JP4574609B2 - レーザーポインタを用いた天井クレーンによる搬送方法及び天井クレーンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、天井クレーンの吊り荷(搬送物)の搬送に関し、特に、吊り荷を搬送開始位置からレーザーポイントにより指示した目標搬送位置まで自動的に搬送する方法及びシステムに関する。
天井クレーンは搬送対象が3次元空間上を自由に移動できることや、搬送物の大きさや重量の制限が少ないので、搬送車等の他の搬送装置に比べ各種工場や倉庫など幅広い産業分野に利用されている。しかし、天井クレーンはロープで荷物を吊るす構造のため、クレーンの操作法や搬送の軌道などによっては荷振れが生じやすい。荷振れが生じた場合は地上の荷物との衝突や荷崩れが発生する危険性がある。このため従来は熟練したオペレータが高度な操作技術により荷振れを生じさせないように操作を行ってきた。しかし、近年の労働環境では人件費の削減や作業効率の向上が求められ、熟練したオペレータの育成は困難となっている。そのためクレーンの自動化を目指す様々な研究が行われている。
その研究の分野として、障害物を回避するための経路計画、搬送物の荷振れ抑制のための振れ止め制御といった研究が挙げられる。
また、振れ止め制御の研究として、西村他による非特許文献1のように、ゲインスケジューリングによる振れ止め制御、橋本他による非特許文献2のように、台車の移動速度と位置の偏差をフィードバッグにより振れ止めを行う研究などが行われていた。
経路計画に関する研究では、本発明者の一人である寺嶋他による非特許文献3のように、最小エネルギ、最短距離となる搬送経路を分枝限定法によって導出している。この方法は搬送領域内の障害物を多角形で近似し、その頂点をサブゴールとする搬送パターンのうち、実現可能で評価関数を最小とする経路を効率的に探索するものである。
しかし、完全自動制御では、オペレータがクレーンを管理しているコンピュータの指令装置に行き、その場所で目標搬送位置を指令することでクレーンを制御するため、オペレータが指令装置のある場所に行く必要がある。そのため、リアルタイムに位置決めを行うことが困難である。
そこで、本発明では操縦者がレーザーポインタによってクレーンに指示を与えることを考える。レーザーポインタで目標搬送位置へスポット光を指すことにより、カメラがスポット光の位置を計測し、その位置を目標搬送位置としてクレーンが障害物回避と振れ止め制御を行いながら自動で搬送するシステムを構築する。このようなシステムであればレーザーポインタによって目標搬送位置を指示するだけでクレーンが自動で荷物を搬送するため、オペレータの作業量軽減や搬送時間、安全性向上などにも大きく貢献できると考えられる。
従来技術を示す以下の非特許文献は参照のために本明細書に組み入れられる。
非特許文献
非特許文献1:西村秀和、種村英朗、野波健蔵、走行クレーンのロープ長変動に対するゲインスケジュール位置決め制御、日本機械学会論文集(C編)、Vol。62、No。599、pp.2692−2697、(1996)
非特許文献2:橋本幸雄、土谷武士、松田俊彦、杉岡一郎、荷振れ情報を必要としないクレーンの吊り荷の振動抑制制御、計測自動制御学会論文集、Vol。30、No。2、pp。172−180、(1994)
非特許文献3:兼重明宏、寺嶋一彦、鈴木薪雄、殷雷、障害物認識と経路計画を考慮した天井クレーンの自律化、“日本機械学会論文集(C)”、Vol。64、No。618、(1998)、pp.487−494
非特許文献4:井口征士、3次元画像計測、昭晃堂、(1990)
非特許文献5:G.K. Schmidt, K.Azarm, Mobile robot path planning and execution based on a diffusion equation
strategy”, Advanced Robotics 7-5(1993),pp.479-490
非特許文献6:斎藤武雄、“数値伝熱学”、養賢堂、(1986)
非特許文献7:杉原厚吉、“グラフィックスの数理”、共立出版、(1995)
非特許文献8:David F. Rogers、 J.Alan Adams、山口富士夫、“コンピュータグラフィックス”、日刊工業新聞社(1979)
非特許文献9:須永照雄、“機械工学における最適化手法”、機械の研究、41−8、(1989)、pp.867−872
非特許文献10:柳井法貴、山本元司、毛利彰、“逆動力学計算に基づくクレーンのフィードバック制御”、計測自動制御学会論文集、37−11、(2001)、pp.1048−1055
非特許文献11:Yanai N, Yamamoto M, Mohri A, “Anti-Sway Control for Wire-Suspended Mechanism Based on Dynamics Compensation”, Proc IEEE Int Conf Rob Autom, 4,(2002),pp.4287-4292
非特許文献12:高橋伸寿,中沢洋介,梅田和昇,レーザーポインタを用いたホームロボット操作システムの構築,日本機械学会ロボティスク・メカトロニクス講演会講演論文集,pp2P1-K03(1)-2P1-K03(2),(2002)
