JP4564741B2 - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、火花放電を行う電極にチップを接合した内燃機関用のスパークプラグの製造方法に関するものである。
従来、内燃機関には点火のためのスパークプラグが用いられている。このスパークプラグでは、一般的には、中心電極が挿設された絶縁碍子を保持する主体金具の先端部に接地電極を溶接して、接地電極の他端部を中心電極の先端部と対向させて、火花放電間隙を形成している。そして、中心電極と接地電極との間で火花放電が行われる。さらに、中心電極と接地電極との火花放電間隙を形成している部位に、耐火花消耗性向上のための貴金属チップが形成されている。
ところで、上記スパークプラグの中心電極に貴金属チップを接合する方法として、中心電極の先端部に凹部(小径部)を設け、この凹部にチップ(放電貴金属電極)を抵抗溶接し、さらにチップの側面部を全周にわたって中心電極の先端部にレーザ溶接することで、チップと中心電極の先端部との接合強度を高めている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−22155号公報
一方、接地電極に貴金属チップを接合する場合、特許文献1と略同様に、接地電極の他端部に貴金属チップを抵抗溶接し、さらにその貴金属チップの側面部を全周にわたってレーザ溶接することができる。しかし、このような方法を行う場合には、貴金属チップを接地電極に接合する前に、あらかじめ主体金具に接地電極を抵抗溶接等で溶接する必要がある。これは、中心電極の貴金属チップ先端部に対する接地電極の貴金属チップ先端部の極めて精度の高い位置関係が必要となり、あらかじめ貴金属チップを接地電極に上記方法で接合し、その後、接地電極を主体金具へ溶接する方法では上記要求を得ることができないおそれがあるためである。つまり、主体金具に溶接された接地電極の他端部に貴金属チップを抵抗溶接し、その貴金属チップの側面部を全周にわたってレーザ溶接することで、接地電極に貴金属チップを接合している。
しかしながら、主体金具に接合された接地電極に貴金属チップを全周にわたってレーザ溶接する際、レーザ光の照射角度によっては、中心電極先端部がレーザ光を邪魔してしまい、全周にわたってレーザ溶接できないおそれがある。そこで、中心電極先端部が邪魔しないレーザ光の照射角度でレーザ溶接する必要があるが、このようなレーザ光の照射角度でレーザ溶接した際、接地電極と貴金属チップとが互いに溶融した溶融部にひけが生じ、貴金属チップの外径の細り(えぐられた状態:図19参照)が生じるおそれがあった。そのため、貴金属チップの接合強度が下がり、チップの脱落の原因となるおそれがあった。また、貴金属チップの熱を接地電極へ逃がすための熱の伝導経路が細くなるため、貴金属チップの熱が引きにくくなり、耐久性が低下するおそれがあった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、接地電極に接合したチップの接合強度を損なわず、また、チップの耐久性を維持することができるスパークプラグの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のスパークプラグの製造方法は、中心電極と、軸線方向に軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔の先端側で保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の周囲を取り囲み、前記絶縁碍子を保持する主体金具と、一端部が前記主体金具に接合され、他端部に、前記中心電極に対向する柱状の貴金属チップが接合された接地電極と、を備えるスパークプラグの製造方法であって、前記接地電極の他端部の前記中心電極と対向する側の面である他端部内面と、前記貴金属チップの対向面とは反対側の底面との抵抗溶接を行って、前記貴金属チップの突出寸法を0.3mm以上1.5mm以下の大きさとしつつ、前記貴金属チップの底部に前記貴金属チップの外径を膨らませた鍔部を形成する抵抗溶接工程と、前記接地電極の他端部内面に対して5度乃至80度のいずれかの照射角度にて、前記貴金属チップの前記鍔部の全周にわたってレーザ光の照射を行って、前記鍔部全体を溶かしつつ前記接地電極に溶かし込んで、前記貴金属チップと前記接地電極との溶接を行うレーザ溶接工程と、を備え、前記抵抗溶接工程では、前記貴金属チップの軸線方向における前記鍔部の断面積が、前記対向面の面積の1.3倍以上となるように、前記貴金属チップの抵抗溶接が行われることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のスパークプラグの製造方法は、中心電極と、軸線方向に軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔の先端側で保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の周囲を取り囲み、前記絶縁碍子を保持する主体金具と、一端部が前記主体金具に接合され、他端部に、台座チップを間に有する状態で、前記中心電極に対向する柱状の貴金属チップが接合された接地電極と、を備え、前記台座チップの熱膨張率が前記貴金属チップと前記接地電極との間の熱膨張率であるスパークプラグの製造方法であって、前記接地電極の他端部の前記中心電極と対向する側の面である他端部内面に接合された前記台座チップと、前記貴金属チップの対向面とは反対側の底面との抵抗溶接を行って、前記貴金属チップの突出寸法を0.3mm以上1.5mm以下の大きさとしつつ、前記貴金属チップの底部にその貴金属チップの外径を膨らませた鍔部を形成する抵抗溶接工程と、前記接地電極の他端部内面に対して5度乃至80度のいずれかの照射角度にて、前記貴金属チップの前記鍔部の全周にわたってレーザ光の照射を行って、前記貴金属チップと前記