JP4576046B2 - シラン処理コロイド状シリカを作成するためのプロセス - Google Patents
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Description
(発明の分野)
本発明は、例えば、細胞分離用の密度勾配培地(medium)として有用であるシラン処理コロイド状シリカ調製のためのプロセスに関する。
【0002】
(参考文献)
Ausubel,F.M.ら,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley and Sons,Inc.,Media PA(1988)。
【0003】
(発明の背景)
シラン処理コロイド状シリカ調製は、種々の産業上の用途に使用され、これには、例えば、磨耗抵抗コーティングの生成、ゼログラフィートナー材料、および生物学的物質の密度勾配分離が挙げられる。
【0004】
コロイド状シリカは、シラン処理のために最適である(必ずしもそうでない場合)条件下(例えば、酸性pH)で生来、不安定であるので、シラン処理コロイド状シリカの調製は困難であり得る。このような酸性条件下では、シリカはしばしば、「ゲル化」するか、またはその懸濁特性を失って半固体のゼリー様物質を形成する。より中性またはアルカリpH条件では、恐らくシランの自己縮合のため、シラン処理は効率的に進行しない。いくつかの適用(例えば、抗磨耗コーティング)のためには、シリカ粒子を懸濁状態に保つことは重要ではないが、他の適用のためには(例えば、密度勾配材料)、懸濁物のコロイド状特性を保つことが重要である。
【0005】
種々の方法が、シラン処理のこの認識された問題を回避するために考案された。一つの方法に従って、シラン処理は、水の非存在下で有機溶媒の存在下で実施されるが;しかしながら、このような有機溶媒は、調製物から除去するのが困難であり、これらはその適用に対して毒性であるかさもなければ有害であり得るので、多くの適用(例えば、密度勾配材料)には望ましくない。
【0006】
シリカ粒子をシラン処理するための別の公知方法は、触媒を使用する。これはまた、望ましくない、潜在的に毒性の物質を調製物に添加する問題を有する。さらに、調製物への有機溶媒および/または触媒の添加は、潜在的により高いレベルの毒性廃棄物を生み出し、これは、その国のますます限られた区域で処理されなければならない。それゆえ、水溶性で環境に安全な試薬および中間体を利用する利用可能な代替の生成法を持つことが有益である。
【0007】
米国特許第4,927,750号は、細胞に対して比較的無毒性である有機シラン処理(organosilanized)コロイド状シリカを調製する方法を記載しているが;しかしながら、この調製法には、混合物を比較的高温(75℃)に維持しながら、コロイド状シリカへシランを「滴下」するかまたは数時間に亘って徐々に添加する工程を含む。この方法は、多くの時間を要し、それ自体で容易にはバルク製造法に向かない。この方法は、アルカリ条件下で実施され得るが、シリカへのシランの添加は徐々にでなければならないことが強調される。さらに、前述の方法からのわずかな逸脱が、この懸濁物のゲル化を引き起こし得、上記のように、特定の適用のためには使用できないものとしている。
【0008】
本発明は、先行技術の方法を使用してなされる調製に固有の多くの問題(例えば、調製の不安定性、有機溶媒および他の毒性中間体の存在、および毒性の副生成物および廃棄物の生成)を解決する。すなわち、先行技術の方法に従って水溶性調製物は、有機シラン(organosilane)とコロイド状シリカとの労を惜しまないゆっくりした混合によってのみ調製され得;さもなければ、この懸濁物は沈殿する。あるいは、この調製は有機溶媒を使用してなされる得るが;しかしながら、このような試薬の使用は、例えば生体物質の調製における、特定の使用のためのコロイド状シリカ組成物には望ましくない。このような試薬の使用は、危険な廃棄物生成を最小化する見地からも特に望ましくない。
【0009】
本発明はそれゆえ、水性条件下でシリカのシラン処理を可能とする有機シラン処理コロイド状シリカ粒子を調製するための方法を提供することにより、従来技術の方法に固有の問題を克服し、これは、バルク製造プロセス用に容易にスケールアップされ得る。得られたシラン処理コロイド状シリカ調製物は極めて安定であり、そして培地の殺菌のために所望されるように、複数サイクルのオートクレーブ処理および/またはγ照射後でさえ、可溶性相に残る。この処方物は、ゲル化または沈殿することなく生理学的塩溶液に懸濁され得るので、動物細胞の調製での使用に特に良く適している。さらに、それは、レシピエント患者に有害反応を誘起しなく移植用のヒト細胞を処理するために使用され得るという知見により立証され得るように、このような細胞には比較的無毒性である。
