JP4574802B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置に係り、とくに、被検体に超音波造影剤を投与してフラッシュエコーイメージング(Flash Echo Imaging:FEI)と呼ばれるイメージングを行う超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断装置は、画像のリアルタイム表示が可能な上、比較的小形で安価である、X線被爆がない、超音波ドプラ法により血流イメージングが可能などの優位性から、今や医療現場において必須のモダリティになっている。
【0003】
とくに、この血流イメージングは、心臓系などの病変部発見に威力を発揮する機能で、カラーフローマッピングCFM(Color Flow Mapping)またはカラードプラ断層法とも呼ばれ、殆どの装置に標準装備されているものである。このカラーフローマッピングは2次元的に血流情報をほぼリアルタイムに表示するもので、一般的にプローブに近づく流れを赤、プローブから遠ざかる流れを青で表示される。
【0004】
この表示を行うには、従来広く知られているように、被検体の同一場所(方向)を複数N回、超音波走査して得られた時系列のエコー信号から所望の深さ位置における血球の速度をドプラ法に基づき検出する。すなわち、ドプラ信号を得には、同一場所を所定間隔で走査して得られる血球からの反射信号の単位時間内の位相シフト量(ドプラシフト量)から血流速度を求める。
【0005】
各回の超音波走査に伴うエコー信号には、血球のように移動している物体からの反射波と、血管壁や臓器実質のように殆ど移動していない固定物体からの反射波が混在している。しかも特徴的なことは、その反射強度の点においては後者が支配的であるが、前者にはドプラシフトが生じているのに対し、後者の固定反射体からの反射波(クラッタ信号)にはドプラシフトが殆ど生じていない。そこで、エコー信号から直交位相検波器によりドプラ信号が抽出され、このドプラ信号からMTIフィルタがドプラシフトの差を利用してクラッタ成分を除去することで、血流ドプラ信号が効率良く検出される。この血流ドプラ信号はその後、各深さ位置のN個のドプラデータを用いて周波数分析が行われ、そのスペクトルの平均値(ドプラ周波数)、分散値、あるいは血球からの反射強度(パワー)が算出される。この血流情報は、通常、Bモード像を背景にして、モニタ上に2次元的に表示される。
【0006】
ところで、近年、被検体の血管に超音波造影剤を投与して超音波散乱強度を増強させ、診断能を向上させる試みが盛んに行われている。とくに、ここ数年、造影効果が向上し、静脈からの投与が可能になって侵襲性が低下するなど、造影剤の著しい性能向上があり、今後もこの種の造影剤が大いに普及することが期待されている。これに伴い、超音波診断装置の側も、年々改善される造影剤の特徴を余すところ無く活用した診断を行うことができるようにして欲しい、との要望が出されている。以下に、この背景を詳述する。
【0007】
現在、開発されている超音波造影剤は、数ミクロンの大きさの微小気泡である。この微小気泡は、通常の超音波診断に用いる程度の音圧で容易に消失し、この消失時に、超音波パルスの高調波に対応した強い高調波(ハーモニック)を発生し、強い造影効果を示すことが知られつつある。この性質を利用してBモード像を得るフラッシュエコーイメージング(Flash Echo Imaging:FEI)と呼ばれるイメージング法が、例えば、論文「Japanese Journal of Medical Ultrasonics, Vol.23, Supplement 1; June, 1996; 67−195,67−196」に報告されている(第1の報告)。これによれば、超音波照射を一度停止して造影剤を充満させた状態から、超音波を再度、照射すると、その照射瞬間の断層像(ハーモニック成分に基づく断層像)に大きな輝度増強が見られ、その直後に造影剤からのエコーが消失することが報告されている。この現象をフラッシュエコー現象と呼んでいる。
【0008】
また、カラーフローマッピングと超音波造影剤の関連として、論文「Japanese Journal of Medical Ultrasonics,Vol.22, Supplement 2; Nov, 1995; 66−33」が報告されている(第2の報告)。この論文によれば、超音波造影剤を投与した兎の肝臓に、操作者がフリーズボタンを操作して超音波送信を一旦停止させ、その後、再度フリーズボタンを操作してスキャンを再開させるというオン・オフを行うことで、カラーフローマッピングの速度モードにてモザイク状のカラー画像が得られるという報告がなされている。この報告では、この現象をキャビテーション像(cavitation image)と読んでいる。また、一定値以下の音圧の場合、このカラー像は得られない旨、報告されている。
【0009】
このキャビテーション像は前述したフラッシュエコー像と同じ現象に因るものと見做すことができる。つまり、フラッシュエコー現象は、超音波パルスの基本波でも起きており、この現象をカラーフローマッピングで観察可能であることが示されたと考えることができる。これはまた、従来、カラーフローマッピングでは画像化できなかった組織血流(パフュージョン)をも画像化できることを示唆するものである。
【0010】
さらに、フラッシュエコー現象はハーモニックのCFM画像でも観察されることが、論文「Japanese Journal of Medical Ultrasonics, Vol.23, Supplement 2; Nov, 1996; 68−156」で報告されている(第3の報告)。この報告によると、フラッシュエコー現象が起きたとき、ハーモニックによるカラーフローマッピングの速度モードで、モザイク状のカラー画像が得られている。また、本報告によると、フラッシュエコー現象のハーモニックのドプラスペクトラムが図21に示すように広帯域(ブロード)であることが示されている。
【0011】
このことは、パフュージョンをも画像化できることを示しており、また、カラー画像がモザイク状になることを説明するものである。すなわち、実質臓器からの反射エコーであるクラッタ成分にはドプラシフトは殆ど生じていないので、この成分はMTIフィルタにより除去されるが、フラッシュエコー現象のハーモニックのドプラスペクトラムは広帯域であるので、造影剤が動いていようと(例えば血管内で)止まっていようと(例えばパフュージョン)、MTIフィルタを通り抜け、その結果、画像化される。また、ドプラスペクトラムの平均値は空間上の各点において夫々ランダムに異なり、その結果、モザイク状の画像になる。
【0012】
ところで、上記第2、第3の報告の類似性から判断して、フラッシュエコー現象による基本波のドプラスペクトラムも広帯域であると考えてよい。
【0013】
また、造影剤に関する報告が論文「Japanese Journal ofMedical Ultrasonics, Vol.23, Supplement 2; Nov, 1996; 68−157」および「Journal ofMedical Ultrasonics, Vol.24, No.3; Mar, 1997; 69P3−5」でなされている(第4の報告)。
これは、3種類の造影剤について、フラッシュエコー現象が起きたときのスペクトラムを報告するものである。この報告されたスペクトラムから、フラッシュエコー現象が生じたときの感度は高周波よりも基本波の方が高いことが分かっている。
【0014】
さらに、フラッシュエコーエコー現象の信号強度は、消失時間内において、時間経過と共に次第に低下することが分かっている。
【0015】
以上をまとめると、臨床的には、(1)フラッシュエコー現象を用いれば、超音波造影剤の高感度な検出が可能である、(2)CFM法でも、パフュージョンの観察が可能である、(3)CFM法は、カラーで表示されるので判りやすく、また速度モードではモザイク状のカラーになるので判別し易い、ということが言える。技術的には、(4)フラッシュエコー現象を起こさせるには、超音波の送信を一旦止める必要がある、(5)フラッシュエコー現象は、ある音圧以下では基本的には起こらない、(6)フラッシュエコー現象は、消失時間内で、信号強度が次第に弱くなる、(7)CFM法によれば、フラッシュエコー現象が、基本波でも高調波でも観察可能である、(8)フラッシュエコー現象が起きたときのドプラスペクトラムはプロードである、と要約することができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
このように、被検体に造影剤を投与してフラッシュエコー現象を起こさせ、そのときの増強信号をカラーフローマッピングで画像化することは、診断上、有益な画像を提供できると考えられる。
【0017】
しかしながら、従来のフラッシュエコー現象を用いた超音波診断装置においては、今だ、この現象の優位さを最大限に発揮した超音波イメージング法は提案されていない。とくに、フラッシュ現象を起こさせてイメージングする期間とそうでない期間の設定及びそれらの期間における画像表示法については、何ら有効な手法が提案されてない。
【0018】
また、従来のカラーフローマッピング機能を備えた超音波診断装置において、フラッシュエコー現象を起こさせるには、フリーズボタンを手動操作して送信を一旦止め、一定時間後にこのフリーズを解除する必要がある。この手動操作は繁雑で、且つ、正確なオン・オフの時間を確保し難いなど、実用性が低く、実際の診療の場では到底採用できない。
【0019】
一方、カラーフローマッピングで行われている各種の信号処理が、フラッシュエコー現象で生じる増強信号の検出、処理に適しているとの保証は必ずしも無く、高感度の検出が行われていない可能性もある。
【0020】
つまり、フラッシュエコー現象に拠る増強信号をカラーフローマッピングで画像化することは有用であると考えつつも、今まで、その有用性を実際の診療の場で生かせる程の画像表示能力、操作性、及び検出感度を有する装置は、未だ実現されていなかった。
【0021】
本発明は、上述した従来技術の問題に着目してなされたもので、造影剤を投与した被検体にフラッシュエコー現象を起こさせ、この現象に伴う反射信号をカラーフローマッピングで画像化する際、フラッシュ現象を起こさせる期間とそうでない期間とを適宜に設定でき、且つ、それらの期間を通じて診断上、有効な画像を得ることを、その第1の目的とする。
【0022】
また、本発明は、上述した第1の目的に加え、フラッシュエコー現象による反射信号に確実に適した処理を行って高感度な信号検出を行うことを、その第2の目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明一態様として、超音波造影剤を投与した被検体の画像を得る超音波診断装置は、超音波を送波及び受波する超音波振動子と、前記造影剤を実質的に崩壊させる第1の駆動条件と、前記造影剤を実質的に充満させる第2の駆動条件とに基づいて前記超音波振動子を駆動させ送信手段と、前記超音波の超音波エコーを受信し、前記超音波エコーの基本周波数成分を含むドプラスペクトラムに基づいてカラー表示の第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、前記超音波の超音波エコーを受信し、前記超音波エコーの振幅情報に基づいて第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、前記駆動条件を前記第2の駆動条件から前記第1の駆動条件に切り替えると、所定期間中に前記第1の画像を生成するための超音波を前記第1の駆動条件で送波させ、前記所定期間の終了と共に前記第2の画像を生成するための超音波を前記第1の駆動条件で送波させる送信順指令手段と、前記第1の画像及び前記第2の画像を表示する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の別の態様として、超音波造影剤を投与した被検体の画像を得る超音波診断装置は、超音波を送波及び受波する超音波振動子と、前記造影剤を実質的に崩壊させる第1の駆動条件と、前記造影剤を実質的に充満させる第2の駆動条件とに基づいて前記超音波振動子を駆動させ送信手段と、前記超音波の超音波エコーを受信し、前記超音波エコーの位相変位情報に基づいてカラー表示の第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、前記超音波の超音波エコーを受信し、前記超音波エコーの振幅情報に基づいて第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、前記駆動条件を前記第2の駆動条件から前記第1の駆動条件に切り替えると、所定期間中に前記第1の画像を生成するための超音波を前記第1の駆動条件で送波させ、前記所定期間の終了と共に前記第2の画像を生成するための超音波を前記第1の駆動条件で送波させる送信順指令手段と、前記第1の画像及び前記第2の画像を表示する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0027】
以上の構成において、被検体に造影剤が投与され、第1の送信条件及び第2の送信条件の元でプローブを介して超音波パルスが送信される。第1の送信条件の元では造影剤の主成分である微小気泡が崩壊してフラッシュエコー現象が生じて、この現象を強く反映したエコー信号が得られる。第2の送信条件元では微小気泡は基本的には崩壊せず、組織や血流のみを反映したエコー信号が得られる。この送信条件を適宜に切換設定することで、フラッシュエコー現象をオン又はオフに制御することができる。
