査電極Siと維持電極Suiとの間には、維持放電ギャップ26が形成されている。
また、走査電極Si及び維持電極Suiの上には、それぞれ、電極抵抗を下げる目的で金属トレース電極T1、T2が積層されている。これらの各電極Si、Sui、T1、T2の上には、透明誘電体層27と、透明誘電体層27を放電から保護するMgOなどからなる保護層28が形成されている。
一方、第2の基板(背面基板)22のデータ電極Djの白色誘電体層29、蛍光体層30が設けられている。
そして、2枚の基板18、20の間には、各セルを囲うように井桁の隔壁32が形成されている。この隔壁32は、放電空間34ijを確保すると共に、画素を区切る役割を果たしている。放電空間34ij内には、He、Ne、Xe等の混合ガスが放電ガスとして封入されている。
次に、PDPの駆動方法について説明する。
現在、主流として用いられている駆動方法は、走査期間と維持期間とが分離されている走査維持分離型駆動方法(ADS方式)である。以下、この走査維持分離型駆動方法について説明する。
図17は、3電極AC型プラズマディスプレイパネルの1サブフィールド(以下、SFと省略する)の駆動波形の一例を示している。1サブフィールドは、初期化期間2、走査期間3及び維持期間4の3つの期間で構成されている。
先ず、初期化期間2について説明する。初期化期間2の前には、前サブフィールドの維持期間1が存在するが、その維持期間1で維持放電が行われているか否かで、当該セル内の各電極上の誘電体層(第1の基板18にあっては、保護層28を含めた透明誘電体層27をいい、第2の基板22にあっては蛍光体層30を含めた白色誘電体層29をいう)の上に、放電によって蓄積される電荷である壁電荷の形成量が異なる。
したがって、その壁電荷状態において次の書込みを行うと、その壁電荷量の影響を受けて書込み放電が生じ難くなったり、誤って書込みを行ってしまったりする。
初期化期間2の役割の1つは、このような前サブフィールドの維持期間1の点灯、すなわち、維持放電によって異なるセル内の誘電体層上に形成される電荷である壁電荷の状態を初期化状態にリセットすることにある。
図17では、初期化期間2中の維持消去期間8で主に初期化リセットが行われる。維持消去期間8では、前サブフィールドの維持期間1において維持放電が発生した場合のみ、走査電極Siと維持電極Suiとの間と、走査電極Siとデータ電極Djとの間とで弱放電が発生する。
弱放電は、矩形波が印加され、一気に強い放電が発生し、電極上の壁電荷の極性が一気に反転するような放電と異なり、維持消去期間2のように電圧値が除除に変化するランプ波形の電圧によって弱い放電が持続的に発生し、放電による電極上の壁電荷の変化も小さなものである。
この弱放電によって、前サブフィールドの維持期間1の最後において、図18の(a)ような壁電荷の配置であったのが、図18の(b)のような壁電荷の配置になる。
また、初期化期間2には、上述した役割のほか、表示データ(画像データ)に基づいて線順次でデータを書き込む際に放電を発生し易くするプライミング効果を生じさせると共に、壁電荷の状態を書込み放電に最適な状態にする役割もある。この役割を生じさせるのが、主に、プライミング期間9及びプライミング消去期間10である。
プライミング期間9では、前回のサブフィールド1の維持放電の発生如何に拘わらず弱放電が発生し、放電によってプライミング粒子をセル内に発生させることにより、書込み放電が発生し易い状態にしている。
また、プライミング期間9では、走査電極Siの電位がデータ電極Djの電位に対して正極性方向に除除に増加しており、走査電極Siには負壁電荷が、データ電極Djには正壁電荷がそれぞれ増加する。
プライミング粒子の発生及び上述のような壁電荷の増加は、書込み放電を発生し易い方向に働き、特に、そのセルにおいて非点灯表示が長く続いた場合には、これらプライミング粒子及び壁電荷が減少する傾向にあるので、それらを補う働きをしている。
一方、プライミング消去期間10では、プライミング期間9で図18の(c)に示すように形成された各電極上の壁電荷量を適正な駆動ができるように調整し、図18の(d)のような壁電荷の配置にしている。
プライミング消去期間10でも、従来の初期化期間2と同じように、走査電極Siと維持電極Suiとの間と、走査電極Siとデータ電極Djとの間とで弱放電が発生する。
プライミング期間10では、データ電極Djの電位が接地電位(大地電位)に固定され、走査電極Siの電位が到達する最終電位(最終到達電位)は、走査電極Siの電位とほぼ同じにしてある。
弱放電の最終状態においては、走査電極Si及びデータ電極Djに印加される電位それだけでは、これら両電極間に放電を発生させてしまわない程度まで、両電極上の壁電荷が放電によって変えられている。
したがって、プライミング消去期間10において、走査電極Si及びデータ電極Djの壁電荷量は、次の走査期間に入って走査パルス6が印加された際に、データパルス7が印加されなければ、放電が発生しない壁電荷量の状態になっている。
換言すれば、壁電荷の形成状態は、データ電極Djに正のパルス電圧が少しでも印加されれば放電が発生し得る状態にあるから、低いデータパルス電圧で書込み放電を発生させ得る状態にある。
しかし、実際には、放電は電圧が印加されてから放電が発生するまでに時間が掛かる。そのため、走査パルス6のような細いパルスの間に放電を発生させるためにはある程度のデータパルス電圧が必要となる。
上述したように、初期化期間2において、壁電荷の初期化リセットと書込み放電に対して最適なセル内の状態を作り出している。
次に、走査期間3の動作が開始される。この走査期間3は、走査電極Si毎に順次、映像信号に対応した書込み放電を対応セルに発生させ、その書込み放電の有無により対応セルの壁電荷の状態を変化させるようにして、映像信号をセルに書き込んで行く期間である。
すなわち、走査期間3内に、走査電極Siに順次、走査パルス6が印加される。走査電極Siへの走査パルス6の印加と共に、データ基板Djに映像信号に同期したデータパルス7が印加される。図17の(3)に示すデータパルス7の各々に斜線が入っているのは、映像信号によって、データパルスの有無を表している。
書込み放電の発生の有無は以下のようにして行われる。
データパルス7がセルに印加される場合には、走査電極Siとデータ電極Djの電位差はVdとなる。
このとき、上述したように、初期化期間2において、走査電極Si及びデータ電極Dj上には、それぞれ負壁電荷及び正壁電荷が形成されている。
したがって、これら両電極間の電位差に、上記負壁電荷及び正壁電荷による誘電体層に掛かる電圧である壁電圧が重畳され、走査電極Siとデータ電極Djとの間の放電空間に高い電圧が印加される。
これにより、走査電極Siとデータ電極Djとの間で書込み放電が発生する。
このとき、走査電極Siと維持電極Suiとの間にも、大きな電位差が印加されているから、書込み放電が走査電極Siとデータ電極Djとの間に発生すると、走査電極Siと維持電極Suiとの間で面放電が誘発する。
これによって、図18の(e)に示すように、走査電極Siに正壁電荷が、また、維持電極Ciに負壁電荷が蓄積される。
一方、データパルスが印加されないセルでは、走査電極Siとデータ電極Djとの間の放電空間に印加される電位差は、放電開始電圧を超えないから、当該セルでは放電は発生しない。また、壁電荷の状態は変化しない。
このように、データパルス7の有無により、2種類の壁電荷の状態を作り出すことができる。
走査パルス6が全走査電極S1乃至Smに印加し終わると、維持期間4に移る。
維持パルス16は、維持パルス16の期間毎に極性を変えて全走査電極S1乃至Smと維持電極Su1乃至Sumとに交互に印加される。
維持パルス16の電圧値Vsは、書込み放電が発生しないセルでは、走査電極Siと維持電極Ciとの間の放電ギャップ34近傍の壁電圧にほぼ等しいように調整されている。
したがって、走査電極Siと維持電極Suiとの間の放電空間には、これら2電極間の電位差であるVsしか印加されているに過ぎないので、走査電極Siと維持電極Suiとの間では放電(このような走査電極Siと維持電極Suiとの間で発生する放電を面放電という)は発生しない。
一方、書込み放電が発生したセル34il(l=1、2、…、nのうちの1つ)では、走査電極Si側には正壁電荷があり、維持電極Sui側には負壁電荷がある。
したがって、走査電極Siに印加される最初の正の維持パルス(第1維持パルスという)に上記正負の壁電荷による壁電圧が重畳されることになり、結果として、放電開始電圧以上の電圧が放電空間34ilに印加され、維持放電が放電開始電圧34ilに発生する。
この放電により、走査電極Si側に負壁電荷が蓄積され、維持電極Sui側に正壁電荷が蓄積される。
次の維持パルス(第2維持パルスという)は、維持電極Sui側に印加され、上述の壁電荷による壁電圧が重畳されることにより、維持放電がこの場合にも発生し、第1維持パルスとは逆極性の壁電荷が、走査電極Si側と維持電極Sui側に蓄積される。
これ以降も同様の原理で放電が持続的に発生する。つまり、x回目の維持放電により発生した壁電荷による電位差が、x+1回目の維持パルスに重畳され、維持放電が持続される。
この維持放電の持続回数により、発光輝度が決定される。
そして、1画面の画像情報を表示する期間である1フィールドは、上述したサブフィールドが複数で構成されており、各サブフィールド内に上記1画面の画像情報が挿入されている。
1サブフィールドには、上述したように、その維持期間内の維持パルス数を変え、各セルの点灯又は非点を制御することによって、階調表示を行うことができる。
上述したプラズマディスプレイパネルのほかに、1セル内の電極数が4電極のAC型プラズマディスプレイパネルも提案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2等に記載されている。
図19は、特許文献1のプラズマディスプレイパネルの1セルの縦断面を示し、図20は、特許文献2のプラズマディスプレイパネルの1セルの縦断面を示している。
これらいずれのプラズマディスプレイパネルも、走査電極Siと2つの維持電極Sui1、Sui2とが、一方の基板の同一平面上に配置されている。なお、走査電極Siは、特許文献1では第1の面放電電極と呼び、特許文献2では走査電極と呼んでいる。また、2つの維持電極Sui1、Sui2は、特許文献1では第2の面放電電極及び第3の面放電電極と呼び、特許文献2では共通電極A及び共通電極Bと呼んでいる。