接地電極との溶接を行うレーザ溶接工程と、を備え、前記貴金属チップは円柱状のチップであって、前記抵抗溶接工程では、前記貴金属チップの軸線方向における前記鍔部の断面積が、前記対向面の面積の1.2倍以上となるように、前記貴金属チップの抵抗溶接が行われることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のスパークプラグの製造方法は、中心電極と、軸線方向に軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔の先端側で保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の周囲を取り囲み、前記絶縁碍子を保持する主体金具と、一端部が前記主体金具に接合され、他端部に、台座チップを間に有する状態で、前記中心電極に対向する柱状の貴金属チップが接合された接地電極と、を備え、前記台座チップの熱膨張率が前記貴金属チップと前記接地電極との間の熱膨張率であるスパークプラグの製造方法であって、前記接地電極の他端部の前記中心電極と対向する側の面である他端部内面と、前記貴金属チップの前記対向面とは反対側の底面に接合された前記台座チップとの抵抗溶接を行って、前記貴金属チップの突出寸法を0.3mm以上1.5mm以下の大きさとしつつ、前記貴金属チップの底部にその貴金属チップの外径を膨らませた鍔部を形成する抵抗溶接工程と、前記接地電極の他端部内面に対して5度乃至80度のいずれかの照射角度にて、前記貴金属チップの前記鍔部の全周にわたってレーザ光の照射を行って、前記貴金属チップと前記接地電極との溶接を行うレーザ溶接工程と、を備え、前記貴金属チップは円柱状のチップであって、前記抵抗溶接工程では、前記貴金属チップの軸線方向における前記鍔部の断面積が、前記対向面の面積の1.2倍以上となるように、前記貴金属チップの抵抗溶接が行われることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明のスパークプラグの製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記レーザ溶接工程において、前記鍔部に対する前記レーザ光の照射は、前記接地電極の他端部内面に対して5度乃至60度のいずれかの照射角度にて行われることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明のスパークプラグの製造方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記貴金属チップは、イリジウムを主成分とし、ロジウム、プラチナ、ニッケル、タングステン、パラジウム、ルテニウム、オスミウムのうち少なくとも一つが添加された合金からなることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明のスパークプラグの製造方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記貴金属チップは、プラチナを主成分とし、ロジウム、イリジウム、ニッケル、タングステン、パラジウム、ルテニウム、オスミウムのうち少なくとも一つが添加された合金からなることを特徴とする。
請求項1に係る発明のスパークプラグの製造方法では、接地電極の他端部の中心電極と対向する側の面である他端部内面に対して5度乃至80度のいずれかの照射角度にて、貴金属チップの全周にわたってレーザ光の照射を行っている。このため、レーザ光を照射する際に、中心電極先端部が邪魔することがなく、容易に貴金属チップを接地電極に溶接することができる。
もっとも、上記照射角度でレーザ光の照射を行ってレーザ溶接した際、接地電極と貴金属チップとの溶融部にひけが生じ、貴金属チップの外径の細りが生じるおそれがある。そこで、請求項1に係る発明のスパークプラグの製造方法では、接地電極の他端部内面に接合する貴金属チップの底部に鍔部を形成し、その鍔部に対してレーザ光の照射を行ってレーザ溶接を行うので、レーザ溶接後に接地電極と貴金属チップとの溶融部にひけが生じても、貴金属チップの外径の細りを低減することができる。よって、貴金属チップの接合強度を維持することができ、また、貴金属チップの耐久性を維持することができる。また、請求項1に係る発明では、貴金属チップの突出寸法を0.3mm以上1.5mm以下の大きさとしている。貴金属チップの突出寸法を0.3mmより小さくすれば、細りの問題が生じにくく、本発明では適用対象外としている。なお、貴金属チップの突出寸法を1.5mmより大きくした場合、火花放電間隙で形成される火炎核に対する消炎作用の低減化はそれ以上向上せず、耐火花消耗性が低下する。
また、貴金属チップの鍔部の断面積を対向面の面積の1.3倍以上とすれば、レーザ溶接後のひけが発生した部分の外径がもとの貴金属チップの外径よりも細くならないため、貴金属チップの外径の細りを防止することができる。一方、貴金属チップの鍔部の断面積が対向面の面積の1.3倍未満であれば、上記効果を効果的に得ることができない。なお、貴金属チップの鍔部の断面積とは、抵抗溶接後の鍔部の最大径のことをいう。
請求項2に係る発明のスパークプラグの製造方法では、接地電極の他端部の中心電極と対向する側の面である他端部内面に対して5度乃至80度のいずれかの照射角度にて、貴金属チップの全周にわたってレーザ光の照射を行っている。このため、レーザ光を照射する際に、中心電極先端部が邪魔することがなく、容易に貴金属チップを接地電極に溶接することができる。
