JP4572779B2 - 電源回路 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の定電圧回路を備えた電源回路に関するものである。
複数の定電圧回路を備えた電源回路として、例えば、下記特許文献1に開示されるものがある。ここで、この特許文献1に開示される電源回路の構成概要等を図11〜図13に基づいて説明する。なお、図11に示す電源回路100は、当該特許文献1の図1に開示される電源回路を抜粋したものに相当する。
図11に示すように、当該電源回路100は、主に、定電圧供給部100aと電流シンク部100bとからなり、外部から供給されるバッテリ電圧VB(例えば12V)から、MOS−IC(以下「IC」という)21の駆動電圧Vcc(例えば5V)を供給可能に構成されている。なお、定電圧供給部100aおよび電流シンク部100bは、以下に説明するように、いずれも定電圧回路として機能している。
定電圧供給部100aは、バッテリ電圧VBを駆動電圧Vccに降圧可能なシリーズレギュレータ方式の定電圧電源回路で、トランジスタQ21〜Q24、抵抗R21〜R27、コンデンサC21〜C23、オペアンプOP6、定電圧源CV29により構成されている。なお、トランジスタQ23,Q24、抵抗R25〜R27、オペアンプOP6および定電圧源CV29は、駆動電圧Vccで駆動されるマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)MC5(CPUを備える)等の集積回路とともに当該IC21の内部に構成されている。
トランジスタQ21は、駆動電圧ライン+Vccに供給される電圧、つまり駆動電圧Vccを制御可能なPNPトランジスタで、エミッタが抵抗R21を介してバッテリ電圧ライン+VBに、またコレクタがIC21の端子T7に、それぞれ接続されている。なお、この端子T7には、アースとの間に平滑用のコンデンサC21が接続されているとともに、後述する位相補償用のコンデンサC22が接続されている。また、このトランジスタQ21のベースには、バッテリ電圧ライン+VBに接続される抵抗R23と、トランジスタQ22のコレクタに接続される抵抗R24と、がそれぞれ接続されている。なお、このトランジスタQ22は、電流ドライブ用のNPNトランジスタで、そのエミッタはアースに接続され、ベースは制御電圧が出力されるIC21の端子T25に接続されている。
オペアンプOP6は、前述したトランジスタQ21から端子T7を介して供給される駆動電圧Vccを監視制御可能な差動増幅器で、端子T7とアースとの間に直列に接続された抵抗(抵抗R25,R26と抵抗R27)による分圧を検出電圧Vaとして非反転入力の入力電圧とし、定電圧源CV29から出力される基準電圧Vrを反転入力の入力電圧として、両者の差電圧を増幅した制御電圧Vpを出力可能に構成されている。
このオペアンプOP6の出力は、トランジスタQ23のゲートに入力可能に当該トランジスタQ23のしきい値電圧Vt(例えば1V)前後になるように設定されているほか、コンデンサC22に直列に接続されるトランジスタQ24や、後述するように電流シンク部100bを構成するオペアンプOP31にも入力可能に構成されている。なお、このトランジスタQ24はNチャネルMOSトランジスタで、抵抗として機能し端子T23を介してコンデンサC22と直列に接続されることで、オペアンプOP6の入出力間(非反転入力と出力)を接続して位相補償回路を構成する。
トランジスタQ23は、前述したトランジスタQ22を介してトランジスタQ21を制御可能なNチャネルMOSトランジスタで、IC21の端子T26とアースとの間に、ドレインおよびソースが接続されている。またこの端子T26には、前述した端子T25が直結されているほか、当該端子T26とバッテリ電圧ライン+VBとの間に介在する抵抗R22や当該端子T26とアースとの間に介在するコンデンサC23が、それぞれ接続されている。
このように定電圧供給部100aが構成されることによって、トランジスタQ21から端子T7を介してIC21に供給される駆動電圧Vccは、その分圧である検出電圧VaがオペアンプOP6に入力されるので、オペアンプOP6では、当該検出電圧Vaと基準電圧Vrとの差電圧として制御電圧Vp(トランジスタQ23のしきい値電圧Vt前後)をトランジスタQ23のゲートに出力する。これにより、当該トランジスタQ23は、飽和領域で制御されるため、ドレイン電流、つまりトランジスタQ22のベース電流をアナログ的に制御可能にして、当該トランジスタQ22を介してトランジスタQ21のベース電圧を制御可能にしている。
例えば、駆動電圧Vccが制御目標の5Vよりも高い場合には、オペアンプOP6から出力される制御電圧Vpが上昇するので、ゲート電圧の上昇によってトランジスタQ23のドレイン電流、つまりトランジスタQ22のベース電流が増加してトランジスタQ21のベース電圧を降下させる。このため、トランジスタQ21により制御される駆動電圧Vccは低下するので、端子T7に供給される駆動電圧Vccを制御目標の5Vに近づけることが可能となる。
一方、駆動電圧Vccが制御目標の5Vよりも低い場合には、オペアンプOP6からの制御電圧Vpが降下するため、ゲート電圧の上昇によりトランジスタQ23のドレイン電流、つまりトランジスタQ22のベース電流が減少してトランジスタQ21のベース電圧を上昇させる。このため、トランジスタQ21により制御される駆動電圧Vccは増加するので、端子T7に供給される駆動電圧Vccを制御目標の5Vに近づけることが可能となる。
このように定電圧供給部100aが構成され動作するのに対し、電流シンク部100bは、トランジスタQ25、抵抗R25〜R27、オペアンプOP31によりIC21内に構成される。即ち、オペアンプOP31の反転入力に、抵抗R25と抵抗R26,R27との分圧による検出電圧Vbを入力可能にするとともに、非反転入力に、定電圧供給部100aのオペアンプOP6の出力を入力可能に構成する。そして、このオペアンプOP31の出力(シンク電圧Vs)をNチャネル型のMOSトランジスタQ25のゲートに入力可能に構成するとともに、当該トランジスタQ25のドレイン−ソース間により端子T7−アース間を導通可能に構成する。これにより、マイコンMC5の駆動電圧Vccよりも高い電圧がバッテリ電圧ライン+VBから端子T9に入力されても、これによる注入電流IoをトランジスタQ25によりアース側に逃がすことができるようにしている。
即ち、マイコンMC5による負荷電流(消費電流)Ix(例えば数10mA)に比べて端子T9から流れ込む注入電流Io(例えば数mA以下)は桁違いに小さいため、マイコンMC5の動作中には、当該注入電流IoがコンデンサC21に充電されることはない。ところが、マイコンMC5が休止、つまりスリープ状態に遷移している場合には、トランジスタQ21もオフ状態にあるため、当該注入電流IoはコンデンサC21に充電されて端子T9の電圧を上昇させる。このような端子T7の電圧上昇は、マイコンMC5の駆動電圧Vccよりも高いバッテリ電圧VB近くまで達し得るため、マイコンMC5が許容する最大入力電圧を超過する場合にはマイコンMC5の破損原因になりかねない。
このため、電流シンク部100bでは、マイコンMC5の動作状態にかかわらず端子T7の印可許容電圧、つまり駆動電圧Vcc(ここでは5V)、の分圧を検出電圧Vb(例えば2V)とし、この検出電圧Vbを基準にオペアンプOP6の出力電圧(制御電圧Vp)がVbと等しくなるようにオペアンプOP31で監視しシンク電圧Vsを出力してトランジスタQ25を制御する。即ち、マイコンMC5のスリープ状態においては、電流シンク部100bは、定電圧供給部100aのオペアンプOP6による制御電圧VpをオペアンプOP31によって監視することで、オペアンプOP6の入力電圧Vaを介して端子T7の電圧(駆動電圧Vcc)を間接的に監視し、当該駆動電圧Vccが印可許容電圧以下となるように制御している。これにより、コンデンサC21に充電された電荷や注入電流Ioをアース側に逃がすことになるので(電流シンク)、当該端子T7の電圧上昇を抑制してマイコンMC5の破損を防止可能にしている。
特開2005−71320号公報