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、水性条件下で安定な有機シラン処理コロイド状シリカ懸濁物の調製のための新規で環境に安全な方法に関する。この方法は特に、有機シラン処理コロイド状シリカ粒子のバルク調製に適している。
【0011】
この有機シラン処理コロイド状シリカ懸濁物を作成するための主要な試薬が、従来技術の方法で必要であるゆっくりとした注入または滴下に頼ることなく、かなり速い様式で共に混合され得ることが本発明の発見である。これは、この有機シラン試薬のpHが約2〜3の範囲内となるよう調整され、そしてこの試薬が約1時間、約80℃にさらに加熱される場合に可能である。次いで、このように処理された有機シランにコロイド状シリカ懸濁物が添加されて、約5%と約10%との間の有機シランの最終濃度を有する有機シラン−コロイド状シリカ混合物を形成する。この有機シラン−コロイド状シリカ混合物のpHは、約6.0より高いpH、好ましい実施態様では6〜7の範囲のpH、さらに詳細にはpH6.2〜6.5に調節される。この懸濁物は次いで、安定なコロイド状懸濁物を生成するのに有効な時間の間「硬化」される。好ましい実施態様に従って、硬化は、例えば、少なくとも約80℃まで加熱することによるか、または紫外線照射により達成される。このような安定な懸濁物は、生理学的な塩または酸の存在下で沈殿形成のないことにより立証される。
【0012】
好ましい実施態様では、この有機シランは一般式:(X)3−Si−(CH2)3−Yを有し、ここで
Yは、以下からなる群から選択される:
【0013】
【化3】
−O2CCH3、−N(CH2CH2OH)2、−CO2CH3、−NH(CH2)2NH(CH2)2CO2CH3、NHCOCH2NHC(CH3)O、
【0014】
【化4】
この実施態様に従って、XはH3CO、ClおよびH5C2Oからなる群から選択される。
【0015】
さらに別の好ましい実施態様では、この有機シランはγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランである。
【0016】
さらに好ましい実施態様では、この反応のpH範囲は、約6.0〜約7.0;好ましくは6.2〜6.5の範囲である。
【0017】
コロイド状シリカ懸濁物を作成するシリカ粒子は、コロイド状懸濁物の維持と両立する任意の大きさの範囲であり得;好ましい大きさの範囲は、約3〜約12nmの直径、なおさらに好ましくは約7〜12nmの直径を含む。
【0018】
本発明の重要な特徴に従って、シリカ懸濁物の安定性は、繰り返しオートクレーブ処理に対する耐性およびγ放射線処理に対する耐性、ならびに生理学的濃度の塩(例えば、0.9%塩化ナトリウム(生理食塩水))の存在下での安定性によりにより立証される。上述の製造プロセスはまた、試薬および成分が水溶性であるので、環境に対して比較的無毒性である。得られた組成物はまた、シラン処理コロイド状シリカに懸濁された細胞に対して比較的無毒性である。
【0019】
本発明のこれらのおよび他の目的および特徴は、以下の発明の詳細な説明が添付の図面と関連して読まれるとさらに全体が明らかとなる。
【0020】
(発明の詳細な説明)
(I.定義)
「コロイド状シリカ」とは、水に溶解したSiO2からモノケイ酸の重合により通常形成されるコロイド状シリカ粒子の水性懸濁物のことを言う。
【0021】
「有機シラン処理コロイド状シリカ(OCS)粒子」とは、有機シランコーティングに共有結合的に連結されるコロイド状シリカ組成物のことを言う。米国特許第4,927,749号は、有機シラン処理コロイド状シリカ調製の説明のために、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0022】
