JP4566481B2 - 成形機の型締装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形機の型締装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機等の成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され、溶融させられた樹脂を高圧で射出して金型装置のキャビティ空間に充填(てん)し、該キャビティ空間内において樹脂を冷却し、固化させることによって成形品を成形するようになっている。
【0003】
そのために、前記金型装置は固定金型及び可動金型から成り、型締装置によって前記可動金型を進退させ、前記固定金型に対して接離させることによって、型開閉、すなわち、型閉、型締及び型開を行うことができるようになっている。そして、前記型締装置は、固定金型を保持する固定プラテン及び可動金型を保持する可動プラテンを有し、前記可動プラテンを進退させる開閉装置としての油圧回路によって油圧シリンダ装置を駆動することによって作動させられる。
【0004】
また、可動金型の金型面と固定金型の金型面との間にバネを配設した金型装置が採用されている。この場合、型開の際に、前記可動金型は、固定金型から離れる方向に前記バネによって押されるので、型開が確実に行われる。
【0005】
図2は従来の射出成形機の型締装置の構成を示す概略図である。
【0006】
図において50は油圧回路である。そして、51は射出成形機の型締装置における駆動源としてのシングルロッド型の油圧シリンダ装置であり、ヘッド側油圧室51a、ロッド側油圧室51b、ピストン51c及びロッド51dとを有する。また、前記ヘッド側油圧室51a、ロッド側油圧室51bには第1管路52a及び第2管路52bの一端がそれぞれ接続されている。
【0007】
ここで、前記ロッド51dの端部(図における右側)には、可動金型63を支持する可動プラテン61が接続されている。そして、該可動プラテン61と対向して、固定金型64を支持する固定プラテン62が配設される。また、該固定プラテン62は、図示されない射出成形機のフレームに固定されており、前記可動プラテン61は、図示されないガイド部材に沿って、図における横方向に移動可能に取り付けられている。なお、65は前記可動金型63及び固定金型64の間に配設された可動金型63と固定金型64とを離間させる型開用バネである。
【0008】
ここで、前記油圧回路50において、第1管路52a及び第2管路52bの他端は、切替弁53のポートC及びDにそれぞれ接続される。そして、該切替弁53は、4つのポートC、D、R、Vと第1接続位置53a、第2接続位置53b及び第3接続位置53cとを有する。また、前記切替弁53のポートR及びVには第3管路54a及び第4管路54bの一端がそれぞれ接続される。
【0009】
そして、前記第3管路54aの他端には可変容量ポンプ55の吐出口が接続される。前記可変容量ポンプ55は電動モータ、油圧ポンプモータ等のポンプ駆動源57の回転軸に接続され、回転させられる。なお、前記可変容量ポンプ55の吸入口には、一端が油タンク56に接続された第5管路54cの他端が接続されている。
【0010】
また、前記第4管路54bの他端は前記油タンク56に接続される。なお、前記第4管路54bの途中には、絞り弁58が配設される。
【0011】
次に、前記構成の射出成形機の型締装置の動作を説明する。
【0012】
まず、図に示される状態から可動金型63を前進(図における右方向へ移動)させて型閉を行う時は、ロッド51dを伸ばす、すなわち、伸長させて可動プラテン61を前進させる。この場合、切替弁53を第1接続位置53aに切り替え、可変容量ポンプ55から第3管路54a側に圧油を吐出させる。
【0013】
すると、前記第3管路54a及び第1管路52aを通って、ヘッド側油圧室51a内に圧油が供給され、前記ピストン51cが図における右方向へ押されて、前記ロッド51dは図における右方向に伸長させられる。一方、前記ピストン51cが図における右方向へ押されるので、前記ロッド側油圧室51b内の油は、第2管路52b及び第4管路54bを通って戻り油として油タンク56に戻る。
【0014】
次に、前記可動金型63を後退(図における左方向へ移動)させて型開を行う時は、ロッド51dを縮める、すなわち、収縮させる。この場合、切替弁53を第2接続位置53bに切替え、可変容量ポンプ55から第3管路54a側に圧油を吐出させる。
