JP4573955B2 - 分離可能な複数の収容部を備えたカートン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1枚のブランク板を折り畳んで成形される分離可能な複数の収容部を備えたカートンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カートン内に複数の収容部を設ける場合、予め収容部が形成されたプラスチック製の成形トレイ等をそのカートン内に容入したり、カートンを構成する底面板等の一部を接着剤で貼り合わせて仕切部を形成したりしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような成形トレイを用いると、製造コストが増加し、廃棄する際にも非常に面倒になる。また、カートンの一部を貼り合わせて仕切部を設ける場合でも、その接着剤分のコストが余計にかかる不具合があり、ましてや各収容部ごとに分離することなどできるものではなかった。
そこで、本発明は、低コストで製造できる上に各収容部ごとに分離可能な複数の収容部を備えたカートンを得ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明は、次のようなカートンを提供するものである。すなわち、1枚のブランク板を折り畳んで成形されるカートンであって、そのカートンは、天面板の一方の短辺側に折線を介して上重ね側面板および他方の短辺側に折線を介して連結板が連設され、その連結板に折線を介して底面板の一方の短辺側を連設するとともに、底面板の他方の短辺側には折線を介して下重ね側面板を連設し、さらに天面板の一方の長辺側には折線を介して上重ね前面板および他方の長辺側には折線を介して上重ね後面板が連設され、底面板の一方の長辺側には折線を介して下重ね前面板および他方の長辺側には折線を介して下重ね後面板を連設して、連結板および下重ね側面板にはそれぞれ折線を介してサイドフラップを連設し、かつ底面板の一部を折り曲げて、切離可能な中央のミシン目に対して両側部分を備える仕切部を形成し、その仕切部は、複数の収容部を現出させるとともに、収容部の内面に対油コーティングを施し、仕切部の中央のミシン目に対応する位置の天面板に、各収容部ごとに分離可能なミシン目を設け、前記仕切部と天面板とを接着するようにしたことを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に示す実施例を基に説明する。
図1は本発明にかかるカートンのブランク板を示す展開図であり、図2はそのカートンの成形途中を示す斜視図、図3はそのカートン成形後の斜視図、図4はそのカートンを分離した様子を示す斜視図である。
なお、本実施例においては、収容部を2個設ける場合を例にとって説明するが、収容部の数は特に限定されるものではない。また、カートンの形状等も、図示された実施例のものに限定されるものではなく、本発明の精神の範囲内において、適宜設計変更可能なものである。また、少なくとも収容部の内面には、耐油コーティングを施すことが好ましく、カートンの材質としては、斤量が200〜350g/m2のコートボールや板紙などの古紙率が高い厚紙類でもよい。
【0006】
図1において、(1)は天面板で、天面板(1)の一方の短辺側に折線(a)を介して上重ね側面板(2)が連設され、他方の短辺側に折線(b)を介して連結板(3)が連設されている。そして、その連結板(3)に折線(c)を介して底面板(4)の一方の短辺側が連設され、底面板(4)の他方の短辺側には折線(d)を介して下重ね側面板(5)が連設されている。また、天面板(1)の一方の長辺側には折線(e)を介して上重ね前面板(6)が連設され、他方の長辺側には折線(f)を介して上重ね後面板(7)が連設されている。そして、底面板(4)の一方の長辺側には折線(g)を介して下重ね前面板(8)が連設され、他方の長辺側には折線(h)を介して下重ね後面板(9)が連設されている。
その他、連結板(3)にはそれぞれ折線(m)(n)を介してサイドフラップ(10)(11)が連設され、下重ね側面板(5)にもそれぞれ折線(s)(t)を介してサイドフラップ(12)(13)が連設されている。
【0007】
天面板(1)と底面板(4)の中央部には、短辺に平行に切離可能なミシン目(K)(L)が設けられ、底面板(4)に設けたミシン目(L)の両側には所定間隔を隔てて折曲線(u)(v)がそれと平行に設けられている。そして、その折曲線(u)(v)のミシン目(L)と反対側には、連結板(3)や下重ね側面板(5)の幅とほぼ同じ長さを隔てて折曲線(p)(r)がそれぞれそれと平行に設けられている。そして、下重ね前面板(8)及び下重ね後面板(9)は、折曲線(p)及び折曲線(r)の延長部分で2つに分割されており、それら2つに分割された下重ね前面板(8)(8)及び下重ね後面板(9)(9)の間には、略扇型形状のサイドフラップ(14)(16)及びサイドフラップ(15)(17)が底面板(4)にそれぞれ折線(g)(h)を介して連設されている。この折曲線(p)(r)(u)(v)及びサイドフラップ(14)(15)(16)(17)は、底面板(4)に仕切部(20)を形成し、2個の収容部を現出させるためのものである。