本明細書中で使用される用語「安定なシラン処理コロイド状シリカ懸濁物」とは、上記に従って有機シラン処理され、数日間の間、あるいは1回以上のオートクレーブ処理またはγ照射への露出後、pH、浸透圧重量モル濃度および密度に関して組成的安定性を有することでさらに特徴づけられるコロイド状シリカ粒子のことを言う。安定なコロイド状シリカ懸濁物は、このような処理後、沈殿または「ゲル化」のないことにより立証される。このような安定な懸濁物はまた、生理学的塩濃度(例えば、0.9重量/容積%の塩化ナトリウム)の存在下または添加後、安定に残り、約5〜6のpHを生成する酸の添加に対して安定である。対照的に、生理学的塩または十分な酸が不安定な溶液に添加される場合、ゲル化または沈殿が起こり、先の透明な懸濁液が白色または不透明になることにより立証される。
【0023】
本明細書中で使用される用語「ゾル」とは、液状コロイド、懸濁液、または固体粒子が液体相に安定に分散している混合物のことを言う。
【0024】
本明細書中で使用される用語「ゲル」とは、固体中の液体のコロイド状懸濁物のことを言い、ゼリー様物質はゾルというよりもむしろ固体形態を形成する。
【0025】
細胞に対して「無毒性」という用語は、生存細胞数を約20%より多く減少させることなく、物質が少なくとも30分間、生物学的細胞の懸濁物と密接に接触され得るということを意味する。好ましくは、このような生存細胞はまた、機能性であり、適切な機能性アッセイにより評価される。細胞毒性および機能性を測定する方法の例は、本明細書中の実施例3〜5に提供される。
【0026】
(II.安定なシラン処理コロイド状シリカ懸濁物の調製法)
上記に要約したように、シラン処理コロイド状シリカ粒子を形成するための従来技術の方法は、以下の2つの大きな反応条件のセットのひとつ:(1)水性環境中で、反応が酸性のpH(約pH 5.5)で実施され、ここで、ゾルのゲル化を防ぐため、シランが水性コロイド状シリカ「ゾル」に滴下様式または非常にゆっくりとした注入として添加されるか、または(2)反応が有機溶媒中で実施されるか、のいずれかを利用する。この反応は、両一般法において、化学合成中に「硬化」または安定化される。
【0027】
上記に記載したように、有機溶媒の使用は一般に、毒性または毒性廃棄物の心配のため、多くの適用で望ましくないと考えられる。特に、生物学的画分の密度ベースの分離用物質の調製の関係では、有機溶媒の含有は一般に、細胞毒性の原因となる。水性条件下でのコロイド状シリカのシラン化のための公知方法は一般に、この物質の工業的生産のため必要とされる大容量の型には面倒でありそして非常に時間を要し;さらに、これらの方法を使用してさえ、生成物のゲル化が起こり得る。
【0028】
本発明の主題である方法は、試薬の冗長でゆっくりとした(滴下)添加の必要性を除去し、安定で、生物学的材料(例えば、下記のセクションIVで示されるような細胞)に対して無毒性であるシラン処理生成物を生成する。従来技術は有機シラン処理組成物が水性条件で不安定であるということを示唆するので、本発明の方法は、安定な水性組成物を形成するための環境に安全な方法を提供することにより、有意な改善を提供する。
【0029】
任意の特定の理論に委ねることなしに、本発明のプロセスは、シリカ粒子の表面上のシラノール基とシラン基の反応性部分との間の初期のシロキサン結合形成となり、このシリカ粒子への有機シランの結合は、硬化プロセス(これは、約1〜数時間の間、比較的高い反応温度(約80℃より高い)に反応をさらすことを含む)を経てさらに強化されると考えられている。この反応は、例として有機シランのγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランを使用して、図1に示される。
【0030】
実施例1は、シラン化剤としてγ−グリシドオキシプロピル−トリメトキシシラン(GPMS)を使用して実施され得る本発明の方法の詳細を提供する。本発明の方法は、溶液中でシロキサン結合を形成するのに十分な反応性を有する任意のまたは全ての有機シランに容易に適用され得ると理解される。表1は、本発明の組成物を形成するのに使用され得る例示的な有機シランのリストを提供する。本発明の方法は、有機シラン試薬としてGPMSを使用して例示されるが、反応時間および条件の最適化は、選択される特定の試薬に依存し;そのような最適条件を決定するのは専門家の技術の範囲内にあると理解される。
【0031】
実施例1は、生物学的分離培地の調製に適した有機シラン処理コロイド状シリカ粒子のためのGPMSの使用を例示する。ここで、GPMSは、最初に水に添加されて約10%の最終濃度を有する溶液を形成する。本発明の重要な特徴に従って、この溶液は、酸の添加のより酸性(pH約2.5)にされ、次いで、60分間、80℃まで加熱される。この溶液は次いで、室温まで冷却される。コロイド状シリカは、シランの総濃度が5〜10%、好ましくは約6〜8容積/容積%の範囲となるまで、連続的に撹拌しながらシラン水溶液に添加される。シランシリカ混合物のpHは、6.2〜6.5に調整され、この溶液は、約15〜30分間、室温で撹拌される。
