JP6855354B2 - 点火プラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関等において燃料ガスに点火するための点火プラグに関する。
内燃機関に用いられる点火プラグは、例えば、中心電極と接地電極との間に形成される間隙に火花放電を発生させて、内燃機関等において燃料ガスに点火する。耐消耗性の向上を図るべく、中心電極や接地電極のうち、火花放電が発生する間隙を形成する部位に、例えば、イリジウムなどの貴金属製の電極チップが抵抗溶接やレーザ溶接によって接合された点火プラグが知られている。溶接によって電極チップを接合する場合には、溶接によって電極本体と電極チップとの間に溶接部が形成される。
特開2005−135783号公報
ところで、近年、より高性能で低燃費の内燃機関の開発が進んでいる。これに伴って点火プラグはより高温に曝されがちである。溶接部は、比較的酸化しやすく、かつ、熱伝導性が比較的低い。このために、上記技術では、点火プラグが高温に曝された際に、溶接部が酸化することで電極チップの剥離や脱落する可能性があるとともに、溶接部の熱伝導性の低さに起因して熱引き性能が低下する可能性があった。
本明細書は、点火プラグにおいて、電極チップの剥離や脱落を抑制するとともに、熱引き性能を向上できる技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[態様]中心電極と、
前記中心電極との間に間隙を形成する接地電極と、を備える点火プラグであって、
前記接地電極は、自身を貫通する孔部を有するチップ保持部と、前記間隙を形成する放電面を有し、少なくとも一部が前記チップ保持部の前記孔部に配置された電極チップと、を備え、
前記電極チップのうちの前記孔部に配置された部分は、少なくとも前記放電面側の端部において全周に亘って前記チップ保持部と直接接触する圧入部を備え
前記電極チップのうち、前記放電面から前記圧入部までの部分は、一部材で形成され、
前記電極チップの表面のうち、前記圧入部の前記放電面側の端部の表面と連続する部分の全部が、露出している、点火プラグ。
[適用例1]中心電極と、
前記中心電極との間に間隙を形成する接地電極と、を備える点火プラグであって、
前記中心電極と前記接地電極との少なくとも一方は、孔部を有するチップ保持部と、前記間隙を形成する放電面を有し、少なくとも一部が前記チップ保持部の前記孔部に配置された電極チップと、を備え、
前記電極チップのうちの前記孔部に配置された部分は、全周に亘って前記チップ保持部と直接接触する圧入部を備え、
前記電極チップのうち、前記放電面から前記圧入部までの部分は、一部材で形成されている、点火プラグ。
上記構成によれば、電極チップのうちの孔部に配置された部分は、全周に亘ってチップ保持部と直接接触する圧入部を備える。このような圧入部では、溶接部を介さずにチップ保持部と電極チップとが接合されるので、高温に曝された場合でも酸化され難い。このために、電極チップの剥離や脱落を抑制できる。さらに、放電面から圧入部までの部分は、一部材で形成されているので、例えば、放電面から圧入部までの間に溶接部が介在している場合と比較して、熱伝導率の低下を抑制でき、熱引き性能の低下を抑制できる。このように、上記構成によれば、点火プラグにおいて、電極チップの剥離や脱落を抑制するとともに、熱引き性能を向上できる。
[適用例2]適用例1に記載の点火プラグであって、
前記孔部は、前記チップ保持部を貫通している、点火プラグ。
上記構成によれば、他方の電極と対向する側の反対側から、電極チップを圧入することができる。この結果、圧入時に、放電面が変形することを抑制できる。
[適用例3]適用例2に記載の点火プラグであって、
前記電極チップのうち、前記圧入部よりも前記放電面側の部分における前記放電面と平行な方向の長さは、前記圧入部における前記放電面と平行な方向の長さよりも小さい、点火プラグ。
上記構成によれば、他方の電極と対向する側の反対側から、電極チップを圧入する際に、電極チップのうちの圧入部よりも放電面側の部分に疵が生じることを抑制できる。
[適用例4]適用例1〜3のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記電極チップにおける前記放電面とは反対側の面を反対面と呼ぶとき、
前記チップ保持部と、前記電極チップのうちの前記圧入部よりも前記反対面側の部分と、を接合する溶接部をさらに備える、点火プラグ。
上記構成によれば、放電面とは反対側の損傷しがたい部分に溶接部を備えるので、電極チップの剥離や脱落をさらに抑制することができる。
[適用例5]適用例1〜4のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記圧入部における前記電極チップの厚み方向の長さをLとし、前記圧入部における前記厚み方向と垂直な方向の長さをDとするとき、
(D/L)≦1.33を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、圧入部の圧入方向の長さLが、圧入部の圧入方向と垂直な方向の長さDに対して、過度に短くないので、電極チップをチップ保持部に十分な強度で固定できる。
[適用例6]適用例5に記載の点火プラグであって、
