JP2002224114A - 超音波診断装置及び超音波診断方法 - Google Patents

超音波診断装置及び超音波診断方法

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JP2002224114A
JP2002224114A JP2001023872A JP2001023872A JP2002224114A JP 2002224114 A JP2002224114 A JP 2002224114A JP 2001023872 A JP2001023872 A JP 2001023872A JP 2001023872 A JP2001023872 A JP 2001023872A JP 2002224114 A JP2002224114 A JP 2002224114A
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JP
Japan
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scan
diagnostic apparatus
ultrasonic diagnostic
acceleration
ultrasonic
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JP2001023872A
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English (en)
Inventor
Eiichi Shiki
栄一 志岐
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Toshiba Corp
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Medical Systems Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】血流の拍動性を表す情報を簡便に且つ精度良く
描出でき、操作者に血管の種別を確実に判別させる。 【解決手段】超音波診断装置において、スキャン手段
(1〜3、7、4A)は、スキャン断面に沿った第1の
方向に超音波パルスを複数回送信させながら第1の受信
信号を得る操作を当該第1の方向を移動させて繰り返す
第1のスキャンと、第1の方向とは異なる第2の方向に
超音波パルスを複数回送信させながら第2の受信信号を
得る操作を当該第2の方向を移動させて繰り返す第2の
スキャンとを実質的に並行して行う。抽出手段(4B)
は、第1及び第2の受信信号の夫々から血流のドプラ信
号をサンプル点毎に抽出する。処理手段(4C〜4F)
は第1及び第2のスキャンに応じた血流ドプラ信号に基
づき血流の加速度の2次元分布像データを得る。表示手
段(6)は加速度の2次元分布像データを表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体内の血流や
動きのある組織などの動き要素の動態を表示する超音波
診断装置及び超音波診断方法に係り、特に、血流の拍動
性や組織の運動変化を確実に捕捉し精度よく表示するこ
とができるようにした超音波診断装置及び超音波診断方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】医療現場で使用されている近年の超音波
診断装置は、診断の目的に応じた多くの撮像モードを有
している。この撮像モードには、例えば、断層像を表示
するBモード、血流像を表示するCFM(Color
Flow Mapping)モード、組織の運動速度像
を表示するTDI(Tissue Doppler I
maging)モードなどがある。
【0003】これらの撮像モードのうち、CFMモード
は、2次元マッピングの血流情報をリアルタイムに表示
するものであり、通常、超音波プローブに近づく流れを
赤で、プローブから遠ざかる流れを青で表示させてい
る。
【0004】このCFMモードの表示を行うには、従来
広く知られているように、被検体内の同一場所(走査線
方向)を複数回(N回)、超音波で走査をして得られ
た、各深さ位置毎に収集される時系列のエコー信号から
各深さ位置における血球の速度がドプラ法に基き検出さ
れる。すなわち、ドプラ信号は、同一場所を所定時間間
隔で走査して得られる血球からの反射信号(血流信号)
の単位時間内の位相シフト量(ドプラシフト量)から求
められ、この位相シフト量が血流速度に換算される。
【0005】各回の超音波走査に伴うエコー信号には、
血球のように移動している物体からの反射波と、血管壁
や臓器実質のように殆ど移動していない固定物体からの
反射波が混在している。しかも特徴的なことは、その反
射強度の点においては後者が支配的であるとともに、前
者にはドプラシフトが生じているのに対し、後者にはド
プラシフトが殆ど生じていない点にある(固定反射体か
らの反射波はクラッタ信号と呼ばれる)。そこで、エコ
ー信号から直交位相検波(ミキサとローパスフィルタ
(LPF)を備えて成る)によりドプラ信号が抽出され
る。このドプラ信号はMTIフィルタに送られて、ドプ
ラ信号のクラッタ成分がMTIフィルタによりドプラシ
フト量の差を利用して除去される。このようにして、各
深さ位置毎に、N個のドプラデータから成る血流ドプラ
信号が効率よく抽出される。
【0006】この血流ドプラ信号は周波数解析に付され
て、そのスペクトルの平均周波数(ドプラ周波数)が求
められるとともに、分散値、あるいは血球からの反射強
度(パワー)が算出される。ドプラ周波数fは、
【数1】 の式に基きドプラ速度Vに換算することができる。こ
こで、cは音速、fはミキサの基準信号周波数、θは
超音波ビームと血流との成す角度(ドプラ角度と呼ばれ
る)である。
【0007】通常、超音波でスキャンされる被検体断面
(スキャン断面)が成す空間においてサンプリングされ
るサンプル位置毎にドプラ角度は異なる。しかし、サン
プル位置毎にドプラ角度を求めて上記(1)式によりド
プラ速度Vを演算することは、演算能力からして実際
上、困難である。このため、従来では、ドプラ角度の補
正を伴わない、簡略化された演算式
【数2】 V=f・c/(2f) ……(2) に基づきドプラ速度Vが演算されている。
【0008】この(2)式に基づいてドプラ速度V
演算することは、実際に流れている血流の速度が同じで
あっても、ドプラ角度が大きい位置ほど、遅い速度にな
ることを意味している。この現象は角度依存性と呼ばれ
ている。
【0009】この(2)式に基づいて得られたスキャン
断面における各サンプル位置の血流情報、即ちドプラ速
度Vは、通常、Bモード像に重畳された2次元分布の
CFM像としてモニタ上に表示される。
【0010】一方、TDIモードは、心筋などの組織の
動きを2次元的にリアルタイムに表示するものである。
このTDIモードの場合も、通常、超音波プローブに近
づく組織の動きを赤で、プローブから遠ざかる組織の動
きを青で表示させている。
【0011】このTDIモードの表示を行うには、上述
のCFMモードのときと同様に、スキャン断面の同一の
走査線方向を所定の時間間隔で複数回、超音波走査して
組織からの反射信号(組織エコー信号)が収集される。
この反射信号の単位時間内の位相シフト量(ドプラシフ
ト量)から直接、組織ドプラ信号が求められる。この組
織ドプラ信号は、前述と同様に、ドプラ角度補正を伴わ
ない前記(2)式を用いて組織運動速度Vに変換され
る。このようにして得たスキャン断面上の各サンプル位
置の組織運動速度Vは、通常、Bモード像に重畳され
て2次元分布のTDI像としてモニタ上に表示される。
【0012】ところで、前述したCFMモードは、血流
の動態を血流ドプラ信号に基づく運動速度から把握する
表示法である。これに対し、血流の動態を加速度情報か
ら観察できるようにした試みも提案されている。一例と
して、特公平2768959号(特願昭63−3161
17号)に記載されている如く、フレームメモリに書き
込まれた連続する2フレーム分の血流速度と、これらの
血流速度が検出されたフレーム間の時間間隔とに基づい
て血流の運動加速度が演算され、この運動加速度が2次
元表示される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】近年、診断法の進歩に
伴い、血管を動脈、門脈、静脈というように簡便に且つ
精度よく見分けることができる表示法が求められてい
る。超音波を用いて血管の種別を上記のように見分ける
には、血流の拍動性の大小に着目するのが一つの方法で
ある。
【0014】従来のCFMモードの速度表示で拍動性を
観察するには、速度値を示す色の時間的な変化を注視す
るのが一つの方法である。具体的には、速度値を示す色
が時間的に変化していれば拍動性を呈しており、変化し
ていなければ非拍動性の状態であるというように、原理
的には、判別できる筈である。
【0015】しかし、実際には、速度表示像を注視して
いても、判別の難しい場合が多く、実用的ではない。例
えば、動脈の拍動を示す血流速度は、心臓の収縮に対応
した200〜300msの間に、急速な立上り及び立下
りを行い、その後は漸減する。このため、この急速な立
上り及び立下りを確実に捉えて精度良く表示したいとこ
ろであるが、速度表示の場合には、そのような運動の変
化を必ずしも確実に捕捉できず、変化情報の取りこぼし
が生じていた。従って、もっと簡便に、血管の種別に応
じた拍動性を識別できる表示法が要請されていた。
【0016】しかも、前述したように、CMFモードの
場合、角度依存性の問題も放置されている。
【0017】また、前述した従来法の一つである加速度
分布像を表示させる方法の場合、2フレーム分の血流速
度、即ちフレーム間で演算しているので、粗い時間間隔
の演算になっている。このため、上述した心臓の収縮期
のように短い時間帯に激しく動く血流については時間分
解能が不足するなど、必ずしも満足できる性能が得られ
ない可能性が高い。
【0018】一方、TDIモードの場合、例えば、心筋
の運動の状態を観察でき、心疾患の診断能の向上に向け
た研究がなされている。現在は、組織運動の速度だけで
あるが、他にも組織運動に有用なパラメータを表示する
モードを精度良く提供することにより研究の更なる進展
が期待されている。しかしながら、このTDIモードの
場合も、ドプラ法で求める組織の運動速度表示であるの
で、特に、心筋の拍動に伴う運動動態を表示する場合な
どにおいて、運動変化を捕捉する能力が不足していた。
同時に、前述した角度依存性の問題も残されている。
【0019】本発明は、上述した従来技術の問題に着目
してなされたもので、血流の拍動性を表す情報を簡便に
且つ精度良く描出でき、これにより、操作者に血管の種
別を確実に判別させることが可能な超音波診断装置を提
供する、ことを1つの目的とする。
【0020】また、本発明は、組織の運動状態を新たな
パラメータに拠る2次元分布像により精度良く且つその
運動状態を的確に反映させて描出することができる超音
波診断装置を提供することを、その別の目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る超音波診断装置は種々の形態を採るこ
とができる。
【0022】この基本構成を説明する。この基本構成の
1つによれば、本発明に係る超音波診断装置は、請求項
