JP4566671B2 - 移動通信端末および移動通信端末のデータ受信方法 - Google Patents
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Description
EVDO方式の下り(基地局から移動通信端末への送信)の無線インタフェースの構成は、1x方式とは大きく異なる。すなわち、変調方式は移動通信端末の受信状態に応じてQPSK,8PSK,16QAMを使用し、多重方式は符号分割多重アクセスではなく、時分割多重アクセス(TDMA:Time Division Multiplex Access)が使われる。
TDMAでは、従来のPDC(Personal Digital Cellular)等とは大きく異なり、基地局側は、スロット毎に通信を行う端末を決定(スケジューリング)するようになっている。
たとえば、下記特許文献1では、基地局の送信能力を効率良く使用するためのスロットの割り当てに関する技術について開示され、下記特許文献2では、下りのデータ通信における誤り率とデータレート(通信速度)を最適化する技術について開示されている。
そして、ダイバシティ受信が可能な例えばEVDO方式の移動通信端末においても消費電力のさらなる低減が求められている。
好適には、前記受信制御部は、前記第1のデータレートが前記第2のデータレートに達していない場合には、当該第1のデータレートと前記第2のデータレートとが等しくなるように、前記増幅器の基準信号を調整し、前記第1のデータレートが前記第2のデータレートに達したならば、当該第2のデータレートをもってデータ送信を行うことをネットワークに対して要求する。
をさらに有する。
図1は、本発明に係る移動通信端末としての携帯電話機が適用される無線通信システムの一実施形態を示すシステム構成図である。
なお、添付図面においては、携帯電話機10をMS(Mobile station)、基地局20をBS(Base station)、と略記することがある。
なお、無線通信部11およびCPU16は、本発明の受信制御部の一実施形態である。
また、無線通信部11は、サーバ装置40から通信網30、基地局20を介して送信されてくる画像データ、音声情報、電子メール等を、送受信アンテナを通して受信し、受信した各種情報を復調してCPU16に出力する。
なお、メインアンテナ111および第1の受信回路114、サブアンテナ112および第2の受信回路115は、それぞれ本発明の受信系統の一実施形態である。
図3に示すように、各受信回路は、不要周波数帯域からの混信を防ぐためのバンドパスフィルタ(BPF)201、受信信号を増幅するための低雑音増幅器(以下、LNA:Low Noise Amplifierと略記する)、ベースバンド帯域の受信信号から多重化信号に復調するための混合器203を含んで構成される。本実施形態においては、たとえばQPSK(quadrature phase shift keying )、8PSK(8-position quadrature phase shift keying)、16QAM(16-position phase amplitude modulation )の3種のいずれかの復調方式によって復調を行う。
具体的には、LNA202に対して、ゲイン制御とリファレンス電流の制御が行われる。ゲイン制御では、ソフトウエア上でゲインモードをセットすることにより行われる複数のステップのゲイン設定を行う処理、リファレンス電流の制御では、各ステップのゲインにおいて、LNA202の増幅のためのリファレンス電流の調整を行う処理、が含まれる。リファレンス電流の制御は、LNA202に印加される電圧を制御することで、増幅の際のリファレンス電流を調整することにより行われる。
また、混合器203に対しても、同様に、ベースバンド部117から印加電圧を制御する。以上により、ベースバンド部117により、受信信号ラインの消費電流を可変とする構成となっている。
なお、ベースバンド部117により行われる複数のステップのゲイン制御は、本発明のゲイン設定手段の一実施形態であり、各ステップにおけるリファレンス電流の制御は、本発明の基準信号調整手段の一実施形態である。
ベースバンド部117は、CPU16によりダイバシティ受信を行うか否かを制御される。ダイバシティ受信を行う場合には、第1および第2の受信回路114,115から得られた信号を最大比合成法や最小平均自乗誤差法により合成し、フェージング環境での受信性能の劣化を補う。
ここで、自局に割り当てられた受信データ(たとえば、通話相手からの通話信号やダウンロードを希望したデータ等)があった場合には、受信データを復号器からCPU16に出力する。