しかしながら、シンク電流回路を備えた電源回路100は、マイコンMC5が動作状態にある場合には、注入電流IoはマイコンMC5による負荷電流Ixよりも桁違いに小さいため、マイコンMC5の負荷電流Ixの方が注入電流Ioよりも圧倒的に上回る。このため、前述したように、定電圧供給部100aでは定電圧制御が行われるので、オペアンプOP6の制御電圧Vpは、しきい値電圧Vt前後に制御される。これに対し、マイコンMC5がスリープ状態にある場合には、前述したように、バッテリ電圧ライン+VBから端子T9、ダイオードD3および端子T7を介してコンデンサC21に流れ込む注入電流Ioが問題となるので、このような注入電流Ioをアース側に逃がすべく、電流シンク部100bでは、オペアンプOP31によりオペアンプOP6の制御電圧Vpが検出電圧Vbとほぼ等しくなるように制御される。このため、当該電源回路100には、次の(1)、(2)に掲げる技術的な問題が存在する。
(1) マイコンMC5がスリープ状態から動作状態に遷移する際の問題
オペアンプOP6の出力には、コンデンサC22と抵抗として機能するトランジスタQ24とによる位相補償回路が接続されている。このため、マイコンMC5がスリープ状態から動作状態に遷移する際に、オペアンプOP6の制御電圧Vpが検出電圧Vb相当からトランジスタQ23のしきい値電圧Vt付近に降下するように制御されても、当該位相補償回路を構成するコンデンサC22がその放電に時間を要することから、その放電期間中、制御電圧Vpが緩やかに立ち下がってしまう。
したがって、図12中に示す点線Kの波形(当該位相補償回路が存在しない場合の出力応答波形)のようには制御電圧Vpが急峻に立ち下がることができない。このため、オペアンプOP6の出力応答が遅れる分、前述したオペアンプOP6による駆動電圧Vccの制御に遅れが生じ、駆動電圧Vccの沈み込みを招く。つまり、オペアンプOP6の制御電圧VpがトランジスタQ23のしきい値電圧Vt(1V)から検出電圧Vb(2V)にほぼ等しくなるまでの間に亘って、駆動電圧Vccが降下し続けるため(沈み込み)、これによる駆動電圧Vccの低下が駆動電圧Vccの安定供給を妨げ、ひいてはマイコンMC5のシステムリセットに繋がり得るという問題がある。
(2) マイコンMC5が動作状態からスリープ状態に遷移する際の問題
一方、マイコンMC5が動作状態からスリープ状態に遷移する際には、当該位相補償回路がオペアンプOP6の負荷として作用する。このため図13に示すように、オペアンプOP31によりオペアンプOP6の制御電圧Vpが検出電圧Vbとほぼ等しくなるように制御されても、当該制御電圧VpがトランジスタQ24を介してコンデンサC22に充電される間、オペアンプOP6の出力(制御電圧Vp)が緩やかに立ち上がってしまう。
したがって、図13中に示す点線K’の波形(当該位相補償回路が存在しない場合の出力応答波形)のようには制御電圧Vpが急峻に立ち上がることができない。このため、オペアンプOP6の出力応答が遅れる分、前述したオペアンプOP31による駆動電圧Vccの制御に遅れが生じてオーバーシュートの発生を招く。つまり、オペアンプOP6の制御電圧VpがトランジスタQ23のしきい値電圧Vt(1V)から検出電圧Vb(2V)にほぼ等しくなるまでの間に亘って、駆動電圧Vccが上昇し続けるため(オーバーシュート)、これがリップル電圧となり駆動電圧Vccの安定供給を妨げ、ひいてはマイコンMC5の故障原因に繋がり得るという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電源電圧の供給を受けるマイコン等のシステムリセットや故障等を防止し得る電源回路を提供することにある。
以下の説明における[ ]内の数字等は、[発明を実施するための最良の形態]の欄で説明する符号等に対応し得るものである。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の電源回路では、電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]に基づく制御入力[Va]と所定の第1基準入力[Vr]との差に基づいた第1制御出力[Vp]を出力可能な第1制御手段[OP32,OP52]、および、外部から入力される電圧で前記電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]よりも高い第1入力電圧[VB]を前記第1制御出力[Vp]に従って前記電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]に等しく降圧可能または遮断可能な第1降圧手段[Q21]、を有し、前記第1制御出力[Vp]が前記第1入力電圧[VB]の降圧を制御可能な定電圧制御出力状態[マイコンMC5の動作状態]の期間中に前記第1降圧手段[Q21]により降圧された電圧を前記電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]として前記電源ライン[+Vcc]に出力可能で、前記第1制御出力[Vp]が前記第1入力電圧[VB]の遮断を制御可能な遮断制御出力状態[マイコンMC5のスリープ状態]の期間中に前記電源ライン[+Vcc]への出力を遮断可能な第1定電圧回路[30a,40a,50a]と、
前記第1定電圧回路[30a,40a,50a]の第1制御手段[OP32,OP52]により出力される第1制御出力[Vp]と所定の第2基準入力[Vb]との差に基づいた第2制御出力[Vs]を出力可能な第2制御手段[OP31]、および、前記第1定電圧回路[30a,40a,50a]の第1降圧手段[Q21]が前記第1入力電圧[VB]の遮断状態に制御されている期間中に入力される電圧で前記電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]よりも高い第2入力電圧[VB]を前記第2制御出力[Vs]に従って降圧可能な第2降圧手段[Q25]、を有し、当該遮断制御の期間中、前記第2降圧手段[Q25]により降圧された電圧を前記電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]として前記電源ライン[+Vcc]に出力可能な第2定電圧回路[30b,40b,50b]と、
前記第1定電圧回路[30a,40a,50a]の第1制御手段[OP32,OP52]により出力される第1制御出力[Vp]が、前記定電圧制御出力状態[動作状態]と前記遮断制御出力状態[スリープ状態]との間で遷移することを遅延させ得る遅延要因回路[C22,Q24]と、を備えた電源回路であって、
前記第1定電圧回路[30a,40a,50a]による第1制御出力[Vp]が前記遮断制御出力状態[スリープ状態]から前記定電圧制御出力状態[動作状態]に遷移すること、または前記第1定電圧回路[30a,40a,50a]による第1制御出力[Vp]が前記定電圧制御出力状態[動作状態]から前記遮断制御出力状態[スリープ状態]に遷移すること、を前記遅延要因回路[C22,Q24]の影響を受けることなく可能にするアシスト回路[30c,40c,50c,50d]を備える。
そして、請求項1記載の電源回路において、前記アシスト回路[30c,40c,50c,50d]は、前記第1定電圧回路[30a,40a,50a]の第1制御手段[OP32,OP52]から出力される第1制御出力[Vp]が、前記遮断制御出力状態[スリープ状態]から前記定電圧制御出力状態[動作状態]に遷移する期間中に、前記第1制御出力[Vp]を前記定電圧制御出力状態[動作状態]の方向に引き込む定電圧制御方向引込回路[30c,40c,50c]である。
さらに、請求項1記載の電源回路において、前記定電圧制御方向引込回路[30c,40c,50c]は、前記第1制御手段[OP32,OP52]としての誤差増幅器[OP32]であって、前記電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]に基づく制御入力[Va]と前記所定の第1基準入力[Vr]との誤差を増幅したものを、前記第1制御出力[Vp]と前記第1制御出力[Vp]から独立した他の第1制御出力[Vn]とに出力可能な誤差増幅器[OP32]と、前記他の第1制御出力[Vn]に基づいて前記第1制御出力[Vp]を前記定電圧制御出力状態[動作状態]の電位[Vt]に接近させるトランジスタ[Q34]とを備える。