(D/L)≦1を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、圧入部の圧入方向の長さLが、圧入部の圧入方向と垂直な方向の長さDに対して、十分に長いので、電極チップをチップ保持部にさらに十分な強度で固定できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関、その点火プラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関、点火プラグの電極等の態様で実現することができる。
本実施形態の点火プラグ100の断面図である。 点火プラグ100の先端近傍の説明図である。 接地電極30の製造方法について説明する図である。 第2実施形態の点火プラグの説明図である。 第3実施形態の点火プラグの間隙Gの近傍の断面図である。 第4実施形態の点火プラグの中心電極チップ29dの近傍の断面図である。
A.第1実施形態:
A−1.点火プラグの構成:
図1は本実施形態の点火プラグ100の断面図である。図2は、点火プラグ100の先端近傍の説明図である。図1、図2の一点破線は、点火プラグ100の軸線AXを示している。軸線AXと平行な方向(図1、図2の上下方向)を軸線方向とも呼ぶ。軸線AXを中心とし、軸線AXと垂直な面上の円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、当該円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。図1における下方向を先端方向FDと呼び、上方向を後端方向BDとも呼ぶ。図1、図2における下側を、点火プラグ100の先端側と呼び、図1、図2における上側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、内燃機関に取り付けられ、内燃機関の燃焼室内の燃焼ガスに着火するために用いられる。点火プラグ100は、絶縁体10と、中心電極20と、接地電極30と、端子電極40と、主体金具50と、抵抗体70と、導電性のシール部材60、80と、を備える。
絶縁体10は、軸線AXに沿って延び、絶縁体10を貫通する貫通孔である軸孔12を有する略円筒状の部材である。絶縁体10は、例えば、アルミナ等のセラミックスを用いて形成されている。絶縁体10は、鍔部19と、後端側胴部18と、先端側胴部17と、縮外径部15と、脚長部13と、を備えている。
鍔部19は、絶縁体10における軸線方向の略中央に位置する部分である。後端側胴部18は、鍔部19よりも後端側に位置し、鍔部19の外径よりも小さな外径を有している。先端側胴部17は、鍔部19よりも先端側に位置し、後端側胴部18の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13は、先端側胴部17よりも先端側に位置し、先端側胴部17の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13の外径は、先端側ほど縮径され、点火プラグ100が内燃機関(図示せず)に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。縮外径部15は、脚長部13と先端側胴部17との間に形成され、後端側から先端側に向かって外径が縮径した部分である。
絶縁体10は、内周側の構成の観点でみると、後端側に位置する大内径部12Lと、大内径部12Lよりも先端側に位置し、大内径部12Lよりも内径が小さな小内径部12Sと、縮内径部16と、を備えている。縮内径部16は、大内径部12Lと小内径部12Sとの間に形成され、後端側から先端側に向かって内径が縮径した部分である。縮内径部16の軸線方向の位置は、本実施形態では、先端側胴部17の先端側の部分の位置である。
主体金具50は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼材)で形成され、内燃機関のエンジンヘッド(図示省略)に点火プラグ100を固定するための円筒状の金具である。主体金具50には、軸線AXに沿って貫通する貫通孔59が形成されている。主体金具50は、絶縁体10の径方向の周囲(すなわち、外周)に配置されている。すなわち、主体金具50の貫通孔59内に、絶縁体10が挿入・保持されている。絶縁体10の先端は、主体金具50の先端よりも先端側に突出している。絶縁体10の後端は、主体金具50の後端よりも後端側に突出している。
主体金具50は、プラグレンチが係合する六角柱形状の工具係合部51と、内燃機関に取り付けるための取付ネジ部52と、工具係合部51と取付ネジ部52との間に形成された鍔状の座部54と、を備えている。取付ネジ部52の呼び径は、例えば、M8〜M14である。
主体金具50の取付ネジ部52と座部54との間には、金属製の環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、点火プラグ100が内燃機関に取り付けられた際に、点火プラグ100と内燃機関(エンジンヘッド)との隙間を封止する。
