JP4576995B2 - 2サイクルエンジンの冷却構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される特に水冷式の2サイクル並列多気筒エンジンの冷却構造に関する。
たとえば、スノーモービル等の小型雪上車に搭載されるエンジンは、構造が比較的に簡単であり、軽量コンパクトで高出力の2サイクルエンジンが主流となっている。一般にスノーモービルに用いられる2サイクルエンジンでは、水冷エンジンが採用され、エンジンを安定して冷却することでオーバーヒートやオーバークールを防止するとともに、出力向上を図り、しかも騒音抑制にも有効である。
たとえば特許文献1に開示されるように、この2サイクルエンジンではヒートエクスチェンジャ(ラジエタ)により冷却された冷却水は、クランクケースに一体化されたサーモスタットを流れ、クランク軸と直交するウォータポンプによって先ずシリンダヘッドへ流される。その後、シリンダおよびクランクケースへと流れ、ヒートエクスチェンジャに戻されるというものである。
特開2002−339745号公報
しかしながら、従来の2サイクルエンジンもしくはその冷却構造では、冷却水は最も高温になるシリンダヘッドの冷却には有効であるが、シリンダヘッドによって一旦温められた冷却水が、つぎに高温になる排気ポート周辺へ流れる構造である。そのため排気ポート周辺部位に対しては、冷却効果として不利である。
また、レイアウト上シリンダヘッドから冷却水を流したとしても、排気ポート上部まわりについては冷却効果を得られるが、排気ポート下部までは流れず、袋状になっている。すなわち、スロットルボディ等の外部に水を抜かないと冷却水が流通しない構造になっている。
さらに、排気ポートの下側まで十分に冷却するためには、外部に抜く水量を増加しなければならない。また、抜いた水は水圧の関係でウォータポンプに戻さなければならず、その結果、温水が循環してしまい、エンジン全体としての冷却性能を低下させる原因になってしまう。
また、特にエンジン分解時等、エンジン外部へ抜くユニオン構造では、レイアウト上必ずしも十分に水抜きをすることができない。そのためシリンダをクランクケースから外す際、クランクケースのウォータジャケットに残っている水が、エンジン内部(特にクランクケース)へ入ってしまう原因となる。そのような場合、結果的にエンジン全体を分解しなければならなくなり、整備性に著しく影響する。
本発明はかかる実情に鑑み、有効かつ効果的に冷却性能を向上し、簡素かつコンパクト化を実現し得る2サイクルエンジンの冷却構造を提供することを目的とする。
本発明の2サイクルエンジンの冷却構造は、車両に搭載される水冷式の2サイクル並列多気筒エンジンの冷却構造であって、シリンダブロックに排気ポートを備え、その排気ポートの下方のクランクケースに吸気ポートを配設する一方、前記排気ポートの反対側の前記クランクケースにウォータポンプを配設し、前記ウォータポンプから吐出される冷却水をシリンダヘッドの冷却水ジャケットへ直接導く第1の冷却水通路を設けるとともに、前記ウォータポンプから吐出される冷却水の一部を前記第1の冷却水通路から分岐して前記排気ポートの下方の冷却水ジャケットへ直接導く第2の冷却水通路を前記クランクケースに配設し、前記第2の冷却水通路を流通する高圧の冷却水を、前記第1の冷却水通路を流通する冷却水よりも少量に供給したことを特徴とする。
また、本発明の2サイクルエンジンの冷却構造において、前記第2の冷却水通路を前記クランクケースの気筒間に形成するとともに、前記第2の冷却水通路の端部に左右の前記排気ポートに指向させた冷却水出口を設けたことを特徴とする。
また、本発明の2サイクルエンジンの冷却構造において、車両搭載状態でシリンダを傾斜させて、前記排気ポートを傾斜させたエンジンの上面側に、前記ウォータポンプを該エンジンの下面側に配置したことを特徴とする。
また、本発明の2サイクルエンジンの冷却構造において、前記エンジンの排気ポートを車両前方に向けて雪上車に搭載したことを特徴とする。
本発明によれば、ウォータポンプから冷たい冷却水を直接排気ポート下部に送り込んで冷却することで、排気ポートの冷却効率を向上するとともに、吸気ポートへの熱影響を低減することができる。また、従来不可欠であった排水ホースやその接続用ユニオン等を廃止することができ、エンジンのコンパクト化が可能になる。
また、2気筒に対して1つの冷却水通路で対応することで、エンジンの大型化を防ぐことができる。この場合、第2の冷却水通路の冷却水出口を左右の排気ポートに指向させることにより、冷却水が排気ポートに直接当たるため冷却効果を格段に向上する。
さらに、エンジンのメンテナンス時には冷却水を抜き取る際、冷却水が冷却水ジャケット内に溜まることがないため、分解時のエンジン内に冷却水が入ってしまう等の不都合が全く生じない。また、排気ポート下部とシリンダヘッドを独立構造としてもエンジンの大型化を防ぐことができ、これによりコンパクトかつ高出力の雪上車を実現することができる。