【0015】
すると、前記第3管路54a及び第2管路52bを通って、ロッド側油圧室51b内に圧油が供給され、前記ピストン51cが図における左方向へ押されて、前記ロッド51dは図における左方向に移動させられる。一方、前記ピストン51cが図における左方向へ押されるので、前記ヘッド側油圧室51a内の油は、第1管路52a及び第4管路54bを通って戻り油として油タンク56に戻る。
【0016】
ここで、型開の時、前記可動プラテン61は、油圧シリンダ装置51に加えて型開用バネ65のバネ力によって後退させられるので、移動速度が高くなり過ぎてしまう。前記可動プラテン61の移動速度が高くなり過ぎると、型開の速度も高くなり過ぎ、キャビティ空間内において成形された成形品が変形してしまうことがある。
【0017】
一般に、成形品に傷等の損傷が加わる工程としては、「離型工程」、「成形品の落下工程」及び「成形品の取出工程」が主の要因である。そして、離型工程での主の要因としては、固定金型に対して可動金型が、上下及び左右方向の位置がずれて、離型動作をしたり、可動金型が高速で型開動作をした場合である。
【0018】
しかし、前記構成の射出成形機の型締装置においては、第4管路54bに絞り弁58が配設されているので、前記ヘッド側油圧室51aから第1管路52a及び第4管路54bを通って油タンク56に戻る油の流れ抵抗が増加し、前記ヘッド側油圧室51aから流出する油の単位時間当たりの流量が減少する。そのため、ピストン51cが後退してロッド51dが収縮させられる速度が制限されるので、可動金型63の移動速度が高くなり過ぎることがない。
【0019】
したがって、型開の速度を最適に制御することができるので、キャビティ空間内において成形された成形品が変形してしまうことがなく、かつ、速やかに金型を型開させて前記成形品を取り出すことができるので、射出成形機のスループットが向上する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の射出成形機の型締装置及び方法においては、金型装置を交換して、型開用バネ65のバネ力が変更された場合、第4管路54bに配設した絞り弁58を調整して、油タンク56に戻る油の流れ抵抗を適切な値にする必要があるが、前記絞り弁58を調整して型開の速度を最適に制御することは困難である。
【0021】
射出成形機においては、異なる成形品を成形する時には、金型装置としての可動金型63及び固定金型64を交換する。しかし、可動金型63の金型面と固定金型64の金型面との間に配設された型開用バネ65のバネ力は、金型装置よって相違する。このため、該金型装置を交換する度に前記絞り弁58を調整して型開の速度を最適に制御する必要があるが、前記絞り弁58の調整量と型開の速度とはリニアな関係ではないので、調整は困難であり、長時間かかってしまう。
【0022】
また、前記型開用バネ65のバネ力は金型装置よって大きく相違し、型開用バネ65が配設されない金型装置も存在する。そのため、油タンク56に戻る油の流れ抵抗の調整範囲は非常に広くなるので、複数種類の絞り弁58を用意し、交換する必要がある。したがって、該絞り弁58の交換作業に時間がかかり、また、複数種類の絞り弁58を用意する必要があるので、射出成形機の型締装置のコストが高くなってしまう。
【0023】
さらに、絞り弁58が管路に配設されていると油の流れ抵抗が高くなるので、型閉の時の可変容量ポンプ55の仕事量が増大し、該可変容量ポンプ55を回転させるポンプ駆動源57が消費するエネルギーが増加してしまう。
【0024】
本発明は、前記従来の成形機の型締装置及び方法の問題点を解決して、管路に絞り弁を配設することなく、油圧シリンダ装置の油圧室内の圧力を調整することによって、型開用バネのバネ力が変更された場合でも、型開の速度を常に最適に制御することができる成形機の型締装置及び方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の成形機の型締装置においては、固定金型、可動金型及び前記固定金型と可動金型とを離間させる型開用バネを備える金型装置と、前記可動金型を支持する可動金型支持部材と、該可動金型支持部材に接続されたロッドが取り付けられたピストン、並びに、該ピストンのヘッド側油圧室及びロッド側油圧室を備える油圧シリンダ装置と、圧油を吐出する油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される圧油が前記ヘッド側油圧室又はロッド側油圧室に供給されるように管路を切り替える切替弁と、前記可動金型支持部材を後退させて型開を開始する時に、前記切替弁を前記油圧ポンプから吐出される圧油が前記ヘッド側油圧室に供給されるようにし、前記油圧ポンプから吐出される圧油の圧力を漸次低下させる制御装置とを有する。