1に記載する如く、被検体に超音波パルスを送信して当
該被検体の所望断面をスキャンする装置であり、前記断
面に沿った第1の方向に前記超音波パルスを複数回送信
させながら当該送信毎に第1の受信信号を得る走査を当
該第1の方向を移動させて繰り返す第1のスキャンと、
前記第1の方向とは異なる前記断面に沿った第2の方向
に前記超音波パルスを複数回送信させながら当該送信毎
に第2の受信信号を得る走査を当該第2の方向を移動さ
せて繰り返す第2のスキャンとを実質的に並行して行う
スキャン手段と、前記第1及び第2の受信信号の夫々か
ら前記断面における動き要素の動きの状態を表す第1及
び第2の動き要素信号を当該断面のサンプル点毎に抽出
する抽出手段と、前記第1及び第2の動き要素信号に基
づき前記動き要素の動きの状態を表す加速度の2次元分
布像データを得る処理手段と、前記加速度の2次元分布
像データを表示する表示手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0023】また別の基本構成によれば、本発明に係る
超音波診断装置は、請求項2に記載する如く、被検体に
超音波パルスを送信して当該被検体の所望断面をスキャ
ンする装置であり、前記断面に沿った第1の方向に前記
超音波パルスを複数回送信させながら当該送信毎に第1
の受信信号を得る走査を当該第1の方向を移動させて繰
り返す第1のスキャンと、前記第1の方向とは異なる前
記断面に沿った第2の方向に前記超音波パルスを複数回
送信させながら当該送信毎に第2の受信信号を得る走査
を当該第2の方向を移動させて繰り返す第2のスキャン
とを実質的に並行して行うスキャン手段と、前記第1及
び第2の受信信号の夫々から前記断面における動き要素
の動きの状態を表す加速度の2次元分布像データを得る
処理手段と、前記加速度の2次元分布像データを表示す
る表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】さらに、別の基本構成によれば、請求項1
又は2に記載の超音波診断装置において、請求項3に記
載する如く、好適には、前記スキャン手段は、前記超音
波パルスに拠る前記断面上の各走査線に対して、前記第
1及び第2のスキャンの内、一方のスキャンを一定時間
差で他方のスキャンに追随させるスキャン制御手段を備
える。
【0025】さらに、別の基本構成によれば、本発明に
係る超音波診断装置は、請求項20に記載する如く、被
検体に超音波パルスを送信して当該被検体の所望断面を
スキャンし、その送信に対する受信信号を得るスキャン
手段と、前記受信信号から前記断面に存在する動き要素
の動きの速度を演算する速度演算手段と、前記速度を用
いて前記動き要素の動きの加速度を演算する加速度演算
手段とを備えた超音波診断装置であって、前記速度演算
手段は、前記速度の折返り現象の影響を除去する折返り
除去手段を有することを特徴とする。
【0026】さらに、別の基本構成によれば、本発明に
係る超音波診断装置は、請求項21に記載する如く、被
検体に超音波パルスを送信して当該被検体の所望断面を
スキャンする装置であり、前記断面に沿った第1の方向
に超音波パルスを複数回送信させながら当該送信毎に第
1の受信信号を得る走査を当該第1の方向を移動させて
繰り返す第1のスキャンと、前記第1の方向とは異なる
前記断面に沿った第2の方向に前記超音波パルスを複数
回送信させながら当該送信毎に第2の受信信号を得る走
査を当該第2の方向を移動させて繰り返す第2のスキャ
ンとを実質的に並行して行うスキャン手段を備え、前記
第1のスキャンに拠る前記第1の方向への前記超音波パ
ルスの送信と前記第2のスキャンに拠る前記第2の方向
への前記超音波パルスの送信との時間差を、前記超音波
パルスに拠る1本の走査線のスキャンに要する時間か
ら、1フレーム分の複数の走査線よりも1本少ない複数
の走査線のスキャンに要する時間までの間の所望時間差
に設定したことを特徴とする。
【0027】さらに、本発明では、請求項22に記載す
る如く、被検体内の画像化したい断面に沿った第1の方
向に超音波パルスを複数回送信させながら当該送信毎に
第1の受信信号を得る走査を当該第1の方向を移動させ
て繰り返す第1のスキャンと、前記第1の方向とは異な
る前記断面に沿った第2の方向に前記超音波パルスを複
数回送信させながら当該送信毎に第2の受信信号を得る
走査を当該第2の方向を移動させて繰り返す第2のスキ
ャンとを実質的に並行して行い、前記第1及び第2の受
信信号の夫々から前記断面における動き要素の動きの状
態を表す第1及び第2の動き要素信号を当該断面のサン
プル点毎に抽出し、前記第1及び第2の動き要素信号に
基づき前記動き要素の動きの状態を表す加速度の2次元
分布像データを求め、この加速度の2次元分布像データ
を表示する、ことを特徴とする超音波診断方法が提供さ
れる。
【0028】さらに、本発明では、請求項23に示す如
く、被検体内の画像化したい断面に沿った第1の方向に
超音波パルスを複数回送信させながら当該送信毎に第1
の受信信号を得る走査を当該第1の方向を移動させて繰
り返す第1のスキャンと、前記第1の方向とは異なる前
記断面に沿った第2の方向に前記超音波パルスを複数回
送信させながら当該送信毎に第2の受信信号を得る走査
を当該第2の方向を移動させて繰り返す第2のスキャン
とを実質的に並行して行い、前記第1及び第2の受信信
号の夫々から前記断面における動き要素の動きの状態を
表す加速度の2次元分布像データを求め、この加速度の
2次元分布像データを表示する、ことを特徴とする。
【0029】請求項1に記載の発明、請求項1の構成に
基礎を置く発明、並びに請求項21及び22にそれぞれ
記載の発明により、被検体内の例えば血流などの動きの
ある流体の2次元分布の加速度像がCFMモード下で表
示される。以下に代表的な作用効果を述べる。
【0030】このCFMモードの場合、被検体内の第1
の方向に超音波パルスを複数回送受信しながら画像化し
たい断面がスキャン(第1のスキャン)されると共に、
この第1のスキャンと並行して前記第1の方向と異なる
第2の方向に超音波パルスを複数回送受信しながら、一
定時間差で第1のスキャンを追跡するスキャン(第2の
スキャン)が行われる。この第1及び第2のスキャンで
得られた受信信号から組織信号が除去され、血流信号が
得られる。第1及び第2のスキャン各々に拠る血流信号
から血流速度が得られ、これらの血流速度と両スキャン
の時間差とから血流の加速度情報が画素毎に演算され
る。この加速度情報は、2次元画像として表示される。
【0031】このように血流の加速度を直接、2次元的
にリアルタイムに表示できるので、従来のCFMの血流
速度画像に比べ、拍動性を簡便に分かりやすく表示する
ことができる。このため、動脈、門脈、静脈等の視認性
及び識別性が格段に向上し、診断能の向上に寄与大とな
る。
【0032】また、加速度を求める時間差が一定してお
り、CFMモードのROI幅など装置条件の設定状態に
依存せずに、常に一定時間幅における加速度が得られ
る。さらに、その時間差は、1走査線をスキャンする時
間(例えば4ms程度)から、1フレームをスキャンす
る時間(例えば200ms程度)よりも1走査線分のそ
れを差し引いた時間までの間で、1走査線毎の任意値で
設定可能である。これにより、動脈の速い立上り立下り
の加速度を確実に捉え、しかも精度よい値が得られる時
間差に設定できる。このため、常に一定時間幅という安
定した条件で、しかも動脈の速い加速度をも確実に精度
良く捉えることができ、高精度の加速度が得られるの
で、動脈、門脈、静脈等の視認性及び識別性が向上す
る。
【0033】また、加速度の変化が速く、そのままリア
ルタイム表示する場合には見辛いと感じることも有り得
る。そのようなときには、加速度の変化を緩和して表示
させることもでき、これにより、視認性を高められる。
【0034】さらに、第1のスキャンと第2のスキャン
に拠る送受信は並列に同時に行ってもよく、これによ
り、リアルタイム性が向上する。
【0035】さらに、第1のスキャン及び第2のスキャ
ンが夫々複数の走査線を並行して走査するようにしても
よく、これにより、低流速時の加速度検出能が向上す
る。
【0036】さらにまた、第1及び第2のスキャンで得
られた受信信号から高調波信号を抽出すれば、血流加速
度のハーモニック画像を得ることができ、アーチファク
トの少ない画像が得られ、診断能への向上大となる。
【0037】また、スキャン断面のBモード断層像を得
て、このBモード断層像に血流の2次元分布加速度像と
を重ね合わせて表示することも好適である。これによ
り、血管の位置を容易に同定できるようになり、視認性
が更に向上した加速度像が得られ、診断能率を向上させ
る。
【0038】一方、請求項2に記載の発明、請求項2の
構成に基礎を置く発明、並びに請求項19及び21にそ
れぞれ記載の発明により、被検体内の例えば心筋などの
動きのある組織の2次元分布加速度像がTDIモード下
で表示される。以下に代表的な作用効果を述べる。
【0039】このTDIモードの場合、被検体内の第1
の方向に超音波パルスを複数回送受信しながら画像化し
たい断面がスキャン(第1のスキャン)されると共に、
この第1のスキャンと並行して、第1の方向と異なる第
2の方向に超音波パルスを複数回送受信しながら、一定
時間差で第1のスキャンを追跡するスキャン(第2のス
キャン)が行なわれる。この第1及び第2のスキャン各
々の受信信号(組織信号)から得たれる組織運動速度と
両スキャンの時間差とから加速度が画素毎に得られ、組
織の2次元分布加速度像として表示される。
【0040】従来、TDIモードは速度表示であるが、
加速度表示をリアルタイムな2次元画像として新たに提
供することができる。このため、今後の心疾患の研究な
どに威力を発揮するものと考えられる。加速度を求める
ための時間差は一定しており、しかも4〜20ms程度
の幅で時間差を設定できる。ゆえに、装置条件の設定状
態に依存しない安定した条件で、しかも心拍動の動きを
取りこぼさずに精度良く捉えることができ、視認性及び
検出能良く加速度を表示させることができる。
【0041】また、第1及び第2のスキャンで得られた
受信信号から高調波信号を抽出すれば、組織運動加速度
のハーモニック画像を得ることができる。このハーモニ
ック画像は、基本波成分を用いた画像よりも、アーチフ
ァクトが少なく、描出能に優れている。
【0042】本発明では、前述したCFMモードで述べ
たその他の作用効果は、TDIモードにおいても同様に
享受することができる。
【0043】さらに、請求項20に記載の発明によれ
ば、加速度を演算するときに求める速度の折返り現象の
影響が確実に除去されるため、最終的に演算する加速度
データの精度が著しく向上する。これにより、安定で信
頼性のある加速度データを提供することができる。
【0044】なお、本発明は、超音波造影剤を投与した
被検体に対して実施する超音波診断装置及び超音波診断
方法であってもよい。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。
【0046】(第1の実施形態)図1〜6を参照して、
本発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置を説明す
る。
【0047】図1に、この超音波診断装置の概略構成を
示す。この超音波診断装置は、被検体の血流情報を2次
元的に表示するCFM機能を有する。