非特許文献13:PAROMTCHIK.I.E, ASAMA.H,“Mobile robot guidance by means of a laser pointer”, Proc ASTED IntConf Model Identif Control, Vol.2,pp.718-721,(2001)
本発明のアプローチは次のとおりである。天井クレーンの目標移動位置を決定するためのスポット光を認識するシステムの構築を行う。スポット光は、オペレータがレーザーポインタを搬送物の目標搬送位置まで持って行き、レーザーポインタから照射したレーザー光により目標搬送位置の床面を数秒間照射してスポット光を形成し、基本的には、2台のカメラ(例えば、CCDカメラ)により前記スポット光を撮像し、カメラに接続されたコントローラによりスポット光の位置決定を行うものである。なお、対象の床面を照射するようにレーザーポインタをクレーン(例えば、クレーン台車)にとりつけることもできる。
また、カメラとスポット光を結ぶ直線上に障害物等が存在するために1台のカメラだけでしかスポット光を計測できない場合もあることを想定して、1台のカメラで3次元位置を計測するアルゴリズムを提案する。障害物回避経路の計算には3次元拡散方程式に基づくポテンシャル法を適用する。ポテンシャル法はグラフ理論やGA等による経路計画に比べ、複雑な障害物環境にも適用が容易で、計算時間が短い等の利点を有すため、クレーンの煩雑な障害物環境に有効であると考えられる。次に得られた経路を折れ線近似法により改善を行うことで、不要な折れ点が少ない経路を導出する。次に得られた経路を5次Bスプライン曲線で表す。曲線を表すパラメータを操作量とし、装置制約と障害物回避制約を満たし、搬送時間を最小にする最適化問題をコンプレックス法により解くことで台車の制御入力を導出する。制御入力を逆動力学計算によるフィードフォワード制御系に入力することで、荷物の軌道追従と振動抑制を行う。
また、障害物位置情報は、非特許文献3に記載される光切断法により全て既知であることを前提とする。
発明の実施するための最良の形態
図1に本発明の実施の形態の天井クレーンシステム1の概要図を示す。該システムの天井クレーンは台車2と、台車2を平面内で走行自在に支持するフレーム3と含む。走行方向(X軸)方向はガーダ4が移動し、横行方向(Y軸)はガーダ上を搬送物10を吊り下げた台車2が移動することによりX、Y方向への独立した搬送が可能である。台車の移動は台車に設けたACサーボモータ(図示省略)の駆動をタイミングベルト5Aを介し、コントローラ6からモータへの電圧指令を与え、台車速度を制御する。また、搬送物10はワイヤーロープ7により吊り下げられ、ACサーボモータの駆動により台車下部の巻き取りドラム(図示省略)を回転させることにより、上下方向(Z軸)に移動する。台車、ガーダ、ヤイヤーロープ、搬送物、サーボモータの関係は公知であり、詳細に説明はしない。
X、Y、Z方向の最大移動距離は、本実施の形態においては、2.0m、1.0m、1.2m、搬送物10は質量30Kgの鋼塊である。ロープ7の振れ角の測定にはレーザーセンサ(KEYENCE、VG−035)をロープの付け根の近くに取り付けて行う。
クレーンのフレームに2台の白黒CCDカメラ(SONY、XC−HR58)11A,11Bを固定して、レーザーポインタのスポット光の撮像のために利用する。カメラのレンズの前には色ガラスフィルタ(HOYA、R−60)を取り付けることでレーザー光以外の外***を遮断する。画像処理装置には画像処理ボード(Linx、銀河++M2)を利用する。カメラは台車可動範囲にあるX、Y軸方向の床面を全て撮像でき、Z軸方向は最低0.3m、最高1.0mの高さから撮像できる。レーザーポインタはスポット径が3m先で約7mm〜40mmの直径に調整できるもの(VEROS、LEPO650)を使用する。
コントローラ6は種々の演算を実行するコンピュータを含み、カメラに接続されカメラが撮像した像を解析しスポット光の位置を決定できるように構成されている。また、以下に説明する各処理はコントローラ6によってなされる。
1.スポット光位置の計測法
1・1 スポット光位置の求め方
本発明では図1に示すように、スポット光認識のために2つのカメラ11A,11Bをクレーンのフレーム3に固定する。障害物の設置位置によってはカメラの死角が存在するため、図2を使って想定される状況を述べる。
図2のA領域のように、大きい方の障害物の上面A1とその側部の床面A2は両方のカメラで撮像できる。図2のB領域とC領域はカメラ11Aのみが撮像できる。1つのカメラでのみ表面のスポット光を撮像できるときは、床面の座標をZ=0として2次元の(X、Y)座標をコントローラ6で決定できるが、図2のC領域のスポット光により、3次元のクレーン座標(X、Y、Z)を決定することは不可能である。しかし、本発明では光切断法により全て把握されている障害物位置情報を用いることで1つのカメラの撮像により決定された(U、V)座標から3次元のクレーン座標(X、Y、Z)を決定することができる。
1・2 2台のカメラの場合