以下、図面に基づき、本発明による2サイクルエンジンの冷却構造における好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明の適用例として雪上車100を示している。ここでまず、雪上車100の全体概略構成について説明する。雪上車100において前後方向に延びた車体フレーム101は前部フレーム102と後部フレーム103を有し、前部フレーム102の下部には左右一対の操舵用そり104が左右方向に向くように回動自在に支持され、後部フレーム103の下部にはトラックベルト105を循環させる駆動用のクローラ106が配置されている。なお、図1において、雪上車100の車両前方を矢印Frにより、また車両後方を矢印Rrによりそれぞれ示す。
クローラ106は、後部フレーム103の前端に配置された駆動輪107と、後端に配置された従動輪108と、複数個の中間輪109と、サスペンション機構110と、各車輪の周囲に巻かけられて循環するトラックベルト105とを含んでいる。
車体フレーム101はモノコックフレーム構造を有し、後述するエンジンユニット10およびその付帯装置等が搭載される前部フレーム(エンジンマウントフレーム)102において、その主部102aから前部分が上方に突出形成され、操舵用そり104を支持するためのフロントサスペンション111の上部を収容するようになっている。また、前部フレーム102の主部102aから後部分が斜め後ろ上方に立ち上がる形状で、クローラ106の駆動輪107の上方付近を収容するようになっており、後部フレーム103と連続的かつ一体的に形成されている。
後部フレーム103は、クローラ106全体をその下方に収容するカバー兼用として構成され、車両前後方向で後端部まで延設されている。また、後部フレーム103の上方には鞍形のシート112が配置され、該シート112の車幅方向両側には、シート112よりも一段低く形成されたステップ113が設けられている。
雪上車100の前側部分においてエンジンルーム114を形成する前部カバー115が設けられ、シート112と前部カバー115との間のほぼ車幅方向中央部にはステアリングシャフトが立設される。ステアリングシャフトの上端にはバーハンドル116がやや後方に傾いて水平方向左右に延設される。バーハンドル116の前方至近位置には、ウインドシールド117が立設されており、該ウインドシールド117の基部から前部カバー115が略流線形状に前方に向かいなだらかに下がった概略船底を逆さにした形状を呈している。バーハンドル116によりステアリングシャフトを介して操舵用そり104を操作し得るようになっている。なお、ウインドシールド117の基部の車幅方向中央部にはヘッドライト(前照灯)を装備している。
つぎに、本発明の実施形態に係るエンジンユニット10まわりを説明する。この実施形態において雪上車100は、2サイクル並列多気筒(この例では2気筒)エンジンを搭載し、このエンジンの動力を駆動輪107に伝達してトラックベルト105を走行駆動するようにしている。
図1に示されるようにエンジンユニット10は、そのシリンダを後方へ傾斜させて雪上車100に搭載される。この場合、エンジンルーム114内において、エンジンユニット10の前方にエアクリーナ装置118を搭載し、エンジン前部から吸気するようになっている。また、燃焼ガスをエンジン前部から排気するため、排気パイプ119もエンジンユニット10の前方に配置される。この例では水冷式エンジンであり、そのためのヒートエクスチェンジャ120はエンジン後方に配置される。
エンジンユニット10の基本構造において、図2〜図4を参照してクランクケース11はクランクケースアッパ11Aおよびクランクケースロア11Bからなり、それらの合せ面にクランクシャフト12が支持される。クランクシャフト12は雪上車100の車幅方向(左右方向)に配置され、クランクシャフト12の軸方向に沿って2つの気筒が並列配置される(図4)。クランクケースアッパ11Aの上部にはシリンダ13が結合し、シリンダ13にはシリンダヘッド14が結合する。前述したようにシリンダ13(およびシリンダヘッド14)は、図2等に示されるように後方Rrへ傾斜する。
シリンダ13内に往復動可能に収容されたピストン15は、コンロッド16を介してクランクシャフト12と連結する。シリンダヘッド14に前後方向に並置された2つの点火プラグ17A,17Bを有し、一方の点火プラグ17A(Fr側)は略シリンダ軸線上に配置される。クランクケース11(クランクケースアッパ11A)の前部には吸気マニホールド18が突設され、その内部の吸気ポート18aを介してクランクケース11内に混合気が供給される。吸気ポート18aは吸気パイプ19を介してエアクリーナ装置118と接続し、エアクリーナ装置118からの吸気量がスロットルバルブ20によって制御されるようになっている。吸気ポート18aの入口にはリードバルブ21が装着されるとともに、吸気パイプ19には燃料インジェクタ22が配設される。