【0008】
ここでいう、折曲線(u)(v)(p)(r)とは、折線に貫通する切り込み、もしくはブランク板の厚さの半分程度の深さの非貫通の切り込みを所定間隔で入れて形成した、いわゆるミシン目状の折線のことであり、ある程度の厚さを持つ厚紙類でも容易に折り曲げられるようにするとともに、折り曲げたブランク板に、元に戻ろうとする反発性をなくす、いわゆるデッドホールド性を持たせるようにするものである。このような折曲線(u)(v)(p)(r)によれば、収容部の成形がしやすくなり、カートンを容易に成形できるようになる。その他、下重ね前面板(8)には切り込み(8a)が穿設されており、天面板(1)及び上重ね前面板(6)にはジッパー(J)が連続して穿設されている。また、底面板(4)には、例えば星型形状の窓部(図示しない)を設けるようにしてもよく、この場合は、おまけなどの景品を入れる収容部となる。
【0009】
カートンを成形するには、まず、各折線及び折曲線(u)(v)(p)(r)を折り曲げて、図2で示すように、サイドフラップ(10)(12)(14)(16)を下重ね前面板(8)に貼着し、サイドフラップ(11)(13)(15)(17)を下重ね後面板(9)に貼着する。そして、その収容部に内容物を入れ、折線(b)をヒンジとして天面板(1)をそれら収容部に覆い被せ、下重ね前面板(8)と下重ね後面板(9)と下重ね側面板(5)に、それぞれ上重ね前面板(6)と上重ね後面板(7)と上重ね側面板(2)を貼着し、図3で示すようなカートンが成形される。
【0010】
カートンを開封するときには、上重ね前面板(6)と天面板(1)に連続して設けたジッパー(J)を切り開き、そのまま各収容部ごとに内容物を取り出せばよく、従来技術にあるような成形トレイがなくても十分に実用性がある。なお、下重ね前面板(8)には切り込み(8a)が設けられているので、上重ね前面板(6)のジッパー(J)によって形成された係止片(6a)をその切り込み(8a)に差し込むことによって、カートンを再封することができる。
【0011】
また、このカートンは、各収容部ごとに分離可能であり、ミシン目(K)(L)に沿ってカートンを切断すれば、図4で示すように、各収容部ごとに独立して扱うことが可能になる。しかして、仕切部(20)におけるミシン目(L)の両側部分と天面板(1)とは接着するようにした方が分離したときの密室効果を高める上で好ましく、また、上重ね前面板(6)と上重ね後面板(7)におけるミシン目(K)の両端部を略三角形状に切り欠くと、切り離し作業が至便になって好ましい。
【0012】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、1枚のブランク板を折り畳んで成形されるカートンの底面板の一部を折り曲げて、複数の収容部を現出させる仕切部を形成するとともに、その仕切部と天面板に各収容部ごとに分離可能な切離手段を設けたので、各収容部を分離・独立させて扱うことが可能になり、従来技術のような成形トレイを不要にすることができて、低コスト化が図れる。しかも、その仕切部と天面板とを接着するようにすると、分離した各収容部ごとの密室効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるカートンのブランク板を示す展開図
【図2】同上のカートンの成形途中を示す斜視図
【図3】同上のカートン成形後の斜視図
【図4】同上のカートンを分離した様子を示す斜視図
【符号の説明】
1 天面板
2 上重ね側面板
3 連結板
4 底面板
5 下重ね側面板
6 上重ね前面板
7 上重ね後面板
8 下重ね前面板
9 下重ね後面板
10〜17 サイドフラップ
20 仕切部
J ジッパー
K、L ミシン目
Claims (1)
- 1枚のブランク板を折り畳んで成形されるカートンであって、該カートンは、天面板の一方の短辺側に折線を介して上重ね側面板および他方の短辺側に折線を介して連結板が連設され、該連結板に折線を介して底面板の一方の短辺側を連設するとともに、前記底面板の他方の短辺側には折線を介して下重ね側面板を連設し、さらに前記天面板の一方の長辺側には折線を介して上重ね前面板および他方の長辺側には折線を介して上重ね後面板が連設され、前記底面板の一方の長辺側には折線を介して下重ね前面板および他方の長辺側には折線を介して下重ね後面板を連設して、前記連結板および下重ね側面板にはそれぞれ折線を介してサイドフラップを連設し、かつ前記底面板の一部を折り曲げて、切離可能な中央のミシン目に対して両側部分を備える仕切部を形成し、該仕切部は、複数の収容部を現出させるとともに、前記収容部の内面に対油コーティングを施し、前記仕切部の中央のミシン目に対応する位置の前記天面板に、各収容部ごとに分離可能なミシン目を設け、前記仕切部と天面板とを接着するようにしたことを特徴とする分離可能な複数の収容部を備えたカートン。
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