JP4565306B2 - 走行支援用サーバ、走行支援方法、及び、走行支援用プログラム - Google Patents

走行支援用サーバ、走行支援方法、及び、走行支援用プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行支援用サーバ、走行支援方法、及び、走行支援用プログラムに係り、特に、複数のユーザの環境データを共有することにより、環境に合致した走行特性を提供することができる走行支援用サーバ、走行支援方法、及び、走行支援用プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車は、いかなるドライバーが、いかなる地域を、いかなる環境下で、運転しても、一定程度の満足が得られるように、万人向けに、走行特性の制御ゲインが設定されているのが一般である。
ただ、各ドライバーの好みに合致した運転を可能とするため、パワーモードとノーマルモードを、あるいは、アクティブサスペンションを備えた自動車において、コントロールモード、ハードモードあるいはソフトモードを、4輪操舵自動車において、スポーツモードとノーマルモードなどの特定の制御ゲインのみを、それぞれ、選択し得るように、マニュアル・スィッチが設けられた自動車も知られている。
しかしながら、このように、万人向けに、走行特性の制御ゲインが設定された自動車や、特定の制御ゲインのみを、マニュアル・スィッチを操作することによって、選択し得るにとどまる自動車では、すべてのドライバーに、満足を与えることは不可能である。
【0003】
そのため、ドライバーの運転の特徴を学習して、フィードバックし、走行特性の制御ゲインを変更することにより、ドライバーに、より大きな満足感を与えるべく、設計された学習制御自動車が提案されている。
例えば、特開平5−155276号公報には、ドライバーの操作状況や環境等を学習して、走行特性の制御ゲインをドライバの使い方に好適となるように変更する変更制御し、ドライバーにより大きな満足感を与える学習制御自動車が提案されている。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、従来から提案されている学習制御自動車では、ドライバーの好みの特性を得るためにドライバの操作状況や環境等を学習して、その学習データや環境データに基づき、制御装置の制御ゲインを変更するようにしているが、学習データ及び環境データの全てのデータを車両内に格納するようにしているため、大きな記憶容量が必要となり、好ましくない。
また、自己の車両から得た学習データ及び環境データのみしか使用できないため、最適な制御ゲインを得るために十分な学習が出来ないという問題もある。
さらに、自己の車両が走行していない地域における環境データは、入手することができないため、このような地域での走行特性を最適なものとすることができないという問題もある。
このため、自己の車両以外の他の車両が走行することにより得られる学習データや環境データを共有して、それを自分のデータとして活用することが出来れば、より最適な制御ゲインの設定が可能となり、より好ましい走行特性を得ることができる。しかしながら、現状では、このような課題も存在せず、さらに、かかる課題を解決する具体的な提案も、何らなされていない。
【0005】
このように、本発明は、環境データを複数のユーザで共有しこのデータを自分のデータとして活用すると言った全く新規な課題を解決するためになされたものである。
本発明は、ユーザの好みや居住環境、走り方等に合致した走行特性を得るための走行支援用サーバ、走行支援方法、及び、走行支援用プログラムを提供することを目的としている。
また、本発明は、複数のユーザの環境データを共有することにより、安全に且つ快適に走行を行なうことが出来るようにした走行支援用サーバ、走行支援方法、及び、走行支援用プログラムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、特定の地域に関する情報を車両側に提供する走行支援用サーバであって、複数のユーザが特定の地域を走行したことにより得られる環境データを受信する受信手段と、この環境データを蓄積するデータ蓄積手段と、この蓄積された環境データの内、この特定の地域の住民であるユーザの環境データに基づいて、その地域住民の使用頻度の高い経路から迂回路を推定し、この迂回路に関する情報を、要求のあったユーザに提供する迂回路情報提供手段と、を有することを特徴としている。
【0007】
本発明は、好ましくは、更に、この蓄積された環境データの内、その特定の地域の住民であるユーザの環境データに基づいて、地域住民の利用頻度の高い施設及び目的地を割り出して、これらの施設及び目的地に関する情報をユーザに提供する施設等情報提供手段を有する。
本発明は、好ましくは、更に、環境データから、特定の道路の平均走行車速を求め、この平均走行車速に関する情報をユーザに提供する走行車速提供手段を有する。
【0008】
本発明において、好ましくは、走行車速提供手段は、平均走行車速に関する情報をユーザの車両の特性にマッチするように補正している。
本発明は、好ましくは、更に、ユーザの車両の予め設定された進行路の前方に位置する地域に関する環境データをユーザに提供する前方情報提供手段を有する。
本発明において、好ましくは、環境データは、路面μ情報を含む。
【0009】
本発明は、走行支援用サーバが特定の地域に関する情報を車両側に提供する走行支援方法であって、複数のユーザが特定の地域を走行したことにより得られる環境データを受信する受信工程と、この環境データを蓄積するデータ蓄積工程と、この蓄積された環境データの内、この特定の地域の住民であるユーザの環境データに基づいて、その地域住民の使用頻度の高い経路から迂回路を推定し、この迂回路に関する情報を、要求のあったユーザに提供する迂回路情報提供工程と、を有することを特徴としている。
【0010】
本発明は、走行支援用サーバが特定の地域に関する情報を車両側に提供するサーバのコンピュータのための走行支援用プログラムであって、複数のユーザが特定の地域を走行したことにより得られる環境データを受信させ、この環境データを蓄積させ、この蓄積された環境データの内、この特定の地域の住民であるユーザの環境データに基づいて、その地域住民の使用頻度の高い経路から迂回路を推定し、この迂回路に関する情報を、要求のあったユーザに提供させるように、サーバのコンピュータを制御するためのものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される自動車の制御ゲイン変更システムを示す全体構成図である。
図1に示すように、自動車の制御ゲイン変更システム100は、自動車の制御ゲイン変更用サーバである情報センタ102を有し、この情報センタ102には、インターネット等のネットワーク104を介して、後述する情報センタ102の会員であるユーザ(ドライバ)106が多数接続されている。
ここで、ユーザ106には、車載コンピュータである集中制御ユニット50、自宅のパソコン(ホームPC)110、並びに、ユーザ106が所有する携帯電話(図示せず)及び携帯情報端末PDA(図示せず)等が含まれる。
【0012】
さらに、情報センタ102には、ネットワーク104を介して、カーメーカ116、カーディーラ118、レンタカー業者120等が接続されている。
また、ネットワーク4には、交通規制情報や交通渋滞情報等の交通情報を提供する交通情報センタ122が接続されており、これにより、ユーザ102及び情報センタ2は、ネットワーク4介して交通情報が容易に入手できるようになっている。
【0013】
情報センタ102は、ホストコンピュータ(図示せず)と、後述する種々のデータを格納するデータベース(図示せず)とから構成されている。この情報センタ102のデータベースは、後述する「走行支援/制御オーダーメイド契約」を履行するための学習データや環境データ等の種々のデータ(図8参照)を格納するが、それ以外にも、後述する「情報センタ契約」(図5参照)に規定された種々の情報をユーザ(会員)に提供するために、地図情報、広告情報、音楽情報、VIDEO情報、車両異常チェック用プログラム、定期点検/消耗部品通知用プログラム等も併せて格納するようになっている。
【0014】
図2は、本発明の好ましい実施形態が適用される学習制御自動車(本明細書では、単に、「自動車」又は「車両」と呼ぶ場合がある)のブロックダイアグラムである。
図2示すように、学習制御自動車1は、エンジン2の吸気量、点火時期、燃料噴射量などを制御するエンジン制御装置3、ステアリングホィール4の操舵角に対する前輪5の操舵角の比を変更するギヤ比変更装置6を制御するギヤ比制御装置7、パワーステアリング装置8を制御するパワーステアリング制御装置9、前輪5および後輪10のアクティブサスペンション装置11を制御するアクティブサスペンション制御装置12、前輪5および後輪10のブレーキ13を制御するアンチ・ロック・ブレーキング制御装置14、エンジン2および前輪5および後輪10のブレーキ13を制御するトラクション・コントロール装置15および後輪10を操舵する後輪操舵装置16を制御する4輪操舵制御装置17を備えている。図2において、18は、図示しない宇宙衛星、サインポストなどからの信号や地磁気信号を受信して、自動車1の位置を検出する位置検出センサであり、19は、地図などにより、自動車1の位置を表示するディスプレイ装置である。
【0015】
さらに、学習制御自動車1には、その車室内前方に、ウエブカメラ124が搭載されており、このウエブカメラ124により、前方の風景を常時撮影できるようになっている。また、このウエブカメラ124は、撮影した映像を記憶するための記憶装置(HDD)を備えており、所定時間(例えば、10分)毎に撮影した映像の画像データを更新することができるようになっている。
【0016】
図3は、学習制御自動車1の操作系、検出系および制御系のブロックダイアグラムである。
図3に示すように、学習制御自動車1の操作系は、ステアリングホィール4、アクセルペダル30、ブレーキペダル31、クラッチペダル32、シフトレバー33、ドライバーにより操作され、所定の制御装置の制御ゲインを変更するマニュアル・スィッチ34および後述するRAM52に格納された書き換え可能なプログラムあるいはデータを消去するための消去スイッチ35a、35bを備えている。消去スイッチ35aは、RAMに記憶されている地理的要因についての情報、すなわち後述の学習プログラムC1ないしC3に関する情報を消去するためのものであり、消去スイッチ35bはドライバー操作に起因する要因についての情報、すなわち後述の学習プログラムD1ないしD7についての情報を消去するためのものである。
【0017】
消去スィッチ35a、35bが設けられているのは、たとえば、自動車を売った場合には、ドライバーが異なることになるから、RAM52に記憶されたプログラムあるいはデータを消去する必要があるためである。消去スイッチ35a、35bは、ディーラーあるいはメーカーのみが、操作し得るように設てもよいしドライバーにより操作可能に設けてもよい。この場合、地理的要因(環境データ)については必ずしもドライバーが変わっても、変化するとは限らないのでドライバーの操作に関する情報(学習データ)と、地理的要因(環境データ)についての情報を独立して取り扱うこととしているものである。
【0018】
また、学習制御自動車1の検出系は、位置検出センサ18、時計40、走行距離を積算する積算計41、カレンダー42、自動車1の車速Vを検出する車速センサ43、自動車1のヨーレイトYを検出するヨーレイトセンサ44、自動車1の加速度αを検出する加速度センサ45、自動車に横方向に加わる横加速度GLを検出する横加速度センサ46、自動車のばね下に上下方向に加わる上下加速度GVを検出する上下加速度センサ47およびICカードを読取り、オーナードライバー、その家族などの特定のドライバーか否かを識別し、ドライバー信号を出力するICカード読取り手段からなるドライバー識別手段48、上述した車両の前方の風景を撮影しその映像を画像データとして記憶するウエブカメラ124を備えている。ドライバー識別手段48は、ICカードを読取るのではなく、専用キー、免許証、発信機付き時計などのドライバーの所持品により、オーナードライバー、その他の特定のドライバーか否かを判定し、ドライバー信号を出力するように構成してもよい。また、図示してはいないが、エンジン制御装置3、ギヤ比制御装置7、パワーステアリング制御装置9、アクティブサスペンション制御装置12、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置14、トラクション・コントロール装置15および4輪操舵制御装置17には、それぞれ、タイマーが内蔵されている。
また、上述したように、種々の情報を表示してドライバに案内するためのディスプレイ装置19が設けられている。
【0019】
さらに、学習制御自動車1の制御系は、集中制御ユニット50、所定のプログラムを格納しているROM51、書き換え可能なプログラムを格納しているRAM52、位置検出センサ18が検出した検出信号に基づき、自動車1の位置を算出する位置算出用コンピュータユニット53、エンジン制御装置3、ギヤ比制御装置7、パワーステアリング制御装置9、アクティブサスペンション制御装置12、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置14、トラクション・コントロール装置15および4輪操舵制御装置17を備えている。
【0020】
集中制御ユニット50は、ROM51、RAM52に格納されたプログラムあるいは、データにアクセス可能であり、集中制御ユニット50には、ステアリングホィール4、アクセルペダル30、ブレーキペダル31、クラッチペダル32、シフトレバー33、マニュアル・スィッチ34ならびに消去スィッチ35a、35bからの操作信号、および、位置検出センサ18、時計40、積算計41、カレンダー42、車速センサ43、ヨーレイトセンサ44、加速度センサ45、横加速度センサ46、上下加速度センサ47からの検出信号ならびにドライバー識別手段48からの識別信号が、それぞれ、入力され、集中制御ユニット50から、エンジン制御装置3、ギヤ比制御装置7、パワーステアリング制御装置9、アクティブサスペンション制御装置12、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置14、トラクション・コントロール装置15および4輪操舵制御装置17に、それぞれ、制御信号が出力されるように構成されている。
【0021】
マニュアル・スィッチ34は、エンジン制御装置3、ギヤ比制御装置7、パワーステアリング制御装置9、アクティブサスペンション制御装置12、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置14、トラクション・コントロール装置15および4輪操舵制御装置17の制御ゲインを、ドライバーの好みに応じて、変更し得るように構成されている。
【0022】
学習制御自動車1は、さらに、上述したネットワーク104を介して、情報センタ102との間で、種々の情報を送信及び受信する送受信装置126を備えている。
【0023】
通常の走行状態では、集中制御ユニット50において制御ゲインが決定され、各制御装置は、その決定された制御ゲインに従って駆動される。学習制御を行うに当たって、集中制御ユニット50は、ROM及びRAMにアクセスして必要なプログラムを使用して制御ゲインを決定し、また学習値を決定してRAMの情報を更新するとともに、各制御装置3、7、9、12、14、15及び17を駆動する。
【0024】
また、後述するように、自動車1は、情報センタ102から、他のユーザの学習データ及び環境データを入手することにより、それらのデータを使用して、制御ゲインを決定することも出来るし、さらに、情報センタ102により生々された制御ゲインを受信して、その制御ゲインにより制御装置の制御ゲインを変更することも出来るようになっている。
【0025】
図4は、マニュアル・スィッチ34が設けられたインスツルメントパネル36の一例を示す略正面図であり、37は、インディケータである。
【0026】