主体金具50は、さらに、工具係合部51の後端側に設けられた薄肉の加締部53と、座部54と工具係合部51との間に設けられた薄肉の圧縮変形部58と、を備えている。主体金具50における工具係合部51から加締部53に至る部位の内周面と、絶縁体10の後端側胴部18の外周面と、の間に形成される環状の領域には、環状の線パッキン6、7が配置されている。当該領域における2つの線パッキン6、7の間には、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53の後端は、径方向内側に折り曲げられて、絶縁体10の外周面に固定されている。主体金具50の圧縮変形部58は、製造時において、絶縁体10の外周面に固定された加締部53が先端側に押圧されることにより、圧縮変形する。圧縮変形部58の圧縮変形によって、線パッキン6、7およびタルク9を介し、絶縁体10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。環状の板パッキン8を介して、主体金具50の内周で取付ネジ部52の位置に形成された段部56(金具側段部)によって、絶縁体10の縮外径部15(絶縁体側段部)が押圧される。この結果、内燃機関の燃焼室内のガスが、主体金具50と絶縁体10との隙間から外部に漏れることが、板パッキン8によって防止される。
中心電極20は、軸線AXに沿って延びる棒状の中心電極本体21と、中心電極チップ29と、を備えている。中心電極本体21は、絶縁体10の軸孔12の内部の先端側の部分に保持されている。すなわち、中心電極20の後端側(中心電極本体21の後端側)は、軸孔12内に配置されている。中心電極本体21は、耐腐食性と耐熱性が高い金属、例えば、ニッケル(Ni)またはNiを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。中心電極本体21は、NiまたはNi合金で形成された母材と、該母材の内部に埋設された芯部と、を含む2層構造を有しても良い。この場合には、芯部は、例えば、母材よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金で形成される。
中心電極本体21は、軸線方向の所定の位置に設けられた鍔部24と、鍔部24よりも後端側の部分である頭部23と、鍔部24よりも先端側の部分である脚部25と、を備えている。鍔部24は、絶縁体10の縮内径部16によって、先端側から支持されている。すなわち、中心電極本体21は、縮内径部16に係止されている。脚部25の先端側、すなわち、中心電極本体21の先端側は、絶縁体10の先端よりも先端側に突出している。
中心電極チップ29は、例えば、略円柱形状を有する部材であり、中心電極本体21の先端(脚部25の先端)に、例えば、レーザ溶接を用いて、接合されている。中心電極チップ29の先端面は、後述する接地電極チップ39との間で火花ギャップを形成する第1放電面295である。中心電極チップ29は、例えば、イリジウム(Ir)や白金(Pt)などの高融点の貴金属や、当該貴金属を主成分とする合金を用いて、形成されている。
端子電極40は、軸線方向に延びる棒状の部材である。端子電極40は、絶縁体10の軸孔12に後端側から挿通され、軸孔12内において、中心電極20よりも後端側に位置している。端子電極40は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)で形成され、端子電極40の表面には、例えば、防食のために、Niなどのめっきが形成されている。
端子電極40は、軸線方向の所定位置に形成された鍔部42と、鍔部42よりも後端側に位置するキャップ装着部41と、鍔部42よりも先端側の脚部43と、を備えている。端子電極40のキャップ装着部41は、絶縁体10よりも後端側に露出している。端子電極40の脚部43は、絶縁体10の軸孔12に挿入されている。キャップ装着部41には、高圧ケーブル(図示外)が接続されたプラグキャップが装着され、放電を発生するための高電圧が印加される。
抵抗体70は、絶縁体10の軸孔12内において、端子電極40の先端と中心電極20の後端との間に、配置されている。抵抗体70は、例えば、1KΩ以上の抵抗値(例えば、5KΩ)を有し、火花発生時の電波ノイズを低減する機能を有する。抵抗体70は、例えば、主成分であるガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子と、導電性材料と、を含む組成物で形成されている。
軸孔12内における、抵抗体70と中心電極20との隙間は、導電性のシール部材60によって埋められている。抵抗体70と端子電極40との隙間は、シール部材80によって埋められている。すなわち、シール部材60は、中心電極20と抵抗体70とにそれぞれ接触し、中心電極20と抵抗体70とを離間している。シール部材80は、抵抗体70と端子電極40にそれぞれ接触し、抵抗体70と端子電極40とを離間している。このように、シール部材60、80は、中心電極20と端子電極40とを、抵抗体70を介して、電気的、かつ、物理的に、接続している。シール部材60、80は、導電性を有する材料、例えば、例えば、B23−SiO2系等のガラス粒子と金属粒子(Cu、Feなど)とを含む組成物で形成されている。
接地電極30(接地電極本体31)は、図2(A)の拡大断面図に示すように、断面が四角形の棒状体である。接地電極本体31は、両端部として、接続端部312と、接続端部312の反対側に位置する自由端部311と、を有している。接続端部312は、主体金具50の先端50tに、例えば、抵抗溶接によって、接合されている。これによって、主体金具50と接地電極本体31とは、電気的および物理的に接続される。接地電極本体31の接続端部312の近傍は、軸線AXの方向に延びており、自由端部311の近傍は、軸線AXと垂直な方向に延びている。棒状の接地電極本体31は、中央部分において、約90度だけ湾曲している。