【0048】図1に示すように、この超音波診断装置
は、被検体の体表に当接させる超音波プローブ(以下、
プローブという)1を備える一方で、このプローブ1に
電気的に接続された送信部2及び受信部3と、この受信
部3に電気的に接続されたCFM処理部4及びBモード
処理部5と、この両処理部4、5に電気的に接続された
表示部6と、送信部2、受信部3、及びCFM処理部4
に電気的に接続され且つ制御信号を出力するスキャン制
御部7とを備える。
【0049】プローブ1は、超音波信号と電気信号の間
で双方向に信号を変換する機能を有する。このプローブ
1は、一例として、その先端にリニアに配置されたアレ
イ型圧電振動子を備える。アレイ型圧電振動子は複数の
圧電素子を並列に配置した構造を有し、その配置方向を
走査方向としたもので、複数の圧電素子それぞれが送受
信の各チャンネルを成す。
【0050】送信部2は、送信パルスを発生する送信パ
ルス発生器2Aと、その送信パルスを受ける送信ビーム
フォーマ2Bとを備える。送信ビームフォーマ2Bは、
送信パルスを、スキャン制御部7から指示されたスキャ
ン法に従って遅延制御すると共に駆動パルス信号に変換
し、これをプローブ1に出力する。上記スキャン法は本
発明を適用して実施される。プローブ1では、複数の送
信チャンネルのうちの各チャンネル毎に振動子が励振さ
れる。これにより、本発明に基づくスキャン法に従っ
て、プローブ1から被検体内に超音波パルスが送信され
る。
【0051】受信部3は、プローブ1に接続されたプリ
アンプ3Aと、このプリアンプ3Aに接続された受信ビ
ームフォーマ3Bとを備える。プリアンプ3Aは、図示
しないが、プローブ1の受信チャンネルの振動子それぞ
れに接続されたプリアンプ回路と、このプリアンプ回路
それぞれの出力側に受信チャンネル毎に備えたA/D変
換器とを備える。これにより、プローブ1の受信チャン
ネルの振動子から出力された電気量のエコー信号は、前
置増幅され、次いでデジタル量に変換される。
【0052】受信ビームフォーマ3Bは、図示しない
が、複数の受信チャンネルのうちの各チャンネル毎に設
けられた受信遅延回路と、この受信遅延回路夫々の出力
側に接続される加算回路とを備える。これにより、プリ
アンプ3Aから出力される受信チャンネル毎のエコー信
号は、受信ビームフォーマ3Bにより受信遅延及び加算
の処理に付されてビームフォーミングされる。この受信
遅延処理は、スキャン制御部7から送られてくる制御信
号に応答して行われるもので、本発明のスキャン法に従
っている。これにより、送信時と同一方向に向いたビー
ム状のエコー信号が演算上で形成される。このエコー信
号は、CFMモード処理部4及びBモード処理部に送ら
れる。
【0053】CFMモード処理部4は、図1に示す如
く、その入力側から、直交位相検波器4A、動き要素信
号抽出器4B、電子式のスイッチ4C、本発明に従う2
通りの第1のスキャン及び第2のスキャンそれぞれに専
用化して設けた第1及び第2の速度演算器4D及び4
E、並びに加速度演算器4Fをこの順に備えている。
【0054】このため、CFMモード処理部4におい
て、エコー信号は最初に直交位相検波器4Aにより直交
位相検波に付される。この直交位相検波の結果、エコー
信号からI(In−phase)信号及びQ(Quad
rature−phase)信号から成るドプラ信号が
生成される。このI、Q信号を用いることに拠り、動き
要素の運動の方向(血流などの動き要素がプローブに近
づいているか、プローブから遠ざかっているか)を分離
することができる。
【0055】このI,Q信号(以下、総括的には「受信
信号」と呼ぶ)は、図示していないが、その信号別に、
動き要素信号抽出器4Bに送られる。この動き要素信号
抽出器4Bは、I,Q信号の別に装備された2つのMT
I(Moving Target Indicatio
n)フィルタを有する。これらのMTIフィルタは、ド
プラシフト量の差を利用して、I信号及びQ信号のそれ
ぞれから殆ど静止している組織から生じたエコー成分
(クラッタ成分)を除去する。この結果、殆どが血流ド
プラ信号のみから成るI信号及びQ信号がそれぞれ得ら
れる。
【0056】この動き要素信号抽出器4Bの出力側に
は、1入力2出力の電子式切替スイッチ4Cが設けられ
ている。この切替スイッチ4Cは、後述するスキャン制
御部7から送られてくる制御信号に応答して、その出力
端を第1又は第2の出力端T1又はT2に切り替える。
このため、切替スイッチ4Cの経路は、制御信号が第1
のスキャン:SN1を示しているときには第1の出力端
T1に切り替えられ、一方、第2のスキャン:SN2を
示しているときには第2の出力端T2に切り替えられ
る。
【0057】具体的には、スキャン制御部から切替スイ
ッチ4Cに送られてくる制御信号は、後述するように、
本発明に基づくスキャンを実施するためのスキャンシー
ケンスである。この一例を図2〜4に示す。
【0058】このため、切替スイッチ4Cは、スキャン
シーケンスが指しているその時点のスキャンが第1のス
キャンSN1の場合には、上述の如く、その出力経路を
第1の出力端T1に切り替える。これにより、第1のス
キャンSN1によって得られた血流ドプラ信号(デジタ
ル量)が第1の速度演算器4Dに送られる。一方、切替
スイッチ4Cは、スキャンシーケンスが指しているその
時点のスキャンが第2のスキャンSN2の場合には、上
述の如く、その出力経路を第2の出力端T2に切り替え
る。これにより、第2のスキャンSN2によって得られ
た血流ドプラ信号が第2の速度演算器4Eに送られる。
図2〜4に示すスキャンシーケンスの場合、第1及び第
2のスキャン:SN1及びSN2の間で走査線毎に交互
に交替されるスキャン順が設定される。この結果、第1
のスキャン:SN1及び第2のスキャン:SN2で得ら
れた血流ドプラ信号は、スキャン制御部7の指示に従っ
て、走査線毎に且つ交互に、第1及び第2の速度演算器
4D及び4Eに夫々送られることになる。
【0059】第1及び第2の速度演算器4D及び4Eの
それぞれは、一例として、入力するドプラ信号に自己相
関法の処理を行う自己相関器を備えるとともに、この自
己相関器の演算結果からスキャン断面の各サンプル点の
平均ドプラ周波数(平均速度)を演算する平均速度演算
器、分散値を演算する分散演算器、及び信号強度(パワ
ー)を演算するパワー演算器を備えている。このため、
第1の速度演算器4Dでは、第1のスキャンに係るスキ
ャン断面の各サンプル位置におけるドプラ周波数fd1
が自己相関法により求められ、このドプラ周波数fd1
から前述した式(2)に基づいてドプラ速度Vd1(血
流速度)が求められる。同様に、第2の速度演算器4E
においても、第2のスキャンに対して、スキャン断面の
各サンプル位置毎に、ドプラ周波数fd2が求められ、
このドプラ周波数fd2からドプラ速度Vd2が求めら
れる。
【0060】この第1及び第2の速度演算器4D及び4
Eで演算されたドプラ速度Vd1,Vd2は、スキャン
断面の各サンプル点毎に、加速度演算器4Fに夫々送ら
れる。また、この加速度演算器4Fには後述するスキャ
ン制御部7から第1及び第2のスキャンの時間差T
difが与えられるように構成されている。このため、
加速度演算器4Fは、後述する(5)式に基づき、各サ
ンプル位置における血流の加速度の大きさを演算する。
このように演算された血流加速度Accの大きさのスキ
ャン断面上の分布データは表示部6に送られる。
【0061】一方、前述したBモード処理部5はエコー
信号からスキャン断面のBモード断層像の画像データを
生成し、この画像データを表示部6に送るように構成さ
れている。
【0062】表示部6は、図示していないが、CFMモ
ード処理部4及びBモード処理部5から送られてきた血
流加速度の大きさの2次元分布データ及びBモード断層
像データを受信するDSC(デジタルスキャンコンバー
タ)を備え、この出力側に、カラー処理器、D/A変換
器、及びカラーモニタを備える。このため、DSCは、
一例として、Bモード断層像データに血流加速度の2次
元分布データ(CFMモード像データ)を重畳するとと
もに、加速度の大きさを示すカラーバーなどの指標を併
記した標準テレビ走査方式の画像データを所定の表示レ
ートで作成する。この画像データのうち、血流加速度を
呈する画素は、カラー処理器により、加速度の大きさ及
び方向に応じた色相及び輝度のカラー処理が施される。
このように処理された画像データはアナログ信号に変換
された後、モニタにCFMモードに拠る血流加速度像と
して表示される。
【0063】一方、スキャン制御部7は、図1に示す如
く、時間差データ設定器7A、第1及び第2のスキャン
に対応して設けた第1及び第2のスキャンシーケンサ7
B及び7C、並びに統合スキャンシーケンサ7Dを機能
的に備える。
【0064】このスキャン制御部7では、時間差データ
設定器7Aにより、本発明の特徴である2つのスキャン
(第1のスキャンと第2のスキャン)の時間差Tdif
が設定され、この設定値Tdifが第1及び第2のスキ
ャンシーケンサ7B及び7C、並びに、CFMモード処
理部4の加速度演算器4Dに送られる。第1及び第2の
スキャンシーケンサ7B及び7Cは、夫々、与えられた
時間差Tdifをもってスキャンシーケンスを発生さ
せ、これを統合スキャンシーケンサ7Dに送る。統合ス
キャンシーケンサ7Dは、送られてきた2つのスキャン
シーケンスを統合して1つの時系列に並んだスキャンシ
ーケンスを発生させ、これを送信ビームフォーマ2B、
受信ビームフォーマ3B、及びCFM処理部4の切替ス
イッチ4Cに送る。
【0065】上述した構成及び処理において、プローブ
1、送信部2、受信部3、スキャン制御部7、及び直交
位相検波器4Aが本発明のスキャン手段を成し、動き要
素信号抽出器4Bが本発明の抽出手段を成し、第1及び
第2の速度演算器4D,4E及び加速度演算器4Fが本
発明の処理手段を成し、さらに表示部6が本発明の表示
手段を成す。
【0066】次に、本発明の1つの特徴である、加速度
を演算するために行う2つのスキャンの順番を制御する
スキャンシーケンスを、図2〜4を用いて具体的に説明
する。図2〜4は、本発明に係る最も基本的なスキャン
シーケンスを示す。
【0067】図2は、第1及び第2のスキャンの走査線
毎の走査順を示すスキャンチャートで、横軸に走査線の
並びを示し、縦軸に時間tを示している。同図におい
て、黒丸●は第1のスキャンにおけるCFMモードスキ
ャン、黒星印★は第1のスキャンにおけるBモードスキ
ャン、白丸○は第2のスキャンにおけるCFMモードス
キャン、及び、白星印☆は第2のスキャンにおけるBモ
ードスキャンを示している。また、同図において、
【外1】 の記号を用いているが、この中で、は第1のスキャン
を、は第2のスキャンを、沿え字は走査線番号
を、j、lはCFMモードスキャンにおけるデータパケ
ット内の番号を示す。CFMは同一の走査線方向に超音
波信号を複数回、送信するので、この複数回分のデータ
を一まとめにしてデータパケットと呼ぶ。また、
【外2】 の記号において、BはBモードスキャンを示す。
【0068】また、送信周期(PRT:Pulse R
epetition Rate)はTrで示される。以
下では、一例として、Tr=0.25ms(即ち、パル
ス送信周波数PRF=4kHz)とする。
【0069】本発明に係る加速度演算の特徴は、2つの
スキャン(第1、第2のスキャン)を並行して行うこと
