JP4573383B2 - 化粧用油剤及びこれを用いた化粧料及び外用剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はダイマー酸を少なくともステロールを含むアルコールでエステル化して得ることができるダイマー酸エステル、及び、そのダイマー酸エステルを含有する化粧料及び外用剤に関する。より具体的には、安全性、安定性、抱水性、艶、感触に優れたダイマー酸エステル及びこのエステルを含有する安全性、安定性、抱水性、艶、使用感に優れた化粧料及び外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から種々のエステルが化粧料、外用剤に用いられているが、それらは安全性、安定性、抱水性、艶、感触等で必ずしも十分満足できるものではなかった。
【0003】
従来用いられている合成エステルとしては、例えばイソオクチル酸セチル、イソノナン酸イソデシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸オクチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソオクチル酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸エチル、ケイ皮酸エチル、サリチル酸オクチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フタル酸ジオクチル等を挙げることができる。 これらの油剤は、抱水性、艶、皮膚や毛髪へのなじみ、使用感の面で必ずしも満足できるものではない。化粧品原料としてのダイマ−酸エステルとしては、ジイソプロピルダイマージリノレート、ジオクチルダイマージリノレート、ジイソステアリルダイマージリノレート、ジトリデシルダイマージリノレート、ジオクチルドデシルダイマージリノレートが米国CTFA(The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association)出版の国際化粧品原料辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)に記載されているが、これらも抱水性、艶、使用感の面で不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、化粧料、外用剤の油性原料として各種のエステル類が使用されているが、それらは必ずしも十分満足できるものではなく、更に安全性、安定性、抱水性、艶、使用感の良いものが望まれていた。 本発明は、化粧料及び外用剤の原料として安全性、安定性、抱水性、艶に優れたダイマー酸エステル類、及び、それらを配合し、それらの優れた特徴を十分に生かした化粧料及び外用剤に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、本発明を完成することができた。即ち、本発明によれば、ダイマー酸を少なくともステロールを含むアルコールでエステル化することにより安全性、安定性、抱水性、艶の良い油剤を得ることができ、更にそれらのダイマー酸エステルを含有させることにより安全性、安定性、抱水性、艶、使用感の良い化粧料及び外用剤を得ることができる。
【0006】
ダイマー酸とは、不飽和脂肪酸の分子間重合反応によって得られる既知の二塩基酸であり、その工業的製造プロセスは業界でほぼ標準化されている。 例えば炭素数が11〜22の不飽和脂肪酸又はその低級アルコールエステルを粘土触媒にて2量化して得られる。 工業的に得られるダイマー酸は、炭素数36を中心とする2塩基酸が主成分であるが、精製の度合いに応じ任意量のトリマー酸、モノマー酸を含有する。 一般にダイマー酸の含有量は70重量%を越える程度のもの、及び、分子蒸留によってダイマー酸含有量を90%以上にまで高めたものが流通している。 また、ダイマー化反応後には二重結合が残存するが、更に水素化を行って酸化安定性を向上させたものも販売されている。 本発明には、このような現在流通しているいずれのダイマー酸も用いることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について説明する。
本発明のダイマー酸エステルは、例えば以下の方法で得ることができる。即ち、ダイマー酸と少なくともステロールを含むアルコールとのエステル化により目的とするダイマー酸エステルを得る。エステル化法は特に限定されないが、一般的に通常用いられる方法で合成できる。例えば、触媒としてパラトルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、三フッ化硼素、フッ化水素等を用いて或いは無触媒で、溶剤としてベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等を用いて或いは無溶剤で、50〜260℃の温度で反応すれば良い。又、本発明のダイマー酸エステルは、ダイマー酸低級アルコールエステルと少なくともステロールを含むアルコールとのエステル交換反応によっても得ることができる。この場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ触媒、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムブトキシド等の金属アルコキサイド等を触媒として用いることができる。