カメラが2台ともスポット光を認識できる場合は本節で述べる方法によりスポット光のクレーン座標を求める。図2のカメラ11AのカメラのパラメータをCA1〜CA11、カメラ座標を(U、V)、カメラ111BのカメラのパラメータをCB1〜CB11、カメラ座標を(U、V)、スポット光の座標を(X,Y,Z)とすると,非特許文献4に記載されるように、次式の関係が成り立つ。次式を行列で表したあと,一般逆行列を用いて最小二乗解を求めることで(X,Y,Z)を求める。
式1
Figure 0004574609
1・3 1台のカメラの場合
障害物によってカメラの死角が生じる。このような場合はカメラ1台しかスポット光を認識できない場合もある。このときは(2)式によりスポット光の2次元クレーン座標を求める。(2)式はZ=0のときの(1)式を変形させた式である。(2)式はカメラ11Aのものであるが,カメラ11Bのものも同様な式で求めることができる。
式2
Figure 0004574609
1つのカメラで3次元位置を求めるアルゴリズム
図2のC領域(小さな方の障害物の上面)に吊り荷を搬送したい場合の例を図3に示す。C領域は、先に述べたように、A領域を有する大きい方の障害物にじゃまされてカメラ11Bでは撮像できないが、カメラ11Aで撮像可能である。
図3に破線で示すように斜め上方からにレーザー光線をC領域に照射した場合を考える。スポット光がC領域に形成されるので、カメラ11Aにより該ポット光を撮像する。後に説明する方法(スポット光重心を求めるアルゴリズム)により、撮像したスポット光画像からスポット光の重心Bを画像的に決定し、コントローラ6を介してカメラ11Aの光軸をB点に合わせる。カメラ11Aの位置Cは既知であり、その座標は(X,Z)である。B点の未知の座標を(X,Z)とする。カメラ11Aの光軸と床面(2つの障害物が載っている面)との交点Aの未知の座標を(X1,Z1)とする。B(X,Z)、すなわち、目標搬送位置を図3に関して、次に述べる方法で求める。
1)最初に、(2)式により座標A(X,Z)を求める。
2)既知である座標C(X,Z)を利用して,障害物のZ座標を探索するZを,Z=Zとして定義する。
3)Z−10[mm]を計算し,X方向を探索する係数Xを以下の(3)式により求める。
式3
Figure 0004574609
4)3)を数回計算する。
5)障害物位置情報とX,Zを比較し,X<X,Z<Zが成立する直前のX,Zを取得して終了する。
上記アルゴリズムのステップ1)で床面上の点Aの座標(X,Z)は、座標B(X,Z)とA(X,Z)はカメラの画像面上では同じU,V座標にあるため,Z=0という仮定と(2)式を用いることで求まるものである。上記3)を数回計算することで,最初はX=X,Z=Zであったのが徐々にX,ZはX,Zに近づいていき,最終的にX<X,Z<Zが成立するように変化する。上記の計算により,障害物上の目標搬送位置の座標B(X,Z)を求めることができる。
説明を簡便にするために、図3に示すX−Z平面のみに関して説明したが、Y−Z平面に関しても同様であり、この計算法を使うことで障害物位置情報とスポット光の画像から3次元位置を求めることができる。この計算法を使うメリットとしては,カメラの画像面の座標と3次元座標との対応付けを行う必要がなくなるため,障害物の位置を変更するたびに3次元座標との対応付けを行う手間や,対応付けのためのプログラム変更の手間を省くことができる。
上記(3)式は空間上の2点間を結ぶ直線の方程式を変形させたものである。なお,この方法は光切断法により障害物位置情報が全て既知であるという前提のもとで行っている。
2.スポット光位置の計測実験
2・1 2台のカメラによる計測校正済みカメラで静止した物体の座標を求めることで精度の確認を行う。ここで静止した物体の座標を求めているのは,レーザーポインタのスポット光ではmm単位での位置決めは困難であり,計測誤差の確認には静止した物体の座標を求める方が容易であるためである。表1には実際に3次元座標を求めたときの例を示し,表の左に本来の3次元座標,右に計測結果を示す。単位はmmである。最大で11mmの誤差、最小で0mmの誤差であった。
Figure 0004574609
2・2 1台のカメラによる計測
図4に示す障害物環境下で、校正済みカメラで静止した物体の座標を求めたときの計測結果を表2に示す。表の左に本来の3次元座標、右に計測結果を示す。単位はmmである。撮像に使ったカメラはカメラ11Aであるが、カメラ11Bで撮像した場合も同様な結果になるため省略する。この結果より3次元座標を決定できた。最大で14mmの誤差、最小で0mmの計測誤差であった。
Figure 0004574609
2・3 スポット光重心の導出
一般的にスポット光は大きさを持っている。レーザーポインタの当て方によっては大きな楕円となってしまい、楕円のどの位置を計測するかによって測定値が変わる問題が生じる。そこで本発明ではスポット光の重心位置を求めることでこの問題を解決する。スポット光の重心を求める方法としては、下に述べるアルゴリズムを用いる。
スポット光重心を求めるアルゴリズム:
1)カメラで撮像した画像から輝度値を取得し、輝度値200以上の座標(図5の例では最も色の濃い領域)を取得する。
