JP4567333B2 - 高感度電位差測定センサを製造する方法 - Google Patents

高感度電位差測定センサを製造する方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、導電性ポリマーフィルムを検知素子として有する高感度電位差測定センサの前処理の方法に関する。本発明は、医学、バイオテクノロジー、農業、生態学の分野に適用でき、さらに、環境モニタリングや食品品質保障に適用でき、特に、臨床診断、プロテオミクス、細胞分析、環境及び製造モニタリング及び研究のために行われる生体液及び環境流体の検体検査に適用できる。
発明の背景
導電性ポリマーフィルムを検知素子として有するセンサの使用は、定量電気化学分析の最も有望で魅力的な方法のうちの一つである(下記の論文(以下、省略)[1])。現在までに、導電性ポリマーをベースにした多数の電気化学センサが記載されている。それらのセンサの特徴は、(電流測定の、電圧電流測定の、化学抵抗性の、電位差測定の)測定の原理、及び分析信号を受信する方法(直接的なセンサ及び非直接的なセンサ)である。
電流測定信号は、一定の電圧を外部のソースからセンサに印加し、該センサ内で起きる化学的及び/又は生化学的な反応によって規定される電流のレベルを測定することによって受信される[2]。電圧電流測定センサ及び化学抵抗性センサは、原則として同様に作動するが、上記印加電圧が一定でないという違いがある場合、特定の方法のための確立したパラメータに従って変更される[2、3]。
一般的に、電流測定方法及び電圧電流測定方法は、電流計、電圧又はポテンシオスタットの外部ソース、対向電極及び参照電極を含む高価な装置を要する[2]。
電位差測定装置は、化学的及び/又は生物学的反応による上記導電性ポリマーの酸化還元合成物の変化から応答を得るものであり、該変化は、上記電位差センサの定常状態の電位の変化を伴う[2、4、5]。本発明の発明者等は、電位差センサが、電流センサ及び電圧電流センサに優る多くの利点を有することに注目する。該利点の一つは、電位差測定法は、高性能の装置を要しないということである。電位差測定装置は、一般に、センサ自体と、参照電極と、高インピーダンス電圧計とを備える[2、6]。第二に、上記信号は、センサの表面積又は形状に依存しない[2]。第三に、測定値の電位差方法の場合、電流測定法及び電圧電流測定法のための電気化学セル及びその結果として生じる複雑な構造の電極(例えば、回転ディスク電極)内での拡散プロセスに関連する問題は、重要な役割を果たさない[2、4]。
電位差測定の利用は、pH測定のように簡単にすることができ、また上記電位差測定装置は、市販のpH電極又はイオン選択電極と同様にすることができる。
全ての電気化学センサは、2つの種類、すなわち、直接センサと間接センサとに分類することができる。
直接電気化学センサは、該センサ内に固定された、あるいは該センサ上に吸着された非分析物と受容体との相互作用が起きると直ちに信号を生成する。直接センサの実例は、酵素電流測定センサ[2、7、8]、イオン選択電位差測定センサ[9、10]及び電位差測定免疫センサ[11、12、13]である。通常、非分析物との接触及び測定処理は、同時に行われる。
間接電気化学センサは、電気化学的に活性な標識を伴う非分析物に固有の追加的な薬剤の存在により、信号を生成する。間接群に属する該センサの実例は、電流測定酵素センサ及び電位差測定酵素センサ[2]、表面電位の変化に敏感な電位差測定センサ[14、15]、電圧電流測定センサ及び化学抵抗性センサ[16、17、18]である。上記センサと非分析物との接触及び測定処理は、時間的及び空間的に別々に行われる。
上記電圧電流測定センサは、直接センサと間接センサとの中間であると説明することができる。この場合、系内に標識薬剤はないが、培養及び測定工程は、時間的及び空間的に別々に行われ、及び/又は遊離される。
導電性ポリマー層を検知素子として有する高感度電位差測定センサの製造における最も重要な工程は、導電性支持体上へのポリマー膜の形成である。該支持体自体は、通常、貴金属、カーボン又は半導体材料である[19]。電気化学的合成は、規定の化学的、電気化学的及び機械的特性を有する導電性ポリマーフィルムの製造を可能にする[19]。
重合プロセスの構成要素としては、モノマー、イオン化溶剤及び少なくとも2つの(補助及び作用)電極が挙げられる[19]。補助電解液は、通常、重合溶液の導電性を増加させるため、及び重合工程においてポリマーをドーピングするために、該重合溶液内に含まれている。ここで、3種類の主な電気化学合成、すなわち、定電流法、定電圧法及び変動電圧法がある[19]。
定電流法においては、外部ソースからの一定の電流が、重合溶液中に浸漬された作用電極と補助電極との間に、一定期間印加される。上記参照電極は、上記作用電極の電気化学ポテンシャルを制御するのに使用してもよい[19、20、21]。
定電圧法においては、通常、3つの電極を要する。上記作用電極と補助電極間の電流は、一定期間、該作用電極と補助電極間に印加される、(同様に、上記参照電極によって制御される)外部ソースからの一定の電圧で、電流計セットによって制御される[19、20、21]。
変動電圧法においては、上記作用電極と補助電極間に印加される電圧は一定ではなく、確立した処理に従って変化する[19、20、21]。
電位差酵素センサ又は電位差免疫センサに対する最も重要な特性は、ほとんどの酵素反応は、反応物の酸化還元状態を変化させることを伴う酸化還元プロセスであるため、該センサの酸化還元感度である[4]。ポリマーをベースにしたセンサの酸化還元感度は、上記ポリマーフィルムの酸化還元特性によって完全に定義され[22]、該酸化還元特性は、重合プロセスの条件及びパラメータによって定義される。
非常に多くの出版物は、導電性ポリマー、例えば、ポリピロールの酸化還元特性の研究に精力を注いでいる[5、22〜27]。それらの研究の大部分においては[22〜23、26]、2つの主要な手法が、電位差信号の形成に用いられていることが示されていた。導電性ポリマーの固有の酸化還元状態の不可逆性の変化は、上記ポリマー層と電気化学活性種との相互作用の結果であり、また、「腐食タイプの」形成電位差測定応答と呼ばれる。このプロセスは、上記ポリマーと周囲の溶液との間のイオン交換を常に伴う。他方の手法は、上記ポリマーフィルムを介した該ポリマー表面上のレドックス対の間の電子交換に基づくものである。該ポリマーの固有酸化還元状態は、このプロセスにおいては変化せず、ポリマーと溶液との間のイオン交換は起きない。この場合、上記導電性ポリマーは、金属製電位電極として機能し、その機能は、電子平衡に関するフルムキンの学説によって説明することができる[22、28]。これは、「金属タイプ」の電位差測定応答であり、可逆性である。実際には、両手法は、同時に機能するが、それらのうちの一方を優勢にすることができる[22〜23、26、27]。上記「金属タイプ」は、迅速かつ強力な応答を実現できるので、電位差測定酸化還元センサに有利である[26]。上記「金属」手法を優勢にする上記重合工程において、上記ポリマーフィルムの特性を変更することが可能である[22〜23、26]。
予め、支持電解質の性質、及びそれに応じてドーパントイオンの性質は、上記ポリマーフィルムの金属特性の唯一の要因であると考えられていた[22〜27、29]。上記ポリマーフィルム内に固定された固定陰イオンが、イオン交換反応に関係せず、固有酸化還元状態の安定性をもたらすことが分かっていた[23、26]。そのような電解質の具体例は、硫酸ドデシル[23]、種々の染料、例えば、インジゴカーミンやメチルブルー[30、31]である。しかし、全ての参考文献において、重合溶液中のドーパントイオンの濃度は、上記ポリマーに上記金属特性を与える要因として考えられてない。
本発明の発明者等は、モノマーの濃度及び電気化学重合のための溶液中の支持電解質の濃度を、酸化還元特性の、及びそれに応じて、該ポリマーの酸化還元感度のための、最も重要な要因と考える。上記モノマーの濃度が、ポリマーの導電性に影響を及ぼすことも可能であることが知られている[19]。本発明の発明者等によるデータによれば、最良の酸化還元感度は、一般に使用されるもの(0.05〜0.5M)よりもかなり低い濃度(<0.05M)のモノマーを有する重合溶液を使用して得ることができる。本発明の発明者等は、モノマーの濃度と支持電解質の濃度の比が、特に、酸化還元特性及びポリマーフィルムの厚さの鍵となる要因であることを見出した。モノマーと支持電解質の比及びそれらの濃度は、従来、本発明者等により実施された研究の前までは、ポリマーフィルムの酸化還元特性を決定する要因として考えられていなかった。
文献に記載された導電性ポリマーの電気化学的合成のための相当数の方法があるという事実にもかかわらず、それらの中には、低濃度の生体分子の電位差測定検出に適した高感度センサの製造のための条件及びパラメータが記載されていない。
電気化学的合成の従来の方法のうちのいくつかの実例を以下に示す。
支持電解質が存在する水溶液からのポリピロールをベースとした電気化学センサの前処理のための電位差測定方法は、[39、42、43、44及び45]に記載されている。
Taniguchi等[33]は、定電流法を用いて、支持電解質が存在する有機溶媒からポリピロール膜を成長させる方法について記載した。その生成されたポリマーフィルムは、直接電位差測定免疫センサの前処理のために使用された。この方法の一番の欠点は、この方法によって形成された上記センサの感度が悪い(IgGのmg/ml)ということである。他の欠点は、このような方法に使用される上記有機溶媒は、非常に有毒であるということである。
水が溶媒として使用される他の定電流法は、[13、16、17、34、35、36、37、38、39、40、41]に記載されている。