特許文献1では、第1の面放電電極(走査電極)Siと第2の面放電電極(維持電極)Sui1との間の第1の面放電間隙36が、第1の面放電電極(走査電極)Siと第3の面放電電極(維持電極)Sui2との間の第2の面放電間隙38よりも狭くなっている。
図21は、特許文献1の駆動波形を示す。
初期化期間2では、矩形波102、104が印加されてセル内の壁電荷の状態が初期化される。
その後に、走査期間3に入り、第1の面放電電極(走査電極)Siに負極性の走査パルス6が順次印加されて行くとき、走査パルス6が印加されている第1の面放電電極(走査電極)Siにおいて、データ電極Djに順次データパルス7が印加されることにより、書込み放電が、第1の面放電電極(走査電極)Siとデータ電極Djとの間に発生する。
このとき、第1の面放電電極(走査電極)Siと第2の面放電電極(維持電極)Sui1との間の電位差も大きくなっているから、これら両データ電極間でも放電が誘発され、第1の面放電電極(走査電極)Sjには正壁電荷が形成され、第2の面放電電極(維持電極)Sui2には負壁電荷が形成される。
この場合の第1の面放電電極(走査電極)Siと第2の面放電電極(維持電極)Sui1との間の放電の誘発は、第1の面放電間隙36が第2の面放電間隙38よりも狭いから第2の面放電間隙で放電を誘発させるよりも低い電位差で生じさせることができる。
走査期間3が終了すると、遷移期間15になる。
先ず、遷移パルス106が第2の面放電電極Sui1に印加されると、第2の面放電電極Sui2と第1の面放電電極Siとの間で放電が発生する。
次に、遷移パルス108が第1の面放電電極(走査電極)Siに印加されると、再度、第2の面放電電極Sui1と第1の面放電電極Siとの間で逆極性の放電が発生する。
さらに、遷移パルス110が印加されると、今度は、第1の面放電電極(走査電極)Siと第3の面放電電極(維持電極)Sui2との間で放電が発生する。
その後は、維持期間4に入り、第2の面放電間隙38で維持放電が持続される。
維持期間4では、第2の面放電電極(維持電極)Sui1と第1の面放電期間(走査電極)Siとは同電位にされているから、これらの電極は1つの電極として機能している。
また、第2の面放電間隙38は第1の面放電間隙36よりも広く構成されているから、第1の面放電間隙36で放電させるよりも高効率で放電させることができる。
このように、特許文献1では、低い電圧で書込みができる第1の面放電間隙36で書込みの壁電荷を形成し、2回ほど第1の面放電間隙36で面放電をさせた後、高効率な面放電を発生させることのできる第2の面放電間隙38に放電を移行させて維持放電を生じさせるようにしている。
また、特許文献2には、共通電極(維持電極)Sui1と走査電極Siとの間の間隙40と、走査電極Siと共通電極(維持電極)Sui2との間の間隙42とは同一の幅に設定され、透明誘電体層27の膜厚を異ならしめる例が記載されている。
このように膜厚を異ならしめる理由は、次の通りである。
すなわち、間隙40での膜厚は、間隙42での膜厚よりも薄いから、間隙40での放電を低電圧で誘発させることができる。
一方、間隙42は膜厚が厚いので、放電電流を抑制することができ、高効率で発光させることができる。
図22は、特許文献2における駆動波形を示しているが、図22から読み取れるように、特許文献2のプラズマディスプレイパネルにおいても、特許文献1と同様、初期化期間2は矩形波で構成されている。
初期化期間2では、矩形波202、204、206が印加されてセル内の壁電荷の状態が初期化される。
その後に、走査期間3に入り、走査電極Siに負極性の走査パルス6が順次印加されて行くとき、走査パルス6が印加されている走査電極Siにおいて、データ電極Djに順次データパルス7が印加されることにより、書込み放電が、走査電極Siとデータ電極Djとの間に発生する。
この書込み放電によって、走査電極Siに正壁電荷が、また、維持電極Sui1に負壁電荷が形成される。
走査期間3が終了すると、遷移期間15になる。
この遷移期間15において、4回ほど面放電を走査電極Siと維持電極Sui1との間で繰り返される。
すなわち、最初に、遷移パルス208が維持電極Sui1に印加されると、維持電極Sui1と走査電極Siとの間で放電が発生する。
2番目に、遷移パルス210が走査電極Siに印加されると、今度は、維持電極Sui1と走査電極Siとの間で逆極性の放電が発生する。
3番目に、遷移パルス212が維持電極Sui1に印加されると、最初に遷移パルス208が維持電極Sui1に印加された場合と同様、維持電極Sui1と走査電極Siとの間で放電が発生する。
最後に、遷移パルス214が走査電極Siに印加されると、2番目に、遷移パルス210が走査電極Siに印加された場合と同様、維持電極Sui1と走査電極Siとの間で逆放電が発生する。
その後は、維持期間4に入り、走査電極Siと第2の維持電極Sui2との間で維持放電が繰り返される。
以上述べたように、いずれの特許文献も、走査期間内に、走査パルスを各走査電極に順次印加し、1つの走査電極に走査パルスが印加された状態で、データ電極にデータパルスが順次印加されて行くとき、当該1つの走査電極と順次データパルスが印加されるデータ電極との交点にあるセルにおいて、書込み放電が発生し、書込み放電による壁電荷の形成は、上記1つの走査電極とこれと対になる維持電極との間で行われている。
特許第2671870号 特許第3367095号
上述したように、プラズマディスプレイパネルのセルでの放電は、パルスの印加ですぐに発生するのではなく、パルスの印加からある程度の時間が経過してから発生する。
したがって、プラズマディスプレイパネルにおいて、そのセルに書込み放電を発生させるためには、放電が発生するまで走査パルスとデータパルスとを印加しておく必要がある。
さらに、上述した3電極AC型プラズマディスプレイパネルの駆動においては、走査パルスとデータパルスとを印加させて書込み放電を発生させただけでは点灯表示できず、走査電極と維持電極とに十分な壁電荷が形成されなければならない。
その壁電荷の形成には、放電発生後、電荷が移動し、壁電荷が誘電体層上に形成されるまでにある程度の時間が必要となる。
そのような物理的必要性がある場合に、走査パルスを書込み放電の発生直後に終了させてしまうと、その終了により走査電極と維持電極との間の電位差が小さくなり、維持期間に入ったとき維持放電に移行し得るのに十分な壁電荷が走査電極及び維持電極上に形成されず、点灯表示をすることができない。
そのため、書込み放電の発生後も、ある程度の時間の間、走査パルスを印加し続けなければならない。
また、上述した4電極AC型プラズマディスプレイパネルについても、同様のことが言える。これを特許文献1及び特許文献2の4電極AC型プラズマディスプレイパネルの場合を例に説明する。
書込み放電は、3電極AC型プラズマディスプレイパネルと同様、走査電極とデータ電極との間で発生する。
そして、書込み放電の発生後は、先ず放電開始電圧の低い走査電極と維持電極との間で放電を先ず発生させた後、2つの維持電極Sui1と維持電極Sui2との間での維持放電を発生させるようにしている。
したがって、書込み放電の発生によって走査電極と維持電極との間に十分な壁電荷を形成して置かなければならない。
3電極AC型プラズマディスプレイパネルと同様に、書込み放電の発生直後に走査パルスが終了し、走査電極と維持電極との間の電位差が小さくなってしまうと、両電極間に十分な壁電荷を形成することができない。
書込み放電後に発生する走査電極と維持電極との間の放電が発生しなければ、次の主たる維持放電である走査電極と維持電極との間の維持放電も発生させることはできない。
このように、従来のプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、3電極構造でも、また、4電極構造でも、走査パルスのパルス幅として、書込み放電が発生するまでの時間に、十分な壁電荷の形成を達成し得る時間を加えた時間が必要であった。
そして、4電極構造の場合には、その構成上、書込み放電から維持放電に移行する際に、維持放電への滑らかな移行を行わせるための放電を不可欠としている。
プラズマディスプレイパネルが高精細になり、走査ライン数が増加したりすると、従来と同じ走査パルス幅が必要になると、その分走査期間が増加する。
走査期間の増加は、維持期間の減少やサブフィールド数の減少を招くことになり、表示品質が劣化してしまうことになる。
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、走査パルス幅の短縮等を図って表示品質を向上させることのできるプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、第1の絶縁基板と第2の絶縁基板とを所定の間隔を隔てて対向させ、前記第1の絶縁基板の一方の面であって前記第2の絶縁基板と対向する側の面に走査電極、第1の維持電極及び第2の維持電極の順で互いに平行に配置される電極セットを複数配置すると共に、前記第2の絶縁基板の一方の面であって前記第1の絶縁基板と対向する側の面に前記電極セットの各々と直交するデータ電極を複数配置して前記電極セットと前記データ電極との交差点に表示セルを構成したプラズマディスプレイパネルにおいて、前記表示セルの前記走査電極と前記データ電極との間の書込み放電ギャップに映像信号の画素データに対応する書込み放電を発生させる走査期間と、この走査期間中に発生させた書込み放電に基づいて、前記第1の維持電極と前記第2の維持電極との間に維持放電を発生する維持期間とを有するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、前記走査期間において、前記走査電極に走査パルスを印加するとともに、前記データ電極にデータパルスを印加して走査電極とデータ電極との間に書込み放電を発生させ、かつ走査期間の間、前記第1の維持電極及び第2の維持電極のいずれか一方の維持電極の電位を他方の維持電極の電位よりも高く設定することにより、前記第1の維持電極及び前記第2の維持電極上に前記書込み放電によって互いに逆極性の壁電荷をそれぞれ形成させて第1の維持電極と第2の維持電極との間に壁電圧Vswを形成し、その後の前記維持期間において、前記第1の維持電極と前記第2の維持電極とに、前記壁電圧Vswに加算することにより面放電開始電圧を越える電圧の維持パルスを交互に印加するとともに、前記第1の維持電極または前記第2の維持電極に維持パルスを印加する際に前記走査電極に前記第1の維持電極に印加する維持パルスに同期して同じ電位のパルスを印加することにより、前記第1の維持電極と前記第2の維持電極との間で維持放電を発生させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法である。