特許請求の範囲に記載の請求項2の電源回路では、電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]に基づく制御入力[Va]と所定の第1基準入力[Vr]との差に基づいた第1制御出力[Vp]を出力可能な第1制御手段[OP32,OP52]、および、外部から入力される電圧で前記電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]よりも高い第1入力電圧[VB]を前記第1制御出力[Vp]に従って前記電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]に等しく降圧可能または遮断可能な第1降圧手段[Q21]、を有し、前記第1制御出力[Vp]が前記第1入力電圧[VB]の降圧を制御可能な定電圧制御出力状態[マイコンMC5の動作状態]の期間中に前記第1降圧手段[Q21]により降圧された電圧を前記電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]として前記電源ライン[+Vcc]に出力可能で、前記第1制御出力[Vp]が前記第1入力電圧[VB]の遮断を制御可能な遮断制御出力状態[マイコンMC5のスリープ状態]の期間中に前記電源ライン[+Vcc]への出力を遮断可能な第1定電圧回路[30a,40a,50a]と、
前記第1定電圧回路[30a,40a,50a]の第1制御手段[OP32,OP52]により出力される第1制御出力[Vp]と所定の第2基準入力[Vb]との差に基づいた第2制御出力[Vs]を出力可能な第2制御手段[OP31]、および、前記第1定電圧回路[30a,40a,50a]の第1降圧手段[Q21]が前記第1入力電圧[VB]の遮断状態に制御されている期間中に入力される電圧で前記電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]よりも高い第2入力電圧[VB]を前記第2制御出力[Vs]に従って降圧可能な第2降圧手段[Q25]、を有し、当該遮断制御の期間中、前記第2降圧手段[Q25]により降圧された電圧を前記電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]として前記電源ライン[+Vcc]に出力可能な第2定電圧回路[30b,40b,50b]と、
前記第1定電圧回路[30a,40a,50a]の第1制御手段[OP32,OP52]により出力される第1制御出力[Vp]が、前記定電圧制御出力状態[動作状態]と前記遮断制御出力状態[スリープ状態]との間で遷移することを遅延させ得る遅延要因回路[C22,Q24]と、を備えた電源回路であって、
前記第1定電圧回路[30a,40a,50a]による第1制御出力[Vp]が前記遮断制御出力状態[スリープ状態]から前記定電圧制御出力状態[動作状態]に遷移すること、または前記第1定電圧回路[30a,40a,50a]による第1制御出力[Vp]が前記定電圧制御出力状態[動作状態]から前記遮断制御出力状態[スリープ状態]に遷移すること、を前記遅延要因回路[C22,Q24]の影響を受けることなく可能にするアシスト回路[30c,40c,50c,50d]を備える。
そして、請求項2記載の電源回路において、前記アシスト回路[50d]は、前記第1定電圧回路[50a]の第1制御手段[OP52]から出力される第1制御出力[Vp]が、前記定電圧制御出力状態[動作状態]から前記遮断制御出力状態[スリープ状態]に遷移する期間中に、前記第1制御出力[Vp]を前記遮断制御出力状態[スリープ状態]の方向に引き込む遮断制御方向引込回路[50d]である。
さらに、請求項2記載の電源回路において、前記遮断制御方向引込回路[50d]は、前記第1制御手段[OP32,OP52]としての誤差増幅器[OP52]であって、前記電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]に基づく制御入力[Va]と前記所定の第1基準入力[Vr]との誤差を増幅したものを、前記第1制御出力[Vp]と前記第1制御出力[Vp]から独立した他の第1制御出力[Vn’]とに出力可能な誤差増幅器[OP52]と、前記他の第1制御出力[Vn’]に基づいて前記第1制御出力[Vp]を前記遮断制御出力状態[スリープ状態]の電位[Vb]に接近させるトランジスタ[Q54]とを備える。
請求項1の発明では、アシスト回路[30c,40c,50c,50d]を備えるので、第1定電圧回路[30a,40a,50a]による第1制御出力[Vp]が遮断制御出力状態[スリープ状態]から定電圧制御出力状態[動作状態]に遷移すること、または第1定電圧回路[30a,40a,50a]による第1制御出力[Vp]が定電圧制御出力状態[動作状態]から遮断制御出力状態[スリープ状態]に遷移すること、を遅延要因回路[C22,Q24]の影響を受けることなく可能にする。
これにより、遮断制御出力状態[スリープ状態]から定電圧制御出力状態[動作状態]に遷移する際に第1制御出力[Vp]の状態遷移を遅延要因回路[C22,Q24]の影響を受けることなく可能にするので、このような状態遷移の際に第1制御出力[Vp]が遅れること(出力応答遅れ)による第1降圧手段[Q21]の制御遅延によって当該第1降圧手段[Q21]により降圧された電圧の電源ライン[+Vcc]への遮断から出力への切り換えが遅れて発生する電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]の沈み込みを(図12参照)、抑制することが可能となる。したがって、このような沈み込みによる電源ライン[+Vcc]の電圧降下を抑制するため、当該電源ライン[+Vcc]による電圧[Vcc]の安定供給を可能にし当該電圧[Vcc]の供給を受けるマイコン[MC5]等のシステムリセットを防止することができる。
また、定電圧制御出力状態[動作状態]から遮断制御出力状態[スリープ状態]に遷移する際、に第1制御出力[Vp]の状態遷移を遅延要因回路[C22,Q24]の影響を受けることなく可能にするので、このような状態遷移の際に第1制御出力[Vp]が遅れること(出力応答遅れ)に起因する第2制御手段[OP31]による第2降圧手段[Q25]の制御遅延によって当該第2降圧手段[Q25]により降圧された電圧の電源ライン[+Vcc]への出力が遅れて発生する電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]のオーバーシュートを(図13参照)、抑制することが可能となる。したがって、このようなオーバーシュートによる電源ライン[+Vcc]の電圧上昇を抑制するため、当該電源ライン[+Vcc]による電圧[Vcc]の安定供給を可能にし当該電圧[Vcc]の供給を受けるマイコン[MC5]等の故障を防止することができる。
そして、請求項1の発明では、アシスト回路[30c,40c,50c,50d]である定電圧制御方向引込回路[30c,40c,50c]は、第1定電圧回路[30a,40a,50a]の第1制御手段[OP32,OP52]から出力される第1制御出力[Vp]が、遮断制御出力状態[スリープ状態]から定電圧制御出力状態[動作状態]に遷移する期間中に、第1制御出力[Vp]を定電圧制御出力状態[動作状態]の方向に引き込む。これにより、このような状態遷移の期間中には、第1制御出力[Vp]が定電圧制御出力状態[動作状態]の方向に引き込まれるので、当該第1制御出力[Vp]は、遅延要因回路[C22,Q24]の影響を受けることなく、定電圧制御出力状態[動作状態]に俊敏に遷移することが可能となる。したがって、電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]の沈み込み(図12参照)を抑制できるので、当該電源ライン[+Vcc]による電圧[Vcc]の安定供給を可能にし当該電圧[Vcc]の供給を受けるマイコン[MC5]等のシステムリセットを防止することができる。
さらに、請求項1の発明では、定電圧制御方向引込回路[30c,40c,50c]は、第1制御手段[OP32,OP52]としての誤差増幅器[OP32]であって、電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]に基づく制御入力[Va]と所定の第1基準入力[Vr]との誤差を増幅したものを、第1制御出力[Vp]と第1制御出力[Vp]から独立した他の第1制御出力[Vn]とに出力可能な誤差増幅器[OP32]と、他の第1制御出力[Vn]に基づいて第1制御出力[Vp]を定電圧制御出力状態[動作状態]の電位[Vt]に接近させるトランジスタ[Q34]と、を備える。これにより、第1制御出力[Vp]が、遮断制御出力状態[スリープ状態]から定電圧制御出力状態[動作状態]に遷移する期間中に、当該トランジスタ[Q34]によって、第1制御出力[Vp]が定電圧制御出力状態[動作状態]の方向に引き込まれるので、当該第1制御出力[Vp]は、遅延要因回路[C22,Q24]の影響を受けることなく、定電圧制御出力状態[動作状態]に俊敏に遷移することが可能となる。したがって、電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]の沈み込み(図12参照)を抑制できるので、当該電源ライン[+Vcc]による電圧[Vcc]の安定供給を可能にし当該電圧[Vcc]の供給を受けるマイコン[MC5]等のシステムリセットを防止することができる。