2)輝度値200以上の座標(上記最も色の濃い領域)の中で、最も上下左右にある4つの座標(A、B、C、D)を取得。
3) (A+D)/2と(B+C)/2を計算してEの座標を求める。この重心を求める方法は公知であり、一般に使用されている。
輝度値は0〜255段階に分かれる。コンクリートなどの画像は輝度値200未満であるが、スポット光は輝度値200以上となるので、撮像した画像から輝度値200以上の画像を取得することでスポット光のみを取得できる。スポット光周辺(図5の例では色の薄い領域と周辺の背景)の輝度値は200未満であるため、輝度値を取得する際に排除することができる。この処理によって撮像した画像はスポット光の画像(図5の例では色の濃い領域)のみが残るため、座標(A、B、C、D)の位置を判別することが容易となる。
この方法でスポット光の位置を求める実験を行った。スポット光は十分な輝度を持ち、容易にカメラで認識ができた。
3.障害物回避経路の導出
3・1 ポテンシャル法
ポテンシャル法とは、非特許文献5に説明されるように、拡散方程式を用い、搬送領域内に仮想的な拡散物質を拡散させ、その濃度勾配(ポテンシャル場)を用いて経路を得るものである。3次元拡散方程式は次式となる。
式4
Figure 0004574609
差分法により数値計算を行うため,(4)式を差分化すると、非特許文献6に示されるように、次式となる。
式5
Figure 0004574609
さらに、境界条件として、以下の(6)式
式6
Figure 0004574609
を恒久的に与え、それ以外のグリッドの初期条件として以下の(7)式
式7
Figure 0004574609
を与える。荷物の大きさを無視するために,荷物を円柱と仮定し,荷物半径だけ障害物を拡大するものとした。荷物下端の位置を荷物経路のZ座標とするため、障害物はX−Y軸方向への拡大処理のみ行う。
図6(a)に示す3次元障害物環境に(5)〜(7)式を用いてポテンシャル場を生成した例を図6(b)に示す。ここで、スタート地点Sを(0.1[m],0.1[m],0.3[m])、ゴール地点Gを(1.9[m],0.9[m],0.3[m])、搬送物半径を0.15[m](グリッド幅Δh=0.05[m]の場合の3グリッド相当)として障害物を拡大した。図6(a)の障害物周辺に拡大された障害物領域を示す。ただし,地面(Z=0[m])にのみ拡大障害物領域を示すものとする。図6より境界条件であるゴール地点で濃度C=1,障害物領域内で濃度C=0,障害物領域外ではゴール地点に近接するほど濃度は1に近く,離れるほど濃度は低下する。なお,実験の際には障害物の拡大処理を0.2[m](荷物半径0.15[m]+安全余裕0.05[m])とする。従って,スタート地点(図7に黒丸で示す基本グリッド(i,j,k)からその周囲26グリッド(図中。印)の濃度を参照し,最大濃度となるグリッドを選択することで,障害物に衝突せずゴール地点にたどり着くことができる。このとき選択したグリッドを連結して得られる経路が障害物回避経路となる。図8に回避経路を導出した例を示す。実線が荷物の重心位置を示す回避経路である。
ここで,拡散方程式に基づくポテンシャル法の手順を以下にまとめる。
拡散方程式に基づくポテンシャル法:
1)対象となる3次元搬送領域(X,Y,Z)をグリッド幅Δhのメッシュで区切り、障害物を該当するグリッドに配置する。
2)障害物を搬送物半径だけ拡大する。
3)(6)、(7)式により全グリッドの初期濃度Co,i,j,kを与える。
4)(5)式を用いて境界条件を除く全グリッドの濃度Ct,i,j,kを更新する。
5)(8)式の終了条件を満足する場合には6)へ。満足しない場合には4)へ。
6)与えられたスタートグリッドSを選択グリッドPとする。
7)選択グリッドPの周囲26グリッドの中から最大濃度グリッドを選択し、選択グリッドPをストックし更新する。
8)選択グリッドPの濃度C=1(ゴール地点G)であれば終了。それ以外は7)へ。
この手順においてストックされた選択グリッドPが回避経路となる。なお、拡散終了条件には次式を用いる。
式8
Figure 0004574609
ここで、Ct、Sは時刻tにおけるスタート地点Sの濃度である。(8)式はスタート地点における各計算ステップごとの濃度の変化比率を示している。この終了条件は定常するまでの拡散回数が障害物環境によって異なるため導入した。εCsは拡散プロセスの定常状態を判定する閾値であり、εCs=0.01とし、拡散パラメータrは0.01とした。
3・2 折れ線近似法
図8に示すように、ポテンシャル法によって得られた経路は折れ点の多い経路となる。台車軌道は折れ点の影響を受けやすく、不要な折れ点は搬送時間の増大を招く。そのため、最大濃度グリッドの点群を折れ線近似法により直線で近似する。この手法により不必要な折れ点を少なくする。近似の際には、経路が障害物領域に侵入しないことを条件に近似を行う。図9に障害物環境を用いた折れ線近似法の概要を示す。図中_印で示されるスタート地点を線分の始点とする。線分の終点をゴール地点から経路データの点群(同図。印)を走査していき、障害物と衝突しない直線を探索する。図中の破線は障害物領域へ進入してしまうため選択されない。障害物と衝突しない直線を決定したならば、その直線の終点を新たに始点として直線を探索する。この操作を繰り返し行うと図10に示すような近似結果が得られる。同図破線がポテンシャル法により得られた経路を表し、実線が直線近似を行った近似経路である。近似経路の折れ点数は14点から4点に減少し、搬送距離が短縮されていることが分かる。以下に折れ線近似法の手順を示す。