であり、図では記号とがこの2つのスキャンを表し
ている。加えて、第1のスキャンは第2のスキャンを一
定時間差で常に追いかけるように実行される。すなわ
ち、図2では、第2のスキャンが、走査線5,6,7,
8,9,10,…とスキャンされるのに対し、第1のス
キャンは走査線1,2,3,4,5,6,…とスキャン
される。しかも、図3のタイミングチャートでも分かる
ように、両スキャンは走査線毎に交互に行われる。
【0070】図2に示すスキャンシーケンスの場合、第
1及び第2のスキャンで使用される2本の走査線の間に
は、常に、走査線4本分の空間(走査線間隔Nras
が空けられている。この様子を、図4に模式的に示す
(時間t=ta〜tbの時間帯における第1及び第2の
スキャン:SN1,SN2を参照)。一例として、CF
Mモードスキャンのデータパケット数は16であり、1
走査線における送信回数はCFMモードとBモードと合
わせて17回である。従って、第1のスキャンにより走
査線1がスキャンされているときには、第2のスキャン
により走査線5がスキャンされている。このため、第1
のスキャンが走査線5に達するのは、
【数3】 時間後である。この時間差Tdifは、1走査線間隔の
単位で設定可能であり、一例としては、上述した例の如
く、8.5msの単位で設定することができる。
【0071】続いて、本実施形態に係る超音波診断装置
の全体的な動作を説明する。
【0072】この超音波診断装置では、スキャンシーケ
ンスを指令する情報は、図1に示すように、スキャン制
御部7で生成される。即ち、図示しない操作パネルから
CFMモードの走査条件が入力されると、図示しないコ
ンソール内のCPUを介して送信周期Tr及びCFMモ
ードのデータパケット数が設定され、これにより第1及
び第2のスキャンの夫々が1走査線をスキャンするに必
要な走査時間Trasが求まる。
【0073】ここで挙げている例の場合、走査時間T
ras=8.5msである。また、操作者は時間差設定
器7Aに設けたスイッチ7SWにより所望の時間差を設
定可能になっている。このため、時間差設定器7Aは、
走査時間Trasの整数倍の値から所望の時間差に最も
近い値を選び、両スキャンの走査線間隔Nras(上記
例ではNras=4)を決定する。これにより、時間差
設定器7Aは、最終的な時間差Tdifを下記式から求
める。即ち、
【数4】 Tdif=Tras×Nras ……(4) この走査線間隔Nras及び時間差Tdifの値は、時
間差データ設定器7Aから第1のスキャンシーケンサ7
B、第2のスキャンシーケンサ7C、加速度演算器4D
に送られる。これらの値Nras及びTdifは、一度
設定されると、次に変更されるまで一定に保持される。
【0074】第1のスキャンシーケンサ7B及び第2の
スキャンシーケンサ7Cは、Nra 及び図示しない操
作パネルから図示しないCPUを介し設定されたCFM
モードの走査条件を基に第1のスキャンのシーケンスと
第2のスキャンのシーケンスを生成し、統合スキャンシ
ーケンサ7Dに送る。統合スキャンシーケンサ7Dで
は、両スキャンシーケンスが統合されて図3に示す如
く、時系列的に並んだ一連のスキャンシーケンスが生成
される。この統合されたスキャンシーケンスに対応した
制御信号が、送信ビームフォーマ2B、受信ビームフォ
ーマ3B、及びCFM処理部4に送られる。
【0075】この送付に応答して、送信ビームフォーマ
2Bでは、制御信号に基づき遅延制御が行われる。この
結果、送信パルス発生器2Aにより送信間隔Trで発生
される送信パルス毎に、送信ビーム方向が決定される。
一方、受信ビームフォーマ3Bでは、制御信号に基づき
遅延制御が行われ、送信間隔Tr毎に、送信ビーム方向
と同じ方向に指向性を持たせた受信ビームが演算上で形
成され、被検体からの反射信号(エコー信号)が受信さ
れる。このようにして、第1のスキャンと第2のスキャ
ンとが殆ど同時に(実質的に並行して)実行され、CF
Mモード及びBモードのスキャンが行われる。
【0076】このように収集されたエコー信号は、CF
Mモード処理部4及びBモード処理部5に送られる。C
FMモード処理部4に送られたエコー信号は、CFMモ
ードにおける信号処理及び加速度の2次元分布像データ
の生成に付され、一方、Bモード処理部5に送られたエ
コー信号は、Bモード断層像データの生成に付される。
【0077】具体的には、CFMモード処理部4では、
エコー信号は直交位相検波に付されて、血流の方向分離
が可能なI,Q信号、即ち受信信号が作られる。この受
信信号は動き要素信号抽出器4Aに送られる。動き要素
信号抽出器4Bには、スキャン断面を成す空間上のサン
プル点毎に、受信信号を用いた時系列のパケットデータ
が蓄積される。この一連のパケットデータにより、その
各サンプル点におけるドプラ信号が形成される受信信号
には、血球のように移動している物体からの反射波と、
血管壁や臓器実質のように殆ど移動していない固定物体
からの反射波が混在している。しかも、その反射強度の
点においては後者が支配的であり、一方、ドプラシフト
に関しては、前者にはドプラシフトが生じているのに対
し、後者の固定反射体からの反射波(クラッタ信号)に
はドプラシフトが殆ど生じていない。
【0078】そこで、動き要素信号抽出器4Aでは、ド
プラ信号に対して、ドプラシフト量の差を利用してクラ
ッタ成分が除去される。これにより、血流ドプラ信号が
効率よく抽出される。この抽出は、第1及び第2のスキ
ャンのスキャン対象である異なる2本の走査線それぞれ
に対して交互に行われる。つまり、動き要素信号抽出器
4Aからは第1及び第2のスキャンに拠る血流ドプラ信
号が送信周期PRT毎に交互に出力される。
【0079】この血流ドプラ信号は、前述の如く切替制
御される切替えスイッチ4Cを介して、第1又は第2の
速度演算器4D又は4Eに選択的に送られる。つまり、
第1のスキャンで得られた第1の方向の血流ドプラ信号
は第1の速度演算器4Dに送られ、一方、第2のスキャ
ンで得られた第2の方向の血流ドプラ信号は第2の速度
演算器4Eに送られる。
【0080】各速度演算器4D又は4Eでは、自己相関
法などの手法に基づいてドプラ周波数が求められ、次い
で、前述した式(2)に基づいてドプラ速度が求められ
る。即ち、第1の速度演算器4Dでは第1のスキャンに
拠るドプラ速度Vd1が得られ、第2の速度演算器4E
では第2のスキャンに拠るドプラ速度Vd2が得られ
る。この内、第2のスキャンで収集されたドプラ速度V
d2は、走査線番号に関して第1のスキャンよりも先行
しているので、第2の速度演算器4Eに内蔵のメモリに
一時保存される。
【0081】この一時保存された第2のスキャンに拠る
ドプラ速度Vd2のデータは、スキャン断面における同
サンプル位置のドプラ速度Vd1のデータが出力される
時点で、その出力に同期して第2の速度演算器4Eから
読み出される。この結果、両速度演算器4D及び4Eか
ら同一走査線上の同一深さの点、すなわち同一サンプル
点のドプラ速度データが、同期して加速度演算器4Fに
送られる。
【0082】一方、この加速度演算器4Fには、時間差
データ設定器7Aから一定時間差データTdifが送ら
れている。そこで、加速度演算器4Fにより、スキャン
断面のサンプル点毎に、加速度Accの大きさが
【数5】 の演算により求められる。この加速度演算は、スキャン
断面を形成するサンプル点全部に対して順次行われ、そ
の演算結果が内蔵メモリに一時保存される。
【0083】このようにして求められた血流の運動加速
度Accの大きさを表すデータは、表示部6に送られ
る。一方、Bモード処理部5のBモード断層像のデータ
も表示部6に送られている。そこで、表示部6では、加
速度Accの2次元分布データ及び断層像データに所定
の画像処理、標準テレビ走査へのスキャン変換処理、及
び表示のための処理が適宜な順番に施される。この結
果、表示部6のモニタには、例えば図5に示す如く、B
モード断層像上に血流の加速度の2次元分布データが重
畳されて表示される。
【0084】図5の表示例を説明する。図5のモニタ像
は、Bモード断層像に重畳した表示された動脈ARと静
脈VEの2次元加速度の大きさの画像を示している。モ
ニタ像上で、断層像の左側には、加速度の大きさを示す
カラーバーCBが同時に表示されている。カラーバーC
Bは、一例として、加速度の絶対値が小さければ赤色
で、大きくなるほど黄色で示されている。なお、後述す
るように、加速度の方向を加味した表示を行う場合に
は、カラーバーCBは、その方向に応じて異なる色相
(例えば赤系統及び青系統)で表される。
【0085】また、図6(a),(b)のグラフは、静
脈VE及び動脈AR夫々のあるサンプル点における速度
の時間変化及び加速度の時間変化を示す。同図(a)が
静脈VEに対するそれらの変化を示し、同図(b)が動
脈ARに対するそれらの変化を示す。
【0086】動脈ARは通常、1心拍に1秒程度を費や
す大きな拍動性を有する。このため、加速度の大きさは
図6(b)に示す如く大きく変化する。従って、図5に
おける加速度像の内、動脈AR部分の画像は1心周期毎
に色相を赤色から黄色に大きく変化させる。
【0087】一方、静脈VEは殆ど拍動性を呈しないの
で、各サンプル点における加速度の絶対値は図6(a)
に示す如く小さい。このため、図5における加速度像の
内、静脈VEの部分の画像は、1心周期全体にわたり殆
ど赤い色相で表示される。
【0088】このように、血流の加速度を捉えて2次元
画像として表示することにより、血流の拍動性の状態を
確実に描出することができる。このため、血管の種別に
拠り変わる、拍動性が大きいか否かの特徴を、従来用い
ていた血流速度表示の画像よりも格段に顕著に提示する
ことができる。これにより、操作者は画面を目視観察す
るだけで、血管の拍動性の程度を判断できる。従って、
観察対象の血管が動脈、静脈、又は門脈であるかを容易
に且つ迅速に識別することができる。この識別時の視認
性向上により、診断に有用な血流の動態情報を提供で
き、診断能の向上に寄与することができる。
【0089】また、この超音波診断装置によれば、上述
した血管種別の容易な識別に加えて、血流の運動情報を
精度良く検出でき、その情報の取りこぼしが極めて少な
いという特徴が得られる。これは、前述した、フレーム
間で加速度を演算する特許第2768959号記載の手
法を遥かに凌駕する特徴である。
【0090】これを詳述する。前述した如く、動脈の典
型的な拍動は心臓の収縮期に観察され、約200〜30
0msの間に速度が急峻に立上って立下り、その後は緩
やかに立下がる(図6(b)の上段参照)。従って、こ
の急峻な立上り立下りを取りこぼし無く捉える必要があ
る。本実施形態では、第1及び第2の2つのスキャンを
ほぼ並行して行い、両スキャンの時間差Tdifを、1
走査線をスキャンするのに要する時間Trasの正の整
数倍に相当する時間Nrasであって、1フレーム未満
(1フレームの走査線数−1走査線)の走査に要する時
間に設定可能である。つまり、この時間差Tdifを、
1走査線をスキャンするのに要する時間Trasから、
1フレームの複数の走査線数よりも1走査線だけ少ない
複数の走査線をスキャンするのに要する時間までの内、
何れかの時間に選択的に設定できる。
【0091】前述した例では、1走査線をスキャンする
のに要する時間Tras=8.5msであり、1フレー
ムのスキャンに要する時間は通常200ms程度であ
る。このため、時間差Tdifを、8.5ms〜「20