もっとも、上記照射角度でレーザ光の照射を行ってレーザ溶接した際、接地電極と貴金属チップとの溶融部にひけが生じ、貴金属チップの外径の細りが生じるおそれがある。そこで、請求項3に係る発明のスパークプラグの製造方法では、接地電極の他端部内面に台座チップを介在させて接合する貴金属チップの底部に鍔部を形成し、その鍔部に対してレーザ光の照射を行ってレーザ溶接を行うので、レーザ溶接後に接地電極と貴金属チップとの溶融部にひけが生じても、貴金属チップの外径の細りを低減することができる。さらに、鍔部の形成時に台座チップが鍔部を覆うようにして押しつぶされるため、鍔部の膨らみをあまり大きくしなくとも貴金属チップの鍔部近傍の厚みを増すことができるので、レーザ溶接後のひけによる貴金属チップの外径の細りを効果的に低減することができる。よって、貴金属チップの接合強度を維持することができ、貴金属チップの耐久性を維持することができる。なお、台座チップとしては、貴金属チップと接地電極との間の熱膨張率を有する金属を用いている。これにより、さらに、貴金属チップと接地電極との接合強度が上がる。また、請求項3に係る発明では、貴金属チップの突出寸法を0.3mm以上1.5mm以下の大きさとしている。貴金属チップの突出寸法を0.3mmより小さくすれば、細りの問題が生じにくく、本発明では適用対象外としている。なお、貴金属チップの突出寸法を1.5mmより大きくした場合、火花放電間隙で形成される火炎核に対する消炎作用の低減化はそれ以上向上せず、耐火花消耗性が低下する。
また、台座チップを介在させることで、貴金属チップの鍔部の断面積を対向面の面積の1.2倍以上とすれば、レーザ溶接後のひけが発生した部分の外径がもとの貴金属チップの外径よりも細くならないため、貴金属チップの外径の細りを防止することができる。一方、貴金属チップの鍔部の断面積が対向面の面積の1.2倍未満であれば、上記効果を効果的に得ることができない。
請求項3に係る発明のスパークプラグの製造方法では、接地電極の他端部の中心電極と対向する側の面である他端部内面に対して5度乃至80度のいずれかの照射角度にて、貴金属チップの全周にわたってレーザ光の照射を行っている。このため、レーザ光を照射する際に、中心電極先端部が邪魔をすることがなく、容易に貴金属チップを接地電極に溶接することができる。
もっとも、上記照射角度でレーザ光の照射を行ってレーザ溶接した際、接地電極と貴金属チップとの溶融部にひけが生じ、貴金属チップの外径の細りが生じるおそれがある。そこで、請求項4に係る発明のスパークプラグの製造方法では、接地電極の他端部内面に台座チップを介在させて接合する貴金属チップの底部に鍔部を形成し、その鍔部に対してレーザ光の照射を行ってレーザ溶接を行うので、レーザ溶接後に接地電極と貴金属チップとの溶融部にひけが生じても、貴金属チップの外径の細りを低減することができる。さらに、鍔部の形成時に台座チップが鍔部を覆うようにして押しつぶされるため、鍔部の膨らみをあまり大きくしなくとも貴金属チップの鍔部近傍の厚みを増すことができるので、レーザ溶接後のひけによる貴金属チップの外径の細りを効果的に低減することができる。よって、貴金属チップの接合強度を維持することができ、貴金属チップの耐久性を維持することができる。また、請求項4に係る発明では、貴金属チップの突出寸法を0.3mm以上1.5mm以下の大きさとしている。貴金属チップの突出寸法を0.3mmより小さくすれば、細りの問題が生じにくく、本発明では適用対象外としている。なお、貴金属チップの突出寸法を1.5mmより大きくした場合、火花放電間隙で形成される火炎核に対する消炎作用の低減化はそれ以上向上せず、耐火花消耗性が低下する。
また、台座チップを介在させることで、貴金属チップの鍔部の断面積を対向面の面積の1.2倍以上とすれば、レーザ溶接後のひけが発生した部分の外径がもとの貴金属チップの外径よりも細くならないため、貴金属チップの外径の細りを防止することができる。一方、貴金属チップの鍔部の断面積が対向面の面積の1.2倍未満であれば、上記効果を効果的に得ることができない。
また、請求項4に係る発明のスパークプラグの製造方法では、請求項1乃至3のいずれかに係る発明の効果に加え、レーザ溶接時のレーザ光の照射角度を、先端部内面に対して5度乃至60度のいずれかとすれば、貴金属チップの外径の細りが発生しない。
また、請求項5に係る発明のスパークプラグの製造方法では、請求項1乃至4のいずれかに係る発明の効果に加え、火花放電を行う貴金属チップを、イリジウムを主成分とし、ロジウム、プラチナ、ニッケル、タングステン、パラジウム、ルテニウム、オスミウムのうち少なくとも一つが添加された合金より形成すれば、耐消耗性に優れた貴金属チップを提供することができる。
また、請求項6に係る発明のスパークプラグの製造方法では、請求項1乃至5のいずれかに係る発明の効果に加え、火花放電を行う貴金属チップを、プラチナを主成分とし、ロジウム、イリジウム、ニッケル、タングステン、パラジウム、ルテニウム、オスミウムのうち少なくとも一つが添加された合金より形成すれば、耐消耗性に優れた貴金属チップを提供することができる。
なお、前記抵抗溶接工程において前記接地電極の他端部内面に抵抗溶接される前記貴金属チップの軸線方向の横断面の断面積は、0.12mm以上1.15mm以下であることが望ましい。貴金属チップの断面積を0.12mmより小さくすると、火花放電間隙で形成される火炎核の熱を接地電極に効果的に逃がすことが難しくなり、耐火花消耗性が低下する。また、貴金属チップの断面積を1.15mmより大きくすれば、レーザ溶接工程によって細りが発生しても、貴金属チップの放熱効果に影響を及ぼさない。
以下、本発明を具体化したスパークプラグの製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、第1の実施の形態におけるスパークプラグの一例としてのスパークプラグ100の構造について説明する。図1は、スパークプラグ100の部分断面図である。
図1に示すように、スパークプラグ100は、概略、絶縁体を構成する絶縁碍子1と、絶縁碍子1の長手方向略中央部に設けられ、この絶縁碍子1を保持する主体金具5と、絶縁碍子1内に軸線方向に保持された中心電極2と、主体金具5の先端部57に一端部を溶接され、他端部が中心電極2の先端部22に対向する接地電極60と、中心電極2の上端部に設けられた端子金具4とから構成されている。