【0028】
第1の送信条件の元での画像生成においては、エコー信号には、クラッタと呼ばれる臓器実質からの強い反射信号も含まれているので、エコー信号から造影剤の信号を弁別する手段を用いてクラッタが除去され、造影剤のフラッシュエコー信号のみが得られる。造影剤の信号は、造影剤の基本波を含む信号でもよいし、造影剤の高調波信号でもよい。弁別して得られた造影剤のフラッシュエコー信号は直接に表示され、または、造影剤のフラッシュエコー信号からドプラ周波数(速度)、分散、パワーなどの演算を行って得た情報が表示される。送受信の制御を自動で行っているので、フラッシュエコー信号のCFM画像が簡便に得られ、有用な超音波診断装置を提供できる。
【0029】
別の態様として、第2の送信条件下においては、フラッシュエコー現象が起きないように設定した低い音圧でモニタ像用の送受信を行い、各種の態様でこれを表示できる。例えば、Bモード断層像及び/又はCFM像の表示を行うことができる。また、第2の送信条件下においては、送受信を停止することができる。
【0030】
さらに、第1及び第2の送信条件下でのフラッシュ送信オンの期間及びフラッシュ送信オフのモニタ期間を通して、Bモード断層像及び/又はCFM像を表示することができる。これにより、リアルタイムに被検体の監視を続けながらフラッシュエコー信号のCFM画像を得ることができる。従って、フラッシュ送信オフの期間にも診断部位の画像情報を得ることができる。また、検査部位の位置の同定が容易になり、またフラッシュエコーイメージングを行っていない待機状態のときにも位置ずれを起こしにくい。このように診断部位をリアルタイムで観察しながらフラッシュエコー造影剤検査ができるようになり、簡便で、操作性良く、診断能が向上した超音波診断装置が提供できる。
【0031】
フラッシュエコー現象が起きた直後から、フラッシュエコー信号強度は次第に弱くなるので、同一方向に複数回送受信する場合、フラッシュエコー信号強度が強い最初の方のデータを用いた方が感度は高い。そこで、造影剤の信号を弁別する手段に例えばMTIフィルタ(クラッタ除去手段)を設けた場合、複数回の送受信により受信したドプラ信号が受信順序と逆の順序でMTIフィルタに入力される。これにより、最初の方のデータを用いることができ、感度が向上する。
【0032】
また、前記造影剤の信号を弁別する手段に前記複数回の送受信により受信した複数個の信号のうち隣り合う信号の差分をとる手段を設けると、最低2回の送受信でクラッタ成分を除去でき、最初の方のデータを用いることが可能になり、感度が向上する。
【0033】
また、CFM像を得るための送受信と共に断層像を得るための送受信も行い、これにより得た断層像上にフラッシュエコー信号のCFM画像を重畳して表示される。この場合、断層像を得る超音波パルスの送受信よりも、造影剤の信号を得る送受信が常に先行される。したがって、断層像を得る超音波パルスの送受信で感度の高いデータを失うことが無くなり、CFM画像(血流カラー画像)に最初の方のデータを用いることができ、感度が向上する。
【0034】
このように、本発明では、CFM法の各種処理をフラッシュエコーイメージングにマッチさせているので、造影剤検査において高感度の超音波診断装置を提供することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0036】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置を図1に基づき説明する。
【0037】
この超音波診断装置は、被検体に超音波造影剤(以下、造影剤という)を例えば静脈から注入した状態でフラッシュエコーイメージング(Flash Echo Imaging:FEI)をCFM(カラーフローマッチング)モードで行う診断に供される。造影剤としては、例えば、Schering AG社製の「Levovist」(商品名)、MBI社製の「Optison」(商品名)などが使用される。
【0038】
図1に、この超音波診断装置の機能ブロック図を示す。同図に示すように、この超音波診断装置は、被検体の体表に当接させる超音波プローブ(以下、プローブという)1を備える一方で、このプローブ1に電気的に接続された表示器2および受信器3と、この受信器3に電気的に接続されたBモード処理器4およびCFMモード処理器5と、この両処理部4、5に電気的に接続された表示装置6とを備える。
【0039】
プローブ1は、超音波信号と電気信号の間で双方向に信号変換する機能を有する。このプローブ1は、一例として、その先端にリニアに配置されたアレイ型圧電振動子を備える。アレイ型振動子は複数の圧電素子を並列に配置し、その配置方向を走査方向としたもので、複数の圧電素子それぞれが送受信の各チャンネルを成す。
【0040】
表示器2は、プローブ1の振動子を励振するための駆動信号を発生する駆動信号発生器2Aと、フラッシュエコーイメージング(FEI)を行うための送信状態を制御するフラッシュ送信制御器2Bとを備える。
【0041】
この内、フラッシュ送信制御器2Bは、駆動信号発生器2Aにおける送信トリガの発生をオン・オフ制御することで、プローブ1を介して行われる送受信全体をオン状態またはオフ状態に設定する。このオン状態に設定されている期間にのみフラッシュエコーイメージングが行われ、反対にオフ状態に設定されている期間ではそのイメージングは停止される。
【0042】
駆動信号発生器2Aはフラッシュ送信制御器2Bから送信オン状態に設定されている期間だけ作動する。この発生手段2Aの作動状態にあっては、複数フレーム分の送信トリガに付勢されてプローブ1の振動子が送信遅延を掛けられて駆動される。これにより、各駆動毎に、プローブ1から超音波パルスが所望ラスタ方向にビーム信号として送信される。この超音波パルスは、所定のレート周期Tr且つ送信周波数fで送信される。
【0043】
この送信オン状態にあっては、各フレーム毎に、送信トリガに付勢してCFMモードおよびBモードのための超音波パルスの送受信が行われる。つまり、CFMモード用として同一ラスタ方向に少なくとも複数回の送受信が行われ、一方、Bモード用として同一ラスタ方向に1回の送受信が行われる。この送受信の際、各ラスタ毎に、必ずCFMモードの送信がBモードのそれに先行するように制御される。これにより、そのラスタ上の部位に在る造影剤がBモード送信により崩壊、消失してしまって、CFMモード送信のときには造影剤がその部位に存在していないという事態を防止できる。
【0044】
プローブ1から被検体内に送信された超音波パルスの照射エネルギを受けた造影剤は、それを構成する微小気泡が瞬時に崩壊し、フラッシュエコー現象を引き起こす。この現象過程で生じた高強度の反射成分(超音波パルスの送信周波数に対応する基本波およびその高調波、分調波、超調波からなる非基本波成分を含む)は、その他の組織などからの反射成分と混合して反射超音波信号となり、その少なくとも一部がプローブ1に受信される。この反射超音波信号を受信したプローブ1の各振動子は、これを対応する電気量のエコー信号に変換し、その振動子毎(受信チャンネル毎)に受信器3に出力する。
【0045】
受信器3は特に図示しないが、各受信チャンネル毎に、エコー信号を増幅し、A/D変換し、送信時とは反対の遅延時間パターンで遅延して全受信チャンネルを加算する。これにより、送信ラスタ方向に指向性が与えられ、その方向のエコー信号が強調される。このビームフォーミングされたエコー信号は、デジタル処理タイプのBモード処理系部4およびCFMモード処理器5に送られる。
【0046】
Bモード処理器4により、Bモードの超音波パルス送受信で得たエコー信号が検波され、Bモードの断層像データが生成される。
【0047】
これに対し、CFMモード処理器5は、図1に示す如く、基本波/高調波弁別・検波器5A、バッファメモリ5B、クラッタ除去フィルタ5C、および演算器5Dを備える。この内、基本波/高調波弁別・検波器5Aにより、エコー信号が直交位相検波され、ドプラデータが抽出されるとともに、このドプラデータから、一例として、超音波パルスの基本波(=送信周波数f)に対応したドプラ成分が抽出される。
【0048】
この抽出されたドプラデータはその入力順に一旦バッファメモリ5Bに書き込まれる。そして、このメモリ5Bからは、スキャン断面上の同一位置に対するデータ書き込み順とは反対の時系列順で読み出される。つまり、フラッシュエコー現象による輝度増強の効果が薄れてきた終りの方のドプラデータから順に読み出され、後段のクラッタ除去フィルタ5Cに与えられる。
【0049】
クラッタ除去フィルタ5Cにより、ドプラシフト量の違いを利用して固定反射体からのクラッタ成分がドプラ信号から除去される。このとき、フィルタの過渡応答による影響を回避するため、フィルタ出力波形の初期段階のデータが捨てられる。しかしながら、捨てられるデータは、上述したエコーデータの逆読みに拠って、フラッシュエコー信号が殆ど含まれないことから、さほど重要ではないデータになるので、後段の速度やパワーの解析の精度や感度には殆ど影響を与えないで済む。演算器5Dにより、このように処理されたエコーデータ列(エコー信号)の速度解析やパワー解析が行われ、造影剤、すなわち血流の運動速度像やパフュージョン(生体組織の還流)のフラッシュエコー特有のモザイク像、その速度関連のCFMモード像データ、血管内血流やパフュージョンのパワー像データなどが生成される。この演算器5Dには、上述したデータの逆読み出しに起因して造影剤(血流)の流れの方向分離が逆になることを防止するために、その方向を補正する機能が付加されている。
【0050】
Bモード処理器4およびCFMモード処理器5の両方で生成された表示装置6に送られる。そして、例えば、Bモードの断層像にCFMモードの速度分布カラー像やパワー像が重畳表示される。
【0051】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置を図2〜12に基づき説明する。この実施形態では、上述した第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成をさらに具体化して説明する。この装置による全体動作の流れは、第1の実施形態のものと同様である。
【0052】
1.装置構成の概要
最初に、この超音波診断装置の構成の概要を説明する。図2に示す超音波診断装置は、第1の実施形態の装置と同様に全体的には、プローブ11、送信器12、受信器13、Bモード処理系回路14、CFMモード処理系回路15、および表示装置16を備え、その一方で、オペレータが必要な情報を入力するための操作パネル17、その操作情報を取り込んで制御情報に生成し、この情報を装置の必要なユニットに送る制御装置18、および心電(ECG)信号を測定する心電計19を備える。制御装置18はCPUを備えており、ソフトウエア的に各種演算を行うことができる。
【0053】
2.各部の構成および動作
プローブ11は、第1の実施形態で説明したものと同様に、一例として、アレイ形振動子を用いた電子的セクタスキャンの構造を採用している。
【0054】
2.1.送信系の構成および動作
送信器12は、送信トリガを発生する送信トリガ発生器21と、その送信トリガを受けて送信パルスを発生するパルス発生器22と、その送信パルスを駆動パルスに変換してプローブ1の振動子に与える送信回路23と、送信トリガ発生器21の動作を制御する送信トリガ制御回路24とを備える。
【0055】
この内、送信トリガ制御回路24および送信トリガ発生器21の動作内容は本発明の特徴の一部を成すものであるので、以下にそれを記す。送信トリガ制御回路24の構成例は後に説明する。
【0056】
第1に、送信トリガ制御回路24は、送信トリガ発生器21に対して送信トリガのオン(発生)、オフ(停止)を制御するように構成される。
【0057】
超音波パルスを造影剤に照射することで、フラッシュエコー現象を起こすことはできるが、フラッシュエコー現象を起こした後、造影剤はその微小気泡の崩壊により消失してしまう。このため、後続の造影剤がスキャン部位に充満するまで送信を停止して、造影剤を消失させないようにする必要がある。そして、造影剤が十分に充満した時点で送信を再開すると、満足のいくフラッシュエコー現象を起こさせることができる。
【0058】
図3に、この送信オン、オフのシーケンス例を示す。送信トリガ制御回路24において、フラッシュ送信起動パルスP1の立上がりに同期してフラッシュ送信時間設定パルスP2が一定時間T1だけ立ち上がる。この送信時間T1の期間がフラッシュエコー現象を起こさせるための送信(以下、フラッシュ送信という)に割り当てられる。そこで、この一定時間T1の間に、例えば3フレーム分のCFMモードおよびBモードのエコーデータの収集を指令する3個の送信トリガ駆動パルスP3が一定期間毎に発生し、このパルスP3が送信トリガ発生器21に出力される。フラッシュ送信時間設定パルスP2は一定時間T1が経過すると、次の一定時間T2はオフになり、この期間T2がフラッシュ送信をオフする待機期間になる。このように送信トリガP4の発生期間および停止期間を制御することにより、後述する如く、CFMモードで有効なフラッシュエコー画像を簡便に得ることができる。
【0059】
ここで、フラッシュ送信オンの開始から次のフラッシュ送信オンの開始までの1周期を1シーケンスと呼ぶことにする。フラッシュエコー現象を起こしている期間は、数ミリ秒〜数十ミリ秒と考えられている。この時間の長さを考慮すると、各シーケンスのフラッシュ送信オンの期間において、通常、1〜十数フレーム分の超音波パルスの送信を一定時間毎に行うことができる。