電気化学センサの前処理のための、支持電解質が存在する水溶液からの、導電性ポリマーの合成のための電気化学重合の変動電圧法は、[9、10、27、46、47、48、49]に記載されている。
上述の論文に記載された方法によって形成されたセンサのほとんどは、電位差測定に用いることを意図したものではなく、他の電気化学的測定又は取り込みを意図するものであった。それらのセンサの全ては、高分析感度、精度及び安定性を要する電位差測定分析に適していない。それらの方法は、本発明に記載された方法に発展させて、該センサの所望の特性を実現することができない。その測定手順は、本発明に記載されたものよりも常に複雑であり、かつ時間がかかる。
本発明の発明者等は、ポリピロールをベースとした電位差測定センサの前処理の変動電圧法についても記載している[50、51]。
変動電圧法及び定電流法において、重合溶液を低濃度のモノマーと共に使用する可能性がある[19]にもかかわらず、上記引用文献のほとんどは、0.05M以上の濃度の利用について記載している。そのことは、本発明の発明者等によって強調されてきたので、濃縮されたモノマー溶液から成長されたポリマーフィルムは、高い酸化還元感度を有しておらず、そのため、ポリマーをベースとした電位差測定センサの高感度素子として使用することができない。
低濃度のモノマーについては、唯一、論文[48]に記述されていたが、その著者は、高濃度の支持電解質(0.5M)、及び高移動性陰イオン(KCl、KNO、NaClO、NaHPO)を有する高濃度の支持電解質を使用しており、それらの陰イオンは、ポリマーと周囲の溶液との間のイオン交換時に、反応性が高い。そのようなセンサの電位差測定応答は、主に、腐食タイプのメカニズムに属する。このタイプのセンサは、分析物の臨床的又は環境的に関連性のある濃度が、ナノモル、フェムトモル又はアトモルの範囲でごく普通に発生する可能性がある、生物学的酸化還元反応の測定に対して、十分に敏感ではない。他の論文においても、高移動性の陰イオンをドーパントイオンとして使用しており、その結果として、低感度を呈するセンサを生じていた。その著者が、ポリマーにCl-をドープした、Hulanicki等の研究[27]を実例として示すことができる。この場合、センサは、高濃度のレドックス対(約0.5M)が存在する場合にのみ、酸化還元感度を示した。
別の論文[9、49、51]では、適切なドーパント硫酸ドデシルナトリウムイオンを使用していたが、高濃度のポリマー(0.05〜0.3M)であり、高感度の電位差測定酸化還元センサの前処理には適していなかった。
本発明者等は、組み合せにおいて上記ポリマーフィルムの酸化還元特性を決定し、その結果として、従来のものよりも高感度である、ポリマーをベースとした電位差測定センサを形成することができる主要な要因を突き止めた。その要因は、モノマーの濃度、支持電解質の性質及び濃度、重合プロセスのパラメータ、モノマーの濃度と支持電解質の濃度の比である。従来の論文は、1つ又は2つのパラメータ又は条件にのみ記述しており、それらの相乗作用的影響又は干渉については述べていない。本発明の発明者等は、高感度ポリマーフィルムを、上述した要因の全てを組み合せることによって製造することができることを見出した。
発明の概要
本発明は、高感度で再現可能な、かつ長期的に安定した、ポリマーをベースとする電位差測定センサの製造に関するものである。
第1の態様においては、本発明は、高酸化還元感度を有するポリマーフィルムの電気化学合成の方法に関し、該ポリマーフィルムは、高感度電位差測定の化学、酵素及び免疫センサの検出部として機能することができる。電気化学合成には、3つの主なタイプ、すなわち、定電流法、定電圧法及び変動電圧法がある[19]。これらの全ては、単独又は組み合せて、上記ポリピロール層を電気化学的に成長させるのに用いることができる。
従って、本発明は、導電性電極に導電性ポリマーをコーティングすることにより、高感度の電位差測定センサを製造する方法であって、
(a)0.002〜0.05Mの範囲の濃度の導電性ポリマーを構成するために重合されるモノマー単位と、ドーピング剤としても作用する、0.0001〜0.005Mの範囲の濃度の支持電解質とを備える、電気化学重合のための水溶液を作成する工程と、
(b)電気化学重合のための上記水溶液と、補助電極と、導電性ポリマーがコーティングされる一つ又はそれ以上の作用電極と、任意の参照電極とを備える電気化学重合セルを構成する工程と、
(c)以下の電気化学的方法、すなわち、
(i)コーティングされる上記作用電極と参照電極との間に、当該参照電極に対して−0.2〜+0.2Vの範囲の周期的な電圧を印加することと、
(ii)所定時間、コーティングされる作用電極と補助電極との間に、0.01〜1mA/cmの範囲の所定の電流密度を有する電流を印加する電流工程を単一回又は複数回行い、作用電極を流れる電荷の総量を10〜250mC/cm の範囲内とすることと、
(iii)所定時間、コーティングされる作用電極と参照電極との間に、0〜3Vの範囲の所定の電圧を印加する電圧工程を単一回又は複数回に分けて行い、作用電極を流れる電荷の総量を10〜250mC/cm の範囲内とすること
うちの少なくとも一つを用いた、前記電気化学重合溶液からのポリマーの電気化学合成によって、前記作用電極にポリマーフィルムをコーティングする工程と
を含む方法を提供する。
この方法の基になることは、本発明者等により行われた研究であり、該研究からは、以下の結論を引き出すことができる。
・ポリマー(例えば、ポリピロール)をベースとした電位差測定センサの酸化還元感度は、電気化学合成が、低濃度のモノマー(例えば、ピロール)(<0.05M)を有する溶液から行われた場合に、かなり(急激に)増す。
・酸化還元感度の増加は、ドーピング剤として作用する支持電解質、例えば、硫酸ドデシルナトリウムが存在する場合に、0.002〜0.05Mの範囲のモノマー(例えば、ピロール)濃度の範囲に対して認められる。
・酸化還元感度の最大の増加は、モノマー(例えば、ピロール)のモル濃度と支持電解質との比が、25:1であり(本発明の範囲内で、他の比も用いることができる)、かつ以下の電気化学重合法、すなわち、
i)変動電圧法:(Ag/AgCl参照電極に対して)−0.2〜+2.0Vの範囲の周期的な電圧が、(コーティングされる)上記作用電極と上記参照電極との間に印加される、
ii)定電流法:重合中に通過する総電荷が、10〜250mC/cmの範囲である、一つ又はそれ以上の(段階的な)レベルの電流工程が実施される、
iii)定電圧法:重合中に通過する総電荷が、10〜250mC/cmの範囲である、一つ又はそれ以上の(段階的な)レベルの電圧工程が、上記作用電極と参照電極との間で実施される、
のうちの一つ又はそれ以上が用いられた場合に認められる。
・一つのレベル以上の電流を定電流法に用いること、及び/又は一つのレベル以上の印加電圧を定電圧法に用いることにより、上記センサ特性の緻密な制御が可能になり、そのため、良好な能力特性、例えば、電解重合中に、単一レベルの電流又は電圧を用いる方法よりも良い感度を有するセンサの製造が可能になる。
・上記モノマー及び支持電解質の濃度、該モノマーと支持電解質の比、及び実施された重合手順は、ポリマー(例えば、ポリピロール)をベースとしたセンサの酸化還元感度に相乗作用的に影響を及ぼす。
発明者等の観察結果は、上述したように、酸化還元感度とモノマー濃度等のパラメータとの関連性、支持電解質の性質及び濃度、及びモノマーと支持電解質の比、及び重合手順のパラメータ等のパラメータは、従来の文献において考慮されていなかったので、予想外のことである。上記ポリマーフィルムの酸化還元感度と、上記センサの最終的な分析感度との間には、強い相関関係がある。本発明の非常に重要な側面は、溶液の組成及び重合プロセスのパラメータを変更することにより、酸化還元感度を調節することが可能であるという観察結果である。フェムトモルレベルの感度を必要とする、ウイルス感染(例えば、HIV、HBsAg)の測定のためのセンサを形成することが可能である。分析に関係する範囲が、高濃度にある場合があり、例えば、ジゴキシン(0.5〜5ng/ml)あるいは免疫グロブリンE(20〜1000ng/ml)である。
上記測定範囲は、高い濃度にずらすことができ、あるいは、電気化学重合のためのパラメータのセット、又は/及び別の測定手順のための基質系の組成を変更することにより広げることができる。
要約すると、分析感度及び測定範囲は、特定の分析のために調整することができる。このことは、重合溶液中の規定の濃度のモノマー、支持電解質と規定の重合法との特有の組合せと共に、上記センサの以下の処理によって達成される。
本発明は、モノマー(例えば、ピロール)の電気化学重合によって、高感度の、ポリマーをコートした(例えば、ポリピロールをコートした)電位差測定センサを製造する、変動電圧、定電流及び定電圧法を提供する。いずれの方法も、他の方法と共に用いることができる。
定電圧法のためのパラメータは、定電流処理から得て(算出し)、実験で検証した。同じ成長溶液及びセンサデザインの場合、電圧及び電流は、互いに依存する。一定の印加電流で記録した電圧は、定電流処理とほぼ同じ電流を示す定電圧法において印加することができる。
各重合法における正確な値は、導電性又は半導電性層の特性によりわずかに変化する可能性があるが、一般に、全ての処理は、比較結果を示し、かつどのような種類の導電性又は半導電性支持体に対しても良好に印加することができる。
重合プロセスのためのパラメータは、その上に上記ポリマーが成膜される上記センサの幾何学的表面積又は電気化学的表面積のいずれかを用いて算出することができる。