請求項2の発明では、アシスト回路[30c,40c,50c,50d]を備えるので、第1定電圧回路[30a,40a,50a]による第1制御出力[Vp]が遮断制御出力状態[スリープ状態]から定電圧制御出力状態[動作状態]に遷移すること、または第1定電圧回路[30a,40a,50a]による第1制御出力[Vp]が定電圧制御出力状態[動作状態]から遮断制御出力状態[スリープ状態]に遷移すること、を遅延要因回路[C22,Q24]の影響を受けることなく可能にする。
これにより、遮断制御出力状態[スリープ状態]から定電圧制御出力状態[動作状態]に遷移する際に第1制御出力[Vp]の状態遷移を遅延要因回路[C22,Q24]の影響を受けることなく可能にするので、このような状態遷移の際に第1制御出力[Vp]が遅れること(出力応答遅れ)による第1降圧手段[Q21]の制御遅延によって当該第1降圧手段[Q21]により降圧された電圧の電源ライン[+Vcc]への遮断から出力への切り換えが遅れて発生する電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]の沈み込みを(図12参照)、抑制することが可能となる。したがって、このような沈み込みによる電源ライン[+Vcc]の電圧降下を抑制するため、当該電源ライン[+Vcc]による電圧[Vcc]の安定供給を可能にし当該電圧[Vcc]の供給を受けるマイコン[MC5]等のシステムリセットを防止することができる。
また、定電圧制御出力状態[動作状態]から遮断制御出力状態[スリープ状態]に遷移する際、に第1制御出力[Vp]の状態遷移を遅延要因回路[C22,Q24]の影響を受けることなく可能にするので、このような状態遷移の際に第1制御出力[Vp]が遅れること(出力応答遅れ)に起因する第2制御手段[OP31]による第2降圧手段[Q25]の制御遅延によって当該第2降圧手段[Q25]により降圧された電圧の電源ライン[+Vcc]への出力が遅れて発生する電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]のオーバーシュートを(図13参照)、抑制することが可能となる。したがって、このようなオーバーシュートによる電源ライン[+Vcc]の電圧上昇を抑制するため、当該電源ライン[+Vcc]による電圧[Vcc]の安定供給を可能にし当該電圧[Vcc]の供給を受けるマイコン[MC5]等の故障を防止することができる。
そして、請求項2の発明では、アシスト回路[30c,40c,50c,50d]である遮断制御方向引込回路[50d]は、第1定電圧回路[50a]の第1制御手段[OP52]から出力される第1制御出力[Vp]が、定電圧制御出力状態[動作状態]から遮断制御出力状態[スリープ状態]に遷移する期間中に、第1制御出力[Vp]を遮断制御出力状態[スリープ状態]の方向に引き込む。これにより、このような状態遷移の期間中には、第1制御出力[Vp]が遮断制御出力状態[スリープ状態]の方向に引き込まれるので、当該第1制御出力[Vp]は、遅延要因回路[C22,Q24]の影響を受けることなく、遮断制御出力状態[スリープ状態]に俊敏に遷移することが可能となる。したがって、電源ライン[+Vcc]のオーバーシュート(図13参照)を抑制できるので、当該電源ライン[+Vcc]による電圧[Vcc]の安定供給を可能にし当該電圧[Vcc]の供給を受けるマイコン[MC5]等の故障を防止することができる。
さらに、請求項2の発明では、アシスト回路[30c,40c,50c,50d]である遮断制御方向引込回路[50d]は、第1制御手段[OP32,OP52]としての誤差増幅器[OP52]であって、電源ライン[+Vcc]の電圧[Vcc]に基づく制御入力[Va]と所定の第1基準入力[Vr]との誤差を増幅したものを、第1制御出力[Vp]と第1制御出力[Vp]から独立した他の第1制御出力[Vn’]とに出力可能な誤差増幅器[OP32]と、他の第1制御出力[Vn’]に基づいて第1制御出力[Vp]を遮断制御出力状態の電位に接近させるトランジスタ[Q54]と、を備える。これにより、第1制御出力[Vp]が、定電圧制御出力状態[動作状態]から遮断制御出力状態[スリープ状態]に遷移する期間中に、当該トランジスタ[Q54]によって、第1制御出力[Vp]が遮断制御出力状態[スリープ状態]の方向に引き込まれるので、当該第1制御出力[Vp]は、遅延要因回路[C22,Q24]の影響を受けることなく、遮断制御出力状態[スリープ状態]に俊敏に遷移することが可能となる。したがって、電源ライン[+Vcc]のオーバーシュート(図13参照)を抑制できるので、当該電源ライン[+Vcc]による電圧[Vcc]の安定供給を可能にし当該電圧[Vcc]の供給を受けるマイコン[MC5]等の故障を防止することができる。
以下、本発明の電源回路の実施形態について図を参照して説明する。なお、以下説明する各実施形態に係る電源回路30,40,50は、[背景技術]の欄で説明した特許文献1に開示される電源回路100をベースに構成されるものである。そのため、これらの電源回路30,40,50の説明においては、当該電源回路100と実質的に同一の構成部分には同一符号を付すものとし、また該当部分の説明は省略するものとする。
[第1実施形態]
まず、図1〜図4に基づいて第1実施形態に係る電源回路30を説明する。この第1実施形態に係る電源回路30は、[発明が解決しようとする課題]の欄で説明した「(1) マイコンMC5がスリープ状態から動作状態に遷移する際の問題」を解決し得るもので、前述の電源回路100とは、次の〔1〕、〔2〕および〔3〕が異なる。なお、マイコンMC5のスリープ状態は、特許請求の範囲に記載の「遮断制御出力状態」に相当し得るもので、またマイコンMC5の動作状態は、特許請求の範囲に記載の「定電圧制御出力状態」に相当し得るものである。
〔1〕電源回路30では、駆動電圧Vccを監視制御するオペアンプOP32(電源回路100のオペアンプ6に相当)の出力を受けるトランジスタQ34を設けた(図1参照)。なお、このオペアンプOP32は、特許請求の範囲に記載の「誤差増幅器」に相当し得るもので、「差動増幅器」とも称されるものである。
前掲(1) の問題は、電源回路100を構成するオペアンプOP6の出力に接続される位相補償回路(コンデンサC22,トランジスタQ24;特許請求の範囲に記載の「遅延要因回路」に相当し得るもの)のコンデンサC22が放電に時間を要することに基づいている。そこで、図1に示すように、本第1実施形態に係る電源回路30では、次項〔2〕で説明するオペアンプOP32の逆制御電圧Vn(逆相出力n)をゲートで受けるNチャネルMOSトランジスタQ34を、オペアンプOP32の正相出力p(電源回路100のオペアンプ6の出力に相当)とアースの間に設けた。なお、このトランジスタQ34のソースは、アースに直結されており、当該トランジスタQ34とアースとの間には、負荷回路等は接続されていない。
このため、位相補償回路の有無に関わりなく、オペアンプOP32の正相出力pを、当該トランジスタQ34を介してアース側に接続することが可能となる。つまり、オペアンプOP32の正相出力pをアースに直結し得るバイパス回路がトランジスタQ34によって形成されている。これにより、たとえオペアンプOP32の正相出力pに、コンデンサC22とトランジスタQ24による抵抗とからなる位相補償回路が接続されていても、当該トランジスタQ34のスイッチング動作によってオペアンプOP32の正相出力pをアース側にバイパスできるので、オペアンプOP32の出力に応答遅れが生じ得る場合に当該オペアンプOP32の駆動を高めて応答の遅れを改善することが可能となる。なお、このトランジスタQ34による回路は、特許請求の範囲に記載の「定電圧制御方向引込回路」の一部に相当し得るもので、図1においては、符号30cを付した破線範囲がアシスト回路(定電圧制御方向引込回路)の一部となる。