【0060】
なお、この送信オン、オフの制御に関連して、図4(a),(b)に示す如く、フラッシュ送信起動パルスP1の相互の時間間隔を等間隔または不等間隔に設定する構成が挙げられる。同図(a)は、パルスP1が常に一定間隔τで立ち上がるシーケンスを示し、同図(b)は、そのパルスP1が不等間隔τ1、τ2、τ3…で立ち上がるシーケンスを示す。
【0061】
また、図5に示す如く、心電計19から得られたECG信号の例えばR波に同期した心電同期パルスPecgを生成し、1または複数のJ心拍毎に、このパルスP4から一定の遅延時間δだけ遅らせて、ある適宜な心時相からフラッシュ送信起動パルスP1を立ち上げる構成も挙げられる。この図4および図5のシーケンスは送信トリガ制御回路24において制御される。
【0062】
第2に、フラッシュエコーイメージングに必要な諸量を術者が手動設定できるようになっている。
【0063】
フラッシュ送信によるスキャンフレーム数は、術者が操作パネル17から手動で設定できる。また造影剤の種類や目的に応じてその値を変えることができる。
また、フラッシュ送信の停止時間もやはり造影剤の種類や目的に応じて値を変えることができるが、後述する心電同期を行う場合を考えると、実際には停止時間の代わりに、フラッシュ送信のオン、オフの1シーケンスの周期を、術者が操作パネル17から設定できるようにしたほうが便利である。1シーケンスの周期は、ある一定値に設定してもよいし、シーケンス毎に異なる値にしてもよい(図4(a),(b)参照)。
【0064】
さらに、上述したフラッシュ送信の等間隔または不等間隔の選択、それらの間隔値、さらには、ECG同期を行うか否かの設定、ECG同期の遅延時間値δ、およびECG同期の同期間隔(J心拍値)をも手動で操作パネル17から選択・設定できるようにしてもよい。
【0065】
操作パネル17に装備される、術者が操作するスイッチ類の配置例を図6に示す。この配置例によれば、フラッシュ送信オン/オフ・スイッチSW1,モニタ動作オン/オフ・スイッチSW2、時間カウンタ同期スイッチSW3、等間隔/不等間隔切換スイッチSW4,等間隔時間設定スイッチSW5,不等間隔時間プログラムスイッチ群SW6,フラッシュ送信フレーム数設定スイッチSW7,ECG同期スイッチSW8,同期間隔(J心拍値)設定スイッチSW9,および遅延時間値δ設定スイッチSW10が装備される。時間カウンタ同期スイッチSW3およびECG同期スイッチSW8は共にフラッシュ期間設定用で、トグルスイッチ構造になっている。なお、操作パネル17には、このスイッチ類以外にもキーボードやトラックボールなどの入力器が装備され、術者が必要な情報を制御装置18に与えることができる。
【0066】
第3の特徴は、送信トリガ発生器21からパルス発生器22に出力される送信トリガP4のモード別の順番に関する。
【0067】
この超音波診断装置は撮像モードとしてBモードとCFMモードを有するが、送信トリガ発生器21は、フラッシュ送信開始の指令を受けると、CFMモードの送信トリガP4をBモードのそれに常に先行して発生させる構成を有する。
【0068】
送信トリガ発生器21は、図3に示す送信トリガ駆動パルスP3を送信トリガ制御回路24から受ける度に、BモードおよびCFMモードの両方について1フレーム分のフラッシュ送信開始が指令されたと認識し、送信トリガP4を発生する。送信トリガP4は、1フレーム毎にBモード用とCFM用とをセットにして発生する。このとき、CFMの送信トリガP4がBモードのそれよりも先行させる。この先行制御は、送信トリガ発生器21が有する図示しないカウンタなどのロジック回路またはCPUにより実行される。
【0069】
この先行制御が有効である理由は以下のようである。Bモードの送信トリガP4を先に発生させると、Bモードでの超音波パルス送信が先に行われ、このBモード送信でフラッシュエコー現象が起きる。この後に、CFMモードでの超音波パルス送信を行っても、造影剤の微小気泡の少なくとも一部または大半は既に崩壊しているから、フラッシュエコー現象は非常に弱いものになる。つまり、CFMモードでのフラッシュエコー現象に伴うエコー信号(フラッシュエコー信号)の強度が低くなるか、または、全く得られない状態になる。この状態を回避するため、CFMモードの送信を優先させる。
【0070】
CFMモード用の送信トリガP4の発生をBモードのそれよりも先行させるシーケンス例を図7(a)または(b)に示す。勿論、これ以外のシーケンス例も可能である。この図7(a)のシーケンス例では、走査線毎に、先ずCFMモード用の送信トリガを発生し、その後、Bモード用の送信トリガを発生する。これを走査線分繰り返して1フレーム分のトリガを発生し、これを指定されたフレーム数分繰り返す。同図(b)のシーケンス例によれば、先ず1フレーム分のCFM用の送信トリガを発生し、その後に1フレーム分のBモード用の送信トリガを発生する。これを指定されたフレーム数分繰り返す。
【0071】
このようにCFMモード用の送信トリガがBモードのそれよりも先行するように制御することで、CFMモードを優先させ、CFMモードでのフラッシュエコー信号の感度を上げることできる。
【0072】
ここで、送信トリガ制御回路24の構成例を図8に示す。この制御回路24は、フラッシュ送信の周期(すなわち1シーケンスの周期に相当)を設定するための2つのメモリ24A,24Bおよびセレクタ24Cを有する。この内、一方のメモリ24Aには、等間隔時間設定スイッチSW5により設定されたフラッシュ送信の等間隔インターバル値τが書き込みパルスに応答して書き込まれる。もう一方のメモリ24Bには、不等間隔時間プログラムスイッチ群SW6により設定されたフラッシュ送信の不等間隔インターバル値τ1,τ2,…がアドレス値を指定して書き込まれる。セレクタ24Cは、等間隔/不等間隔切換スイッチSW4からの信号に応答して切り替わり、等間隔側のメモリ24Aまたは不等間隔側のメモリ24Bの一方から読み出されたインターバル値を選択する。これにより、フラッシュ送信の等間隔または不等間隔のいずれかの態様を選択でき(図4参照)、そのインターバル値が出力される。
【0073】
この送信トリガ制御回路24にはまた、セレクタ24Cの出力側にフラッシュ送信起動パルス発生回路24D、同期方式選択用のセレクタ24E、フラッシュ送信時間設定パルス発生回路24F、および送信トリガ駆動パルス発生回路24Gをこの順に備えられている。
【0074】
フラッシュ送信起動パルス発生回路24Dは、セレクタ24Cで選択出力されたインターバル値を内蔵する時間カウンタでカウントし、そのインターバル値に到達する度に、フラッシュ送信起動パルスP1を発生させ、これを時間カウンタ同期法に基づく起動パルスとしてセレクタ24Eに送る。
【0075】
ところで、この送信トリガ制御回路24にはさらに、心電同期用の回路として、メモリ24H,心電同期パルス発生回路24I,心拍数カウンタ24J,および遅延回路24Kを備える。この内、メモリ24Hには、同期間隔(J心拍値)設定スイッチSW9により設定された同期間隔値(J心拍値:J≧1以上の整数値)が書き込まれる。また心電同期パルス発生回路24Iは心電計19からの心電(ECG)信号を受けて、R波に同期した心電同期パルスPecgを発生する(図5参照)。この心電同期パルスPecgは心拍数カウンタ24Jに送られる。心拍数カウンタ24Jは、心電同期パルスPecgの数をカウントし、そのカウント値がメモリ24Hから読み出されたJ心拍値に達したときに、J心拍同期パルスP1′を出力する。例えば前述した図5の心電同期法の場合、同期間隔値=J心拍値=2心拍であり、2心拍に1回の割合でフラッシュ送信をオンにすることに意味する。
【0076】
J心拍同期パルスP1′は遅延回路24Kに与えられる。この遅延時間24Kには、遅延時間値δ設定スイッチSW10で設定された遅延時間δが与えられている。このため、J心拍同期パルスP1′は遅延回路24Kによりδ時間の遅延が掛けられ、心電同期法に基づくフラッシュ送信起動パルスP1として前述したセレクタ24Eに送られる。
【0077】
このセレクタ24Eには、時間カウンタ同期スイッチSW3またはECG同期スイッチSW8からの設定信号が切換制御信号として与えられている。このため、セレクタ24Eは、発生回路24Dから送出された時間カウンタ同期法に拠るフラッシュ送信起動パルスP1または遅延回路24Kを経由して与えれた心電同期法に拠るフラッシュ送信起動パルスP1のいずれかを切換制御信号の種別に応じて選択する。この選択された起動パルスP1はフラッシュ送信時間設定パルス発生回路24Fに送られる。
【0078】
この発生回路24Fには、フラッシュ送信フレーム数設定スイッチSW7からフラッシュ送信のフレーム数の情報、さらには後述するCFMモード、Bモードの各1フレームの所要時間の情報が与えられている。このため、発生回路24Fは、選択されたフラッシュ送信起動パルスP1に同期して、指定フレーム数に見合ったパルス長T1のフラッシュ送信時間設定パルスP2(図3参照)を発生させる。この設定パルスP2は最終段の送信トリガ駆動パルス発生回路24Gに送られる。
【0079】
このパルス発生回路24Gには、制御装置18からCFMモードの1フレームの所要時間およびBモードの1フレームの所要時間が供給され、モニタ動作オン/オフ・スイッチSW2からモニタ動作オン・オフ信号が供給され、さらに前述したフラッシュ送信のフレーム数が指定されている。この内、各モードの1フレームの所要時間に関する情報は、与えられたレート周期、1フレームの走査線本数などのデータに基づき制御装置18のCPUが演算して求める値である。これによって、送信トリガ駆動パルス発生回路24Gは図3に示す如く、指定フレーム数にしたがって所要周期の送信トリガ駆動パルスP3をフラッシュ送信時間帯にのみ発生する。この駆動パルスP3は前述したように送信トリガ発生器21に送られる。
【0080】
さらに、この送信トリガ発生器以降の回路を説明する。送信トリガ発生器21は、この送信トリガ駆動パルスP3が1個到来する毎に、送信トリガP4のCFMモードおよびBモードのそれぞれ1フレーム分を、例えば図7(a)または(b)の順序で且つ所定のレート周期Tr(超音波送信間隔)で発生させる。この送信トリガP4によりトリガを掛けられたパルス発生器22は、そのトリガ毎に、所定の送信周波数fの送信パルスP5をレート周期Trで発生する。
【0081】
送信回路23は、この送信パルスP5を受ける度に、このパルスP5に振動子毎に異なる遅延時間を与え、遅延した各振動子毎の送信パルスP5を設定電圧まで増幅して駆動パルスP6を生成し、このパルスP6をプローブ11の指定された振動子に供給する。送信駆動素子数及び駆動パルスP6は、CFMモードの送信開口乃至送信電圧が被検体に対する安全性規定の範囲内で大きくなるように設定されている。これにより、超音波パルスがプローブ11被検体内に送信される。
【0082】
送信周波数fおよび/または設定電圧(送信音圧に相当)はCFMモードおよびBモードで別々に設定してもよく、通常、そのようにモード別にマッチした送信条件が与えられる。
【0083】
CFMモードの場合、送信回路23は、送信を担う振動子個々には異なるが全体には同一の遅延時間で成る遅延時間パターンを与えたパルス駆動信号P6をN回(例えば16回)、各振動子に繰り返し供給する。これにより、超音波パルスが同一方向にN回繰返し送信される。次の1シーケンスのときのN回の送信のときには、パルス駆動信号P6の遅延時間パターンを少し変化させ、同様の繰返し送信を行う。これを繰り返すことで、断面がスキャンされる。Bモードの場合、送信回路23は、超音波パルスの送信毎に振動子に与えるパルス駆動信号P6の遅延時間パターンを少しずつ変化させる。これにより断面がスキャンされる。
【0084】
このCFMモードおよびBモードのスキャンは、指定されたフレーム数だけ実行され、これで1回のフラッシュ送信が完了する。その後、送信を停止して待機し、一定時間の後、再びフラッシュ送信が行われる。このシーケンスが繰り返される。
【0085】
この超音波パルスは被検体内を伝搬しながら、制御された送信遅延時間により送信ビームを形成し、音響インピーダンスの異なる境界面でその一部が反射してエコー信号になる。戻ってきたエコー信号の一部または全部はプローブ11の1つまたは複数の振動子で受信され、対応する電気信号に変換される。
【0086】
2.2.受信系の構成および動作
一方、プローブ11に接続された受信器13は、プローブの各振動子に電気的に接続された複数の受信チャンネルの信号処理系を有する。この受信チャンネルのそれぞれの信号処理系の入力側にはプリアンプ31a(…31n)が挿入され、各プリアンプ31a(…31n)の後段にA/D変換器32a(…32n)、デジタルタイプの受信遅延回路33a(…33n)がこの順に挿入されている。
受信遅延回路33a…33nの遅延出力は、デジタルタイプの加算器34で加算される。
【0087】
このため、プローブ11が受信したエコー信号は、その対応する電気量のアナログ信号として受信チャンネル毎に受信回路13に取り込まれる。そして、このエコー信号は受信チャンネル毎に増幅された後、デジタル量のエコー信号に変換される。このエコー信号は受信チャンネル毎に送信時とは反対のパターンの遅延時間で遅延制御された後、加算される。これにより、送信時と同じ指向性を持った受信ビームに対応したエコー信号が受信器13から出力される。このエコー信号はBモード処理系回路14およびCFMモード処理系回路15にそれれ供給される。