接地電極本体31は、耐腐食性と耐熱性が高い金属、NiまたはNiを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。接地電極本体31は、中心電極本体21と同様に、母材と、母材よりも熱伝導性が高い金属(例えば、銅)を用いて形成され、母材に埋設された芯部と、を含む2層構造を有しても良い。
自由端部311には、中心電極20の第1放電面295との間に間隙Gを形成して対向する第2放電面395を有する接地電極チップ39が固定されている。第1放電面295と第2放電面395との間の間隙Gは、放電が発生するいわゆる火花ギャップである。接地電極チップ39は、中心電極チップ29と同様に、例えば、貴金属、または、貴金属を主成分とする合金を用いて形成される。
図2(B)には、図2(A)の矩形領域AAの拡大図が示されている。図2(C)には、図2(B)に示された部分を軸線AXに沿って先端側から後端方向BDに向かって見た図である。接地電極チップ39は、略円柱形状を有している。接地電極チップ39の第2放電面395とは反対側の面を反対面396と呼ぶ。接地電極チップ39の軸線AXに沿う方向(軸線方向)を、接地電極チップ39の厚み方向とも呼ぶ。接地電極チップ39の軸線AXと垂直な方向、すなわち、厚み方向と垂直な方向を、幅方向とも呼ぶ。
接地電極チップ39は、第2放電面395側(後端側)の小外径部391と、反対面396側(先端側)の大外径部393と、小外径部391と大外径部393との間の拡外径部392と、を有している。大外径部393の外径は、小外径部391の外径よりも大きい。拡外径部392は、第2放電面395側(後端側)から反対面396側(先端側)に向かって外径が拡径した部分である。
接地電極本体31の自由端部311には、接地電極チップ39の大外径部393に対応したサイズの孔部34が形成されている。孔部34は、接地電極本体31を軸線方向に貫通している略円柱状の孔である。孔部34は、等内径部341と、拡内径部342と、を有している。拡内径部342は、第2放電面395側(後端側)から反対面396側(先端側)に向かって内径が拡径した部分である。
接地電極チップ39の大外径部393の軸線方向の長さは、孔部34の軸線方向の長さ、すなわち、自由端部311の軸線方向の長さと、ほぼ等しい。小外径部391および拡外径部392は、自由端部311の後端面311Bよりも後端側に突出している。接地電極チップ39の反対面396は、自由端部311の先端面311Fとほぼ同一面上にある。
接地電極チップ39は、孔部34に圧入されることによって自由端部311に対して固定されている。このために、大外径部393のうち、孔部34の等内径部341に配置された部分は、周方向の全周に亘って、孔部34の内周面34iに直接接触している。大外径部393のうち、周方向の全周に亘って、孔部34の内周面34iに直接接触している部分を、圧入部394とも呼ぶ。例えば、接地電極チップ39の軸線(本実施形態では、点火プラグ100の軸線AX)を含む任意の面で、接地電極30を切断した場合に、接地電極チップ39の外周面と、孔部34を形成する接地電極本体31(自由端部311)の内周面34iと、が隙間無く接触している場合に、当該隙間無く接触している部分を、圧入部394であると認定することができる。
圧入部394の厚み方向の長さ(軸線方向の長さ)を圧入長Lとする。圧入部394の厚み方向と垂直な方向の長さ(圧入部394の外径)を圧入径Dとする。圧入長Lは、接地電極チップ39の圧入方向の長さとも言うことができる。
接地電極チップ39は、1種類の材料(たとえば、貴金属)で形成された1個の部材である。すなわち、第2放電面395から圧入部394までは、一部材で形成されている。
A−2.点火プラグの製造方法:
点火プラグ100の製造方法について、接地電極30の製造方法を中心に説明する。図3は、接地電極30の製造方法について説明する図である。先ず、角棒状の接地電極本体31と、略円柱状の接地電極チップ39と、が準備される。圧入前の孔部34の等内径部341の内径D2は、圧入前の接地電極30の大外径部393の外径D1より僅かに小さい。例えば、圧入前の大外径部393の外径D1がΦ1(公差r6)mmである場合に、圧入前の孔部34の等内径部341の内径D2はΦ1(公差H7)mmである。ここで、公差r6、H7は、JIS B 0401(1998)において規定されている。
図示しない治具で固定された接地電極本体31の孔部34に対して、先端面311F側から後端面311Bに向かって、接地電極チップ39が圧入される。このように、本実施形態では、接地電極チップ39の圧入方向は、接地電極チップ39の軸線(本実施形態では、点火プラグ100の軸線AX)に沿う方向である。接地電極チップ39の圧入時には、反対面396が図示しない押圧部材によって押圧される。反対方向、すなわち、後端面311B側から先端面311F側に向かって圧入される場合には、第2放電面395を押圧する必要がある。この場合には、圧入時において、第2放電面395を含む小外径部391に疵が着く可能性が高い。このような疵は、接地電極チップ39の折損などの原因となり得る。また、この場合には、圧入時において、小外径部391が変形する可能性も高い。この結果、間隙Gの長さや、第2放電面395の面積などが所望の値とは異なって形成され得る。本実施形態では、このような不都合を抑制して製品精度を向上できる。