本発明者等により、様々なセンサデザインが試されてきた。好適なデザインのセンサは、1.77mmの幾何学的面積を示す1.5mmの径を有するスクリーン印刷円形電極からなる。他のデザインを考えてもよく、本発明は、この特定のデザインに限定するものと解釈すべきではない。上記電気化学的表面積の算出のために用いる方法は、上記電極を、酸化還元種(例えば、5mMのフェロシアン化物)及び支持電解質(例えば、0.1MのNaNO)を有する溶液中に置くことによって行った。上記電極の電位は、電流が流れない電位から、全ての還元種が酸化される電位まで段階的に上げられ、その結果生じる電流が、時間と共に記録される(クロノアンペロメトリ)。経時的な電流応答の状態は、コットレルの式、すなわち、
i=(nFACD0.5)/(π0.50.5
によって示される。ここで、nは、電子伝達=1の数、Fはファラデー(96480Cモル)、Aは、電極の表面積、Dは、還元種の拡散係数、Cは、還元種の濃度、iは電流、tは時間である。該電流をt-0.5 に対してプロットした場合、そのデータは直線状となり、上記面積を、その傾斜から算出することができる。上記電気化学的表面積を計算する代替の方法を用いることもできる。
好適な変動電圧法は、
(a)0.002〜0.05Mの範囲の濃度のモノマー(例えば、ピロール)と、ドーピング剤としても作用する、0.0001〜0.005Mの範囲の濃度の支持電解質とを備える、電気化学重合のための水溶液を作成する工程と、
(b)電気化学重合のための上記水溶液と、補助電極と、参照電極と、ポリマーフィルムでコーティングされる一つ又はそれ以上の電極とを備える電気化学重合セルを構成する工程であって、コートされる該電極が、導電性又は半導電性層を備える工程と、
(c)コーティングされる上記電極と上記参照電極との間に(Ag/AgCl参照電極に対して)、−0.2〜+0.2Vの範囲の周期的な電圧を印加して、上記電極を、上記電気化学重合溶液からのポリマーの電気化学合成によってポリマーフィルムをコートする工程と
を含む。
好適な定電圧法は、
(a)0.002〜0.05Mの範囲の濃度のモノマー(例えば、ピロール)と、ドーピング剤としても作用する、0.0001〜0.005Mの範囲の濃度の支持電解質とを備える、電気化学重合のための水溶液を作成する工程と、
(b)電気化学重合のための上記水溶液と、補助電極と、参照電極と、ポリマーフィルムでコーティングされる一つ又はそれ以上の電極とを備える電気化学重合セルを構成する工程であって、コートされる該電極が、導電性又は半導電性層を備える工程と、
(c)上記作用電極を流れる電荷の総量が、10〜250mC/cmの範囲内に収まるように、所定時間、コーティングされる作用電極と参照電極との間に、0〜3Vの範囲で、単一又は複数の電圧工程において一定の電圧を印加することと
を含む。
また、本発明は、変動電圧法に対する代替として、電気化学合成の定電流法も含む。この場合、10〜250mC/cm(好ましくは、10〜60mC/cm)の範囲内にある、コーティングされる作用電極を流れる電荷量は、所定の電流密度で作用電極と補助電極との間に、所定時間、一定の電流を印加した結果である。単一又は複数の電流工程を用いることができる。該電流密度は、0.01〜1mA/cmの範囲内で変化させることができる。
本発明は、電気化学合成により、高感度のポリマーをコーティングした電位差測定センサを製造する定電流法を提供し、該方法は、
(a)0.002〜0.05Mの範囲の濃度のモノマー(例えば、ピロール)と、ドーピング剤としても作用する、0.0001〜0.005Mの範囲の濃度の支持電解質とを備える、電気化学重合のための水溶液を作成する工程と、
(b)電気化学重合のための上記水溶液と、補助電極と、ポリマーフィルムでコーティングされる一つ又はそれ以上の電極とを備える電気化学重合セルを構成する工程であって、コートされる該電極が、導電性又は半導電性層を備える工程と、
(c)作用電極を流れる電荷の総量が、10〜250mC/cm(好ましくは、10〜90mC/cm)の範囲内に収まるように、所定時間、コーティングされる作用電極と補助電極との間に、0.01〜1mA/cmの範囲の所定の電流密度で、単一又は複数の電流工程において一定の電流を印加することと
を含む。
上記参照電極は、定電流プロセスを監視するのに使用することができ、あるいは別法として、独立した参照電極が使用されない、2電極システムを用いてもよい。また、一つの重合プロセスにおいて、異なる方法を組み合わせたものを用いることもできる。例えば、一実施の形態においては、まず、上記作用電極を定電流法においてポリマーフィルムでコーティングすることができ、その後、ポリマーからなる追加的な層を、変動電圧法又は定電圧法を用いて施すことができる。その反対も可能である。また、2つ以上の定電流法を組み合わせることも可能である。それらの組合せは、上記ポリマーフィルムの酸化還元条件を制御する際に、より柔軟性を与える。
定電流法において、異なる時間印加した複数の電流を用いることで、該ポリマーフィルムの酸化還元特性を調整することが可能になる。
変動電圧周期又は定電圧工程及び定電流工程の組合せは、上記ポリマーフィルムの酸化還元特性を調整するのに用いることができる。
一つ以上の重合法を組み合わせることによって酸化還元特性を調整する可能性及びバイオセンサの前処理のための定電流法における複数の連続電流の使用は、従来記載されておらず、本発明の新規な部分である。
本発明の方法は、一つの工程で、ポリマーフィルムを、単一の電極又は多数(一つ以上)の電極上に施すのに用いることができる。単一の重合反応において、複数の電極をコーティングする能力は、再現性を増し、かつ製造プロセスのコストを減らす。ただ一つの電極をコーティングした従来の研究と対照的に、本発明の発明者等は、補助電極と、変動電圧法及び定電圧法のための参照電極と、電気化学重合のための溶液とを備える電気化学重合セル内で、コーティングすべき多数の導電性又は半導電性電極を、単一の電気的接触を有する一つのブロックに接続する。コーティングすべき全ての電極は、単一の作用電極として機能する。理論上、コーティングすべき電極の数は限定されず、一度に10〜100に及ぶことが可能である。
本発明者等は、さらに、電気化学重合溶液中の低濃度(<0.05M)のモノマーの使用に限定することなく、高感度の、ポリマーをコーティングしたセンサを、電気化学重合法の組合せを用いて、及び/又は該重合法において、複数の電流又は電圧工程を用いることによって製造することができることに気づいた。
従って、本発明は、電気化学法及び/又は複数の電流又は電圧工程を有する電気化学法の組合せを用いた電気化学重合のための複数工程法にも関する。
具体的には、本発明は、以下のものに関する。
導電性ポリマーでの導電性電極のコーティングにより高感度電位差測定センサを製造する方法であって、2つ又はそれ以上の電流工程が、定電流法において適用される方法。
導電性ポリマーでの導電性電極のコーティングにより高感度電位差測定センサを製造する方法であって、2つ又はそれ以上の電圧工程が、定電圧法において適用される方法。
導電性ポリマーでの導電性電極のコーティングにより高感度電位差測定センサを製造する方法であって、好ましくは、定電流法、変動電圧法、定電圧法、又は他の電気化学法から選択された、2つ又はそれ以上の重合法が適用される方法。
好適な定電流法、変動電圧法、定電圧法は、本発明の第1の態様と共に上述したものである。
上述したように、それらの方法においては、上記電気化学重合溶液中に使用されるモノマー又はバックグラウンドの電解質の濃度に対しては、限定はない。すなわち、上記方法は、国際公開第00/11473号パンフレットに記載された高濃度のモノマーと共に用いることができる。
本発明の範囲は、本発明の方法に従って製造された、ポリマーをコーティングした電位差測定センサに及び、また、それらのセンサの用途にも及ぶ。具体的には、上記電位差測定センサは、(国際公開第00/11473号パンフレット、同第96/02001号パンフレット等に記載されたような)分析物の電気化学的検知のための方法、あるいは、酵素の活性度の電位差測定検知のための方法(例えば、上記センサ表面に近接して配置された酵素の活性度を測定する方法)及び(例えば、本出願人の同時継続出願の英国特許第0207116.5号明細書に記載された方法を用いた)セル全体の電位差測定分析のための方法において使用することができる。
別の態様においては、本発明は、センサの長期安定性及び分析感度を増すための、上記ポリマーフィルム成膜後の導電性ポリマーをコーティングしたセンサの処理の方法も提供する。この処理は、上述した、本発明の方法に従って前処理されたセンサに施してもよいが、従来の電気化学重合の方法(国際公開第96/02001号パンフレット、同第00/11473号パンフレット等)に従って前処理された、ポリマーをコーティングした電位差測定センサに施してもよい。
上記処理方法は、2つの段階を備える。第1の段階は、電気化学重合後の、脱イオン水による上記ポリマーをコーティングしたセンサの完全な洗浄である。この段階において、固定されていないドーパント陰イオン及びモノマーのトレースは、該ポリマーフィルムから除去される。モノマーは、該ポリマーフィルムの固有の酸化還元特性を変化させる保管中に酸化する可能性があるので、モノマーの除去は必要である。移動性対イオンは、酸化還元感度を低下させる該ポリマーの金属特性[22、23]を備える可能性があるので、固定されていないドーパントイオンの除去も必要である。特に、過剰な硫酸ドデシルナトリウムは、蛋白質分子を変性させ[16]、かつ生体分子の吸収を減少させる。このことは、ポリマーフィルム内での又はポリマーフィルム上での生体分子のさらなる固定にとって、不利な点になりうる。