【0026】
本発明の他の成形機の型締装置においては、さらに、前記制御装置は、前記可動金型支持部材の位置又は速度を検出するセンサの出力値を用いて前記可動金型支持部材が後退する速度が所定の範囲となるように前記油圧ポンプから吐出される圧油の圧力を低下させる。
【0027】
本発明の更に他の成形機の型締装置においては、さらに、前記制御装置は、前記可動金型支持部材の位置又は速度を検出するセンサの出力値を用いて前記型開用バネのバネ力に対応して前記油圧ポンプから吐出される圧油の圧力を低下させる。
【0028】
本発明の更に他の成形機の型締装置においては、さらに、前記制御装置は、前記可動金型支持部材が所定距離後退した時に前記切替弁を前記油圧ポンプから吐出される圧油が前記ロッド側油圧室に供給されるようにする。
【0029】
本発明の成形機の型締方法においては、切替弁を油圧ポンプから吐出される圧油が油圧シリンダ装置のヘッド側油圧室に供給されるようにし、前記油圧ポンプから吐出される圧油の圧力を漸次低下させ、前記油圧シリンダ装置のロッドに接続された可動金型支持部材が、固定金型と可動金型とを離間させる型開用バネのバネ力によって後退させられて型開を開始する。
【0030】
本発明の他の成形機の型締方法においては、さらに、前記圧油の圧力は、前記可動金型支持部材が後退する速度が所定の範囲となるように低下させる。
【0031】
本発明の更に他の成形機の型締方法においては、さらに、前記圧油の圧力は、前記型開用バネのバネ力に対応して低下させる。
【0032】
本発明の更に他の成形機の型締方法においては、さらに、前記切替弁は、前記可動金型支持部材が所定距離後退した時に前記圧油が前記ロッド側油圧室に供給されるようにする。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の型締装置は、各種の装置や用途に適用することができるものであるが、本実施の形態においては、説明の都合上、射出成形機に適用した場合について説明する。
【0034】
図3は本発明の実施の形態における射出成形機の構成を示す概略図である。
【0035】
図において、30は射出装置であり、加熱シリンダ31、該加熱シリンダ31の前端に配設された射出ノズル32、前記加熱シリンダ31の内部に配設されたスクリュ33、及び、前記加熱シリンダ31に取り付けられた材料供給ホッパ34を有する。ここで、前記スクリュ33は、図示されない駆動手段によって、前記加熱シリンダ31の内部において、回転させられ、かつ、進退(図における左右方向に移動)させられる。
【0036】
ここで、射出成形機においては、加熱シリンダ31内において加熱され、溶融させられた樹脂を高圧で射出して後述される金型装置のキャビティ37空間に充填し、該キャビティ37空間内において樹脂を冷却し、固化させることによって成形品を成形するようになっている。
【0037】
そのために、前記金型装置は固定金型24及び可動金型23から成り、型締装置によって前記可動金型23を進退させ、前記固定金型24に対して接離させることによって、型開閉、すなわち、型閉、型締及び型開を行うことができるようになっている。そして、前記型締装置は、固定金型24を保持する固定プラテン22及び可動金型23を保持する可動プラテン21を有し、該可動プラテン21を進退させる後述される開閉装置としての油圧回路10によって油圧シリンダ装置11を駆動することによって作動させられる。
【0038】
また、可動金型23の金型面と固定金型24の金型面との間には後述される型開用バネ25が配設されている。この場合、型開の際に、前記可動金型23は、固定金型24から離間する方向に前記型開用バネ25によって押されるので、型開が確実に行われる。
【0039】