〔2〕図1に示すように、電源回路30では、電源回路100のオペアンプ6に相当するものとして、出力を2系統有するオペアンプOP32を設けた。なお、図2には、オペアンプOP32の回路例が示されているので、ここからは図2を参照して説明する。
図2に示すように、オペアンプOP32は、トランジスタQ32a,Q32b,Q32f,Q32gからなる差動部、抵抗32iおよびトランジスタQ32j,Q32kからなる定電流部、トランジスタQ32c,Q32d,Q32e,Q32hからなる正相出力部、トランジスタQ32m〜Q32pからなる逆相出力部、を備えている。
即ち、オペアンプOP32の差動部は、非反転入力IN+をゲートで受けるPチャネルMOSトランジスタQ32aと反転入力IN−をゲートで受けるPチャネルMOSトランジスタQ32fと、これらの差動入力に従った電流を流し得るNチャネルMOSトランジスタQ32b,Q32gと、を有する。なお、この差動部には、定電流部を構成するトランジスタQ32jとカレントミラーの関係にあるPチャネルMOSトランジスタQ32kによって定電流を供給可能にしている。
また、オペアンプOP32の定電流部は、駆動電圧ライン+Vccとアースとの間に介在して当該駆動電圧ライン+Vccから供給される駆動電圧Vccに基づいて定電流を発生させ得る抵抗32iと、この抵抗32iに直列に接続されて当該定電流をトランジスタQ32kによって取り出し得るようにカレントミラーの関係に接続されるPチャネルMOSトランジスタQ32j,Q32kと、を有する。
さらに、オペアンプOP32の正相出力部は、前述した差動部のトランジスタQ32bとカレントミラーの関係に構成されるNチャネルMOSトランジスタQ32cと、このトランジスタQ32cに直列に接続されるPチャネルMOSトランジスタQ32dと、このトランジスタQ32dとカレントミラーの関係に構成されるPチャネルMOSトランジスタQ32eと、このトランジスタQ32eに直列に接続されるとともに差動部のトランジスタQ32gとカレントミラーの関係に構成されるNチャネルMOSトランジスタQ32hと、を有する。
そして、非反転入力IN+に比例する電流を流し得るトランジスタQ32eを駆動電圧Vcc側に、反転入力IN−に比例する電流を流し得るトランジスタQ32hをアース側に、それぞれ位置するように両トランジスタを直列に接続して駆動電圧Vccとアースとの間に介在させる。これにより、非反転入力IN+と反転入力IN−との差電圧を両者の接続点から正相出力pとして制御電圧Vnを出力することが可能となる。なお、この正相出力pは、通常のオペアンプ(例えば電源回路100のオペアンプ6)の出力に相当するものである。
このオペアンプOP32では、このような制御電圧Vn(正相出力p)を出力し得る正相出力部に加えて、前述した差動部のトランジスタQ32gとカレントミラーの関係に構成されるNチャネルMOSトランジスタQ32mと、このトランジスタQ32mに直列に接続されるPチャネルMOSトランジスタQ32nと、差動部のトランジスタQ32bとカレントミラーの関係に構成されるNチャネルMOSトランジスタQ32pと、このトランジスタQ32pに直列に接続されるとともにトランジスタQ32nとカレントミラーの関係に構成されるPチャネルMOSトランジスタQ32oと、からなる逆相出力部を有する。
そして、反転入力IN−に比例する電流を流し得るトランジスタQ32oを駆動電圧Vcc側に、非反転入力IN+に比例する電流を流し得るトランジスタQ32pをアース側に、それぞれ位置するように両トランジスタを直列に接続して駆動電圧Vccとアースとの間に介在させる。これにより、反転入力IN−と非反転入力IN+との差電圧を両者の接続点から逆相出力nとして逆制御電圧Vnを出力することが可能となる。なお、このトランジスタQ32m,Q32n,Q32o,Q32pによる回路は、特許請求の範囲に記載の「定電圧制御方向引込回路」の残部に相当し得るもので、図2においては、符号30cを付した破線範囲がアシスト回路(定電圧制御方向引込回路)の残部にあたる。
このように構成することにより、オペアンプOP32では、通常のオペアンプの出力に相当する正相出力pのほかに、この正相出力pとは独立して逆極性の出力が得られる逆相出力nを出力することが可能になる(逆相出力nによる出力電圧のことを「逆制御電圧Vn」という)。したがって、当該逆相出力nを前述したNチャネルMOSトランジスタQ34のゲートに接続することで、前項〔1〕で説明したように、マイコンMC5がスリープ状態から動作状態に遷移する際において、当該トランジスタQ34のスイッチング動作によりオペアンプOP32の正相出力をアース側にバイパスすることが可能となる。なお、逆相出力nや逆制御電圧Vnは、特許請求の範囲に記載の「他の第1制御出力」に相当し得るものである。
〔3〕電源回路30では、オペアンプOP32を構成するトランジスタQ32pのチャネル幅Wを当該オペアンプOP32を構成するトランジスタQ32bのチャネル幅Wよりも大きくなるように設定した。なお、チャネル幅Wとは、当該トランジスタが構成される半導体装置のチャネル長L(ドレイン−ソース間の離隔距離)に対する直交方向の幅のことである。
即ち、トランジスタQ32bのチャネル幅Wbと、このトランジスタQ32bとカレントミラーに構成されるトランジスタQ32pのチャネル幅Wpとを、Wb<Wpの関係に設定することで、図3に示すように、オペアンプOP32の差動入力に対する正相出力pと逆相出力nとの出力関係が非対称になるようにし(図3中に示す破線は対称出力の場合)、かつ逆相出力nによる当該トランジスタQ34のスイッチング動作点Vonが制御電圧Vpの可動予定領域外となるように設定する。なお、正相出力pや制御電圧Vpは、特許請求の範囲に記載の「第1制御出力」に相当し得るものである。
これにより、オペアンプOP32による制御電圧Vpの可動予定領域内では、トランジスタQ34によるスイッチングのオン動作が行われないことから、定電圧供給部30aおよび電流シンク部30bにおける動作の障害とならない。つまり、マイコンMC5がスリープ状態から動作状態に遷移する期間中に、トランジスタQ34によるスイッチングのオン動作が可能となり、オペアンプOP32の正相出力pをアース側にバイパスすることが可能となる。
このため、図4に示すように、マイコンMC5のスリープ状態には、オペアンプOP32の正相出力pからは、制御電圧Vpとして、抵抗R25と抵抗R26,R27との分圧による検出電圧Vbにほぼ等しく制御された電圧(駆動電圧Vccが5Vの場合、約2V)が出力されている。これは、[背景技術]の欄で説明したように、電流シンク部30bでは、マイコンMC5の動作状態にかかわらず端子T7の印可許容電圧、つまり駆動電圧Vcc(ここでは5V)、の分圧を検出電圧Vbとし、この検出電圧Vbを基準にオペアンプOP32の制御電圧Vpが当該検出電圧Vbと等しくなるようにオペアンプOP32で監視しシンク電圧Vsを出力してトランジスタQ25を制御しているためである。なおこのシンク電圧Vsは、特許請求の範囲に記載の「第2制御出力」に相当し得るものである。
このようなスリープ状態から当該マイコンMC5の動作状態に遷移した場合には、その状態遷移の期間中に、オペアンプOP32の逆相出力nから出力される逆制御電圧Vnによって、トランジスタQ34がオフ動作からオン動作に移行する。そのため、オペアンプOP32の正相出力pがアース側に接続されるので、制御電圧VpがトランジスタQ23のしきい値電圧Vt(駆動電圧Vccが5Vの場合、約1V)の方向に強制的に引き込まれる。これにより、オペアンプOP32の正相出力pに位相補償回路(C22,Q24)が接続されていても、その影響を受けることなく、制御電圧VpはトランジスタQ23のしきい値電圧Vtに俊敏に遷移することが可能となる。
したがって、図4と図12とを比較すると明かなように、オペアンプOP32による出力応答の遅れを大幅に改善することができ、オペアンプOP32の出力応答遅れによる駆動電圧Vccの沈み込みを抑制可能にしている。よって、駆動電圧ライン+Vcc(電源ライン)による駆動電圧Vccの安定供給を可能にするので、当該駆動電圧Vccの供給を受けるマイコンMC5等のシステムリセットを防止することができる。なお、図4において符号Kが示す点線の波形は、コンデンサC22が存在しない場合の出力応答波形の例である。