クランクケース11はシリンダ13の周囲に配設された複数のブーストポート23を介して、シリンダ13と連通する。シリンダ13の前上部には排気マニホールド24が突設され、排気ポート24aから燃焼ガスが排気される。この排気ポート24aは吸気ポート18aと同様に、前方Frに向けて開口する。排気ポート24aは排気パイプ119と接続し、排気パイプ119へ排気される排気量が補助バルブ25によって制御されるようになっている。
つぎに、図5等に示されるように排気ポート24aの反対側、すなわち後方Rr側のクランクケース11(クランクケースロア11B)にウォータポンプ26が配設される。後述するようにシリンダ13まわりには冷却水ジャケットが形成され、ウォータポンプ26から吐出される冷却水を冷却水ジャケットに流通させるようになっている。
ウォータポンプ26は図4あるいは図6等に示すように、2つの気筒(シリンダ13)の略中央にてクランクケースロア11Bの後面に配置される。クランクケースロア11B内には図7に示すように、クランクシャフト12の軸心方向と略直角に、かつ略水平方向にポンプ駆動軸27が配置され、該クランクシャフト12と対向する位置にポンプ駆動軸27に一体的に設けられたネジ歯車28を介して、クランクシャフト12の動力でポンプ駆動軸27を回転駆動するようになっている。
ポンプ駆動軸27はウォータポンプ26と連結し、これを駆動する。すなわち、クランクケースロア11Bの後面に設けられたポンプ室29内には、ポンプ駆動軸27に軸着したインペラ30が収容され、インペラ30はポンプ室29内で回転する。ウォータポンプ26に近接してウォータポンプ26の冷却水供給側に、ポンプ内に冷却水を導入するための冷却水入口部31が突設されたサーモスタットキャップ32が配設され、冷却水入口部31は、冷却水ホース33(図1参照)を介してヒートエクスチェンジャ120に接続されている。
ウォータポンプ26の冷却水吐出側には、冷却水を吐出するための冷却水出口部34が突出形成され、冷却水ホース35(第1の冷却水通路)および冷却水入口部36を介してシリンダヘッド14内部に形成された冷却水通路であるウォータジャケット37に接続されている。
ウォータポンプ26のポンプカバー38は、ウォータポンプ26のハウジングを構成するとともに、クランクケースロア11Bのジャケットカバーを兼用するように構成され、その内側に冷却水通路39を構成する。クランクケースロア11Bの冷却水入口部31が設けられる冷却水通路40には、冷却水の温度に応じてその流量を制御するサーモスタット41が設けられ、サーモスタット41を覆うようにサーモスタットキャップ32が配設されている。サーモスタット41は、ヒートエクスチェンジャー120からウォータポンプ26に供給される冷却水の導入を制御する主弁41aと、エンジン本体からバイパスされてウォータポンプ26へ直接供給される冷却水の導入を制御する副弁41bとを備えている。
冷却水通路40は、連通孔を介してポンプカバー38の冷却水通路39と連通するとともに、クランクケースロア11Bの壁部に形成された冷却水バイパス通路を介して、クランクケースアッパ11Aおよびクランクケースロア11B間で形成されたウォータジャケット42(温水ジャケット)と連通している。上述の冷却水バイパス通路は、副弁41bと対向する位置に開口形成され、該副弁41bによって開閉される。
シリンダヘッド14には図3あるいは図5等に示すように、内部の燃焼室43を包囲するようにウォータジャケット37が形成されている。ここで、シリンダ13まわりには排気ポート24aの下部付近に形成されたウォータジャケット44Aを有する。このウォータジャケット44Aは図8等にも示すように、クランクケースアッパ11Aの部位にも形成される。シリンダヘッド14のウォータジャケット37は、排気ポート24aの上部に形成されたウォータジャケット44Bと連通し、このウォータジャケット44Bはブーストポート23側のウォータジャケット44Cと連通する。なお、図9のようにウォータジャケット44Aは、ウォータジャケット44Bと連通している。
また、ブーストポート23側のウォータジャケット44Cは図6に示すように、クランクケースアッパ11Aに形成された複数の冷却水通路45と連通し、各冷却水通路45はそれぞれウォータジャケット42と連通路する。ウォータジャケット42の端部には、冷却水(温水)出口部46が突出形成され、この冷却水出口部46は冷却水ホースを介してヒートエクスチェンジャ120に接続されている。
さて、本発明のエンジンの冷却構造において特に、ウォータポンプ26から吐出される冷却水の一部を排気ポート24aの下方の冷却水ジャケット、すなわちウォータジャケット44Aへ導く第2の冷却水通路47がクランクケース11に配設される。
図6〜図8等に示されるように第2の冷却水通路47はその一端側が、ウォータポンプ26の冷却水吐出側に設けられた冷却水出口部34に連通し、クランクケースアッパ11Aの(シリンダ13との)合せ面に付近に沿って前上りに傾斜する。この第2の冷却水通路47の他端側は、クランクケースアッパ11Aの前面側まで延出し、プラグ48によって栓止される。