【0088】
2.2.1.Bモード処理系の構成および動作
Bモード処理系回路14は、ここではデジタル信号を処理するデジタルタイプの回路群から成り、受信回路13から供給されたエコー信号からBモードの画像データを生成する機能を有する。
【0089】
この回路14は図示しないが、対数増幅器、包絡線検波器を有する。このBモード処理系回路14では、エコー信号はまず対数増幅器で対数的に増幅される。
そして、対数増幅器の出力信号の包絡線が包絡線検波回路で検波される。この検波信号はBモード画像データとして表示装置16に送られる。
【0090】
なお、Bモード画像は従来法のように基本波成分で生成される画像でもよいが、高調波を用いた画像でもよく、特に限定されるものではない。
【0091】
2.2.2.CFMモード処理系の構成および動作)
またCFM処理系回路15は、CFMモードでフラッシュエコーイメージングに基づく血流動態を観測するCFMモードの画像データの作成を担う回路群であり、デジタル信号の状態で各種の処理を行うデジタルタイプの回路群で構成されている。
【0092】
このCFM処理系回路15は、その入力側から2系統に信号処理系(2チャンネルa,b)が分岐し、その各系統にミキサ41a(41b)、LPF42a(42b)、BPF43a(43b)、バッファメモリ44a(44b)、およびMTIフィルタ44a(44b)をこの順に挿入してある。MTIフィルタ44a,44bの出力側は演算回路45を介して表示装置16に至る。
【0093】
この内、ミキサ41a,41bおよびLPF42a,42bは直交位相検波器を構成し、エコー信号を直交位相検波して各送受信毎且つ各深さ位置毎のドプラデータを抽出する。この回路15には、基準信号を発振する基準発振器47と、この基準信号に正確に90度の位相差を与えてミキサ41a,41bにそれぞれ供給する位相器48とを備える。この基準信号は、検出する信号の周波数と略同一の周波数を有する。例えば、基本波を検出するときは、送信される超音波パルス信号と略同一の周波数を有し、高調波を検出するときはその高調波の周波数と略同一の周波数を有する。この結果、受信器13の出力信号と基準信号とがミキサ41a及び41bにより乗算される。この乗算によって得られる、位相が90゜異なった結果信号はそれぞれLPF42a、42bを通過して、ミキシングで発生した不要な高周波成分が除去され、ベースバンドのドプラデータが抽出される。つまり、エコー信号から直交位相検波によりドプラデータが抽出される。この直交位相検波することにより、プローブに近づく血球からの信号と遠ざかる血球からの信号とを分離して検出すること(方向分離)が可能である。このドプラデータは、2系統の各系統別に、BPF(バンドパスフイルタ)43a,43bに入力される。
【0094】
BPF43a、43bは、画像化目的に応じて、ドプラデータから基本波および/または高調波を抽出するために設けられている。このBPF43a、43bは、本発明の第4番目の特徴的な構成を成すものである。
【0095】
このBPF43a、43bそれぞれにより、基本波のみ、高周波のみ、または基本波と高調波をそのまま通過させることができる。直交位相検波されたドプラデータには、送信周波数に対応する基本波としての、強いクラッタ信号と、フラッシュエコー現象を起こした造影剤の強い信号、および、その高周波としての、被検体の超音波伝搬の非線形性に起因して発生すると考えられる弱いクラッタ信号と、フラッシュエコー現象を起こした造影剤の基本波よりは弱いが、依然としてかなり強い信号との4種類が含まれる。
【0096】
この4種類の波形の受信スペクトラム(すなわち、受信器13の出力のスペクトラム)の例を模式的に図9に示す。但し、この図では、高調波としては信号強度が最も高い2次高調波のみを示す。高調波には、2次高調波、3次以降の高次の高調波、及び、1/2次,1/3次などのサブハーモニックが含まれるが、通常は2次高調波の信号強度が最も高い。従って、高調波を抽出するときは、S/N向上の観点から2次高調波のみを抽出した方がよい。勿論、一般には、高調波は2次高調波には限定されない。
【0097】
また、基本波と高調波の両者を通過させる場合も考えられるが、この場合の考え方は基本波を抽出する場合と同じであること、また、基本波と高調波の両者を通過させるよりは基本波を抽出した方がS/Nがよいことから、以降両者を区別せず、基本波を抽出するという表現で統一する。
【0098】
以上の背景に基づき、ここでは基本波を抽出する場合のみを説明する。なお、高調波の抽出の説明は後述の第4の実施形態で行う。
【0099】
造影剤のフラッシュエコー現象に起因した基本波を抽出することの利点は、高調波に比べ信号強度が高く、血流検出感度が良いことである。上述したように、基本波にはフラッシュエコー現象を起こした造影剤からの強い基本波の信号が含まれており、検出感度の上では最も有利である。感度が高いということは、その分、被検体のより深い位置からも造影剤の反射信号を収集することができることを意味する。即ち、ペネトレーションが高いので、より広い範囲に渡りスキャンを行うことができる。しかしながら、基本波には強いクラッタ成分も同時に含まれている。造影剤からの反射信号成分とクラッタ成分の強度は互いにほぼ同等か、造影剤からの反射信号成分の方がやや弱いので、クラッタ成分は的確に除去する必要がある。
【0100】
ドプラデータから基本波成分を抽出するには、図10(a)のスペクトラム(直交位相検波前のスペクトラム)に示す如く、BPF43a,43bそれぞれの通過帯域の中心を送信周波数fとほぼ同じ値に合わせ、超音波パルスの帯域に応じてBPFの帯域幅を決める。また、ドプラデータから基本波成分および高調波成分の両者を同時に抽出するには、同図(b)のスペクトラムに示す如く、通過帯域の中心を高調波側に(例えば1.5fに)ずらし、通過帯域を基本波成分と高調波成分の両方を含むように広めに設定すればよい。実際には、直交位相検波回路の基準信号発生器47の周波数を前者の例ではf0とほぼ同じ値、後者の例では例えば1.5fにして直交位相検波し、通過帯域の中心を0にした後、帯域の中心が0で所望の帯域幅を持ったBPF43a,43bで基本波成分又は基本波成分と高調波成分とを抽出する。このとき、BPF43a,43bはハードウエア的にはLPFで構成されるが、機能的にはBPFである。以下の説明では、本説明は省略し、前述した図10に関する構成のみを説明する。
【0101】
このように、基本波を用いた場合は、フラッシュエコー信号の検出感度が最も高いので、高いペネトレーションでフラッシュエコー画像を作成できる。
【0102】
バッファメモリ44a、44bは、各信号系統毎に、ドプラデータをバッファ用に一次保管し、断面の同一位置に対する時系列のドプラデータ、すなわちドプラ信号として読み出すとともに、そのデータ読み出し時にMTIフィルタ44a,44bへの同一位置のデータの入力順を逆転(逆読み)させるために設けられる。この逆読みは本発明の第5番目の特徴を成すもので、後段のMTIフィルタ45a,45bの過渡応答対策の1種である、いわゆる「初期データカット」を有効ならしめつつ、フラッシュエコー信号の感度を向上させる処理である。
【0103】
この逆読み処理を制御するため、バッファメモリ44a,44bに対して、そのデータ書き込みを制御する入力アドレスカウンタ49と、データ読み出しを制御する出力アドレスカウンタ50が設けられている。
【0104】
CFMモードの場合、スキャン断面の同一場所、すなわち同一ラスタを複数のN回スキャンし、その各回のスキャン毎に、得られたエコー信号を直交位相検波する。この検波により得られたドプラデータからBPFにより例えば基本波成分が抽出される。この基本波成分のデジタルデータは、バッファメモリ44a,44b内の入力アドレスカウンタ49により指定されたアドレスに順次記憶されていく。この結果、各ラスタについて見れば、N回のスキャンが終わった時点で、図11(a)に示す如く、超音波パルスの送受信回数を1次元とし、各ラスタの深さ位置をもう一方の1次元とする2次元のドプラデータが各バッファメモリに格納される。
【0105】
ここで、逆読みの処理の必要性および背景を以下に説明する。MTIフィルタ45a,45bは、このドプラデータを読み出してクラッタ成分を除去するためのフィルタリング処理を行う必要がある。これを行うため、従来は、出力アドレスカウンタで読み出しアドレスを切り替えながら、同一深さ位置で得られたN個の時系列のドプラデータをバッファメモリそれぞれから読み出し、MTIフィルタそれぞれに取り込む。MTIフィルタでは、後述するようにクラッタ成分が除去され、造影剤からの反射成分のみが抽出される。
【0106】
MTIフィルタでのフィルタリングの際、図12(a)に表すように、そのフィルタ出力波形の初期段階に過渡応答が生じる。このため、フィルタリングされたN個のデータ全部を用いて画像を得ると、過渡応答の影響で著しい画質の劣化を起こす。その対策の1つとして、フィルタリングを行った後、過渡応答が起こっている最初の数個のドプラデータを捨てて、過渡応答の影響を受けていない残りのドプラデータだけを使って速度やパワーの解析を行い、画像データを得るようにしている。この最初の数個のドプラデータを捨てる処理が「初期データカット」とも呼ばれる処理である。
【0107】
しかしながら、造影剤からの反射信号は、微小気泡の存在度合いから見て時間的に初めの方のドプラデータほど信号強度が高く、経時的に後になるほどその強度は弱くなる。したがって、過渡応答の影響を回避せんがために、最初の方のデータを捨てると、造影剤からの反射信号の強度が低いドプラデータだけを使った速度やパワーの解析になってしまう。これでは、造影剤からの反射信号の感度が大幅に低下してしまう。
【0108】
そこで、本発明では、この問題を解決するため、バッファメモリ44a,44bの夫々から各ラスタ上の各深さ位置で得られたN個の時系列データを読み出すときに、順序を逆にして時間的に最後に得られた信号から先に読み出す。このように逆の順序で読み出すと、MTIフィルタ45a,45bで過渡応答を起こすドプラデータは、造影剤からの反射成分の強度が小さいか、または強度が殆ど零に近い時間的に最後の方のデータとなる。したがって、図12(b)に示す如く、過渡応答を起こしたドプラデータの部分を捨てても、後に残るのは、造影剤からの強い反射信号に拠るドプラデータの列である。この残ったドプラデータを使って速度やパワーの解析を行うことで、その感度を向上させることができるし、かかる過渡応答の画像上への弊害をも回避できる。
【0109】
このバッファメモリ44a,44b夫々からの逆読み出しの処理は、本実施形態では、出力アドレスカウンタ50に読み出しアドレスを以下のように指定させることで実現している。
【0110】
いま、理解し易いように、ある1方向のラスタの送受信に限定して説明するが、これに限定されるものではない。前述したデータ書き込みにおいて、入力アドレスカウンタ49は、例えば、1、2、3、…、N*Lの順にアドレスをカウントし、バッファメモリ44a(44b)には、これにより指定されたアドレスにドプラデータが記憶される(図11(a)参照)。つまり、先ず1回目の送受信に対応して、そのラスタの深さ位置のアドレスに、1、2、…、LとL個(例えばL=1024)のドプラデータが記憶される。次に、2回目の送受信に対応して、そのラスタの深さ位置のアドレスに、1、2、…、LとL個のデータが記憶される。以降、N回目の送受信まで、順次、受信した順序で各ラスタの深さ位置のアドレスに同様にデータ記憶がなされる。
【0111】
そこで、このバッファメモリ44a(44b)からドプラデータを読み出すときには、例えば深さ位置の浅い方から順に、同一深さのデータを、送受信順序がN回目、(N−1)回目、…、1回目となるように読み出す(図11(b)参照)。すなわち、出力アドレスカウンタ50のアドレスのカウントを
【数1】
Figure 0004574802
という順序で行う。これにより、各深さ位置毎に、N回目のドプラデータから1回目のドプラデータまで、その書き込み時、すなわちエコー信号受信時とは時間的に逆の順序でドプラデータを読み出すことができる。
【0112】
さらに、MTIフィルタ45a,45bは、各系統別に、バッファメモリ44a,44bから逆読みされて送られてきたドプラ信号を入力し、心臓壁など固定反射体で反射してきた不要なエコー信号(クラッタ成分)を除去するとともに、いわゆる前述した「初期データカット」の処理を行う。これにより、クラッタ成分がドプラ信号全体から確実かつ精度良く除去され、造影剤からの反射信号が確実に抽出される。
【0113】
前述したように、フラッシュエコー現象を起こした造影剤からのドプラ信号のスペクトラムは広帯域(プロード)であるのに対して、クラッタ信号は殆どドプラシフトを生じていないので、特定のドプラスペクトラムを持つ。そこで、MTIフィルタ45a,45bでは、このドプラスペクトラムの差を利用してクラッタ信号を取り除くように帯域設定されている。
【0114】
MTIフィルタ部45A,45Bにより、クラッタ成分は除去され、造影剤からの反射波のみが演算回路46に送られる。演算回路46は、実数部、虚数部に相当するドプラデータを用いて血流の動態情報を推定する、例えば自己相関器およびこの相関結果を用いる平均速度演算器、分散演算器、パワー演算器を有しており、スペクトルの平均速度(ドプラ周波数)、速度分布の分散、血流からの反射信号のパワーなどの情報が推定演算される。この演算結果はCFMモードの画像データとして表示装置16に送られる。