折れ線近似法:
1)ポテンシャル法により得られた選択グリッドをP(i=1、・・・、n)として、s=1、g=nとおく。
2)グリッドPからグリッドPまでの直線が障害物領域内を通過するか判定。またはP(j=s、・・・、g)の点群の障害物領域周辺からの位置が許容最大値emax内であるかを判定。
3)上記直線が障害物領域を通過し、または上記点群が許容最大値を超える場合はg=g−1として2)へ。それ以外の場合、Pを折れ点としてストックし4)へ。
4)g=nなら終了、gがnでないならs=g、g=nとして2)へ。
4.各種制約条件を考慮した荷物軌道の導出
4・1 5次Bスプライン曲線
逆動力学計算を用いた制御系において、荷物軌道は4階微分が可能であることが求められるため、本発明では5次Bスプライン曲線を用いて荷物軌道を表現する。区間[i,i+1]、(i=0、・・・、N−1)における5次Bスプライン曲線で表現された荷物軌道
式9
Figure 0004574609
と時刻t(s)を次式で定義する。
式10
Figure 0004574609
本発明では折れ線近似法により得られた折れ点を用いることとする。sは0≦s<1とする曲線パラメータ,N(s)は5次Bスプライン基底関数であり,deBoor-Coxの公式(非特許文献7及び8)により次式のように導出される。
式11
Figure 0004574609
従って,荷物軌道
式12
Figure 0004574609
は重みN(s)を与えた周囲6点の制御点の線形結合により求められる。なお,(10)式のスプライン基底関数N(s)はsの5次式で与えられることから,得られる荷物軌道
式13
Figure 0004574609
は4階微分可能となる。
4・2 最適制御問題の定式化
制御点及び終端時刻を記述する制御点ベクトルを
式14
Figure 0004574609
と定義し,各種制約条件を考慮して評価関数を定式化し、最適解を導出する。制約条件に応じて与えるペナルティ項を付加した評価関数Jを次式で定義する。
式15
Figure 0004574609
ここで,lは制約条件の数,Wはペナルティ項の重み係数である。
(14)式は制約条件下で高速な軌道を導出することを目的とした評価関数である。ペナルティ項の重みWは10000とする。Wは搬送時間tに対して十分に大きな値を与えることで,制約条件を満足する軌道が導出できる。また,h(t)はペナルティ関数であり,常に正値でなければならないので,制約条件g(t)に応じて次式で与える。
式16
Figure 0004574609
(12)式では制約条件を満足しないときにのみペナルティ項が加算される。従って,制約条件を満足しない軌道は最適化過程で排除され,制約を満足し,かつ搬送時間の短い軌道が得られる。
4・3 モータの速度,加速度制約
次に各種制約条件について述べる。モータには有限の速度,加速度を有するので,モータの装置制約を考慮する必要がある。最適制御問題における制約条件をg(t)≧0の形で表すと,台車速度
式17
Figure 0004574609
及び台車加速度
式18
Figure 0004574609
の制約は次式となる。
式19
Figure 0004574609
Y軸についても同様である。Z軸についてもモータの装置制約を考える。Z軸のロープ巻き上げ下げ速度
式20
Figure 0004574609
及びロープ巻き上げ下げ加速度
式21
Figure 0004574609
の制約は次式となる。
式22
Figure 0004574609
制約条件として,台車速度
式23
Figure 0004574609
及び台車加速度
式24
Figure 0004574609
とした。また,残留振動抑制のためには搬送スタート地点及びゴール地点において荷物と台車は停止していなければならない。そのため,搬送スタート地点及びゴール地点では
式25
Figure 0004574609
の条件が与えられる。
4・4 ラプラス方程式を用いた進入抑制制約
荷物の障害物領域内への進入を抑制する制約としてラプラス方程式を用いた障害物回避のための制約条件を利用する。この制約条件を利用することで,求めた荷物軌道が障害物領域内に進入していないかを評価できる。次の手順で制約のための荷物軌道
式26
Figure 0004574609
により定まるポテンシャル場
式27
Figure 0004574609
を生成する。搬送領域内に2つのポテンシャル場Co,Cnを(15)式のラプラス方程式により導出する。
式28
Figure 0004574609
ここで,初期条件としてCo,Cn=exp1,それぞれの境界条件として(16)式
式29
Figure 0004574609
を用いる。
(16)式の境界条件より,Coは障害物領域内でのみ値を有するポテンシャル場であり,Cnは障害物領域内外でのみ値を有するポテンシャル場となる。得られた2つのポテンシャル場を用いてポテンシャル制約Cを求める。