次に、自動車1のROM51及びRAM52に格納されている各種のプログラムを説明する。なお、これらの各種のプログラムは、情報センタ102のデータベース(図8参照)にも格納され、情報センタ102でも同様に使用されるようになっている。
先ず、ROM51には、都市部を走行する際に使用される設定プログラムA1、市街地を走行する際に使用される設定プログラムA2、市外地を走行する際に使用される設定プログラムA3、山道を走行する際に使用される設定プログラムA4、高速道路を走行する際に使用される設定プログラムA5、路面摩擦係数が所定値以下の道路を走行する際に使用される設定プログラムA6および横加速度GLが所定値、たとえば、0.5Gを越えた走行安定性を重視すべき走行状態において使用される設定プログラムA7が格納されている。
【0027】
また、RAM52には、自動車1が初めて使用される時、あるいは、消去スィッチ35が操作された直後には、ROM51に記憶された設定プログラムA1ないしA5が、そのまま、記憶されているが、これらの設定プログラムA1ないしA5は、オーナードライバーやその家族などの特定のドライバーが、自動車1を運転するとき、後述する補正プログラムE5ないしE7により、補正されて、後述する標準プログラムB1ないしB5となるものである。
【0028】
ROM51に記憶された設定プログラムA1ないしA5は、オーナードライバーやその家族などの特定のドライバー以外のドライバーが、自動車1を運転をする場合に、あるいは、特定のドライバーが運転をする場合でも、とくに、ドライバーが、RAM52に記憶された後述する標準プログラムB1ないしB5ではなく、ROM51に記憶された設定プログラムA1ないしA5の使用を希望し、特定のドライバーを示すICカードなどを使用しない場合にのみ、使用されるものであり、位置検出センサ18からの信号に基づき、位置算出用コンピュータユニット53により生成され、入力されたナビゲーション信号(車両位置信号)にしたがい、集中制御ユニット50によって、自動車1が走行している位置、すなわち,地域が判定され、その判定結果に基づいて、設定プログラムA1ないしA5のいずれかが、選択的に使用される。また、自動車1が初めて使用される時、あるいは、消去スィッチ35a、35bが操作された直後には、ROM51に記憶された設定プログラムA1ないしA5が、そのまま、RAM52に記憶されているから、特定のドライバーが運転する場合でも、実際には、設定プログラムA1ないしA5が使用されることになる。
【0029】
他方、設定プログラムA6およびA7は、当初、RAM52に記憶された設定プログラムA1ないしA5が、特定のドライバーが、自動車1を運転することにより、補正されて、後述する標準プログラムB1ないしB5に転化しており、かつ、特定のドライバーが、自動車1を運転する場合、後述する特定地域内を、特定のドライバーが運転する場合であっても、路面摩擦係数が所定値以下の道路を走行する場合、および、横加速度GLが所定値、たとえば、0.5Gを越えた走行安定性を重視すべき走行状態において、RAM52に記憶された標準プログラムB1ないしB5に代えて、強制的に選択され、使用されるものであり、走行安定性を重視すべき場合に、確実に、所望の走行安定性を確保することを可能にするためのものである。
【0030】
また、RAM52には、自動車1が初めて使用される時、あるいは、消去スィッチ35が操作された直後に、ROM51に記憶された設定プログラムA1ないしA5が、そのまま、コピーされ、特定のドライバーによる自動車1の運転に伴い、位置検出センサ18からの信号に基づき、位置算出用コンピュータユニット53により生成され、入力されたナビゲーション信号(車両位置信号)にしたがい、後述する補正プログラムに基づき、補正された地域別の標準プログラムB1ないしB5が記憶されている。すなわち、RAM52には、都市部を走行する際に使用される標準プログラムB1、市街地を走行する際に使用される標準プログラムB2、市外地を走行する際に使用される標準プログラムB3、山道を走行する際に使用される標準プログラムB4および高速道路を走行する際に使用される標準プログラムB5が、それぞれ、格納されており、オーナードライバーやその家族などの特定のドライバーが、自動車1を運転するとき、位置検出センサ18からの信号に基づき、位置算出用コンピュータユニット53により生成され、入力されたナビゲーション信号(車両位置信号)にしたがい、集中制御ユニット50によって、自動車1が走行している位置、すなわち,地域が判定され、その判定結果に基づいて、これらのいずれかが選択され、使用されるようになっている。
【0031】
RAM52には、さらに、自動車1のオーナーの自宅あるいはディーラーの所在地などの基点から、所定距離以内、たとえば、20km以内の特定地域を、自動車1が走行しているときに、標準プログラムB1ないしB5に優先して、使用される学習プログラムC1ないしC3およびD1ないしD7が記憶されている。特定地域内を走行しているか否かは、位置検出センサ18からの信号に基づき、位置算出用コンピュータユニット53により生成され、入力されたナビゲーション信号(車両位置信号)にしたがって、集中制御ユニット50により判定される。
【0032】
ここに、学習プログラムC1ないしC3は、特定地域内の各道路の地形状態を、単位区間毎に、学習するものであり、学習プログラムC1は、上下加速度センサ47から入力された上下加速度GVにしたがい、自動車1の振動状態を検出して、特定地域内の各道路の路面状態を、単位区間毎に、学習し、学習プログラムC2は、特定地域内の各道路の屈曲状態を、単位区間毎に、学習し、また、学習プログラムC3は、特定地域内の各道路の傾斜状態を、単位区間毎に、学習するものである。
【0033】
他方、学習プログラムD1ないしD7は、特定地域内の道路の単位区間内でのドライバーの自動車1の操作状況を、曜日別、および、所定時間毎の時間帯別に、たとえば、9時ないし12時、12時ないし15時のように、3時間毎の時間帯別に、学習するものであり、学習プログラムD1は、特定地域内の道路の単位区間毎の平均車速Vを、曜日別および時間帯別に、学習し、学習プログラムD2は、特定地域内の道路の各単位区間において、ドライバーがブレーキペダル31を操作した場所を、時間帯別に、学習し、学習プログラムD3は、特定地域内の道路の各単位区間におけるドライバーのステアリングホィール4の操舵状況を、単位区間毎に平均して、曜日別および時間帯別に、学習し、学習プログラムD4は、特定地域内の道路の単位区間毎の平均ヨーレイトYを、曜日別および時間帯別に、学習し、学習プログラムD5は、特定地域内の道路の各単位区間におけるアクセルペダル30、ブレーキペダル31およびクラッチペダル32の操作状況を、単位区間毎に平均して、曜日別および時間帯別に、学習し、学習プログラムD6は、特定地域内の道路の各単位区間におけるシフトレバー33の操作状況を、単位区間毎に平均して、曜日別および時間帯別に、学習し、学習プログラムD7は、特定地域内の道路の各単位区間におけるマニュアル・スィッチ34の操作を、操作場所、曜日別および時間帯別に、学習するものである。
【0034】
ここに、単位区間は、たとえば、1km毎で、隣接する単位区間との間で、地域の一部が、たとえば、100mづつ、重複するように、あるいは、10分毎で、隣接する単位区間との間で、一部が時間的に、たとえば、1分づつ、重複するように、設定される。
これらの学習プログラムC1ないしC3は、同一単位区間を、同一曜日、同一時間帯に、自動車1が、所定回数、たとえば、10回あるいは50回、走行したときに、それまでに検出された地形状況の平均値が算出され、初期プログラムが作成されて、RAM52に、記憶されるものであり、学習プログラムD1、D3ないしD6は、同一単位区間を、同一曜日、同一時間帯に、自動車1が、所定回数、たとえば、10回あるいは50回、走行したときに、それまでに検出された操作状況の平均値が算出され、初期プログラムが作成されて、RAM52に、記憶され、学習プログラムD2およびD7は、同一曜日、同一時間帯に、自動車1が、同一単位区間を、所定回数、たとえば、10回あるいは50回、走行したときに、同一場所でなされたそれまでのブレーキペダル31、マニュアル・スィッチ34の操作状況を平均して、初期プログラムが作成され、RAM52に、記憶されるようになっている。ここに、ブレーキペダル31、マニュアル・スィッチ34の操作が、所定の距離内でなされたとき、たとえば、ブレーキペダル31の操作の場合には、5m以内、マニュアル・スィッチ34の操作の場合には、100m以内でなされたときは、同一場所でなされたと判定するようになっている。
【0035】
RAM52には、また、標準プログラムB1ないしB5、学習プログラムC1ないしC3、D1ないしD7を補正する補正プログラムE1ないしE7を備えている。
補正プログラムE1は、時計40からの信号に基づき、集中制御ユニット50が、夜間であると判定したときに、標準プログラムB1ないしB5に、強制的に、一律の補正を加えるものであり、補正プログラムE2は、集中制御ユニット50が、渋滞していると判定したときに、標準プログラムB1ないしB5および学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7に、強制的に、一律の補正を加えるものであり、補正プログラムE3は、図示しないワイパーの作動信号などに基づき、集中制御ユニット50が、雨天や雪が振っている天候状態にあると判定したときに、標準プログラムB1ないしB5および学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7に、強制的に、一律の補正を加えるものであり、また、補正プログラムE4は、積算計41からの信号に基づき、集中制御ユニット50が、連続走行時間が、所定時間を越えたと判定したときに、標準プログラムB1ないしB5および学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7に、強制的に、一律の補正を加えるものである。これらの補正プログラムE1ないしE4は、あらかじめ、実験的にあるいは理論的に作成され、RAM52に格納されている。
【0036】
これに対して、補正プログラムE5は、ステアリングホィール4、アクセルペダル30およびブレーキペダル31の操作信号に基づき、集中制御ユニット50が、ステアリングホィール4の操舵速度、アクセルペダル30の操作速度およびブレーキペダル31の操作速度の大きさを検出し、特定のドライバーの操作の特徴を判定し、標準プログラムB1ないしB5を補正するものであり、補正プログラムE6は、それまでに、RAM52に記憶されていた制御データに比して、自動車1の走行状態が、所定以上、不安定な方向にあると、集中制御ユニット50が判定したときに、走行安定性の低下の程度に応じて、標準プログラムB1ないしB5および学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7に、強制的に、補正を加えるものであり、さらに、補正プログラムE7は、集中制御ユニット50が、マニュアル・スィッチ34の操作状況を検出して、標準プログラムB1ないしB5を補正するものである。ここに、補正プログラムE6は、補正プログラムE1ないしE4と同様に、あらかじめ、実験的にあるいは理論的に作成され、RAM52に格納されているが、補正プログラムE5は、都市部、市街地、市外地、山道、高速道路に分類された同一地域内を、所定回数、たとえば、100回あるいは200回、走行したときのステアリングホィール4の操舵速度、アクセルペダル30の操作速度およびブレーキペダル31の操作速度を平均して、それぞれ、地域毎に、作成されて、RAM52に格納され、また、補正プログラムE7は、同一地域内を、所定回数、たとえば、100回あるいは200回、走行したときのマニュアル・スィッチ34の操作状況を平均して、作成され、RAM52に格納されるようになっている。
【0037】
なお、補正プログラムE1、E5およびE7が、標準プログラムB1ないしB5の補正にのみ使用されているのは、特定地域内で使用される学習プログラムC1ないしC3およびD1ないしD7は、道路毎、曜日毎および時間帯毎に、自動車1が運転されたときのドライバーの操作の特徴が考慮されて、作成され、補正されているから、補正プログラムE1、E5およびE7による補正を要しないためである。
【0038】
学習プログラムC1ないしC3、D1ないしD7および補正プログラムE5ないしE7には、検出されたデータ、たとえば、C1であれば、振動を示す上下加速度GVが、C2であれば、横加速度GLが、記憶されるようになっている。
表1は、ROM51に格納された設定プログラムA1ないしA6の制御データおよびRAM52に格納された標準プログラムB1ないしB5のうち、自動車1が、所定時間、走行した後の標準プログラムB3の制御データの比の一例を示すものである。
【0039】
表1において、ACSは、アクティブサスペンション制御装置12の制御データの設定プログラムA1ないしA6および標準プログラムB3の間の比、ABSは、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置14の制御データの設定プログラムA1ないしA6および標準プログラムB3の間の比、VGRは、ギヤ比制御装置7の制御データの設定プログラムA1ないしA6および標準プログラムB3の間の比、4WSは、4輪操舵制御装置17の制御データの設定プログラムA1ないしA6および標準プログラムB3の間の比、TRCは、トラクション・コントロール装置15の制御データの設定プログラムA1ないしA6および標準プログラムB3の間の比、EGCは、エンジン制御装置3の制御データの設定プログラムA1ないしA6および標準プログラムB3の間の比、PSCは、パワーステアリング制御装置9の制御データの設定プログラムA1ないしA6および標準プログラムB3の間の比の一例を、それぞれ、示している。これらの値に、それぞれの制御装置につき、所定の係数を乗じて、それぞれの制御装置の制御データが得られる。ここに、ACSにおいては、1がサスペンションが最もソフトに、5が最もハードになる制御データに、ABSにおいては、1が最も制動がかかりにくく、5が最も制動がかかる制御データに、VGRにおいては、1が最もギヤ比が大きく、5が最もギヤ比が小さい制御データに、4WSにおいては、1が最も後輪が同相方向に操舵され、5が最も逆相方向に操舵される制御データに、TRCにおいては、1が最もスリップが小さく、5が最もスリップが大きく、パワーがアップする制御データに、EGCにおいては、1が最も燃費効率が良く、5が最も得られるパワーが大きくなる制御データに、PSCにおいては、1が最も小さな力でステアリングホィール4を操舵することができ、5がステアリングホィール4を操舵するために、最も大きな力を要する制御データに、それぞれ、対応している。
【0040】
これらの設定プログラムA1ないしA7における制御データの設定は、一例にすぎず、いかなる車両特性を、自動車1に持たせたときに、より多くのドライバーに満足を与え得るかについての考え方により、変更が可能であることは言うまでもない。表1のうち、ACSの例で、制御データ設定の考え方につき、説明を加えると、都市部走行用設定プログラムであるA1においては、渋滞などが生じやすく、したがって、発進、停止を繰り返すことが多いので、スコットやダイブを防止するため、サスペンションがかなりハードになるように、制御データの比は4に設定されており、市街地走行用設定プログラムであるA2においては、車速Vが、都市部に比して、高くなるが、それほど高速ではなく、したがって、走行安定性はほとんど問題にならず、専ら乗り心地を重視して、サスペンションが最もソフトになるように、制御データの比は1に設定されており、市外地走行用設定プログラムであるA3においては、車速Vがさらに高くなるため、走行安定性も考慮して、サスペンションがソフトになるように、制御データの比は2に設定されており、山道走行用設定プログラムであるA4、高速道路走行用設定プログラムであるA5になるにしたがって、車速Vは一層高くなるので、次第に、サスペンションがハードになるように、これらにおいては、制御データの比は、それぞれ、3および4に設定されている。さらに、路面摩擦係数の低い道路を走行用の設定プログラムA6においては、車両の挙動ができるだけゆるやかになるように、サスペンションが最もソフトとするため、制御データの比は1に設定され、横加速度GLが、たとえば、0.5Gを越えた専ら走行安定性を問題にすべき走行状態を対象とする設定プログラムA7においては、サスペンションが最もハードになるように、制御データの比は5に設定されている。