【0008】
エステル化反応、エステル交換反応に際しては、ダイマー酸又はダイマー酸低級アルコールエステルとアルコールの仕込み比を変えることにより、得られるエステルの平均エステル化度を、モノエステルからジエステルの間で任意に調整することが可能である。 また、モノエステルは更に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリで処理してアルカリ金属塩とすることができ、更には、通常の複分解法によって他の金属塩とすることもできる。
【0009】
又、ダイマー酸をステロール、及び、炭素数1〜34の直鎖アルコール又は炭素数3〜34の分岐アルコール又は炭素数6〜34の不飽和アルコールから選ばれる一種のアルコールでエステル化する際には、アルコール成分として、ステロールと炭素数1〜34の直鎖アルコール及び/又は炭素数3〜34の分岐アルコール及び/又は炭素数6〜34の不飽和アルコールを混合して用いる事ができる。又、一般にステロールは他のアルコールに比べて反応速度が遅いので、ダイマー酸のそれぞれのカルボキシル基がステロールと他のアルコールで均等にエステル化されたエステルを収率良く得たい場合には、あらかじめダイマー酸又はダイマー酸低級アルコールエステルとステロールのみを反応させてモノエステルを得た後、炭素数1〜34の直鎖アルコール又は炭素数3〜34の分岐アルコール又は炭素数6〜34の不飽和アルコールから選ばれるアルコールを更に反応させることが望ましい。
【0010】
ここで用いられるステロールとしては、コレステロール、ジヒドロコレステロール、デスモステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、アグノステロール、ラトステロール、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、エルゴステロールなどが例示できる。大豆や菜種に含有されるステロールは、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、エルゴステロール等よりなるが、これらのステロールの混合物として得られるステロールは一般にフィトステロールと呼ばれており、本発明には各種起源のフィトステロールを用いることができる。また、フィトステロールを水素添加して用いても良い。
【0011】
炭素数1〜34の直鎖アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノールなどを例示できる。炭素数3〜34の分岐アルコールとしては、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、イソヘキサノール、イソヘプタノール、イソオクタノール、ジメチルオクタノール、イソノナノール、イソデカノール、イソウンデカノール、イソドデカノール、イソトリデカノール、イソテトラデカノール、イソペンタデカノール、イソヘキサデカノール、イソヘプタデカノール、イソオクタデカノール、イソノナデカノール、イソエイコサノール、2−エチルヘキサノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、2−ドデシルヘキサデカノール、2−テトラデシルオクタデカノール、2−ヘキサデシルオクタデカノール、ダイマー酸の副産物から得られるイソステアリルアルコール、ガーベット法のイソステアリン酸を還元して得られるイソステアリルアルコール、アルドール縮合法のイソステアリン酸を還元して得られるイソステアリルアルコール、ラノリンから得られる長鎖分岐アルコール(12〜34)などを例示できる。炭素数6〜34の不飽和アルコールとしては、ウンデセノール、ラウロレノール、ミリストレノール、パルミトレノール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコール、アラキジルアルコールなどが例示できる。
【0012】
得られたエステルはその目的によりジエステルでも良いしモノエステルでも良く、又、2種類以上のアルコールの混合エステルであっても良い。このようにして得られたダイマー酸エステルはそのまま適当な用途に使用できるが、更に必要に応じて通常の方法により精製して各種用途に使用することもできる。
【0013】
本発明によれば、分子量が約700〜1,500程度の比較的高分子量のエステルを得ることができるが、それらは皮膚刺激が少なく、持続性の高い油剤を提供することができる。更に、酸化安定性が良く、抱水性が高く、屈折率の高い艶の良い油剤を得ることができる。又、このダイマー酸エステルを含有する安全性、安定性、抱水性、艶に優れ使用感の良い化粧料及び外用剤を提供することができる。
【0014】