式30
Figure 0004574609
ここでlogをとるのはC及びCの指数的な変化を考慮するためである。図11(a)に障害物環境、図11(b)にラプラス方程式により生成されたポテンシャル制約Cを示す。同図より生成されたポテンシャル場Cは必ず障害物領域内で正、領域外で負、境界で零となることが確認できる。また、搬送領域全域で勾配を有し、障害物が密集する領域ほどポテンシャル値Crは大きくなっている。ここで、Cが負であれば障害物領域に侵入しないことから、進入抑制のための制約条件は次式で与えられる。
式31
Figure 0004574609
4・5 コンプレックス法
(9)、(10)式で、4階微分可能な荷物軌道
式32
Figure 0004574609
は表現できる。しかし、(10)(11)式において制御点
式33
Figure 0004574609
と搬送終端時刻tを決定する必要がある。従って、これらの変数を操作量とし、障害物回避等の各種制約条件を満足する最適制御問題を考える。そこで、制御点及び終端時刻を記述する制御点ベクトルを
式34
Figure 0004574609
と定義し、これを非線形最適化手法の一種であるコンプレックス法(非特許文献9)により最適化する。制御点の数を折れ線近似法により得られた折れ点の数Nとすれば、始端と終端の位置は固定されるため、
式35
Figure 0004574609
は3(N−2)+1の最適化変数を有する。また、コンプレックス法における初期点の数Mは最適化変数の2倍程度にすることが好ましいとされているので、M=6(N-2)+1個の初期点を与えることとした(非特許文献9)。制御点ベクトル
式36
Figure 0004574609
をコンプレックス法により改善する手順を以下に示す。
コンプレックス法による最適化アルゴリズム
1) 折れ点近似法により得られた制御点ベクトルを
式37
Figure 0004574609
とし、残りのM−1個の制御点ベクトル
式38
Figure 0004574609
の要素を次式により決定する。
式39
Figure 0004574609
ここで、i=1,・・・,N,2,・・・,M、D,D,D,Dtfは各制御点の探索域に対応して設定する値、rは区間[−0.5,0.5]の一様乱数である。
2) 各制御点ベクトルで定まる軌道に対して評価関数を計算し、評価値の最大値Jを与える制御点ベクトル
式40
Figure 0004574609
と最小値Jを与える制御点ベクトル
式41
Figure 0004574609
を求める。
3)εを収束の判定定数としてJ−J≦εの場合は終了、J−J>εの場合は4)へ。
4)最大点
式42
Figure 0004574609
を除く制御点ベクトルの重心
式43
Figure 0004574609
を求める。次式
式44
Figure 0004574609
により最大点
式45
Figure 0004574609
と重心
式46
Figure 0004574609
とを結ぶ直線上で改良点
式47
Figure 0004574609
を求め、その評価値Jとおく。
5)J<Jならば
式48
Figure 0004574609
式49
Figure 0004574609
で置き換え、2)へ。J≧Jならばεαを十分小さな値として、α≧εαならαをα・βで置き換え4)へ、α<εαならαを初期値に戻し、
式50
Figure 0004574609
式51
Figure 0004574609
に置き換え4)へ。
ここで、図10に示すように上記手法の軌道生成のシミュレーションを行う。条件として初期制御点数と初期値は障害物環境を用いた折れ線近似法により得られた折れ点を与えるものとする。αの初期値は1.3、βの初期値は0.5とする(非特許文献9)。また、探索域D=D=D=0.1m、Dtf=1sとし、ε=0.01、εα=0.01とした。このときの初期制御点及び改善後の制御点の位置を図12に示す。図より改善後の制御点は搬送領域外に位置しているが、この制御点より得られるBスプライン軌道はラプラスポテンシャル場による制約条件により搬送領域内でかつ障害物回避を行う。
実際に軌道生成シミュレーション結果を行った結果を図12の太実線に示す。折れ線であった経路(図中破線)が曲線で表され、さらに障害物を回避する形となっていることがわかる。
5.制振制御と軌道追従のための制御系の構築
5・1 逆動力学計算によるFF制御
本発明では、荷物の軌道追従、振動抑制を非特許文献10に記載される逆動力学計算によるフィードフォワード制御により行う。この手法は荷物軌道
式52
Figure 0004574609
を実現する台車軌道
式53
Figure 0004574609
を力の釣り合いから得られる以下の(21)式
式54
Figure 0004574609
によって導出する手法である。ここで,gは重力加速度である。さらに,この台車軌道をモータの逆モデルに入力することで,実際の天井クレーンの台車軌道及び荷物軌道が
式55
Figure 0004574609
となるFF制御入力
式56
Figure 0004574609