【0115】
ところで、MTIフィルタ45a,45b夫々からのフィルタ出力は、送受信の順序と逆の順序になっている。つまり、ドプラシフトの位相が逆に回り、ドプラ周波数の方向分離を表す符号が逆になるから、実際の方向と逆の方向を示してしまう。従って、符号の付け替えを行い、正しい方向を示す値に変換する必要がある。この符号の付け替え処理は、本発明の第6番目の特徴を成すもので、この処理を演算回路46で合わせて行うようにしてある。
【0116】
例えば判り易いように、ドプラ周波数が単一の値fであるとすると、送受信と同じ順序でデータが並んでいれば、
【数2】
Figure 0004574802
となる。一般性を失うことなく、i=1及び2として考える。送受信と同じ順序でデータが並んでいれば、検出されるドプラ周波数fd,forは、
【数3】
Figure 0004574802
となる。送受信と逆の順序でデータが並んでいれば、検出されるドプラ周波数fd,revは、
【数4】
Figure 0004574802
となる。従って、送受信と逆の順序でデータが並んでいるときは、計算されたドプラ周波数の符号を付け替えることにより、正しい方向分離符号を持つドプラ周波数が得られる。したがって、演算回路46の平均速度演算器は求めたドプラ周波数の符号(方向)の極性を逆転させる。
【0117】
また、回路規模は若干大きくなるが、同様の効果を得る処理として、MTIフィルタ45a,45bの出力側に前記バッファメモリ44a,44bと同様のバッファメモリを配置し、このバッファメモリへの書込み、読出しを通してデータの順序を再度、逆転させて順並びにし、これを演算回路46に入力させる処理法を採用してもよい。
【0118】
2.2.3.表示系の構成および動作
こうして算出された速度データ又はパワーデータは表示装置16に送られる。
表示装置16は、Bモード用およびCFMモード用の2種類のフレームメモリおよび書込み/読出し制御回路を備えたデジタルスキャンコンバータ(DSC)61、ピクセルのカラー付与処理を行うカラー処理器62、D/A変換器63、および表示用のTVモニタ64を備える。Bモード処理系回路14およびCFMモード処理系回路15から出力されたデジタル量の画像データおよび速度データはDSC61の自己のフレームメモリに夫々書き込まれる。
【0119】
DSC61では、Bモード用フレームメモリおよびCFMモード用フレームメモリに格納されたデータが各別に標準TV方式で読み出される。さらに、この読出しと並行して、両フレームメモリの共通画素同士の一方が択一的に選択され、Bモード画像(背景像)にCFMモード画像(造影剤、すなわち血流の速度データ又はパワーデータ)が重畳された1フレームの画像データが形成される。この速度データ又はパワーデータにはカラー処理器32でカラー付与処理が施された後、D/A変換器により所定タイミング毎にアナログ信号に変換され、TVモニタ34にフラッシュエコーイメージングに拠るCFM画像として表示される。
【0120】
3.全体的な動作および作用効果
上述したように、この超音波診断装置にあっては、送信トリガ制御回路24によってフラッシュ送信が自動的に一定期間毎にオン・オフ制御される。そして、フラッシュ送信のオン期間には、被検体内に超音波パルスが送信される。造影剤は超音波パルスの照射によってフラッシュエコー現象を起こし、強い基本波と強い高調波を含んだ成分を反射する。それと共に、超音波パルスは被検体内の音響インピーダンスの各界面で反射される。これらのエコーは、混合された状態で、プローブの全部またはー部の圧電振動子で受信される。
【0121】
なお、送信のオフ期間には、送信に関しては格別の処理は行われず、単に待ち時問が発生するだけである。
【0122】
受信信号は受信器13に取り込まれる。受信器13で整相加算されたデジタル量のエコー信号はBモード処理系回路14とCFMモード処理系回路15とへ送られる。Bモード処理系回路14によりBモードの断層像データが生成される。
一方、CFMモード処理系回路15によりフラッシュエコーイメージングに拠るCFMモードの例えば血流速度分布像データが生成される。そして、表示装置16のTVモニタ64には、白黒のBモード断層像にCFMモードの血流速度分布カラー像が重畳して表示される。
【0123】
したがって、被検体に造影剤を投与し、フラッシュエコーイメージングに拠ってCFMモードの画像を容易に且つ精度良く観察することができる。
【0124】
とくに、従来装置におけるように、フラッシュエコー現象を起こさせるために、フリーズボタンを手動操作して送信を一旦止め、一定時間後にこのフリーズを解除するといった繁雑な手動操作を行う必要が無く、正確且つ的確にフラッシュ送信のオン・オフ制御できる。このフラッシュ送信のオン・オフの各期間は与えた条件により自動的に演算される。さらに、CFMモードのフラッシュ送信は常にそのほかのモードの送信に先行するように制御されるから、CFMモード時に高い強度のフラッシュエコー信号を受信できる。
【0125】
また、術者は、所望のフラッシュ送信条件やスキャン条件を操作パネルから与えるだけでよい。勿論、それらの条件の変更も簡単に操作パネルを介して行うことができ、この変更した条件に対しても装置側は自動的に追随できる。術者が希望すれば、心電同期法を使用することもできる。
【0126】
さらに、CFMモードの受信信号処理においても、BPFによって、直交位相検波アーチファクトのエコーデータから造影剤のフラッシュエコー現象に起因した基本波成分および/または高調波成分を適宜に抽出できる。フラッシュエコーイメージングにおける検出感度などの特性に応じてどの成分を抽出するかを決めることができる。
【0127】
また、MTIフィルタにより、その基本波成分および/または高調波成分からクラッタ成分も除去され、血流などに起因したドプラデータのみが的確に抽出される。このフィルタリングのときに、スキャン面の同一位置に対して、MTIフィルタへのドプラデータ列の入力順をその検出順とは反対の時系列順序になるように変換している(逆読み処理)。このため、MTIフィルタでのフィルタリング過渡応答の影響を受ける序盤のドプラデータを、積極的に、フラッシュエコー現象の弱いデータに押しつけることができる。このため、いわゆる「初期データカット」の処理により捨てるデータはフラッシュエコー現象の弱いドプラデータである。したがって、過渡応答の影響を確実に回避でき、同時に、フラッシュエコー現象の強いドプラデータを残し、高精度な速度解析を行わせることができる。
【0128】
さらに、演算回路によって速度解析されたデータは、同回路において符号の付け替え処理をも受ける。これにより、上述した逆読み処理を行っても、血流の方向性分離を誤ることがない。
【0129】
このように、この超音波診断装置によれば、とくに実際の診療の場での実用性が高く、且つ、各種の信号処理がフラッシュエコー現象で生じる増強信号の検出、処理に適した高感度の検出になる。したがって、操作性および実用性に優れ、かつ、診断能の高い、フラッシュエコーイメージングをCFMモードで行うことができる超音波診断装置が提供される。
【0130】
とろこで、上述したCFMモード処理系回路は直交位相検波器の後ろに、2チャンネルa,b別々にBPFを挿入した。このBPFの挿入位置の場合、BPFの設計が容易にすることができる。
【0131】
また、本実施形態の超音波診断装置にあっては、その受信・処理系回路13〜15を、受信増幅器の直後にA/D変換器を置いたデジタル処理タイプの回路に構成している。このデジタル化により、回路動作の安定化は勿論のこと、受信器や処理系回路の性能向上と処理の多様化とを推進することができる。
【0132】
なお、この実施形態にあっては、断層像上にCFM画像を表示する態様で説明してきたが、必ずしもそのような表示態様に限定されるものではない。
【0133】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態を図13に基づき説明する。なお、これ以降の実施形態において、上述した第2の実施形態と同一または同等の構成要素には同一符号を用い、その説明を省略または簡略化する。
【0134】
この実施形態に係る超音波診断装置は、前述したCFM処理系回路15に搭載するクラッタ成分の除去の別の構成に関する。具体的には、MTIフィルタに代えて、差分法に基づく差分演算回路を用いることを特徴とする。
【0135】
図13には、デジタルタイプのCFM処理系回路15を示す。この処理系回路15には、そのバッファメモリ44a,44bそれぞれに後段に、差分演算回路51a,51bを各系統毎に介挿し、この差分演算回路51a,51bの差分出力それぞれを演算回路46に渡すように構成してある。これ以外の構成は、前述した図2に記載のものと同一である。
【0136】
この差分演算回路周辺の動作を説明する。出力アドレスカウンタ50でアドレスを切り替えながら、同一深さ位置にて得られたN個のドプラデータがバッファメモリ44a,44bから読み出される。この読み出す順序は、この場合、同一深さ位置に対する送受信の順序でよい。読み出されたドプラデータは、差分演算回路51a,51bのそれぞれによって、隣り合うデータ間での差分処理に付される。
【0137】
具体的には、aチャンネルにおける差分演算回路51aに入力するドプラデータをi,i,i,iとすれば、出力は(i−i),(i−i),(i−i)となる。bチャンネルも同様に差分される。クラッタはほぼ静止しているので、隣り合うドプラデータのクラッタ成分はほぼ同じ値を持つことになり、この差分演算により除去される。これに対して、フラッシュエコー信号はドプラ周波数が広帯域(ブロード)であることから、乱れた時間波形を持つと考えられ、上記差分演算を行っても除去されずに通過する。
【0138】
従って、この差分演算を行えば、クラッタ成分を除去し、かつ、フラッシュエコー信号を抽出することができる。とくに、この差分演算の場合、差分演算自体によって過渡応答現象は生じることはないので、第2の実施形態で説明したような過渡応答対策としての「初期データカット」処理を行う必要がなく、したがってバッファメモリからの「逆読み処理」も不要になり、その一方で、フラッシュエコー信号が高強度である、時間的に先の方のドプラデータをそのまま速度解析に参加させ、高い速度検出感度を確保することができる。
【0139】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態を図14に基づき説明する。この実施形態の超音波診断装置は、そのCFM処理系回路のBPFにより、造影剤のフラッシュエコー現象に起因した高調波を抽出することを特徴とする。
【0140】
この高調波を抽出する場合の利点は、基本波を抽出する場合に比べて、別のアーチファクトを除去する能力があるということである。アーチファクトで最も強いのは、音場のメインローブで拾う臓器実質のエコー、すなわちクラッタ成分であるが、その他に心筋の動きを音場のサイドローブで拾う場合のような、強度は弱いが、高いドプラ周波数を持つアーチファクトが検査部位によっては存在する。基本波を用いる場合、クラッタ成分のドプラ周波数はほぼ零であるので、MTIフィルタでクラッタ成分を除去できるが、後者のようなアーチファクトが存在した場合、MTIフィルタでは除去できず、そのアーチファクトが画像に表われてしまう。
【0141】
このような状況では、高調波の抽出が有効である。即ち、後者のようなアーチファクトは、強度が弱く、高調波は存在しないので、高調波を抽出することにより除去される。また、クラッタ成分もその殆どが基本波成分であるので、高調波を抽出することにより、ほぼ除去することができる。一方、造影剤からのエコー信号は高強度の高調波成分を持つので、高調波を抽出すれば、造影剤信号を抽出することができる。つまり、高調波を抽出することにより、MTIフィルタや差分演算回路では除去できなかったアーチファクトをも除去することができる。
【0142】
実際には、図14に示す如く、BPF43a,43bの通過帯域の中心を送信周波数fの2倍の周波数に合わせるとともに、超音波パルスの帯域に応じてBPFの帯域幅を決めることで、高調波を抽出することができる。このようにして抽出された高調波は、バッファメモリ44a,44bに一旦、記憶され、その後、基本波の場合と基本的には同じ処理に付される。
【0143】
BPF43a,43bでアーチファクトが除去され、クラッタ成分もほぼ除去されているので、前述したMTIフィルタや差分演算回路を用いずに直接、演算回路にドプラデータを入力し、速度データを得るようにしても、造影剤からの信号は十分観察可能である。
【0144】
しかしながら、実際にはクラッタ成分の高調波成分も弱いながらも存在するので、前述したMTIフィルタ45a,45bまたは差分演算回路51a,51bを併用して消え残ったクラッタ成分を更に除去するようにしてもよい。これにより、アーチファクトが一層確実に除去されたCFM画像が得られる。従って、BPF43a,43bの通過特性を高調波抽出用に合わせる場合でも、MTIフィルタまたは差分演算回路を併用することが望ましい。
【0145】
ところで、高調波として2次高調波を抽出する場合、ドプラ周波数はfで送受信したドプラ周波数ではなく(ここでは説明を判りやすくするため、基準周波数は送信周波数と同じ周波数fとして説明するが、一般性は失われない。)、2fで送受信したドプラ周波数と同じになる(このことは、例えば論文「Japanese Journal of Medical Ultrasonics, Vol.21, Supplement 1; May, 1995; 65−211」参照)。したがって、演算回路46にて、その分を補正する必要がある。即ち、演算回路46で演算されるドプラ速度vは、基本波抽出のときの