第1の絶縁基板上に互いに平行に配置された走査電極、第1の維持電極及び第2の維持電極の電極セットの各々と直交した第2の絶縁基板上のデータ電極との交差点に表示セルを構成したプラズマディスプレイパネルにおいて、表示セルの走査電極と上記データ電極との間の書込み放電ギャップに映像信号の画素データ対応の書込み放電を走査期間中に順次発生させ、発生された書込み放電によって互いに逆極性の壁電荷をそれぞれ第1の維持電極及び第2の維持電極上に形成させ、維持期間に入って第1の維持電極と第2の維持電極とに交互に印加される最初の維持パルスから第1の維持電極と第2の維持電極との間で維持放電を発生させるようにしたので、走査パルスの短縮化を達成し得る。
この走査パルスの短縮化により、維持期間の伸長、高輝度化を達成し得るほか、サブフィールド数の増加が可能になり、階調数の増加、動画偽輪郭を改善できるから、画質を改善できる。
また、走査線数も増やすことができ、高精細なディスプレイを実現することができる。
また、電流のピーク値の低減が図れ、書込み電力の削減と共に、表示負荷の増大に伴う書込み時の電圧降下も抑えることができ、負荷によるデータ電圧の上昇を抑えることができる。
この発明は、第1の絶縁基板上に互いに平行に配置された走査電極、第1の維持電極及び第2の維持電極の電極セットの各々と直交した第2の絶縁基板上のデータ電極との交差点に表示セルを構成したプラズマディスプレイパネルにおいて、上記表示セルの上記走査電極と上記データ電極との間の書込み放電ギャップに映像信号の画素データ対応の書込み放電を走査期間中に順次発生させること、発生された書込み放電によって互いに逆極性の壁電荷をそれぞれ第1の維持電極及び第2の維持電極上に形成させること、維持期間に入って第1の維持電極と第2の維持電極とに交互に印加される最初の維持パルスから第1の維持電極と第2の維持電極との間で維持放電を発生させることによって構成される。
図1は、この発明の実施例1であるプラズマディスプレイの駆動装置の構成を示す図、図2は、同プラズマディスプレイパネル全体の平面図、図3は、同プラズマディスプレイパネルの1セルの縦断面図、図4は、駆動装置の駆動波形図、また、図5は、同プラズマディスプレイパネルの1セルの各電極上に形成される壁電荷及び壁電圧の模式的な配置図である。
この実施例のプラズマディスプレイの駆動装置50は、走査電極と第1の維持電極との間で生ぜしめられた書込み放電によって第1の維持電極と第2の維持電極との間に維持放電に必要な壁電荷を直接誘発させ、第1の維持電極と第2の維持電極との間で維持放電を持続させて点灯表示させる装置に係り、図1に示すように、初期化及び維持回路52をスイッチS1乃至スイッチS6を介してプラズマディスプレイパネル14の走査電極Si及び第1の維持電極Sui1に接続すると共に、維持回路54を第2の維持電極Sui2に接続して構成されている。
図2に示すように、プラズマディスプレイパネル14は、第1の絶縁性基板18(図3参照されたい。図2には示さず)上に、走査電極Siと第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2(1、2、…、mのうちの1つ)との対(以下、電極セット)20iが、横方向に平行に複数組配置される一方、上記第1の絶縁性基板と対向する第2の絶縁性基板22(図3参照されたい。図2には示さず)上に上記電極対20iと直交する形式でデータ電極Dj(j=1、2、…、nのうちの1つ)が配置されて構成されている。第1の絶縁性基板18も、また、第2の絶縁性基板22も、単に基板ともいう。
そして、プラズマディスプレイパネル14の電極対20iとデータ電極Djとの交点の各々に、1つのセル(例えば、図2においてはセル34ij)が構成されている。
その1つのセルの縦断面構造は、図3の(a)に示されているように、図3の(a)上で見て上部にある第1の絶縁性基板18上に配置される電極が異なる以外の基本的構造は、図15において説明したセルの縦断面構造と同一である。
すなわち、第1の絶縁性基板18上に配置される走査電極Si、第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2が、図3の(a)上では、この順に、左から右へ配置され、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間に、維持放電ギャップ35が形成されている。
走査電極Siの維持放電ギャップ35から見て遠い側の端から、第1の維持電極Sui1の維持放電ギャップ35側の端までの距離と、第2の維持電極Sui2の維持放電ギャップ35側の端から第2の維持電極Sui2の維持放電ギャップ35から見て遠い側の端までの距離とは等距離にしてある。
また、走査電極Si、第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2上には、電極抵抗を下げる目的で金属トレース電極T1、T2、T3が設けられている(図3の(a))。
また、図3の(b)では、第2の維持電極Sui2上には、2本の金属トレース電極T31、T32が設けられている。走査電極Si上の金属トレース電極T1及び第1の維持電極Sui1上の金属トレース電極T2と、第2の維持電極Sui2上の金属トレース電極T31及び金属トレース電極T32とを維持放電ギャップ35を中心に対称に配置するとさらによい。
このような配置にする理由は、次の通りである。
書込み放電は、維持放電のように、同一基板の平面上にある電極上で放電する場合と異なって、電極間で対称に広がらない傾向がある。
そこで、上述のように、金属トレース電極T1、T2と、金属トレース電極T31、T32とを維持放電ギャップ35を中心に対称に配置すれば、維持期間4において走査電極Siと第1の維持電極Sui1とを同電位にしてこれら2つの電極が1つの電極として機能するようにした場合に、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間で交互に極性を反転して発生されるいずれの維持放電の極性でも、遮光される領域が同じになるから、維持放電において同一の発光強度が得られる。
初期化及び維持回路52は、従来のプラズマディスプレイパネルの走査電極Si(図15及び図16)に接続され、初期化期間2及び維持期間4に走査電極Siに駆動信号を印加する回路と基本的に同じである。
初期化及び維持回路52は、初期化期間2中、スイッチS1及びスイッチS2並びに全てのスイッチS5iを経て駆動信号(図4の(2)及び(3−i)に示される初期化期間2の駆動波形の電圧)を走査電極Si及び第1の維持電極Sui1に供給する。
維持回路54は、従来のプラズマディスプレイパネルの維持電極Sui(図15及び図16)に接続され、初期化期間2及び維持期間4に維持電極Suiに駆動信号を印加する回路と基本的に同じである。
維持回路54は、初期化期間中、駆動信号(図4の(1)に示される初期化期間2の駆動波形の電圧)を第2の維持電極Sui2に供給する。
また、初期化及び維持回路52は、走査期間3中、スイッチS3及び全てのスイッチS5iを経て駆動信号(図4の(3−i)に示される走査期間3の駆動波形の電圧)を第1の維持電極Sui1に供給すると共に、スイッチS4を経て駆動信号(図4の(3−i)に示される走査期間3の駆動波形の電圧)を走査電極Siに供給し、維持回路54は、駆動信号(図4の(1)に示される走査期間3の駆動波形の電圧)を第2の維持電極Sui2に供給する。
また、初期化及び維持回路52は、維持期間4中、スイッチS1及びスイッチS2並びに全てのスイッチS5iを経て駆動信号(図4の(2)及び(3−i)に示される維持期間4の駆動波形の電圧)を走査電極Si及び第1の維持電極Sui1に供給し、維持回路54は、駆動信号(図4の(1)に示される維持期間4の駆動波形の電圧)を第2の維持電極Sui2に供給する。
スイッチ制御回路56は、初期化期間2及び維持期間4の間、スイッチS1及びスイッチS2並びに全てのスイッチS5iをオン(接続)にし、スイッチS3及びスイッチS4並びにスイッチS6iをオフ(非接続)にする。
また、スイッチ制御回路56は、走査期間3の間、スイッチS1及びスイッチS2をオフ(非接続)にし、スイッチS3及びスイッチS4をオン(接続)にして置くと共に、走査期間3内の非走査パルス印加期間の間、全てのスイッチS5iをオン(接続)にし、かつ、全てのスイッチS6iをオフ(非接続)にするが、走査期間3内の走査パルス印加期間の間、スイッチS5をオフ(非接続)にし、かつ、スイッチS6をオン(接続)にする。
スイッチS3の一方の端子は、電圧源58に接続される一方、他方の端子は、第1の維持電極Sui1に接続されている。電圧源58の電圧はVswである。
スイッチS4の一方の端子は、電圧源60に接続される一方、他方の端子は、スイッチS1と全てのスイッチS5iとの接続点に接続されている。電圧源60の電圧はVbwである。
全てのスイッチS6iの一方の端子は、電圧源62に接続される一方、他方の端子は、走査電極Siに接続されている。電圧源62の電圧は−Vwである。
初期化期間2は、維持消去期間8、プライミング期間9及びプライミング消去期間10から成る。
初期化及び維持回路52から維持消去期間8中に出力されるランプ波形の正電圧の波高値はVsであり、プライミング期間9中に出力されるランプ波形の正電圧の波高値はVsより所定の値だけ高い電圧であり、維持消去期間8及びプライミング消去期間10中に出力されるランプ波形の負電圧の波高値は−Vwである。
維持回路54から維持消去期間8及びプライミング消去期間10中に出力される矩形波の電圧値はVaである。
また、維持期間4中に、初期化及び維持回路52及び維持回路54から出力される維持パルスの電圧値はVsである。
また、データ電極Djに接続され、これを駆動する回路は、従来と同様の回路である。データ電極Djに印加されるデータパルスの電圧値はVdである。
次に、図1乃至図5を参照して、この実施例の動作について説明する。