を得る。FF制御入力導出の過程は図13となる。ただし,(43)式及びモータの逆モデルはそれぞれ入力の2階微分を含むことから,荷物軌道は4階微分可能なものしか実現することができない。そのため,本発明では5次Bスプライン曲線を導入することで4回微分可能な荷物軌道
式57
Figure 0004574609
を得ている。
次に,天井クレーンのモータを1次遅れ系と仮定すると,与えられた台車軌道
式58
Figure 0004574609
を実現する制御入力
式59
Figure 0004574609
は次式により求められる。
式60
Figure 0004574609
ここで,
式61
Figure 0004574609
は各軸のモータゲインを成分とする対角行列,
式62
Figure 0004574609
は各軸のモータ時定数を成分とする対角行列である。(22)式より,台車軌道
式63
Figure 0004574609
が与えられれば,それを実現する制御入力
式64
Figure 0004574609
を導出できる。
5・2 シミュレーション及び搬送実験
図6(a)に示す障害物環境で,各節で述べた方法を統合してシミュレーションと搬送実験を行った。その結果を図14に重ねて示す。3次元で表した図の上側にある軌道が台車のロープ繰り出し点,下側にある軌道が吊り荷重心を表し,細線がロープ,マップ中央に障害物,その周辺の床面に示したものは,吊り荷の半径分拡大した障害物領域を示している。2次元で表したグラフの中で,位置は吊り荷重心の位置を示し,速度と加速度は台車軌道の速度,加速度である。振れ角はロープのものである。実験結果より最大残留振動は0.081[rad]であり,良好に残留振動の抑制ができている。位置決め誤差は10[mm]でありシミュレーション結果と実験結果はほぼ一致している。また,最大速度,最大加速度制約を満たしている。
6.スポット光位置への搬送実験
レーザーポインタのスポット光で目標搬送位置を照らし,吊り荷をスポット光の位置まで操作することを行う。目標搬送位置はカメラによって計測されたスポット光の位置とするが,Z軸をカメラで認識した座標をそのまま目標搬送位置として使うと吊り荷下部が障害物に激突するため、安全マージンも含めて測定値に0.15[m]プラスして目標搬送位置とする。図15はスポット光の位置へ,実際にクレーンを操作したときの実験データを示す。吊り荷はスポット光の上部に移動でき、残留振動の抑制を行いながら障害物の回避ができていることが図より確認できる。
上記実施の形態において、2台のカメラを用いたが、2台以上のカメラを設けてスポット光を撮像することができる2台のカメラを使用することとすることもできる。
発明の効果
カメラ2台でスポット光を計測する場合は11mmの誤差以内、カメラ1台でスポット光を計測する場合は14mmの誤差以内で3次元位置の計測ができることを実験により示した。ポテンシャル法を用いた経路計画、5次Bスプライン曲線の制御点と搬送時間をコンプレックス法による同時最適化、逆動力学計算による制振FF制御系を適用することで吊り荷の残留振動抑制と障害物回避を実現することができた。また、これらの要素技術を統合し、スポット光の位置へクレーンを操作することを行い、スポット光の位置へ残留振動抑制と障害物回避を行いながら位置決めができることを示した。
本発明のクレーンシステムの斜視図。 図1のクレーンシステムにおけるスポット光測定環境を示す斜視図。 カメラ位置とスポット光位置の関係を示す概略図。 障害物環境を示す図。 スポット光の重心を求めるための説明図。 図6aは3次元障害物環境を示す図であり、図6bは3次元拡散によるポテンシャル場を示す図。 拡散法における基本グリッドと周囲26グリッドを示す図。 ポテンシャル法により得られた障害物回避径路を示す図。 折れ線近似法の概念を示す図。 折れ線近似法の例を示す図。 ラプラス方程式を用いた侵入制約を示す図。 Bスプライン曲線による改善された搬送路を示す図。 FF制御の概念を示す図。 搬送制御の結果を示す図。 スポット光位置への搬送実験結果を示す図。
符号の説明
1 クレーンシステム
2 台車
3 フレーム
4 ガーダ
5A,5B タイミングベルト
6 コントローラ
7 ワイヤーロープ
10 搬送物
11A,11B カメラ

Claims (12)

  1. コントローラを介して自動運転される天井クレーンを用いて搬送物を搬送開始位置から目標搬送位置の真上までの3次元空間における搬送径路に沿って自動的に搬送する方法であって
    少なくとも2台のカメラを設置し、そのうちの少なくとも一方のカメラは位置座標が既知であり、
    レーザーポインタによりレーザー光線を目標搬送位置の床表面に照射してスポット光を生成し
    前記少なくとも2台のカメラと前記スポット光との間に障害物が存在しない場合には、該2台のカメラにより前記スポット光を撮像し、その撮像された画像から前記スポット光に対応する輝度値を取得し、この輝度値に基づいてスポット光重心位置の3次元空間座標を決定すると共に、この3次元空間座標を前記目標搬送位置として利用して前記コントローラによって前記搬送径路を決定し、該搬送径路に沿って前記搬送物を前記搬送開始位置から前記目標搬送位置の真上まで自動的に搬送し、