0−8.5」msまでの間で調整できる。このため、時
間差Tdifを適宜な値に設定することにより、収縮期
における血流運動の立上り立下りの情報を殆ど取りこぼ
し無く、確実に捉えることができる。
【0092】これに対して、特許第2768959号記
載の手法による加速度演算の時間は、上述の例で言え
ば、200msである。このため、前述したように、収
縮期における加速度画像の演算フレーム数が少なくな
り、運動の取りこぼしが目立つことになる。
【0093】さらに、この超音波診断装置によれば、耐
ノイズ性の向上を図ることもできるという特徴がある。
式(5)から分かるように、時間差Tdifが大きいほ
ど、加速度の値はノイズの影響を受けにくくなり、演算
値が安定する。従って、走査線間隔Nrasの値を調整
することで、時間差Tdifは依然として小さい値に保
持して動脈の急峻な拍動を確実に捉えつつ、耐ノイズ性
を向上させた安定した加速度値を得ることができる。こ
れは、診断能向上にも大きく寄与する。
【0094】さらに、この超音波診断装置は、他の条件
が変わっても、加速度演算のための時間差Tdifを一
定に保持できるという特徴も有している。具体的には、
式(3)から分かるように、時間差Tdifは送信周期
PRTやCFMモードのデータパケット数によって変化
する。すなわち、装置の設定条件によって変化するが、
走査線間隔Nrasを調整することにより、時間差T
difをほぼ一定に保つことができる。これにより、装
置の撮像条件の設定に影響されずに安定した条件で加速
度、すなわち拍動性を検出することができる。
【0095】なお、上述した第1の実施形態に係る超音
波診断装置については、さらに種々の変形した構成で実
施することができる。例えば、前述した図2,3のスキ
ャンシーケンスは、最も基本的な形態を示したものであ
り、本発明のスキャン法は必ずしもこれに限定されず、
種々のスキャンシーケンスで実施できる。このスキャン
シーケンスについては、例えば、以下の第1及び第2の
変形例に示すように構成してもよい。
【0096】(第1の変形例)第1の変形例を図7,8
に基づき説明する。この第1の変形例は、血流の低速で
ある場合の検出能の向上に関する。
【0097】図7、8に示すスキャンシーケンスは、ス
キャン制御部7により生成される。具体的には、第1及
び第2のスキャンに拠る第1及び第2の方向それぞれに
ついて、複数(例えば4本)の走査線を交互に走査する
方式である。4の走査線を交互に走査しているので、1
つの走査線に着目すると実効的なPRTは図2,3の場
合(2Tr)の4倍(8Tr)になる。このため、低流
速検出能、すなわち低加速度検出能は4倍に向上する。
しかも、第1のスキャンと第2のスキャンの間の時間差
difは図2、3と同じで、例えば34msに調整さ
れている。
【0098】このように交互に走査した場合でも、図
2、3と同様にして時間差Tdifの設定が可能であ
り、走査線間隔Nrasの値を調整して、動脈の急峻な
拍動を確実に捉えかつ安定した加速度を得ることが可能
である。従って、第1及び第2のスキャン夫々に対する
交互走査方式により低流速検出能、すなわち低加速度検
出能を向上させるとともに、第1の実施形態で説明した
各種の効果を併せて得ることができる。このため、この
変形例に拠る診断は、腹部などの血管の如く、血流速度
が相対的に遅く、加速度が比較的小さい血管に対して有
用性を発揮できる。
【0099】(第2の変形例)第2の変形例を図9,1
0に基づき説明する。この第2の変形例は、リアルタイ
ム性(即ち、フレーム数)の向上に関する。
【0100】この第2の変形例によれば、スキャン制御
部7は、第1の変形例で説明した各スキャンに対する複
数走査線の送受に加えて、図9,10に示す、所謂、並
列同時受信方式に基づく第1及び第2のスキャンを夫々
行い、リアルタイム性を向上させる。
【0101】つまり、図9に示す如く、第1のスキャン
と第2のスキャンに係る第1及び第2の方向が並列同時
に送受信される。いま、第1のスキャンとして超音波送
受される第1の方向は走査線1〜8の方向から成り、第
2のスキャンとして超音波送受される第2の方向は走査
線9〜16の方向から成るとする。この場合、並列同時
受信は、走査線1(第1のスキャン)と走査線9(第2
のスキャン)、走査線2(第1のスキャン)と走査線1
0(第2のスキャン)、走査線3(第1のスキャン)と
走査線11(第2のスキャン)、…の順に行われる。こ
れは、スキャン制御部7から送られてくる並列同時受信
方式のスキャンシーケンス(図10)を受けた送信ビー
ムフォーマ2B及び受信ビームフォーマ3Bが送信及び
受信の遅延量を制御することにより行われる。
【0102】第1及び第2のスキャン夫々の交互走査は
8本で、実効的なPRTは8Trであり、図7の場合と
同じである。しかし、並列同時受信を行っているので、
第1及び第2のスキャン共に、同じ時間に図7に示す走
査線の2倍の走査線をスキャンすることができ、リアル
タイム性、即ちフレーム数を2倍に上げることができ
る。これにより、診断能を更に向上させることができ
る。また、第1及び第2のスキャンの時間差Tdif
34msであり、図7と全く同じである。この時間差T
difは、前述と同様に、走査線間隔Nrasの値を変
えて調整することができる。
【0103】(第3の変形例)一方、スキャン制御部7
における条件をフレキシブルに設定するための構成例と
して、第3の変形例を挙げることができる。
【0104】第3の変形例に係るスキャン制御部及びこ
の制御部に対するインターフェースの構成例を図11に
示す。同図に示す如く、スキャン時間差設定スイッチ8
A、交互走査線数設定スイッチ8B、及び並列同時受信
数設定スイッチ8Cが、それらのパラメータの設定手段
として、操作者が操作可能な位置に在る例えば操作パネ
ル上に設けられている。
【0105】これに対応して、スキャン制御部7´には
前述した時間差データ設定器7A,第1のスキャンシー
ケンサ7B,第2のスキャンシーケンサ7C,及び統合
スキャンシーケンサ7Dのほか、交互走査線数設定器7
E及び並列同時受信方向数設定器7Fが設けられてい
る。上述したスキャン時間差設定スイッチ8A、交互走
査線数設定スイッチ8B、及び並列同時受信方向数設定
スイッチ8Cのスイッチ出力信号は、時間差データ設定
器7A、交互走査線数設定器7E、及び並列同時受信方
向数設定器7Fにそれぞれ送られる。
【0106】これにより、操作者はこれらのスイッチ8
A、8B、8Cを操作し、第1及び第2のスキャンの時
間差、各スキャンの交互走査線数、及び/又は各スキャ
ンの並列同時受信数を適宜に選択して設定することがで
きる。設定器7A、7E、7Fはそれらのスイッチ信号
を受けて、スキャン時間差、交互走査線数、及び並列同
時受信数の値を設定し、これらの設定値を第1のスキャ
ンシーケンサ7B及び第2のスキャンシーケンサ7Cに
送る。この場合、スキャン時間差については、前述した
ように、設定スイッチ8Aの設定値に最も近い値が設定
器7Aで選択される。
【0107】第1のスキャンシーケンサ7B及び第2の
スキャンシーケンサ7Cの夫々により、それらの設定値
及び図示しない送信周期Tr、CFMモードのデータパ
ケット数などの設定値に基づき、第1のスキャン及び第
2のスキャンのスキャンシーケンスが生成される。な
お、並列同時受信方向数設定器7Fの出力は、送信部2
及び受信部3にも出力され、上述したように送信遅延及
び受信遅延が制御される。
【0108】従って、第1及び第2のスキャンの主要な
パラメータを装置の外部から手動で設定できるので、拍
動性の検出に最適なスキャン条件を容易に且つ簡便に設
定することができる。
【0109】(第4の変形例)さらに、上述した第1の
実施形態に拠れば、ドプラ角度に拠る角度依存性に対処
すべく、以下に示す第4の変形例を提示することができ
る。
【0110】この第4の変形例を図12、13を参照し
て説明する。
【0111】第1の実施形態によれば、血流の加速度は
式(5)に示すように血流速度から演算している。血流
速度はドブラ周波数から換算しているが、ドプラ角度θ
は人手を介さなければ得られず、各ピクセル毎に人手を
介してドプラ角度θを求めることは困難なことから、式
(1)の代わりに式(2)が用いられている。このた
め、ドブラ角度の補正が行われず、角度依存性の問題が
ある。
【0112】このため、図13(a)に示すように、同
じ動脈ARであっても、サンプル点αのように超音波ビ
ームとの成す角が平行に近い場合は、ほぼ本来の血流速
度が求まるが、別のサンプル点βの様に超音波ビームと
の成す角が直角に近くなると、本来の血流速度より小さ
い速度として検出されてしまう。従って、加速度もまた
同様に角度依存性の影響を受け、超音波ビームとの成す
角が平行に近い場合はほぼ本来の加速度が求まるが(図
13(c)参照)、サンプル点βの様に超音波ビームと
の成す角が直角に近くなると、本来の加速度より小さい
加速度として検出されてしまう(図13(d)参照)。
【0113】この問題を解消するため、速度を正規化す
る方法がある。即ち、図13(c)、(d)に示す速度
を、1心拍の平均速度<Vd、α>、<Vd、β>で下
式に基づき正規化する。なお、ここでは1心拍の平均速
度を例に挙げたが、これに限定されるものではなく、例
えば1心拍の絶対値の最大速度、又は、その平均速度や
最大速度に一定値を乗じた値であってもよい。先ず、図
13(c)、(d)で説明する速度は、式(2)に基づ
き計算されたものであるから、本来の速度は、これをc
osθ(θ:ドブラ角)で割り算に処する必要がある。
【0114】従って、サンプル点αにおける第1及び第
2のスキャンに対する本来の速度V d1、α′、V
d2、α′(式(5)で用いるべき速度)、及び、1心
拍の平均速度<Vd、α>′は、
【数6】 となる。従って、
【数7】 式(5)の速度を1心拍の平均速度で正規化すれば、
【数8】 となり、角度依存性の問題が解消される。
【0115】同様に、サンプル点βにおいても、
【数9】 となる。図13(b)に示す如く、同一血管ARでサン
プル点αとβの速度が同じ場合は、
【数10】 であるから、
【数11】 となり、ドブラ角度に依存せず、同じ加速度は同じ値で
示される(図13(b)、(e))。
【0116】このドプラ角度の補正を行うCFMモード
処理部の構成を図13に示す。
【0117】同図に示すCFMモード処理部14は、前
述した図1に示すCFMモード処理部4の構成に加え
て、心拍平均速度検出器(又は心拍最大速度検出器)1
4A、係数乗算器14B、及びドプラ角度補正器14C
を備えている。
【0118】第1のスキャン速度演算器4D及び第2の
スキャン速度演算器4Eの出力が心拍平均速度検出器
(又は心拍最大速度検出器)14Aに入力されると共
に、図示しない検出時間長設定器からの検出時間長の情
報がその検出器14Aに入力される。検出時間長は、心
電同期法に拠り1心拍長を求めれば最もよいが、1心拍
は1秒程度であることを考慮し、簡便のため1〜2秒程
度を設定値にしてもよい。
【0119】心拍平均速度検出器14Aでは、例えば角
度依存性を持った1心拍平均速度<Vd、α>などが演
算される。この演算値は、係数乗算器14Bに入力さ
れ、その演算値に一定値が乗算される。図13の例で
は、係数が1である。係数乗算器14Bの出力がドブラ
角度補正器14Cに入力される一方で、加速度演算器4