【0032】
先の調製工程に使用されるシランは、任意の多数のシラン化合物であり得る。シラン選択の重要な特徴は、この化合物が水性条件下で可溶性であることである。従って、GPMSに加えて、適切な有機シランには米国特許第4,927,749号(DORN)(本明細書中で参考として援用される)に列記されたものが挙げられるが、これらに限定されない。表1は、本発明に使用され得る種々のシランの例を提供するが;しかしながら、本発明は表1の列挙により限定されない。
【0033】
(表1)
試薬修飾コロイド状シリカを調製するため使用され得る有機シラン
【0034】
【表1】
好ましくは、本発明の方法は、式RSi(OR1)3を有するトリアルコキシシランを使用し、ここで、R1基は、典型的には1〜約20の炭素原子の脂肪族またはアリール有機ラジカル(例えば、n−ブチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、t−ブチル、3−ブテニル、フェニルなど)である。本明細書中でGPMSにより例示されるこれらの化合物は、例えばジアルコキシシランおよびモノアルコキシシラン(これらもまた使用され得る)に比べて、高い反応性を有するため、好ましい。例示的なトリアルコキシシランは、米国特許第4,644,077(Gupta)に列記され、本明細書中で参考として援用される。
【0035】
このコロイド状シリカ出発物質は好ましくは、約1〜約5000nmの大きさの範囲のシリカ粒子の水性懸濁物を含有するコロイド状シリカ粒状組成物であり;細胞分離材料を調製する目的には、3〜22nm、特に7〜10nmの大きさの範囲の粒子が望まれる。例示的な出発物質は、本明細書中の実施例1に記載される、DuPontにより作られる「LUDOX HS−40」である。
【0036】
上記のように、本発明の根本の機構に委ねることなしに、粒子と添加されたシラン試薬との間の結合形成は、さらなるシロキサン結合、分子間結合などの形成によるか、またはそれに続く「硬化」プロセスのいずれかにより、強化されると考えられる。典型的には、このような硬化は熱処理;例えば、本明細書中の実施例1に記述されるように、懸濁物を60分間、80℃まで、続いて3時間、95℃まで加熱することによりもたらされる。しかしながら、代替としてまたはさらに、硬化は、例えば、米国特許第4,822,828号(本明細書中で参考として援用される)に記載されるように紫外光処理によりもたらされ得る。例えば、硬化プロセスの完全性を保証するため、加熱措置に続いて紫外光に曝露される。他の適切なそして等価な硬化プロセスは、当業者には明らかである。
【0037】
(III.シラン処理粒子の安定性)
本発明の重要な局面に従って、特許請求の範囲の製造方法に従って調製されたシラン処理粒子は特に、標準的なオートクレーブ条件(121℃、2.1Bar、30分間)により課せられるような高温、および約2.5メガラドと4.0メガラドとの間の線量を供給するγ放射線のようなイオン化放射線に対して安定である。安定性は典型的には、下記に記載されるような処置前後の調製物のpH、浸透圧重量モル濃度および密度のような物理的パラメータを比較することにより測定される。安定性はまた、塩または酸を懸濁物に添加して、それぞれ生理学的塩濃度(0.9%重量/容積の塩化ナトリウム)または約5〜6のpHを生成することにより評価される。このような添加がなされる場合、安定な懸濁物は沈殿または「ゲル化」せず、一方、不安定な懸濁物は、沈殿またはゲル化のため白色または不透明になる。
【0038】
図2Aおよび2Bは、有機シラン処理コロイド状シリカの測定した密度に対する繰り返しオートクレーブ処理(2〜4サイクル、各120℃、30分間)の影響を示す。示されるように、生理学的塩の非存在下または存在下では、懸濁物の密度は一定であった。
【0039】
同様に、懸濁物の浸透圧重量モル濃度およびpHは、2〜4サイクルのオートクレーブ処理(図3A、3B、4A、4B)後、塩の非存在下または存在下で一定であった。これらの実験では、懸濁物の初期および最終条件は次の通りであった:密度1.0605g/ml、pH7.4、浸透圧重量モル濃度280mOsm(+塩)。このような物理化学的パラメータは、特定の型の有用な細胞(例えば、造血系前駆細胞、リンパ球、樹状細胞、間葉細胞など)を単離するため使用される。