生成された棒状の接地電極30の接続端部312は、主体金具50の先端50tに抵抗溶接される。その後、絶縁体10に端子電極40、中心電極20、抵抗体70等を組付けた組立体が準備され、主体金具50に該組立体が固定される。具体的には、主体金具50の貫通孔59内に、板パッキン8と、組立体と、線パッキン6、7と、タルク9と、が配置される。絶縁体10の縮外径部15と主体金具50の段部56との間には、板パッキン8が介在される。そして、主体金具50の加締部53を内側に折り曲げるように加締めることによって、主体金具50と絶縁体10とが組み付けられる。そして、棒状の接地電極30が曲げられて、間隙Gが形成される。これによって、点火プラグ100が完成される。
以上説明した本実施形態の点火プラグ100は、上述のように、接地電極チップ39のうちの孔部34に配置された部分である大外径部393は、全周に亘って接地電極本体31と直接接触する圧入部394を備える。このような圧入部394では、例えば、溶接部を介さずに接地電極本体31と接地電極チップ39とが接合されるので、高温に曝された場合でも酸化され難い。このために、接地電極チップ39の剥離や脱落を抑制できる。溶接によって形成される溶接部は、一般的に、母材よりも酸化しやすい。また、溶接部を介して接合された場合には、点火プラグ100の使用時に、加熱と冷却とが繰り返された場合に、中心電極チップ29と接地電極本体31との線膨張係数の差に起因して、中心電極チップ29と溶接部との界面、および、溶接部と接地電極本体31との界面に、熱応力が発生して、剥離が発生し得る。これに対して、圧入部394では、接地電極チップ39と孔部34の内周面34iとの間に内周面34iと平行な方向の熱応力が発生したとしても、圧入による接合が弱くなることはないので、該熱応力に起因して接地電極チップ39の剥離や脱落が発生することはない。
さらに、本実施形態によれば、第2放電面395から圧入部394までの部分は、一部材で形成されているので、例えば、第2放電面395から圧入部394までの間に溶接部が介在している場合と比較して、熱伝導率の低下を抑制でき、熱引き性能の低下を抑制できる。溶接部は、接合する2個の母材の成分を含むので、一般的に、溶接部の熱伝導率は、母材よりも低いからである。以上の説明から解るように、本実施形態の点火プラグ100によれば、接地電極チップ39の剥離や脱落を抑制するとともに、点火プラグ100の熱引き性能を向上できる。
さらに、本実施形態によれば、孔部34は、接地電極本体31を貫通している。この結果、中心電極20と対向する側の反対側(先端面311F側)から、接地電極チップ39を圧入することができる。この結果、圧入時に、第2放電面395側の小外径部391に疵が生じることや、小外径部391が変形することを抑制できる。
さらに、本実施形態によれば、接地電極チップ39のうち、圧入部394よりも第2放電面395側の部分における第2放電面395と平行な方向の長さ(本実施形態では、拡外径部392および小外径部391の外径)は、圧入部394における第1放電面295と平行な方向の長さ(本実施形態では、大外径部393の外径D)よりも小さい。この結果、中心電極20と対向する側の反対側(先端面311F側)から、接地電極チップ39を圧入する際に、接地電極チップ39のうちの圧入部394よりも第2放電面395側の部分(本実施形態では、拡外径部392および小外径部391)が、孔部34に接触することを抑制できる。したがって、圧入時に、接地電極チップ39のうちの圧入部394よりも第2放電面395側の部分に傷が付くことや、当該部分が変形することを抑制できる。
B.評価試験
評価試験では、点火プラグ100について、圧入長Lと、圧入径Dと、の少なくとも一方が互いに異なる13個のサンプル1〜13を用意した。具体的には、サンプル1〜13の圧入径Dは、0.6mm、0.8mm、1mm、1.2mmのいずれかである。圧入径Dが0.6mmであるサンプル1〜3の圧入長Lは、0.4mm、0.6mm、0.8mmとされ、これによって(D/L)の値が、1.5、1.00、0.75に設定されている。圧入径Dが0.8mmであるサンプル4〜6の圧入長Lは、0.6mm、0.8mm、1.2mmとされ、これによって(D/L)の値が、1.33、1.00、0.67に設定されている。圧入径Dが1mmであるサンプル7〜10の圧入長Lは、0.6mm、1mm、1.4mm、1.7mmとされ、これによって(D/L)の値が、1.67、1.00、0.71、0.59に設定されている。圧入径Dが1.2mmであるサンプル11〜13の圧入長Lは、0.6mm、0.9mm、1.6mmとされ、これによって(D/L)の値が、2.00、1.33、0.75に設定されている。
圧入長Lは、接地電極チップ39の大外径部393の軸線方向の長さと、孔部34の軸線方向の長さ(接地電極本体31の自由端部311の軸線方向の長さ)と、を変更することで調整された。圧入径Dは、大外径部393の外径と、孔部34の内径と、を変更することで調整された。