CDMA方式の携帯電話機では、受信した多重化信号の電界強度を算出した後、スペクトル逆拡散することで、自機宛の受信信号の電界強度を算出する。Ec/Ioは、多重化信号の電界強度と自機宛の受信信号の電界強度との比率である。なお、Ec/Ioの大きさに応じて、アンテナピクトにより受信状態が表示部13上に表示される。
Ec/Ioは、本発明の受信状態情報の一実施形態である。
CIR=(Ec/Io)/(1-Ec/Io) …(1)
ここでの予測の方法については、特に限定しないが、線形予測等の方法が例として挙げられる。また、予測器が何スロット後のCIRを予測すればよいかを指示する情報は、携帯電話機10の電源オン時に基地局20から送信されてくる種々の制御信号に含まれている。そして、予測器によって求められた予測CIRは、図示しないCIR−DRC変換部に供給される。
なお、DRCは、本発明の第1のデータレートの一実施形態である。
ベースバンド部117は、CPU16からの受信回路設定値に基づいて、各受信回路(第1の受信回路114および第2の受信回路115)のLNA202および混合器203に対して必要な制御値をセットする。すなわち、LNA202に対するソフトウエアによるゲイン設定や、リファレンス電流を調整するためのLNA202および混合器203に対する印加電圧の設定を行う。
また、表示部13は、CPU16の制御に従って、表示部にWeb表示などを行っているときに、画面の更新(次の頁の要求や、検索開始ボタンなど)を指示するカーソル(枠や矢印)を複数の表示形式で表示する。
音声処理部15は、無線通信モードにおいて、マイクロフォン15bにより収音した音声に対して所定の処理を行ってCPU16に出力する。
音声処理部15は、CPU16により供給された音声情報に対して所定の処理を行ってスピーカ15aから放音させる。
たとえば、CPU16は、無線通信部11における各種情報の無線による送受信の制御、音声処理部15に対する音声情報の処理、表示部13への情報の表示、カーソルの表示形式の変更制御、および点灯制御、操作部14の入力情報に応じた処理、メモリ12に対するアクセス制御等を行う。
CPU16は、DRCプログラムの実行結果であるデータレートODR1〜ODR3と、当該データレートを実現するための受信回路の設定値とを、ベースバンド部117に送出する。DRCプログラムの処理内容については、後述する。
なお、図4では、携帯電話機10(MS)の内部における、ベースバンド部117とCPU16間で行われるデータフローについても示している。ここで、CPU16は、入力データに基づいて、主としてDRCプログラムを実行する。
携帯電話機10は、基地局20より転送データ情報を受信する(図6のステップST10)。なお、図4に示すフローの初期状態においては、携帯電話機10は、ダイバシティ受信を行わない状態で転送データ情報を受信する。
なお、一般のEVDO方式の携帯電話機では、基地局20からのデータ送信におけるデータレートを決定するために、DRCを基地局20に送信するが、本実施形態の無線通信システムでは、このDRCを現段階ではそのまま基地局20に送信するわけではない。
図7に示す例において、(a)はEc/Ioにより示される受信状況が「最良」である場合、たとえばEc/Ioに対する所定の閾値に基づいて、アンテナピクトにより3本表示されている場合を示し、(b)はEc/Ioにより示される受信状況が「良好」である場合、たとえばEc/Ioに対する所定の閾値に基づいて、アンテナピクトにより2本表示されている場合を示す。なお、アンテナピクトとは、ユーザに電波状態を知らせるために表示部13に表示するアイコンの一種であって、一般的には、「非常に不安定」から「最良」までを0本から3本で示し、「サービスエリア外」を「圏外」として表示するものである。
なお、ODR0は、本発明の第2のデータレートの一実施形態である。
たとえば、図7に示す例において、Ec/Ioにより示される受信状況が「最良」であり、転送データ量が1Mバイト以上である場合には、ODR0が500kbpsと算出されたので、DRCが500kbps以上であるときに、ODR1は500kbpsとなり、DRCが500kbps未満であるときに、ODR1はDRCと同一の値となる。
図7に示す例では、Ec/Ioにより示される受信状況が「最良」である場合には、ODR1の値に関わらず、ダイバシティ受信が不要であると判断し、ダイバシティ受信効果要求を行わない。Ec/Ioにより示される受信状況が「良好」である場合には、DRCの値がODR0未満である場合には、ダイバシティ受信によりEc/Ioが増加する可能性があるため、ダイバシティ受信効果要求を行う。