走査電極Siには、走査電極波形の電圧Scani(図4の(3−i))が印加され、第1の維持電極Sui1には、第1の維持電極波形の電圧Susi1(図4の(2))が印加され、第2の維持電極Sui1には、第2の維持電極波形の電圧Susi2(図4の(1))が印加される。
また、データ電極Djには、データ電極波形Dj(図4の(4))が印加される。
初期化期間2においては、スイッチ制御回路56によって、スイッチS1及びスイッチS2並びに全てのスイッチS5iをオン(接続)にし、スイッチS3及びスイッチS4並びに全てのスイッチS6iをオフ(非接続)にする。
これらスイッチのオン/オフによって、第1の維持電極Sui1と走査電極Siとは同電位にされる。
したがって、放電状態及び壁電荷の形成状態は、第1の維持電極Sui1と走査電極波形Siとを接続した電極構造の場合とほぼ同等となり、図15に示す従来のセルの場合とほぼ等しい。
初期化期間2の放電は、ランプ波形の電圧が第1の維持電極Sui1及び走査電極Siに印加されることにより、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間で弱放電が発生する。
前サブフィールドの維持期間1で維持放電が発生した場合、維持期間1の最終時刻における第2の維持電極Sui2並びに第1の維持電極Sui1の電位は、第2の維持電極Sui2では低電位(GND)(接地電位、以下大地電位という)となっており、第1の維持電極Sui1及び走査電極Siでは高電位となっているから、第2の維持電極Sui2には正壁電荷が、また、第1の維持電極Sui1及び走査電極Siには負壁電荷が形成される。
上述の各電極に形成される壁電荷の配置状態を図5の(a)に示す。
図5が、各電極に形成される壁電荷及び壁電圧を模式的に示していることは、上述した通りであるが、図5において、各電極上に形成される壁電荷が正壁電荷である場合には、電極の上側に灰色で示し、壁電圧が負壁電荷である場合には、電極の下側に白色で示してある。
そして、それぞれの高さは、壁電圧により誘電体層に掛かる電圧である壁電圧を表している。
初期化期間2内の維持消去期間8では、第1の維持電極Sui1及び走査電極Siの電位が除除に減少し、維持放電ギャップ2で弱放電が発生し、維持放電ギャップ35近傍の壁電圧が変化する。具体的には、図5の(b)に示すように、第1の維持電極Sui1の負壁電荷と走査電極Siの正壁電荷が減少する。
この維持消去期間8は、前サブフィールドの維持期間1で維持放電が発生した場合にのみ弱放電が発生する。この弱放電より、前サブフィールドで維持放電が発生しなかった場合とほぼ同等の壁電圧の状態になる。
次に、プライミング期間9では、維持消去期間8とは逆極性のランプ波形が第1の維持電極Sui1と走査電極Siとに印加され、維持消去期間8とは逆極性の弱放電(プライミング放電)が維持放電ギャップ35に発生する。
これにより、図5の(c)に示すように、維持消去期間8で減少した壁電荷が逆に増加する。
今説明したプライミング放電は、前サブフィールドの維持期間1で維持放電が発生したか否かを問わず発生する。
また、プライミング期間9のランプ波形の電圧は高いので、データ電極Djと走査電極Si及び第1の維持電極Sui1との間でも、弱放電が発生する。
最後に、プライミング消去期間10となるが、この期間での駆動波形は、維持消去期間8と同じである。維持消去期間8と同極性の弱放電が維持放電ギャップ35で発生し、これにより、第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2の維持放電ギャップ35近傍における壁電荷、すなわち、第1の維持電極Sui1の負壁電荷及び第2の維持電極Sui2の正壁電荷が、それぞれ減少する。
このプライミング消去期間10の最終時刻での第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2の電位差は、維持放電ギャップ35の面放電開始電圧にほぼ等しい電圧にしてある。面放電開始電圧は、電極に壁電荷が殆どない状態において、矩形波の電圧を印加したとき強い放電が発生する最小の電圧である。
弱放電の場合は、2つの電極間の放電空間に掛かる電圧が面放電開始電圧を超えると、放電が開始するが、放電により壁電荷が生ずるため、放電空間に掛かる電圧は直ぐに減少し、その電圧は放電開始電圧より低くなってしまい、放電は終了する。
しかしながら、印加される電圧波形は、ランプ波形とされているから、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間の電位差は時間と共に増大して行くので、放電空間に掛かる電圧も上昇し、再度、放電開始電圧を超えることになる。
弱放電は、このようなことを繰り返し、放電空間に面放電開始電圧分の電圧が掛かるようにして弱放電が継続されて行く。
この弱放電が繰り返される場合、その弱放電が生ずる放電空間に印加される電圧は、絶えず、面放電開始電圧だけの電圧の上下で推移するので、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間の電位差が面放電開始電圧に等しくなったとき、これら2つの電極上の壁電荷も等しくなる。
このように、プライミング消去期間10での第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間の最終到達電位差を面放電開始電圧になったとき、第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2の維持放電ギャップ35近傍の壁電荷をほぼ等しくなるが、これを図解したのが図4の(d)である。
また、プライミング消去期間10では、上述した維持放電ギャップ35での面放電の他に、走査電極Si及び第1の維持電極Sui1とデータ電極Djとの間でも弱放電が発生する。この弱放電は、維持放電ギャップ35近傍で生ずるが、第1の維持電極Sui1を陰極とし、第2の維持電極Sui2及びデータ電極Djを陽極とする弱放電である。
したがって、同じ陽極となる第2の維持電極Sui2及びデータ電極Djは、壁電圧の形成によりこれら両電極Sui2及びデータ電極Djの誘電体層上の電位はほぼ等しくなる。
この実施例では、プライミング消去期間10での第2の維持電極Sui2の電位はVaであり、データ電極Djの電位は大地電位である。
これらの電位状態の初期化期間2から走査期間3に入ると、第2の維持電極Sui2の電位はVaから大地電位に引き下げられ、データ電極Djはデータパルスの印加で大地電位からVdに引き上げられる。
プライミング消去期間10ではこれら両電極Sui2、Djの誘電体層上の電位は等しい状態にあるので、その電位は、走査期間3に入ると、Va+Vdだけ変動することになる。
このような変動があったとしても、第2の維持電極Sui2とデータ電極Djとの間で誤放電を発生させないためには、Va+Vdが第2の維持電極Sui2とデータ電極Djとの間の対向放電開始電圧よりも小さくなっていなければならない。ここにいう対向放電開始電圧とは、2つの対向する電極上に壁電荷が殆どない状態において、強い放電が発生する最小の電圧である。
上述の初期化期間2が終了すると、走査期間3に入る。スイッチ制御回路56によって、スイッチS1、S2がオフ(非接続)にされ、スイッチS3、S4がオン(接続)にされる。また、非走査パルス印加期間の間、全てのスイッチS5iは、オン(接続)にされ、全てのスイッチS6iはオフ(非接続)にされる。
これらのスイッチのオフ/オンにより、第1の維持電極Sui1の電位はVswとなり、走査電極Siの電位はVbwになる。
走査期間3では、各走査電極Siに、順次、走査パルス6が印加される。その走査パルスの電位は、プライミング消去期間10の走査電極Siの最終到達電位とほぼ等しい電位である。
上記走査パルスの印加時に、スイッチ制御回路56によって、その走査パルスを印加しようとする走査電極Siに接続されているスイッチS5iがオフ(非接続)にされ、スイッチS6iがオン(接続)にされる。
その走査パルスが印加されたときの走査電極Siの電位は−Vwである。
走査パルス6が走査電極Siに印加された状態で、各データ電極Djに順次データパルスが印加されると、データパルス対応のセル34ijの走査電極Siとデータ電極Djとの間に書込み放電が生ずるが、この書込み放電は、従来の駆動方法と同様である。
このような各書込み放電が行われる走査期間の間、第1の維持電極Sui1の電位は正電位(Vsw)に保持され、第2の維持電極Sui2の電位は大地電位に保持されている。
書込み放電のような強い放電が発生すると、セルの放電空間には、多くの空間電荷が発生する。
その発生した空間電荷は、セル全体に拡がり、大きな電位差が印加されている第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間にも放電を誘発させるような態様で、空間電荷の移動が生じ、これら両電極上に壁電荷が形成される。
或る走査電極での書込み放電が時系列上で最後のセルで終了すると共に、走査パルス6の印加が終了すると、当該走査電極の電位は上昇させられるから、走査電極と第1の維持電極Sui1との間の電位差は小さくなる。
結果として、走査電極Si及び第1の維持電極Sui1に生じつつある壁電荷の形成は、その時刻で殆ど止まってしまう。
しかし、第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2の電位は走査パルス6の終了後もこれら両電極間の電位差がVswに維持されているから、壁電圧の形成は継続され、走査期間3の終了時における両電極の壁電圧の状態は、図5の(e)に示すように互いに逆極性の壁電荷による壁電圧の状態となる
また、走査期間3の終了時刻における維持放電ギャップ35近傍の両壁電荷による壁電圧の合計は、両電極間の電位差Vswにほぼ等しくなる。
上述したように、この実施例では、書込み放電を発生させるだけの走査パルス幅があれば、維持放電に移行するのに必要な壁電圧の形成が、走査パルス6の終了後にも継続して行われる。
書込み放電に関しては、書込み時に流れる電荷量を従来の駆動方法よりも低く抑えることができる。
従来の駆動方法における書込み放電では、図18の(d)及び(e)に示すように、維持放電の壁電圧を大きく変化させる必要があった。
これに対して、この実施例の駆動方法によれば、図5の(d)及び(e)からも分かるように、第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2の書込み前と書込み後の壁電荷は、主に維持放電ギャップ35近傍だけである。