【0041】
表1において、標準プログラムB1ないしB5の一例として示された市外地走行用の標準プログラムB3は、特定のドライバーが慎重な運転をする場合に、設定プログラムA3が補正された例を示すものであり、設定プログラムA3の制御データの比は、いずれも、慎重な運転をするのに適した値に補正されている。
表2は、学習プログラムC1ないしC3の制御データが、特定地域内の各道路の地形状態により、どのように補正されるかを示し、表3は、学習プログラムD1、D3ないしD6の制御データが、特定地域内の道路の単位区間毎のドライバーの自動車1の操作状況により、どのように補正されるか、および、学習プログラムD2およびD7が、特定地域内の道路の各単位区間における各場所毎に、ドライバーの自動車1の操作状況により、どのように補正されるかを、それぞれ、示すものであり、また、表4は、補正プログラムE1ないしE7により、標準プログラムB1ないしB5、学習プログラムC1ないしC3および学習プログラムD1ないしD7の制御データが、どのように補正されるかを示すものである。
【0042】
表2、表3および表4における操作状況に基づく補正は、あらかじめ記憶しているマップに基づいてなされる。表2および表3において、「大」とは、制御データの比の値を大きく補正することを意味し、「小」とは、制御データの比の値を大きく補正することを意味している。
【0043】
一方、情報センタ102は、後述するように、多数のユーザ(会員)106から、各ユーザが学習した学習データ及びユーザの車両が特定の地域を走行することにより得られたその地域の環境データを収集して記憶装置(図8参照)に格納しているので、ユーザ(会員)は、事前に有料の「情報センタ契約」を締結することにより、これらのデータを互いに共有することができるようになっている。
即ち、ユーザは、情報センタ102から複数のユーザの学習データ及び環境データを入手して自動車の制御装置の制御ゲインを好適な値に変更することができるし、また、情報センタ102がこれらのデータから制御ゲインを設定し、この情報センタで設定された制御ゲインを入手することもできるようになっている(後述する「走行支援/制御オーダメイド契約」参照)。
【0044】
この「情報センタ契約」は、原則的には、ディーラで車両の購入の際に、書面でなされるものである。しかし、これに限らず、車両購入の際に、集中制御ユニット50自体により、ネットワーク104経由で、情報センタ102と、契約するようにしてもよく、車両購入後、自宅のパソコン110等により、ネットワーク104経由で契約するようにしてもよい。
【0045】
図5は、この「情報センタ契約」の一例を示したものであり、以下、この図5により、この契約内容を具体的に説明する。この「情報センタ契約」は、大別すると、(1)ナビゲーション契約(NAVI契約)と、(2)音楽配信契約乃至(7)走行支援/制御オーダメイド契約とから成っている。
先ず、ナビゲーション契約(NAVI契約)を説明する。このナビゲーション契約は、基本契約である移動体ナビゲーション装置への「地図情報」の配信と、オプションである「広告情報」の配信とを含む。
基本契約には、初期装置購入費用15000円と、後述するオプションの選択内容により金額が変動する月額5000円が含まれる。
【0046】
次に、オプション契約をする場合には、以下に述べる種々の情報が選択でき、月額5000円の金額が変動するようになっている。即ち、「広告情報配信許可」を契約し、「飲食店広告配信契約」、「カーディーラ広告配信契約」、「百貨店広告配信契約」、「スポーツ店広告配信契約」、「家電&PCショップ広告配信契約」、「レジャー施設配信契約」及び「宿泊施設配信契約」のうちの幾つかを選択して契約すると、例えば、「飲食店広告配信契約」を契約すると、基本契約の月額5000円が500円減額される。他の項目を契約すると、同様に、図3に示す金額だけ減額される。
【0047】
次に、これらのオプション契約を行った場合、フルタイムで配信する場合には、オプションによる減額を加味した基本契約の月額はそのままであるが、「土曜日/日曜日/祝日」のみに配信する旨の契約した場合には、その基本契約の月額が35パーセント増額される。また、時間帯指定(10時〜17時)した場合にも、同様に、10パーセント増額される。
また、広告情報配信方法に関し、「アイコン&メッセージ表示」を行なう場合には、オプションによる減額を加味した基本契約の月額はそのままであり、「接近時スーパインポーズ表示」を行なう場合には、基本契約の月額が5パーセント減額され、「ナビゲーション装置起動時広告表示」を行なう場合には、同様に、5パーセント減額され、、「表示&音声表示」を行なう場合には、基本契約の月額が10パーセント減額される。
【0048】
さらに、広告情報配信契約を行なう場合、「1週間当たり10時間以上ナビゲーション装置を使用する」と契約した場合には、上述の月額5000円が半額の2500円に大幅減額される。これにより、契約者(ドライバ)は、広告情報を積極的に見ることになる。しかしながら、1週間当たり10時間以上ナビゲーション装置を使用しない場合には、ペナルティ(100円/1時間)として、この減額された月額(2500円)に対し、10時間に足らない時間分に相当する金額が増額して課される。
このようにして、ナビゲーション契約を行うことにより、装置(ディスプレイ装置19を含む)のコスト(上述の15000円)を相当低額に押さえることができ、さらに、情報センタ2は、毎月契約件数に相当する契約料金が入ってくるため、情報センタの運営資金を確保することができる。
【0049】
また、広告情報の配信に関しては、各契約者(ユーザ)が、自己の好み及び必要性に応じて、配信される広告の種類を選択できるので、不要な広告のディスプレイ表示が行なわれることがない。さらに、必要な広告のみが配信されるため、ドライバはこの広告情報を有効に活用することができ且つナビゲーション契約の月額を減額することもできる。これに関し、情報センター2は、各契約者がオプションを選択した場合、各契約者(ユーザ)との契約料金は減額されることになるが、それに対応して、広告依頼者(会社)から広告料を徴収することができるため、トータルとしては、増額となり、この点からも、運転資金の確保が効果的に達成できる。
【0050】
また、配信受け時間によっては、月額が増額されるが、契約者(ユーザ)にとっては、多少の増額となっても自己のライフスタイルに合致した移動体ナビゲーション装置18の利用が可能となり、一方、情報センタ2にとっては、フルタイムで配信する場合には、広告依頼者からの広告料がその分増額され、限られた曜日や時間帯のみ配信する場合には、広告料は減額となるが、各契約者の月額収入は増額されるので、トータルとして、好ましい金額の収入を確保することができる。
【0051】
さらに、広告情報配信契約を行う際、「1週間当たり所定時間(10時間)以上ナビゲーション装置を使用する」場合には、月額を大幅に減額したので、広告情報をドライバは積極的に見ることになる。さらに、1週間当たり所定時間(10時間)以上ナビゲーション装置を使用しない場合には、各契約者に対してペナルティが課されるため、それにより、契約者の支払う月額が増大すると共に、広告依頼者に対しては、1週間当たり所定時間(10時間)以上の使用を前提とした比較的高額の広告料を要求することができる。
【0052】
次に、(1)ナビゲーション契約(NAVI契約)以外の、契約内容を説明する。「音楽配信契約」、「VIDEO配信契約」、「インターネット&メール契約」、「車両異常CHECK契約」、「定期点検/消耗部品通知契約」及び、「走行支援/制御オーダメイド契約」があり、各人の好み及び必要性に応じて、適宜、契約できるようになっている。 この場合には、上述のナビゲーション契約の月額5000円(オプション契約により変動あり)以外に、個別の月額の契約料金が課される。これらの契約内容の各コンテンツは、上述した情報センタ2のデータベースに格納されている。
各契約者(ドライバ)は、契約料金の支払いを伴うが自己の好み及び必要性に応じて、種々のコンテンツを楽しむことができる。また、情報センタ2は、さらに、これらの契約料金が収入となり、より有効に運営資金を確保することができる。
【0053】
次に、図5乃至図13により、「走行支援/制御オーダメイド契約」の内容を詳細に説明する。
先ず、図5に示されているように、この「走行支援/制御オーダメイド契約」を契約した場合には、情報センタ102から、走行環境情報(走行速度、路面状態、実画像等)が提供され、さらに、環境及び使用状態に応じた制御特性のオーダメイド化がなされるようになっている。
さらに、自らは環境データ及び学習データを情報センタ102に送信せず、他のユーザの環境データ又は学習データの受信を希望するような会員の場合には、月額2000円(最も高額)となる。このとき、データ受信毎に20円支払わなければならない。
次に、自己の環境データを送信する(当然に、データ受信は行なう)ユーザの場合には、減額されて月額1000円となり、データ受信毎に2円で送信は無料となる。さらに、自己の環境データ及び画像データ(ウエブカメラにより撮影した映像)を送信する会員の場合には、さらに減額されて月額500円となり、データ受信毎に2円で送信は無料となる。
このように月額を設定することにより、環境データ及び画像データを送信するユーザが増えることが期待でき、それにより、情報センタは、多くの環境データを収集してより正確で信頼性の高い環境情報を蓄積することができるようになっている。
【0054】
次に、図6は、ディスプレイ装置19の画面の一例を示したものである。この画面は、自動車1の集中制御ユニット50がネットワーク102を介して情報センタ102に接続された状態を示している。なお、ホームPC110等が情報センタ102と接続され場合も、同様な画面となる。
この図6に画面上の「インテリゲントNAVI」を選択することにより、ユーザ106(自動車1、ホームPC110等)と情報センタ102が接続され、「走行支援/制御オーダメイド契約」の履行が開示されるようになっている。
【0055】
図7は、「走行支援/制御オーダメイド契約」を履行する場合のユーザ106(自動車1の集中制御ユニット50、ホームPC110等)と情報センタ102との間で授受される情報の内容を示した図である。
先ず、ユーザ106から情報センタ102には、ユーザが自動車を操作することにより得られたユーザのドライバ特性(操作状況)を示す「学習データ」、ユーザが特定の地域を走行することにより得られた「環境データ」(画像データを含む)が送信される。ここで、これらの「学習データ」及び「環境データ」を送信する際には、これらのデータの「車両位置」及び「時間」も合わせて送信するようになっている。
また、情報センタ102に対して後述する必要な情報を要求する場合には、「情報要求」を送信する。
【0056】
ここで、ユーザ106から情報センタ102に、このような「学習データ」及び「環境データ」等をリアルタイムで送信するようにしている。
また、送信タイミングとしては、それ以外に、自動車の停止時、エンジン始動時、エンジンOFF時、ユーザの指示時、又は、所定時間毎であっても良い。
【0057】
次に、情報センタ102は、ユーザ106からの情報要求に応じて、詳細は後述するが、「学習データ」、「環境データ」、「走行支援データ(安全速度、路面μ、事故情報、回避路等を含む)」、「希望値の画像データ」、及び「制御ゲイン(位置/時間別)」等が送信されるようになっている。
【0058】
次に、図8により、情報センタ102のデータベースに格納されるデータの内容を説明する。
まず、情報センタ102は、第1データベース130、第2データベース132、第3データベース134、及び、第4のデータベース136を備えている。
【0059】
第1データベース130は、上述した自動車1がROM51及びRAM21に格納された学習制御のための各種プログラム、即ち、設定プログラムA1〜A7、標準プログラムB1〜B5、学習プログラムC1〜C3、学習プログラムD1〜D7、補正プログラムE1〜E7、その他のプログラム(契約上の他のサービスを提供するためのもの)が格納されている。
情報センタ102には、自動車1に格納されているものと同じ学習制御のための種々のプログラムが格納されているため、情報センタ102自体も、ユーザから入手した環境データ及び学習データを使用して制御ゲインの生成等ができるようになっている。
【0060】
第2データベース132は、環境データであり、収集された地域(位置)別、及び、時間別に、格納されるようになっている。この環境データは、会員共通のデータであり、会員全員(ユーザ)が自由に閲覧可能となっている。
環境データは、具体的には、「走行環境データ」として、「車速域」、「渋滞情報」、「交通規制情報」、「交通取締り情報」、「天候&凍結積雪情報」及び「燃費消費情報」を含み、「路面情報」として、「不整度合い」、「屈曲度合い」及び「勾配」を含み、「演算推測情報」として、「平均車速」、「平均制動位置」及び「平均的な制御ゲイン」を含み、さらに、「温度」、並びに、「画像データ」等のデータを含んでいる。
情報センタ102は、多数のユーザ(会員)から、地域別及び時間別の環境データを受信し、これらの環境データを蓄積するようにしているため、後述するように、各ユーザへ、この環境データに基づいた種々の情報を提供することができる。
【0061】
第3データベース134は、学習データをユーザ別に格納したものである。学習データには、各ユーザが所有する「車両データ」及び「ユーザ固有データ」が含まれ、この「ユーザ固有データ」には、ユーザが、所有する自動車1を操作して、操作状況を学習することによりえられた学習操作データ等も含まれている。
このユーザ別学習データは、そのユーザ以外の閲覧は不能、即ち、第3者の不正なアクセスは禁止されている。ユーザは、この自己の学習データを閲覧したい場合には、ID及びパスワードを使用して、この情報センタ102のデータベース132にアクセスすることができるようになっている。
学習データは、具体的には、「車両データ」として、「年式」、「車種」、「型式」、「走行距離」及び「修理検査履歴」を含み、「ユーザ固有データ」として、「性別」、「年齢」、「住所」「運転の好み」、「学習操作データ(位置、時間別)」及び「標準操作データ」を含んでいる。
【0062】
第4データベース136は、平均学習データを格納するものであり、情報センタ専用のデータで、会員は原則的に閲覧不可となっている。この平均学習データは、主に、情報センタ102が制御ゲインを生成するときに使用するデータである。また、このデータは、後述するように、カーメーカ116が車両開発を行なう際に有用なものである。
【0063】
この平均学習データは、ユーザ別学習データを、特定な項目(特性)毎に分類し、各項目(特性)毎に平均値を算出するようにして得たものである。項目(特性)には、「車種別」、「性別」、「年齢別」、「運転の好み別」、「地域別」、「時間帯別」及び「使用目的別(通勤、レジャー)」等が含まれる。このような項目(特性)に分けたのは、ユーザの運転の仕方(操作状況)が、これらの項目毎に比較的顕著に現われるためである。この結果、他のユーザの学習データを利用して特定のユーザ(情報要求のあったユーザ)の制御ゲインを設定するおうな場合でも、比較的その特定のユーザの好みに適した走行特性を得ることができるようになっている。
【0064】
次に、情報センタ102は、蓄積した環境データを有効に利用することにより、ユーザに対し、種々の走行支援を行なうことができる。以下、2つの走行支援の態様を説明する。
走行支援の第1の態様は、図9に示す態様である。図9は、ユーザが、情報要求することにより、情報センタの環境データ(特に、走行支援データ)を入手し、自動車のディスープレイ装置19にその走行支援データを表示したものである。
【0065】