第2の安定化工程は、上記ポリマーフィルムからの非結合水の除去である。このことは、非結合水と上記ポリマーとの相互作用が、一定期間にわたって該ポリマーフィルムの固有酸化還元特性を変化させるので、非常に重要である。これは、最も一般的な保管方法(例えば、液体中での保存)[13、16、32、35、41]では、電気化学的特性の不安定性、及び電位差測定の(又は他の電気化学的)測定結果の非再現性につながるので、一定期間にわたるポリマー(例えば、ポリピロール)フィルムの不安定性に関する多くの文献が存在する理由である。
これら2つの処理工程は、センサを、その機能特性を変化させることなく、長期間にわたって保管することを可能にし、このことは、センサの大量販売のための製造にとって非常に重要である。
本発明に記載された方法に従って製造された上記ポリマーをベースとしたセンサが、長期間の保存に対して安定している別の理由は、該ポリマーフィルムが、一般に使用されているもの(「半透明」フィルム)よりもかなり薄いからである。そのような薄いフィルムにおいては、重合後のプロセスは、非常に迅速に終了し、かつ該ポリマー特性にさらなる影響を及ぼさない。
本発明の他の態様は、上述した方法により製造した、上記ポリマーをベースとしたセンサの感度を検査する方法に関する。この検査は、センサ能力における非常に小さな差異を明らかにし、かつセンサ特性を調整する能力を強めることができる。それらの差異は、一般に適用される電気化学処理、例えば、電解質溶液中で該センサの開回路電圧を測定することによって識別することはできない。
上記センサの前処理の条件(重合処理及びそれ以後の処理)と、該センサの分析感度との関係を高い信頼性で評価するためには、得られたセンサの感度に対して、普遍的で、再現性がありかつ迅速な検査を行う必要がある。この検査は、全てのタイプのセンサ及び将来のセンサ製造プロセスのための品質管理として用いることもできる。
本発明の発明者等は、固定されたストレプトアビジンと、ビオチン標識ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)の反応が、上記センサの分析感度を検査するのに適した簡単で、迅速かつ信頼性の高い検査法であることを見出した。この検査のための全ての構成部材は、一般に入手可能でありかつ確認されている。
従って、本発明は、ポリマーをコーティングした電位差測定センサの分析感度を検査する方法を提供し、該方法は、下記の連続する工程、すなわち、
(a)受動吸着により、上記センサにストレプトアビジンをコーティングする工程と、
(b)上記ストレプトアビジンをコーティングしたセンサに、スクロース保護膜を施す工程と、
(c)工程(b)で得られた上記センサを、所定時間、既知の濃度のビオチン標識ホースラディッシュペルオキシダーゼを含有する溶液と接触させる工程と、
(d)上記センサ及び参照電極の両方を塩基性電解質溶液に浸漬したときの、該センサと参照電極間の電位差を監視する工程と、
(e)上記塩基性電解質溶液を、ホースラディッシュペルオキシダーゼのための基質を追加的に含むことを除いて、該塩基性電解質溶液と同一の組成を有するエンハンサー電解質溶液と置換し、該エンハンサー電解質溶液中に浸漬されたときの、上記センサと参照電極間の電位差を監視する工程と、
(f)工程(d)及び(e)で得られた電位差の測定値の差を計算し、得られた結果を、予め規定された基準となるセンサ又は同時に評価した他のセンサの使用によって得られた基準結果と比較する工程と
を含む。
工程a)及びb)は、一つの工程にまとめることができる。すなわち、スクロース溶液中へのストレプトアビジンの滴下を上記センサ上で行って、乾燥させることが可能である。追加的な成分、例えば、ブロッキング成分又は安定剤を上記溶液に添加することもできる。上記洗浄工程を、上記分析を行う前に要してもよい。
好適な実施の形態においては、工程(d)で使用する上記塩基性電解質溶液は、水素ドナーを含んでもよい。
上記の方法は、与えられた電位差測定センサの分析感度を迅速に評価するために、及び例えば、上記センサの最終的な分析感度に対する上記電気化学重合溶液の成分の変化の影響を判断するのに用いることができる、迅速で標準化された電位差測定分析を実現できる。分析感度は、好ましくは、ユーザにより選択された標準又は基準センサに対して評価される。該標準又は基準センサは、単に、他のセンサをそれと対照して比較することができる基準ライン(又は参照ライン)を設定するために選定される。該基準センサの細かい特性は、本発明にとって本質的なものではない。
分析パラメータ、例えば、反応物の濃度、低温放置時間等が、異なるセンサによって得られた結果の意味のある比較を可能にするために、標準化されることが重要である。しかし、それらのパラメータの正確な値は、本質的なものではなく、またユーザが選定してもよい。当業者は、ルーチン実験によって、適切な分析パラメータを決定することができることを認識するであろう。モデル分析の一つの実例は、添付の実施例に示す。
標準化された分析は、本出願人の国際出願第00/11473号に記載された方法の発展の結果であり、工程(a)及び(c)〜(e)は、同第00/11473号に記載されたように実行することができ、その内容を本願明細書に援用する。
工程(b)は、スクロースからなる保護層でのセンサのコーティングを生じる。この工程は、該スクロース層が、吸着したストレプトアビジンの活性度の減少を防ぎ、かつ酸素及び水分の上記ポリマー層への接触を防ぐのを補助するので、重要である。以下に説明するように、上記スクロースコーティングは、上記センサを、スクロース溶液(通常、1〜25%、最も好ましくは、10%のスクロース)に浸し、あるいは、上記工程(a)及び(b)をいっしょにした場合には、ストレプトアビジンを含有するスクロース溶液を滴下し、その後、(好ましくは、30〜40℃で約8〜12時間の間)該センサを乾燥させることにより、良好に施される。
スクロースからなるコーティングを上記センサに施すことの有用性は、上記標準モデル分析システムに限定されない。むしろ、導電性ポリマー、特に、ポリピロールからなる層がコーティングされた導電性電極を備えるいかなる電位差測定センサも、スクロースからなる保護層をコーティングすることができる。また、他の保護物質を、スクロースの代わりに、同等の効果でもって使用することができる。
従って、別の態様においては、本発明は、導電性ポリマーがコーティングされた導電性電極を備える電位差測定センサにおいて、保護物質からなるコーティングが、該導電性ポリマーの上に施されていることを特徴とする電位差測定センサを提供する。
適切な保護物質は、蛋白質安定剤として作用する物質である。適切な具体例としては、とりわけ、トレハロース、イノシトール、セロビオース、ラクチトール及びスクロースが挙げられる。また、それらの物質と、デキストラン又はポリグリコール等のポリマーとの混合物を使用することも可能である。上記保護コーティングは、一般に、上記センサを、該保護物質の溶液中に浸浸することにより、あるいは、他の適切な方法、例えば、保護溶液を滴下し、又はスクリーン印刷(例えば、トレハロース、イノシトール、セロビオース、ラクチトール又はスクロースの1〜25%溶液)した後、該センサを乾燥させることにより施される。例えば、ストレプトアビジン、抗体、ペプチド等の生体受容体やブロッキング剤、安定剤等の、上記センサに施される他の物質は、上記保護溶液に添加することができ、かつこの工程において適用することができる。
他の態様においては、本発明は、導電性ポリマーを備える電位差測定センサにおいて、電位差測定検知工程を伴ういかなる分析、例えば、酵素分析又は細胞分析においても使用することができ、酸化還元、pHによる上記ポリマー層の電位の測定可能な変化、又は酵素の活性又は細胞の代謝活性によるイオン交換が起きることを特徴とする電位差測定センサを提供する。例えば、細胞は、上記表面に直接成長させることにより付着させることができ、また、電位の変化は、本発明に記載した電位差測定によって検知することができる。
本発明の詳細な説明
本発明の方法は、導電性ポリマーでの導電性電極のコーティングによる、高感度電位差測定センサの製造に用いられる。
導電性ポリマーがコーティングされる上記導電性電極は、本質的に、導電性層又は半導電性層を備えるいずれかの適切な電極であってもよい。適切な電極は、水性媒質中で安定している、金属伝導性又は準金属伝導性を有する基準電位差測定電極を含む。該電極は、好ましくは、プラスチック製支持体上に電気化学めっきされた、あるいは該支持体上に直接スクリーン印刷された導電性基板(好ましくは金)を有する付着層(カーボン又は銅)を有するプラスチック製支持体からなる。電位差測定検出工程に必要な、参照電極、例えば、Ag/AgCl参照電極は、いずれかの方法、例えば、スクリーン印刷によって、検出電極と同じ支持体上に設けることができる。市販の外付けの参照電極も、同様に使用することができる。
最終的なセンサ製品の配置は、どのようなものでも可能であり、例えば、電気化学分析法に使用される一体化電気化学センサを含む、「ディップスティック」型のマルチウェルプレートが可能である。
水性電気重合溶液は、一般に、蒸留水(例えば、MilliQ)中で、0.002M〜0.05M、好ましくは、0.002M〜0.02M、より好ましくは、0.0025M〜0.15M、さらに好ましくは、0.005M〜0.01Mの範囲の濃度の導電性ポリマーと、0.0001M〜0.005M、好ましくは、0.0001M〜0.002、好ましくは、0.0001M〜0.0015M、より好ましくは、0.0001〜0.001Mの範囲の濃度の支持電解質とからなるモノマー単位を備える。他のイオン化溶液も、蒸留水と代替可能である。
適切なモノマーとしては、ピロール、フラン、チオフェン等が挙げられ、ピロールが最も好適である。 また、これらのモノマーのうちの2つ又はそれ以上の組合せも利用することができ、導電性共重合体の製造につながる。