以上説明したように、本第1実施形態に係る電源回路30では、駆動電圧ライン+Vccの駆動電圧Vccに基づく検出電圧Vaと基準電圧Vrとの誤差を増幅したものを、正相出力p(制御電圧Vp)および当該正相出力p(制御電圧Vp)から独立した逆相出力n(逆制御電圧Vn)に出力可能なオペアンプOP32と、逆相出力n(逆制御電圧Vn)に基づいて正相出力p(制御電圧Vp)をマイコンMC5の動作状態の電位Vtに接近させるトランジスタQ34と、を備える当該アシスト回路30cを有する。
これにより、正相出力p(制御電圧Vp)が、マイコンMC5のスリープ状態から動作状態に遷移する期間中に、当該トランジスタQ34によって、正相出力p(制御電圧Vp)が当該動作状態の電位Vtの方向に引き込まれるので、当該正相出力p(制御電圧Vp)は、位相補償回路(C22,Q24)の影響を受けることなくマイコンMC5の動作状態の電位Vtに俊敏に遷移することが可能となる。したがって、駆動電圧ライン+Vccの駆動電圧Vccの沈み込み(図12参照)を抑制できるので、当該駆動電圧ライン+Vccによる駆動電圧Vccの安定供給を可能にし当該駆動電圧Vccの供給を受けるマイコンMC5等のシステムリセットを防止することができる。
ここで、本第1実施形態に係る電源回路30の改変例として、電源回路40の構成等をを図5および図6を参照して説明する。前述した電源回路30では、オペアンプOP32の正相出力pとアースとの間に直接介在するようにトランジスタQ34を設けたのに対し、本改変例の電源回路40を構成するアシスト回路40cでは、トランジスタQ23とカレントミラーの関係にあるトランジスタQ42を、オペアンプOP32の正相出力pとトランジスタQ34のドレインとの間に設けた点が前述の電源回路30と異なる。このため図5において、図1に示す電源回路30と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。なお、図5において、符号40aは定電圧供給部を、また符号40bは電流シンク部をそれぞれ示し、前述した電源回路30の定電圧供給部30a、電流シンク部30bと同様に構成される。
即ち、図5に示すように、アシスト回路40cでは、オペアンプOP32の正相出力pをゲートで受けるトランジスタQ23に対して、同正相出力pをゲートおよびドレインで受けるトランジスタQ42のソースをトランジスタQ34のドレインに接続する。また、IC21の半導体基板上における当該トランジスタQ42の配置を、同半導体基板上に形成されるトランジスタQ23に対して鏡面対称に隣接して位置するように設定する。
これにより、当該トランジスタQ42とトランジスタQ23とは、電気的にも機械的(熱的)にもカレントミラーの関係にあるため、トランジスタQ23のドレイン−ソース間を流れるドレイン電流とほぼ等しいドレイン電流がトランジスタQ42のドレイン−ソース間にも流れる。このため、オペアンプOP32の正相出力pから出力される制御電圧VpがトランジスタQ23のしきい値電圧Vtよりも下回った場合には、当該トランジスタQ23は遮断状態(オフ状態)に遷移してドレイン電流が流れなくなることから、当該トランジスタQ23とカレントミラーの関係にあるトランジスタQ42も遮断状態(オフ状態)に遷移させることが可能となる。
したがって、図6に示すように、マイコンMC5がスリープ状態から動作状態に遷移した後、オペアンプOP32の正相出力p(制御電圧Vp)が前述したアシスト回路40cによりアース側にさらに引き込まれ得る場合でも(図6に示す符号αの破線楕円内)、当該正相出力p(制御電圧Vp)がトランジスタQ23のしきい値電圧Vtを下回ると同時に当該トランジスタQ23が遮断状態(オフ状態)に遷移し、これとほぼ同時にトランジスタQ42も遮断状態(オフ状態)に遷移する。
このため、前述した電源回路30を構成するアシスト回路30cのように、オペアンプOP32の正相出力pから出力される正相出力p(制御電圧Vp)を過剰にアース側に引き込んでしまうという現象(図6に示す符号αの楕円内の破線による波形)が発生しないので(図4参照)、当該トランジスタQ23によりトランジスタQ22、Q21を介して制御される駆動電圧Vccに、オーバーシュートによるリップル電圧が発生することを防止できる(図6に示す符号βの楕円内の破線による波形)。よって、電源回路40ではこのようなリップル電圧の発生も防止できるので、駆動電圧ライン+Vccによる駆動電圧Vccの安定供給を可能にするばかりでなく、当該リップル電圧を原因とする電源ノイズの抑制も可能になる。
[第2実施形態]
続いて、図7〜図10に基づいて第2実施形態に係る電源回路50を説明する。この第2実施形態に係る電源回路50は、[発明が解決しようとする課題]の欄で説明した「(1) マイコンMC5がスリープ状態から動作状態に遷移する際の問題」に加えて、「(2) マイコンMC5が動作状態からスリープ状態に遷移する際の問題」をも解決するもので、前述の電源回路100とは、第1実施形態で説明した〔1〕、〔2〕および〔3〕に加えて、次の〔4〕、〔5〕および〔6〕が異なる。
なおここでは、〔4〕、〔5〕および〔6〕による構成等を中心に説明することとし、〔1〕、〔2〕および〔3〕による構成等については、第1実施形態で説明したものと同様であるので省略するが、電源回路50においても〔1〕、〔2〕および〔3〕による構成を備えるため、第1実施形態による作用・効果と同様の作用・効果が得られる。なお、図7において、符号50aは定電圧供給部を、また符号50bは電流シンク部をそれぞれ示し、前述した電源回路30の定電圧供給部30a、電流シンク部30bと同様に構成される。また、第1実施形態の電源回路30と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し説明を省略する。
〔4〕電源回路50では、駆動電圧Vccを監視制御するオペアンプOP52(電源回路100のオペアンプ6に相当)の出力を受けるトランジスタQ54を設けた(図7参照)。なお、このオペアンプOP52は、特許請求の範囲に記載の「誤差増幅器」に相当し得るもので、「差動増幅器」とも称されるものである。
前掲(2) の問題は、電源回路100を構成するオペアンプOP6の出力に接続される位相補償回路(コンデンサC22,トランジスタQ24)が、当該オペアンプ6の負荷として作用することに基づいている。そこで、図7に示すように、本第2実施形態に係る電源回路50では、次項〔5〕で説明するように、前述した定電圧供給部30aを構成するオペアンプOP32のように、オペアンプOP52の逆相出力n(逆制御電圧Vn)をゲートで受けるNチャネルMOSトランジスタQ34を、トランジスタQ42を介してオペアンプOP52の正相出力pとアースとの間に設けるとともに、本第2実施形態では、オペアンプOP52のもう一つの逆相出力n’(逆制御電圧Vn’)をゲートで受けるPチャネルMOSトランジスタQ54を、オペアンプOP52の正相出力pと駆動電源Vccとの間に設けた。なお、このトランジスタQ54のドレインは駆動電源Vccに直結されており、当該トランジスタQ54と駆動電源Vccとの間には、負荷回路等は接続されていない。
このため、位相補償回路の有無に関わりなく、オペアンプOP52の正相出力pを、当該トランジスタQ54を介して駆動電圧Vcc側に接続することが可能となる。つまり、オペアンプOP52の正相出力pを駆動電圧Vccに直結し得るバイパス回路がトランジスタQ54によって形成されている。これにより、たとえオペアンプOP52の正相出力pに、コンデンサC22とトランジスタQ24による抵抗とからなる位相補償回路が接続されていても、当該トランジスタQ54のスイッチング動作によってオペアンプOP52の正相出力pを駆動電圧Vcc側にバイパスできるので、オペアンプOP52の出力に応答遅れが生じ得る場合に当該オペアンプOP52の駆動を高めて応答の遅れを改善することが可能となる。なお、このトランジスタQ54による回路は、特許請求の範囲に記載の「遮断制御方向引込回路」の一部に相当し得るもので、図7においては、符号50cを付した破線範囲がアシスト回路(遮断制御方向引込回路)の一部となる。
〔5〕図7に示すように、電源回路50では、電源回路100のオペアンプ6に相当するものとして、出力を3系統有するオペアンプOP52を設けた。なお、図8に示すオペアンプOP52の回路例は、前述した第1実施形態の電源回路30の定電圧供給部30aを構成するオペアンプOP32の回路例(図2参照)にアシスト回路50dを追加したものに相当する。そのため、図8において、図2のオペアンプOP32と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し説明を省略する。