実際に、書込み時の全電極に流れる電荷量を測定して見ると、従来の1/3以下に低減されていることが分かった。
また、電流のピーク値も半減しており、書込み電力の削減と共に、表示負荷の増大に伴う書込み時の電圧降下も抑えることができ、負荷によるデータ電圧の上昇を抑えることができた。
最後に、維持期間4に入ると、その開始時刻に、スイッチ制御回路56によって、全てのスイッチS6i及びスイッチS3、S4がオフ(非接続)にされ、スイッチS1、S2及び全てのスイッチS5iがオン(接続)にされる。
これらスイッチのオフ/オンにより、全ての走査電極Si及び第1の維持電極Sui1に初期化及び維持回路52が接続され、第2の維持電極Sui2に維持回路54が接続され、維持パルス16が両維持電極に交互に印加される。
その第1維持パルスにおいて、第2の維持電極Sui2が高電位(Vs)になり、第1の維持電極Sui1及び走査電極Siが低電位(大地電位)になる。
この時刻には、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間にはVswほどの壁電圧が形成されている。
この状態において、上述のように、Vsなる電圧振幅の第1維持パルスが第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間に印加されると、両電極間の空間に印加される電位差はVsw+Vsとなる。このVsw+Vsは、この実施例では面放電開始電圧よりも高く設定されている。
したがって、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間で維持放電が発生する。
その後は、従来の維持期間4の駆動と同様で、印加される維持パルス16の極性が反転される毎に、維持放電が発生し、点灯表示を行うことができる。
また、上述したように、プライミング消去期間10の最終時刻には、第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2の維持放電ギャップ35近傍の壁電荷をほぼ等しくなっている(図4の(d))から、走査期間3で書込み放電が発生しなかったセルでは、維持期間4に入って維持パルス16が印加されても、維持放電が発生しない。
このように、この実施例の構成によれば、書込み放電によって壁電荷を第1の維持電極及び第2の維持電極に直接形成させることができるので、走査期間終了後直ちに維持放電に移行することができる。
書込み放電が行われる走査期間中に、第1の維持電極及び第2の維持電極に壁電荷を形成できるので、従来、書込みに走査パルス幅として1.6μ秒程度必要であったのが、0.8μ秒程度までパルス幅を狭めることができた。
この走査パルス幅の短縮化により、走査期間3を従来の約半分にすることができ、その分、維持期間を長くすることができる。したがって、高輝度化を達成し得る。
また、サブフィールド数を増やすことも可能である。したがって、階調数を増やしたり、動画偽輪郭を改善できるから、画質を改善できる。
また、走査線数も増やすことができ、高精細なディスプレイを実現することができる。
また、第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2の書込み前と書込み後で壁電荷が変化するのは、主に維持放電ギャップ35近傍だけであるので、書込み時に流れる電荷量を従来の駆動方法よりも従来の1/3以下に低く抑えることができる。
また、電流のピーク値も半減しており、書込み電力の削減と共に、表示負荷の増大に伴う書込み時の電圧降下も抑えることができ、負荷によるデータ電圧の上昇を抑えることができた。
図6は、この発明の実施例2であるプラズマディスプレイの駆動装置の構成を示す図、図7は、同プラズマディスプレイの駆動装置の駆動波形図、また、図8は、同プラズマディスプレイの1セルの各電極上の壁電荷及び壁電圧の配置を示す図である。
この実施例の構成が、実施例1のそれと大きく異なるところは、走査期間の第1の維持電極Sui1の電位を大地電位にし、第2の維持電極Sui2の電位を正電位にして動作させるようにした点である。
すなわち、この実施例の駆動装置50Aは、図6に示すように、スイッチS3に接続される電位が大地電位となることを除いて、図1と同じである。
この構成以外のこの実施例の構成は、実施例1と同じであるので、同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その逐一の説明は省略する。
次に、図6乃至図8を参照して、この実施例の動作について説明する。
この実施例における初期化期間2での基本的な動作は、実施例1と同じであり、各スイッチのスイッチングも同様である。
したがって、初期化期間2の終了までの壁電荷の配置は、図8の(a)乃至(d)に示すように、実施例1とほぼ同じである。但し、プライミング消去期間10における第1の維持電極Sui1の最終到達電位を−Vwとすると、Vwはデータパルス電圧Vdより大きくする必要がある。その理由は次の通りである。
プライミング消去期間10では、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間で弱放電が発生するが、その他に、プライミング期間9での放電(プライミング放電)で走査電極Si及び第1の維持電極Sui1とデータ電極Djとの間に形成された壁電荷を減少させる弱放電が対向電極間で発生する。
この対向電極間で弱放電が発生する状態においても、第1の維持電極Sui1とデータ電極Djとの間の放電空間には、対向放電開始電圧が常に印加されている状態にある。
この状態から走査期間3に入ると、映像信号対応のデータパルス7がデータ電極Djに印加されると、上記状態から、データ電極Djの電位がVdだけ引き上げられることになる。
上述のように、プライミング消去期間10の最終時刻には、第1の維持電極Sui1とデータ電極Djとの間の放電空間には対向放電開始電圧が印加されているから、走査期間3に入ってデータ電極Djの電位がVdだけ引き上げられたときに対向電極間で誤放電を発生させて仕舞わないようにするためには、第1の維持電極Sui1の電位をプライミング消去期間10の最終到達電位よりもVdだけ引き上げて置く必要がある。
この実施例では、走査期間3での第1の維持電極Sui1の電位は、プライミング消去期間10での最終到達電位からVwだけ引き上げられているため、VwはVd以上にしなければならないことになる。
初期化期間2が終了して走査期間3に入ると、スイッチ制御回路56によって、スイッチS1、S2がオフ(非接続)にされ、スイッチS3、S4がオン(接続)にされる。
これらスイッチのオフ/オンにより、実施例1とは逆に、第1の維持電極Sui1は大地電位とされ、第2の維持電極Sui2は正電位とされる。
走査期間3では、各走査電極Siに、順次、走査パルス6が印加される。その走査パルスの電位は、プライミング消去期間10の走査電極Siの最終到達電位とほぼ等しい電位となっている。
上記走査パルスの印加は、その走査パルスを印加しようとする走査電極Siに接続されているスイッチS5iをオフ(非接続)にし、スイッチS6iをオン(接続)にすることによって、生ぜしめられる。走査パルスが印加されたときの走査電極Siの電位は−Vwである。
書込み放電は、走査電極Siとデータ電極Djとの間で発生し、書込み放電によって発生した空間電荷は、当該セルの放電空間全体に拡がって維持放電ギャップ35間の放電を誘発することは、実施例1と同じである。
したがって、走査パルス6が終了しても、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2上に継続して壁電荷が形成されて行く。
それ故、走査パルス6は書込み放電を発生させ得るだけのパルス幅があれば、パルス終了後も、第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2上に壁電荷を形成させることができる。
このときに形成される壁電荷は、実施例1とは逆である。すなわち、図8の(e)に示すように、第1の維持電極Sui1には正壁電荷が、第2の維持電極Sui2には負壁電荷が形成される。
このような壁電荷の形成において、第1の維持電極Sui1が、負極性の走査パルスが印加される走査電極Siに隣接している実施例1では、走査期間3の間、第1の維持電極Sui1の電圧Vswを走査電極Siと第1の維持電極Sui1との間で誤放電を発生させない程度まで低く抑える必要があった。
しかし、この実施例2においては、走査電極Siとは隣接しない第2の維持電極Sui2を第1の維持電極Sui1よりも高電位に設定しても、誤放電は発生しない。
この理由により、実施例1よりも走査期間3の維持放電ギャップ35に掛かる電位差を大きくすることができる。この実施例2では、第2の維持電極Sui2の電位をVsに設定した。
このような設定を行うことができるから、走査期間3の終了時に第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との壁電荷を合計してこれら両電極間の電位差に等しいVsほどの壁電荷が、書込み放電が発生したセルの第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2上に形成される。
より多くの壁電荷を形成し、高い壁電圧を電極上に形成できれば、維持放電に移行し易くなり、維持パルス16のパルス電圧等の駆動マージンを大きくすることができる。
最後に、維持期間4に入ると、スイッチ制御回路56によって、全てのスイッチS6i及びスイッチS3、S4がオフ(非接続)にされ、スイッチS1、S2及び全てのスイッチS5iがオン(接続)にされる。
これらのスイッチのオフ/オンにより、全ての走査電極Si及び第1の維持電極Sui1に初期化及び維持回路52が接続され、第2の維持電極Sui2に維持回路54が接続され、維持パルス16が両電極間に印加される。
この実施例2では、実施例1とは逆極性の壁電荷が第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2とに形成されているので、維持期間4に第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2に印加されるべき第1の維持パルスの電位としては、実施例1とは逆となる。すなわち、第1の維持電極Sui1が高電位(Vs)になり、第2の維持電極Sui2が低電位(大地電位)になる。