【0040】
本発明の支持のもと実施されるさらなる実験において、本発明の方法に従って調製されるシラン処理コロイド状シリカはまた、特に2.5〜4.0メガラドの範囲の放射線に対して安定であることが見出された。これは、例えば、生物学的細胞の単離のための溶液の最終殺菌に従来使用される線量の範囲に相当する。
【0041】
(IV.シラン処理コロイド状シリカの生物学的適合性)
密度勾配遠心分離による細胞の分離は、バイオテクノロジーにおいてポピュラーな技術である。この方法は、細胞がそれらの浮遊密度に従って規定の密度の培地中に分配するという現象を利用する。種々の密度勾配材料が、このような分離のために使用され、これにはコロイド状シリカベース培地が含まれる。
【0042】
密度勾配分離に通常使用されるコロイド状シリカベース密度培地の例は、「PERCOLL」(Pharmacia Fine Chemicalsの登録商標、Piscataway、NJ)である。PERCOLLは、ポリビニルピロリドンコーティングを有するコロイド状シリカ粒子の安定な懸濁物である。PERCOLLは生理学的pHではかなり安定であるが、生理的条件下で(例えば、生理学的塩溶液中で希釈された場合)加熱またはイオン化放射線を使用する殺菌に対して不安定である。これらの性質は、最終的に殺菌された材料が必要であるヒトまたはその他への分離細胞の再導入を含む臨床適用の関係に特に、この生成物の有用性を限定する。
【0043】
米国特許第4,927,749号は、上記で議論した問題のいくつかを克服する密度勾配分離用の有機シラン処理コロイド状シリカ(OCS)粒子(OCSP)調製物を提供する。この培地は、PERCOLLに対して、特にこの培地が殺菌された後、細胞、特に「稀な」血球(例えば、造血系前駆細胞、幹細胞、抗原特異的リンパ球、間葉細胞など)に対して非常に低毒性である利点を有する。しかしながら、上で述べたように、米国特許第4,927,749号に記載された調製方法には調製物へのシランのゆっくりとした添加を含み、これはバルク生成法のためには実用的ではなくかつ高価である。
【0044】
シラン処理コロイド状シリカ粒子調製物が上記に記載した方法を使用して作成され得、そしてこの調製物が下記に記載されるような生物学的調製物、特に単離血球画分に対して同様に無毒性であるということが本発明の発見である。反対に、上記議論のように、従来技術の生成物は、調製するのがしばしば困難であり、殺菌に対して不安定であり、そして/または細胞に対して毒性である。
【0045】
図5は、本発明の方法に従って調製されるコロイド状シリカを処理後、血液試料の界面に存在する種々の型の細胞の回収%を示す。簡単には、PBMCは、遠心分離管中で、密度1.0605、pH7.4、280mOsmを有する有機シラン処理コロイド状シリカの頂部に載せられ、実施例2に記載したように遠心分離された。細胞は、充填材料と密度勾配材料との間の界面から回収され、実施例4に詳述されるような染色およびFACS分析手順を使用して細胞型について分析された。図5に示したように、使用した条件下で期待されるように、CD34+細胞およびCD14+細胞が、単離した細胞の優勢形態であった。
【0046】
さらなる実験は、有機シラン処理コロイド状シリカと共に24時間インキュベートされた場合でさえ、造血系前駆細胞が生存していることを示した。図6は、CD34+細胞を、緩衝液(PBS)、コロイド状シリカ(cs)または胎児ウシ血清(FCS)と共に30分間および24時間インキュベートし、次いで生存率について試験した結果を示す。示したように、コロイド状シリカと共にインキュベートした細胞は、緩衝液または胎児ウシ血清と共にインキュベートした細胞と同様に生存した。
【0047】
実施例3に詳述したさらなる研究では、種々の細胞型の機能残存率を、PBSまたはコロイド状シリカに対して30分間;PBSまたはコロイド状シリカに対して30分間、続いて細胞増殖培地(Iscove緩衝液+血清)に対して24時間;あるいは血清の存在下にPBSまたはコロイド状シリカに対して24時間、曝露した後、測定した。図7に示したように、機能残存率(生物学的、増殖性および分化の能力)を、実施例5に記載したようにコロニー形成アッセイにより評価した。データは、最も過酷なインキュベーション条件下でさえ、コロニー形成の特性がCD34+細胞に関して変化しなかったことを示す。
【0048】