図8に示すように、オペアンプOP52は、トランジスタQ32a,Q32b,Q32f,Q32gからなる差動部、抵抗32iおよびトランジスタQ32j,Q32kからなる定電流部、トランジスタQ32c,Q32d,Q32e,Q32hからなる正相出力部、トランジスタQ32m〜Q32pからなる第1逆相出力部、トランジスタQ52a,Q52bからなる第2逆相出力部、を備えている。なお、差動部、定電流部および正相出力部は、オペアンプOP32を構成する差動部、定電流部および正相出力部と同様に構成されており、また第1逆相出力部はオペアンプOP32を構成する逆相出力部に相当しそれと同様に構成されているため、ここではこれらの説明を省略する。
このオペアンプOP52では、差動部、定電流部および正相出力部により制御電圧Vn(正相出力p)を出力し、また差動部、定電流部および第1逆相出力部により逆制御電圧Vn(逆相出力n)を出力し得ることに加えて、差動部、定電流部および第2逆相出力部により逆相出力n’(逆制御電圧Vn’)を出力し得るように構成されている。
この第2逆相出力部では、第1逆相出力部のトランジスタQ32nとカレントミラーの関係に構成されるPチャネルMOSトランジスタQ52aと、差動部のトランジスタQ32bとカレントミラーの関係に構成されるNチャネルMOSトランジスタQ52bと、からなる第2逆相出力部を有する。即ち、第1逆相出力部のトランジスタQ32nとトランジスタQ32oとがカレントミラーの関係にあるのと同様に、第1逆相出力部のトランジスタQ32nと第2逆相出力部のトランジスタQ52aとをカレントミラーの関係に構成する。また、差動部のトランジスタQ32bと第1逆相出力部のトランジスタQ32pとがカレントミラーの関係にあるのと同様に、差動部のトランジスタQ32bと第2逆相出力部のトランジスタQ52bとをカレントミラーの関係に構成する。
これにより、当該第2逆相出力部は、トランジスタQ32o,Q32pからなる第1逆相出力部の出力段と同様に構成されるので、当該第2逆相出力部の逆相出力n’からは、第1逆相出力部の逆相出力nから出力される逆制御電圧Vnに相当する逆制御電圧Vn’を出力することが可能となる。なお、このトランジスタQ32m,Q32n,Q32o,Q32pによる回路は、トランジスタQ34,Q42とともに、特許請求の範囲に記載の「定電圧制御方向引込回路」に相当し得る。トランジスタQ52a,Q52bによる回路は、特許請求の範囲に記載の「遮断制御方向引込回路」の残部に相当し得るもので、図8においては、符号50cを付した破線範囲がアシスト回路(遮断制御方向引込回路)の残部にあたる。
このように構成することにより、オペアンプOP52では、通常のオペアンプの出力に相当する正相出力pのほかに、この正相出力pとは独立して逆極性の出力が得られる逆相出力n、n’を出力することが可能になる(逆相出力nによる出力電圧のことを「逆制御電圧Vn」、逆相出力n’による出力電圧のことを「逆制御電圧Vn’」とそれぞれいう)。したがって、このような逆相出力n、n’のうち、逆相出力n’を前述したトランジスタQ54のゲートに接続することで、前項〔4〕で説明したように、マイコンMC5が動作状態からスリープ状態に遷移する際において、当該トランジスタQ54のスイッチング動作によりオペアンプOP52の正相出力を駆動電圧Vcc側にバイパスすることが可能となる。また、逆相出力nを前述したトランジスタQ34のゲートに接続することで、前項〔1〕で説明したように、マイコンMC5がスリープ状態から動作状態に遷移する際において、当該トランジスタQ34のスイッチング動作によりオペアンプOP52の正相出力をアース側にバイパスすることが可能となる。なお、逆相出力n’や逆制御電圧Vn’は、特許請求の範囲に記載の「他の第1制御出力」に相当し得るものである。
〔6〕電源回路50では、オペアンプOP52を構成するトランジスタQ52bのチャネル幅Wを当該オペアンプOP52を構成するトランジスタQ52aのチャネル幅Wよりも小さくなるように設定した。
即ち、トランジスタQ52bのチャネル幅Wbと、このトランジスタQ32bに直列に接続されるトランジスタQ52aのチャネル幅Waとを、Wb<Waの関係に設定することで、図9に示すように、逆相出力n’による当該トランジスタQ54のスイッチング動作点Vonが制御電圧Vpの可動予定領域外となるように、正相出力pと対称出力(図9中に示す破線)の場合のスイッチング動作点Von’よりも差動入力ΔVが大きくなる方向に設定する。
これにより、オペアンプOP52による制御電圧Vpの可動予定領域内では、トランジスタQ54によるスイッチングのオン動作が行われないことから、定電圧供給部50aおよび電流シンク部50bにおける動作の障害とならない。つまり、マイコンMC5が動作状態からスリープ状態に遷移する期間中に、トランジスタQ54によるスイッチングのオン動作が可能となり、オペアンプOP52の正相出力pを駆動電圧Vcc側にバイパスすることが可能となる。
このため、図10に示すように、マイコンMC5の動作状態には、オペアンプOP52の正相出力pからは、制御電圧Vpとして、トランジスタQ23のしきい値電圧Vtにほぼ等しく制御された電圧(駆動電圧Vccが5Vの場合、約1V)が出力されている。これは、[背景技術]の欄で説明したように、マイコンMC5が動作状態に遷移している場合には、トランジスタQ22を介してトランジスタQ21のアナログ的な制御を可能にするため、オペアンプOP32により当該トランジスタQ23を飽和領域で制御しているためである。
このような動作状態から当該マイコンMC5のスリープ状態に遷移した場合には、その状態遷移の期間中に、オペアンプOP52の逆相出力n’から出力される逆制御電圧Vn’によって、トランジスタQ54がオフ動作からオン動作に移行する。そのため、オペアンプOP52の正相出力pが駆動電圧Vcc側に接続されるので、制御電圧Vpが、抵抗R25と抵抗R26,R27との分圧による検出電圧Vb(駆動電圧Vccが5Vの場合、約2V)の方向に強制的に引き込まれる。これにより、オペアンプOP52の正相出力pに位相補償回路(C22,Q24)が接続されていても、その影響を受けることなく、制御電圧Vpは当該分圧による検出電圧Vbに俊敏に遷移することが可能となる。
したがって、図10と図13とを比較すると明かなように、オペアンプOP52による出力応答の遅れを大幅に改善することができ、オペアンプOP52の出力応答遅れによる駆動電圧Vccのオーバーシュートを抑制可能にしている(図10に示す符号γの破線楕円内)。よって、駆動電圧ライン+Vcc(電源ライン)による駆動電圧Vccの安定供給を可能にするので、当該駆動電圧Vccの供給を受けるマイコンMC5等の故障を防止することができる。
以上説明したように、本第2実施形態に係る電源回路50では、駆動電圧ライン+Vccの駆動電圧Vccに基づく検出電圧Vaと基準電圧Vrとの誤差を増幅したものを、正相出力p(制御電圧Vp)および当該正相出力p(制御電圧Vp)から独立した逆相出力n’(逆制御電圧Vn’)に出力可能なオペアンプOP52と、逆相出力n’(逆制御電圧Vn’)に基づいて正相出力p(制御電圧Vp)をマイコンMC5のスリープ状態の電位Vbに接近させるトランジスタQ54と、を備える当該アシスト回路50cを有する。