第2の冷却水通路47は、クランクケース11の気筒間に形成される。第2の冷却水通路47の前方側の端部手前付近には図9等に示されるように、左右の排気ポート24aに指向させた冷却水出口47aを有する。各冷却水出口47aは、左右各気筒のウォータジャケット44A内で排気ポート24aの斜め下方位置に開口し、したがってその先のウォータジャケット44B、さらにはウォータジャケット44Cと連通する。2つの冷却水出口47aは図示のように概略V字状に配置され、左右気筒に対してバランスよく均等に冷却水を供給することができる。
上記構成において、つぎに本実施形態に係る2サイクルエンジンの冷却構造の作用について説明する。ここで図10は、本発明の実施形態における冷却系の冷却水(もしくは温水)の流れを示している。まず、冷却水は、ヒートエクスチェンジャ120よりウォータポンプ26に供給される際に、サーモスタット41を介してウォータポンプ26内に導入される。
ウォータポンプ26に導入された冷却水は、冷却水出口部34から吐出され、冷却水ホース35を通ってシリンダヘッド14の冷却水入口部36を介してエンジン内部に導入される。導入された冷却水は、シリンダヘッド14内のウォータジャケット37を通り、主に排気ポート24a上部のウォータジャケット44Bを経由してウォータジャケット44Cへと流通する。この際、後述するようにウォータジャケット44Aからの冷却水と合流し、その後冷却水通路45を通ってウォータジャケット42に集合する。
ウォータジャケット42内の温められた冷却水は、冷却水出口部46に接続された冷却水ホースを通って、ヒートエクスチェンジャ120に送られる。そして、ヒートエクスチェンジャ120内の冷却水通路を通過するうちに冷却された冷却水は、再びウォータポンプ26に供給され、エンジンに送られて前述した冷却行程を繰り返すことでエンジンの冷却が行われる。
ここで、エンジンが暖機運転状態のときウォータポンプ26において、サーモスタット41の働きにより主弁41aが閉塞され、かつ副弁41bが開放された状態となる。このときウォータポンプ26の冷却水入口側からは新たな冷却水は導入されず、エンジン本体に対して温められた冷却水が、クランクケースロア11B側から冷却水バイパス通路を通って導入され、温かい冷却水がエンジン側に循環供給される。これにより不要にエンジンを冷却すること無く効率の良いエンジンの暖機運転を行うことができる。
一方、エンジンが運転状態のときウォータポンプ26において、サーモスタット41の働きにより暖機運転時とは逆に、主弁41aが開放され、かつ副弁41bが閉塞された状態となる。このとき冷却水バイパス通路からは温められた冷却水が導入されず、ウォータポンプ26の冷却水入口側から新たな冷却水のみが導入される。これにより運転状態で高温になったエンジンを効率良く冷却することができる。
さて、前述したように左右2つの気筒の間に第2の冷却水通路47を設け、ウォータポンプ26から吐出される冷却水の一部W(図5、図9、図10参照)を、排気ポート24aの下方のウォータジャケット44Aへ導く。第2の冷却水通路47の2つの冷却水出口47aからは冷却水の一部Wが、左右の排気ポート24aの下部に向けてバランスよく均等に供給される。
このようにウォータポンプ26から第2の冷却水通路47を介して、冷たい冷却水を直接排気ポート24a下部に送り込んで冷却することで、高温になる排気ポート24aまわりの冷却効率を向上するとともに、吸気ポートへの熱影響を低減することができる。そして、排気ポート24aの周辺を強制的に冷却することで、冷却水沸騰に対する余裕度が増し、さらなる高出力化を図ることができる。
ちなみに、従来では図11に示したように排気ポートの下側まで冷却するためには、外部に抜く水量を増加しなければならず、その抜いた水は水圧の関係でウォータポンプに戻さなければならず、その結果、温水wが循環してしまい、エンジン全体としての冷却性能を低下させる原因となってしまう。
また、第2の冷却水通路47をクランクケース11内部に設けることにより、省スペース化を図ることができる上、従来不可欠であった排水ホースやその接続用ユニオン等を廃止することができ、エンジンのコンパクト化およびコストダウンが可能になる。この場合排水ホースを廃止したことで、ホース抜けによる水漏れを防止することができる等の利点がある。
高圧の冷却水を排気ポート24a下部に集中的に供給して冷却することで実質的に冷却水が少量で済み、冷却水の大半部分をシリンダヘッド14の冷却に使うことができ、高い冷却効果を得ることができる。また、その冷却水をシリンダヘッド14側からのものと合流させ、サーモスタット41に繋がる42に集合させる。これによりエンジン内部の冷却水循環量を制御し、かつ的確に冷却水温度を管理することができる。
