JP4576329B2 - コンデンサモジュール及びこれを用いた電力変換装置 - Google Patents
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Description
該コンデンサモジュールは、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車等に用いられるインバータ等の電力変換装置の構成部品として配設される。
そして、このコンデンサモジュールを車両のエンジンルーム等に搭載する際には、コンデンサモジュールを金属ケース内に固定した状態で、この金属ケースをエンジンルーム等の取付け部位にボルト等によって固定する。
上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部は、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記コンデンサ素子の高さの10%以内となる高さ位置に設けてあることを特徴とするコンデンサモジュールにある(請求項1)。
上記コンデンサモジュールにおいては、上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部は、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記コンデンサ素子の高さの10%以内となる高さ位置に設けてある。これにより、コンデンサ素子の振動に起因する内部モジュールの振動が外側ケースに伝播することを抑制することができる。その結果、コンデンサモジュール全体としての振動の発生を抑制することができ、外部への振動の伝播を抑制することができる。
即ち、上記コンデンサ素子は金属化フィルムを巻回して構成されているが、このコンデンサ素子に電流を流すと蓄積される電荷によって、金属化フィルム間においてクーロン引力が発生する。そして、電流の大きさが変動したり断続電流が流れたりした場合には、このクーロン引力が時間と共に変化する。これにより、金属化フィルムの法線方向、即ちコンデンサ素子の巻回軸方向に直交する方向にコンデンサ素子が振動することとなる。
ここで、コンデンサ素子が巻回軸方向を高さ方向として配置してある場合には、巻回軸方向の振動が高さ方向の振動となり、コンデンサ素子が巻回軸方向を水平方向として配置してある場合には、巻回軸方向と直交する方向の振動が高さ方向の振動となる。
それ故、かかる位置に上記固定部を設けることにより、コンデンサモジュールの振動の発生、伝播を抑制することができ、振動音の発生を抑制することができる。
上記コンデンサ素子に流れる電流の基本周波数の振動による定在波の波長をλとしたとき、上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部は、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記波長λの5%以内となる高さ位置に設けてあることを特徴とするコンデンサモジュールにある(請求項3)。
上記コンデンサモジュールにおいては、上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部は、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記波長λの5%以内となる高さ位置に設けてある。これにより、コンデンサ素子の振動に起因する内部モジュールの振動が外側ケースに伝播することを抑制することができる。その結果、コンデンサモジュール全体としての振動の発生を抑制することができ、外部への振動の伝播を抑制することができる。
それ故、かかる位置に上記固定部を設けることにより、コンデンサモジュールの振動の発生、伝播を抑制することができ、振動音の発生を抑制することができる。
上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部の周囲には、他の部位よりも重量の大きい重量増加部を設けてあり、
上記固定部は、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記コンデンサ素子の高さの10%以内となる高さ位置に設けてあることを特徴とするコンデンサモジュールにある(請求項4)。
上記コンデンサモジュールにおいては、上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部の周囲に、上記重量増加部を設けてある。これにより、上記内部モジュールにおいて発生した振動を上記重量増加部において減衰させ、コンデンサモジュールの振動を抑制することができる。
上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部の周囲には、他の部位よりも重量の大きい重量増加部を設けてあり、
上記コンデンサ素子に流れる電流の基本周波数の振動による定在波の波長をλとしたとき、上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部は、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記波長λの5%以内となる高さ位置に設けてあることを特徴とするコンデンサモジュール(請求項6)。
第5の発明は、上記第1〜第4のいずれかの発明のコンデンサモジュールを有することを特徴とする電力変換装置にある(請求項7)。
本発明によれば、振動の発生、伝播を抑制した電力変換装置を提供することができる。
また、上記コンデンサ素子を構成する上記金属化フィルムは、例えば、樹脂フィルム(誘電体)の表面に金属層を蒸着してなる。上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)などからなる樹脂フィルムが挙げられる。また、金属層の金属としては、アルミニウム、亜鉛、これらの合金などが挙げられる。
この場合には、コンデンサ素子の振動に起因する内部モジュールの振動が外側ケースに伝播することを一層抑制することができる。即ち、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記コンデンサ素子の高さの3%以内となる高さ位置は、内部モジュールの振動が一層小さくなる位置である。そのため、かかる位置に固定部を設けることにより、外側ケースへの振動の伝播を一層抑制することができる。