【数5】
Figure 0004574802
に代えて、
【数6】
Figure 0004574802
として求められる。
【0146】
このように、CFMモード処理系回路において、BPFにより、高調波成分を抽出し、この成分に基づきCFM画像を生成できる。この場合、アーチファクト除去能力が高く、基本波ではアーチファクト除去が困難であった診断部位に対してもアーチファクトを除去することができるから、高画質で診断能の高いフラッシュエコーイメージングに拠るCFM画像を提供することができる。
【0147】
なお、第2の実施形態で説明した造影剤からの基本波を用いて画像を生成するモードと、この実施形態で説明した造影剤からの高調波を用いて画像を生成するモードとを、状況に応じて切り替えて使うように構成してもよく、これにより、フラッシュエコーイメージング機能の豊富化、多様化を図ることができる。
【0148】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態を図15に基づき説明する。この実施形態は、前述したBPFの挿入位置に特徴を有する。
【0149】
図15に示す如く、このCFMモード処理回路15は、前述した図13の回路構成に比べて、BPFの挿入位置を変えている。つまり、BPFのaチャンネルおよびbチャンネルの検波器の後ろの位置から前の位置に変更し、しかも、両チャンネルに共通の1個のBPF52にする構成を採用している。
【0150】
これにより、BPF52は、受信器から送られてくるエコー信号から、造影剤のフラッシュエコー現象に起因した基本波、高調波、または基本波+高調波のみを抽出し、その抽出信号を後段の直交位相検波器に送り、ドプラ信号を抽出させる。
【0151】
このように構成すると、BPF52の数が1個で済むという利点がある。
【0152】
なお、この図14のBPFの挿入位置に関する構成は、差分演算回路の代わりにMTIフィルタを用いた、図2のCFMモード処理系回路にも同様に好適に実施できる。
【0153】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態を図16に基づき説明する。この実施形態は、受信器およびBモード、CFMモード処理系回路をデジタルタイプの回路に代えて、アナログタイプの回路で構成したものである。
【0154】
図16に示すように、この超音波診断装置にあっては、受信器13の各受信チャンネルの増幅器31a(…31n)は直接、受信遅延回路33a(…33n)に接続されている。その代わりに、CFMモード処理系回路15には、その2チャンネルa,bそれぞれにて、BPF43a(43b)とバッファメモリ44a(44b)との間に、A/D変換器53a(53b)を介挿している。このため、バッファメモリへのデータ書き込み処理からデジタル信号として処理される。
【0155】
このように構成することによって、A/D変換器の数が2個で済むという利点もある。図2のデジタルタイプを採用するか、図16のアナログタイプを採用するかは、製造コストや信号処理などの性能を比較考慮して決めればよい。
【0156】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態を、図17〜20を参照して説明する。この実施形態の超音波診断装置は、フラッシュ送信を行っていない状態、すなわち診断部位(ラスタ部位)に造影剤が再び充満するのを待っている状態で発生するかもしれない、プローブと被検体との間の位置ずれを防止するため、フラッシュ送信とは別の条件に設定した、モニタ画面を得るための送信(以下、モニタ送信という)を行うことを特徴とする。
【0157】
すなわち、これまで説明してきた実施形態の場合、フラッシュ送信を停止(オフ)している間、画像を得ることはできないので、その間に画面目視による検査部位の位置同定はできない。したがって、プローブと被検体との間に相対的な位置ずれが生じたとしても、フラッシュ送信オフの間は、かかる位置ずれを認識することは困難である。
【0158】
そこで、かかる状況を打破して本発明の超音波診断装置の有用性を更に高めるため、この実施形態では図17および18に示す超音波診断装置を提供する。
【0159】
図17はこの超音波診断装置の全体構成を示し、前述した図2の構成に対応する。図17に示すように、この装置は上述したモニタ送信を行う送信器12を備える。この送信器12は、送信トリガ発生器21、パルス発生器22、および送信回路23に加えて、この実施形態固有の送信トリガ制御回路25、送信電圧制御回路26、および送信チャンネル設定回路27を備える。送信電圧制御回路26および送信チャンネル設定回路27は後述するように、それらの内のいずれか一方のみであってもよいものである。
【0160】
図18には、上述した送信トリガ制御回路25の具体的構成例を示す。この制御回路25は、前述した実施形態のように送信トリガ発生器21に対する送信モード別(すなわち、フラッシュ送信かモニタ送信か)の送信トリガの発生を制御する一方で、その制御過程で生成したパルスを流用して送信電圧制御回路26および送信チャンネル設定回路27を制御する構成になっている。
【0161】
送信トリガ制御回路25は、前述した図8に記載の回路をベースにし、その送信トリガ駆動パルス発生回路24Gを更に機能アップさせている。つまり、この発生回路24Gには、操作パネル17のモニタ送信オン・オフスイッチSW2からのモニタ送信のオン・オフ信号を受ける。このオン・オフ信号にはモニタ送信をBモード法で実施するか、CFMモード法で実施するのモニタモードの情報も含まれる。
【0162】
そして、この発生回路24Gは、モニタ送信オン・オフ信号がモニタ送信のオフ(停止)を示しているときは、前述した第2の実施形態のときと全く同じ動作を行う。一方、モニタ送信のオン(モニタ送信の実行)を示しているときは、図19に示す如く、フラッシュ送信のオン期間T1には前述の如くフラッシュ送信用の送信トリガ駆動パルスP3を送信トリガ発生器21に出力し、フラッシュ送信のオフ期間T2にはモニタモードに応じてモニタ送信用の送信トリガ駆動パルスP3に切り替えて、これを送信トリガ発生器21に出力する。
【0163】
そこで、送信トリガ発生器21は、フラッシュ送信用の送信トリガ駆動パルスP3を受けたときは前述の実施形態と同様に、指定フレーム数に応じたCFMモードの送信トリガP4を発生する(このとき、好ましくは、図19には示していないが、背景像となる断層像を得るためのBモードの送信トリガも送信される。
図7参照)。反対に、モニタ送信用の送信トリガ駆動パルスP3を受けたときには、演算で求められる適宜なフレーム数に応じたBモードの送信トリガP4に切り替える。
【0164】
加えて、フラッシュ送信時間設定パルス発生回路24Fが出力するフラッシュ送信時間設定パルスP2は、その後段の送信トリガ駆動パルス発生回路24Gのみならず、前述した送信電圧制御回路26および送信チャンネル設定回路27にも供給される。
【0165】
送信電圧制御回路26は、図19に示す如く、フラッシュ送信時間設定パルスP2のオン期間T1の間は、超音波パルスの送信音圧=第1の音圧値Hになり、一方、オフ期間T2の間は、その送信音圧=第2の音圧値Lとなるように、送信回路23での駆動パルス電圧値を別々に制御する。具体的には、オン期間T1の発生パルス電圧値を高い値に、オフ期間T2のそれは低い値に制御する。送信チャンネル設定回路27も同様に、フラッシュ送信時間設定パルスP2のオン期間T1の間は、超音波パルスの送信音圧=第1の音圧値Hになり、一方、オフ期間T2の間は、その送信音圧=第2の音圧値Lとなるように、送信回路23の送信チャンネル数を別々に割り当てる。具体的には、オン期間T1の送信チャンネル数を多い数に、オフ期間T2のそれは少ない数に設定する。
【0166】
第1の音圧値Hは、生体安全上、許容される範囲内で造影剤にフラッシュエコー現象を起こさせる、できるだけ高い値であるが、第2の音圧値Lは第1の音圧値Hよりも低くし、具体的には造影剤がフラッシュエコー現象を起こさない程度の低圧値に設定される。ただし、この第2の音圧値Lがあまり低くなると感度が低下して画像が見にくくなるので、フラッシュエコー現象が起こらないような範囲で感度をできるだけ高く保ち得る値に設定される。この第2の音圧値Lも、パネルスイッチから術者が設定することができると都合がよい。その場合、手動設定の第2の音圧値Lは、具体的には、上述した送信電圧値および/または送信チャンネル数に解読されて、制御回路26および/または設定回路27に与えられる。
【0167】
要するに、フラッシュ送信(本発明の第1の送信)のときには送信音圧を第1の音圧値Hに設定し、モニタ送信(本発明の第2の送信)のときには送信音圧を第2の音圧値Lに設定できればよいので、送信電圧制御回路26および送信チャンネル設定回路27はそのいずれか一方のみで、かかる第1、第2の音圧値を切換制御してもよい。ここでは、両回路26、27が共働してそれらの音圧値を送信モードに応じて切り替えるように構成している。
【0168】
これにより、図19に示す如く、1シーケンスの内のフラッシュ送信時とモニタ送信時との間で、送信電圧が第1の音圧値Hと第2の音圧Lとに切り替えられる。第1の音圧値により、フラッシュエコー現象を起こさせてフラッシュエコー信号が得られる。即ち、前述の第2の実施形態のフラッシュ送信オンと全く同じ時問、条件でスキャンされる。
【0169】
これに対し、第2の実施形態ではフラッシュ送信オフとした時間帯に、この実施形態では低い第2の音圧値Lに切り替えられてモニタ送信が継続される。第2の音圧値により、造影剤が充満しつつも、フラッシュエコー現象が起きない。このモニタ送信によって得られたエコー信号は、Bモード処理系回路14を介して処理され、TVモニタ64にスキャン断面のBモード断層像としてリアルタイムに表示される。
【0170】
このように、フラッシュ送信が指定されたときには、フラッシュエコー現象を起こす送信がなされ、フラッシュエコーイメージングに拠るCFMモード像が表示される一方で、モニタ送信が指令されたときには、フラッシュエコー現象を起こさずに、通常のBモード像がリアルタイムでモニタ画像として表示される。フラッシュ送信とモニタ送信は1シーケンスで1回ずつ行われ、このシーケンスが繰り返される。この両方の送信で得られる画像は、図20(a)に示すように、TVモニタ64の同一画面に両送信の画像を時間的に交互表示してもよいし、同図(b)に示すように、2画面にして別々に表示してもよい。
【0171】
がって、フラッシュ送信を行っていない間でもリアルタイムで被検体の診断部位をモニタできるので、スキャン位置の同定が容易になる。つまり、プローブと被検体との間の位置ずれを容易に是正できる。この位置ずれの防止、是正は、操作上の労力の軽減、診断時間の短時間化などに止まらず、画像診断の信頼性をも向上させる。一方、診断部位をリアルタイムで観察しながらフラッシュエコーイメージングに拠る造影剤検査ができるようになり、更に簡便で、操作性良く、診断能が向上した超音波診断装置を提供できる。
【0172】
なお、この実施形態では、モニタ送信を、リアルタイム性を重視して通常のBモードを用いる構成を説明したが、これに代えて、CFMモードのモニタ送信も可能である。モニタ中もカラーで血流の観察を行いたい場合には、CFMモードのモニタ送信が好適である。
【0173】
また、この実施形態の装置のCFMモード処理系回路15にも、前述したCFMモード処理系回路の各種の特徴を適用することができる。MTIフィルタの代わりに、差分演算回路を用いる構成や、BPFを直交位相検波器の前段に挿入する構成などである。さらに、前述したように、この装置の受信器13の増幅器以降の回路およびBモード処理系回路14、CFMモード処理系回路15をデジタル信号の形態で処理を行うデジタルタイプの回路で構成することも、勿論、可能である。
【0174】
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態を、図22〜25を参照して説明する。この実施形態の超音波診断装置は、上述した第7の実施形態と同様に、フラッシュ送信オフ期間ではフラッシュ送信は行わないものの、この期間をモニタ期間として、より有効に画像化に利用することを目的とする。
【0175】
図22に示す超音波診断装置は、第1の実施形態の装置と同様に、プローブ1を備える一方で、このプローブ1に電気的に接続された送信器2及び受信器3と、この受信器3に電気的に接続されたBモード処理器4及びCFMモード処理器5と、この両処理器4、5に電気的に接続された表示装置6とを備える。
【0176】
送信器2は、前述と同様に、駆動信号発生器2A´と、この発生器2A´を介して送信状態を制御する送信トリガ制御器2B´とを備える。この内、駆動信号発生器2A´は図17の送信トリガ発生器21、パルス発生器22、送信回路23、送信電圧制御回路26、及び送信チャンネル設定回路27を組み合わせたものと同等の構成を有する。
【0177】
また、送信トリガ制御器2B´は、前述した図17の送信トリガ制御回路25と同等の構成を有する。加えて、送信トリガ制御器2B´には送信モード設定器81が接続されており、この設定器81から送信モードが指令される。この送信モード設定器81には手動で又は自動で所望の送信モードが設定される。