哺乳動物種において本発明の支持のもと実施されたインビボ毒性試験はまた、静脈内または皮内に投与した場合、この生成物が明らかに無毒性であることを示した。このように、この生成物は、哺乳動物種(例えば、幹細胞移植における)への導入のための細胞の分離および調製における使用に適切であり得るさらなる利点を有する。
【0049】
本発明はまた、水溶性の比較的無毒性の調製材料を使用して実施されるので、コロイド状シリカ物質を調製する環境に安全な方法を提供する。
【0050】
以下の実施例は本発明を例示するが、決して本発明を限定することを意図しない。
【0051】
(材料)
(A.末梢血前駆細胞の調製)
非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫(HL)および乳癌患者からアフェレーシスにより採取した末梢血単核細胞(PBMC)を、Stanford University School of Medicine(Palo Alto、CA、USA)のBone Marrow Transplantation Laboratoryから得た。PMBCを、NHL患者においてシクロホスファミド(cyctophosphamide)(4g/m2、静脈内)、続いてG−CSF(10μg/kg、静脈内、毎日)で処置することにより動員した。PBMCを、乳癌患者においてVP−16(2g/m2、静脈内)、続いてG−CSF(10μg/kg、静脈内、毎日)で処置することにより動員した。PBMCを、HL患者においてG−CSF単独で処置することにより動員した。
【0052】
(B.抗体)
造血系前駆細胞(CD34、抗HPCA−2)および白血球(CD45、抗HLe−1)に特異的な表面抗原に対して向けられるモノクローナル抗体(mAb)を、Becton Dickinson,Inc.(San Jose、CA)から得た。種々のmAbを、標準的な方法(Ausubelら、1993)に従って、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)またはフィコエリトリン(PE)を用いて直接標識した。PE標識アイソタイプコントロールIgG1ポリクローナル抗体をBecton−Dickinson Inc.(San Jose、CA)から得た。
【0053】
以下の実施例は本発明を例示するが、決して本発明を限定することを意図しない。
【0054】
(実施例1)
(シラン処理コロイド状シリカの調製)
γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン(GPMS;United Chemicals、Bristol、PA)を水に添加し、10%の最終濃度を有する溶液を形成した。pHを、連続的に撹拌しながら1N HClを用いて2.5まで低下させた。この溶液を60分間、80℃まで加熱し、次いで室温まで冷却した。コロイド状シリカ(Ludox HS−40、DuPont Chemicals、Wilmington、DE)を、シランの総濃度が7容積/容積%となるまで、連続的に撹拌しながらシラン水溶液に徐々に添加した。シランシリカ混合物のpHを6.2〜6.5に調整し、そしてこの溶液を室温で15分間撹拌した。この溶液を、次いで80℃で60分間、続いて95度で3時間加熱した。この溶液を室温まで冷却し、pHを1N NaOHを用いてpH9〜10まで上昇させた。このシラン処理コロイド状シリカ調整物を活性炭カラムを通して通過させて反応副生物を除去した。
【0055】
(実施例2)
(密度勾配遠心分離)
PBMCをピペットを使用して密度勾配溶液上に積み重ね(layer)た。この積み重ねは、試料と溶液との混合を避けるためゆっくりと実施した。チューブあたり最大2×109細胞を積み重ねた。遠心分離を、室温において850gで30分間実施した。この細胞と密度勾配溶液の混合を防ぐため、遠心分離は制動力無しに停止させた。この細胞を、界面に位置した低密度画分と、ペレットを形成する高密度画分とに分けた。両方の細胞画分をピペットを使用して集め、別の50mlのポリプロピレン遠心分離管に注いだ。これら細胞を、1回洗浄し、さらなる操作まで室温でCa++およびMg++フリーのDulbeccoのD−PBS中に保存した。両細胞画分中の造血系前駆細胞(CD34+細胞)の数および機能を、図5および7にそれぞれ示したように、FACS分析およびクローン原性アッセイにより決定した。
【0056】
(実施例3)
(インビトロ毒性)