その結果、コンデンサモジュール全体としての振動の発生を一層抑制することができ、外部への振動の伝播を一層抑制することができる。
この場合には、上記重量増加部の体積を比較的小さくすることができる。これにより、コンデンサモジュールのコンパクト化、省スペース化を阻害することなく、上記重量増加部を形成することができる。
この場合にも、上記重量増加部の体積を比較的小さくすることができ、コンデンサモジュールのコンパクト化、省スペース化を阻害することなく、上記重量増加部を形成することができる。
この場合には、上記重量増加部を容易に形成することができる。
これにより、振動の発生、伝播を一層抑制したコンデンサモジュールを提供することができる。
この場合には、更に、振動の発生、伝播を一層抑制したコンデンサモジュールを提供することができる。
これにより、振動の発生、伝播を一層抑制したコンデンサモジュールを提供することができる。
本発明の実施例にかかるコンデンサモジュール及びこれを用いた電力変換装置につき、図1〜図8を用いて説明する。
本例のコンデンサモジュール1は、図1〜図3に示すごとく、金属化フィルム211を巻回して構成されたコンデンサ素子21(図6)とその周囲に充填されたモールド材22とを内側ケース23の内部に配置してなる内部モジュール2(図4)と、該内部モジュール2を内側に収納する外側ケース3(図5)とを互いに固定してなる。
そして、上記内側ケース22は、側面における高さ方向の略中央位置に、固定用突起部231を複数設けてなる。この固定用突起部231を設けた位置が、上記固定部4の位置であり、コンデンサ素子21の高さ方向の中心Cからの距離がコンデンサ素子21の高さHの10%以内となる高さ位置である。
また、図1、図5に示すごとく、上記外側ケース3は、内側ケース22における固定用突起部231に対応する位置に、固定用受け部31を形成してなる。該固定用受け部31は、ボルト42を螺合するネジ孔311が上下方向に形成されている。
また、外側ケース3は、コンデンサモジュール1を車両のエンジンルーム等における取付け部位に固定するための外部取付部32を有する。
なお、外側ケース23が上記電力変換装置のケースの一部となる。
上記コンデンサモジュール1においては、上記内部モジュール2と上記外側ケース3との固定部4は、上記コンデンサ素子21の高さ方向の中心Cからの距離が上記コンデンサ素子21の高さHの10%以内となる高さ位置に設けてある。これにより、コンデンサ素子21の振動に起因する内部モジュール2の振動が外側ケース3に伝播することを抑制することができる。その結果、コンデンサモジュール1全体としての振動の発生を抑制することができ、外部への振動の伝播を抑制することができる。
即ち、図6に示すごとく、上記コンデンサ素子21は金属化フィルム211を巻回して構成されているが、このコンデンサ素子21に電流を流すと蓄積される電荷によって、金属化フィルム211間においてクーロン引力が発生する。そして、電流の大きさが変動したり断続電流が流れたりした場合には、このクーロン引力が時間と共に変化する。これにより、金属化フィルム211の法線方向(図6の矢印Xの方向)、即ちコンデンサ素子21の巻回軸方向(図6の矢印Zの方向)に直交する方向にコンデンサ素子21が振動することとなる。
ここで、コンデンサ素子21が巻回軸方向を高さ方向として配置してあるため、巻回軸方向の振動が高さ方向の振動となる。
それ故、コンデンサ素子21の高さ方向の中心Cでは、高さ方向の振動はなくなり、中心Cから遠ざかるにつれて、ある程度の位置までは振動の振幅が大きくなるものと考えられる。即ち、コンデンサ素子21の高さ方向の振動については、図8に示すごとく、コンデンサ素子21等の剛性によって定まる一定の波長λの定在波Wが生じる。この定在波Wの振幅が、上記中心Cにおいては0となり、中心Cから離れるに従って徐々に大きくなり、定在波Wの波長λの4分の1の位置において、最大振幅となる。
それ故、かかる位置に上記固定部4を設けることにより、コンデンサモジュール1の振動の発生、伝播を抑制することができ、振動音の発生を抑制することができる。
本例は、図9に示すごとく、実施例1におけるコンデンサモジュール1に発生する定在波Wと、コンデンサ素子21における高さ位置hと振幅Dとの関係を測定した例である。
上記定在波Wの検出は、基本周波数10kHzの断続電流を流したときにコンデンサ素子21に生じる周波数10kHzの振動を検出することにより行った。上記コンデンサ素子21は、巻回軸方向の長さが約100mm、長径が約60mm、短径が約33mmである。
また、コンデンサ素子21の各部の振動の振幅を図9の曲線Dに示す。同図に示すごとく、コンデンサ素子21の高さ方向(巻回軸方向)の両端部付近において振幅Dが最大となり、高さ方向(巻回軸方向)の中心Cにおいて振幅Dが0となる。そして、コンデンサ素子21の高さ方向の中心Cからの距離がコンデンサ素子21の高さHの10%以内(即ち中心Cからの距離が上記波長λの5%以内)となる高さ位置は、振幅Dが最大振幅の1/3以下となる。
曲線Eに示すごとく、振動のエネルギーEは、コンデンサ素子21の高さ方向の中心Cからの距離がコンデンサ素子21の高さHの10%となる高さ位置で、最大振幅時の1/10以下に減衰する。さらに上記中心Cからの距離が上記高さHの±3%の高さ位置で、最大振幅時の1/100以下に減衰する。
それ故、かかる位置に内部モジュール2と外側ケース3との固定部4を設けることにより、内部モジュール2の振動を外側ケース3に伝播させることを抑制することができ、ひいては、コンデンサモジュール1の振動を抑制し、外部への振動の伝播を抑制することができることが分かる。
本例は、図10に示すごとく、コンデンサ素子21を、その巻回軸方向を水平方向にして配置したコンデンサモジュール1の例である。
本例のコンデンサモジュール1においては、コンデンサ素子21の高さ方向は、コンデンサ素子21の巻回軸方向と直交する方向となる。
その他は、実施例1と同様である。
それ故、本例の場合にも、上記のような位置に固定部4を設けることにより、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