本発明化粧料へのダイマー酸エステルの配合量は、特に限定されないが、0.1〜50重量%程度であり、0.5〜30重量%が特に好ましい。また、本発明化粧料には必要に応じて水及び通常化粧料に配合される添加成分、例えば油脂類、乳化剤、アルコール類、保湿剤、増粘剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、美白剤、溶剤、角質剥離・溶解剤、鎮痒剤、消炎剤、制汗剤、清涼剤、還元剤、抗ヒスタミン剤、収れん剤、刺激剤、育毛用薬剤、高分子粉体、ヒドロキシ酸、ビタミン類及びその誘導体類、糖類及びその誘導体類、有機酸類、酵素類、核酸類、ホルモン類、粘土鉱物類、香料、色素等を配合することができる。
【0015】
これらの添加成分を例示すると、油脂類としては、例えばセタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール等の高級アルコール類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソペンタデカン酸、長鎖分岐脂肪酸等の高級脂肪酸類及びそのアルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カリウム塩等の金属石けん類、及びアミド等の含窒素誘導体類;流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、ワセリン、固型パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、硬化ヒマシ油等の植物油類;カカオ脂、シア脂、木ロウ、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の植物脂類;牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油、タートル油等の動物性油脂類;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、水素添加ホホバ油等の植物性ロウ類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、オレンジラッフィー油等の動物性ロウ類;液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸(セチル・ラノリル)エステル等のラノリン類;ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、リゾレシチン等のリン脂質類;水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質等のリン脂質誘導体類;コレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール等のステロール類;酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等のステロールエステル類;オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソトリデシル、ラノリン脂肪酸イソプロピル等の低級アルコール脂肪酸エステル類;ミリスチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、コハク酸ジオクチル等の高級アルコール脂肪酸エステル類;乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル等の高級アルコールオキシ酸エステル類;トリオレイン酸グリセリド、トリイソステアリン酸グリセリド、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリド、ジオレイン酸プロピレングリコール等の多価アルコール脂肪酸エステル類;シリコン樹脂、メチルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、有機変性ポリシロキサン、環状ジメチルシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン誘導体類;パーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
【0016】
乳化剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩等の陰イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルソルビタン脂肪酸部分エステル、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルポリグリコシド等の非イオン界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、短鎖ポリオキシエチレンアルキルアミン及びその塩または四級塩、塩化ベンザルコニウム等の陽イオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤;ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体、トラガントゴム、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の高分子界面活性剤;等を例示することができる。