また、サーモスタット41の副弁41bが閉じているときはエンジン内部循環を停止して冷却水全量がヒートエクスチェンジャ120に送られる。従来の場合よりもヒートエクスチェンジャ120へ戻る量が増加するため、結果的として実質的に小型のヒートエクスチェンジャ120でも十分対応可能になる。さらに、冷却効率が向上することに伴い、ウォータポンプ26自体を小型化することができ、それによって消費される動力を減少し、すなわちその分エンジン出力を増大することが可能になる。
以上、本発明を実施形態とともに説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
たとえば第2の冷却水通路47の適所に、運転条件に応じて排気ポート24aの下部へ供給される冷却水量を調整可能な弁を設けてもよい。これによりエンジン出力状態(たとえばエンジン回転数等)に適した量の冷却水を供給し、高い精度で冷却もしくは冷却水を管理することができる。
本発明に係る2サイクルエンジンの冷却構造を適用した雪上車の例を示す側面図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンの例を示す外観側面図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンの側断面図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンの後方斜視図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンの側断面図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンのクランクケースまわりの後方斜視図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンのクランクケースまわりの外観側面図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンのクランクケースまわりの上面図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンの排気ポートまわりの正面図および断面図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンの冷却系を示す図である。 従来の2サイクルエンジンの冷却系を示す図である。
符号の説明
10 エンジンユニット
11 クランクケース
11A クランクケースアッパ
11B クランクケースロア
12 クランクシャフト
13 シリンダ
14 シリンダヘッド
15 ピストン
16 コンロッド
17A,17B 点火プラグ
18 吸気マニホールド
18a 吸気ポート
23 ブーストポート
24 排気マニホールド
24a 排気ポート
26 ウォータポンプ
27 ポンプ駆動軸
29 ポンプ室
30 インペラ
31 冷却水入口部
32 サーモスタットキャップ
33 冷却水ホース
34 冷却水出口部
35 冷却水ホース
36 冷却水入口部
37 ウォータジャケット
38 ポンプカバー
39,40 冷却水通路
41 サーモスタット
46 冷却水(温水)出口部
47 第2の冷却水通路
47a 冷却水出口
48 プラグ

Claims (4)

  1. 車両に搭載される水冷式の2サイクル並列多気筒エンジンの冷却構造であって、
    シリンダブロックに排気ポートを備え、その排気ポートの下方のクランクケースに吸気ポートを配設する一方、前記排気ポートの反対側の前記クランクケースにウォータポンプを配設し、
    前記ウォータポンプから吐出される冷却水をシリンダヘッドの冷却水ジャケットへ直接導く第1の冷却水通路を設けるとともに、前記ウォータポンプから吐出される冷却水の一部を前記第1の冷却水通路から分岐して前記排気ポートの下方の冷却水ジャケットへ直接導く第2の冷却水通路を前記クランクケースに配設し、
    前記第2の冷却水通路を流通する高圧の冷却水を、前記第1の冷却水通路を流通する冷却水よりも少量に供給したことを特徴とする2サイクルエンジンの冷却構造。
  2. 前記第2の冷却水通路を前記クランクケースの気筒間に形成するとともに、前記第2の冷却水通路の端部に左右の前記排気ポートに指向させた冷却水出口を設けたことを特徴とする請求項1に記載の2サイクルエンジンの冷却構造。
  3. 車両搭載状態でシリンダを傾斜させて、前記排気ポートを傾斜させたエンジンの上面側に、前記ウォータポンプを該エンジンの下面側に配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の2サイクルエンジンの冷却構造。
  4. 前記エンジンの排気ポートを車両前方に向けて雪上車に搭載したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の2サイクルエンジンの冷却構造。
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