好適な支持電解質は、硫酸ドデシルナトリウムであるが、その陰イオンが、上記ポリマーフィルム内に固定されているその他の電解質も用いることができる。また、該電解質は、ドーピング剤としても作用する。
最も好ましくは、上記電気化学重合溶液は、モノマーの水溶液と支持電解質とからなる。しかし、他の成分、例えば、生体受容体のためのリンカー、あるいは、センサ表面の化学修飾のためのリンカーとして使用することができる、特定の官能基を形成する成分を上記重合溶液に添加してもよいことを理解すべきである(国際公開第00/11473号パンフレット参照)。
上記重合溶液中のモノマーの濃度と、支持電解質の濃度との比は、好ましくは、2:1〜30:1の範囲、より好ましくは、5:1〜30:1の範囲である。25:1程度の比が、最も好適である。
最も好適な組成は、本発明の全ての範囲に限定するわけではないが、0.0002Mの電解質(SDSが最も好適である)に対して0.005〜0.01Mのモノマー(ピロールが最も好適である)、あるいは、0.0017Mの電解質(SDSが最も好適)に対して0.0075〜0.01Mのモノマーである。
上記電気化学重合は、コーティングされる電極(本願明細書中では「作用電極」ともいう)と、上記補助電極及び上記参照電極からなる2又は3電極システム内で行われる。2電極システム(定電流法)の場合、上記参照電極は使用されない。従来技術においては、適切なアセンブリは記載されていなかった(国際公開第00/11473号パンフレット及びその中に含まれる参照文献参照)。複数の作用電極を、1つの電気的接触を有する1つのブロックにまとめることもできる。
上記補助電極は、好ましくは、プラチナ、他の貴金属、あるいはグラファイト又はカーボン等の他の不活性な導電材で形成される。該補助電極は、全ての作用電極の全面積よりも大きい表面積を有するべきである[53]。上記重合溶液中の補償されない溶液抵抗を減少させるために、上記参照電極は、可能な限り、上記作用電極に近づけて配置すべきである[20、21、53]。上記作用電極と参照電極との間の距離は、一定であることが好ましい。従来のAg/AgCl又はカロメル電極は、参照電極として機能することが可能である。
上記電気化学合成を実施するために、ポテンショスタットを使用してもよい。変動電圧法の場合、(Ag/AgCl参照電極に対して)−0.2〜+2.0Vの範囲の周期的な電圧が、好ましくは1〜15サイクルに対して好ましくは50〜100mV/sのスキャン速度で、上記参照電極と(コーティングされる)上記作用電極との間に印加される。該電流は、上記補助電極において記録される。
ボルタンメトリー曲線の形状及び上記作用電極を流れる総電荷量は、ポリマー形成のためのパラメータによって制御される。各周期中に流れる電荷量は、最初の周期から5%以上異なってはいけない。
定電流法の場合、一つ又はそれ以上の一定電流工程を、コーティングされる上記作用電極と、上記補助電極との間に、0.01〜1mA/cmの範囲内で、100〜1000秒間実施することができる。実施する電流工程の数は、限定されない。これまで、1〜5つの工程が、本発明者等によって用いられてきた。重合の好適な総継続時間は、150〜600秒である。
上記定電流法は、より好ましい。該方法は、他の方法よりも高価ではなくかつ制御しやすく、またその設備は、それほど複雑化していない。異なる印加電流を用いることにより、上記ポリマーフィルムの酸化還元特性を高精度に調整することができる。また、上記定電流法を用いることにより、結果として生じるポリマーフィルムの酸化レベルの正確な制御が可能になる。
ある特定の場合においては、一度の重合プロセスにおいて、定電流法と変動電圧法又は定電圧法(及び逆もまた同じ)を連続的に用いることが可能である。例えば、大部分のポリマーフィルムを、定電流法において、小定電流を用いて定電圧で形成し、その後、追加的な量のポリマーを、より高電圧を用いて変動電圧法において成長させる。上記導電性ポリマーは、さらに、定電圧、例えば、(Ag/AgClに対して)0Vを使用することにより、又は、1〜300秒間の0Aの電流工程を用いることにより調節することができる。
上記電気化学合成の後、上記ポリマーをコーティングしたセンサは、好ましくは、モノマー及び硫酸ドデシルナトリウムがなくなるまで、脱イオン水を用いて洗浄される。
該洗浄工程の後、非結合水は、上記ポリマーフィルムから除去しなければならない。このことは、いくつかの方法によって行うことができる。最も簡単な方法は、該センサを、恒温器内で少なくとも8時間加熱することである。該温度は、ポリマーフィルムの厚さにより、25〜50℃、好ましくは、30〜40℃の範囲内で変化させることができる。この範囲は、一方で、上記非結合水を25℃以下の温度では完全に除去することができず、他方では、(50℃以上の)高温は、該ポリマーフィルムを損傷させる可能性があるので、非常に重要である。水を除去するための他の方法は、凍結乾燥である。
上述した洗浄及び乾燥工程は、電気化学重合の従来の方法(国際公開第96/02001号パンフレット、同第00/11473号パンフレット及び本願明細書に記載した文献参照)によって前処理された、ポリマーをコーティングした電極を処理するのに用いてもよい。この処理は、上述したように、該電極の長期間の保存に関して、特別な利点をもたらす。
上述した方法により得た上記ポリマーをコーティングした電極の主な用途は、高感度の電位差測定生体センサ、例えば、化学センサ、酵素センサ又は免疫センサの製造である。どのような生物学的受容体も、公知の固相コーティング法を用いて、センサ上に固定することができる。どのような形態の酸化還元、pH変化又は酸性化分析も、セル分析を含むそれらのセンサを用いて実施することができる。
上記センサの酸化還元感度を評価及び制御するために、本発明の発明者等は、ビオチン化ホースラディッシュペルオキシダーゼと反応するストレプトアビジンがコーティングされた、ポリマーをベースとするセンサの使用に基づくモデル分析を用いることを提案する。所望のレベルでの特性の違いを識別することは不可能であるため、一般的に適用される電気化学的処理を用いることが、上記センサの特性を検査するのに適していないことは、今まで述べてきた。免疫測定法は、上記酸化還元特性、及び異なる重合法を用いて前処理したセンサの分析感度を評価するのに役立つ。
上記ポリピロール層をストレプトアビジンでコーティングする方法は、本発明者等の国際出願第00/11473号に詳細に記載されている。該コーティング溶液中のストレプトアビジン濃度は、コーティングの方法により、2〜100μg/mlの範囲で変化させてもよい。また、本発明においては、上記センサの乾燥後に、保護スクロース層が、ストレプトアビジンがコーティングされたセンサ上に施される。
ストレプトアビジンのコーティング及び保護層を施すことは、一緒にまとめることが可能である。後者の場合、ストレプトアビジンを含有する保護溶液を上記センサ上に滴下して(0.1〜10μl)乾燥させる。他の方法、例えば、スクリーン印刷を用いてもよい。
分析物の定温放置のための処理は、国際公開第00/11473号パンフレットに記載されている。異なるpHを有する幅広い水性緩衝液を、HRP溶液の前処理に使用することができる。ビオチン化HRPの濃度は、0〜100ng/mlの範囲で変化する。濃度の一般的なセットは、0、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0、5.0、10.0、50.0、100.0ng/mlである。定温放置時間は、2〜60分である。
電位差測定処理及び分析結果の算出については、国際公開第00/11473号パンフレットに記載されている。
HRPが、酵素反応を早めるために、水素ドナーの使用を要することは公知である。しかし、国際公開第00/11473号パンフレットにおいては、光検出を用いたルーチン免疫分析において一般的に使用される水素ドナーのみについて記述されている。それらの全ての水素ドナーは、酵素反応の結果としてその色を変える。この変色は、電位差測定においては必要ない。後者の場合、上記検出部、例えば、HRPとの相互作用の結果としてのポリマーフィルムの酸化還元状態の変化の大きさのみが重要である。本発明の発明者等は、多数の無色物質が、HRPのための水素ドナーとして作用し、酸化還元状態の十分な変化をもたらして電位差測定を実施することができることを見出した。適切な水素ドナーは、ホースラディッシュペルオキシダーゼとの相互作用の結果として酸化還元状態の大きな変化を与える水素ドナーである。最も好ましくは、該水素ドナーは、上記モデル分析の規定された条件の下での、ホースラディッシュペルオキシダーゼとの相互作用の結果として、少なくとも10mVのセンサ電位差測定応答を実現できる水素ドナーである。適切な無色の水素ドナーの具体例は、コニフェロール(coniferol)、グアイアコール、MBTHである。電位差測定に用いる水素ドナーの濃度は、特定の水素ドナーにより、0.1〜100mMの範囲で変化させてもよい。水素ドナー自体及び/又は基質系における該ドナーの濃度を変更することにより、特定の分析物に対する測定範囲を広げる又はずらすことが可能である。
国際公開第00/11473号パンフレットにおいては、過酸化水素は、HRP基質として作用する。過酸化水素は、強力な酸化剤であるため、上記ポリマー層又は下にある電極に干渉することにより、測定結果に影響を及ぼす可能性がある。本発明においては、該過酸化水素は、有機又は無機酸化物である基質と置き換えてもよい。適切な基質としては、メチルヒドロペルオキシド、エチルヒドロペルオキシド、又はp−ニトロペルオキシ安息香酸及び過ホウ酸ナトリウムが挙げられる。上記基質の濃度は、基質の性質により、0.0005〜0.1%の範囲内で変化する。過ホウ酸ナトリウムの場合、好適な濃度は、0.03%である。