CPU16は、DRCプログラムが算出したODR2をベースバンド部117へ出力する(図4(i))。
なお、ODR2は、本発明の第3のデータレートの一実施形態である。
また、同じゲインステップ(たとえば、GAIN_0)において、消費電流を細かく制御できるように、リファレンス電流を調整する。たとえば、ゲインステップがGAIN_0の場合に、リファレンス電流調整値をREF_0→REF_1→REF_2と変化させると、消費電流が微増する。
図9に示すように、各ステップにおけるゲイン設定により、消費電流は、Range0_L〜Range0_H、Range1_L〜Range1_H、Range2_L〜Range2_H、Range3_L〜Range3_H、Range4_L〜Range4_Hの領域をとることができ、各ステップのゲイン設定において、リファレンス電流を調整することで各領域内の消費電流を調整することができる。
その際には、まず、初期状態ではGAIN_5およびREF_5に設定されているので、GAIN_5を維持したまま、REF_5をREF_5→REF_4→…と変化させ、対応するデータレートがODR0もしくはODR1を満足するか否かを逐次チェックする。リファレンス電流の調整のみではODR0もしくはODR1を満足できない場合には、ゲインステップの設定をGAIN_5からGAIN_4に変化させ、同様にリファレンス電流を変化させて、ODR0もしくはODR1を満足するか否かを逐次チェックする。
以上のようにして、ODR0もしくはODR1を満足する最も低いゲイン(すなわち、最も小さい消費電流)が得られる受信回路設定値を算出する。
たとえば、受信回路設定値を変更したことにより、ODR1もしくはODR2がODR0とほぼ同じ値になった場合には、これ以上受信回路設定値を変更しても受信性能が向上しないことがわかるので、その時点で受信回路設定値を確定させるようにしてもよい。
データ送信中(ダウンロード中)には、携帯電話機10は、現在までに取得したデータ量(取得データ量)を監視し、その取得データ量を基地局20(BS)へ送信する(図4(o)、ステップST5)。そして、基地局20より更新された転送データ情報(図5のステップST6)に基づいて、図6に示すフローチャートの処理を所定の間隔毎に実行する。これにより、携帯電話機10では、転送データ情報に応じた最適なデータレートを逐次算出することが可能となる。
すなわち、ダウンロードが進行するにつれて、転送データ量が低減していくので、より小さなDRCで必要十分なデータレートであるODR0を満足することができるようになる。したがって、ダウンロードが進行するにつれて、より消費電流が低い受信回路設定値とすることができる。
回線切断要求を行った後は、携帯電話機10は、受信回路設定値をデフォルトの値(GAIN_0およびREF_0)に戻すとともに、ダイバシティ受信に設定されていればダイバシティ受信を解除する。
すなわち、トラフィックが空いている深夜の時間帯でなされる、蓄積配信等のPush型情報のデータ通信について、高いデータレートを必要としないので、昼間時間帯よりもODR0を小さい値に設定しておくことができる。これにより、蓄積配信等において、ダイバシティ受信が選択され、無駄に電力を消費することがなくなる。
Claims (8)
- 複数の受信系統と、
前記複数の受信系統からそれぞれ受信した受信信号に基づいて、ダイバシティ受信を行うか否かを制御する受信制御部と、を有し、
前記受信制御部は、
前記受信信号に基づいて受信状態情報を算出し、当該受信状態情報に基づいた予測データレートである第1のデータレートを決定し、
前記第1のデータレートが所定の第2のデータレートに達している場合には、ダイバシティ受信を行わず、かつ当該第2のデータレートをもってデータ送信を行うことをネットワークに対して要求し、
前記第1のデータレートが前記第2のデータレートに達していない場合には、ダイバシティ受信を行い、ダイバシティ受信を行った場合の受信状態情報に基づいた予測データレートである第3のデータレートを決定し、
前記第3のデータレートが前記第2のデータレートに達している場合には、当該第2のデータレートをもってデータ通信を行うことをネットワークに対して要求し、
前記第3のデータレートが前記第2のデータレートに達していない場合には、前記第3のデータレートをもってデータ通信を行うことをネットワークに対して要求し、
前記第2のデータレートは、
受信状態が良好な場合に、受信状態が良好でない場合よりも高い値に設定される