そして、前記射出装置30に対向して固定金型支持装置としての固定プラテン22が配設される。該固定プラテン22は、図示されない射出成形機のフレームに固定され、金型取付面に固定金型24が取り付けられている。さらに、前記固定プラテン22には、複数、例えば、4本のタイバー27の一端が固定されている。
【0040】
また、可動金型支持部材としての可動プラテン21は前記固定プラテン22と対向して配設され、前記タイバー27に沿って進退自在に配設されている。さらに、前記可動プラテン21における前記固定プラテン22と対向する金型取付面に可動金型23が取り付けられている。
【0041】
そして、前記可動プラテン21の背面に対向して駆動源支持部材26が、前記タイバー27に位置調整可能に取り付けられる。ここで、前記駆動源支持部材26の背面には、射出成形機の型締装置の駆動源としてのシングルロッド型の油圧シリンダ装置11が取り付けられている。
【0042】
該油圧シリンダ装置11は、ヘッド側油圧室11a、ロッド側油圧室11b、ピストン11c及びロッド11dを有する。ここで、前記ヘッド側油圧室11a及びロッド側油圧室11bは、前記ピストン11cのロッド11dの反対側及びロッド11dの側にそれぞれ配設される。また、前記ヘッド側油圧室11a、ロッド側油圧室11bには第1管路12a及び第2管路12bの一端がそれぞれ接続されている。なお、前記ロッド11dは、駆動源支持部材26に形成された貫通孔に挿入され、その端部が前記可動プラテン21に接続されている。
【0043】
図1は本発明の実施の形態における射出成形機の型締装置の構成を示す概略図である。
【0044】
図において、10は油圧回路である。そして、前記第1管路12a及び第2管路12bの他端は、切替弁13のポートA及びBにそれぞれ接続される。そして、該切替弁13は、4つのポートA、B、P、Qと第1接続位置13a、第2接続位置13b及び第3接続位置13cとを有する複コイル型の4ポート切替弁であり、2つのソレノイドによって接続位置が切り替えられる。また、前記切替弁13のポートP及びQには第3管路14a及び第4管路14bの一端がそれぞれ接続される。
【0045】
そして、前記第3管路14aの他端には油圧ポンプとしての可変容量ポンプ15の吐出口が接続される。そして、前記可変容量ポンプ15の吸入口は、第5管路14cを介して、油タンク16に接続されている。なお、可変容量ポンプとしては、斜軸式、斜板式等の並列ピストン形式のポンプが一般的であるが、いかなる形態のものであってもよい。
【0046】
また、17は電動モータ、油圧ポンプモータ等からなるポンプ駆動源であり、前記可変容量ポンプ15は、ポンプ駆動源17の回転軸に接続され、回転させられる。なお、前記第4管路14bの他端は前記油タンク16に接続される。
【0047】
また、射出成形機の型締装置は制御装置18を有する。該制御装置18は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶手段、キーボード、タッチパネル等の入力手段、CRT、液晶ディスプレー等の表示手段、I/O(入出カインターフェイス)等を有し、第1〜5管路12a、12b、14a、14b、14c、油圧シリンダ装置11、切替弁13等に取り付けられた図示されない油圧センサ、位置センサ、速度センサ等の各種センサからのセンサ信号を受信し、切替弁13のソレノイド、可変容量ポンプ15、ポンプ駆動源17等の動作を制御する。さらに、前記制御装置18は、射出装置30を含む射出成形機に付随する装置のすべて又は一部の動作を総括的に制御する。なお、前記制御装置としては、独立したものであってもよいし、他の制御装置に統合されたものであってもよい。
【0048】
図4は本発明の実施の形態における金型装置の構成を示す断面図である。
【0049】
図において(a)は型閉の状態を示し、(b)は型開の状態を示している。ここで、24a及び24bは、固定金型24を構成する第1及び第2固定金型部材であり、射出装置30の射出ノズル32から射出された樹脂が通過するスプルー孔36が形成されている。
【0050】
また、23a〜dは、可動金型23を構成する第1〜4可動金型部材であり、第1可動金型部材23aには、キャビティ37が形成されている。そして、38は、成形された成形品を前記キャビティ37から突き出すための複数のエジェクタピンであり、エジェクタプレート35によって、図において右方へ移動させられる。また、39は、右方へ移動したエジェクタプレート35を元の位置に戻すためのリターンピンである。なお、前記第1可動金型部材23aには、バネ収容孔が形成され、型開用バネ25が収容されている。