これらの水素ドナー及び過酸化水素基質の有用性は、明らかに、本願明細書中に記載した、酸化還元感度及び品質管理の評価のためのモデル分析システムに限定されない。実際に、これらの水素ドナー及び基質は、例えば、国際公開第00/11473号パンフレットに記載したサンドイッチ及び拮抗的な電位差測定分析法に類似した方法を用いて、様々な分析物の電位差測定分析に用いることができる。
これらの電位差測定分析法は、上記センサの表面が、ストレプトアビジンよりもむしろ当該の分析物のための固有の結合親和力を有する生体分子によって修飾されていることを除いて、上記モデル分析システムと類似している(分析物の固有結合生体分子は、国際公開第00/11473号パンフレットに記載したように、ビオチン/ストレプトアビジンと、該センサに吸着した、又は上記ポリマーコーティングに固定されたストレプトアビジンとの相互作用を介して、該センサに付着させてもよいことに注意)。酵素標識(例えば、ペルオキシダーゼ)の使用に基づく電位差測定分析の特徴は、国際公開第00/11473号パンフレットを参照することによって理解されるであろう。どの酵素プロセスも、上記センサの電位を変化させる電子伝達を含むので、HRP以外の酵素標識(例えば、他のペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ又はカタラーゼ)を用いることができる。
(国際公開第00/11473号パンフレットに記載された方法のような)酵素標識を用いた電気化学的検出からなる一般的な「サンドイッチ」電位差測定法は、
(a)導電性ポリマーコーティングを有する電位差測定センサを準備する工程であって、該コーティングが、試料中の検出すべき所望の分析物に結合することができる、該コーティング中に固定された、あるいは、該コーティングに吸着した受容体を有する工程と、
(b)上記センサを、前記分析物が、前記固定された又は吸着した受容体に結合するように、上記試料を含む検査溶液と接触させる工程と、
(c)上記センサを、固定された又は吸着した受容体に結合する場所とは異なる場所で、前記分析物に結合することができる第2の受容体を含む溶液に接触させる工程であって、前記第2の受容体が、少なくとも一つの酵素と共役する工程と、
(d)上記センサ及び参照電極の両方を塩基性電解質溶液に浸漬したときの、該センサと参照電極間の電位差を監視する工程と、
(e)上記センサ及び参照電極を、上記酵素のための基質を追加的に含むことを除いて、上記塩基性電解質溶液と同一の組成を有するエンハンサー電解質溶液に移し、該エンハンサー電解質溶液中に浸漬されたときの、該センサと参照電極間の電位差を監視する工程と、
(f)工程(d)及び(e)で得られた電位差の測定値の差を計算し、得られた結果を上記試料中の分析物の濃度と関連付ける工程と
を含む。
それに対して、(国際公開第00/11473号パンフレットに記載された方法のような)酵素標識を用いた電気化学的検出からなる一般的な「拮抗的な」電位差測定法は、
(a)導電性ポリマーコーティングを有する電位差測定センサを準備する工程であって、該コーティングが、試料中の検出すべき所望の分析物に結合することができる、該コーティング中に固定された、あるいは、該コーティングに吸着した受容体を有する工程と、
(b)上記センサを、前記所望の分析物が、前記固定された又は吸着した受容体に結合するように、上記試料を含む検査溶液と接触させる工程と、
(c)上記センサを、前記固定された又は吸着した受容体に結合することができる拮抗生体分子を含む溶液と接触させる工程であって、前記拮抗生体分子が、少なくとも一つの酵素と共役する工程と、
(d)上記センサ及び参照電極の両方を塩基性電解質溶液に浸漬したときの、該センサと参照電極間の電位差を監視する工程と、
(e)上記センサ及び参照電極を、上記酵素のための基質を追加的に含むことを除いて、上記塩基性電解質溶液と同一の組成を有するエンハンサー電解質溶液に移し、該エンハンサー電解質溶液中に浸漬されたときの、該センサと参照電極間の電位差を監視する工程と、
(f)工程(d)及び(e)で得られた電位差の測定値の差を計算し、得られた結果を上記試料中の分析物の濃度と関連付ける工程と
を含む。
本発明は、上述した一般的な分析の全ての特徴を有する方法であって、(i)ペルオキシダーゼ酵素標識が、任意に、ペルオキシダーゼ(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ)、グルコースオキシダーゼ及びカタラーゼから選択された別の酵素標識と共に使用され、(ii)塩基性及びエンハンサー電解質溶液が、上記ペルオキシダーゼとの相互作用の結果として、その酸化還元状態の大きな変化を示す水素ドナーを含み、それによって高電位差測定センサ応答を実現できることを特徴とする方法を提供する。
好ましくは、上記水素ドナーは、上記ペルオキシダーゼとの相互作用の結果として、分析物濃度の関心に対して、少なくとも10mVのセンサ電位差測定応答を可能にするであろう。
最も好適な水素ドナーとしては、それらに限定するものではないが、コニフェロール、グアイアコール及びMBTHが挙げられる。
また、分析は、グルコースオキシダーゼ又はカタラーゼを、ペルオキシダーゼのない酵素標識として用いて実施することができるが、この場合、水素ドナーを上記電解質に添加する必要はない。
本発明はさらに、上述した一般的な分析の全ての特徴を有する方法であって、(i)酵素がペルオキシダーゼ(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ)であり、(ii)該酵素基質が、過ホウ酸ナトリウム、過酸化水素又は有機過酸化物であることを特徴とする方法を提供する。これらの方法において、上記塩基性及びエンハンサー電解質溶液は水素ドナーを含むが、該水素ドナーの正確な性質は、限定されない。
(ペルオキシダーゼ酵素標識を有する)代替の水素ドナー及び酵素の異なる組合せ(例えば、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ等)を用いる可能性は、全体のシステムに対して追加的な柔軟性を付加し、本発明に対する可能な用途の範囲を広げる。
本発明は、以下の非限定の、実験に基づく実施例を参照してより理解されるであろう。
[実施例]
特に明記しない限り全ての試薬は、シグマ社から購入したものである。メルク社から購入したピロールは、蒸留によって精製し、−20℃でアリコートで保管した。
この第1の実施例は、電気化学重合のための溶液中のピロール濃度と、ポリピロールをベースとした電位差測定センサの分析感度との関係を示す。
作用電極は、電気化学めっきした金(〜30μm)でコーティングされた電着した銅(〜17μm)を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)支持体(〜125μm)を備える特注の平面電極とした。作用面積は、約1.0平方mmであった。電気化学重合のための水溶液は、支持電解質として作用する0.0002MのSDS(硫酸ドデシルナトリウム)を含み、ピロール濃度は、0.5M、0.3M、0.15M、0.05M、0.01M、0.005M、0.0025Mとした。溶液のうちの一つを、補助プラチナ電極及び参照電極(BAS)を備える、電気化学重合のためのセル内に配置した。1つの電気的接触を有する、1つのブロックにまとめられた8つの電極を上記セル内に配置し、作用領域を上記溶液中に浸漬した。均一な電流密度を形成するために、全ての電極を上記補助電極と並行に配置した。抵抗効果を最少化するために、上記参照電極は、上記作用電極から可能な限り近い距離に配置した。上記電気化学重合は、μAutolab II ポテンショスタット−ガルバノスタット(EcoChemie)を使用し、スキャン速度0.05V/秒で、4回、−0.2〜+1.7Vの周期電圧を印加することにより実施した。
重合後、上記センサを、脱イオン水が入った容器内に配置し、該水を(3時間の間、15分毎に)清水と規則正しく置換した。洗浄後、上記センサを、24時間の間37℃で定温器内に配置した。
酸化還元感度は、モデル分析を用いて検査した(ストレプトアビジンでコーティングされたポリピロールをベースとしたセンサは、ビオチン化ホースラディッシュペルオキシダーゼと反応する)。
乾燥したセンサは、ストレプトアビジン溶液(燐酸カリウム緩衝液(0.05M、pH8.0)中に40μg/mlのストレプトアビジン)中に24時間、+4℃で配置した。吸着後、上記センサを、10%の水性スクロース溶液中に1〜2分間置き、その後、乾燥させた。この工程の後、該センサは、長期間、箔にしておくことが可能である。評価する期間は、少なくとも12カ月である。
この実施例においては、上記保護スクロース膜は、次の分析の前に、反応緩衝剤(0.1M燐酸カリウム緩衝液、pH7.8)で洗浄することによって除去した。しかし、該スクロース層をこの段階で除去することは、重要なことではない。スクロースをコーティングしたセンサは、分析物(この場合、ビオチン化HRP)を含む溶液と接触させることができる。スクロースはかなり溶解しやすく、急速に分解する。また、反応容器内のスクロースの存在は、分析自体には影響を及ぼさない。この実施例においては、上記保護スクロース膜を洗浄した後、ストレプトアビジンをコーティングしたセンサを、様々な濃度のビオチン化HRPと共に反応緩衝液内で保温し、洗浄し、電位差測定まで、該緩衝液内に置く。
国際公開第00/11473号パンフレットに詳細に記載した電位差測定の方法は、2つの工程を組み合わせる。一般に、第1の電位差測定は、水素ドナーを含有する第1の電解質溶液(塩基性溶液ともいう)中で(Ag/AgCl参照電極に対して)行われる。第2の電位差測定は、上記塩基性溶液と同じ化学的成分を有するが、酵素基質が添加されている第2の電解質溶液(エンハンサー溶液ともいう)中で(Ag/AgCl参照電極に対して)行われる。試料中の分析物の濃度に関連する2つの電位の差は、ミリボルトで測定される。上記塩基性溶液中の水素ドナーの存在は、最終結果に対する水素ドナー自体の寄与を排除するために好ましい。
