JP4575577B2 - 硬化性組成物及び硬化体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭ガス化スラグを含有し、耐酸性と施工性に優れた硬化性組成物及びその硬化体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐酸コンクリートとしては、高炉水滓スラグ粉末にアルカリ金属塩等を刺激剤として加えて硬化させたアルカリスラグコンクリートが知られている。ここで用いられる高炉水滓スラグは、銑鉄製造工程で得られ、通常CaO/SiO2のモル比が1.3以上であるといわれている。また、斯かる高炉水滓スラグ粉末と水ガラスを用いたコンクリートは、硬化体中に酸に弱い遊離のCa(OH)2が全く生成されないために、普通セメントコンクリートに比べて耐酸性が強いと言われている。しかしながら、水ガラスと高炉スラグを用いると、高炉スラグはCaOの含有量が多いため硬化体中にはシリカゲルの他にC−S−H(CaO−SiO2−H2O)ゲルも多量に生成し、このC−S−Hゲルは、酸には弱いため結果として耐酸性はさほど大きくならず、また硫酸はC−S−Hゲルと反応し、石膏のような膨張性物質を生成するため、硬化体が膨張応力によって破壊されることがあった。
【0003】
そこで、下水汚泥焼却物やゴミ焼却物等の廃棄物の非結晶溶融スラグ粉末(CaO/SiO2のモル比が0.1〜1.2)、水ガラス及び骨材を含有するセメント組成物が優れた耐酸性を有するものとして考案されたが(特開平10−218644号公報)、このようなセメント組成物を用いたモルタル等は、粘性は高いが流動性もあるため、壁面、天井部に施工すると流れ落ちる場合がある。また薄く塗り付けることができても、硬化後に著しいひび割れが発生する等、寸法安定性と施工性の点で必ずしも充分ではなかった。
【0004】
斯かる状況の下、本発明者らは、廃棄物溶融スラグ等を包含するCaO/SiO2のモル比が0.1〜1.2である溶融スラグ粉末と水ガラスとアルミナセメントのそれぞれを一定割合で含有する硬化性組成物を用いると、施工性がよく、優れた耐酸性を有する硬化体が得られることを見出し、先に特許出願した(特願2000−34826)。
【0005】
しかし、下水汚泥やゴミ等の廃棄物溶融スラグは厚生省の「一般廃棄物の溶融固化物の再生利用に関する指針」における目標値を満足する場合が多いが、多くの重金属が含まれるため、使用上環境面を考慮した対策の必要があるとともに、ゴミ溶融スラグには金属アルミが含まれるケースが多く、金属アルミが珪酸アルカリと反応して発生する水素ガスが硬化体の膨張を引き起こすなどの問題があり、更に下水スラグについては、その国内総排出量は平成8年度において4万トンにすぎず、供給面においても問題を残していた。また、廃棄物溶融スラグはその発生量が少ないため、多量のスラグを集めた場合、CaO/SiO2の量比のばらつきが大きくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、耐酸性、施工性に優れると共に、安定供給でき且つ環境面でも安全な硬化性組成物及び硬化体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
斯かる実情に鑑み本発明者らは、更に検討した結果、石炭ガス化複合発電により生じる石炭ガス化スラグ粉末が、CaO/SiO2比のばらつきが小さく、重金属含有量も少なく、且つ安定供給でき、これと水ガラス及びアルミナセメントのそれぞれを一定割合で配合した組成物を用いることにより、優れた耐酸性と施工性を有する硬化体を安定的且つ効率的に製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、(A)石炭ガス化スラグ粉末10〜85重量%、(B)水ガラスを固形分で5〜40重量%及び(C)アルミナセメント5〜70重量%を含有する硬化性組成物を提供するものである。
【0009】