Fの出力である角度補正されていない加速度値がドブラ
角度補正器14Cに入力される。
【0120】このため、ドブラ角度補正器14Cは、こ
の両方の入力値を用いて、式(8)などに基づき角度補
正を行い、正規化された加速度値を出力する。
【0121】従って、加速度のドブラ角度依存性を解消
することができるので、同じ血管内の同じ拍動状態は同
じ色相で描出される。これにより、ドプラ角度に因り色
相が本来表示すべき状態から変化するという事態を防止
でき、加速度像の視認性も向上する。
【0122】(第5の変形例)さらに、加速度像の見易
さを向上させるという観点から、第5の変形例が構成さ
れる。
【0123】一般に、動脈の加速度の変化が200〜3
00msの内に起こると、速すぎて見辛く感じる場合が
起こり得る。この現象に対しては、画像処理を行うこと
で加速度表示の変化の速さを抑制し、見易く(観察し易
く)することができる。
【0124】図14に、この抑制処理を行う表示部16
を示す。表示部16は、画像処理および走査線変換(ス
キャンコンバージョン)を行うイメージプロセッサ17
と、画像を表示するモニタ18とから構成される。イメ
ージプロセッサ17には、加速度変化緩和器17A、C
FM画像処理器17B、Bモード画像処理器17C、及
びDSC(デジタルスキャンコンバータ)を備える。
【0125】CFMモード処理部4からイメージプロセ
ッサ17に送られた加速度データは、加速度変化緩和器
17Aに入力する。この加速度変化緩和器17Aでは、
図15に示すように加速度緩和処理が行われる。
【0126】図15(a)〜(c)は、スキャン断面の
ある1サンプル点における動脈の加速度の変化を示す。
同図(a)は、CFMモード処理部4で検出された加速
度を示している。この加速度の絶対値を演算した曲線が
同図(b)である。更に、加速度の変化を緩和する処理
をした曲線が同図(c)である。
【0127】具体的な緩和処理は、加速度の急峻な立上
りに対しては追従させ、立下りに対しては或る遅めの時
定数で漸減させていくように行われる。この方法に拠れ
ば、大きい加速度値は確実に捉え拍動性を強調できる上
に、加速度の変化を緩和することができ、視認性が向上
する。時定数を調整することにより、好みの画像にする
ことができる。特に、1心拍程度の時定数にすれば、時
間的に動的に拍動する表示は殆ど無くなり、動脈のよう
に拍動の強い血管は黄色に常時表示され、静脈のように
拍動の弱い血管は赤色に常時表示され、時間的に静的に
拍動の強さを示す表示ができる。
【0128】なお、緩和処理の方法は上記方法に限定さ
れず、例えばスキャン断面の同一サンプル点の時間的に
前後した値に対して相関処理(LPF処理)を行っても
よい。
【0129】イメージプロセッサ17では、変化が抑制
された加速度データはCFM画像処理器17Bに送ら
れ、種々の画像処理に付される。一方、Bモード処理部
5から出力された断層像データは、Bモード画像処理器
17Cに送られ、種々の画像処理に付される。これらC
FM画像処理器17B及びBモード画像処理器17Cの
出力はDSC17Dに送られ、テレビ走査線に変換され
るとともに、加速度データが断層像データに重畳された
画像が生成される。この重畳画像は、モニタ18に送ら
れて表示される。
【0130】このように加速度データの緩和処理を行う
ことで、見易い加速度分布像を提供でき、診断に有用な
機能の充実化を図ることができる。
【0131】(第6の変形例)ところで、受信した血流
エコーには送信超音波の基本波信号だけではなく、その
高調波信号が含まれる。血流エコーは一般に強度が弱い
ので、高調波信号は余り強くないが、超音波診断装置の
基本性能の向上、感度改善に伴い、高調波信号も検出で
きる。更に、近年、超音波造影剤の開発が活発化してお
り、一部、製品化もされている。この造影剤を用いれ
ば、血流エコー強度は組織エコーと同程度となる上、造
影剤の主成分である微小気泡が強い高調波を発生するの
で、エコー信号には十分、実用的な強度の高調波成分が
含まれる。このような状況の元で、高調波成分を用いた
血流の2次元分布の加速度像を得ることができる。この
例を第6の変形例として、図16に基づき説明する。
【0132】図16(a)に、直交位相検波する前の受
信したエコー信号のスペクトラムを示す。つまり、エコ
ー信号は、周波数fを持つ基本波成分の他に、2f
の高調波成分を主に有する。なお、この図では、信号強
度が最も強い2次高調波を示しているが、その他にも種
々の周波数成分を有する高調波が存在する。
【0133】この高調波を検出するには、2fを中心
に直交位相検波を行う。即ち、同図(b)に示す如く、
高調波をベースバンドに移した後、ローパスフィルタ
(LPF)でその高調波のみを抽出する。この処理は、
受信ビームフォーマ3Bで行われる。この高調波信号を
用いてCFMモード処理部4で加速度が第1の実施形態
のときと同様に演算される。
【0134】なお、この加速度演算には、前述したよう
に速度の演算が行なわれるが、この速度演算に対する式
(2)のミキサの基準信号周波数にはf=2fを用
いられる。これに対し、前述してきた実施形態及び変形
例における速度演算処理は、基本波を用いているので、
ミキサの基準信号周波数にf=fが用いられてお
り、式(2)の演算にも、この値f=fが用いられ
ている。従って、本変形例のように、2次高調波を用い
て画像を生成する場合、同じ血流速度に対してドブラ周
波数が2倍になる(即ち、同じドブラ周波数に対して、
血流速度は1/2である)。
【0135】一方、重ね合わせて表示するBモード断層
像に関しては、基本波又は高調波の何れを用いてもよ
く、特に限定はされない。すなわち、基本波成分を用い
てCFM画像を生成するときには、Bモード断層像の生
成には基本波又は高調波の何れかを選択でき、また高調
波成分を用いてCFM画像を生成するときにも、Bモー
ド断層像の生成には基本波又は高調波の何れかを選択で
きる。
【0136】このように高調波成分を用いると、基本波
成分を用いる場合に比べて、一般に、アーチファクトが
少なく、画質も向上する。従って、視認性をより向上さ
せた血流の2次元分布加速度像を提供することができ
る。
【0137】(第7の変形例)この変形例は、前述のよ
うにして演算した加速度の2次元分布データを表示する
ときの別の例に関する。
【0138】具体的には、CFMモード処理部4に、加
速度データのパワーを演算するパワー演算器を設ける。
このパワー演算器で演算したパワー値と加速度データと
に基づき2次元加速度像を表示部6で表示させる。
【0139】即ち、表示部6のDSCに、加速度の大小
に応じて黄色又は赤色(加速度が大きくなるほど、赤色
系から黄色系の色相に変化)のカラーデータに処理する
とともに、その加速度のパワーに応じて、その色相の輝
度に明暗(パワーが大きくなるほど、輝度は大(明る
い))を施した画像データを生成させる。また、DCS
に、この画像データと共に表示させるカラーバーCBの
データを生成させる。このカラーバーCBは、図25に
示す如く、縦方向に沿って赤色から黄色の系統に変化し
(黄色系になるほど加速度は大)、且つ、横方向に沿っ
て輝度が暗から明に変化する(明るくなるほどパワーは
大)。
【0140】この結果、表示部6にカラーバーCBと共
に表示される2次元分布加速度像は、加速度の変化に応
じた色相の違いと、加速度のパワーに応じた輝度の明暗
とで表される。この結果、2次元分布加速度像は立体感
をもって表示され、一層見易くなるとともに、読影者に
与える血流情報もより豊富になる。
【0141】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態に係る超音波診断装置を図17、18に基づき説明す
る。
【0142】本実施形態は、被検体内に在る組織の動き
の情報を2次元的に表示するTDI機能を有する超音波
診断装置に関する。
【0143】図17に、この超音波診断装置の機能フロ
ック図を示す。同図に示す如く、図1のCFMモード処
理部4に代えて、TDIモード処理部19が設けられて
いる。TDIモード処理部19は、CFMモード処理部
4で用いていた動き要素信号抽出器4Aを用いない点が
異なるが、残りの構成はCFMモード処理部4のそれと
同じである。即ち、TDIモード処理部19は直交位相
検波器19A、切替スイッチ19C、第1及び第2の速
度演算器19D、19E、及び加速度演算器19Fを備
えている。
【0144】これにより、TDIモード処理部19では
組織の動きを対象にすることができ、その動きの速度
は、第1の実施形態と同様に、組織からのエコー信号の
ドブラ信号、即ち組織ドブラ信号(Tissue Do
ppler Signal)から第1及び第2の速度演
算器19D、19Eによりそれぞれ求められる。次い
で、この両演算器19D及び19Eの演算結果を用い
て、加速度演算器19Fにより、スキャン断面上におけ
る組織運動の加速度の大きさの2次元分布データが求め
られる。この加速度データは、表示部6において、Bモ
ード断層像に重畳され、組織の動きの2次元分布加速度
像として表示される。
【0145】この実施形態では、心機能を示す指標とし
て、心臓壁の加速度像が断層像に重畳されて表示され
る。この表示例を図18に示す。同図は、心臓の短軸像
を示しており、この内の心臓壁WLが心拍動に伴って収
縮・拡張を周期的に繰り返す。また、表示画面には、加
速度の大きさを示すカラーバーCBも同時に表示され
る。
【0146】この実施形態によれば、心臓を初めとし
て、組織の運動機能を示す指標の1つである加速度が2
次元的に位置同定をされた状態で、視認性良く表示され
る。このため、今後の臨床及び医学研究に対する貢献は
大であると期待される。
【0147】なお、前述した第1〜第6の変形例で説明
した構成及び処理は、上述した第2の実施形態で説明し
た組織運動の2次元分布加速度像の表示にも同様に適用
される。
【0148】従って、この第2の実施形態を実施すると
きには、第1の実施形態と同様に、図2、7、及び9に
示すスキャン法の何れかが用いられる。これにより、心
臓の急峻な拍動を確実に捉え且つ加速度の情報を安定し
て得ることができ、診断能の向上に大きく寄与すること
ができる。
【0149】また、装置の設定に影響されずに、安定し
た条件で加速度、即ち組織の動きを検出することがで
き、診断に大きな威力を有用性を発揮できる。
【0150】さらに、前述した図11に示す如く、第1
及び第2のスキャンの主要な撮像パラメータを外部から
容易に設定できる。このため、最適な条件で組織の拍動
性を検出できる。
【0151】さらに、前記式(8)、(9)などを用い
て、組織の運動速度の正規化を行い、加速度のドブラ角
度依存性を解消することができる。これにより、組織の
同じ動きを同じ色で示すこともでき、視認性が向上す
る。
【0152】さらに、図14に示す如く、組織運動の加
速度データの緩和処理を行い、見やすい画像を得ること
もできる。
【0153】また、組織からのエコーの信号強度は血流
のそれよりも強いので、その高調波信号も実用的な強度
が得られる。従って、組織エコーの高調波信号を用いて
組織の加速度画像を得ることができ、これにより、アー
チファクトの少ない鮮明な画像を得ることができる。
【0154】なお、本発明は上述した実施形態及びその
変形例で説明した構成に限定されることなく、特許請求
の範囲の要旨を逸脱しない範囲で、更に種々の形態に変
形又は組み合せて実施可能である。