上述したように、書込みが行われたセルにおいては、走査期間3の終了時に第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間にVsほどの壁電圧が形成されているから、Vsなる第1維持パルスが第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間に印加されると、両電極間の空間には2Vsの電位差が印加されることになる。実施例2では、2Vが面放電開始電圧よりも高く設定してある。
したがって、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間で維持放電が発生する。
その後は、従来や実施例1と同じで、維持パルス16が印加されて維持電極の極性が反転する度に、維持放電が発生し、点灯表示を行うことができる。
以上説明したように、この実施例によっても、書込み放電によって維持放電に必要な壁電荷を第1の維持電極及び第2の維持電極に直接形成させ、これら両電極間で維持放電を発生させることができる。
第1の維持電極及び第2の維持電極への壁電荷の形成に際して、書込み放電を発生させるだけの走査パルス幅があれば足りるので、実施例1と同程度の走査パルス幅の短縮化を享受できる。
また、走査パルス幅の短縮化による効果は、実施例1と同程度である。
また、走査電極に隣接しない第2の維持電極を第1の維持電極よりも高電位に設定し得るから、第1の維持電極及び第2の維持電極により多くの壁電荷を形成し得て、維持放電への移行が容易になる上、維持パルスのパルス電圧等の駆動マージンを拡大することができる。
図9は、この発明の実施例3であるプラズマディスプレイの駆動装置の構成を示す図、図10は、同プラズマディスプレイの駆動装置の駆動波形図、また、図11は、同プラズマディスプレイの1セルの各電極上の壁電荷及び壁電圧の配置を示す図である。
この実施例の構成が、実施例1のそれと大きく異なるところは、前回のサブフィールドの維持期間と今回のサブフィールドの初期化期間との間に、壁電荷を調整する壁電荷調整期間を設けた点である。
すなわち、この実施例3のプラズマディスプレイパネルの駆動装置50Bは、実施例1のスイッチS1及びスイッチS2に各別の初期化及び維持回路52B1、52B2が接続されているほかは、実施例1と同じである。
初期化及び維持回路52B1は、基本的には、実施例1及び実施例2の初期化及び維持回路52と同様である。
また、初期化及び維持回路52B2は、実施例1及び実施例2の維持回路54と同様である。
また、壁電圧調整期間11は、第1の壁電圧調整期間12と第2の壁電圧調整期間13とから成る。第1の壁電圧調整期間12及び第2の壁電圧調整期間13は、それぞれ1つの矩形波の電圧パルスで構成されている。
そして、前回のサブフィールドの維持期間の最終維持パルスは、第1の維持電極Sui1では低電位の大地電位で、第2の維持電極Sui2では高電位のVsである。
この構成以外のこの実施例の構成は、実施例1と同じであるので、同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その逐一の説明は省略する。
次に、図9乃至図11を参照して、この実施例の動作について説明する。
説明の都合上、駆動装置50Bは動作状態にあり、前回のサブフィールド5の維持期間1から今回のサブフィールドの壁電荷調整期間11に入り、そして初期化期間2に進むものとする。
これらの期間1、11、2においては、スイッチ制御回路56によって、スイッチS1及びスイッチS2並びに全てのスイッチS5iはオン(接続)にされ、それ以外のスイッチはオフ(非接続)にされる。
したがって、維持期間1の間、走査電極Si及び第1の維持電極Sui1の電位は等しくされ、維持パルスが第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2とに交互に印加されることは、実施例1と同様である。
しかし、維持期間1の最終維持パルスの極性は、実施例1とは逆極性、すなわち、第1の維持電極Sui1が低電位の大地電位にあり、第2の維持電極Sui2は高電位のVsにある。
したがって、この時点での壁電荷の配置は、図5の(a)とは逆で、図11の(a)に示すように、第1の維持電極Sui1及び走査電極Siには正壁電荷が、そして第2の維持電極Sui2には負壁電荷が蓄積されている。
次に、壁電荷蓄積期間11の第1の壁電荷蓄積期間12に入ると、第1の維持電極Sui1の電位はVsとなり、第2の維持電極Sui2の電位は大地電位となる。
この電位の切り換えにより、通常の維持放電と同様に、維持放電ギャップ35で放電が発生する。
この放電により、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2の壁電荷の極性は反転し、第1の維持電極Sui1には負壁電荷が、また、第2の維持電極Sui2には正壁電荷が形成される。一方、走査電極Siの電位は大地電位のまま変化しないので、走査電極Si上の壁電荷は正壁電荷のままにある。
したがって、各電極上の壁電荷の配置は、図11の(b)のようになる。
そして、第2の壁電荷蓄積期間13に入る。この期間では、走査電極Siと第1の維持電極Sui1との電位が入れ替わって走査電極Siが高電位のVsとなり、第2の維持電極Sui2が低電位の大地電位となる。
したがって、これら両電極間で放電が発生する。この放電により、走査電極Si上に負壁電荷が、また、第1の維持電極Sui1上に正壁電荷が形成される。
一方、第2の維持電極Sui2は大地電位のままにあるから、その上の壁電荷は正壁電荷のままとなる。
上述して来た壁電荷調整期間11は、前回のサブフィールドで維持放電が生ぜしめられた場合の壁電荷を調整する期間であり、したがって、前回のサブフィールドで維持放電が発生しなかった場合には、上述の放電は発生しない。
次に、壁電荷調整期間11での壁電荷の調整が終了して初期化期間2に入る。
初期化期間2では、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との電位を常に同じ電位に設定している。
一方、走査電極Siには、電位が除除に減少するランプ波形の電圧が、維持消去期間8の間印加される。
このランプ波形の電圧が印加されることにより、走査電極Siと第1の維持電極Sui1との電位が除除に広がり、これら両電極間に弱放電が発生する。この弱放電により、図11の(d)に示すように、走査電極Si上の第1の維持電極Sui1寄りの負壁電荷が減少すると共に、第1の維持電極Sui1上の走査電極Si寄りの正壁電荷も減少する。
このようにして、維持消去期間8の終了時刻における壁電荷の配置は、実施例1と同様、前回のサブフィールドで維持放電が発生しなかった場合とほぼ同様になる。
次に、プライミング期間9に入る。このプライミング期間9では、維持消去期間8とは逆極性のランプ波形の電圧が走査電極Siに印加されるので、維持消去期間8とは逆極性の弱放電(プライミング放電)が走査電極Siと第1の維持電極Sui1との間で発生する。この弱放電により、図11の(e)に示すように、維持消去期間8で減少した壁電荷が逆に増加する。
プライミング期間9でのプライミング放電は、前回のサブフィールドの維持期間1で維持放電が発生したか否かに拘わらず、発生する。
また、プライミング期間9のランプ波形の電圧は高いため、データ電極Djと走査電極Siとの間でも弱放電が発生する。
プライミング期間9に続いて、プライミング消去期間10に入る。この期間での駆動波形は、維持消去期間8と同じである。
したがって、維持消去期間8と同極性の弱放電が走査電極Siと第1の維持電極Sui1との間で発生し、図11の(f)に示すように、走査電極Siの第1の維持電極Sui1寄りの負壁電荷が減少すると共に、第1の維持電極Sui1上の走査電極Si寄りの正壁電荷も減少する。
この時刻における走査電極Siと第1の維持電極Sui1との間の最終到達電位差をこれら両電極間の面放電開始電圧にすることにより、実施例1で述べた通り、図11の(f)に示すように、該両電極間のギャップ近傍の壁電荷量をほぼ等しくすることができる。
このようにして、上記両電極間のギャップ近傍の壁電荷量を等しくすれば、壁電荷調整期間11において、走査電極Siと第1の維持電極Sui1との間に電位差が発生しているから、第1の壁電荷調整期間11と第2の壁電荷調整期間12とでは、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2とに印加される電圧の極性が変わるが、その電圧の極性のいずれにおいても、走査電極Siと第1の維持電極Sui1との間のギャップでの放電は発生しないようにすることができる。
また、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間の維持放電ギャップ35近傍では、どちらの電極にもほぼ同量の正壁電荷が形成されているから、この正壁電荷がこれら両電極間に残存している限り、維持期間4で維持パルス14が印加されても、維持放電が維持放電ギャップ35間に発生することはない。
したがって、次の走査期間3で或るセルで書込み放電が発生せず、そのままの壁電荷の配置が残存している場合には、次の維持期間4に入り、そして次のサブフィールドの壁電荷調整期間11になっても、当該セルの維持放電ギャップ35で維持放電が発生することはなく、表示は非点灯のままにある。
上述したような壁電荷の初期化を行う初期化期間2が終了すると、走査期間3に入る。
この初期化期間3では、スイッチS1とスイッチS2はオフ(非接続)となり、スイッチS3とスイッチS4とはオン(接続)する。
これらのスイッチのオフ/オンにより、第1の維持電極Sui1の電位はVswとなり、走査電極Siの電位はVbwとなる。なお、第2の維持電極Sui2には、大地電位が維持回路54から供給される。
このような各電位が対応する電極に印加されている状態で、各走査電極Siに、線順次で、走査パルス6が印加される。その走査パルスの電位は、プライミング消去期間10の走査電極26の最終到達電位とほぼ等しい電位−Vwとなっている。
走査パルス6が印加される走査電極Siについては、接続されているスイッチS5iをオフ(非接続)にし、スイッチS6iをオン(接続)にする。