【0017】
保湿剤としては、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、ヒアルロン酸ナトリウム、クエン酸塩、尿素、乳酸菌培養液、酵母抽出液、卵殻膜タンパク、牛顎下腺ムチン、ヒポタウリン、ゴマリグナン配糖体、ベタイン、コンドロイチン硫酸、セラミド(タイプ1、2、3、4、5、6)、ヒドロキシセラミド、疑似セラミド、スフィンゴ糖脂質、グルタチオン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、カルビトール、乳酸ナトリウム、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、アルブミン、トリメチルグリシン;コラーゲン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、シルク蛋白分解ペプチド、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、カゼイン分解ペプチド等の蛋白ペプチド類及びその誘導体;アルギニン、セリン、グリシン、スレオニン、グルタミン酸、システイン、メチオニン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類;胎盤抽出液、エアラスチン、コラーゲン、アロエ抽出物、ハマメリス水、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキス、コンフリーエキス等の動物・植物抽出成分等を例示することができる。
【0018】
増粘剤としてはグアーガム、クインスシードガム、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、両性メタクリル酸エステル共重合体、カチオン化セルロース、ポリアクリル酸エステル共重合体、ニトロセルロース等の高分子化合物類等を例示することができる。
【0019】
酸化防止剤としては、BHT、BHA、没食子酸プロピル、トコフェロール等を例示することができる。
【0020】
防腐剤としては、フェノール類、安息香酸及びその塩類、ハロゲン化ビスフェノール類、酸アミド類、四級アンモニウム塩類等を例示することができる。
【0021】
殺菌剤としては、トリクロロカルバニド、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、ハロカルバン、ヒノキチオール、フェノール、イソプロピルフェノール、感光素類等を例示することができる。
【0022】
キレート剤としては、エデト酸塩、シュウ酸ナトリウム等を例示することができる。
【0023】
pH調整剤としては、クエン酸、コハク酸、塩酸、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア水、水酸化ナトリウム、塩化カルシウム等を例示することができる。
【0024】
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル、ルチン及びその誘導体等を例示することができる。
【0025】
美白剤としては、コウジ酸、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、グルタチオン,エラグ酸、プラセンタエキス、オリザノール、ルシノール等を例示することができる。
【0026】
溶剤類としては、エタノール、プロパノール、1,3−ブタンジオール、ジエティレングリコール、ジプロピレングリコール等の低級アルコール類;アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、トルエン等を例示することができる。
【0027】
角質剥離・溶解剤としては、サリチル酸、イオウ、レゾルシン、硫化セレン、ピリドキシン等を例示することができる。
【0028】
鎮痒剤としては、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェラミン、カンファー等を例示することができる。
【0029】
消炎剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グアイアズレン、酢酸ヒドロコーチゾン、プレドニゾン等を例示することができる。
【0030】
制汗剤としては、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛等を例示することができる。
【0031】
清涼剤としては、メントール、サリチル酸メチル等を例示することができる。
【0032】
還元剤としては、チオグリコール酸、システイン等を例示することができる。