また、本発明はこの硬化性組成物と水とを混合し、養生することにより得られる硬化体を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる(A)成分の石炭ガス化スラグ粉末は、石炭ガス化複合発電において、石炭ガス化炉内から発生したものを粉砕したものである。つまり、ガス化炉内において、微粉炭は約1500℃の高温でガス化し、その時灰分は溶融され溶融したスラグとなる。このスラグは炉底の冷却ホッパに落下し、急速に冷却され、ガラス質の急冷スラグとなる。
ここで、スラグのCaO/SiO2量比は、石炭の種類や産地によって大きく異なってくるが、石炭ガス化の際には、ガス化効率を上げるために石炭灰分の溶融温度を下げる必要があり、融点降下剤(フラックス)として石灰石が添加される。それ故、できたスラグのCaO/SiO2比のばらつきは炭種が異なっても小さくなる。
このようにして得られたスラグに含まれるCaO/SiO2のモル比は、0.1〜2.0である。このモル比が0.10未満であると組成物の反応性が低く、十分所期強度を発現する耐久性のある硬化体が得られず、一方、このモル比が1.2〜0.1の範囲の石炭ガス化スラグを用いれば、特にCaO/SiO2比を調整することなく耐久性と耐酸性を持つ硬化体を得ることができる。更に石炭ガス化スラグに含まれる重金属は少なく(例:Pb=50ppm以下)、環境面においても好ましいことから、当該石炭ガス化スラグは好適な材料といえる。
【0011】
また、石炭ガス化スラグは発電規模25万Kwにおいて年間約7万トンの排出が見込まれること、及び石炭ガス化複合発電の発電端効率が50%程度であり、40%程度の発電端効率である現在の石炭火力発電(微粉炭燃焼方式)に比べて高効率であり、今後は主流になると考えられていることより、将来的に安定供給できるという利点もある。更に、石炭ガス化スラグは現在、埋立処分を考えられているが、本発明により、これを有効利用する新たな用途を提案し、この結果、更に石炭ガス化複合発電の経済性を高めることができる。
【0012】
(A)成分の粉末度は、硬化体の強度発現性の観点から比表面積で好ましくは、2000〜15000cm2/g、より好ましくは3000〜15000cm2/g、特に好ましくは4000〜15000cm2/gである。なお、比表面積が15000cm2/gを超えたものでも本発明に好適に使用できるが、粉砕にコストがかかり経済的でない。一方、これが2000cm2/g未満であると、水和活性が乏しく、硬化体の強度が不十分となることがある。
【0013】
本発明で用いられる水ガラス(B)は、特に限定されず市販のものが使用でき、JIS規格により規定される1号、2号、3号の他、各水ガラスメーカーで製造販売されているJIS規格外の製品においても使用が可能であり、それぞれを単体で使用する他、2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0014】
水ガラスの使用量は、硬化性組成物中5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%(固形分換算)である。この量が5重量%未満であると、十分な耐酸性を有する硬化体が得られず、40重量%を超えると粘性が大きくなりすぎ、成形又は作業が困難となることがある。
【0015】
本発明に用いられるアルミナセメント(C)は、特に限定されず市販のものが使用できるが、好ましくはCaO・Al23の含有率が高いものが良い。例えば、ラファージュ社製「セカール51BTF」、電気化学工業社製「アルミナセメント1号」等が好ましい。(C)の含有量は5〜70重量%の範囲であれば良い。70重量%を超えると良好な耐酸性を示さなくなる。また、特に常温養生においては、本発明の硬化体の収縮量が大きくなる傾向があるので、収縮を低下させるため含有率を5重量%以上にするのが好ましい。
【0016】
本発明の硬化性組成物には、必要により高炉スラグ、転炉スラグ、脱リンスラグ、脱ケイスラグ及び脱硫スラグから選ばれる1種又は2種以上の結合材(D)を配合することができる。