これらスイッチのオフ/オンにより、当該走査電極Siの電位が−Vwになり、負極性の走査パルスが印加される。
このようにして、走査パルスが印加されている走査電極と直交しているデータ電極の各々にデータパルスが順次印加されて書込み放電が生ぜしめられることは、従来の駆動方法と同様である。
この書込み放電が生じているときの第1の維持電極Sui1の電位は正電位にあり、第2の維持電極Sui2の電位は大地電位にある。
書込み放電における壁電荷の形成メカニズムは、実施例1と同じである。
書込み放電のような強い放電が発生すると、その放電空間34ijには多くの空間電荷が発生する。その空間電荷はセル全体に広がり、大きな電位差が印加されている第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間でも放電が誘発されるような態様で空間電荷の移動が行われ、これら両電極上にも壁電荷が形成される。
このような動作が進行して行くときに、走査パルス6が終了すると、走査電極Siの電位が引き上げられ、走査電極Siと第1の維持電極Sui1との間の電位差が小さくなる。
したがって、走査電極Si及び1の維持電極Sui1上に形成されつつある壁電荷の増大は、走査パルス6の終了時刻に殆ど無くなり、その形成は停止してしまう。
しかし、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間の電位差は、走査パルス6の終了後も、Vswに維持され続けているから、壁電荷の形成は継続され、走査期間3の終了時における両電極上の壁電荷の状態は、図11の(g)のようになる。
この時刻における、維持放電ギャップ35近傍の第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2上の壁電荷による壁電圧の合計は、これら両電極間の電位差Vswに等しい。
上述したように、この実施例では、書込み放電を発生させるだけの走査パルス幅があれば、維持放電に移行するのに必要な壁電圧の形成は、走査パルス6の終了後にも継続して行うことができる。
また、この実施例3においては、書込み放電による全電極に流れる電流量は、従来の半分程度にまで低減できる。
すなわち、図11の(f)及び(g)に示すように、書込み放電において第2の維持電極Sui2上の壁電圧は殆ど変化せず、走査電極Si及び第1の維持電極Sui1上の壁電圧の極性だけが反転している。
このことからも分かるように、第2の維持電極Sui2に流れる電流は殆どないため、電流量は半減する。
また、同様に、書込み時のピーク電流も、従来の2/3程度に低減できる。
このようなことから、実施例1と同様、従来よりも、書込み電力の削減が可能になるし、表示負荷の増大に伴うデータ電圧の上昇を抑えることができる。
最後に、維持期間4に入ると、スイッチ制御回路56によって、全てのスイッチS6i並びにスイッチS3及びスイッチS4がオフ(非接続)にされ、スイッチS1及びスイッチS2並びに全てのスイッチS5iがオン(接続)にされる。
これらのスイッチのオン/オフにより、全ての走査電極Siに初期化及び維持回路52B1が接続され、第1の維持電極Sui1に初期化及び維持回路52B2が接続され、維持パルス16が交互に印加される。
その第1維持パルスにおいては、第2の維持電極Sui2が高電位(Vs)になり、第1の維持電極Sui1及び走査電極Siが低電位(大地電位)になる。
また、書込みが行われたセルの第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間には、走査期間の終了時刻にVswほどの壁電圧が形成されている。
このような動作状態において、さらに第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間にVsの電位差が印加されると、これら両電極間の空間にはVsw+Vsの電位差が印加されることになる。
この実施例3においても、Vsw+Vsの電位差が面放電開始電圧よりも高く設定してあるから、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間で維持放電が発生する。
その後の維持放電は、従来と同様で、両維持電極に印加される維持パルスの極性が反転される度毎に、逆極性の維持放電が両維持電極間に発生し、点灯表示を行うことができる。
以上説明したように、この実施例によっても、書込み放電によって維持放電に必要な壁電荷を第1の維持電極及び第2の維持電極に直接形成させ、これら両電極間で維持放電を発生させることができる。
第1の維持電極及び第2の維持電極への壁電荷の形成に際して、書込み放電を発生させるだけの走査パルス幅があれば足りるので、実施例1と同程度の走査パルス幅の短縮化を享受できる。
この走査パルス幅の短縮化により、実施例1と同程度の効果が得られる。
また、書込み放電による全電極に流れる電流量は、従来の半分程度にまで低減できる。
また、同様に、書込み時のピーク電流も、従来の2/3程度に低減でき、書込み電力の削減が可能になるし、表示負荷の増大に伴うデータ電圧の上昇を抑えることができる。
図12は、この発明の実施例4であるプラズマディスプレイの駆動装置の構成を示す図、図13は、同プラズマディスプレイの駆動装置の駆動波形図、また、図14は、同プラズマディスプレイの各電極上の壁電荷及び壁電圧の配置を示す図である。
この実施例の構成が、実施例1のそれと大きく異なるところは、前回のサブフィールドの維持期間と今回のサブフィールドの初期化期間との間に、壁電荷を調整する壁電荷調整期間を設け、走査期間において第1の維持電極の電位を大地電位にした点である。
すなわち、この実施例4のプラズマディスプレイパネルの駆動装置50Cは、スイッチS1、S2に、各別の初期化及び維持回路52B1、52B2を接続し、かつ、スイッチS3を大地電位に接続して構成したことにその特徴部分がある。
初期化及び維持回路52B1は、実施例1及び実施例2の初期化及び維持回路52と同様であり、初期化及び維持回路52B2は、実施例1及び実施例2の維持回路54と同様である。
また、壁電圧調整期間11は、第1の壁電圧調整期間12と第2の壁電圧調整期間13とから成る。第1の壁電圧調整期間12及び第2の壁電圧調整期間13は、それぞれ1つの矩形波の電圧パルスで構成されている。
そして、前回のサブフィールドの維持期間の最終維持パルスは、第1の維持電極Sui1では高電位のVsで、第2の維持電極Sui2では低電位の大地電位である。
この構成以外のこの実施例の構成は、実施例1と同じであるので、同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その逐一の説明は省略する。
次に、図12乃至図14を参照して、この実施例の動作について説明する。
この実施例の壁電圧調整期間11及び初期化期間2の基本的な動作は、実施例3と同様である。
維持期間1、壁電圧調整期間11及び初期化期間2においては、スイッチ制御回路56によって、スイッチS1及びスイッチS2並びに全てのスイッチS5iがオン(接続)にされ、これら以外のスイッチはオフ(非接続)にされる。
初期化期間2の終了までの壁電圧の配置は、図14の(a)乃至(f)に示すように、実施例3とほぼ同じである。
但し、実施例1と同様に、走査期間3において、データパルス7が印加された際に、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間で誤放電を発生させないように、プライミング消去期間10における第1の維持電極Sui1の電位であるVaとデータパルスのVdとの和が、第1の維持電極Sui1とデータ電極Djとの間の対向放電開始電圧よりも小さくなっていなければならない。
プライミング消去期間10では、面の弱放電の他に、走査電極Siとデータ電極Djとの間でも、弱放電が発生する。
これら2つの弱放電は、走査電極Siを陰極とし、第1の維持電極Sui1及びデータ電極Djを陽極とする弱放電である。
したがって、同じ陽極となる第1の維持電極Sui1及びデータ電極Djは、壁電荷の形成により、誘電体層上の電位はほぼ等しくなる。
この実施例4では、プライミング消去期間10における第1の維持電極Sui1の電位はVaであり、データ電極Djの電位は大地電位であったのが、走査期間3に入ると、第1の維持電極Sui1の電位はVaから大地電位へ引き下げられ、データ電極Djの電位はデータパルスの印加により大地電位からVdへ引き上げられる。
プライミング消去期間10での第1の維持電極Sui1及びデータ電極Djの誘電体層上の電位は等しい状態にあったので、走査期間3に入ることにより、これら両電極間の電位差はVa+Vdだけ変動することになる。
上述のところから明らかなように、上記のような電位差の変動があっても、第1の維持電極Sui1とデータ電極Djとの間に誤放電を生じさせないようにするためには、Va+Vdが第1の維持電極Sui1とデータ電極Djとの間の対向面放電開始電圧よりも小さくなっていなければならないことになる。
この実施例4で上述したところでは、プライミング消去期間10でのデータ電極Djの電位と走査期間3での第1の維持電極Sui1の電位とを駆動装置を駆動するのに必要な設定電圧数を少なくするという理由から大地電位としている。
プライミング消去期間10が終了して走査期間3に入ると、スイッチ制御回路56によって、スイッチS1及スS2がオフ(非接続)にされ、スイッチS3及びスイッチS4がオン(接続)にされる。全てのスイッチS5iはオン(接続)にされたままである。
これらのスイッチのオフ/オンにより、第1の維持電極Sui1の電位は大地電位になり、走査電極Siの電位はVbwになる。
これらの電極の電位状態において、走査電極S1から走査電極Smまで、順次、走査パルス6が印加される。その走査パルスの電位は、プライミング消去期間10で走査電極Siに生ずる最終到達電位とほぼ等しい電位に設定される。
すなわち、走査パルスを印加せんとする走査電極Siに接続されているスイッチS5iが、スイッチ制御回路56によってオフ(非接続)にされると同時に、スイッチS6iがオン(接続)にされる。これによって、走査電極Siへ走査パルスが印加される。つまり、走査電極Siの電位は−Vwとなる。
一方、第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2の電位の極性は、実施例3とは逆となる。すなわち、スイッチ制御回路56によってスイッチS3がオン(接続)にされて第1の維持電極Sui1は大地電位にされ、第2の維持電極Sui2には維持回路54から正電位Vsが給電される。