【0178】
送信モードとしては、図23(a)〜(d)に示す如く、4種類のモードが用意されている。即ち、第1の送信モードは、図23(a)に示す如く、フラッシュ送信:オンの期間(送信音圧=第1の音圧H)にCFMモード及びBモードの送信を同一フレーム数分ずつ行い、フラッシュ送信:オフのモニタ期間(送信音圧=第2の音圧L)にBモードのみのモニタ送信を所定周期で行うモードである。
【0179】
なお、送信音圧を第1の音圧Hに設定する送信条件は本発明の第1の送信条件に相当し、一方、送信音圧を第2の音圧Lに設定する送信条件は本発明の第2の送信条件に相当する。第1及び第2の音圧H,Lは前述した第7の実施形態で説明した値である。
【0180】
第2の送信モードは、図23(b)に示す如く、フラッシュ送信:オンの期間にCFMモード及びBモードの送信を同一フレーム数分ずつ行い、フラッシュ送信:オフのモニタ期間にもCFMモード及びBモードのモニタ送信を同一フレーム数分ずつ行うモードである。
【0181】
また、第3の送信モードは、図23(c)に示す如く、フラッシュ送信:オンの期間にCFMモード及びBモードの送信を同一フレーム数分ずつ行い、フラッシュ送信:オフのモニタ期間にCFMモードのみのモニタ送信を所定周期で行うモードである。
【0182】
さらに、第4の送信モードは、図23(d)に示す如く、フラッシュ送信:オンの期間にCFMモード及びBモードの送信を同一フレーム数分ずつ行い、フラッシュ送信:オフのモニタ期間にはモニタ送信を行わない(但し、送信音圧=0)モードである。
【0183】
従って、どの送信モードが指定されたにせよ、フラッシュ送信オンの期間には共に両モードの超音波パルス送信がなされ、フラッシュ送信オフの期間には指定モードでモニタ用の超音波パルス送信がなされ(第1〜第3の送信モード)、又は、送信停止される(第4の送信モード)。
【0184】
前述の各実施形態と同様に、Bモードの送信に伴うエコー信号はBモード処理器4で受信処理される一方で、CFMモードのそれはCFMモード処理器5で受信処理される。
【0185】
表示装置6は、Bモード処理器4及びCFM処理器5からの画像データを合成する画像合成器6Aと、この合成器により合成された画像を表示する表示器6Bとを備える。画像合成器6Aには表示モード設定器82が接続されており、この設定器82から合成器6Aに図24、25に示す各種の適宜な表示モードが指令される。この表示モード設定器82には手動で又は自動で所望の表示モードが設定される。
【0186】
具体的には、第1〜第3の送信モード(図23(a)〜(c)参照)が指令されているときには、第1〜第3の表示モード(図24(a)〜(c)参照)及び第4〜第6の表示モード(図25(a)〜(c)参照)の内の何れかの表示モードが指令される。また、第4の送信モード(図23(d)参照)が指令されているときには、適宜な表示モード(図24(a),(b)及び図25(a),(b)参照)が指令される。
【0187】
第1の表示モードは、図24(a)に示すように、エコー信号の強度に基づき動画形態でほぼリアルタイムに得られた、第2の画像としてのBモード像(組織形態又は血流状態を表す画像)上に、エコー信号の位相変位情報に基づき得られた、第1の画像としての、血流のカラー像(CFM像)を第1の送信条件による画像においては間欠的に重畳して表示するモードである。また、第2の表示モードは、図24(b)に示すように、Bモード像上に、第1の送信条件での血流のカラー像(CFM像)を更新しながら常時、重畳して表示するモードである。さらに、第3の表示モードは、図24(c)に示すように、第1及び第2の表示モードの両画像を並べて同時に表示するモードである。
【0188】
一方、第4の表示モードは、図25(a)に示す如く、Bモード像上に、ほぼリアルタイムな血流のカラー像(CFM像)を重畳表示するモードである。また、第5の表示モードは、図25(b)に示す如く、Bモード像上に血流のカラー像(CFM像)を重畳してホールド状態で表示するもので、そのホールド表示状態をフラッシュ送信オフのモニタ期間からフラッシュ送信期間に移行して最初のフレームの画像が生成されるまで継続し、その最初の画像が生成される度にその画像で更新するモードである。さらに、第6の表示モードは、図25(c)に示すように、第4及び第5の表示モードの両画像を並べて同時に表示するモードである。
【0189】
従って、本実施形態によれば、複数種の送信モードと複数種の表示モードとを適宜組み合わせて、モニタ期間における画像化を行い、情報量の多いモニタ画像を得ることができる。これにより、フラッシュ送信を行わないモニタ期間における組織の形態(通常のBモードの場合)又はパフュージョンを含む血流状態(ハーモニックBモード又はCFMモードの場合)の変化をも併せて、トータルでフラッシュエコーイメージングの画像を観察することができる。
【0190】
なお、送信モード設定器81を設けないで、送信トリガ制御器2B´が予め定めた送信モードのトリガ指令を行うように構成しておいても、勿論よい。同様に、表示モード設定器82を設けないで、画像合成器6Aが予め定めた表示モードでの画像合成を行うように構成しておいてもよい。これにより、モニタ画像を得るときの送信モード及び表示モードは固定されるが、その分、構成が簡素化された装置を得ることができる。
【0191】
また、第8の実施形態の構成には、前述した、ドプラ信号をその時系列の入力順に記憶するメモリ手段と、このメモリ手段から断面の同一位置毎にそのドプラ信号を入力順とは反対の時系列で読み出す読出し手段と、この読出し手段により読み出されたドプラ信号を入力して当該ドプラ信号からクラッタ成分を除去するクラッタ除去手段とを備えた構成を適用することもできる。この場合、クラッタ除去手段は、クラッタ成分の除去処理の後、この除去処理に伴う過渡応答の影響を受けたデータを廃棄する処理を行う手段を含んでいてもよい。さらに、クラッタ除去手段により処理されたドプラ信号を周波数解析する解析手段を備え、この解析手段はその解析結果の符号の付け替え処理を行う手段を含んでいてもよい。
さらに、クラッタ除去手段により処理されたドプラ信号の断面の同一位置毎の時系列を前記入力順の時系列に並べ替える手段と、この並べ替えたドプラ信号を周波数解析する手段とを備えていてもよい。
【0192】
また、前述した第3〜第7の実施形態で説明した手法、即ち、MTIフィルタに代わる差分法演算回路の使用、CFM処理系回路のBPFによる造影剤からの高調波抽出などの手法は、この第8の実施形態にも同様に適用できる。
【0193】
さらに、血流の動態をカラーで表示するCFM画像は、血流又は造影剤(コントラストエコー法のとき)の速度値を2次元カラーマップした画像に限らず、そのパワー値を2次元カラーマップした画像やグレースケール像、即ちBモードアンギオ像(断層と血流が共にグレスケールで表示される)であってもよい。
【0194】
さらに、血流カラー像及びBモード像は、送信超音波パルスの基本波成分による画像、高調波成分による画像、又はパルスインバージョン法(パルスインバージョン・ドプラ法を含む)で生成した画像であってもよい。この画像の種類に応じて、エコー信号の所望の周波数成分を通過させるフィルタ手段(図示せず)がCFMモード処理器5の検波器5A及びBモード処理器4に設けられる。また、両モード毎のフィルタを統合して受信器3に設けてもよい。所望の周波数成分としては、基本波、高調波、基本波と高調波の混合波などが在る。
【0195】
一方、フラッシュオン期間とフラッシュオフ期間(モニタ期間)は前述と同様に不等間隔であってもよい。このフラッシュオン期間とフラッシュオフ期間から成る周期は、マニュアルで又はプログラマブルに可変できる周期調整手段83(図22参照)を設けてもよい。これにより、血流速度の大小に合わせて最適なモニタ期間を設定でき、心筋のパフュージョンの観察や血流動態の定量化にも対処できる。
【0196】
この周期調整手段83は、本装置に内蔵されたクロックからの内部トリガ又は心電同期などの外部トリガに応じて周期を設定することが望ましい。また、この手段83は、その両トリガを切り換えて選択的に使用できることが望ましい。
【0197】
さらに、CFM像とBモード像を並行して画像化する場合、フレームレートを向上させるために、CFM像を得るための複数回の送信の一部を用いてBモード像を作成することができる。これにより、Bモード専用の送信を行わずに、フレームレートを上げることができる。
【0198】
以上、本発明に関わる各種の実施形態を説明してきたが、その効果の代表的なものを総括すると、以下のようになる。
【0199】
送受信の制御を行って、送信トリガの発生のオン、オフ切換を自動で行っているので、有効なフラッシュエコー信号のCFM画像が簡便に得られ、実用的な超音波診断装置が提供できる。
【0200】
また、Bモード用の送信トリガよりもCFMモード用の送信トリガが常に先行するようにその順番を指令しているので、感度よくCFMモードのフラッシュエコー画像を得ることができる。
【0201】
また、造影剤の信号を弁別する手段にMTIフィルタを装備した場合、複数回の送受信により受信した信号を受信順序と逆の順序でMTIフィルタに入力できる。このため、最初の方の感度よいCFMモードのフラッシュエコーデータを用いることができ、高画質で診断能の高いフラッシュエコー画像を得ることができる。
【0202】
さらに、造影剤の信号を弁別する手段に前記複数回の送受信により受信した複数個の信号のうち隣り合う信号の差分をとる手段を装備した場合、最低2回の送受信でクラッタを除去できて、リアルタイム性が向上し、且つ最初の方の感度よいCFMフラッシュエコーデータを用いることができ、感度よくCFMモードのフラッシュエコー画像を得ることができる。
【0203】
また、基本波を用いた場合には、最も感度よくCFMモードのフラッシュエコー画像を得ることができ、高調波を用いた場合には、アーチファクトの除去能力を向上させ、高画質で診断能の高い画像を得ることができる。基本波または高調波を切り替えて用いるようにもできる。
【0204】
また、フラッシュエコー現象を発生させていない待機状態においても、モニタ像によって被検体の診断部位をリアルタイムにモニタできるので、検査部位の位置の同定が容易になり、位置ずれを起こしにくい。また診断部位をリアルタイムに観察しながらフラッシュエコー造影剤検査ができるようになり、更に簡便で、操作性が良く、診断能が向上した超音波診断装置を提供することができる。
【0205】
さらに、このモニタ像の取得に様々な手法を用意したので、オペレータは診断部位の性状に合った最適なモニタ像を得ることできる。
【0206】
なお、本発明は上述した実施例に限定されることなくその要旨を逸脱しない範囲で更に、種々変形、組合せて実施可能である。
【0207】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、フラッシュエコーイメージングを行う際、第1及び第2の送信条件を制御して画像化し、しかも、それらの送信条件の元でそれぞれ得られる第1及び第2の画像を適切に表示するので、フラッシュエコー現象を生じている場合は勿論のこと、そうでない場合をも含めて、トータルで有用な画像情報を最適なモードで提供することができ、フラッシュエコーイメージングに最も適した態様の超音波診断装置を提供することができる。
【0208】
また、フラッシュエコー現象を起こさせていない期間においても、リアルタイムで被検体の診断部位をモニタする構成を採用したので、被検体に造影剤を投与して行うフラッシュエコーイメージングをCFM像で観察するときの、実用面での機能および性能アップが図られ、操作性に優れ、かつ診断能の高い超音波診断装置を提供することができる。
【0209】
また、CFMモードに関わる各種の信号をフラッシュエコー現象の検出に最適な構成で処理しているので、フラッシュエコー信号の検出、処理の感度に優れた超音波診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置の機能ブロック図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図。
【図3】送信トリガ制御回路の動作を説明するためのタイミングチャート。
【図4】フラッシュ送信起動パルスの等間隔および不等間隔を説明するタイミングチャート。
【図5】心電同期法を説明するためのタイミングチャート。
【図6】操作パネルに装備されるスイッチ類の一例を示す図。
【図7】送信トリガのBFMモードおよびBモード別の時系列順を説明する図。
【図8】送信トリガ制御回路のより詳細なブロック図。
【図9】造影剤からのエコー信号とクラッタ成分の周波数スペクトル図。
【図10】BPFの通過帯域と基本波または基本波および2次高周波の関係を示す周波数スペクトル図。
【図11】MTIフィルタへの逆読みを説明するためのデータの書き込み順、読み出し順を説明する図。
【図12】MTIフィルタの過渡応答、初期データカット処理、および逆読み処理を説明する図。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る超音波診断装置のCFMモード処理系回路を示すブロック図。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る超音波診断装置におけるBPFの通過帯域と2次高周波の関係を示す周波数スペクトル図。
【図15】本発明の第5の実施形態に係る超音波診断装置のCFMモード処理系回路を示すブロック図。