なお、各サンプルに共通な項目は、以下の通りである。
接地電極チップ39の材料:白金合金
接地電極本体31の材料:NCF600
評価試験として行った振動試験では、各サンプルを振動試験機に取り付けて、加速度50G、100Hzで100時間に亘って軸線方向に振動させた。振動試験は、各サンプルの接地電極チップ39の近傍を、バーナーを用いて摂氏1000度に加熱した状態で行われた。
そして、試験中に接地電極チップ39が脱落したサンプルの評価を「C」とし、試験終了時において接地電極チップ39の脱落はないが、接地電極チップ39の軸線方向のずれが認められたサンプルの評価を「B」とした。試験終了時において接地電極チップ39の脱落もずれも認められなかったサンプルの評価を「A」とした。評価結果は、以下の表1に示す通りである。
Figure 0006855354
(D/L)の値が、1.33よりも大きなサンプル1、7、11の評価は、圧入径Dに拘わらずに、「C」であった。これに対して、(D/L)の値が、1.33以下であるサンプル2〜6、8〜10、12、13の評価は、圧入径Dに拘わらずに、「B」以上であった。
この理由は、以下のように考えられる。圧入径Dが大きいほど、すなわち、接地電極チップ39のサイズが大きいほど、接地電極チップ39の重量が大きくなるので、振動時にかかる力が大きくなる。一方、圧入長Lが大きいほど、接地電極チップ39と接地電極本体31とを接合する力が大きくなる。このため、圧入径Dに対して圧入長Lが過度に短いと、十分な接合力が得られず、圧入径Dに対して圧入長Lが十分に長いと、十分な接合力が得られる。
(D/L)が1.33より大きい場合には、圧入径Dに対して圧入長Lが過度に短いので、十分な接合力が得られずに、接地電極チップ39の脱落が発生する。そして、(D/L)が1.33以下であれば、圧入径Dに対して圧入長Lが過度に短くないので、接地電極チップ39を接地電極本体31に十分な強度で固定できる。
以上のように、評価試験によって、(D/L)≦1.33を満たすことが好ましいことが解った。
さらに、(D/L)の値が1.33以下であるサンプル2〜6、8〜10、12、13のうち、(D/L)の値が、1より大きなサンプル4、12の評価は、「B」であった。これに対して、(D/L)の値が、1以下であるサンプル2、3、5、6、8〜10、13の評価は、「A」であった。
この理由は、(D/L)が1以下である場合には、(D/L)が1より大きい場合と比較して、圧入径Dに対して圧入長Lが十分に長いので、接地電極チップ39を接地電極本体31に対してさらに十分な強度で固定できるためである。以上のように、評価試験によって、(D/L)≦1を満たすことがさらに好ましいことが解った。
C.第2実施形態
図4は、第2実施形態の点火プラグの説明図である。図4(A)には、第1実施形態の図2(B)に図示された矩形領域AAに対応する領域AAbの断面図が図示されている。図4(B)には、図4(A)に示された部分を軸線AXに沿って先端側から後端方向BDに向かって見た図である。
第2実施形態の接地電極チップ39bは、第1実施形態の接地電極チップ39と同様に、小外径部391bと、小外径部391bよりも先端側に位置する大外径部393bと、小外径部391bと大外径部393bとの間に位置する拡外径部392bと、を有している。小外径部391bは、第2放電面395bを有する部分である。大外径部393bは、小外径部391bよりも大きな外径を有し、反対面396bを有する部分である。
大外径部393bは、圧入部394bと、圧入部394bよりも反対面396b側の部分である溶接対象部397bと、を有している。圧入部394bは、第1実施形態の圧入部394と同様に、周方向の全周に亘って、孔部34bの内周面34biに直接接触している部分である。溶接対象部397bは、溶接部WPを介して、接地電極本体31b(自由端部311b)と接合されている部分である。溶接部WPは、レーザ溶接によって、接地電極本体31bの成分と、接地電極チップ39bの成分と、が溶融・凝固されて形成される。
図4(C)に示すように、溶接部WPは、接地電極チップ39bと孔部34bとの接触面に沿って、全周に亘って形成されている。変形例としては、溶接部WPは、全周に亘って形成されていなくても良い。例えば、溶接部WPは、接地電極チップ39bと孔部34bとの接触面に沿った複数箇所に、間隔を開けて、形成されていても良い。
第2実施形態の接地電極は、以下のように製造される。先ず、第1実施形態の接地電極30と同様に、接地電極本体31b(自由端部311b)の孔部34bに対して、略円柱形状の接地電極チップ39bが圧入される。その後に、反対面396b側から、接地電極チップ39bと孔部34bとの接触面に沿って、反対面396bと垂直に、全周に亘ってレーザが照射される。これによって、溶接部WPが形成される。
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、圧入部394bを備え、第2放電面395bから圧入部394bまでの部分は一部材で形成されているので、接地電極チップ39bの剥離や脱落を抑制するとともに、点火プラグの熱引き性能を向上できる。