図9の画面では、「渋滞&流れ状況」及び「交通規制状況」がユーザにより選択されている。このため、図9のディスプレイ装置の画面には、自動車の現在位置140、現在位置周辺の道路、事故交通止め情報、交通取締り情報が表示されている。さらに、この図9の画面には、各道路における平均車速(例えば、10km/h、20km/h、30km/h、50km/h)が付記されており、ユーザ(ドライバ)が、道路の交通状況が正確に把握することができるようになっている。
また、ユーザは、「渋滞&流れ状況」及び「交通規制状況」以外に、「天候&路面状況」、「路面不整状況」、「燃料消費状況」、「全情報」及び「実画像」を選択し、これらの走行支援データが入手できるようになっている。
このような画面をディスプレイ装置に表示することにより、ユーザは、情報センタから入手した最新の環境データ(走行支援データ)をリアルタイムで利用することができ、正確且つ迅速な走行支援を得ることができるのである。
【0066】
情報センタがユーザに対して行なう走行支援の第2の態様は、以下の通りである。情報センタは、ユーザの環境データをデータベース132に格納(蓄積)し、さらに、データベース134にユーザの「住所」を格納している。そのため、特定の地域において、そのユーザの環境データが、地域住民のものか否かを判別することができる。
このため、情報センタは、地域住民であるユーザの環境データから、その地域住民の使用頻度の高い経路を認識することができる。よって、情報センタは、この地域住民の使用頻度の高い経路を迂回路として推定し、この迂回路に関する情報を、要求のあったユーザ(地域住民ではないユーザ)に提供するようにしている。
【0067】
従来のカーナビゲーション装置においては、最適経路を設定する際には、距離や時間を基準にしていたため、必ずしも、ドライバに満足されないものであったが、この本実施形態では、地域住民の使用頻度の高い経路を迂回路として推定するようにしているため、より客観性の高い迂回路を設定できるため、ドライバを満足させることができる。
【0068】
さらに、同様に、情報センタは、地域住民であるユーザの環境データから、地域住民の利用頻度の高い施設(レストラン等)及び目的地を割り出すことができる。地域住民の利用頻度が高いこのような施設及び目的地は、名店であり名所として地域住民に認識されている可能性が大である。従って、このような施設及び目的地に関する情報を、要求のあったユーザ(地域住民でないユーザ)に提供するようにしている。
【0069】
従来のカーナビゲーション装置では、例えば、レストラン情報を要求すれば、多くのレストランの住所及び位置等が表示されるのみであり、ユーザ(ドライバ)は、これらのレストランからどのレストランが良いのか判断できないため、有効に活用できないという問題があった。
しかし、本実施形態では、地域住民の利用頻度の高い施設及び目的地に関する情報をドライバ(ユーザ)に提供しているため、ドライバを満足させることができるのである。
なお、このような迂回路情報や施設目的地情報は、一般的には、その地域の住民ではないユーザにより、要求のあるものであるが、ユーザがその地域にごく最近引っ越してきたような場合には、地域住民ではあるがこのような情報を要求することがある。
【0070】
また、情報センタは、特定の道路の平均走行車速を求め、特に、カーブの平均車速を求め、この平均走行車速に関する情報を、要求のあったユーザに提供するようにしている。この場合には、ユーザ(ドライバ)は、そのカーブの平均車速を認識して運転することができるので、安全性が向上する。
ここで、情報センタは、この平均走行車速に関する情報をユーザの車両の特性にマッチするように補正している。具体的には、ユーザの運転する自動車の乗車人数の違いによる補正や、車種間補正である。
【0071】
また、情報センタは、要求のあったユーザに対し、ユーザの車両の予め設定された進行路の前方に位置する地域に関する環境データを提供することもできるようになっている。ここで、提供される環境データは、データベース132に格納されているものであり、車速情報、渋滞情報、交通規制情報、天候&凍結積雪情報(路面μ情報を含む)等を含むデータである。
【0072】
次に、図10乃至図13により、制御ゲインの生成の仕方を説明する。本実施形態においては、自動車の制御ゲインを学習により設定する場合、以下の3つの態様、即ち、自動車が自己の取得した環境データ及び学習データに基づき制御ゲインを設定する第1の態様(図10参照)、情報センタが蓄積する環境データ及び学習データから制御ゲインの生成に必要なデータを車両側が情報センタから入手しこのデータに基づき車両側で制御ゲインを生成する第2の態様(図11参照)、及び、情報センタが保有する環境データ及び学習データから制御ゲインを生成しその制御ゲインを車両側に提供する第3の態様(図12)である。
【0073】
図10に示すように、第1の態様では、先ず、車両側で、学習データ及び環境データを取得し、これらの学習データ及び環境データを、RAM52に格納して記憶すると共に情報センタ(サーバ)に送信する。情報センタは、この受信したデータを他のユーザのために活用することができる。次に、車両側では、自ら記憶している学習データ及び環境データから、制御ゲインを生成し、現在の制御ゲインの値をこの生成した制御ゲインに変更する。
この第1の態様は、自動車のユーザ(オーナ)の自宅、カーディーラの所在地、レンタカーの営業所、営業車の営業拠点などの基点から、所定距離以内、例えば、20km以内の特定地域(使用頻度の高い地域)で採用されるのが好ましい。このような地域は、ユーザが極めて頻繁に走行する領域であるため、自分だけで十分な環境データ及び学習データを取得することができ、さらに、自己のデータのみを使用するため、自己の好みに非常に合致した走行特性を得ることができるのである。
【0074】
図11に示すように、第2の態様では、先ず、車両側で、学習データ及び環境データを取得し、これらの学習データ及び環境データを情報センタ(サーバ)に送信する。このとき、車両側では、これらの学習データ及び環境データをRAM52に格納して記憶するようにしても良いし、又は、学習データのみを記憶するようにしてもよい(環境データは車両側で持たない)。情報センタは、この学習データ及び環境データを蓄積する。
次に、情報センタは、車両側から情報要求(要求信号)を受信した場合には、その蓄積する環境データ及び学習データから制御ゲインの生成に必要なデータ(制御ゲイン生成用データ)を抽出し、車両側では、この制御ゲイン生成用データを受信する。
【0075】
ここで、車両側では、この受信した制御ゲイン生成用データが要求した本来のデータか否かを確認するために、受信した制御ゲイン生成用データを整合チェック信号としてそのまま情報センタに転送し、情報センタは、このデータが正しいデータであるか否か確認し、正しい場合には、確認信号を車両側に送信し、車両側では、この確認信号を受信する。このようにして、車両側で受信した制御ゲイン生成用データの整合チェックを完了する。
次に、車両側では、受信し整合確認された制御ゲイン生成用データに基づき制御ゲインを生成する。このとき、車両側では、受信した制御ゲイン生成データは、他のユーザのデータであるため、必要に応じて、制御ゲイン生成データを補正して制御ゲインを求めるようにしても良いし、又は、制御ゲイン生成データから生成した制御ゲインを補正するようにしても良い。補正が有る場合には、この補正データを情報センタに送信し、情報センタではこの受信した補正データを蓄積し、今後に反映するようにしても良い。
【0076】
この第2の態様では、車両側で制御ゲインを生成するようにしているため、情報センタにおける負担が低減される。また、この態様においては、制御ゲイン生成用データとして、複数の他のユーザの上述した項目(分類)における平均学習データを用いるのが好ましい。この場合には、ゲインを生成するユーザと学習データを提供した他のユーザとは、車種、運転の好み、性別、年齢等が同じ又は類似しているため、ユーザは、比較的好適なデータを入手することができ、自己の好みに合致した制御ゲイン(走行特性)を得ることができる。
また、制御ゲイン生成用データとして、平均学習データを使用する代わりに、特性の良く似た他のユーザの個人データ(ユーザ別学習データ134)をそのまま或いは必要な補正をすることにより、使用するようにしても良い。
【0077】
図12に示すように、第3の態様は、情報センタが自分で保有する環境データ及び学習データから制御ゲインを生成し、その制御ゲインを車両側に提供するようになっている。また、整合チェックは、第2の態様と同じである。この第3の態様では、車両側で制御ゲインを生成する必要がない。そのため、車両側の負担が低減される。また、第3の態様においては、第2の態様と同様に、制御ゲインを、複数の他のユーザの上述した項目(分類)における平均学習データにより生成するのが好ましく、ゲインを生成するユーザと学習データを提供した他のユーザとは、車種、運転の好み、性別、年齢等が同じ又は類似しているため、ユーザは、比較的好適なデータを入手することができ、自己の好みに合致した制御ゲイン(走行特性)を得ることができる。
また、第2の態様と同様に、情報センタは、制御ゲイン生成用データとして、平均学習データを使用する代わりに、特性の良く似た他のユーザの個人データ(ユーザ別学習データ134)をそのまま或いは必要な補正をして使用して、制御ゲインを生成するようにしても良い。
【0078】
なお、本実施形態においては、車両側が情報センタ(サーバ)102から、種々の情報を受信する場合、ネットワーク104を経由して送受信装置126により直接受信するようにしても良いし、自宅のパソコン110等により受信し、記憶媒体(FD、MD、DVD)を介して、車両のRAM52に格納するようにしてもよい。また、情報センタからの情報を、自宅のパソコン110等により受信し、その受信した情報をネットワーク104を経由して自動車1に転送し、車両のRAM52に格納するようにしてもよい。
【0079】
次に、本実施形態においては、ユーザがレンタカーを借りて旅行するような場合、ユーザが別の人の自動車を借りて運転する場合、ユーザが新車を購入してその新車に乗り換える場合に、これらのレンタカー、別の人の自動車、及び、購入した新車に、情報センタ102が、それらの車両の必要な情報を提供し、制御特性を調整することができるようになっている。
【0080】
以下、これらの3つの場合を具体的に説明する。最初に、ユーザがレンタカーを借りて旅行する場合を説明する。この場合、情報センタ102は、レイタカー予約システムを備え、図13に示すように、車両側(具体的には、自宅のパソコン110)と種々の情報の交信をすることができるようになっている。
図13に示すように、先ず、車両側では、ユーザが自宅のパソコン110等によりレンタカー予約を行ない、次に、レンタカーで旅行する際の経路を設定する。これらのレンタカー予約と経路設定は、情報センタ(サーバ)102に送信され、情報センタは、これらのレンタカー予約及び経路設定に関する情報を受信し、レンタカー業者120にネットワーク104経由でレンタカー予約を行なう。
予約が不可の場合には、その旨車両側に連絡し、車両側では、レンタカー設定を行ない、再度、レンタカー予約を実行する。
【0081】
情報センタ側で、レンタカー予約がOKの場合には、車両側に予約通知を発信し、車両側では、予約通知を受信する。
その後、情報センタ側では、希望日に後述する学習データを車両側に送信する。ここで、学習データは、レンタカーに送信されるが、ユーザの自宅のパソコン110等に送信されるようにしてもよい。自宅のパソコン110に学習データが送信された場合には、ユーザは、その学習データを、記憶媒体を介してか、又は、ネットワーク104を介して、使用するレンタカーに格納する。
【0082】
次に、この情報センタから車両側に送信される学習データについて説明する。
この車両側に送信される学習データは、以下の種々の態様を取ることができるようになっている。
第1に、ユーザの学習データが、情報センタ102のデータベース134に、ユーザ別学習データとして蓄積されている場合には、そのユーザの蓄積されている学習データを車両側に送信する。この場合、上述したように、学習データそのものを送信しても良いし、この学習データから得られた制御機器の制御ゲインを送信するようにしてもよい。よって、ここでは、学習データは、制御ゲインを含めた意味として使用する。
【0083】
第2に、ユーザの学習データが蓄積されていない場合には、情報センタ102のデータベース134に蓄積されている他のユーザの学習データを送信するようにしてもよい。この他のユーザは、レンタカーを使用するユーザと操作特性が出来る限り良く似たユーザであることが好ましい。この場合、上述したように、学習データそのものを送信しても良いし、この学習データから得られた制御機器の制御ゲインを送信するようにしてもよい。よって、ここでは、学習データは、制御ゲインを含めた意味として使用する。
【0084】
第3に、ユーザの学習データが蓄積されていない場合には、情報センタ102のデータベース136に、平均学習データとして蓄積されている他のユーザの所定の特性毎に分類された平均学習データを車両側に送信する。この場合、上述したように、平均学習データそのものを送信しても良いし、この平均学習データから得られた制御機器の制御ゲインを送信するようにしてもよい。よって、ここでは、平均学習データは、制御ゲインを含めた意味として使用する。
【0085】
ここで、更に、上記第1乃至第3の場合において、情報センタから車両側に送信する平均学習データ又は学習データ(制御ゲインも含む)は、情報センタに蓄積された学習データを、安全側に所定値だけ補正したものであることが好ましい。ユーザの所有する自動車の特性とレンタカー固有の特性が微妙に異なることによる影響を防止するためである。
このとき、特に、ユーザの所有する自動車と他の自動車の車種が異なる場合には、車両側に送信される平均学習データ又は学習データ(制御ゲインも含む)は、情報センタに蓄積された学習データに対して車種間の相違に基づいた補正がなされたものであることが好ましい。車種間の相違は、予め決まっているため、送信データを補正するにより、レンカーを使用する場合でも、ユーザの特性に合致した操作が可能となる。
【0086】
なお、ユーザがレンタカーを運転しているときは、このユーザは、学習データを送信することはなく、そのため、情報センタも、ユーザのレンタカーの操作から得られた学習データを受信することはない。レンタカーから得られたユーザの学習データをユーザの所有する自動車に反映させても有効でないからである。
しかしながら、ユーザがレンタカーを運転しているとき、環境データは、情報センタに送信するようにしてもよい。
【0087】
以上は、ユーザがレンタカーを借りて運転する場合を説明したものであるが、ユーザが別の人の自動車を一時的に借用して運転する場合も、レンタカーの場合と同様に、ユーザが、情報センタから、平均学習データ又は学習データ(制御ゲインも含む)を受信し、これらのデータから制御ゲインを変更することができる。この場合も、レンタカーの場合と同様に、学習データ等を安全側に補正したり、車種間の相違に基づいた補正を行なうようにしても良い。
【0088】
次に、ユーザが、新車又は中古車を購入し、その購入した自動車に、現在所有する自動車から乗り換える場合の例を説明する。
この場合には、情報センタは、購入車に関連するカーメーカ又はカーディーラにユーザの蓄積された学習データを提供し、カーメーカ又はカーディーラは、この提供された学習データを購入者に格納するようになっている。ここで、学習データは、この学習データにより生成された制御ゲインでもよい。よって、ここでは、学習データは、制御ゲインを含めた意味として使用する。
【0089】
このように車を購入して乗り換える場合、カーメーカ等に提供される学習データ(制御ゲインを含む)は、安全側に所定値だけ補正したものであることが好ましい。
また、ユーザの現在所有の自動車と購入車の車種が異なる場合には、カーメーカ等に提供される学習データ(制御ゲインを含む)は、この車種間の相違に基づいて補正されたものであることが好ましい。
さらに、これらの安全側への補正及び車種間による補正がなされた学習データ(制御ゲインを含む)も、情報センタのデータベース134に、蓄積されるようになっている。
【0090】