【0051】
次に、前記構成の射出成形機の型締装置の動作を説明する。
【0052】
まず、図1に示される状態から可動金型23を前進(図における右方向へ移動)させて型閉を行う時は、ロッド11dを伸ばす、すなわち、伸長させて可動プラテン21を前進させる。この場合、切替弁13を第1接続位置13aに切り替え、可変容量ポンプ15から第3管路14a側に圧油を吐出させる。
【0053】
すると、前記第3管路14a及び第1管路12aを通って、ヘッド側油圧室11a内に圧油が供給され、前記ピストン11cが図1において右方向へ押されて、前記ロッド11dは図1において右方向に伸長させられる。一方、前記ピストン11cが図1において右方向へ押されるので、前記ロッド側油圧室11b内の油は、第2管路12b及び第4管路14bを通って戻り油として油タンク16に戻る。
【0054】
そして、可動金型23の金型面が固定金型24の金型面に接触すると、ヘッド側油圧室11a内の油圧を型締圧力にまで上昇させて、型締が開始される。これにより、可動金型23の金型面が固定金型24の金型面に密着し、図4(a)に示される状態になる。
【0055】
続いて、射出装置30のスクリュ33を図における左方に移動させると、加熱シリンダ31内で加熱され、溶融された樹脂が射出ノズル32から射出され、スプルー孔36を通過して、キャビティ37内に充填される。
【0056】
ところで、一般的に油圧ポンプからは圧油が漏れるので、図1に示されるように、可変容量ポンプ15とヘッド側油圧室11aとが連通している状態で前記可変容量ポンプ15を停止させると、前記ヘッド側油圧室11a内の圧力が低下する。そのため、型締が開始されてから、後述される型開が開始されるまでの間、前記可変容量ポンプ15の回転を継続して、前記ヘッド側油圧室11a内の油圧を型締圧力に維持し続けることが望ましい。これにより、前記キャビティ37空間内に高圧で射出して樹脂が充填されても、金型面が開くことがないので、樹脂が漏れ出すことがない。
【0057】
そして、前記キャビティ37内の樹脂がある程度冷却されると、可動金型23を後退(図における左方向へ移動)させて型開が開始される。
【0058】
まず、ポンプ駆動源17の回転数を低下させる、すなわち、減速させる。これにより、前記可変容量ポンプ15の回転数も低下して、吐出される圧油の量が減少するので、前記ヘッド側油圧室11a内の油圧が低下する。この場合、前記ヘッド側油圧室11a内の油圧が漸次低下するように、前記可変容量ポンプ15の回転数を漸次低下させる。そのため、前記ロッド11dが可動金型23を固定金型24に押しつける力が漸次低下する。
【0059】
一方、型開用バネ25のバネ力は、常時、可動金型23の金型面と固定金型24の金型面とを開く方向に、すなわち、可動金型23を後退させる方向に作用している。そのため、前記可動金型23を固定金型24に押しつける力が漸次低下して、前記型開用バネ25のバネ力よりも小さくなると、前記可動プラテン21が後退し始め、型開が開始される。
【0060】
ここで、型開が開始された時点においては、前記型開用バネ25のバネ力と前記可動金型23を固定金型24に押しつける力との差が微小なので、前記可動プラテン21が後退する速度は高くない。そして、前記可変容量ポンプ15の回転数を漸次低下させることによって、前記型開用バネ25のバネ力と前記可動金型23を固定金型24に押しつける力との差が漸次大きくなるので、前記可動プラテン21が後退する速度は漸次高くなる。しかし、前記可変容量ポンプ15の回転数を制御することによって、前記型開用バネ25のバネ力と前記可動金型23を固定金型24に押しつける力との差を容易に制御することができ、前記可動プラテン21が後退する速度を適切な範囲に維持することができる。すなわち、前記可動プラテン21が後退する速度が高くなり過ぎることがない。
【0061】
ここで、前記可動プラテン21の後退速度の制御は、可動プラテン21に取り付けた可動プラテン21の位置又は速度センサから速度を読み取ると同時に、前記可変容量ポンプ15の回転数を漸次低下させることによって行う。
【0062】
なお、前記可動プラテン21が後退するとピストン11cが図1において左方向へ押されるので、圧油がヘッド側油圧室11a内から排出されるが、この場合、前記圧油は前記可変容量ポンプ15から漏れ出すようになっている。