【0155】例えば、これまでは運動(流れ又は動き)
の加速度の大きさのみを2次元的に表示する例を示した
が、これに加速度の向きを示す符号(方向分離の符号)
の情報を例えば異なる色相で組み合わせて表示してもよ
い。これに応じて、表示画面に表示されるカラーバーに
も、向きを示す、例えば色相情報が付される。
【0156】また、本発明は、被検体に超音波造影剤を
注入し、強度を増大させたエコー信号を処理して得た加
速度の2次元分布像を表示させるようにしてもよい。
【0157】さらに、本発明に心電同期法を併用するよ
うにしてもよい。一例として、スキャン断面上の関心部
位(この場合には、加速度像を表示させたい領域)が収
縮期において前述したスキャン法でスキャンされるよう
に、ECG(心電)信号のR波から一定時間だけ遅延さ
せてスキャン開始を指令するように構成してもよい。
【0158】さらに、第2の実施形態において、前述し
た第1の実施形態に対する第7の変形例に係る加速度デ
ータのパワー値演算を併用してもよい。
【0159】(第3の実施形態)次に、本発明に係る第
3の実施形態を説明する。この実施形態は、速度を演算
するときの折返り現象に対する対策に係り、加速度像の
データは上述したラスタ間で演算してもよいし、従来の
ようにフレーム間で演算してもよい。
【0160】この実施形態に係るCFMモード処理部2
1の構成を図19に示し、この処理部21に搭載する速
度差補正器21Aの構成を図20に示す。速度差補正器
21Aは、速度差判定器21Aaと折返り補正器21A
bとを有する。なお、本発明に係る折返り除去手段は、
速度差補正器21A(又は速度差補正器21Aと時間差
データ設定器7A)により構成される。
【0161】速度演算は、データパケットを用いて演算
されるが、このデータパケットは離散的にサンプリング
されたデータである。このため、サンプリング定理に基
づいて、原理的に折返り現象が発生する。すなわち、
【数12】 で与えられる折返り周波数fに対応する速度Vで折
返りが発生し、「−V」となる。このため、検出可能
な速度範囲は通常、「−V〜V」である(図21、
22参照)。
【0162】例えば、折返り速度=10cm/sである
とすると、識別可能な速度は、−10cm/s〜10c
m/sである。つまり、速度=11cm/sと速度=−
9cm/sとの間の違いは識別できず、通常、速度=−
9cm/sと誤認識される(図23(a)参照)。
【0163】従って、速度の折返り現象が発生すると、
加速度の演算も誤ってしまうことになる。例えば、第1
の速度演算器4Dの出力Vd1=11cm/s、第2の
速度演算器4Eの出力Vd2=8cm/s、第1及び第
2のスキャンの時間差Tdi =100msであったと
すると、加速度Acc=(11−8)/100=30c
m/sとなる。しかし、速度が誤認されることに因
り、加速度Acc=(−9−8)/100=−170c
m/sと誤ってしまう。
【0164】かかる不都合を改善するため、速度の折返
りの制限に対応して、速度差Vdi を「−V
」の範囲に制限する。つまり、速度差補正器21A
において、その速度差判定器21Aaは速度差「Vd1
−Vd2」を「−V〜V」の範囲について判定し、
折返り補正器21Abは、その判定結果に応じて新た
な、折返り現象の影響を除去した速度差Vdifを演算
する。具体的には、図24(a),(b)に示す如く、
【数13】 の演算を行う。
【0165】これにより、例えば上述した例の場合、
【数14】 であるから、
【数15】 Vdif=(−9+2×10)−8=3cm/s となって、真の値が得られる(図23(a)の二重丸印
の式を参照)。これにより、加速度演算器4Fは、
【数16】 という加速度Accを演算でき、真の値が得られる。従
って、加速度の演算に対する速度折返りの影響が大幅に
改善される。
【0166】しかしながら、速度差が大幅に異なると
き、即ち、速度差Vdifが「−V〜V」の範囲を
超えるときには、上述の手法だけでは対処できない。一
例として、上述したように、速度差Vdifが−10c
m/s〜10cm/sの範囲を超えるVd1=31cm
/s、Vd2=8cm/sの場合、
【数17】 Acc=(31−8)/100=230cm/s であるにも拘らず、
【数18】 と誤演算される。この条件のときに、上述した速度折返
り対策を講じても、
【数19】 Vdif=(−9+2×10)−8=3cm/s となって、誤った結果しか得られない(図23(b)参
照)。
【0167】本発明では、しかしながら、前述した実施
形態に示した如く、例えばスイッチ7SWを操作するこ
とにより(時間差設定器7A参照)、時間差Tdif
小さくなるように、例えば画像を見ながら操作者がスキ
ャン動作を手動変更することができる。これにより、速
度の立上がり・立下りの変化が速い場合、2つの速度差
を観測する時間Tdifを小さくすることができる。こ
れにより、速度差V ifを小さくして、この速度差V
difを規定の範囲「−V〜V」に収めることがで
きる。
【0168】例えば、上述の例の場合、時間差Tdif
を100/3=33msまで小さくすると、Vd1=1
5.7cm/s,Vd2=8cm/sとなり、
【数20】 と、真の値が得られる(図23(c)参照)。
【0169】即ち、本実施形態の速度差補正器21Aに
よって、加速度に対する速度折返りの影響を実用上、問
題の無い程度まで十分に除去することができる。従っ
て、加速度の検出精度を大幅に向上させ、診断能を高め
ることができる。
【0170】なお、上述した実施形態及びその変形例に
記載した構成は単なる例示であって、本発明は必ずしも
この例示した構成に限定されるものではなく、特許請求
の範囲の要旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態の
構成を更に種々の態様に変形、変更して実施することが
できる。
【0171】
【発明の効果】以上のように、請求項1及びこれに基礎
を置く発明並びに請求項22に記載の発明に拠れば、血
流の加速度を捉えて2次元的に表示することにより、血
流の拍動性を表示することができる。つまり、この拍動
性の違いを反映した状態で動脈、静脈さらには門脈を捉
えることができるので、血管の種別を一目で簡便に識別
でき、視認性を向上させる。従って、診断に有用な情報
が提供され、診断能の向上に寄与する。
【0172】特に、急峻な拍動を確実に捉え且つ安定し
た加速度を得ることができ、診断能の向上に大きく寄与
することができる。また、装置の設定に影響されずに、
安定した条件で加速度、即ち拍動性を検出することがで
き、診断に有用な情報を提供できる。
【0173】一方、請求項2及びこれに基礎を置く発明
並びに請求項23に記載の発明に拠れば、組織の動きの
加速度を捉えて2次元的に表示することにより、組織の
運動機能を示す指標の1つを視認性よく表示できる。と
くに、組織からのエコーの高調波信号を用いて組織の加
速度画像を得ることができ、これにより、アーチファク
トの少ない鮮明な画像を提供して、診断能の向上に大い
に寄与できる。
【0174】さらに、請求項20に記載の発明によれ
ば、加速度を求めるときの速度の折返り現象の影響を確
実に除去することができるので、加速度演算の精度が格
段に高まり、安定で信頼性のある、動き要素の加速度デ
ータ又は加速度像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置
の概略構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態における第1及び第2のスキャ
ンのスキャンシーケンスを示すスキャンチャート。
【図3】第1の実施形態における第1及び第2のスキャ
ンのスキャンシーケンスを示すタイミングチャート。
【図4】第1及び第2のスキャンによる走査線のスキャ
ン断面上の位置関係を示す説明する図。
【図5】第1の実施形態における2次元分布の血流加速
度像を示す模式図。
【図6】血流加速度像上の静脈及び動脈別のあるサンプ
ル点における速度及び加速度の変化を例示する図。
【図7】第1の変形例に係る第1及び第2のスキャンの
スキャンチャート。
【図8】第1の変形例に係る第1及び第2のスキャンの
スキャンシーケンスを示すタイミングチャート。
【図9】第2の変形例に係る第1及び第2のスキャンの
スキャンチャート。
【図10】第2の変形例に係る第1及び第2のスキャン
のスキャンシーケンスを示すタイミングチャート。
【図11】第3の変形例に係るスキャン条件の外部設定
を行うためのスキャン制御部及びスイッチ類の繋がりを
示すブロック図。
【図12】第4の変形例に係るドプラ角度に因る角度依
存性を補正する機能を組み込んだCFMモード処理部の
ブロック図。
【図13】角度依存性の補正を説明するための血流加速
度像、速度、及び加速度の関係を示す図。
【図14】第5の変形例に係る加速度の変化を抑制する
機能を備えた表示部のブロック図。
【図15】加速度の変化の抑制を説明する図。
【図16】第6の変形例における2次高調波成分の抽出
過程を説明する図。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る超音波診断装
置の概略構成を示すブロック図。
【図18】第2の実施形態において表示される心筋の2
次元分布加速度像を模式的に例示する表示図。
【図19】本発明の第3の実施形態に係る超音波診断装
置のCFMモード処理部の機能ブロック図。
【図20】第3の実施形態に用いる速度差補正器の機能
ブロック図。
【図21】速度のカラーバーと速度折返りの現象との関
係を説明する図。
【図22】速度のカラーバーを円環にして繋いだ、速度
の円環と速度折返りの現象との関係を説明する図。
【図23】速度折返りに対する補正処理を説明するため
の速度の円環図。
【図24】速度折返りに対する補正処理を説明するため
の速度の円環図。
【図25】2次元加速度像を表示するときのカラーバー
の別の例を示す図。
【符号の説明】
1 プローブ 2 送信部 3 受信部 4 CFMモード処理部 4A 直交位相検波器 4B 動き要素信号抽出器 4C 切替スイッチ 4D、4E 第1、第2の速度演算器 4F 加速度演算器 5 Bモード処理部 6 表示部 7 スキャン制御部 7A 時間差データ設定器 7B、7C 第1、第2のシーケンサ 7D 統合シーケンサ 7E 交互走査線数設定器 7F 並列同時受信方向数設定器 8A〜8C 設定スイッチ 14 CFMモード処理部 14A 心拍平均速度検出器(心拍最大速度検出器) 14B 係数乗算器 14C ドプラ角度補正器 17 イメージプロセッサ 17A 加速度変化緩和器 17B、17C 画像処理器 17D DCS 18 モニタ 19 TDIモード処理部 19F 加速度演算器 21 CFMモード処理部 21A 速度差補正器 21Aa 速度差判定器 21Ab 折返り補正器

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に超音波パルスを送信して当該被
    検体の所望断面をスキャンする超音波診断装置におい
    て、 前記断面に沿った第1の方向に前記超音波パルスを複数
    回送信させながら当該送信毎に第1の受信信号を得る走
    査を当該第1の方向を移動させて繰り返す第1のスキャ
    ンと、前記第1の方向とは異なる前記断面に沿った第2
    の方向に前記超音波パルスを複数回送信させながら当該