次に、このスパークプラグ100の絶縁体を構成する絶縁碍子1について説明する。絶縁碍子1は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その後端部(図1における上部)には、沿面距離を稼ぐためのコルゲーション11が形成されている。また、絶縁碍子1の先端部(図1における下部)には、内燃機関の燃焼室に曝される脚長部13が設けられている。さらに、絶縁碍子1の軸中心には中心貫通孔12が形成され、この中心貫通孔12には中心電極2が保持されている。中心電極2は、インコネル(商標名)600または601等のニッケル系合金等からなる電極母材21を少なくとも表層部に有している。なお、中心貫通孔12が、本発明における「軸孔」に相当する。
中心電極2の先端部22は絶縁碍子1の先端面から突出しており、先端側に向かって径小となるように形成されている。その先端部22の先端面には、柱状の貴金属チップ23が、中心電極2の軸線方向に溶接されている。また、中心電極2は、中心貫通孔12の内部に設けられたシール体14およびセラミック抵抗3を経由して、上方の端子金具4に電気的に接続されている。そして端子金具4には高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介して接続され、高電圧が印加されるようになっている。
次に、主体金具5について説明する。図1に示すように、主体金具5は、絶縁碍子1を保持し、図示外の内燃機関にスパークプラグ100を固定するためのものである。絶縁碍子1は主体金具5に囲まれて支持されている。主体金具5は低炭素鋼材で形成され、図示外のスパークプラグレンチが嵌合する工具係合部である六角部51と、図示外の内燃機関上部に設けられたエンジンヘッドに螺合するねじ部52とを備えている。このねじ部52の規格の一例としては、M14等が用いられる。主体金具5は、かしめ部53をかしめることにより、段部56に絶縁碍子1が板パッキン8を介して支持されて主体金具5と絶縁碍子1とが一体にされる。かしめによる密閉を完全なものとするため、主体金具5と絶縁碍子1との間に環状のリング部材6,7が介在され、リング部材6,7の間にはタルク(滑石)9の粉末が充填されている。また、主体金具5の中央部には鍔部54が形成され、ねじ部52の後端部側(図1における上部)近傍、すなわち、鍔部54の座面55にはガスケット10が嵌挿されている。なお、六角部51の対辺寸法は、一例として16mmであり、主体金具5の座面55から先端部57までの長さは、一例として19mmである。
次に、接地電極60について説明する。接地電極60は、耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、インコネル(商標名)600または601等のニッケル合金が用いられる。この接地電極60は自身の長手方向の横断面が略長方形を有しており、一端部(基部62)が主体金具5の先端部57に溶接により接合されている。また、接地電極60の他端部(先端部61)は、中心電極2の先端部22に対向するように屈曲されている。この中心電極2に対向する側の面である接地電極60の内面63は、中心電極2の軸線方向に略直交している。この内面63には円柱状の貴金属チップ70が突設され、その貴金属チップ70の対向面71が、中心電極2の貴金属チップ23の対向面24に対向されている。対向面71は、貴金属チップ70の軸線方向に対して直交する平面となっている。
貴金属チップ70には、その一例として、第1の実施の形態では耐消耗性に優れたプラチナを主成分とするプラチナ−ロジウム合金が用いられている。なお、この貴金属チップ70には、プラチナを主成分として、イリジウム、ニッケル、タングステン、パラジウム、ルテニウム、オスミウムのうち少なくとも一つが添加された合金を用いてもよい。あるいは、イリジウムを主成分として、ロジウム、プラチナ、ニッケル、タングステン、パラジウム、ルテニウム、オスミウムのうち少なくとも一つが添加された合金を用いてもよい。貴金属チップ70としてこれらの貴金属からなる合金を用いるのは、耐消耗性を高めるためである。
次に、本発明のスパークプラグの製造方法の第1の実施の形態について説明する。以下、図2〜図4を参照して貴金属チップ70の溶接工程について説明する。図2〜図4は、第1の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程を示す図である。
第1の実施の形態のスパークプラグ100の製造方法では、公知の製造方法により中心電極を備えた絶縁碍子が組み付けられた主体金具5に接地電極60が接合されたスパークプラグ100が溶接治具(図示外)に保持され、貴金属チップ70を保持した溶接治具の溶接電極90による溶接位置の位置決めが行われる。前述したように、接地電極60はあらかじめ非屈曲状態で主体金具5に接合されており、接地電極60の内面63と、中心電極2の軸線を含み内面63に直交する面との交線上で、貴金属チップ70の位置決めが行われる。
そして、図2に示すように、内面63に対して位置決めされた貴金属チップ70は、溶接電極90によって対向面71とは反対側の底面72が接地電極60の内面63に対して押圧された状態で抵抗溶接が行われる(抵抗溶接工程)。貴金属チップ70の底面72付近(底部)を除く部分は溶接電極90によって保持されており、貴金属チップ70が内面63に向けて押圧されることで貴金属チップ70の露出した部分は膨らみ、鍔部73が形成される。図3に示すように、内面63に仮接合された貴金属チップ70の鍔部73の断面積(図中Aで示す鍔部73の外径が最大となる部分における貴金属チップ70の軸線方向の横断面の面積)は、後述する実験結果(実施例1)に基づき、円柱状の貴金属チップ70の対向面71の面積の1.3倍以上となるように、この抵抗溶接時に押圧力が与えられる。