【0033】
抗ヒスタミン剤としては、塩酸ジフェドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルレチン酸誘導体等を例示することができる。
【0034】
収れん剤としては、クエン酸、酒石酸、乳酸、硫酸アルミニウム・カリウム、タンニン酸等を例示することができる。
【0035】
刺激剤としては、カンタリンスチンキ、ショウヨウチンキ、トウガラシチンキ、ニコチン酸ベンジル等を例示することができる。
【0036】
育毛用薬剤としては、センブリエキス、セファランチン、ビタミンE及びその誘導体、γ−オリザノール、トウガラシチンキ、ショウチョウチンキ、カンタリスチンキ、ニコチン酸ベンジルエステル、アラントイン、感光素301、感光素401等を例示することができる。
【0037】
高分子粉体としては、デンプン、ナイロンパウダー、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末等を例示することができる。
【0038】
α−ヒドロキシ酸類及びその誘導体類としては、乳酸、グリコール酸、フルーツ酸、ヒドロキシカプリン酸、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等を例示することができる。
【0039】
ビタミン類及びその誘導体類としては、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、ニコチン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、リノール酸トコフェロール、フェルラ酸トコフェロール等のビタミン誘導体類を例示することができる。
【0040】
糖類及びその誘導体類としては、シクロデキストリン、β−グルカン、キチン、キトサン、グルコース、トレハロース、ペクチン、アラビノガラクタン、ゼラチン、デキストリン、デキストラン等の糖類及びその誘導体を例示することができる。
【0041】
有機酸類としては、アビエチン酸、酒石酸等を例示することができる。
【0042】
酵素類としては、塩化リゾチーム、ケラチナーゼ、パパイン、パンクレアチン、プロテアーゼ等を例示することができる。
【0043】
核酸類としては、アデノシン三リン酸二ナトリウム等を例示することができる。
【0044】
ホルモン類としては、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン等を例示することができる。
【0045】
粘土鉱物類としては、モンモリロナイト、セリサイト、カオリナイト、カオリン等を例示することができる。
【0046】
香料としては、リモネン、リナノール、シトラール、β−イオノン、ベンジルベンゾエート、インドール、オイゲノール、オーランチオール、ゲラニオール、リラール、ダマスコン、ベンジルアセテート、ジャスミンラクトン、ガラクソリッド、精油等が例示することができる。
【0047】
色素としては、マイカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化亜鉛、雲母チタン、魚鱗箔、窒化ホウ素、ホトクロミック顔料、合成フッ素金雲母、微粒子複合粉体等の無機顔料;β−カロチン、カルサミン、ルチン、コチニール、クロロフィル等の天然色素;染料、レーキ、有機顔料等の有機合成色素類等を例示することができる。
【0048】
その他公知の化粧料、医薬品、食品等成分などに使用される成分を本発明の効果を損なわない範囲において、適宜配合することができる。
【0049】
本発明の化粧料は、通常の方法に従って製造することができ、基礎化粧料、メーキャップ化粧品、毛髪用化粧品、芳香化粧品、ボディ化粧品等が包含される。
【0050】
基礎化粧料としては、例えばクレンジングフォーム、クレンジングジェル、洗粉、洗顔パウダー、クレンジングクリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、クレンジングオイル、クレンジングマスク等の洗顔料;柔軟化粧水、収れん化粧水、洗浄用化粧水、多層式化粧水等の化粧水;エモリエントローション、モイスチャーローション、ミルキィーローション、ナリシングローション、ナリシングミルク、スキンモイスチャー、モイスチャーエマルション、マッサージローション、クレンジングローション、プロテクトエマルション、サンプロテクト、サンプロテクター、UVケアミルク、サンスクリーン、メーキャップローション、角質スムーザー、エルボーローション、ヘアーミルク、ハンドローション、ボディローション等の乳液;エモリエントクリーム、栄養クリーム、ナリシングクリーム、バニシングクリーム、モイスチャークリーム、ナイトクリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、メーキャップクリーム、ベースクリーム、プレメーキャップクリーム、サンスクリーンクリーム、サンタンクリーム、ヘアリムーバー、ヘアクリーム、デオドラントクリーム、シェービングクリーム、角質軟化クリーム等のクリーム;クレンジングジェル、モイスチャージェル等のジェル:化粧石鹸、透明石鹸、薬用石鹸、液状石鹸、ひげそり石鹸、合成化粧石鹸等の石鹸;ピールオフパック、粉末パック、ウォッシングパック、オイルパック、クレンジングマスク等のパック・マスク類;保湿エッセンス、美白エッセンス、紫外線防止エッセンス等のエッセンス等を例示することができる。