次に、本実施形態では、ユーザの車両に搭載されたウエブカメラ124が撮影した映像の画像データを、他のユーザが入手してその映像を見ることができるようになっている。図14により、このような自動車1に搭載されたウエブカメラ124の使用の仕方について説明する。
図14では、画像データを要求するユーザの車両を車両Aとし、画像データを提供するユーザの車両を車両Bとし、これらの車両A,Bと情報センタ(サーバ)との間の授受される信号の内容が示されている。
先ず、上述したように、車両A及び車両Bを含む多数のユーザの車両は、ユーザが取得したそれぞれの環境データ及び学習データを情報センタ(サーバ)に送信し、情報センタは、受信した環境データ及び学習データを蓄積するようになっている。
【0091】
次に、車両Aのユーザが、ある特定位置の画像データが必要であると欲した場合には、その特定位置の画像データを要求する画像データ要求信号を情報センタに送信する。この画像データ要求信号の送信は、自動車からでなくとも、自宅のパソコン110等からでも可能である。
情報センタは、このユーザから受信した画像データ要求信号に対応するために、蓄積している環境データから、その特定位置にいる車両Bを見つけ出す(検出する)。この後、車両Bに対して、車両Bのウエブカメラが撮影した映像の画像データの情報センタへの転送を指示する画像データ転送指示信号を送信する。
【0092】
車両Bは、この画像データ転送指示信号を受信し、その特定位置においてウエブカメラ124で撮影した映像の画像データを記憶している記憶装置(HDD)のデータを画像データとして情報センタに送信する。情報センタは、この画像データを受信し、この画像データを時間情報と共に一時記憶する。情報センタは、この一時記憶されたその車両位置の画像データをそれを要求した車両B(ユーザの自宅のパソコン等を含む)に送信し、車両B(ユーザの自宅のパソコン等を含む)のユーザは、その特定位置の画像データを受信する。
このようにして、ユーザは、その特定位置の画像データを容易に入手することができ、その特定位置(場所)の状況を正確に把握することができるのである。
具体的には、駅前が渋滞しているか否か、駐車場が満車か否か、雪が降っているか否か等について、場所を特定して容易に知ることができるのである。
【0093】
また、車両B及びこの車両Bのユーザは、要求したユーザ(車両A)及び他のユーザに認識され得ないようになっている。これにより、画像データを提供する会員の増加が期待できる。
また、ウエブカメラからの画像データは、静止画データでも良いし動画データでも良い。
また、ユーザが、特定の位置の映像を比較的長い時間に亘って継続的に見たいような場合には、情報センタは、その特定位置周辺にいる複数の車両に対し、各車両のウエブカメラによる画像データを順番に転送するように指示することもできる。
【0094】
また、上述したように、自己の車両にウエブカメラを搭載したユーザは、情報センタ契約における契約料金が減額されるようになっている(図5参照)。
また、情報センタは、特定の車両に対し、画像データ転送指示信号を所定の短い時間(例えば、10分)だけ送信し、その特定の車両を所定時間以上追跡できないようになっている。これにより、ウエブカメラによる画像データの提供者の数が増えることが期待できる。
また、逆に、情報センタは、特定の車両に対し、画像データ転送指示信号を所定の長い時間(1時間以上)送信し、その特定の車両を所定時間追跡できるようにしてもよい。その車両が盗難された場合等において有効である。
【0095】
次に、本実施形態では、ユーザの車両にウエブカメラが搭載されているため、このウエブカメラを利用して、情報センタ(サーバ)を、事故証明用サーバとして使用することも可能である。以下、事故証明用サーバとして使用する場合の例を説明する。
情報センタは、車両の事故を証明するための事故証明用サーバとして機能する。その前提として、情報センタは、各ユーザの環境データ及び学習データを蓄積している。また、ユーザの車両は、上述したように、ウエブカメラ及びウエブカメラで撮影された映像の画像データを記憶する記憶装置(HDD)を備えている。
【0096】
この車両は、事故発生時に事故発生信号を情報センタに発信するようになっている。この事故発生信号を受信した情報センタは、この車両に対し、事故発生前後の画像データを転送するように、事故発生前後画像データ転送信号を送信する。この車両は、事故発生前後の画像データを情報センタに送信する。情報センタは、この事故前後画像データと同じ時間のこの車両の環境データ及び学習データを抽出し、これらのデータ、即ち、その車両の事故前後画像データ並びに同じ時間の環境データ及び学習データをまとめて事故証明用記憶装置(図示せず)に記憶する。
情報センタは、これらの記憶され環境データ、画像データ及び学習データを解析し、事故原因を究明し、事故証明を行なうようになっている。
【0097】
また、事故証明を行なう場合、事故証明用記憶装置に記憶された画像データ並びに環境データ及び学習データは、事故を起こしたユーザが見ることは可能であるが、他のユーザは見れないようになっている。ただし、警察等は、必要に応じて、これらのデータを見ることができるようになっている。
さらに、情報センタが、事故発生信号を受信したとき、この事故発生位置の周辺に他の会員の車両がいる場合には、これらの車両に対し、ウエブカメラが撮影した事故に関する映像の画像データの転送を指示する信号を送信し、それにより、情報センタが、事故画像データを入手するようにすることも可能である。
【0098】
次に、本実施形態では、情報センタ(サーバ)を、車両開発データ取得用サーバとして使用することも可能である。
上述したように、図8に示す第3データベースには、学習データがユーザ別に格納されている。この学習ータには、各ユーザが所有する「車両データ」及び「ユーザ固有データ」が含まれ、この「ユーザ固有データ」には、ユーザが、所有する自動車1を操作して、操作状況を学習することによりえられた学習操作データ等も含まれている。学習データは、具体的には、「車両データ」として、「年式」、「車種」、「型式」、「走行距離」及び「修理検査履歴」を含み、「ユーザ固有データ」として、「性別」、「年齢」、「住所」「運転の好み」、「学習操作データ(位置、時間別)」及び「標準操作データ」を含んでいる。
カーメーカは、これらの各ユーザの学習データを車両開発のために、閲覧することができるようになっている。
【0099】
さらに、図8に示す第4データベース136には、平均学習データが格納されている。この平均学習データは、ユーザ別学習データを、特定な項目(特性)毎に分類し、各項目(特性)毎に平均値を算出するようにして得たものである。項目(特性)には、「車種別」、「性別」、「年齢別」、「運転の好み別」、「地域別」、「時間帯別」及び「使用目的別(通勤、レジャー)」等が含まれる。このような項目(特性)に分けたのは、ユーザの運転の仕方(操作状況)が、これらの項目毎に比較的顕著に現われるためである。
このように、特性毎に分類された平均学習データも、カーメーカが、車両開発のために閲覧することができるようになっている。
【0100】
また、車両を購入したユーザの特徴に応じて、学習データ又は平均学習データから車両の制御機器の制御ゲインを生成し、その車両にその生成した制御ゲインを提供することもできるようになっている。
また、学習データ又は平均学習データから開発車両の制御機器に関連するデータを選択して取得し、このデータに基づき開発目標値を設定することもできるようになっている。
さらに、学習データ又は平均学習データから開発車両の制御機器に関連するデータを選択して取得し、このデータに基づき開発車両の制御機器の評価目標値を設定することもできるようになっている。
【0101】
次に、図15乃至図26を参照して、本実施形態により自動車の制御機器の制御ゲインを変更する制御内容の一例を説明する。
図15は、集中制御ユニット50によって実行される基本制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0102】
図15において、まず、横加速度センサ46から、横加速度GLが、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置14から、路面摩擦係数の推定値μが、それぞれ、集中制御ユニット50に入力される。
次いで、集中制御ユニット50は、横加速度センサ46から入力された横加速度GLの絶対値が、所定値GLo 、たとえば、0.5G以上か否かを判定する。
【0103】
その結果、YESのときは、自動車1に加わる横加速度GLが大きく、専ら走行安定性を重視する必要のある走行状態にあり、ROM51に格納された設定プログラムA7に基づき、制御を実行すべき状態にあると判定されるから、集中制御ユニット50は、フラグPを0にセットし、さらに、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更されたか否かを判定し、変更されたときは、フラグSを0にセットし、変更されていないときは、フラグSを1にセットする。
【0104】
他方、NOのときは、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置14からの入力信号に基づいて、路面摩擦係数の推定値μが、所定値μo 以下か否かを判定する。
その結果、YESのときは、路面摩擦係数の低い道路を走行中と認められ、専ら走行安定性を重視する必要のある走行状態にあり、ROM51に格納された設定プログラムA6に基づき、制御を実行すべき状態にあると判定されるから、集中制御ユニット50は、フラグPを1にセットし、さらに、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更されたか否かを判定し、変更されたときは、フラグSを0にセットし、変更されていないときは、フラグSを1にセットする。
【0105】
他方、NOのときは、ドライバー判定サブルーチンが実行されて、ドライバーが、オーナードライバーやその家族などの特定のドライバーが否かが判定され、設定プログラムA1ないしA5による制御を実行する必要があるか否かが判定される。
すなわち、図16に示されるように、集中制御ユニット50は、ドライバー識別手段48から、ドライバー信号が入力されているか否かにより、オーナードライバーあるいはその家族などの特定のドライバーであるか否かを判定する。ここに、ドライバー識別手段48は、ICカード、専用キー、免許証、発信機付き時計などのドライバーの所持品を検出したとき、ドライバー信号を、集中制御ユニット50に出力するように構成されている。
【0106】
その結果、ドライバー信号が入力されているときは、集中制御ユニット50は、フラグFを0にセットするとともに、さらに、前回のサイクルにおいて、フラグFが0であったか否かを判定して、前回のサイクルにおいて、フラグFが0でなかったときは、フラグSを0にセットし、前回のサイクルにおいても、フラグFが0であったときは、フラグSを1にセットする。
【0107】
他方、ドライバー信号に入力されていないときは、集中制御ユニット50は、さらに、図示しないドライバーの体重検出装置、画像処理により、ドライバーの体型および/または顔などを認識する装置、あるいは、音声の認識装置、シートのポジション検出装置などにより、ドライバーの体重、体型、顔、音声、シートのポジションなどの一または二以上が、RAM52に記憶されたデータと一致したするか否かにより、特定のドライバーか否かを判定する。
【0108】
その結果、これらの一または二以上が、RAM52に記憶されたデータと一致したときは、集中制御ユニット50は、ドライバーが、オーナードライバーあるいはその家族などの特定のドライバーであると判定し、フラグFを0にセットするとともに、さらに、前回のサイクルにおいて、フラグFが0であったか否かを判定して、前回のサイクルにおいて、フラグFが0でなかったときは、フラグSを0にセットし、前回のサイクルにおいても、フラグFが0であったときは、フラグSを1にセットする。
【0109】
これに対して、ドライバーの体重などから、特定のドライバーと判定し得ないときは、集中制御ユニット50は、さらに、ステアリングホィール4の操舵速度、アクセルペダル30の操作速度、ブレーキペダル31の操作速度およびクラッチペダル32の操作速度を、所定時間にわたり、モニターし、それまで、自動車1が、特定のドライバーにより、運転された結果、RAMに記憶されている特定のドライバーのステアリングホィール4の操舵速度、アクセルペダル30の操作速度、ブレーキペダル31の操作速度およびクラッチペダル32の操作速度の平均値と比較して、その差が、所定値以内のときは、オーナードライバーあるいはその家族などの特定のドライバーであると判定して、フラグFを0にセットするとともに、さらに、前回のサイクルにおいて、フラグFが0であったか否かを判定して、前回のサイクルにおいて、フラグFが0でなかったときは、フラグSを0にセットし、前回のサイクルにおいても、フラグFが0であったときは、フラグSを1にセットする。
【0110】
これに対して、その差が、所定値を越えていると判定したときは、オーナードライバーあるいはその家族などの特定のドライバーではないと判定して、フラグFを1にセットするとともに、さらに、前回のサイクルにおいて、フラグFが1であったか否かを判定して、前回のサイクルにおいて、フラグFが1でなかったときは、フラグSを0にセットし、前回のサイクルにおいても、フラグFが1であったときは、フラグSを1にセットする。
【0111】
こうして、ドライバー判定サブルーチンにより、ドライバーが、オーナードライバーあるいはその家族などの特定のドライバーか否かを判定した後、集中制御ユニット50は、さらに、図17に示す地域判定サブルーチンを実行する。
すなわち、集中制御ユニット50は、位置検出センサ18からの信号に基づき、位置検出用コンピュータユニット53により生成されたナビゲーション信号(車両位置信号)が読み取る。
【0112】
その結果、ナビゲーション信号(車両位置信号)を読み取ることができないときは、フラグHが0にセットされ、リターンされる。
他方、ナビゲーション信号(車両位置信号)を読み取ることができたが、ナビゲーション信号(車両位置信号)が不適当で、ナビゲーション信号(車両位置信号)に基づき、自動車1の位置を正確に決定することができないと、集中制御ユニット50が判定したときは、フラグHが1にセットされ、リターンされる。
【0113】
これに対して、ナビゲーション信号(車両位置信号)に基づき、自動車1の位置を決定し得るときは、フラグHが2にセットされ、さらに、集中制御ユニット50は、このナビゲーション信号(車両位置信号)に基づき、自動車1の現在の位置と自動車1のオーナーの自宅あるいはディーラーの所在地などの基点からの直線距離Lが、所定距離Lo以内、たとえば、20km以内の特定地域内を走行中か否かを判定する。
【0114】
その結果、自動車1のオーナーの自宅あるいはディーラーの所在地などの基点からの直線距離Lが、所定距離Lo 以内、たとえば、20km以内の特定地域内を、走行中と判定したときは、集中制御ユニット50は、フラグMを0にセットし、他方、特定地域外を走行中と判定したときは、フラグMを1にセットする。
【0115】
次いで、集中制御ユニット50は、図18および図19に示されるプログラム選択サブルーチンを実行する。
すなわち、図18および図19に示されるように、集中制御ユニット50は、まず、フラグFが0か否かによって、ドライバーが、オーナードライバーやその家族などの特定のドライバーか否かを判定する。
【0116】
その結果、NOのとき、すなわち、ドライバーが、特定のドライバーではないと判定したときは、集中制御ユニット50は、さらに、フラグHが0か否かを判定する。
その結果、YESのときは、ドライバーは、特定ドライバーではないので、本来、ROM51に格納された設定プログラムA1ないしA5に基づき、制御が実行されるべきであるが、ナビゲーション信号(車両位置信号)を読み出すことができず、自動車1が、いずれの地域にあるか、判定し得ないので、集中制御ユニット50は、設定プログラムA1ないしA5のうち、標準的なプログラムである設定プログラムA3にアクセスし、フラグNを0にセットするとともに、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更されたときは、フラグSを0にセットし、変更されていないときは、フラグSを1にセットする。