    送信毎に第2の受信信号を得る走査を当該第2の方向を
    移動させて繰り返す第2のスキャンとを実質的に並行し
    て行うスキャン手段と、 前記第1及び第2の受信信号の夫々から前記断面におけ
    る動き要素の動きの状態を表す第1及び第2の動き要素
    信号を当該断面のサンプル点毎に抽出する抽出手段と、 前記第1及び第2の動き要素信号に基づき前記動き要素
    の動きの状態を表す加速度の2次元分布像データを得る
    処理手段と、 前記加速度の2次元分布像データを表示する表示手段と
    を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 被検体に超音波パルスを送信して当該被
    検体の所望断面をスキャンする超音波診断装置におい
    て、 前記断面に沿った第1の方向に前記超音波パルスを複数
    回送信させながら当該送信毎に第1の受信信号を得る走
    査を当該第1の方向を移動させて繰り返す第1のスキャ
    ンと、前記第1の方向とは異なる前記断面に沿った第2
    の方向に前記超音波パルスを複数回送信させながら当該
    送信毎に第2の受信信号を得る走査を当該第2の方向を
    移動させて繰り返す第2のスキャンとを実質的に並行し
    て行うスキャン手段と、 前記第1及び第2の受信信号の夫々から前記断面におけ
    る動き要素の動きの状態を表す加速度の2次元分布像デ
    ータを得る処理手段と、 前記加速度の2次元分布像データを表示する表示手段と
    を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の超音波診断装置
    において、 前記スキャン手段は、前記超音波パルスに拠る前記断面
    上の各走査線に対して、前記第1及び第2のスキャンの
    内、一方のスキャンを一定時間差で他方のスキャンに追
    随させるスキャン制御手段を備えたことを特徴とする超
    音波診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記第1及び第2の方向の夫々は、各方向の前記複数回
    の送受信完了毎に方向変更される1つの方向から成るこ
    とを特徴とする超音波診断装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記スキャン制御手段は、前記第1及び第2の方向に前
    記超音波パルスを1回ずつ交互に且つ前記一定時間毎に
    送信させて当該第1及び第2の方向夫々に前記複数回の
    送信を行わせる手段であることを特徴とする超音波診断
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記第1及び第2の方向の夫々は、各方向の前記複数回
    の送信完了毎に方向変更される複数の方向から成り、 前記スキャン制御手段は、各方向毎に前記複数回の送信
    がなされるように前記複数の第1の方向に前記超音波パ
    ルスを並列的に送信させるとともに、各方向毎に前記複
    数回の送信がなされるように前記複数の第2の方向に前
    記超音波パルスを並列的に送信させる手段であることを
    特徴とする超音波診断装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記スキャン制御手段は、前記複数の第1の方向におけ
    る各方向に対する前記超音波パルスの1回の送信と前記
    複数の第2の方向における各方向に対する前記超音波パ
    ルスの1回の送信とを前記一定時間毎に交互に行わせる
    手段を有したことを特徴とする超音波診断装置。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記処理手段は、前記第1及び第2の動き要素信号夫々
    から速度を得るとともに、この両速度と前記一定時間差
    とを用いて前記加速度を前記サンプル点毎に演算する演
    算手段を有することを特徴とする超音波診断装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記処理手段は、前記超音波パルスのビームと前記動き
    要素の動きの方向との間の角度に応じて前記加速度を補
    正する補正手段を有することを特徴とする超音波診断装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の超音波診断装置にお
    いて、 前記補正手段は、前記動き要素の運動の所定1周期若し
    くはその1周期に相当する時間の平均速度若しくは最大
    速度、又は、その平均速度又は最大速度に一定値を乗じ
    た値を用いて前記加速度を正規化する手段であることを
    特徴とする超音波診断装置。
  11. 【請求項11】 請求項3に記載の超音波診断装置にお
    いて、 前記処理手段は、前記加速度の時間的変化を緩和する緩
    和手段を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  12. 【請求項12】 請求項3に記載の超音波診断装置にお
    いて、 前記第1のスキャンと第2のスキャンとの間の前記一定
    時間差を調整可能な時間差調整手段を備えたことを特徴
    とする超音波診断装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の超音波診断装置に
    おいて、 前記調整可能な一定時間差は、前記超音波パルスに拠る
    1本の走査線のスキャンに要する時間から、1フレーム
    分の複数の走査線よりも1本少ない複数の走査線のスキ
    ャンに要する時間までの間の所望時間差であることを特
    徴とする超音波診断装置。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の超音波診断装置に
    おいて、 前記時間差調整手段は、前記一定時間差を手
    動で調整可能な手段であることを特徴とする超音波診断
    装置。
  15. 【請求項15】 請求項3に記載の超音波診断装置にお
    いて、 前記スキャン手段は、前記第1のスキャンと第2のスキ
    ャンの送信を並列に同時に行わせて前記第1及び第2の
    受信信号を同時に受信する並列同時受信指令手段を有す
    ることを特徴とする超音波診断装置。
  16. 【請求項16】 請求項3に記載の超音波診断装置にお
    いて、 前記スキャン手段により得られた前記第1及び第2の受
    信信号の夫々から高調波信号を抽出する高調波抽出手段
    を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  17. 【請求項17】 請求項1又は2に記載の超音波診断装
    置において、 前記断面のBモード断層像を得るBモード断層像取得手
    段を備え、前記表示手段は、前記Bモード断層像と前記
    加速度の2次元分布像とを同一モニタに表示する手段を
    有したことを特徴とする超音波診断装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の超音波診断装置に
    おいて、 前記表示手段は、前記Bモード断層像に前記加速度の2
    次元分布像を重畳表示する手段を有したことを特徴とす
    る超音波診断装置。
  19. 【請求項19】 請求項1又は2に記載の超音波診断装
    置において、 前記処理手段は、前記第1及び第2の動き要素信号夫々
    から速度を得るとともに、この速度の折返り現象の影響
    を除去する折返り除去手段を有することを特徴とする超
    音波診断装置。
  20. 【請求項20】 被検体に超音波パルスを送信して当該
    被検体の所望断面をスキャンし、その送信に対する受信
    信号を得るスキャン手段と、前記受信信号から前記断面
    に存在する動き要素の動きの速度を演算する速度演算手
    段と、前記速度を用いて前記動き要素の動きの加速度を
    演算する加速度演算手段とを備えた超音波診断装置であ
    って、 前記速度演算手段は、前記速度の折返り現象の影響を除
    去する折返り除去手段を有することを特徴とする超音波
    診断装置。
  21. 【請求項21】 被検体に超音波パルスを送信して当該
    被検体の所望断面をスキャンする超音波診断装置におい
    て、 前記断面に沿った第1の方向に超音波パルスを複数回送
    信させながら当該送信毎に第1の受信信号を得る走査を
    当該第1の方向を移動させて繰り返す第1のスキャン
    と、前記第1の方向とは異なる前記断面に沿った第2の
    方向に前記超音波パルスを複数回送信させながら当該送
    信毎に第2の受信信号を得る走査を当該第2の方向を移
    動させて繰り返す第2のスキャンとを実質的に並行して
    行うスキャン手段を備え、 前記第1のスキャンに拠る前記第1の方向への前記超音
    波パルスの送信と前記第2のスキャンに拠る前記第2の
    方向への前記超音波パルスの送信との時間差を、前記超
    音波パルスに拠る1本の走査線のスキャンに要する時間
    から、1フレーム分の複数の走査線よりも1本少ない複
    数の走査線のスキャンに要する時間までの間の所望時間
    差に設定したことを特徴とする超音波診断装置。
  22. 【請求項22】 被検体内の画像化したい断面に沿った
    第1の方向に超音波パルスを複数回送信させながら当該
    送信毎に第1の受信信号を得る走査を当該第1の方向を
    移動させて繰り返す第1のスキャンと、前記第1の方向
    とは異なる前記断面に沿った第2の方向に前記超音波パ
    ルスを複数回送信させながら当該送信毎に第2の受信信
    号を得る走査を当該第2の方向を移動させて繰り返す第
    2のスキャンとを実質的に並行して行い、 前記第1及び第2の受信信号の夫々から前記断面におけ
    る動き要素の動きの状態を表す第1及び第2の動き要素
    信号を当該断面のサンプル点毎に抽出し、 前記第1及び第2の動き要素信号に基づき前記動き要素
    の動きの状態を表す加速度の2次元分布像データを求
    め、 この加速度の2次元分布像データを表示する、ことを特
    徴とする超音波診断方法。
  23. 【請求項23】 被検体内の画像化したい断面に沿った
    第1の方向に超音波パルスを複数回送信させながら当該
    送信毎に第1の受信信号を得る走査を当該第1の方向を
    移動させて繰り返す第1のスキャンと、前記第1の方向
    とは異なる前記断面に沿った第2の方向に前記超音波パ
    ルスを複数回送信させながら当該送信毎に第2の受信信
    号を得る走査を当該第2の方向を移動させて繰り返す第
    2のスキャンとを実質的に並行して行い、 前記第1及び第2の受信信号の夫々から前記断面におけ
    る動き要素の動きの状態を表す加速度の2次元分布像デ
    ータを求め、 この加速度の2次元分布像データを表示する、ことを特
    徴とする超音波診断方法。
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