【図16】本発明の第6の実施形態に係る超音波診断装置を示すブロック図。
【図17】本発明の第7の実施形態に係る超音波診断装置を示すブロック図。
【図18】送信トリガ制御回路の構成を示すブロック図。
【図19】送信トリガ制御回路の動作を説明するためのタイミングチャート。
【図20】フラッシュ送信に拠る画像とモニタ送信に拠る画像の表示例を示す図。
【図21】フラッシュエコーイメージングにおけるドプラスペクトルの一例を示す図。
【図22】本発明の第8の実施形態に係る超音波診断装置を示すブロック図。
【図23】第1〜第4の送信モードにおける音圧値と収集画像の種類を説明する図。
【図24】第1〜第3の表示モードを説明する画面の図。
【図25】第4〜第6の表示モードを説明する画面の図。
【符号の説明】
1 プローブ
2 送信器
3 受信器
4 Bモード処理器
5 CFMモード処理器
6 表示装置
11 プローブ
12 送信器
13 受信器
14 Bモード処理器
15 CFMモード処理器
16 表示装置
17 操作パネル
18 制御回路
19 心電計
21 送信トリガ発生器
24 送信トリガ制御回路
25 送信トリガ制御回路
26 送信電圧制御回路
27 送信チャンネル設定回路
32a,32b A/D変換器
43a,43b,52 BPF
44a,44b バッファメモリ
45a,45b MTIフィルタ
46 演算回路
49,50 入出力アドレスカウンタ
51a,51b 差分演算回路
53a,53b A/D変換器
64 TVモニタ
81 送信モード設定器
82 表示モード設定器
83 周期調整手段

Claims (27)

  1. 超音波造影剤を投与した被検体の画像を得る超音波診断装置において
    音波を送波及び受波する超音波振動子と、
    前記造影剤を実質的に崩壊させる第1の駆動条件と、前記造影剤を実質的に充満させる第2の駆動条件とに基づいて前記超音波振動子を駆動させ送信手段と、
    前記超音波の超音波エコーを受信し、前記超音波エコーの基本周波数成分を含むドプラスペクトラムに基づいてカラー表示の第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、
    前記超音波の超音波エコーを受信し、前記超音波エコーの振幅情報に基づいて第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、
    前記駆動条件を前記第2の駆動条件から前記第1の駆動条件に切り替えると、所定期間中に前記第1の画像を生成するための超音波を前記第1の駆動条件で送波させ、前記所定期間の終了と共に前記第2の画像を生成するための超音波を前記第1の駆動条件で送波させる送信順指令手段と、
    前記第1の画像及び前記第2の画像を表示する手段と、を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 超音波造影剤を投与した被検体の画像を得る超音波診断装置において
    音波を送波及び受波する超音波振動子と、
    前記造影剤を実質的に崩壊させる第1の駆動条件と、前記造影剤を実質的に充満させる第2の駆動条件とに基づいて前記超音波振動子を駆動させ送信手段と、
    前記超音波の超音波エコーを受信し、前記超音波エコーの位相変位情報に基づいてカラー表示の第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、
    前記超音波の超音波エコーを受信し、前記超音波エコーの振幅情報に基づいて第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、
    前記駆動条件を前記第2の駆動条件から前記第1の駆動条件に切り替えると、所定期間中に前記第1の画像を生成するための超音波を前記第1の駆動条件で送波させ、前記所定期間の終了と共に前記第2の画像を生成するための超音波を前記第1の駆動条件で送波させる送信順指令手段と、
    前記第1の画像及び前記第2の画像を表示する手段と、
    を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項1または2に記載の超音波診断装置において、
    前記送信順指令手段は、前記第1の駆動条件と前記第2の駆動条件とを交互に切り替え、前記第1の駆動条件に基づく前記超音波振動子の駆動の開始の間隔を可変可能とすることを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    前記送信順指令手段は、前記第1の駆動条件に基づいて前記超音波振動子を駆動させる際に、走査線毎に、前記第1の画像を生成するための超音波の送波と、前記第2の画像を生成するための超音波の送波とを行い、前記走査線毎の送波を繰り返すことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    前記第1の画像生成手段は、前記超音波エコーを受信したエコー信号を時系列方向に並べたデータ列を生成し、前記データ列のうち時系列における後段のエコー信号を除くエコー信号から位相変位成分を抽出し、前記位相変位成分に基づいて前記第1の画像を生成することを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
    高域濾波処理あるいは差分処理によるフィルタ処理を施すフィルタ手段をさらに備え、
    前記第1の画像生成手段は、前記超音波エコーを受信したエコー信号を時系列方向に並べたデータ列を生成し、前記データ列のうち時系列における後段のエコー信号から順に前記フィルタ手段によるフィルタ処理を施し、前記フィルタ処理の施されたデータ列のうち時系列における後段のエコー信号を除くエコー信号に基づいて前記第1の画像を生成することを特徴とする超音波診断装置。
  7. 請求項1乃至の何れか一項記載の超音波診断装置において、
    前記第2の画像生成手段は、前記第2の画像を動画形態で生成
    前記表示手段は、前記動画形態の第2の画像上に前記第1の画像を間歇的に表示させることを特徴とする超音波診断装置。
  8. 請求項1乃至の何れか一項記載の超音波診断装置において、
    前記表示手段は、前記第2の画像上に前記第1の画像を常時、表示させる画像を表示することを特徴とする超音波診断装置。
  9. 請求項1乃至の何れか一項記載の超音波診断装置において、
    前記第2の画像生成手段は、前記第2の画像を動画形態で生成する手段を有し、
    前記表示手段は、前記動画形態の第2の画像上に前記第1の画像を間歇的に表示させる手段と、前記第2の画像上に前記第1の画像を常時、表示させる手段とを有することを特徴とする超音波診断装置。
  10. 請求項1乃至の何れか一項記載の超音波診断装置において、
    前記第1の画像生成手段は、前記第1の画像をリアルタイムに生成
    前記表示手段は、前記第2の画像上に、前記リアルタイムな前記第1の画像を表示させることを特徴とする超音波診断装置。
  11. 請求項1乃至の何れか一項記載の超音波診断装置において、
    前記表示手段は、前記第2の画像に前記第1の画像を重畳した画像を表示、前記第1の駆動条件による所定番目の超音波送信に対応した所定フレーム目の前記第1の画像の生成毎に、前記重畳画像上の第1の画像を更新することを特徴とする超音波診断装置。
  12. 請求項1乃至の何れか一項記載の超音波診断装置において、
    前記第1の画像生成手段は、前記第1の画像をリアルタイムに生成
    前記表示手段は、前記第2の画像上にリアルタイムな前記第1の画像を重畳したリアルタイム画像と、前記第2の画像に前記第1の画像を重畳したホールド画像とを同時に表示することを特徴とする超音波診断装置。
  13. 請求項1乃至の何れか一項記載の超音波診断装置において、
    前記第1の画像は、前記被検体の血流又は前記造影剤のパワーの画像又は運動速度の画像であることを特徴とする超音波診断装置。
  14. 請求項1乃至の何れか一項記載の超音波診断装置において、
    前記第1又は第2の画像は、前記超音波の基本波による画像、高調波による画像、又はパルスインバージョン法で送受したときのパルスインバージョン画像であることを特徴とする超音波診断装置。
  15. 請求項1乃至の何れか一項記載の超音波診断装置において、
    前記送信手段は、前記第1の駆動条件下での超音波送波期間と前記第2の駆動条件下での超音波送波期間とから成る周期を等間隔又は不等間隔で繰り返すことを指令することを特徴とする超音波診断装置。
  16. 請求項15記載の超音波診断装置において、
    前記周期と前記第1及び第2の駆動条件とから成る情報の内の少なくとも一部をマニュアル又はプログラマブルに指令する指令手段をさらに備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  17. 請求項15記載の超音波診断装置において、
    前記送信手段は、内蔵された内部トリガ又は外部の外部トリガに応じて前記周期を設定、前記両方のトリガの切換を指令可能であることを特徴とする超音波診断装置。
  18. 請求項1乃至6の何れか一項記載の超音波診断装置において、
    前記送信手段は、前記第1及び第2の画像生成手段により前記第1及び第2の画像を並行して生成するときに、前記第1の画像を得るための前記超音波の送信を前記第2の画像を得るための前記超音波の送信に対して常に先行させる送信順指令手段を有することを特徴とする超音波診断装置。
  19. 請求項18記載の超音波診断装置において、
    前記送信順指令手段は、前記両方の送信の順を走査線単位又はフレーム単位で指令することを特徴とする超音波診断装置。
  20. 請求項1乃至6の何れか一項記載の超音波診断装置において、
    前記第2の画像生成手段は、前記第1及び第2の画像が並行して生成されるときに、前記送信手段による前記第1の駆動条件下での一部の送信に伴う前記エコー信号を用いて前記第2の画像を生成することを特徴とする超音波診断装置。
  21. 請求項1乃至6の何れか一項記載の超音波診断装置において、
    前記エコー信号の所望の周波数成分を通過させるフィルタ手段をさらに備えることを特徴とする超音波診断装置。
  22. 請求項21記載の超音波診断装置において、
    前記所望の周波数成分は、前記超音波の基本波成分、高調波成分、又はその基本波成分及び高調波成分の混合波であることを特徴とする超音波診断装置。
  23. 請求項21記載の超音波診断装置において、
    前記位相変位成分を抽出する処理は、高域濾波又は差分処理であることを特徴とする超音波診断装置。
  24. 請求項23記載の超音波診断装置において、
    前記位相変位成分を抽出する処理は高域濾波であり、
    前記データ列の各データを、前記各データの取得順とは反対の時系列順で前記高域濾波に付させる手段と、前記高域濾波後のデータの内、当該高域濾波に伴う過渡応答の影響を廃棄する手段と、前記廃棄処理により残ったデータの時系列の順番を元の取得順に戻す手段とさらに備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  25. 請求項23記載の超音波診断装置において、
    前記位相変位成分を抽出する処理は高域濾波であり、
    前記データ列の各データを、前記各データの取得順とは反対の時系列順で前記高域濾波に処する手段と、前記高域濾波後のデータの内、当該高域濾波に伴う過渡応答の影響を廃棄する手段と、前記廃棄処理により残ったデータについて速度画像の速度方向を示す符号を反転させる手段とさらに備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  26. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
    前記送信順指令手段は、前記送信手段を介して、前記第1の駆動条件で前記第1の画像を生成する際に、同一方向に複数回ずつ前記超音波を送波させることで前記被検体の断面をスキャンさせ、
    前記第1の画像生成手段は、前記スキャンに伴って受波されたエコー信号から前記断面上の空間的なサンプル位置毎に時系列方向に並ぶ複数個のデータから成るデータ列を生成し、前記データ列に対し差分処理を行い、前記超音波の基本周波数の信号成分を含むドプラスペクトラム成分を抽出し、前記ドプラスペクトラム成分から前記第1の画像を生成することを特徴とする超音波診断装置。
  27. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
    前記送信順指令手段は、前記送信手段を介して、前記第1の駆動条件で前記第1の画像を生成する際に、同一方向に複数回ずつ前記超音波を送波させることで前記被検体の断面をスキャンさせ、
    前記第1の画像生成手段は、前記スキャンに伴って受波されたエコー信号から前記断面上の空間的なサンプル位置毎に時系列方向に並ぶ複数個のデータから成るデータ列を生成し、前記データ列の取得順とは反対の時系列順で高域濾波を行い、前記データ列から前記超音波の基本周波数の信号成分を含むドプラスペクトラム成分を抽出し、前記ドプラスペクトラム成分から前記第1の画像を生成することを特徴とする超音波診断装置。
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