本発明に用いられる結合材(D)は、特に限定されず市販のものが使用できるが、粉末度が比表面積で4000cm2/g以上のものが好ましい。結合材の含有率は1〜30重量%の範囲であれば良いが、好ましい範囲としては5〜20重量%である。石炭ガス化スラグ粉末(A)を結合材(D)と併用することにより、常温養生において良好な強度発現性を持つ硬化体が得られる。結合材(D)の含有率を増加することにより早強性が得られるが、同時に含有率が30重量%を超えると耐酸性が低下する傾向にある。このため結合材(D)の含有率を使用する石炭ガス化スラグ粉末(A)のCaO/SiO2モル比に合わせて調整することにより耐酸性の良好な硬化体を得られる。石炭ガス化スラグ粉末(A)と結合材(D)の混合物のCaO/SiO2モル比が1.20以下、好ましくは0.80以下、より好ましくは0.60以下が耐酸性の点から好ましい範囲である。また、アルミナセメント(C)と結合材(D)の合計は6〜75重量%とすることが好ましい。
【0017】
また、本発明の硬化性組成物には、更に、アルカリ金属塩類(E)を添加することができる。
本発明で用いられるアルカリ金属塩類(E)は、メタ珪酸ソーダ、オルソ珪酸ソーダ、粉末珪酸ソーダ1号、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられるが、メタ珪酸ソーダ、オルソ珪酸ソーダ、水酸化ナトリウムが好ましい。これらは水ガラス(B)中の−Si−O−Si−の鎖をアルカリによって切断することにより、粘性を低下させ、モルタル、コンクリートとして使用した際の作業性の改善を行う他、アルカリの添加により溶融スラグを刺激し硬化を促進する働きがある。アルカリ金属塩類はそれぞれを単体で使用するほか、2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらアルカリ金属塩類は、1〜15重量%添加することが好ましく、特に1〜7重量%添加することが好ましい。アルカリ金属塩類を15重量%を超えて添加した場合、強度増進の効果は得られるが、粘性低下の効果は増進せず、特にアルカリ度の高いものを過剰に添加した場合、硬化体表面に白華を生じることがあり好ましくない。
【0018】
本発明の硬化性組成物に、結合材(D)及びアルカリ金属塩類(E)を共に添加する場合、(C)、(D)及び(E)成分の合計は、組成物中11〜75重量%とすることが好ましい。
【0019】
本発明の硬化性組成物は、更に骨材(F)を含有せしめることができる。骨材の配合割合は、硬化性組成物(骨材を含まない)に対して、30〜300重量%とすることができる。骨材としては、耐酸性を有するものであれば特に限定されないが、種類としては、例えば石英質岩石、安山岩、玄武岩、陶磁器破砕物等が挙げられる。細骨材としては、3〜8号珪砂、珪石粉及びこれらと同等の粒度、粒径を有する川砂、海砂、砕砂が好ましく、粗骨材は用途に応じた粒径の砂利、砕石が好ましい。細骨材の配合割合は上記の通りであるが、粗骨材の配合割合は、50〜300重量%とすることが好ましい。なお、骨材の配合割合は300重量%を超えても硬化体の耐酸性は得られるが、強度低下と施工性の悪化を招くため好ましくない。一方、骨材の配合割合が30重量%未満では、骨材を配合する意義が少ない。
【0020】
本発明の硬化性組成物は、適量な水を加えて練り混ぜることで左官モルタル、グラウト材、裏込め材、耐酸性コンクリートとすることができる。更に、8号珪砂及び又は珪石粉と比表面積8000〜12000cm2/gの溶融スラグ粉末を配合し適量の水を加えれば、地盤注入材として使用することもできる。
【0021】
本発明の硬化性組成物を左官モルタル、グラウト材、裏込め材等として使用する場合、施工方法は鏝塗り、吹付け、ポンプ圧送、流し込み等がある。養生方法は、通常寒冷期を除き施工現場の環境温度で行われる。寒冷期には、施工後凍害を避けるため加温養生を取ることがある。耐酸性コンクリートとして使用する場合は、施工量によりポンプ圧送、流し込み等がある。養生方法は、施工現場の環境温度で通常行われ、寒冷期には加温養生を取ることがある。