次に、図4に示すように、内面63に対する照射角度θにて、鍔部73へのレーザ光の照射が行われる。レーザ溶接は公知のYAGレーザによって行われ、貴金属チップ70の全周にわたって溶接が行われる(レーザ溶接工程)。このとき、鍔部73と接地電極60の先端部61とが接合され、そのレーザ光が照射された部分(溶融部80)にはひけが生ずる。しかし、鍔部73が貴金属チップ70の胴部74より大きく膨らんでいるため、ひけによって鍔部73の断面積が小さくなっても、対向面71の面積、すなわち貴金属チップ70の軸線方向における胴部74の断面積よりは小さくなりにくい。そして、公知の手法により、中心電極2の先端部22に対向するように、接地電極60を曲げることで、スパークプラグ100を完成することができる。
[実施例1]
ここで、貴金属チップ70の対向面71の面積に対する鍔部73の断面積と、レーザ溶接によって発生するひけとの関係について、図5〜図8を参照して説明する。
第1の実施の形態では、実施例1として、以下のような実験を行った。抵抗溶接によって膨らみ量、すなわち貴金属チップ70の対向面71の面積に対する鍔部73の断面積が、1.3倍、1.2倍、1.1倍、および1倍(膨らみなし)となったそれぞれの場合において、照射角度θを5度から80度の範囲に設定してレーザ溶接を行った。このときの各実験条件は、以下の通りである。貴金属チップ70は、その外径が、0.7mm、高さが0.8mmのプラチナ−ロジウム合金製である。接地電極60は、その幅(短手方向の長さ)が2.5mm、厚みが1.4mmのニッケル系合金製である。抵抗溶接は、貴金属チップ70を荷重150Nにて接地電極60の内面63に押し当て、1000Aの電流を印加して行った。レーザ溶接は、レーザパルスエネルギーが2J、パルス幅2msecのYAGレーザによって行った。なお、各表において「チップ細りの発生の有無」とあるが、「細り」とは、レーザ溶接後に発生したひけによって、溶接前よりその溶接した部分の外径が細くなることを表す。そして、貴金属チップ70の対向面71の面積に対する最も断面積の小さい部分の断面積が0.8倍以下となったものについて、「細り」の「発生あり」とし、0.8倍より大きいものについては「細り」の「発生なし」として分別したものである。この場合、例えば1000サンプルについて細りの発生の有無を確認し、その発生率を求めた。
図5は、膨らみ量が1.3倍の場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。図6は、膨らみ量が1.2倍の場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。図7は、膨らみ量が1.1倍の場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。図8は、膨らみがない場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。
図5に示すように、膨らみ量が1.3倍であるとき、レーザ照射角度θが5度,10度,20度,30度,40度,50度,60度の場合には、細りが発生しなかった。また、レーザ照射角度θが70度,80度の場合には細りが発生したが、発生率が1%以下であった。
図6に示すように、膨らみ量が1.2倍であるとき、レーザ照射角度θが5度,10度,20度の場合には、細りが発生しなかった。また、30度,40度,50度,60度の場合には、細りが発生したが、その発生率は1%以下であった。また、70度,80度の場合には、細りが発生したが、その発生率は1%より大きく10%以下であった。
図7に示すように、膨らみ量が1.1倍であるとき、レーザ照射角度θが5度,10度,20度の場合には、細りが発生しなかった。また、30度,40度,50度,60度の場合には、細りが発生したが、その発生率は1%以下であった。また、70度,80度の場合には細りが発生し、その発生率は1%より大きく10%以下であった。
図8に示すように、膨らみがない場合、すなわち膨らみ量が1倍であるとき、レーザ照射角度θが5度,10度,20度,30度,40度,50度,60度の場合には、細りが発生し、その発生率は1%より大きく10%以下であった。また、70度,80度の場合には、細りの発生率が10%以上となった。
以上の実験結果より、膨らみ量、すなわち貴金属チップ70の対向面71の面積に対する鍔部73の断面積が大きくなるほど、ひけの影響が小さくなることがわかる。そして、膨らみ量が1.3倍であれば、レーザ照射角度θが5度〜80度の範囲において細りの発生率は1%以下となる。従って、このレーザ照射角度θの範囲(5度〜80度)においては、膨らみ量が1.3倍以上となるように貴金属チップ70の抵抗溶接を行えば、レーザ溶接後にひけによる細りの発生が問題とはならないことが判明した。特に、レーザ照射角度θが5度〜60度の範囲において、膨らみ量が1.3倍以上となるように貴金属チップ70の抵抗溶接を行えば、レーザ溶接後に細りが発生しないため、より好適である。
次に、本発明の第2の実施の形態のスパークプラグ200について説明する。なお、スパークプラグ200は、上述したスパークプラグ100の接地電極60と貴金属チップ70との接合部が異なる形態であり、その接合部の要部拡大断面図を図9に示す。上記接合部以外については、第1の実施の形態のスパークプラグ100と同様の構成であり、同一部分に関しては同一符号で示しており、接地電極60と貴金属チップ70との接合部について主に説明する。
図9に示すように、スパークプラグ200は、接地電極60の先端部61に貴金属チップ70が台座チップ75を介して接合されている。この台座チップ75は、接地電極60と貴金属チップ70との間の熱膨張率を有しており、具体的には、プラチナ−ニッケル合金等が挙げられる。接地電極60と貴金属チップ70とが台座チップ75を介することで、貴金属チップ70の接地電極60に対する接合強度がより向上する。