【0051】
メーキャップ化粧品としては、白粉・打粉類、ファンデーション類、口紅類、頬紅類、アイライナー、マスカラ、アイシャドー、眉墨、アイブロー、ネールエナメル、エナメルリムーバー、ネールトリートメント等を例示することができる。
【0052】
毛髪用化粧品としては、オイルシャンプー、クリームシャンプー、コンディショニングシャンプー、ふけ用シャンプー、リンス一体型シャンプー等のシャンプー;リンス;育毛剤;ヘアフォーム、ヘアムース、ヘアスプレー、ヘアミスト、ヘアジェル、ウォーターグリース、セットローション、カーラーローション、ヘアリキッド、ポマード、チック、ヘアクリーム、ヘアブロー、枝毛コート、ヘアオイル、パーマネントウェーブ用剤、染毛剤、ヘアブリーチ等を例示することができる。
【0053】
芳香化粧品としては、香水、パフューム、パルファム、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、練香水、芳香パウダー、香水石鹸、ボディローション、バスオイル等を例示することができる。
【0054】
ボディ化粧品としては、ボディシャンプー等のボディ洗浄料;デオドラントローション、デオドラントパウダー、デオドラントスプレー、デオドラントスティック等の防臭化粧品;脱色剤、脱毛・除毛剤;浴用剤;虫よけスプレー等のインセクトリペラー等を例示することができる。
【0055】
また、剤型としては水中油(O/W)型、油中水(W/O)型、W/O/W型、O/W/O型の乳化型化粧料、油性化粧料、固型化粧料、液状化粧料、練状化粧料、スティック状化粧料、揮発性油型化粧料、粉状化粧料、ゼリー状化粧料、ジェル状化粧料、ペースト状化粧料、乳化高分子型化粧料、シート状化粧料、ミスト状化粧料、スプレー型化粧料等の剤型で用いることができる。
【0056】
外用剤は、軟膏剤、貼付剤、ローション剤、リニメント剤、液状塗布剤などの剤型で皮膚に直接適用する。本発明外用剤へのダイマー酸エステルの配合量は、特に限定されないが、0.1〜50重量%程度であり、0.5〜30重量%が特に好ましい。軟膏剤、貼付剤、ローション剤、リニメント剤、液状塗布剤などへの配合成分は、これらの製剤に通常用いられている添加剤を全て用いることができる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
【0058】
合成例1(ダイマー酸ジコレステリルの合成)
攪拌機、温度計、ガス導入管を備えた1Lの反応器にダイマー酸(コグニスジャパン(株)製EMPOL1061)174g(0.30モル)、コレステロール233g(0.60モル)、ヘプタン260g、パラトルエンスルホン酸1.2gを加え、窒素気流下104℃に加熱し、20時間反応させる。冷却後、ヘプタン160gを加え水酸化ナトリウム水溶液で未反応のカルボン酸を除去し、水洗して溶剤のヘプタンを回収し、目的のダイマー酸ジコレステリル337gを得た。得られたエステルは常温でワックス状固体で、酸価1.7、水酸基価8.5、けん化価71.5であった。
【0059】
合成例2(ダイマー酸フィトステリル/イソステアリルの合成)
攪拌機、温度計、ガス導入管を備えた1Lの反応器にダイマー酸(コグニスジャパン(株)製EMPOL1061)174g(0.30モル)、フィトステロール128g(0.31モル)、ヘプタン260g、パラトルエンスルホン酸1.2gを加え、窒素気流下104℃に加熱し、11時間反応させる。その後さらにイソステアリルアルコール(高級アルコール工業(株)製)85g(0.31モル)を加えて15時間反応させる。冷却後、ヘプタン160gを加え水酸化ナトリウム水溶液で未反応のカルボン酸を除去し、水洗して溶剤のヘプタンを回収し、目的のダイマー酸フィトステリル/イソステアリル369gを得た。得られたエステルは常温で粘ちょうな液体で、酸価0.6、水酸基価14.4、けん化価86.4であった。
【0060】
合成例3(ダイマー酸フィトステリル/ベヘニルの合成)
合成例1のコレステロールの代わりにフィトステロール124g(0.30モル)とベヘニルアルコール97g(0.30モル)を用いて同様に合成し、目的のダイマー酸フィトステリル/ベヘニル346gを得た。得られたエステルは常温でワックス状の固体で、酸価0.7、水酸基価8.7、けん化価75.4であった。
【0061】
合成例4(ダイマー酸部分コレステリルの合成)
合成例1のコレステロール233gの代わりにコレステロール117g(0.30モル)を用いて同様に反応し、水洗、ヘプタン回収し、目的のダイマー酸部分コレステリル253gを得た。得られたエステルは常温で粘ちょうな液体で、酸価67.0、水酸基価7.1、けん化価113.1であった。
【0062】
試験例1