【0063】
ここで、前記型開用バネ25のバネ力は、フックの法則により、圧縮量に比例するので、前記可動金型23が後退して前記型開用バネ25が伸張すると低下する。そのため、前記可動プラテン21が所定の距離だけ後退すると、前記型開用バネ25のバネ力は前記可動プラテン21が後退する速度にほとんど影響を与えなくなる。その時点において、切替弁13の接続位置を第1接続位置13aから第2接続位置13bに切り替える。これにより、前記第3管路14a及び第2管路12bを通って、ロッド側油圧室11b内に圧油が供給され、前記ピストン11cが図1において左方向へ移動させられる。一方、前記ピストン11cが図1において左方向へ押されるので、前記ヘッド側油圧室11a内の油は、第1管路12a及び第4管路14bを通って戻り油として油タンク16に戻される。
【0064】
このように、本実施の形態においては、型開を開始する時、可変容量ポンプ15の回転数を漸次低下させて、油圧シリンダ装置11のヘッド側油圧室11a内の油圧を漸次低下させ、型開用バネ25のバネ力によって、可動金型23を後退させる。
【0065】
そのため、可動プラテン21を後退させようとする型開用バネ25のバネ力と、可動金型23を固定金型24に押しつけようとする油圧シリンダ装置11の力の差を微小にすることができ、前記可動プラテン21が後退する速度を制御することが容易となる。したがって、型開において前記可動プラテン21の後退する速度が高くなり過ぎ、キャビティ空間内において成形された成形品が変形してしまうことがない。
【0066】
また、可変容量ポンプ15の回転数を漸次低下させるので、型開用バネ25のバネ力が相違しても、可動金型23が後退する速度を容易に制御することができる。そして、絞り弁を使用しないので、射出成形機の型締装置のコストを低くすることができる。また、絞り弁を交換する必要がないので、絞り弁の交換作業の時間がかかることもない。
【0067】
なお、型開用バネ25が配設されない金型装置を使用する場合には、型開を開始する時に、前記切替弁13の接続位置を第1接続位置13aから第2接続位置13bに切り替える。これにより、ロッド側油圧室11b内に圧油が供給され、前記ピストン11cが図1において左方向へ移動させられるので、可動プラテン21が後退する。したがって、本実施の形態においては、切替弁13及び可変容量ポンプ15の操作を変更することによって、絞り弁のような装置を取り付け及び取り外しをすることなく、型開用バネ25が配設されない金型装置にも適用することができる。
【0068】
なお、本実施の形態においては、可動プラテンが横方向(水平方向)に移動する横置型の射出成形機について説明したが、本発明の型締装置及び方法は、可動プラテンが縦方向(垂直方向)に移動する縦置型の射出成形機にも適用することができる。さらに、本発明の型締装置及び方法は、射出成形機の他に、ダイキャストマシーン、IJ封止プレス等の成形機にも適用することができる。
【0069】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0070】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、成形機の型締装置においては、固定金型、可動金型及び前記固定金型と可動金型とを離間させる型開用バネを備える金型装置と、前記可動金型を支持する可動金型支持部材と、該可動金型支持部材に接続されたロッドが取り付けられたピストン、並びに、該ピストンのヘッド側油圧室及びロッド側油圧室を備える油圧シリンダ装置と、圧油を吐出する油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される圧油が前記ヘッド側油圧室又はロッド側油圧室に供給されるように管路を切り替える切替弁と、前記可動金型支持部材を後退させて型開を開始する時に、前記切替弁を前記油圧ポンプから吐出される圧油が前記ヘッド側油圧室に供給されるようにし、前記油圧ポンプから吐出される圧油の圧力を漸次低下させる制御装置とを有する。
【0071】
また、本発明によれば、成形機の型締方法においては、切替弁を油圧ポンプから吐出される圧油が油圧シリンダ装置のヘッド側油圧室に供給されるようにし、前記油圧ポンプから吐出される圧油の圧力を漸次低下させ、前記油圧シリンダ装置のロッドに接続された可動金型支持部材が、固定金型と可動金型とを離間させる型開用バネのバネ力によって後退させられて型開を開始する。