次に、第2の実施の形態のスパークプラグ200の製造方法について説明する。この第2の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程について、以下、図10〜図13を参照して説明する。図10〜図13は、第2の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程を示す図である。
第2の実施の形態のスパークプラグ200の製造方法では、公知の製造方法により中心電極を備えた絶縁碍子が組み付けられた主体金具5に接地電極60が接合されたスパークプラグ200が溶接治具(図示外)に保持され、台座チップ75の溶接位置の位置決めが行われる。そして、図10に示すように、溶接電極91によって抵抗溶接が行われ、内面63に仮接合される。
次いで行われる、図11〜図13で示す、貴金属チップ70の抵抗溶接工程、およびレーザ溶接工程については、第1の実施の形態と略同様である。なお、第1の実施の形態では、接地電極60の内面63に対して位置決めを行い、その内面63に対して抵抗溶接を行ったが、第2の実施の形態では、台座チップ75に対して位置決めを行い、その台座チップ75に対して抵抗溶接を行っている。このとき、図12に示す、内面63に仮接合された貴金属チップ70の鍔部73の断面積(図中Bで示す鍔部73の外径が最大となる部分における貴金属チップ70の軸線方向の横断面の面積)は、後述する実験結果(実施例2)に基づき、円柱状の貴金属チップ70の対向面71の面積の1.2倍以上となるように、この抵抗溶接時に押圧力が与えられる。台座チップ75は、貴金属チップ70の鍔部73を取り囲むように押しつぶされることとなる。
[実施例2]
次に、第2の実施の形態の台座チップ75を介在させた場合における貴金属チップ70の対向面71の面積に対する鍔部73の断面積と、レーザ溶接によって発生するひけとの関係について、図14〜図16を参照して説明する。
第2の実施の形態では、実施例2として、以下のような実験を行った。台座チップ75を介在させた状態で抵抗溶接によって膨らみ量、すなわち貴金属チップ70の対向面71の面積に対する鍔部73の断面積が、1.2倍、1.1倍、および1倍(膨らみなし)となったそれぞれの場合において、照射角度θを5度から80度の範囲に設定してレーザ溶接を行った。このときの各実験条件は、以下の通りである。台座チップ75は、円形ディスク状のチップであり、直径が1mm、厚みが0.1mmのプラチナ−ニッケル合金製である。その他の実験条件は、第1の実施の形態と同様である。
図14は、膨らみ量が1.2倍の場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。図15は、膨らみ量が1.1倍の場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。図16は、膨らみがない場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。
図14に示すように、膨らみ量が1.2倍であるとき、レーザ照射角度θが5度,10度,20度,30度,40度,50度,60度の場合には、細りが発生しなかった。また、レーザ照射角度θが70度,80度の場合には細りが発生したが、発生率が1%以下であった。
図15に示すように、膨らみ量が1.1倍であるとき、レーザ照射角度θが5度,10度の場合には、細りが発生しなかった。また、20度,30度,40度,50度,60度の場合には、細りが発生したが、その発生率は1%以下であった。また、70度,80度の場合には、細りが発生したが、その発生率は1%より大きく10%以下であった。
図16に示すように、膨らみがない場合、すなわち膨らみ量が1倍であるとき、レーザ照射角度θが5度の場合には、細りが発生するもののその発生率は1%以下であった。また、レーザ照射角度θが10度,20度,30度,40度,50度,60度の場合には、細りが発生し、その発生率は1%より大きく10%以下であった。また、70度,80度の場合には、細りの発生率が10%以上となった。
以上の実験結果より、第1の実施の形態と同様、膨らみ量が1.2倍であれば、レーザ照射角度θが5度〜80度の範囲において、細りの発生が問題とはならないことが判明した。特に、レーザ照射角度θが5度〜60度の範囲において、膨らみ量が1.2倍以上となるように貴金属チップ70の抵抗溶接を行えば、レーザ溶接後に細りが発生しないため、より好適である。
次に、第3の実施の形態のスパークプラグの製造方法について説明する。第3の実施の形態は、スパークプラグ200の他の実施の形態である。第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接を行う。この際に、第2の実施の形態と同様に、貴金属チップ70の熱膨張率と接地電極60の熱膨張率との間の熱膨張率を有する台座チップ75を、両者間に介在させる。この第3の実施の形態における、接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程について、以下、図17,図18を参照して説明する。図17,図18は、第3の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程を示す図である。
図17に示すように、第3の実施の形態のスパークプラグ200の製造方法では、主体金具5に接地電極60が接合されたスパークプラグ200が溶接治具(図示外)に保持され、前記同様、貴金属チップ70の溶接位置の位置決めが行われる。このとき、第2の実施の形態と同様の台座チップ75があらかじめ底面72に接合された貴金属チップ70を、第1の実施の形態と同様の溶接電極90に保持させる。