さらに、第2実施形態によれば、接地電極本体31bと、溶接対象部397bと、を接合する溶接部WPを備えるので、接地電極チップ39bの剥離や脱落をさらに抑制することができる。例えば、仮に、圧入部394bよりも第2放電面395b側に溶接部を備えたとしても該溶接部は、放電と接触するために放電の衝撃によって損傷を受けるので、酸化による消耗が進みやすい。本実施形態では、第2放電面395bとは反対側の損傷しがたい部分に溶接部WPを備えるので、接地電極チップ39bの剥離や脱落をさらに抑制することができる。
D.第3実施形態
上記第1実施形態および第2実施形態では、接地電極チップを保持するチップ保持部は、接地電極本体31、31bである。これに代えて、チップ保持部は、他の部材であっても良い。チップ保持部が主体金具である例を第3実施形態として説明する。
図5は、第3実施形態の点火プラグの間隙Gの近傍の断面図である。第3実施形態の主体金具50cの先端(取付ネジ部52cの先端)は、絶縁体10cの先端(脚長部13cの先端)よりも先端側に位置している。主体金具50cの先端は、さらに、中心電極20cの先端、すなわち、脚部25cの先端に接合された中心電極チップ29cの第1放電面295cよりも先端側に位置している。取付ネジ部52cのうち、第1放電面295cよりも先端側の部分には、点火プラグの軸線AXとは垂直な方向に、取付ネジ部52を貫通する孔部34cが形成されている。
孔部34cは、取付ネジ部52cの外周面側の大内径部342cと、取付ネジ部52cの内周面側の小内径部341cと、を有している。
第3実施形態の接地電極チップ39cは、軸線AXと垂直な方向に延びる略円柱形状を有している。すなわち、第3実施形態では、点火プラグの軸線AXと、接地電極チップ39cの軸線AXcとは、互いに垂直である。接地電極チップ39cは、小外径部391cと、小外径部391cよりも外周側に位置する大外径部393cと、小外径部391cと大外径部393cとの間に位置する拡外径部392cと、を有している。小外径部391cは、第2放電面395cを有する部分である。大外径部393cは、小外径部391bよりも大きな外径を有し、反対面396cを有する部分である。大外径部393cの外径は、取付ネジ部52cの小内径部341cの内径とほぼ等しい。第3実施形態では、第2放電面395cは、略円柱形状の接地電極チップ39cの側面である。
接地電極チップ39cは、図5に矢印で示すように、外周側から内周側に向かって、主体金具50cの孔部34cに圧入されている。このために、接地電極チップ39cの大外径部393cは、軸線AXcを中心とした周方向の全周に亘って、孔部34cの小内径部341cに直接接触する圧入部394cを備えている。
以上説明した第3実施形態では、主体金具50cの取付ネジ部52cは、孔部34cを有し、電極チップ39cを保持するための接地電極のチップ保持部として機能している。そして、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、圧入部394cを備え、第2放電面395cから圧入部394cまでの部分は一部材で形成されているので、接地電極チップ39cの剥離や脱落を抑制するとともに、点火プラグの熱引き性能を向上できる。
E.第4実施形態
上記第1〜第3実施形態では、接地電極チップ39、39b、39cが、チップ保持部(接地電極本体31、31bまたは主体金具50c)に圧入によって固定されている。接地電極チップに代えて、あるいは、接地電極チップとともに、中心電極チップが、チップ保持部(例えば、中心電極本体)に圧入によって固定されても良い。
図6は、第4実施形態の点火プラグの中心電極チップ29dの近傍の断面図である。第4実施形態の中心電極20dでは、中心電極本体21dの脚部25dの先端に、軸線AXに沿って延びる孔部251dが形成されている。孔部251dは、底部252dを有している。すなわち、孔部251dは、中心電極本体21dを貫通しておらず、先端側にのみ開口している。
中心電極チップ29dは、後端側の小外径部293dと、先端側の大外径部291dと、を有している。小外径部293dの外径は、中心電極本体21dの孔部251dの内径とほぼ等しい。大外径部291dの外径は、小外径部293dの外径よりも大きい。大外径部291dの先端側の面は、図示しない接地電極の第2の放電面との間に、放電のための間隙を形成する第1放電面295dである。
中心電極チップ29dは、図6に矢印で示すように、第1放電面295d(先端側)から反対面296d側(後端側)に向かって、中心電極本体21dの孔部251dに圧入されている。このために、中心電極チップ29dの小外径部293dは、軸線AXを中心とした周方向の全周に亘って、孔部251dに直接接触する圧入部294dを備えている。
以上説明した第4実施形態によれば、圧入部294dを備え、第1放電面295dから圧入部294dまでの部分は一部材で形成されているので、中心電極チップ29dの剥離や脱落を抑制するとともに、点火プラグの熱引き性能を向上できる。
F.変形例
(1)上記第1実施形態では、孔部34は、接地電極本体31を軸線AXに貫通している(図2)。これに代えて、孔部34は、接地電極本体31を貫通せず、後端側(後端面311B側)にのみ開口していても良い。この場合には、接地電極チップ39は、例えば、後端側から先端側に向かって孔部34に圧入されてもよい。同様に、第2実施形態においても孔部34bは、接地電極本体31bを貫通していなくても良い。第3実施形態においても孔部34cは、取付ネジ部52cを貫通していなくても良い。