【0022】
本発明の硬化性組成物は、蒸気養生を行うことによりコンクリート製品とすることができる。養生温度は40℃〜90℃で2時間以上行うのが好ましく、温度は特に50℃〜80℃、更に65℃〜80℃が好ましく、時間は特に2〜8時間、更に2〜5時間が好ましい。養生時間はこれ以上の時間とすることもできるが、製造上、製造時間が長くなりコストが大きくなるため好ましくない。また養生温度も同様にこれ以上上昇することも可能だが製造コストが大きくなるため好ましくない。
【0023】
本発明の硬化性組成物をコンクリート製品とする際の成形方法は特に限定されず、例えば遠心力成形、振動成形、流し込み成形、加圧成形、押し出し成形、即時脱型成形等の従来用いられている方法のいずれをも用いることができる。
【0024】
本発明の硬化性組成物をコンクリート製品とする際の用途としては、特に限定されないが、例えば管、側溝、マンホール、ボックスカルバート、共同溝、セグメント、ブロック、漁礁、平板、ます、擁壁、貯留槽、すて型枠、フリューム等の製品とすることができる。また、これらの製品において、耐酸性を必要とする構成部材の一部、又は全てに本発明の硬化性組成物を適用することができる。例えば、下水道に使用される管の場合、管内面で硫黄酸化細菌により硫酸が生成することにより腐食され、外面の土壌からの腐食は少ないため、内面に硬化性組成物を用い、外面に普通コンクリートを使用するのも有効である。また、強酸性温泉地などの場合、酸性土壌であるため、製品外面に腐食環境があり、この場合外面に硬化性組成物を適用するのが有効である。内外面全てに腐食環境がある場合、製品の全ての硬化性組成物で製造することが有効である。
【0025】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
【0026】
配合例
表1に、使用した石炭ガス化スラグのCaO/SiO2モル比を示す。
尚、石炭ガス化スラグは、試料1及び2については表1に示す組成のAスラグを、試料3及び4については組成のBスラグを用いた。
【0027】
【表1】
Figure 0004575577
【0028】
【表2】
Figure 0004575577
【0029】
実施例1(耐酸性試験)
表2に示す配合割合で、パウダー部(石炭ガス化スラグ粉末、高炉スラグ粉末、アルミナセメント)、水ガラス部(水ガラス1号、水ガラス3号、メタ珪酸ソーダ粉末)、骨材(JIS標準砂(JIS R5201準拠品)及び水ガラス中の水分を考慮した水を添加して水分の合計を調整し(試料1〜4)、JIS R5201に準じて混練した後、直径50mm×高さ100mm円柱型枠に流し込み、JIS R5201に記載の振動成形装置にて振動二層詰め成形後、1日で脱型し、80℃8時間蒸気養生し(昇降湿条件20℃/hr、90%RH)、本発明の硬化体1〜4を得た。比較として、普通ポルトランドセメントを同様に成形、養生し、硬化体とした(比較品1)。
この硬化体を20℃で10重量%硫酸溶液に浸漬し、3日後、7日後、11日後、14日後、21日後及び28日後の重量変化(重量減少率(%))を測定した。結果を表3及び図1に示す。
【0030】
【表3】
Figure 0004575577
【0031】
硫酸溶液に28日間浸漬した場合、比較品1の普通セメント硬化体では約39%の重量減少を示し、溶液に溶解してしまった。これに対し、本発明の硬化体1〜4は高々約2%の重量減少とあまり変化せず、また外観も変化せず、高い耐酸性を示した。
【0032】
実施例2(耐酸性試験)
表2に示す配合割合で、パウダー部(石炭ガス化スラグ粉末、高炉スラグ粉末、アルミナセメント)、水ガラス部(水ガラス1号、水ガラス3号、メタ珪酸ソーダ粉末)、骨材(JIS標準砂(JIS R5201準拠品)及び水ガラス中の水分を考慮した水を添加して水分の合計を調整し(試料1〜4)、JIS R5201に準じて混練した後、直径50mm×高さ100mm円柱型枠に流し込み、JIS R5201に記載の振動成形装置にて振動二層詰め成形後、1日湿空(20℃−90%RH)で養生し、脱型後、20℃で14日間水中養生し、本発明の硬化体5〜8を得た。比較として、普通ポルトランドセメントを同様に成形、養生し、硬化体とした(比較品2)。