書込み放電は、走査電極Siとデータ電極Djとの間で発生し、書込み放電により発生した空間電荷は放電空間34ij全体に広がり、維持放電ギャップ35での放電を誘発することは、実施例3と同様である。
したがって、走査パルス6が終了しても、第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2上に継続して壁電圧を形成できる。
それ故、走査パルス6のパルス幅が書込み放電を発生させるだけのパルス幅であれば、走査パルスの終了後も、第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2上に壁電荷を形成して行ける。
この場合に形成される壁電荷の極性は、実施例3とは逆であり、図14の(g)に示すように、第1の維持電極Sui1には正壁電荷が、また、第2の維持電極Sui2には負壁電荷が形成される。
実施例3では、第1の維持電極Sui1は、負極性の走査パルス6が印加される走査電極Siに隣接して配置されているため、走査期間3中第1の維持電極Sui1の電位Vswを、走査電極Siと第1の維持電極Sui1との間で誤放電が発生しない程度まで低く抑える必要があった。
しかし、この実施例4では、走査電極Siに隣接しない第2の維持電極Sui2を第1の維持電極Sui1よりも高電位に設定しても誤放電は発生しない。
このような電位の設定を行い得ることから、実施例1よりも、走査期間3の維持放電ギャップ35に掛かる電位差を大きくすることができる。この実施例4では、第2の維持電極Sui2の電位をVsに設定した。
これにより、書込み放電が発生したセルの第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2上には、走査期間3の終了時に第1の維持電極Sui1及び第2の維持電極Sui2の誘電体層上の壁電荷の合計が、両電極間の電位差と等しいVsほどの壁電荷となる。
このようにして、より多くの壁電荷を形成し、高い壁電圧を電極上に生じさせることができるから、維持放電に移行し易くなり、維持パルス14のパルス電圧などの駆動マージンを大きくすることができる。
最後に、維持期間4に入ると、スイッチ制御回路56によって、全てのスイッチS6i並びにスイッチS3及びスイッチS4がオフ(非接続)にされ、スイッチS1及びスイッチS2並びに全てのスイッチS5iがオン(接続)にされる。
これらのスイッチのオフ/オンにより、全ての走査電極Siに初期化及び維持回路52B1が接続され、第1の維持電極Sui1に初期化及び維持回路52B2が接続されて維持パルス16がこれら両電極に交互に印加される。この実施例4においては、走査期間3において実施例3とは逆極性の壁電圧が第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2に形成されているので、維持期間4の第1維持パルスによって、実施例1とは逆の電位を上記両電極に印加する。
これにより、第1の維持電極Sui1は高電位(Vs)になり、第2の維持電極Sui2は低電位(大地電位)になる。
上述したように、書込みが行われたセルの第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間には、走査期間3の終了時刻にVsほどの壁電圧が形成されており、その両電極間にVsの電位差が印加されると、該両電極間の空間には2Vsの電位差が印加されることになる。
この実施例4においては、2Vsは面放電開始電圧よりも高く設定してある。
したがって、第1の維持電極Sui1と第2の維持電極Sui2との間で維持放電が発生する。その後は、維持パルス14が印加されて第1の維持電極Sui1に印加される維持パルスと第2の維持電極Sui2に印加される維持パルスとの極性が反転する度毎に維持放電が発生し、点灯表示がなされる。
以上説明したように、この実施例によっても、書込み放電によって維持放電に必要な壁電荷を第1の維持電極及び第2の維持電極に形成させ、これら両電極間で維持放電を発生させることができる。
第1の維持電極及び第2の維持電極への壁電荷の形成に際して、書込み放電を発生させるだけの走査パルス幅があれば足りるので、実施例1と同程度の走査パルス幅の短縮化を享受できる。
この走査パルス幅の短縮化により、実施例1と同効の効果のほかに、実施例2及び実施例3で得られる効果が同時に得られる。
以上、この発明の実施例を、図面を参照して詳述してきたが、この発明の具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもそれらはこの発明に含まれる。
例えば、実施例1及び実施例4では、プライミング消去期間10でのデータ電極Djの電位と走査期間3での第2の維持電極Sui2の電位とを駆動装置を駆動するのに必要な設定電圧の数を少なくするという理由から大地電位としたが、必ずしも、大地電位でなくても駆動させることができる。
その場合にも、上記理由と同様の理由から、プライミング消去期間10での第2の維持電極Sui2の電位からデータ電極Djの電位を差し引いた電圧と、走査期間3でデータパルスが印加されたときのデータ電極Djの電位から第2の維持電極Sui2の電位を差し引いた電圧との和が、第2の維持電極Sui2とデータ電極Djとの間の対向放電開始電圧より小さくする必要がある。
セルの構造を走査電極の両側に少なくとも1対の第1の維持電極及び第2の維持電極を配置してこの発明を実施することも可能である。
この発明の実施例1であるプラズマディスプレイの駆動装置の構成を示す図である。 プラズマディスプレイパネル全体の平面図である。 プラズマディスプレイパネルの1セルの縦断面図である。 プラズマディスプレイパネルの駆動装置の駆動波形図である。 1セルの各電極上に形成される壁電荷及び壁電圧の模式的な配置図である。 この発明の実施例2であるプラズマディスプレイの駆動装置の構成を示す図である。 同プラズマディスプレイの駆動装置の駆動波形図である。 同プラズマディスプレイの1セルの各電極上の壁電荷の配置を示す図である。 この発明の実施例3であるプラズマディスプレイの駆動装置の構成を示す図である。 同プラズマディスプレイの駆動装置の駆動波形図である。 同プラズマディスプレイの1セルの各電極上の壁電荷の配置を示す図である。 この発明の実施例4であるプラズマディスプレイの駆動装置の構成を示す図である。 同プラズマディスプレイの駆動装置の駆動波形図である。 同プラズマディスプレイの各電極上の壁電荷及び壁電圧の配置を示す図である。 従来のプラズマディスプレイパネル全体の平面図である。 同プラズマディスプレイパネルの1セルの縦断面図である。 同プラズマディスプレイパネルの駆動装置の駆動波形図である。 同プラズマディスプレイパネルの1セルの各電極上に形成される壁電荷及び壁電圧の模式的な配置図である。 特許文献1のプラズマディスプレイパネルの1セルの縦断面図である。 特許文献2のプラズマディスプレイパネルの1セルの縦断面図である。 特許文献1のプラズマディスプレイパネルの駆動装置の駆動波形図である。 特許文献2のプラズマディスプレイパネルの駆動装置の駆動波形図である。
符号の説明
14 プラズマディスプレイパネル
50、50A,50B,50C 駆動装置
52、52B1 初期化及び維持回路(放電発生手段の一部、第1、第3、弟6、弟9及び弟14の手段の一部、)
52B2 初期化及び維持回路(放電発生手段の一部、弟6乃至弟9及び弟11乃至弟14の手段の一部)
54 維持回路(電位差付与手段の一部、放電発生手段の一部、第2、第4、第5、第7、第8及び第10乃至15の手段の一部、)
56 スイッチ制御回路(電位差付与手段の一部、放電発生手段の一部、第1乃至第14の手段の一部、)
S1 スイッチ(第1、第3、第6、第9及び第14の手段の一部、)
S2 スイッチ(放電発生手段の残部、第1、第3、第6乃至第9及び第11乃至第13の手段の残部並びに第14の一部)
S3 スイッチ(電位差付与手段の残部、第2、弟4、弟5、弟10及び弟15の手段の一部)
S4 スイッチ
S5 スイッチ(弟6及び弟14の手段の残部)
S6 スイッチ

Claims (1)

  1. 第1の絶縁基板と第2の絶縁基板とを所定の間隔を隔てて対向させ、前記第1の絶縁基板の一方の面であって前記第2の絶縁基板と対向する側の面に走査電極、第1の維持電極及び第2の維持電極の順で互いに平行に配置される電極セットを複数配置すると共に、前記第2の絶縁基板の一方の面であって前記第1の絶縁基板と対向する側の面に前記電極セットの各々と直交するデータ電極を複数配置して前記電極セットと前記データ電極との交差点に表示セルを構成したプラズマディスプレイパネルにおいて、前記表示セルの前記走査電極と前記データ電極との間の書込み放電ギャップに映像信号の画素データに対応する書込み放電を発生させる走査期間と、この走査期間中に発生させた書込み放電に基づいて、前記第1の維持電極と前記第2の維持電極との間に維持放電を発生する維持期間とを有するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    前記走査期間において、前記走査電極に走査パルスを印加するとともに、前記データ電極にデータパルスを印加して走査電極とデータ電極との間に書込み放電を発生させ、かつ走査期間の間、前記第1の維持電極及び第2の維持電極のいずれか一方の維持電極の電位を他方の維持電極の電位よりも高く設定することにより、前記第1の維持電極及び前記第2の維持電極上に前記書込み放電によって互いに逆極性の壁電荷をそれぞれ形成させて第1の維持電極と第2の維持電極との間に壁電圧Vswを形成し、
    その後の前記維持期間において、前記第1の維持電極と前記第2の維持電極とに、前記壁電圧Vswに加算することにより面放電開始電圧を越える電圧の維持パルスを交互に印加するとともに、前記第1の維持電極または前記第2の維持電極に維持パルスを印加する際に前記走査電極に前記第1の維持電極に印加する維持パルスに同期して同じ電位のパルスを印加することにより、前記第1の維持電極と前記第2の維持電極との間で維持放電を発生させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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