そして、第2の実施の形態と同様に、溶接電極90によって貴金属チップ70の底面72が接地電極60の内面63に対し、台座チップ75をその間に介在させたまま、押圧された状態で抵抗溶接が行われる(抵抗溶接工程)。このとき、図18に示すように、第2の実施の形態と同様に、貴金属チップ70の鍔部73の断面積が対向面71の面積の1.2倍以上となるように、この抵抗溶接時に押圧力が与えられる。台座チップ75は、貴金属チップ70の鍔部73を取り囲むように押しつぶされることとなる。
そして、第1の実施の形態と同様に、貴金属チップ70のレーザ溶接工程を行う。なお、台座チップ75を介在させることによって、上記した実施例2に基づき、貴金属チップ70の鍔部73の断面積を対向面71の面積の1.2倍以上とすれば足りることは、第2の実施の形態と同様である。
以上説明したように、第1の実施の形態におけるスパークプラグの製造方法では、貴金属チップ70を接地電極60の内面63に抵抗溶接によって仮接合し、レーザ溶接を行って接合している。抵抗溶接の際には、貴金属チップ70を内面63に対して押圧し、底面72付近(底部)に貴金属チップ70の対向面71の面積の1.3倍以上の断面積を有するように膨らませた鍔部73を形成する。そして、レーザ溶接の際に、レーザ光をその鍔部73に対して照射することで、溶接後にレーザ光が照射された部分(溶融部80)にひけが生じても、そのひけによる細りの発生した部分の断面積が対向面71の面積の0.8倍よりは大きくなるようにし、接合強度を損なわない。
また、第2の実施の形態におけるスパークプラグの製造方法では、貴金属チップ70の熱膨張率と接地電極60の熱膨張率との間の熱膨張率を有する台座チップ75を、接地電極60に仮接合する。そして、この台座チップ75を貴金属チップ70と接地電極60との間に介在させて、貴金属チップ70の抵抗溶接を行う。これにより、貴金属チップ70の底面72付近(底部)に形成させる鍔部73は、その断面積が、対向面71の面積の1.2倍以上あれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。これにより、貴金属チップ70の抵抗溶接時に必要な押圧力あるいは処理に要する時間を減らすことができる。
また、第3の実施の形態におけるスパークプラグの製造方法では、第2の実施の形態と同様に、台座チップ75を貴金属チップ70と接地電極60との間に介在させるが、その台座チップ75を貴金属チップ70の底面72にあらかじめ接合させておく。そして、第2の実施の形態と同様に、貴金属チップ70と接地電極60との抵抗溶接時に鍔部73を形成し、両者をレーザ溶接によって接合させる。台座チップ75を介在させるため、形成する鍔部73の断面積は対向面71の面積の1.2倍以上あれば足りる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形が可能である。例えば、貴金属チップ70は円柱としたが、角柱でもよいし、角錐あるいは円錐であってもよい。また、主体金具5に接合した接地電極60を非屈曲状態のまま貴金属チップ70の接合を行ったが、貴金属チップ70の接合後に内面63と中心電極2とが対向するように屈曲させる向きとは反対向きに屈曲させて、貴金属チップ70の接合を行ってもよい。
本発明は、スパークプラグに限られず、平面に柱状のチップを溶接して接合する各種の加工物に対し、本実施の形態の製造方法を適用することができる。
スパークプラグ100の部分断面図である。 第1の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程を示す図である。 第1の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程を示す図である。 第1の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程を示す図である。 膨らみ量が1.3倍の場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。 膨らみ量が1.2倍の場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。 膨らみ量が1.1倍の場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。 膨らみがない場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。 スパークプラグ200の接地電極60と貴金属チップ70との接合部の要部拡大断面図である。 第2の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程を示す図である。 第2の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程を示す図である。 第2の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程を示す図である。 第2の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程を示す図である。 膨らみ量が1.2倍の場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。 膨らみ量が1.1倍の場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。 膨らみがない場合におけるレーザ照射角度とチップ先細りの発生の有無との関係を示す表である。 第3の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程を示す図である。 第3の実施の形態における接地電極60の内面63への貴金属チップ70の溶接工程を示す図である。 ひけによるチップの細りが発生した貴金属チップの断面図である。
1 絶縁碍子
2 中心電極
5 主体金具
12 中心貫通孔
60 接地電極
61 先端部
62 基部
63 内面
70 貴金属チップ
71 対向面
72 底面
73 鍔部
75 台座チップ