この硬化体を20℃で10重量%硫酸溶液に浸漬し、3日後、7日後、11日後、14日後、21日後及び28日後の重量変化(重量減少率(%))を測定した。結果を表4及び図2に示す。
【0033】
【表4】
Figure 0004575577
【0034】
硫酸溶液に28日間浸漬した場合、比較品2の普通セメント硬化体では約56%の重量減少を示し、溶液に溶解してしまった。これに対し、本発明の硬化体5〜8は高々約2.6%の重量減少とあまり変化せず、また外観も変化せず、高い耐酸性を示した。
【0035】
実施例3(圧縮強度試験)
表2に示す配合割合で、パウダー部(石炭ガス化スラグ粉末、高炉スラグ粉末、アルミナセメント)、水ガラス部(水ガラス1号、水ガラス3号、メタ珪酸ソーダ粉末)、骨材(JIS標準砂(JIS R5201準拠品)及び水ガラス中の水分を考慮した水を添加して水分の合計を調整し(試料1〜4)、JIS R5201に準じて混練した後、直径50mm×高さ100mm円柱型枠に流し込み、JIS R5201に記載の振動成形装置にて振動二層詰め成形後、それぞれ80℃8時間、20℃3日間及び20℃28日間の条件で養生を行い、硬化体9〜20を得た。
比較として、普通ポルトランドセメントを同様に成形し、同様の条件で養生し、硬化体とした(比較品3〜5)。
それぞれの硬化体について、JIS A1108に準拠し、圧縮強度(N/mm2)を測定した。結果を表5及び図3に示す。
【0036】
【表5】
Figure 0004575577
【0037】
試料1〜4を用いて製造された本発明の硬化体は、80℃8時間及び20℃3日間の養生条件で製造された場合には、普通セメント硬化体と同等以上の強度を示した。また、20℃28日間の養生条件の場合では、普通セメント硬化体より強度は低いが、40N/mm2以上と十分な強度を示した。
【0038】
【発明の効果】
本発明の硬化組成物に用いられる石炭ガス化スラグは、一定のCaO/SiO2比を有し、重金属含量も少なく、且つ安定供給でき、これを利用することにより、安定的且つ効率的に優れた耐酸性と施工性を有する硬化体を製造することができる。また、廃棄物として埋め立て処理を考えられている石炭ガス化スラグを有効利用できることからガス化炉の経済性を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は80℃8時間蒸気養生して得られた硬化体の耐酸性試験の結果を示す図である。
【図2】図2は20℃14日間水中養生して得られた硬化体の耐酸性試験の結果を示す図である。
【図3】図3は圧縮強度試験の結果を示す図である。

Claims (6)

  1. (A)石炭ガス化スラグ粉末10〜85重量%、(B)水ガラスを固形分で5〜40重量%及び(C)アルミナセメント5〜70重量%を含有する硬化性組成物。
  2. 石炭ガス化スラグ粉末の粉末度が、比表面積2000〜15000cm2/gである請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 更に、(D)高炉スラグ、転炉スラグ、脱リンスラグ、脱ケイスラグ及び脱硫スラグから選ばれる結合材を1〜30重量%含有する請求項1又は2記載の硬化性組成物。
  4. 更に、(E)アルカリ金属塩類を1〜15重量%含有する請求項1、2又は3記載の硬化性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の硬化性組成物に対し、(F)骨材を30〜300重量%含有せしめた硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の硬化性組成物と水とを混合し、養生することにより得られる硬化体。
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