これらの実験の目的は、密度勾配溶液中でのヒト抹消血の混合およびそれに続くインキュベーションの影響を評価することである。この研究の目的は、密度勾配溶液がヒト造血系幹細胞の生存率および機能になんらかの影響があるかどうかを決定することであった。6つの異なる混合およびインキュベートの代表的な例を、下記に概略したようにこれらの実験で使用した。
【0057】
詳細には、3×107細胞を、15mlのポリプロピレン遠心分離管中の5mlの試験緩衝液または密度勾配溶液に懸濁した。これらのサンプルを次いで、下記の表2に示したように、室温で所定の時間インキュベートした。細胞を30分間、30分間続いて細胞培養培地(Iscove緩衝液+10%胎児ウシ血清)中で24時間、または24時間インキュベートした。細胞を集め、造血系コロニー(CFU−E、BFU−E、CFU−GMおよびCFU−GEMM)を形成する能力についてスクリーニングした。PBMC試料の容積を測定し、そして2本の50mlの遠心分離管のそれぞれの中にその容積の半分を入れることにより、さらなる評価を行った。細胞試料を次いで、1×D−PBS(Ca++、Mg++フリー)を使用して総容積50mlに再懸濁した。1つの管を550gで10分間遠心分離し、上清を捨てた。ペレットをCD34濃縮(Enrichment)溶液を使用して元の容積(ml)まで再懸濁した。各アリコート中の細胞を次いで計測した。
【0058】
【表2】
(実施例4)
(FACS分析によるCD34+細胞の染色手順および定量化)
CD34+細胞の定量化をFACS分析により実施した。細胞を核色素を用いて標識し、mAbをCD34およびCD45に向けた。CD34細胞の割合を有核細胞のゲートで決定した。このアプローチを、FACSにおけるCD34細胞分析の精度での非核粒状物質の妨害を避けるため、選択した。
【0059】
2×107細胞/mlの細胞懸濁液をCa++およびMg++フリーD−PBS中で作成した。この細胞懸濁液の50μlを96ウェルのマイクロタイタープレートのウェルに、1×106細胞/ウェルの濃度で播種した。20%熱不活性化ウサギ血清/D−PBS溶液の50μlを次いで各ウェルに添加し、続いて10μg/ml LDS溶液の10μlおよび75μl/D−PBS溶液を各ウェルに添加した。各ウェルの内容物を混合した。このマイクロタイタープレートをホイルで覆い、室温で30分間インキュベートした。各コントロールウェルに20μl IgG1−フィコエリスリン(IgG1−PE)および20μl CD34−PEを添加し、続いて混合した。このプレートをホイルで再度覆い、4℃で15分間インキュベートした。次いでプレートを、4℃、850gで2分間遠心分離した。プレートを次いで素早くフリックして(flick)上清を除去し、続いて各細胞ペレットを200μlの冷(4℃)1×DPBS(Ca++およびMg++フリー)中に再懸濁した。プレートを、4℃、850gで5分間遠心分離し、次いで素早くフリックして上清を除去した。各細胞ペレットを50μlの20%熱不活性化ウサギ血清溶液に再懸濁した。20μl CD45−FITCを各コントールおよび試験ウェルに添加し、続いて混合した。プレートをホイルで覆い、4℃で30分間インキュベートした。冷(4℃)1×D−PBS(Ca++およびMg++フリー)の100μlアリコートを全てのコントロールおよび試験ウェルに添加した。各プレートを4℃、850gで5分間遠心分離し、続いて素早くフリックして上清を除去した。細胞ペレットを100μlの冷(4℃)1×D−PBS(Ca++およびMg++フリー)に再懸濁し、続いて4℃、850gで5分間遠心分離した。プレートを次いで素早くフリックして上清を除去し、そして各細胞ペレットを200μlの1%パラホルムアルデヒド(4℃)に再懸濁した。プレートをホイルで覆い、FACS分析まで4℃で放置した。
【0060】
FACS分析を、LYSYS IIプログラムを備えたFACSStar Plusシステム(Becton Dickinson,Inc.)を使用して104フローイベントで実施した。ゲート(Region1)を、FL3中で染色するLDS 751により決定した有核細胞の回りに配置し、赤血球、血小板および残骸(debris)をゲートアウトした。FL1およびFL2を、Region1を使用する点のプロットとして表示した。ゲート(Region2)を、抗CD−45および抗CD−34mAbの両方で染色する細胞群の回りに配置した。抗CD−34(FL2)および抗CD−45(FL1)mAbで染色する細胞の割合をRegion2で決定した。これは、有核細胞総数におけるCD34陽性コイル%を示す。非処理試料、およびPBMC試料を密度勾配溶液で処理後、界面およびペレットから得た細胞画分中のCD34陽性細胞の総数を決定した。