    前記少なくとも2台のカメラのうちの前記位置座標が既知である一方のカメラのみが前記スポット光を撮像でき、他のカメラが障害物のために前記スポット光を撮像できない場合には、前記位置座標が既知であり、前記スポット光を撮像できる前記一方のカメラにより前記スポット光を撮像し、その撮像された画像から輝度値を取得し、この輝度値に基づいてスポット光重心位置の3次元空間座標を決定且つこのスポット光重心位置の3次元空間座標と、前記一方のカメラの前記既知の位置座標と、光切断法により予め求めておいた前記障害物の位置情報とに基づいて前記天井クレーンの3次元空間座標を決定すると共に、この3次元空間座標を前記目標搬送位置として利用して前記コントローラによって前記搬送径路を決定し、該搬送径路に沿って前記搬送物を前記搬送開始位置から前記目標搬送位置の真上まで自動的に搬送するとを含んでなる自動搬送方法。
  2. 請求項に記載の自動搬送方法であって、前記搬送開始位置と、前記スポット光重心位置とを結ぶ直線上に障害物が存在するとき、3次元拡散方程式に基づくポテンシャル法を適用して前記障害物の3次元障害物を回避するための折れ線状の障害物回避径路を計算し、前記搬送物を該障害物回避径路上で搬送する自動搬送方法。
  3. 請求項に記載の自動搬送方法であって、前記障害物回避径路に関して折れ線近似法を適用して前記障害物回避径路の折れ線の数を減少した搬送径路を決定することを含んでなる自動搬送方法。
  4. 請求項に記載の自動搬送方法であって、前記折れ線の数を減少した搬送径路を5次Bスプライン曲線で表し、該曲線を搬送径路とすることを含んでなる自動搬送方法。
  5. 請求項に記載の自動搬送方法であって、ラプラス方程式を用いた障害物回避のための制約条件を利用することを含んでなる自動搬送方法。
  6. 請求項に記載の自動搬送方法であって、前記折れ線の数を減少した搬送径路にコンプレックス法を適用して搬送径路を非線形最適化することを含んでなる自動搬送方法。
  7. 請求項に記載の自動搬送方法であって、前記5次Bスプライン曲線の搬送径路に関して逆動力学計算によるフィードフォワード制御を行うことを含んでなる自動搬送方法。
  8. レーザーポインタによって搬送物の目標搬送位置の床表面にレーザー光線を照射して生成したスポット光を利用し、天井クレーンを用いて搬送物を搬送開始位置から目標搬送位置の真上までの3次元空間における搬送径路に沿って自動的に搬送するクレーンシステムであって
    搬送物を垂直方向に移動させることができ、かつ、水平面内で移動可能な台車と、該台車を水平移動自在に支持するフレームを含む天井クレーンと
    前記スポット光を認識するための少なくとも2台のカメラであり、そのうちの少なくとも一方のカメラは位置座標が既知であるカメラと、
    前記少なくとも2台のカメラに接続されたコントローラとを備え、
    前記コントローラは、前記2台のカメラと前記スポット光との間に障害物が存在しない場合には、前記2台のカメラにより前記スポット光を撮像し、その撮像された画像から前記スポット光に対応する輝度値を取得し、この輝度値に基づいてスポット光重心位置の3次元空間座標を決定すると共に、この3次元空間座標を前記目的搬送位置として前記天井クレーンの駆動装置に指令し、
    更に前記コントローラは、前記少なくとも2台のカメラのうちの前記位置座標が既知である一方のカメラのみが前記スポット光を撮像でき、他のカメラが障害物のために前記スポット光を撮像できない場合には、前記位置座標が既知であり、前記スポット光を撮像できる前記一方のカメラにより前記スポット光を撮像し、その撮像された画像から輝度値を取得し、この輝度値に基づいてスポット光重心位置の3次元空間座標を決定且つこのスポット光重心位置の3次元空間座標と、前記一方のカメラの前記既知の位置座標と、光切断法により予め求めておいた前記障害物の位置情報とに基づいて前記天井クレーンの3次元空間座標を決定すると共に、この3次元空間座標を前記目的搬送位置として前記天井クレーンの駆動装置に指令するクレーンシステム。
  9. 請求項に記載のクレーンシステムであって、前記少なくとも2台のカメラはCCDカメラであるクレーンシステム。
  10. 請求項に記載のクレーンシステムであって、前記少なくとも2台のカメラを前記天井クレーンの前記フレームに固定して設けたクレーンシステム。
  11. 請求項に記載のクレーンシステムであって、前記搬送開始位置と、前記スポット光重心位置とを結ぶ直線上に障害物が存在するとき、前記コントローラは、3次元拡散方程式に基づくポテンシャル法を適用して前記障害物の3次元障害物を回避するための折れ線状の障害物回避径路を計算し、該障害物回避径路を前記搬 送径路として前記天井クレーンの駆動装置に指令するクレーンシステム。
  12. 請求項に記載のクレーンシステムであって、前記コントローラは、前記障害物回避径路に関して折れ線近似法を適用して前記障害物回避径路の折れ線の数を減少した搬送径路を決定し、該決定した搬送径路を前記天井クレーンの駆動装置に指令するクレーンシステム。
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