合成例1〜4で得られたダイマー酸エステルの含水価を測定した。含水価は、各油剤を流動パラフィンで50%に希釈して乳鉢にとり、その上に水を滴下していきながら乳棒でよく練り込み、水が練り込めなくなるまでに練り込んだ水の重量を希釈液に対する百分率で示した。結果は表1に示したようにいずれも高い含水価を示した。
【0063】
試験例2
合成例1〜4で得られたダイマー酸エステルの屈折率を測定した。屈折率は、屈折計Model3(ATAGO社)を用いて50℃の条件で測定した。表1にこの結果を示す。本発明のダイマー酸エステルは艶の良い油剤として知られている液状ラノリンとほぼ同等かそれ以上の屈折率を示し、非常に艶の良い特徴を示した。
【0064】
【表1】
【0065】
実施例1
合成例2で得られたダイマー酸フィトステリル/イソステアリルを以下の様に配合し、軟膏を調製した。
流動パラフィン、合成例2のダイマー酸フィトステリル/イソステアリル、ジメチルシロキサン、セトステアリルアルコールを70℃に加温し、均一になるまで混ぜ合わせる。70℃の精製水に溶かしたセトリミドとクロロクレゾールの溶液にかき混ぜながら先の油相を加え均一にした後、室温まで冷却して軟膏を調製した。
【0066】
比較例1
実施例1のダイマー酸フィトステリル/イソステアリル10重量%に代えて、トリステアリン酸グリセリド10重量%を用いた他は、実施例1と同様にして軟膏を調製した。
【0067】
実施例2
合成例1で得られたダイマー酸ジコレステリルを以下の様に配合し、エモリエントクリームを調製した。
ジプロピレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン、防腐剤を精製水に溶解し70℃に加温する(水相)。その他の成分を混合し70℃で溶解する(油相)。水相にかき混ぜながら油相を徐々に加え攪拌した後、乳化機で均一に乳化し室温まで冷却してエモリエントクリームを調製した。
【0068】
比較例2
実施例2のダイマー酸ジコレステリル7重量%に代えて、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル7重量%を用いた他は、実施例2と同様にしてエモリエントクリームを調製した。
【0069】
実施例3
合成例2で得られたダイマー酸フィトステリル/イソステアリルを以下の様に配合し、乳液を調製した。
精製水にポリエチレングリコール1500、1,3−ブチレングリコール、トリエタノールアミン、防腐剤を加え70℃に加熱溶解する(水相)。その他の成分を混合し70℃に加熱溶解する(油相)。この水相にかき混ぜながら油相を徐々に加え予備乳化する。更に乳化機にて均一に乳化して室温まで冷却して乳液を調製した。
【0070】
比較例3
実施例3のダイマー酸フィトステリル/イソステアリル3重量%に代えて、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル3重量%を用いた他は、実施例3と同様にして乳液を調製した。
【0071】
実施例4
合成例4で得られたダイマー酸部分コレステリルを以下の様に配合し、液状クリームシャンプーを調製した。
精製水を70℃に加熱し、他成分を加え均一に溶解した後、冷却して液状クリームシャンプーを調製した。
【0072】
比較例4
実施例4のダイマー酸部分コレステリル2重量%に代えて、2−エチルヘキサン酸セチル2重量%を用いた他は、実施例4と同様にして液状クリームシャンプーを調製した。
【0073】
実施例5
合成例3で得られたダイマー酸フィトステリル/ベヘニルを以下の様に配合し、ヘアコンディショナーを調製した。
精製水に塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、防腐剤を70℃で加熱溶解する。これに、別途70℃にて合成例3のダイマー酸フィトステリル/ベヘニル、モノステアリン酸グリセリル、セチルアルコール、グリセリン、香料を攪拌混合しておいたものを加え、十分に撹拌混合した後、冷却してヘアコンディショナーを調製した。
【0074】
比較例5
実施例5のダイマー酸フィトステリル/ベヘニル2重量%に代えて、牛脂脂肪酸グリセリド2重量%を用いた他は実施例5と同様にしてヘアコンディショナーを調製した。
【0075】
実施例6
合成例2で得られたダイマー酸フィトステリル/イソステアリルを以下の様に配合し、口紅を調製した。
二酸化チタン、赤色201号、赤色202号、酸化鉄黒をジイソステアリン酸ダイマージオールの一部に加えローラーで練り、均一に混合する。他の成分を混合し加熱溶解した後、先に混練した顔料・染料分散物を加え、ホモミキサーで均一に分散する。分散、脱気後、型に流し込み急冷し、スティック状とする。
【0076】
比較例6
実施例6のダイマー酸フィトステリル/イソステアリル20重量%に代えて、リンゴ酸ジイソステアリル20重量%を用いた他は、実施例6と同様にして口紅を調製した。
【0077】
試験例3
実施例1〜5で調製した軟膏、エモリエントクリーム、乳液、シャンプー、ヘアコンディショナー、並びに、比較例1〜5の軟膏、エモリエントクリーム、乳液、シャンプー、ヘアコンディショナーの安定性をみるために、40℃での安定性を調べた。結果を表2に示す。