ことを特徴とする移動通信端末。 - 前記受信制御部は、ネットワークから受信するデータのデータ量を取得し、当該データ量に応じて、前記第2のデータレートの値を変更する
ことを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。 - 前記受信制御部は、
前記第1のデータレートが前記第2のデータレートに達していない場合には、ダイバシティ受信を行うことにより受信信号の強度が増加するか否かを、前記受信状態情報に基づいてさらに判断し、
前記判断の結果、ダイバシティ受信を行うことにより受信信号の強度が増加しない場合はダイバシティ受信を行わず、かつ前記第1のデータレートをもってデータ通信を行うことを前記ネットワークに対して要求せず、
ダイバシティ受信を行うことにより受信信号の強度が増加する場合にダイバシティ受信を行う、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の移動通信端末。 - 前記受信系統は、受信信号を増幅する増幅器を含み、
前記受信制御部は、
前記増幅器に対し、複数段階のゲイン設定を有するゲイン設定手段と、
前記増幅器の基準信号を調整し、前記増幅器の出力信号を変更する基準信号調整手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の移動通信端末。 - 前記受信制御部は、前記第1のデータレートが前記第2のデータレートに達していない場合には、当該第1のデータレートと前記第2のデータレートとが等しくなるように前記増幅器の基準信号を調整し、前記第1のデータレートが前記第2のデータレートに達したならば、当該第2のデータレートをもってデータ送信を行うことをネットワークに対して要求する
ことを特徴とする請求項4記載の移動通信端末。 - 前記受信系統は、受信信号を増幅する増幅器を含み、
前記受信制御部は、
前記増幅器に対し、複数段階のゲイン設定を有するゲイン設定手段と、
前記増幅器の基準信号を調整し、前記増幅器の出力信号を変更する基準信号調整手段と、を有するとともに、
前記第3のデータレートが前記第2のデータレートに達していない場合には、前記第3のデータレートと前記第2のデータレートが等しくなるように、前記増幅器の基準信号を調整し、前記第3のデータレートが前記第2のデータレートに達したならば、前記第2のデータレートをもってデータ送信を行うことをネットワークに対して要求する
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。 - 複数の受信系統を有し、ダイバシティ受信を行うことが可能な移動通信端末のデータ受信方法であって、
受信信号に基づいて受信状態情報を算出するステップと、
当該受信状態情報に基づいた予測データレートである第1のデータレートを決定するステップと、
当該第1のデータレートが所定の第2のデータレートに達しているか否か判断するステップと、
前記第1のデータレートが前記第2のデータレートに達している場合には、ダイバシティ受信を行わず、当該第2のデータレートをもってデータ送信を行うことをネットワークに対して要求するステップと、
前記第1のデータレートが前記第2のデータレートに達していない場合には、ダイバシティ受信を行い、ダイバシティ受信を行った場合の受信状態情報に基づいた予測データレートである第3のデータレートを決定するステップと、
前記第3のデータレートが前記第2のデータレートに達している場合には、当該第2のデータレートをもってデータ通信を行うことをネットワークに対して要求するステップと、
前記第3のデータレートが前記第2のデータレートに達していない場合には、前記第3のデータレートをもってデータ通信を行うことをネットワークに対して要求するステップと、
前記第2のデータレートを、受信状態が良好な場合に、受信状態が良好でない場合よりも高い値に設定するステップと、
前記ネットワークからデータを受信するステップと、
を有することを特徴とする移動通信端末のデータ受信方法。 - 前記第1のデータレートが前記第2のデータレートに達していない場合には、ダイバシティ受信を行うことにより受信信号の強度が増加するか否かを、前記受信状態情報に基づいて判断するステップと、
ダイバシティ受信を行うことにより受信信号の強度が増加する場合にはダイバシティ受信を行い、受信信号の強度が増加しない場合はダイバシティ受信を行わないステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項7記載の移動通信端末のデータ受信方法。
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