本例は、図11に示すごとく、内部モジュール2と外側ケース3との固定部4の周囲に、他の部位よりも重量の大きい重量増加部41を設けたコンデンサモジュール1の例である。
即ち、本例においては、固定部4の一部を構成する外側ケース3の固定用受け部31の大きさを大きくすることにより、上記重量増加部41を構成してある。
その他は、実施例1と同様である。
即ち、コンデンサモジュール1における振動の原因は、内部モジュール2におけるコンデンサ素子21の振動にある。そのため、内部モジュール2の振動は、内部モジュール2と外側ケース3との間の固定部4を通じて外側ケース3に伝播し、外側ケース3から外部に伝播することとなる。それ故、この伝播経路である内部モジュール2と外側ケース3との間に上記重量増加部41を配置して、該重量増加部41において振動を減衰させることにより、コンデンサモジュール1の振動の発生、伝播を抑制することができ、振動音の発生を抑制することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図12に示すごとく、他の部位よりも比重の大きい部品をインサートすることによって重量増加部41を構成したコンデンサモジュール1の例である。
即ち、外側ケース3における固定用受け部31の内部に、鉄などからなる比重の大きい雌ネジ部材をインサートすることにより重量増加部41とする。この重量増加部41としての雌ネジ部材には、ネジ孔311が形成されている。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例2と同様の作用効果を有する。
本例は、図13に示すごとく、固定部4の周囲に他の部位よりも比重の大きい部品を貼設することによって重量増加部41を構成したコンデンサモジュール1の例である。
即ち、外側ケース3の固定用受け部31の外周に、鉄などの比重の大きい部品を貼設することにより重量増加部41とする。その他は、実施例1と同様である。
この場合には、上記重量増加部41を容易に形成することができる。その他、実施例2と同様の作用効果を有する。
本例は、図14に示すごとく、内部モジュール92と外側ケース93との固定部94を、コンデンサ素子921の高さ方向の中心Cから大きくずれた位置に設けたコンデンサモジュール9の例である。
即ち、上記固定部94を、コンデンサ素子921の上部付近の側方位置に形成してある。
その他は、実施例1と同様である。
2 内部モジュール
21 コンデンサ素子
22 モールド材
23 内側ケース
3 外側ケース
4 固定部
Claims (7)
- 金属化フィルムを巻回して構成されたコンデンサ素子とその周囲に充填されたモールド材とを内側ケースの内部に配置してなる内部モジュールと、該内部モジュールを内側に収納する外側ケースとを互いに固定してなるコンデンサモジュールであって、
上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部は、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記コンデンサ素子の高さの10%以内となる高さ位置に設けてあることを特徴とするコンデンサモジュール。 - 請求項1において、上記固定部は、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記コンデンサ素子の高さの3%以内となる高さ位置に設けてあることを特徴とするコンデンサモジュール。
- 金属化フィルムを巻回して構成されたコンデンサ素子とその周囲に充填されたモールド材とを内側ケースの内部に配置してなる内部モジュールと、該内部モジュールを内側に収納する外側ケースとを互いに固定してなるコンデンサモジュールであって、
上記コンデンサ素子に流れる電流の基本周波数の振動による定在波の波長をλとしたとき、上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部は、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記波長λの5%以内となる高さ位置に設けてあることを特徴とするコンデンサモジュール。 - 金属化フィルムを巻回して構成されたコンデンサ素子とその周囲に充填されたモールド材とを内側ケースの内部に配置してなる内部モジュールと、該内部モジュールを内側に収納する外側ケースとを互いに固定してなるコンデンサモジュールであって、
上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部の周囲には、他の部位よりも重量の大きい重量増加部を設けてあり、
上記固定部は、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記コンデンサ素子の高さの10%以内となる高さ位置に設けてあることを特徴とするコンデンサモジュール。 - 請求項4において、上記固定部は、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記コンデンサ素子の高さの3%以内となる高さ位置に設けてあることを特徴とするコンデンサモジュール。
- 金属化フィルムを巻回して構成されたコンデンサ素子とその周囲に充填されたモールド材とを内側ケースの内部に配置してなる内部モジュールと、該内部モジュールを内側に収納する外側ケースとを互いに固定してなるコンデンサモジュールであって、
上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部の周囲には、他の部位よりも重量の大きい重量増加部を設けてあり、
上記コンデンサ素子に流れる電流の基本周波数の振動による定在波の波長をλとしたとき、上記内部モジュールと上記外側ケースとの固定部は、上記コンデンサ素子の高さ方向の中心からの距離が上記波長λの5%以内となる高さ位置に設けてあることを特徴とするコンデンサモジュール。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のコンデンサモジュールを有することを特徴とする電力変換装置。
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