(2)上記各実施形態において、接地電極チップ39、39b、39cや、中心電極チップ29dの形状は、一例であり、他の形状や寸法であっても良い。例えば、(D/L)≦1.33を満たしていない形状や寸法であっても良い。また、接地電極チップは、円柱形状に限らず、例えば、四角柱形状などの他の形状であっても良い。
また、点火プラグは、軸線AXと垂直な方向に延びる円柱形状の接地電極チップと、円柱形状の中心電極チップの側面と、の間に、放電のための間隙を形成するタイプのプラグであっても良い。この場合には、例えば、軸線AXと平行な方向に延びる接地電極本体の先端近傍に、軸線AXと垂直な方向に貫通する孔部が形成され、該孔部に軸線AXと垂直な方向に延びる円柱形状の接地電極チップが圧入されていても良い。
(3)上記各実施形態において、接地電極チップ39、39b、39cや、中心電極チップ29dの構成を中心に説明してきたが、他の要素、例えば、中心電極20、端子電極40、接地電極30などの材質や寸法などは、様々に変更可能である。例えば、第1〜第3実施形態では、中心電極は、貴金属製のチップを備えない構成であっても良い。第4実施形態では、接地電極は、貴金属製のチップを備えない構成であっても良い。また、主体金具50、50bの構成についても、その構成、材質について、公知な様々な構成を採用可能である。例えば、主体金具50の材質は、亜鉛やニッケルなどでめっきされた低炭素鋼でも良いし、これらのめっきがなされていない低炭素鋼でも良い。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
5…ガスケット、6…線パッキン、7…サンプル、8…板パッキン、9…タルク、10、10c…絶縁体、10c…絶縁体、12…軸孔、12L…大内径部、12S…小内径部、13…脚長部、13c…脚長部、15…縮外径部、16…縮内径部、17…先端側胴部、18…後端側胴部、19…鍔部、20、20c、20d…中心電極、21、21d…中心電極本体、23…頭部、24…鍔部、25、24d、25d…脚部、29、29c、29d…中心電極チップ、30…接地電極、31、31b…接地電極本体、34、34b、34c…孔部、39、39b、39c…接地電極チップ、40…端子電極、41…キャップ装着部、42…鍔部、43…脚部、50、50c…主体金具、51…工具係合部、52、52c…取付ネジ部、53…加締部、54…座部、56…段部、58…圧縮変形部、59…貫通孔、60…シール部材、70…抵抗体、80…シール部材、100…点火プラグ、251d…孔部、252d…底部、291d…大外径部、293d…小外径部、294d…圧入部、295、295c、295d…第1放電面、296d…反対面、311、311b…自由端部、312…接続端部、341…等内径部、341c…小内径部、342…拡内径部、342c…大内径部、391、391b、391c…小外径部、392、392b、392c…拡外径部、393、393b、393c…大外径部、394、394b、394c…圧入部、395、395b、395c…第2放電面、396、396b、396c…反対面、397b…溶接対象部、1000度…摂氏、L…圧入長、D…圧入径、D1…外径、FD…先端方向、BD…後端方向、WP…溶接部、AX…軸線

Claims (5)

  1. 中心電極と、
    前記中心電極との間に間隙を形成する接地電極と、を備える点火プラグであって、
    前記接地電極は、自身を貫通する孔部を有するチップ保持部と、前記間隙を形成する放電面を有し、少なくとも一部が前記チップ保持部の前記孔部に配置された電極チップと、を備え、
    前記電極チップのうちの前記孔部に配置された部分は、少なくとも前記放電面側の端部において全周に亘って前記チップ保持部と直接接触する圧入部を備え
    前記電極チップのうち、前記放電面から前記圧入部までの部分は、一部材で形成され、
    前記電極チップの表面のうち、前記圧入部の前記放電面側の端部の表面と連続する部分の全部が、露出している、点火プラグ。
  2. 請求項1に記載の点火プラグであって、
    前記電極チップのうち、前記圧入部よりも前記放電面側の部分における前記放電面と平行な方向の長さは、前記圧入部における前記放電面と平行な方向の長さよりも小さい、点火プラグ。
  3. 請求項1または2に記載の点火プラグであって、
    前記電極チップにおける前記放電面とは反対側の面を反対面と呼ぶとき、
    前記チップ保持部と、前記電極チップのうちの前記圧入部よりも前記反対面側の部分と、を接合する溶接部をさらに備える、点火プラグ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の点火プラグであって、
    前記圧入部における前記電極チップの厚み方向の長さをLとし、前記圧入部における前記厚み方向と垂直な方向の長さをDとするとき、
    (D/L)≦1.33を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
  5. 請求項4に記載の点火プラグであって、
    (D/L)≦1を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
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