【0078】
表2に示すように、実施例1〜5で調製した軟膏、エモリエントクリーム、乳液、シャンプー、ヘアコンディショナーの安定性は比較例1〜5の軟膏、エモリエントクリーム、乳液、シャンプー、ヘアコンディショナーに較べて良好であった。なお、表2の評価の欄において、
”○”:調製後、30日後も安定であった。
”△”:調製後、10〜29日後に相分離または析出物を生じた。
”×”:調製後、10日以内に相分離または析出物を生じた。
【0079】
【表2】
【0080】
試験例4
女性パネラーに、実施例1並びに比較例1の軟膏、及び、実施例2、3並びに比較例2、3で調製した化粧料を実際に使用させ、実用評価を行った。その結果を表3に示す。この場合、使用感及びその使用感の持続性の評価基準は次の通りである。
[使用感]
”◎”:極めて良好、”○”:良好、”△”:やや不良、”×”:不良
[持続性]使用5時間経過後に使用感を次の基準により評価した。
”◎”:極めて良好、”○”:良好、”△”:やや不良、”×”:不良
【0081】
表3より、本発明の軟膏及び化粧料は、使用感及び持続性に非常に優れていることがわかる。
【0082】
【表3】
【0083】
試験例5
女性パネラーに実施例4、5並びに比較例4、5で調製したシャンプー及びヘアコンディショナーを実際に使用させ、実用評価を行った。評価は使用後の髪のしっとり感、艶、まとまり性の3項目について、次の評価基準で行った。結果は表4に示した。
[しっとり感]
◎:非常にしっとりする。
○:しっとりする。
△:どちらともいえない。
×:しっとりしない。
[艶]
◎:非常に艶がある。
○:艶がある。
△:どちらともいえない。
×:艶がない。
[まとまり性]
◎:非常にまとまる。
○:まとまる。
△:どちらともいえない。
×:まとまらない。
【0084】
表4より、本発明のシャンプー、ヘアコンディショナーは、使用感に優れていることがわかる。
【0085】
【表4】
【0086】
試験例6
女性パネラーに実施例6並びに比較例6で調製した口紅を実際に使用させ、実用評価と安定性の評価を行った。実用評価は使用時または使用後のしっとり感、付着性、伸展性、塗布艶の4項目について、次の評価基準で行った。結果は表5に示した。
[しっとり感]
◎:非常にしっとりする。
○:しっとりする。
△:どちらともいえない。
×:しっとりしない。
[付着性]
◎:非常につきがよい。
○:つきがよい。
△:よいとも、悪いともいえない。
×:悪い。
[伸展性]
◎:非常に伸びがよい。
○:伸びがよい。
△:よいとも、悪いともいえない。
×:伸びが悪い。
[塗布艶]
◎:非常に艶がある。
○:艶がよい。
×:艶がない。
[酸化安定性]40℃のオーブン内に3ヶ月間放置し、臭いの変化を評価した。
○:ほとんど変化無し。
×:明らかな変臭があった。
[発汗試験]
○:2ヶ月以上発汗を認めなかった。
△:2週間以上発汗を認めなかった。
×:2週間未満に発汗を認めた。
【0087】
表5より本発明に係わる口紅がその使用感、酸化安定性、発汗の無さに良好であることがわかる。
【0088】
【表5】
【0089】
【発明の効果】
本発明にかかるダイマー酸エステルは、安全性、安定性、抱水性、艶に優れており、更にこれを含有する安全性、安定性、抱水性、艶に優れ使用感の良い化粧料及び外用剤を得ることができる。
Claims (4)
- 炭素数が11〜22の不飽和脂肪酸を2量化して得られるダイマー酸を、以下の成分(A)からなるアルコールでジエステル化して得ることができる化粧料又は皮膚外用剤用の油剤。
(A)コレステロール、ジヒドロコレステロール、デスモステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、アグノステロール、ラトステロール、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール及びエルゴステロールから選ばれる一種又は二種以上 - 炭素数が11〜22の不飽和脂肪酸を2量化して得られるダイマー酸を、以下の成分(A)及び(B)からなるアルコールでジエステル化して得ることができる化粧料又は皮膚外用剤用の油剤。
(A)コレステロール、ジヒドロコレステロール、デスモステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、アグノステロール、ラトステロール、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール及びエルゴステロールから選ばれる一種又は二種以上
(B)炭素数1〜34の直鎖アルコール、炭素数3〜34の分岐アルコール及び炭素数6〜34の不飽和アルコールから選ばれる一種又は二種以上 - 請求項1又は2に記載の油剤を含有することを特徴とする化粧料。
- 請求項1又は2に記載の油剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
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