【0072】
この場合、管路に絞り弁を配設することなく、油圧シリンダ装置のヘッド側油圧室内の圧力を調整することによって、型開用バネのバネ力が変更された場合でも、型開の速度を常に最適に制御することができる。したがって、キャビティ空間内において成形された成形品が変形してしまうことがなく、かつ、速やかに金型を型開させて成形品を取り出すことができるので、成形機のスループットが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における射出成形機の型締装置の構成を示す概略図である。
【図2】従来の射出成形機の型締装置の構成を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態における射出成形機の構成を示す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態における金型装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
11 油圧シリンダ装置
11a ヘッド側油圧室
11b ロッド側油圧室
11c ピストン
11d ロッド
12a 第1管路
12b 第2管路
13 切替弁
14a 第3管路
14b 第4管路
14c 第5管路
15 可変容量ポンプ
18 制御装置
21 可動プラテン
23 可動金型
24 固定金型
25 型開用バネ

Claims (8)

  1. (a)固定金型、可動金型及び前記固定金型と可動金型とを離間させる型開用バネを備える金型装置と、
    (b)前記可動金型を支持する可動金型支持部材と、
    (c)該可動金型支持部材に接続されたロッドが取り付けられたピストン、並びに、該ピストンのヘッド側油圧室及びロッド側油圧室を備える油圧シリンダ装置と、
    (d)圧油を吐出する油圧ポンプと、
    (e)該油圧ポンプから吐出される圧油が前記ヘッド側油圧室又はロッド側油圧室に供給されるように管路を切り替える切替弁と、
    (f)前記可動金型支持部材を後退させて型開を開始する時に、前記切替弁を前記油圧ポンプから吐出される圧油が前記ヘッド側油圧室に供給されるようにし、前記油圧ポンプから吐出される圧油の圧力を漸次低下させる制御装置とを有することを特徴とする成形機の型締装置。
  2. 前記制御装置は、前記可動金型支持部材の位置又は速度を検出するセンサの出力値を用いて前記可動金型支持部材が後退する速度が所定の範囲となるように前記油圧ポンプから吐出される圧油の圧力を低下させる請求項1に記載の成形機の型締装置。
  3. 前記制御装置は、前記可動金型支持部材の位置又は速度を検出するセンサの出力値を用いて前記型開用バネのバネ力に対応して前記油圧ポンプから吐出される圧油の圧力を低下させる請求項1又は2に記載の成形機の型締装置。
  4. 前記制御装置は、前記可動金型支持部材が所定距離後退した時に前記切替弁を前記油圧ポンプから吐出される圧油が前記ロッド側油圧室に供給されるようにする請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形機の型締装置。
  5. (a)切替弁を油圧ポンプから吐出される圧油が油圧シリンダ装置のヘッド側油圧室に供給されるようにし、
    (b)前記油圧ポンプから吐出される圧油の圧力を漸次低下させ、
    (c)前記油圧シリンダ装置のロッドに接続された可動金型支持部材が、固定金型と可動金型とを離間させる型開用バネのバネ力によって後退させられて型開を開始することを特徴とする成形機の型締方法。
  6. 前記圧油の圧力は、前記可動金型支持部材が後退する速度が所定の範囲となるように低下させる請求項5に記載の成形機の型締方法。
  7. 前記圧油の圧力は、前記型開用バネのバネ力に対応して低下させる請求項5又は6に記載の成形機の型締方法。
  8. 前記切替弁は、前記可動金型支持部材が所定距離後退した時に前記圧油が前記ロッド側油圧室に供給されるようにする請求項5〜7のいずれか1項に記載の成形機の型締方法。
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