100,200 スパークプラグ

Claims (6)

  1. 中心電極と、軸線方向に軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔の先端側で保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の周囲を取り囲み、前記絶縁碍子を保持する主体金具と、一端部が前記主体金具に接合され、他端部に、前記中心電極に対向する柱状の貴金属チップが接合された接地電極と、を備えるスパークプラグの製造方法であって、
    前記接地電極の他端部の前記中心電極と対向する側の面である他端部内面と、前記貴金属チップの対向面とは反対側の底面との抵抗溶接を行って、前記貴金属チップの突出寸法を0.3mm以上1.5mm以下の大きさとしつつ、前記貴金属チップの底部に前記貴金属チップの外径を膨らませた鍔部を形成する抵抗溶接工程と、
    前記接地電極の他端部内面に対して5度乃至80度のいずれかの照射角度にて、前記貴金属チップの前記鍔部の全周にわたってレーザ光の照射を行って、前記鍔部全体を溶かしつつ前記接地電極に溶かし込んで、前記貴金属チップと前記接地電極との溶接を行うレーザ溶接工程と、
    を備え、
    前記抵抗溶接工程では、前記貴金属チップの軸線方向における前記鍔部の断面積が、前記対向面の面積の1.3倍以上となるように、前記貴金属チップの抵抗溶接が行われることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 中心電極と、軸線方向に軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔の先端側で保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の周囲を取り囲み、前記絶縁碍子を保持する主体金具と、一端部が前記主体金具に接合され、他端部に、台座チップを間に有する状態で、前記中心電極に対向する柱状の貴金属チップが接合された接地電極と、を備え、前記台座チップの熱膨張率が前記貴金属チップと前記接地電極との間の熱膨張率であるスパークプラグの製造方法であって、
    前記接地電極の他端部の前記中心電極と対向する側の面である他端部内面に接合された前記台座チップと、前記貴金属チップの対向面とは反対側の底面との抵抗溶接を行って、前記貴金属チップの突出寸法を0.3mm以上1.5mm以下の大きさとしつつ、前記貴金属チップの底部にその貴金属チップの外径を膨らませた鍔部を形成する抵抗溶接工程と、
    前記接地電極の他端部内面に対して5度乃至80度のいずれかの照射角度にて、前記貴金属チップの前記鍔部の全周にわたってレーザ光の照射を行って、前記貴金属チップと前記接地電極との溶接を行うレーザ溶接工程と、
    を備え、
    前記貴金属チップは円柱状のチップであって、前記抵抗溶接工程では、前記貴金属チップの軸線方向における前記鍔部の断面積が、前記対向面の面積の1.2倍以上となるように、前記貴金属チップの抵抗溶接が行われることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  3. 中心電極と、軸線方向に軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔の先端側で保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の周囲を取り囲み、前記絶縁碍子を保持する主体金具と、一端部が前記主体金具に接合され、他端部に、台座チップを間に有する状態で、前記中心電極に対向する柱状の貴金属チップが接合された接地電極と、を備え、前記台座チップの熱膨張率が前記貴金属チップと前記接地電極との間の熱膨張率であるスパークプラグの製造方法であって、
    前記接地電極の他端部の前記中心電極と対向する側の面である他端部内面と、前記貴金属チップの前記対向面とは反対側の底面に接合された前記台座チップとの抵抗溶接を行って、前記貴金属チップの突出寸法を0.3mm以上1.5mm以下の大きさとしつつ、前記貴金属チップの底部にその貴金属チップの外径を膨らませた鍔部を形成する抵抗溶接工程と、
    前記接地電極の他端部内面に対して5度乃至80度のいずれかの照射角度にて、前記貴金属チップの前記鍔部の全周にわたってレーザ光の照射を行って、前記貴金属チップと前記接地電極との溶接を行うレーザ溶接工程と、
    を備え、
    前記貴金属チップは円柱状のチップであって、前記抵抗溶接工程では、前記貴金属チップの軸線方向における前記鍔部の断面積が、前記対向面の面積の1.2倍以上となるように、前記貴金属チップの抵抗溶接が行われることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  4. 前記レーザ溶接工程において、前記鍔部に対する前記レーザ光の照射は、前記接地電極の他端部内面に対して5度乃至60度のいずれかの照射角度にて行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法。
  5. 前記貴金属チップは、イリジウムを主成分とし、ロジウム、プラチナ、ニッケル、タングステン、パラジウム、ルテニウム、オスミウムのうち少なくとも一つが添加された合金からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法。
  6. 前記貴金属チップは、プラチナを主成分とし、ロジウム、イリジウム、ニッケル、タングステン、パラジウム、ルテニウム、オスミウムのうち少なくとも一つが添加された合金からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法。
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