【0061】
(実施例5)
(コロニー形成(CFU)アッセイ)
細胞を、種々のコロニー刺激因子およびエリスロポイエチン(MethoCult(登録商標)H4433培地、Terry Fox Laboratories、Vancouver)を含有する半固体メチルセルロース1mL中、105細胞で混合した。37℃で14日間培養後、赤血球系(CFU−E、BFU−E)、顆粒球/マクロファージ(CFU−GM)および混合(CFU−GEMM)コロニーを、倒立顕微鏡(×40)下でカウントした。
【0062】
(実施例6)
(統計分析)
細胞の回収率%を以下の式により決定した:
【0063】
【数1】
CD34細胞の回収率%を以下の式により決定した:
【0064】
【数2】
クローン原性細胞の回収率%を以下の式により決定した:
【0065】
【数3】
本発明は特定の方法および実施態様に関して記載されるが、種々の改変および変化が本発明から逸脱することなくなされ得ると理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、コロイド状シリカ粒子の表面上のシラノール基のシラン処理のための反応順序を示す(実施例1);
【図2】 図2Aおよび2Bは、塩の非存在下(2A)および存在下(2B)で本発明の方法に従って調製されたコロイド状シリカの測定した密度に対する繰り返しオートクレーブ処理の影響を示す;
【図3】 図3Aおよび3Bは、塩の非存在下(3A)および存在下(3B)で本発明の方法に従って調製されたコロイド状シリカの測定した浸透圧重量モル濃度に対する繰り返しオートクレーブ処理の影響を示す;
【図4】 図4Aおよび4Bは、塩の非存在下(4A)および存在下(4B)で本発明の方法に従って調製されたコロイド状シリカの測定したpHに対する繰り返しオートクレーブ処理の影響を示す;
【図5】 図5は、本発明の方法に従って調製されたコロイド状シリカの処理後、試料の界面に存在する種々の種類の細胞の回収%を示す;
【図6】 図6は、本発明の方法に従って調製されたコロイド状シリカの存在下または非存在下でインキュベートした細胞の生存%を示す(実施例3);そして
【図7】 図7は、異なる条件下で調製された細胞(コロニー形成単位;CFU)の回収%を示す(実施例3)。
Claims (8)
- 水性環境における安定な有機シラン処理コロイド状シリカ懸濁物のバルク調製方法であって、該方法は以下:
2〜3の範囲のpHを有し、そして1時間、80℃に加熱された有機シラン水溶液を提供する工程;
該有機シラン溶液にコロイド状シリカ懸濁物を添加して、5%と10%との間の有機シランの最終濃度を有する有機シラン−コロイド状シリカ混合物を形成する工程;
該有機シラン−コロイド状シリカ混合物のpHを6.0より高いpHに調整する工程;
生理学的な塩または酸の存在下で沈殿形成のないことにより立証される安定なコロイド状懸濁物を生成するのに有効な時間、(i)該懸濁物を少なくとも80℃で少なくとも1時間加熱するか、または(ii)該懸濁物を紫外線照射に暴露するかの少なくとも1つをおこなう工程、を包含し、
ここで、該得られた安定なコロイド状シリカ懸濁物が水溶性かつ細胞に対して無毒性である、方法。 - 前記安定な有機シラン処理シリカ懸濁物が、オートクレーブまたはγ放射線処理の2〜4サイクルの前後において一定のpH、等張性および密度を維持することにより特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
- 前記有機シランが式:(X)3−Si−(CH2)3−Yを有する、請求項1に記載の方法であって、ここで、Yが、以下
- 前記有機シランがγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランである、請求項1に記載の方法。
- 前記有機シラン−コロイド状シリカ混合物の前記pHが6.0〜7.0の範囲のpHに調整される、請求項1に記載の方法。
- 前記pHが6.2〜6.5の範囲である、請求項5に記載の方法。
- 前記コロイド状シリカ懸濁物が直径3〜12nmの大きさの範囲のシリカ粒子を含むことにより特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
- 前記シリカ粒子が直径7〜12nmの大きさの範囲により特徴付けられる、請求項7に記載の方法。
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