【0117】
他方、フラグHが0でないときは、集中制御ユニット50は、ROM51に格納された設定プログラムA1ないしA5にアクセスし、フラグNを0にセットするとともに、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更されたときは、フラグSを0にセットし、変更されていないときは、フラグSを1にセットする。
【0118】
これに対して、フラグFが0ではないとき、すなわち、ドライバーが、特定のドライバーであると判定されたときは、集中制御ユニット50は、さらに、フラグHが0か否かを判定する。
その結果、YESのときは、ドライバーが、特定ドライバーと判定されているので、標準プログラムB1ないしB5および補正プログラムE1ないしE7、あるいは、学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7および補正プログラムE1ないしE4ならびにE6に基づき、制御が実行されるべきであるが、ナビゲーション信号(車両位置信号)を読み出すことができず、自動車1が、いずれの地域にあるかさえ、判定し得ないので、集中制御ユニット50は、標準プログラムB1ないしB5のうち、最も標準的なプログラムである標準プログラムB3にアクセスし、フラグNを1にセットするとともに、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更されたときは、フラグSを0にセットし、変更されていないときは、フラグSを1にセットする。
【0119】
他方、NOのときは、集中制御ユニット50は、さらに、フラグHが1か否かを判定する。
その結果、YESのときは、ドライバーが、特定ドライバーと判定されているので、標準プログラムB1ないしB5および補正プログラムE1ないしE7、あるいは、学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7および補正プログラムE1ないしE4ならびにE6に基づき、制御が実行されるべきであるが、ナビゲーション信号(車両位置信号)により、自動車1の正確な位置を判定することができないので、集中制御ユニット50は、標準プログラムB1ないしB5にアクセスし、フラグNを2にセットするとともに、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更されたときは、フラグSを0にセットし、変更されていないときは、フラグSを1にセットする。
【0120】
他方、NOのときは、集中制御ユニット50は、さらに、フラグMが0か否かにより、自動車1が、特定地域内にあるか否かを判定する。
その結果、YESのときは、自動車1は、特定地域内にあると認められるが、走行すべき単位区間についてのその曜日、その時間帯の制御データが、未だ、学習されてはおらず、RAM52に記憶されていない可能性があるので、走行すべき単位区間におけるその曜日、その時間帯の制御データが、学習されて、RAM52に記憶されているか否かを判定する。
【0121】
その結果、YESのとき、すなわち、走行すべき単位区間におけるその曜日、その時間帯の制御データが、すでに、学習され、記憶されているときは、集中制御ユニット50は、RAM52に格納された学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7およびE1ないしE4ならびにE6にアクセスし、フラグNを4にセットするとともに、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更されたときは、フラグSを0にセットし、変更されていないときは、フラグSを1にセットする。
【0122】
他方、NOのとき、すなわち、その曜日、その時間帯におけるその走行すべき単位区間の制御データが、学習されてはおらず、RAM52に記憶されていないときは、集中制御ユニット50は、送受信装置126及びネットワーク104を経由して、情報センタ102にアクセスし、情報センタ102のエータベース130,132,134,136(図8参照)に蓄積されている特定地域内における他のユーザの環境データ及び学習データ(又は平均学習データ)を入手する。
【0123】
また、フラグMが0ではなく、自動車1が、特定地域外であると判定された場合も、同様に、その曜日、その時間帯におけるその走行すべき単位区間の制御データは、学習されてはおらず、RAM52に記憶されていないので、集中制御ユニット50は、送受信装置126及びネットワーク104を経由して、情報センタ102にアクセスし、情報センタ102のエータベース130,132,134,136(図8参照)に蓄積されている特定地域内における他のユーザの環境データ及び学習データ(又は平均学習データ)を入手する。
【0124】
次に、情報センタのデータベースにこの特定地域における他のユーザの環境データ及び学習データ(又は平均学習データ)が未だ蓄積されていない可能性があるので、そのような制御データ(環境データ及び学習データ)の有無を判定する。
【0125】
その結果、NOのときは、学習プログラムにより、制御を実行することはできないと判定して、集中制御ユニット50は、RAM52に格納された標準プログラムB1ないしB5および補正プログラムE1ないしE7にアクセスし、フラグNを3にセットするとともに、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更されたときは、フラグSを0にセットし、変更されていないときは、フラグSを1にセットする。
【0126】
その結果、YESのときは、すなわち、特定区域内に制御データ(学習データ及び環境データ)が存在するため、学習プログラムD1、D3ないしD6に関しては、この制御データは、その特定ドライバーが、走行すべき単位区間を、その曜日、その時間帯に走行したときに、学習される制御データに類似していると認められる、したがって、標準プログラムB1ないしB5に基づき、制御を実行するよりも、その制御データに基づいて、制御を実行する方が、ドライバーにより大きな満足を与え得ると考えられるから、集中制御ユニット50は、RAM52に記憶された近隣単位区間の学習プログラムC1ないしC3およびD1、D3ないしD6にアクセスして、この特定地域内の制御データを、ゲインkだけ、安定側に補正し、フラグNを5にセットする。しかし、学習プログラムD2およびD7の制御データは、それぞれ、ブレーキペダル31の操作位置およびマニュアル・スィッチ34の操作位置を学習して、得られるべきものであるから、特定地域内における制御データがあっても、これらに基づき、制御実行することは、適当でないので、集中制御ユニット50は、RAM52に記憶された特定地域の学習プログラムD2およびD7には、アクセスしない。その後、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更されたか否かを判定して、変更されたときは、フラグSを0にセットし、変更されていないときは、フラグSを1にセットする。
【0127】
図20および図21は、学習制御サブルーチンを示すフローチャートである。
図20および図21において、集中制御ユニット50は、まず、フラグNが0か否かを判定する。
その結果、YESのときは、ROM52に格納された設定プログラムA1ないしA5、あるいは、設定プログラムA3にしたがって、制御がなされるので、集中制御ユニット50は、学習制御を実行しない。
【0128】
他方、NOのときは、集中制御ユニット50は、さらに、フラグNが1か否かを判定する。
その結果、YESのときは、ナビゲーション信号(車両位置信号)を読み取ることができず、標準プログラムB1ないしB5のうち、最も標準的なプログラムB3を、暫定的に選択して、制御を実行する場合であるので、実際に、標準プログラムB3を選択していることが適当であるとは、必ずしも言えず、もし、適当でないときには、学習制御を実行すると、標準プログラムB3を、学習制御により、かえって、不適当に、補正してしまうおそれがあるから、学習制御は実行しない。
【0129】
これに対して、フラグNが1でないときは、さらに、集中制御ユニット50は、フラグNが2か否かを判定する。
その結果、YESのときは、集中制御ユニット50は、ナビゲーション信号(車両位置信号)に基づき、B1ないしB5の中から該当する地域の標準プログラムを読出して、その標準プログラムの各制御装置、すなわち、アクティブサスペンション制御装置12、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置14、ギヤ比制御装置7、4輪操舵制御装置17、トラクション・コントロール装置15、エンジン制御装置3、パワーステアリング制御装置9の制御データDBo を読出し、さらに、走行データDを読み込んで、制御データDBo と走行データDの差の絶対値が、所定値d1以下か否かを、各制御装置毎に、判定する。
【0130】
その結果、YESのときは、RAM52に記憶されているその制御装置の制御データDBo と、走行データDとの差が小さく、RAM52に記憶されているその制御装置の制御データDBo を補正する必要がないと認められるから、集中制御ユニット50は、その走行データDの学習はおこなわない。
他方、NOのときは、集中制御ユニット50は、さらに、制御データDBo と走行データDの差の絶対値が、所定値d2以上か否かを、各制御装置毎に、判定する。ここに、d2>d1である。
【0131】
その結果、YESのときは、RAM52に記憶されているその制御装置の制御データDBo と、走行データDとの差がきわめて大きく、特定ドライバーのかかる操作は、突発的になされた可能性が大きく、したがって、そのような走行データDを学習することは適当でないから、集中制御ユニット50は、その走行データDの学習はおこなわない。
【0132】
これに対して、NOのときは、集中制御ユニット50は、更新回数nが、所定回数no に達したか否かを判定する。
その結果、NOのときは、学習制御による更新回数nは少なく、したがって、未だ、自動車1は、特定ドライバーの操作特性に十分合致した走行特性を備えているとは認められないので、集中制御ユニット50は、その走行データDによる学習制御を次式にしたがって、実行する。
【0133】
DBo =(j1×DBo +D)/(j1+1)
ここに、j1は、所定の係数で、たとえば、10000に設定される。
しかる後、更新回数nを、n=n+1として、RAM52に記憶する。
他方、YESのときは、学習制御により、すでに、自動車1が、特定ドライバーの運転特性に十分に合致した特性を備えていると認められるから、学習制御による制御データDBo の補正値は小さくてもよく、したがって、集中制御ユニット50は、その走行データDによる学習制御を次式にしたがって、実行する。
【0134】
DBo =(j2×DBo +D)/(j2+1)
ここに、j2は、所定の係数で、j1<j2であり、たとえば、15000に設定される。
しかる後、更新回数nを、n=n+1として、RAM52に記憶する。
これに対して、フラグNが2でないと判定したときは、集中制御ユニット50は、さらに、フラグNが3か否かを判定する。
【0135】
その結果、YESのときは、集中制御ユニット50は、ナビゲーション信号(車両位置信号)に基づき、B1ないしB5の中から該当する地域の標準プログラムを読出して、その標準プログラムの各制御装置、すなわち、アクティブサスペンション制御装置12、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置14、ギヤ比制御装置7、4輪操舵制御装置17、トラクション・コントロール装置15、エンジン制御装置3、パワーステアリング制御装置9の制御データDBo を読出し、さらに、走行データDを読み込んで、読み込まれた走行データDに基づき、補正プログラムE5ないしE7にしたがって、制御データDBo を補正して、制御データDBを得、制御データDBo と補正データDBの差の絶対値が、所定値d3以下か否かを、各制御装置毎に、判定する。
【0136】
その結果、YESのときは、RAM52に記憶されているその制御装置の制御データDBo と、補正データDBとの差が小さく、RAM52に記憶されているその制御装置の制御データDBo を補正する必要がないと認められるから、集中制御ユニット50は、その補正データDBの学習はおこなわない。 他方、NOのときは、集中制御ユニット50は、さらに、制御データDBo と補正データDBの差の絶対値が、所定値d4以上か否かを、各制御装置毎に、判定する。ここに、d4>d3である。
【0137】
その結果、YESのときは、RAM52に記憶されているその制御装置の制御データDBo と、補正データDBとの差がきわめて大きく、特定ドライバーのかかる操作は、突発的になされた可能性が大きく、したがって、そのような補正データDBを学習することは適当でないから、集中制御ユニット50は、その補正データDBの学習はおこなわない。
【0138】
これに対して、NOのときは、集中制御ユニット50は、更新回数nが、所定回数no に達したか否かを判定する。
その結果、NOのときは、学習制御による更新回数nは少なく、したがって、未だ、自動車1は、特定ドライバーの操作特性に十分合致した走行特性を備えているとは認められないので、集中制御ユニット50は、その走行データDによる学習制御を次式にしたがって、実行する。
【0139】
DBo =(m1×DBo +DB)/(m1+1)
ここに、m1は、所定の係数で、たとえば、10000に設定される。
しかる後、更新回数nを、n=n+1として、RAM52に記憶する。
他方、YESのときは、学習制御により、すでに、自動車1が、特定ドライバーの運転特性に十分に合致した特性を備えていると認められるから、学習制御による制御データDBo の補正値は小さくてもよく、したがって、集中制御ユニット50は、その走行データDによる学習制御を次式にしたがって、実行する。
【0140】
DBo =(m2×DBo +DB)/(m2+1)
ここに、m2は、所定の係数で、m1<m2であり、たとえば、15000に設定される。
しかる後、更新回数nを、n=n+1として、RAM52に記憶する。
これに対して、フラグNが3でないと判定したときは、集中制御ユニット50は、さらに、フラグNが4か否かを判定する。
【0141】
その結果、YESのときは、自動車1は特定地域内にあり、走行すべき単位区間の制御データも、RAM52に、記憶されていると認められるから、集中制御ユニット50は、学習プログラムC1ないしC3およびD1ないしD7を読出して、これらの学習プログラムの各制御装置の制御データに基づき、学習プログラムの各制御装置の制御データDCo を算出する。
【0142】
集中制御ユニット50は、さらに、走行データDを読み込んで、これに基づき、学習プログラムC1ないしC3およびD1ないしD7にしたがって、制御データDBo を補正して、制御データDBを得、制御データDCo と補正データDCの差の絶対値が、各制御装置の制御データDCo と補正データDCの差の絶対値が、所定値d5以下か否かを、各制御装置毎に、判定する。
【0143】
その結果、YESのときは、RAM52に記憶されているその制御装置の制御データDCと、走行データDとの差が小さく、RAM52に記憶されているその制御装置の制御データDCを補正する必要がないと認められるから、集中制御ユニット50は、その補正データDCの学習はおこなわない。
他方、NOのときは、集中制御ユニット50は、さらに、制御データDCo と補正データDCの差の絶対値が、所定値d6以上か否かを、各制御装置毎に、判定する。ここに、d6>d5である。
【0144】
その結果、YESのときは、RAM52に記憶されているその制御装置の制御データDCo と、補正データDCとの差がきわめて大きく、特定ドライバーのかかる操作は、突発的になされた可能性が大きく、したがって、そのような補正データDCを学習することは適当でないから、集中制御ユニット50は、その補正データDCの学習はおこなわない。
【0145】