測定は、(それらの実験室で構成された)測定セルを備える測定装置を使用して行った。上記センサは該測定セル内に配置し、上記塩基性溶液を注入した後、設定パラメータに従った上記エンハンサー溶液と置換した。結果は、特注のソフトウェアで算出した。
この実施例において、上記塩基性溶液は、0.05Mのクエン酸ナトリウム緩衝液、pH5.0中の100mMのOPD(o−フェニレンジアミン)とした。過ホウ酸ナトリウム(0.03%)は、上記エンハンサー溶液中のHRPのための基質として使用した。第1の電位差測定は、20秒で行い、第2の電位差測定は、60秒で行った。
電位差測定応答と、異なる濃度のピロールを有する溶液から成長させたポリピロール膜を有するセンサのためのHRPの濃度との関係を、図1aに示す。
ポリピロールをベースとしたセンサの応答は、電気化学重合のための溶液中のモノマーの濃度に強く依存する。信号と、特定のHRP濃度に対する重合溶液中のピロール濃度との関係を、図1b(0.1ng/ml HRP)、図1c(1.0ng/ml HRP)及び図1d(10ng/ml HRP)に示す。
該信号は、通常、重合溶液中のピロール濃度の減少に伴って増加する。信号の最大の増加は、0.0025M〜0.015Mのピロールを有する溶液から生成したセンサの場合に認められる。(10ng/mlの場合0.005M、図1d)。
上述したように、この効果は、高感度のポリマーをベースとしたセンサの製造に対して、他の研究者が考慮してこなかった、ピロール濃度の範囲内で観察される。
この実施例は、電気化学重合のための溶液中のモノマーの濃度が、高感度電位差測定センサの製造のための重要なファクターの一つであることを明らかにした。
この実施例は、電気化学重合のための溶液中の支持電解質の濃度と、ポリピロールをベースとした電位差測定センサの分析感度との関係を明らかにする。
該電位差測定センサは、実施例1と同様に前処理し、電気化学重合のための水溶液中のモノマー濃度が固定されている(0.005M)という違いがある。SDS(支持電解質)は、次のような濃度、すなわち、0.0001M、0.00015M、0.0002M、0.0004M、0.001M、0.002Mで使用した。該センサは、重合後に処理し、上記分析感度は、0〜10ng/mlの範囲内のビオチン化HRP濃度を用いて、実施例1と同様に検査した。
電位差測定応答と、異なる濃度のSDSを有する溶液から成長させたポリピロール膜を有するセンサのための、ビオチン化HRPの濃度との関係を、図2aに示す。ポリピロールをベースとしたセンサの応答は、電気化学重合のための溶液中の支持電解質の濃度に強く依存する。
信号と、特定のビオチン化HRP濃度に対する重合溶液中のSDSの濃度との関係を、図2b(0.1ng/ml HRP)、図2c(1.0ng/ml ビオチン化HRP)及び図2d(10ng/ml ビオチン化HRP)に示す。該曲線は、0.0002M SDSにピークを有し、ビオチン化HRP濃度が1.0ng/ml以下の場合、0.0001Mでのセンサ応答の急激な増加の後、0.00015Mで急降下する。
重合溶液中のSDS濃度と、電位差測定センサの分析感度との関係は、複雑である。一方において、SDSは、一定の電気化学的特性を上記ポリマーフィルムに与えるドーパントイオンとして作用し、該SDS濃度の変化は、該センサの分析感度の変化をもたらす(図2、a、b、c、d参照)。他方において、SDSは、上記重合溶液に一定の導電率を与え、かつポリマーフィルムの厚さを規定する一定の電流密度を与える支持電解質として作用する。より高いSDS濃度を有する重合溶液から成長させたポリマーフィルムはより厚い。
最も低いSDS濃度(0.0001M)を有する溶液から形成したポリマーフィルムは、均一でない。電位差測定応答は、酵素反応の結果として、該ポリマーから部分的に得られ、また、基質の存在の結果として表面に現れる露出した金によって部分的に得られる。露出した金の反応の寄与は、0ng/mlのビオチン化HRPにおいてはっきりと分かる。
両実施例とも、モノマー及び支持電解質の濃度、及びそれらの比が、ポリマーをベースとする電位差測定センサの分析感度の重要なファクターであることを証明している。また、該実施例は、電気化学合成のパラメータを変えることによって、分析感度及び測定範囲を調整する可能性を示す。
この実施例は、重合プロセスのパラメータと、ポリマーをベースとする電位差測定センサの分析感度との関係を明らかにする。
40の電極を、一つの電気的接触を有する1つのブロックにまとめた。該電極は、丸いセルの外周部に配置した。Ag/AgCl参照電極は、該セルの中心に配置した。補助電極は、上記40の作用電極の各々から等距離にある上記セルの底部に固定されたプラチナの金網とした。この円形上の配置は、全ての作用電極に対して均一な電流密度を与えるために選択された。上述の実験(実施例1、2参照)において最適だと分かったピロール(0.005M)及びSDS(0.0002M)の濃度を有する重合溶液を用いた。
電気化学重合は、μAutolab II ポテンショスタット−ガルバノスタット(EcoChemie)を使用し、スキャン速度0.05V/秒で、4回、周期電圧を印加することにより実施した。下限電圧は、−0.2V(実施例1と同じ)とした。上限電圧は、1.4〜2.0Vの範囲で変化させた。センサは、上述の実施例で記載したように、重合後に処理し、分析感度は、0〜10ng/mlのビオチン化HRP濃度を用いて、実施例1と同様に検査した。
その結果によれば、該センサの分析応答及び曲線の形状(信号−HRP濃度)は、上限電圧によって影響を受ける(図3)。
上限電圧は、電位差測定センサの電位差測定感度とって別の重要なファクターである。該上限電圧は、上記ポリマーフィルムの酸化還元状態及びその厚さの原因であり、それは表面積単位毎に通過する総電荷量に依存する。
該実施例は、モノマー及び支持電解質の濃度、該モノマーと支持電解質との比、印加する周期電圧の範囲が、ポリピロールをベースとするセンサの分析感度に相乗作用的に影響を及ぼすという、本発明の主要な主張の一つを証明する。
上述した方法によって製造したセンサが、公知の電位差測定センサよりも高い感度を有し、かつ広範囲の分析の電位差測定分析に用いることができるということに言及すべきである。
この実施例は、分析感度に対する、電気化学合成の定電流法における作用電極を流れる電荷量の影響を明らかにする。
40の電極を、1つの電気的接触を有する1つのブロックにまとめた。電極は、丸いセルの外周部に配置した。Ag/AgCl参照電極は、該セルの中心に配置した。補助電極は、上記40の作用電極の各々から等距離にある上記セルの底部に固定されたプラチナのワイヤとした。上述の実験(実施例1、2参照)において最適だと分かったピロール(0.005M)及びSDS(0.0002M)の濃度を有する重合溶液を用いた。
電気化学重合は、μAutolab II ポテンショスタット/ガルバノスタット(EcoChemie)を使用し、コーティングすべき電極と、補助電極との間に、3つの連続する異なる電流密度を印加することにより実施した。用いた電流密度は、第1、第2及び第3段階に対してそれぞれ、0.1mA/cm、0.15mA/cm及び0mA/cmである。該第1の電流密度の期間は、300〜900秒の間で変化させた。上記第2及び最後の電流密度のレベルの期間は、一定(それぞれ、23秒及び5秒)に保った。従って、結果として生じる電荷量は、33.5〜93.5mC/cmであった。
結果として生じるセンサは、上述の実施例で記載したように、重合後に処理し、それらの分析感度は、0〜10ng/mlの範囲のビオチン化HRP濃度を用いて、実施例1と同様に検査した。
上記センサの応答及び「信号−HRP濃度」曲線の形状は、重合プロセス中に電極を流れる電荷量に依存する(図4)。
この実施例は、モノマー及び支持電解質の濃度、該モノマーと支持電解質との比、重合中に電極を流れる電荷量が、ポリピロールをベースとするセンサの分析感度に相乗作用的に影響を及ぼすという、本発明の主要な主張の一つを証明する。
この実施例は、センサの分析感度に対して、一つ以上の重合法を適用する影響について明らかにする。
2つの重合法、すなわち、従来の定電流法と、定電流法と変動電圧法を組み合わせた方法とを用いた。どちらの場合の総電荷量、及び結果としての上記ポリマーフィルムの厚さは、同じであった。
定電流法及び変動電圧法は、実施例4で前述した重合溶液濃度及び重合セル形態を用いて連続的に実施した。電気化学重合は、μAutolab II ポテンショスタット/ガルバノスタット(EcoChemie)を使用し、定電流密度は、スキャン速度0.05V/秒及び2.44mVのステップ電位での単一の周期的電圧スキャンに従って、150秒間に対して0.1mA/cm(15mC/cm)とした。下限電圧は、−0.2Vである。上限電圧は、1.90Vである(手順1)。定電流法は、300秒間、0.1mA/cmの電流密度で実施し(手順2)、これは、手順1とほぼ同じ電荷量(15mC/cm)を示した。他のパラメータは、手順1の場合と同じものとした。
結果として得られたセンサは、前述の実施例で記載したように重合後に処理し、それらの分析感度は、2つの濃度(0及び0.1ng/ml)のビオチン化HRPを用いて実施例1と同様に検査した。その結果を以下の表に示す。
Figure 0004567333

この実施例は、2つの重合法の適用の影響について明らかにする。変動電圧工程は、定電流法において、一つのレベル以上の電流を使用することにより模倣することができる(前記及び次の実施例参照)。