これにより、正相出力p(制御電圧Vp)が、マイコンMC5の動作状態からスリープ状態に遷移する期間中に、当該トランジスタQ54によって、正相出力p(制御電圧Vp)が当該スリープ状態の電位Vbの方向に引き込まれるので、当該正相出力p(制御電圧Vp)は、位相補償回路(C22,Q24)の影響を受けることなくマイコンMC5のスリープ状態の電位Vbに俊敏に遷移することが可能となる。したがって、駆動電圧ライン+Vccの駆動電圧Vccのオーバーシュート(図13参照)を抑制できるので、当該駆動電圧ライン+Vccによる駆動電圧Vccの安定供給を可能にし当該駆動電圧Vccの供給を受けるマイコンMC5等の故障を防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る電源回路の構成例を示す回路図である。 本第1実施形態に係る電源回路の定電圧供給部を構成するオペアンプの回路例を示す回路図である。 図2に示すオペアンプの差動入力に対する出力特性を示す説明図である。 本第1実施形態に係る電源回路の動作を示す説明図で、マイコンがスリープ状態から動作状態に遷移する際における制御電圧Vp、Vnおよび駆動電圧Vccの変動特性を示すものである。 本発明の第1実施形態に係る電源回路の改変例を示す回路図である。 本第1実施形態に係る電源回路の改変例の動作を示す説明図で、マイコンがスリープ状態から動作状態に遷移する際における制御電圧Vpおよび駆動電圧Vccの変動特性を示すものである。 本発明の第2実施形態に係る電源回路の構成例を示す回路図である。 本第2実施形態に係る電源回路の定電圧供給部を構成するオペアンプの回路例を示す回路図である。 図8に示すオペアンプの差動入力に対する出力特性を示す説明図である。 本第2実施形態に係る電源回路の動作を示す説明図で、マイコンが動作状態からスリープ状態に遷移する際における制御電圧Vp、Vnおよび駆動電圧Vccの変動特性を示すものである。 特許文献1に開示される電源回路の構成例を示す回路図である。 特許文献1に開示される電源回路の動作を示す説明図で、マイコンがスリープ状態から動作状態に遷移する際における制御電圧Vpおよび駆動電圧Vccの変動特性を示すものである。 特許文献1に開示される電源回路の動作を示す説明図で、マイコンが動作状態からスリープ状態に遷移する際における制御電圧Vpおよび駆動電圧Vccの変動特性を示すものである。
符号の説明
30、40、50…電源回路
30a、40a、50a…定電圧供給部(第1定電圧回路)
30b、40b、50b…電流シンク部(第2定電圧回路)
30c、40c、50c…アシスト回路(定電圧制御方向引込回路)
50d…アシスト回路(遮断制御方向引込回路)
C22…コンデンサ(遅延要因回路)
C21、C23…コンデンサ
CV29…定電圧源
D3…ダイオード
Io…注入電流
Ix…負荷電流
n…逆相出力(他の第1制御出力)
OP31…オペアンプ(第2制御手段)
OP32…オペアンプ(第1制御手段、定電圧制御方向引込回路、誤差増幅器)
OP52…オペアンプ(第1制御手段、遮断制御方向引込回路、誤差増幅器)
p…正相出力(第1制御出力)
Q21…トランジスタ(第1降圧手段)
Q24…トランジスタ(遅延要因回路)
Q22、Q23…トランジスタ
Q25…トランジスタ(第2降圧手段)
Q34…トランジスタ(定電圧制御方向引込回路)
Q42…トランジスタ(定電圧制御方向引込回路)
Q54…トランジスタ(遮断制御方向引込回路)
R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27…抵抗
T7、T9、T23、T25、T26…端子
MC5…マイコン
Va…検出電圧(制御入力)
Vb…検出電圧(第2基準入力、遮断制御出力状態の電位)
VB…バッテリ電圧(第1入力電圧、第2入力電圧)
Vcc…駆動電圧(電源ラインの電圧)
Vn…逆制御電圧(他の第1制御出力)
Vp…制御電圧(第1制御出力)
Vr…基準電圧(第1基準入力)
Vs…シンク電圧(第2制御出力)
Vt…しきい値電圧(定電圧制御出力状態の電位)
+VB…バッテリ電圧ライン
+Vcc…駆動電圧ライン(電源ライン)

Claims (2)

  1. 電源ラインの電圧に基づく制御入力と所定の第1基準入力との差に基づいた第1制御出力を出力可能な第1制御手段、および、外部から入力される電圧で前記電源ラインの電圧よりも高い第1入力電圧を前記第1制御出力に従って前記電源ラインの電圧に等しく降圧可能または遮断可能な第1降圧手段、を有し、前記第1制御出力が前記第1入力電圧の降圧を制御可能な定電圧制御出力状態の期間中に前記第1降圧手段により降圧された電圧を前記電源ラインの電圧として前記電源ラインに出力可能で、前記第1制御出力が前記第1入力電圧の遮断を制御可能な遮断制御出力状態の期間中に前記電源ラインへの出力を遮断可能な第1定電圧回路と、
    前記第1定電圧回路の第1制御手段により出力される第1制御出力と所定の第2基準入力との差に基づいた第2制御出力を出力可能な第2制御手段、および、前記第1定電圧回路の第1降圧手段が前記第1入力電圧の遮断状態に制御されている期間中に入力される電圧で前記電源ラインの電圧よりも高い第2入力電圧を前記第2制御出力に従って降圧可能な第2降圧手段、を有し、当該遮断制御の期間中、前記第2降圧手段により降圧された電圧を前記電源ラインの電圧として前記電源ラインに出力可能な第2定電圧回路と、
    前記第1定電圧回路の第1制御手段により出力される第1制御出力が、前記定電圧制御出力状態と前記遮断制御出力状態との間で遷移することを遅延させ得る遅延要因回路と、
    を備えた電源回路であって、
    前記第1定電圧回路による第1制御出力が前記遮断制御出力状態から前記定電圧制御出力状態に遷移すること、または前記第1定電圧回路による第1制御出力が前記定電圧制御出力状態から前記遮断制御出力状態に遷移すること、を前記遅延要因回路の影響を受けることなく可能にするアシスト回路を備え
    前記アシスト回路は、前記第1定電圧回路の第1制御手段から出力される第1制御出力が、前記遮断制御出力状態から前記定電圧制御出力状態に遷移する期間中に、前記第1制御出力を前記定電圧制御出力状態の方向に引き込む定電圧制御方向引込回路であり、
    前記定電圧制御方向引込回路は、
    前記第1制御手段としての誤差増幅器であって、前記電源ラインの電圧に基づく制御入力と前記所定の第1基準入力との誤差を増幅したものを、前記第1制御出力と前記第1制御出力から独立した他の第1制御出力とに出力可能な誤差増幅器と、
    前記他の第1制御出力に基づいて前記第1制御出力を前記定電圧制御出力状態の電位に接近させるトランジスタと
    を備えることを特徴とする電源回路。
  2. 電源ラインの電圧に基づく制御入力と所定の第1基準入力との差に基づいた第1制御出力を出力可能な第1制御手段、および、外部から入力される電圧で前記電源ラインの電圧よりも高い第1入力電圧を前記第1制御出力に従って前記電源ラインの電圧に等しく降圧可能または遮断可能な第1降圧手段、を有し、前記第1制御出力が前記第1入力電圧の降圧を制御可能な定電圧制御出力状態の期間中に前記第1降圧手段により降圧された電圧を前記電源ラインの電圧として前記電源ラインに出力可能で、前記第1制御出力が前記第1入力電圧の遮断を制御可能な遮断制御出力状態の期間中に前記電源ラインへの出力を遮断可能な第1定電圧回路と、
    前記第1定電圧回路の第1制御手段により出力される第1制御出力と所定の第2基準入力との差に基づいた第2制御出力を出力可能な第2制御手段、および、前記第1定電圧回路の第1降圧手段が前記第1入力電圧の遮断状態に制御されている期間中に入力される電圧で前記電源ラインの電圧よりも高い第2入力電圧を前記第2制御出力に従って降圧可能な第2降圧手段、を有し、当該遮断制御の期間中、前記第2降圧手段により降圧された電圧を前記電源ラインの電圧として前記電源ラインに出力可能な第2定電圧回路と、
    前記第1定電圧回路の第1制御手段により出力される第1制御出力が、前記定電圧制御出力状態と前記遮断制御出力状態との間で遷移することを遅延させ得る遅延要因回路と、
    を備えた電源回路であって、
    前記第1定電圧回路による第1制御出力が前記遮断制御出力状態から前記定電圧制御出力状態に遷移すること、または前記第1定電圧回路による第1制御出力が前記定電圧制御出力状態から前記遮断制御出力状態に遷移すること、を前記遅延要因回路の影響を受けることなく可能にするアシスト回路を備え
    前記アシスト回路は、前記第1定電圧回路の第1制御手段から出力される第1制御出力が、前記定電圧制御出力状態から前記遮断制御出力状態に遷移する期間中に、前記第1制御出力を前記遮断制御出力状態の方向に引き込む遮断制御方向引込回路であり、
    前記遮断制御方向引込回路は、
    前記第1制御手段としての誤差増幅器であって、前記電源ラインの電圧に基づく制御入力と前記所定の第1基準入力との誤差を増幅したものを、前記第1制御出力と前記第1制御出力から独立した他の第1制御出力とに出力可能な誤差増幅器と、
    前記他の第1制御出力に基づいて前記第1制御出力を前記遮断制御出力状態の電位に接近させるトランジスタと
    を備えることを特徴とする電源回路。
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