これに対して、NOのときは、集中制御ユニット50は、更新回数nが、所定回数no に達したか否かを判定する。
その結果、NOのときは、学習制御による更新回数nは少なく、したがって、未だ、自動車1は、特定ドライバーの操作特性に十分合致した走行特性を備えているとは認められないので、集中制御ユニット50は、その走行データDによる学習制御を次式にしたがって、実行する。
【0146】
DCo =(r1×DCo +DC)/(r1+1)
ここに、r1は、所定の係数で、たとえば、100に設定される。
しかる後、更新回数nを、n=n+1として、RAM52に記憶する。
他方、YESのときは、学習制御により、すでに、自動車1が、特定ドライバーの運転特性に十分に合致した特性を備えていると認められるから、学習制御による制御データDBo の補正値は小さくてもよく、したがって、集中制御ユニット50は、その走行データDによる学習制御を次式にしたがって、実行する。
【0147】
DCo =(r2×DCo +DC)/(r2+1)
ここに、r2は、所定の係数で、r1<r2であり、たとえば、150に設定される。
しかる後、更新回数nを、n=n+1として、RAM52に記憶する。
これに対して、フラグNが4でないときは、フラグNは5であり、走行すべき単位区間の制御データが、未だ、学習されて、RAM52に記憶されてはいないと認められるが、走行している単位区間の制御データを学習して、作成するため、集中制御ユニット50は、走行データDを読み込む。そして、学習プログラムD1、D3ないしD6については、同じ曜日、同じ時間帯に、同じ単位区間を、p回、たとえば、10回、あるいは、50回、走行し、p個の走行データDが得られたとき、これらp個の走行データDを加算して、pで除算して、制御データDCo を算出し、RAM52に記憶させる。他方、学習プログラムD2については、同じ曜日、同じ時間帯に、同じ場所で、ブレーキペダル31の操作が、p回、たとえば、10回、あるいは、50回なされたときに、p個の走行データDを加算して、pで除算して、制御データDCo を算出し、RAM52に記憶させる。
【0148】
ここに、学習プログラムD1、D3ないしD6の走行データDは、たとえば、1km毎で、隣接する単位区間との間で、地域の一部が、たとえば、100mづつ、重複するように設定された単位区間、あるいは、10分毎で、隣接する単位区間との間で、一部が時間的に、たとえば、1分づつ、重複するように設定された単位区間内におけるデータを、各単位区間毎に、積算計41から入力された検出信号に基づき、平均して、算出される。このように、走行データDを算出することにより、走行データの連続性を担保することができ、望ましい。
【0149】
学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7に基づいて、学習プログラムの制御データDCを求め、学習プログラムC1ないしC3およびD1ないしD7に基づいて、走行データDより、各制御装置の補正データDCを算出する方法について、ACSの場合を例にして、より詳細に説明を加えると、次のとおりである。
【0150】
図22および図23は、地形状況に基づく学習プログラムC1ないしC3により、ACSの制御データを補正する方法を説明するためのマップであり、図22は、上下加速度GVと補正用データとの関係を示すマップ、図23は、横加速度GLと補正用データとの関係を示すマップで、これらは、ROM51に記憶されている。
【0151】
上下加速度センサ47の検出信号に基づいて、図22に示されるように、学習プログラムC1の補正用データx1が算出される。ここに、1は、サスペンションが最もハードなデータを示し、0は、サスペンションが最もソフトなデータを示している。
次いで、横加速度センサ46の検出信号に基づき、図23に示されるように、学習プログラムC2の補正用データx2が算出される。
【0152】
表2に示されるように、ACSの制御データは、学習プログラムC3によっては、補正されないから、この2つの補正用データx1およびx2に基づいて、次式にしたがって、学習プログラムC1ないしC3の補正用データXcが算出される。
Xc=(x1+x2)/2
ROM51に記憶されている図示しないマップにより、同様にして、学習プログラムD1ないしD7の補正用データXdが算出される。
【0153】
こうして得られた補正用データXcおよびXdに基づき、次式にしたがって、補正データDCが得られる。
DC=(K1・Xc+K2・Xd)/(K1+K2)
ここに、K1、K2は、重み付け係数であり、K1<K2に設定される。
さらに、集中制御ユニット50は、前回に、学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7毎に、RAM52に記憶された各データに基づいて、同様にして、算出された制御データDCo と、こうして得られた補正データDCとの差の絶対値が、所定値d3およびd4と比較し、上述のように、学習すべきときは、補正データDCを学習し、学習すべきでないときは、補正データDCの学習を実行しない。
【0154】
標準プログラムB1ないしB5において、補正プログラムE5ないしE7にしたがって、走行データDを補正し、補正データDBを得る方法も同様である。
図24、図25および図26は、制御実行サブルーチンを示すフローチャートである。
図24、図25および図26において、集中制御ユニット50は、まず、フラグPが0か否かを判定する。
【0155】
その結果、YESのときは、自動車1に加わる横加速度GLが大きく、もっぱら、走行安定性を重視する必要のある走行状態にあり、ROM51に格納された設定プログラムA7に基づき、制御を実行すべき状態にあると判定される。
そこで、集中制御ユニット50は、さらに、フラグSが0か否かを判定する。
【0156】
その結果、YESのときは、走行状況の変化により、あるいは、ドライバーが、オーナードライバーやその家族などの特定ドライバーから、その他のドライバーに、または、特定ドライバー以外のドライバーから、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変化したと認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T1 を加算する。
【0157】
他方、フラグSが0でないときは、集中制御ユニット50は、各制御装置の制御ゲインが、前回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した否かを判定する。
その結果、YESのときは、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、制御ゲインが変化した制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T2 を加算する。
【0158】
しかる後に、集中制御ユニット50は、設定プログラムA7にしたがって、各制御装置のタイマーに記憶された制御時間T経過後に、制御ゲインが、今回算出された値に、徐々になるように、制御実行信号を、各制御装置に出力する。
これに対して、フラグPが0でないときは、さらに、集中制御ユニット50は、フラグPが1か否かを判定する。
【0159】
その結果、YESのときは、路面摩擦係数の低い道路を走行中と認められ、専ら走行安定性を重視する必要のある走行状態にあり、ROM51に格納された設定プログラムA6に基づき、制御を実行すべき状態にあると判定される。
そこで、集中制御ユニット50は、さらに、フラグSが0か否かを判定する。
【0160】
その結果、YESのときは、走行状況の変化により、あるいは、ドライバーが、オーナードライバーやその家族などの特定ドライバーから、その他のドライバーに、または、特定ドライバー以外のドライバーから、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変更されていると認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T1 を加算する。
【0161】
他方、フラグSが0でないときは、集中制御ユニット50は、各制御装置の制御ゲインが、前回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した否かを判定する。
その結果、YESのときは、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、制御ゲインが変化した制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T2 を加算する。
【0162】
しかる後に、集中制御ユニット50は、設定プログラムA6にしたがって、各制御装置のタイマーに記憶された制御時間T経過後に、制御ゲインが、今回算出された値に、徐々になるように、制御実行信号を、各制御装置に出力する。
これに対して、フラグPが1でないときは、さらに、集中制御ユニット50は、フラグNが0か否かを判定する。
【0163】
その結果、YESのときは、ROM51に格納された設定プログラムA1ないしA5により、制御がなされるべき状況であるが、集中制御ユニット50は、さらに、フラグSが0か否か、すなわち、使用されるプログラムが変更されたか否かを判定する。
その結果、YESのときは、走行状況の変化により、あるいは、ドライバーが、オーナードライバーやその家族などの特定ドライバーから、その他のドライバーに、または、特定ドライバー以外のドライバーから、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変更されていると認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T1 を加算する。
【0164】
他方、フラグSが0でないときは、集中制御ユニット50は、各制御装置の制御ゲインが、前回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した否かを判定する。
その結果、YESのときは、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、制御ゲインが変化した制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T2 を加算する。
【0165】
ここに、ROM51に格納された設定プログラムA1ないしA5の制御ゲインは、補正プログラムE1ないしE7により、補正されないから、集中制御ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶された制御時間T経過後に、制御ゲインが、今回算出された値に、徐々になるように、各制御装置に、制御実行信号を出力する。
【0166】
他方、フラグNが0でないときは、集中制御ユニット50は、さらに、フラグNが1か否かを判定する。
その結果、YESのときは、標準プログラムB3に基づく制御を開始する。
まず、集中制御ユニット50は、さらに、フラグSが0か否かを判定する。
【0167】
その結果、YESのときは、走行状況の変化により、あるいは、ドライバーが、オーナードライバーやその家族などの特定ドライバーから、その他のドライバーに、または、特定ドライバー以外のドライバーから、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変化したと認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T1 を加算する。
【0168】
他方、フラグSが0でないときは、集中制御ユニット50は、補正プログラムE1ないしE4に基づき、標準プログラムB3にしたがって、算出された各制御装置の制御ゲインを、表4に示すように、一律に補正して、各制御装置の制御ゲインを算出する。
すなわち、まず、時計40からの入力信号が基づいて、夜間と判定したときは、表4に示されるように、該当する地域の標準プログラムの各制御装置の制御データDBを補正し、ナビゲーション信号(車両位置信号)や車速センサ43からの入力信号に基づき、渋滞状態にあると判定したときは、表4に示されるように、該当する地域の標準プログラムの各制御装置の制御データDBを補正し、図示しないワイパー作動手段からの信号により、ワイパーが作動しており、雨天あるいは雪の降っている天候状態であると判定したときは、表4に示されるように、該当する地域の標準プログラムの各制御装置の制御データDBを補正し、さらに、時計40および積算計41からの入力信号に基づき、走行時間が長いと判定したときは、その長さに応じて、表4に示されるように、該当する地域の標準プログラムの各制御装置の制御データDBを補正して、こうして補正された各制御装置の制御データに基づいて、各制御装置の制御ゲインを算出する。
【0169】
その後、集中制御ユニット50は、こうして得られた各制御装置の制御ゲインが、前回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した否かを判定する。
その結果、YESのときは、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、制御ゲインが変化した制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T2 を加算する。
【0170】
しかる後に、集中制御ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶された制御時間T経過後に、制御ゲインが、今回算出された値に、徐々になるように、制御実行信号を、各制御装置に出力する。
これに対して、フラグNが1でないと判定されたときは、集中制御ユニット50は、さらに、フラグNが2または3か否かを判定する。
【0171】
その結果、YESのときは、集中制御ユニット50は、ナビゲーション信号(車両位置信号)に基づき、標準プログラムB1ないしB5の中から該当する地域の標準プログラムを読出し、標準プログラムB1ないしB5のいずれかに基づく制御を開始する。
まず、集中制御ユニット50は、さらに、フラグSが0か否かを判定する。
【0172】
その結果、YESのときは、走行状況の変化により、あるいは、ドライバーが、オーナードライバーやその家族などの特定ドライバーから、その他のドライバーに、または、特定ドライバー以外のドライバーから、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変化したと認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T1 を加算する。
【0173】
他方、フラグSが0でないときは、集中制御ユニット50は、補正プログラムE1ないしE4に基づき、ナビゲーション信号(車両位置信号)に基づいて選択された標準プログラムB1ないしB5のいずれかにしたがって、算出された各制御装置の制御ゲインを、表4に示すように、一律に補正して、各制御装置の制御ゲインを算出する。
【0174】
その後、集中制御ユニット50は、こうして得られた各制御装置の制御ゲインが、前回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した否かを判定する。
その結果、YESのときは、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、制御ゲインが変化した制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T2 を加算する。
【0175】
しかる後に、集中制御ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶された制御時間T経過後に、制御ゲインが、今回算出された値に、徐々になるように、制御実行信号を、各制御装置に出力する。
これに対して、フラグNが2または3でないと判定されたときは、集中制御ユニット50は、さらに、フラグNが4か否かを判定する。
【0176】
その結果、YESのときは、学習プログラムC1ないしC3およびD1ないしD7に基づく制御を開始する。