2つ又はそれ以上の方法の適用は、上記ポリマーフィルムの酸化還元特性のより精密な制御を可能にし、結果として、上記センサの分析感度を調整できるようにする。

この実施例は、定電流法のためのパラメータを変化させることにより、電気化学ポリマー成膜を、特定の分析の要求に適するように調整することができることを明らかにする。図5において、「方法1」は、高「感度」(0〜0.1ng/ml応答)であるが低「ダイナミック」レンジ(0〜10ng/ml応答)であるセンサを形成する。「方法3」を用いて形成したセンサは、より大きなダイナミックレンジを有するが、感度がより低い。電気化学重合は、μAutolab II(EcoChemie)コンピュータ制御電気化学測定システムを使用して実施した。円形デザイン(直径=1.5mm)からなる40の電極を、プラチナ補助電極と平行な直線状セル内に配置した。該セルは、ピロール(7.5mM)及びSDS(0.17mM)を含有する水溶液で満たした。ポリマーは、13〜24mC/cmの総通過電荷を与える一連の電流工程が実施される定電流法を用いて、上記電極上に成膜した。該電気化学ポリマー成長が完了した後、前述の実施例に記載したようにセンサを処理し、それらの分析感度を、0〜10ng/mlのビオチンHRP濃度を用いて測定した。
この実施例は、異なる形状デザインの電極が、同じ濃度のビオチン化HRPに対して、わずかに異なる応答をするセンサを形成することを明らかにする。図6において、円形デザイン(直径=1.5mm)を、直線状デザイン(長さ=1mm、幅=0.25mm)と比較した。該円形デザインの電極は、該直線状デザインよりも低いダイナミックレンジ及び低い感度を有するセンサを形成する。
どちらのセンサも、前述の実施例で記載した条件を伴う定電流法を用いて形成した。ポリマー成長中の総通過電流は、上記円形電極の場合、24mC/cmであり、上記直線タイプの電極の場合、210mC/cmであった。
参考文献・論文
以下の文献、論文の内容は、参照することで本明細書に援用されるべきものである。
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図1a〜図1dはストレプトアビジンがコーティングされたポリピロール電位差測定センサからの電位差測定応答と、異なる濃度のピロールを含有する重合溶液から成長したポリピロール膜がコーティングされた電位差測定センサのためのビオチン化ホースラディッシュペルオキシダーゼ(Bt−HRP)の濃度との関係を示す。 図2a〜図2dはストレプトアビジンがコーティングされたポリピロール電位差測定センサからの電位差測定応答と、異なる濃度のSDSを含有する重合溶液から成長したポリピロール膜がコーティングされた電位差測定センサのためのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)の濃度との関係を示す。 分析応答時の上限電位における変動の結果と、ポリピロールをコーティングした電位差センサの場合の曲線の形状(信号対HRP濃度)とを示す。 分析応答時の、作用電極を流れる電荷量の変動の結果と、ポリピロールをコーティングした電位差センサの場合の構成曲線の形状とを示す。 ビオチン化HRP(Bt−HRP)に対する応答時の、種々の定電流ポリピロール成長法の結果を示す。各成長法は、各工程を、10〜1000秒間実施することができる一連の定電流制御電流工程からなる。 ビオチン化HRP(Bt−HRP)に対する応答時の電極デザインの結果を示す。「直線状」電極デザインは、該電極の幅が、該電極の長さよりもかなり小さい電極デザインからなる。「円形」デザインは、円形又はディスク状の電極からなる。

Claims (22)

  1. 導電性電極に導電性ポリマーをコーティングすることにより、高感度の電位差測定センサを製造する方法であって、
    (a)0.002〜0.05Mの範囲の濃度の導電性ポリマーを構成するために重合されるモノマー単位と、ドーピング剤としても作用する、0.0001〜0.005Mの範囲の濃度の支持電解質とを備える、電気化学重合のための水溶液を作成する工程と、
    (b)電気化学重合のための前記水溶液と、補助電極と、導電性ポリマーがコーティングされる一つ又はそれ以上の作用電極と、任意の参照電極とを備える電気化学重合セルを構成する工程と、
    (c)以下の電気化学的方法、すなわち、
    (i)コーティングされる前記作用電極と前記参照電極との間に、当該参照電極に対して−0.2〜+0.2Vの範囲の周期的な電圧を印加することと、
    (ii)所定時間、コーティングされる作用電極と補助電極との間に、0.01〜1mA/cmの範囲の所定の電流密度を有する電流を印加する電流工程を単一回又は複数回行い、作用電極を流れる電荷の総量を10〜250mC/cm の範囲内とすることと、
    (iii)所定時間、コーティングされる作用電極と参照電極との間に、0〜3Vの範囲の所定の電圧を印加する電圧工程を単一回又は複数回に分けて行い、作用電極を流れる電荷の総量を10〜250mC/cm の範囲内とすること
    うちの少なくとも一つを用いた、前記電気化学重合溶液からのポリマーの電気化学合成によって、前記作用電極にポリマーフィルムをコーティングする工程と
    を含む方法。
  2. 導電性ポリマーで導電性電極をコーティングすることにより高感度電位差測定センサを製造する方法であって、工程(c)において、2つ又はそれ以上の電流工程が定電流法において適用される、請求項1に記載の方法。
  3. 導電性ポリマーで導電性電極をコーティングすることにより高感度電位差測定センサを製造する方法であって、工程(c)において、2つ又はそれ以上の電圧工程が定電圧法において適用される、請求項1に記載の方法。
  4. 導電性ポリマーで導電性電極をコーティングすることにより高感度電位差測定センサを製造する方法であって、工程(c)において、定電流法、変動電圧法、定電圧法から選択された、2つ又はそれ以上の重合法が適用される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記方法(i)において、周期電圧が、1〜15周期印加される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記方法(ii)において、施す電流工程の数が、1〜5である、請求項1に記載の方法。
  7. 工程(c)において、前記電気化学法(i)、(ii)、及び(iii)、前記電気化学重合溶液からのポリマーの電気化学合成により、前記電極をポリマーフィルムでコーティングするために、連続的又はいずれかの組合せで実行される、請求項1に記載の方法。
  8. 工程(c)が、電気化学法(i)及び(ii)又は(ii)及び(iii)を連続的に実行することを備える、請求項2に記載の方法。
  9. 前記電気化学重合溶液中の、前記導電性ポリマーを構成するために重合されるモノマー単位と支持電解質の濃度の比が、2:1〜30:1の範囲である、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記電気化学重合溶液中の、前記導電性ポリマーを構成するために重合されるモノマー単位と支持電解質の濃度の比が、5:1〜30:1の範囲である、請求項に記載の方法。
  11. 前記電気化学重合溶液中の、前記導電性ポリマーを構成するために重合されるモノマー単位と支持電解質の濃度の比が、25:1程度である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記導電性ポリマーを構成するために重合されるモノマー単位が、ピロール、チオフェン、フラン又はそれらの混合物である、請求項1〜請求項1のいずれか一項に記載の方法。
  13. 硫酸ドデシルナトリウムを前記支持電解質として使用する、請求項1〜請求項1のいずれか一項に記載の方法。
  14. 単一の重合反応での2つ又はそれ以上の高感度電位差測定センサの製造に用いる方法であって、工程(b)の電気化学重合のための前記セルにおいて、コーティングすべき2つ又はそれ以上の電極が、1つの共通の電気的接触を有する1つのユニットに組み合わせられる、請求項1〜請求項1のいずれか一項に記載の方法。
  15. 変動電圧法又は定電流法でコーティングすべき全ての電極が、前記補助電極から等距離に配置されている、請求項1に記載の方法。
  16. コーティングすべき全ての電極が、前記参照電極から等距離に配置されている、請求項1又は請求項1に記載の方法。
  17. (d)工程(c)で得られた、導電性ポリマーをコーティングした電極を、脱イオン水中で洗浄する工程と、
    (e)前記導電性ポリマー層から非結合水を除去する工程とからなる追加的な工程と
    を更に含む、請求項1〜請求項1のいずれか一項に記載の方法。
  18. 工程(d)において、導電性ポリマーをコーティングした電極を、前記導電性ポリマーを構成するために重合されるモノマー単位及び支持電解質が検出できなくなるまで、脱イオン水で洗浄する、請求項1に記載の方法。
  19. 工程(e)において、前記非結合水が、前記電極を恒温器内で少なくとも8時間加熱することにより、前記導電性ポリマー層から除去される、請求項1又は請求項1に記載の方法。
  20. 前記加熱温度が、25〜50℃の範囲内である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記加熱温度が、30〜40℃の範囲内である、請求項20に記載の方法。
  22. 工程(e)において、前記非結合水が、凍結乾燥によって前記導電性ポリマー層から除去される、請求項1又は請求項1に記載の方法。
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