まず、集中制御ユニット50は、さらに、フラグSが0か否かを判定する。
その結果、YESのときは、走行状況の変化により、あるいは、ドライバーが、特定ドライバー以外のドライバーから、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変化したと認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T1 を加算する。
【0177】
他方、フラグSが0でないときは、集中制御ユニット50は、補正プログラムE1ないしE4に基づき、ナビゲーション信号(車両位置信号)に基づき、学習プログラムC1ないしC3およびD1ないしD7にしたがって、算出された各制御装置の制御ゲインを、表4に示すように、一律に補正して、各制御装置の制御ゲインを算出する。
【0178】
その後、集中制御ユニット50は、こうして得られた各制御装置の制御ゲインが、前回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した否かを判定する。
その結果、YESのときは、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、制御ゲインが変化した制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T2 を加算する。
【0179】
しかる後に、集中制御ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶された制御時間T経過後に、制御ゲインが、今回算出された値に、徐々になるように、制御実行信号を、各制御装置に出力する。
これに対して、フラグNが4でないと判定されたときは、走行すべき単位区間の制御データが、未だ、RAM52には、記憶されてはいないが、走行すべき単位区間からの直線距離lが、所定距離lo 以内の近隣単位区間の制御データは、RAM52に記憶されているので、集中制御ユニット50は、学習プログラムC1ないしC3およびD1、D3ないしD6につき、この近隣単位区間の制御データに基づく制御を開始する。しかし、学習プログラムD2およびD7の制御データは、それぞれ、ブレーキペダル31およびマニュアル・スィッチ34の操作場所との関係で、学習がなされ、生成されるものであるから、近隣単位区間の制御データに基づく制御を実行することは適当でなく、したがって、制御は実行しない。
【0180】
まず、集中制御ユニット50は、さらに、フラグSが0か否かを判定する。
その結果、YESのときは、走行状況の変化により、あるいは、ドライバーが、特定ドライバー以外のドライバーから、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変化したと認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T1 を加算する。
【0181】
他方、フラグSが0でないときは、集中制御ユニット50は、補正プログラムE1ないしE4に基づき、ナビゲーション信号(車両位置信号)に基づき、学習プログラムC1ないしC3およびD1、D3ないしD6についての近隣単位区間の制御データを、表4に示すように、一律に補正して、各制御装置の制御ゲインを算出する。
【0182】
その後、集中制御ユニット50は、こうして得られた各制御装置の制御ゲインが、前回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した否かを判定する。
その結果、YESのときは、自動車1の走行状況が、急激に変化することを防止するため、集中制御ユニット50は、制御ゲインが変化した制御装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T2 を加算する。
【0183】
しかる後に、集中制御ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶された制御時間T経過後に、制御ゲインが、今回算出された値に、徐々になるように、制御実行信号を、各制御装置に出力する。
以上、本実施形態によれば、RAM52には、都市部、市街地、市外地、山道、高速道路などの地域毎に、その地域に合致した制御ゲインに設定された設定プログラムA1ないしA5、横加速度GLが所定値GLo より大きい走行状態で、強制的に使用される設定プログラムA6、路面摩擦係数の小さい道路を走行中に、強制的に使用される設定プログラムA7、オーナードライバーやその家族などの特定のドライバーが、自動車1を運転する場合に、その操作の特徴を学習して、都市部、市街地、市外地、山道、高速道路などの地域毎に、その地域および特定ドライバーの操作に合致するように学習、変更された制御ゲインを有する標準プログラムB1ないしB5、自動車1のオーナーの自宅あるいはディーラーの所在地から、所定距離Lo 内の特定範囲内で、地形およびオーナードライバーやその家族などの特定のドライバーの操作を学習して、単位区間毎に、その単位区間および特定ドライバーの操作に合致するように学習された制御ゲインを有する学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7、および、標準プログラムB1ないしB5および学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7を補正する補正プログラムE1ないしE7を備えており、オーナードライバーやその家族などの特定ドライバーが、自動車1を、通勤などで、走行する頻度の高い特定地域内で、運転するときは、地形およびオーナードライバーやその家族などの特定のドライバーの操作を学習して、単位区間毎に、その道路の地形および特定ドライバーの操作に合致するように学習された制御ゲインを有する学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7を、補正プログラムE1ないしE1およびE6によって補正した制御ゲインにより、自動車1の走行特性が制御されているから、特定ドライバーに、きわめて大きな満足感を与えることができるとともに、走行安定性を向上させることが可能になり、また、特定ドライバーが、特定地域外を運転するときには、都市部、市街地、市外地、山道、高速道路などの地域毎に、その地域および特定ドライバーの操作に合致するように学習、変更された制御ゲインを有する標準プログラムB1ないしB5を、補正プログラムE1ないしE7によって補正した制御ゲインにより、自動車1の走行特性が制御されるから、大きな満足感を与えることができ、さらに、オーナードライバーやその家族などの特定ドライバー以外のドライバーが、自動車1を運転するときは、都市部、市街地、市外地、山道、高速道路などの地域毎に、その地域に合致した制御ゲインに設定された設定プログラムA1ないしA5により、自動車1の走行特性が制御されるから、特定ドライバー以外のドライバーが、自動車1を運転する場合にも、従来に比して、大きな満足感を与えることが可能になる。
【0184】
また、特定ドライバー以外のドライバーが、運転するときは、学習制御をおこなわないので、特定ドライバーが運転したことにより、特定ドライバーの操作に合致するように変更されたプログラムの制御ゲインが、好ましくない方向に、変更されることも防止することが可能になる。
さらには、横加速度GLが所定値GLo 以上の走行状態では、強制的に、設定プログラムA6が、路面摩擦係数の小さい道路を走行中には、強制的に、設定プログラムA7が、それぞれ、選択され、使用されるから、走行安定性を損なうことも、確実に防止することができる。
【0185】
特許請求の範囲において、各手段は、必ずしも、物理的手段に限定されるものではなく、各手段の機能が、ソフトウエアにより、実現される場合も、本発明は包含し、さらに、1つの手段の機能が、2以上の物理的手段により実現される場合も、また、2つの手段の機能が、1つの物理的手段により、実現される場合も、本発明は包含する。
【0186】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の走行支援用サーバ、走行支援方法、及び、走行支援用プログラムによれば、ユーザの好みや居住環境、走り方等に合致した走行特性を得ることができる。また、本発明によれば、複数のユーザの環境データを共有することにより、安全に且つ快適に走行を行なうことが出来る。
【0187】
【表1】
Figure 0004565306
【0188】
【表2】
Figure 0004565306
【0189】
【表3】
Figure 0004565306
【0190】
【表4】
Figure 0004565306

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される自動車の制御ゲイン変更システムを示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態が適用される学習制御自動車のブロックダイアグラムである。
【図3】学習制御自動車の操作系、検出系および制御系のブロックダイアグラムである。
【図4】マニュアル・スイッチが設けられたインスツルメントパネルの略正面図である。
【図5】情報センタ契約の一例を示す図である。
【図6】ディスプレイ装置の画面の一例を示した図である。
【図7】「走行支援/制御オーダメイド契約」を履行する場合のユーザと情報センタとの間で授受される情報の内容を示した図である。
【図8】情報センタのデータベースに格納されるデータの内容を説明するための図である。
【図9】「渋滞&流れ状況」及び「交通規制状況」がユーザにより選択されたディスプレイ装置の画面を示す図である。
【図10】本実施形態による制御ゲインを生成するための第1の態様を示しフローチャートである。
【図11】本実施形態による制御ゲインを生成するための第2態様を示しフローチャートである。
【図12】本実施形態による制御ゲインを生成するための第3態様を示しフローチャートである。
【図13】レンタカーを借りて旅行する場合の車両側と情報センタとの種々の情報の交信の様子を示すフローチャートである。
【図14】画像データを要求するユーザの車両Aと画像データを提供するユーザの車両を車両Bと情報センタ(サーバ)との間の授受される信号の内容を示すフローチャートである。
【図15】図15は、基本制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図16】図16は、ドライバー判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図17】図17は、地域判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】図18は、プログラム選択サブルーチンの前半部を示すフローチャートである。
【図19】図19は、プログラム選択サブルーチンの後半部を示すフローチャートである。
【図20】図20は、学習制御サブルーチンの前半部を示すフローチャートである。
【図21】図21は、学習制御サブルーチンの後半部を示すフローチャートである。
【図22】図22は、学習プログラムC1のACSにおける上下加速度GVと補正用データとの関係を示すマップである。
【図23】図23は、学習プログラムC2のACSにおける横加速度GLと補正用データとの関係を示すマップである。
【図24】図24は、制御実行サブルーチンの前半部を示すフローチャートである。
【図25】図25は、制御実行サブルーチンの中盤部を示すフローチャートである。
【図26】図26は、制御実行サブルーチンの後半部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動車
2 エンジン
3 エンジン制御装置
4 ステアリングホィール
5 前輪
6 ギヤ比変更装置
7 ギヤ比制御装置
8 パワーステアリング装置
9 パワーステアリング制御装置
10 後輪
11 アクティブサスペンション装置
12 アクティブサスペンション制御装置
13 ブレーキ
14 アンチ・ロック・ブレーキング制御装置
15 トラクション・コントロール装置
16 後輪操舵装置
17 4輪操舵制御装置
18 位置検出センサ
19 ディスプレイ装置
20 オートマチック・トランスミッション制御装置
21 トランスミッション装置
30 アクセルペダル
31 ブレーキペダル
32 クラッチペダル
33 シフトレバー
34 マニュアル・スィッチ
35 消去スィッチ
36 インスツルメントパネル
37 インディケータ
40 時計
41 積算計
42 カレンダー
43 車速センサ
44 ヨーレイトセンサ
45 加速度センサ
46 横加速度センサ
47 上下加速度センサ
48 ドライバー識別手段
50 メイン・コンピュータユニット
51 ROM
52 RAM
53 位置算出用コンピュータユニット
100 自動車の制御ゲイン変更システム
102 情報センタ(サーバ)
104 ネットワーク
106 ユーザ(会員)
110 自宅のパソコン
116 カーメーカ
118 カーディーラ
120 レンタカー業者
122 交通情報センタ
124 ウエブカメラ
126 送受信装置
130 第1データベース
132 第2データベース
134 第3データベース
140 自動車の現在位置

Claims (8)

  1. 特定の地域に関する情報を車両側に提供する走行支援用サーバであって、
    複数のユーザが特定の地域を走行したことにより得られる環境データを受信する受信手段と、
    この環境データを蓄積するデータ蓄積手段と、
    この蓄積された環境データの内、この特定の地域の住民であるユーザの環境データに基づいて、その地域住民の使用頻度の高い経路から迂回路を推定し、この迂回路に関する情報を、要求のあったユーザに提供する迂回路情報提供手段と、
    を有することを特徴とする走行支援用サーバ。
  2. 更に、この蓄積された環境データの内、その特定の地域の住民であるユーザの環境データに基づいて、地域住民の利用頻度の高い施設及び目的地を割り出して、これらの施設及び目的地に関する情報をユーザに提供する施設等情報提供手段を有する請求項1記載の走行支援用サーバ。
  3. 更に、上記環境データから、特定の道路の平均走行車速を求め、この平均走行車速に関する情報をユーザに提供する走行車速提供手段を有する請求項1又は請求項2記載の走行支援用サーバ
  4. 上記走行車速提供手段は、上記平均走行車速に関する情報をユーザの車両の特性にマッチするように補正している請求項3記載の走行支援用サーバ。
  5. 更に、ユーザの車両の予め設定された進行路の前方に位置する地域に関する環境データをユーザに提供する前方情報提供手段を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の走行支援用サーバ。
  6. 上記環境データは、路面μ情報を含む請求項5記載の走行支援用サーバ。
  7. 走行支援用サーバが特定の地域に関する情報を車両側に提供する走行支援方法であって、
    複数のユーザが特定の地域を走行したことにより得られる環境データを受信する受信工程と、
    この環境データを蓄積するデータ蓄積工程と、
    この蓄積された環境データの内、この特定の地域の住民であるユーザの環境データに基づいて、その地域住民の使用頻度の高い経路から迂回路を推定し、この迂回路に関する情報を、要求のあったユーザに提供する迂回路情報提供工程と、
    を有することを特徴とする走行支援方法。
  8. 走行支援用サーバが特定の地域に関する情報を車両側に提供するサーバのコンピュータのための走行支援用プログラムであって、複数のユーザが特定の地域を走行したことにより得られる環境データを受信させ、この環境データを蓄積させ、この蓄積された環境データの内、この特定の地域の住民であるユーザの環境データに基づいて、その地域住民の使用頻度の高い経路から迂回路を推定し、この迂回路に関する情報を、要求のあったユーザに提供させるように、上記サーバのコンピュータを制御するための走行支援用プログラム。
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