JP4564571B1 - 建築物の外壁に意匠性を付与する一液型水系塗材組成物 - Google Patents
建築物の外壁に意匠性を付与する一液型水系塗材組成物 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】メチルメタアクリレートモノマーを30〜60重量%含む不飽和基含有重合性単量体により合成され且つガラス転移温度が10℃以上30℃未満のアクリル樹脂エマルションと、表面に水酸基を有する骨材、ビニル基を有するトリアルコキシシラン、顔料、充填材、増粘剤、成膜助剤とからなることを特徴とする水系塗材組成物。
【選択図】なし
Description
本発明の水系塗材組成物は、メチルメタアクリレートモノマーを50重量%以上含む不飽和基含有重合性単量体により合成され且つガラス転移温度が10℃以上30℃未満であるアクリル樹脂エマルションと、表面に水酸基を有する骨材、ビニル基を有するトリアルコキシシラン、顔料、充填材、増粘剤、成膜助剤とから成り、前記骨材が塗材全体に対して30〜60重量%配合され、前記ビニル基を有するトリアルコキシシランが塗材全体に対して0.2〜2.0重量%配合され、前記成膜助剤がアクリル樹脂エマルションの固形分に対して15〜30重量%配合されて成ることを特徴とする建築物の外壁に意匠性を付与する一液型水系塗材組成物であり、必要に応じて消泡剤や分散剤が配合される。
表1の組成に従って、実施例1、実施例2、及び比較例1、比較例2の水系塗材組成物を調製した。表1において、アクリル樹脂エマルションAはA26−11(固形分48%、Tg27℃、MMA50%以上、ガンツ化成株式会社製、商品名)、アクリル樹脂エマルションBをA754(固形分48%、Tg14℃、MMA50重量%以上、BASFジャパン株式会社製、商品名)アクリル樹脂エマルションCをYJ1070Daq(固形分46.5%、Tg41℃、MMA40重量%以上、BASFジャパン株式会社製、商品名)、アクリル樹脂エマルションDをA25(固形分48%、Tg48℃、MMA60%以上、ガンツ化成株式会社製、商品名)とし、成膜助剤としてテキサノールCS−12(チッソ株式会社製、商品名)、骨材には東北硅砂7号を、トリアルコキシシランにはサイラエースS−710(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、チッソ株式会社製、商品名)を、顔料には酸化チタンR−820(石原産業株式会社製、商品名)を、充填材は炭酸カルシウムホワイトンSB(比重0.85、平均粒径2μm、白石カルシウム株式会社製、商品名)を、増粘剤は水溶性セルロースエーテルhiメトローズ90SH−15000を使用した。この他には消泡剤及び分散剤を添加したが、これらは水系塗材用の市販品より適宜選択されるものを使用することが出来る。成膜助剤のみ各樹脂の必要量添加し、他の原料は均一量混合分散させ水系塗材組成物とした。
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(80×265mm厚さ4mm)を使用し、シーラーとして溶剤型塩化ゴム系下塗り材(JS−410、アイカ工業株式会社製、商品名)を0.2kg/m2塗布して、4時間以上乾燥させた後、表1記載の水系塗材組成物を塗付量0.9kg/m2にて金鏝を使用して塗付し、温度23℃湿度50%RHで12時間養生した。その後同一の水系塗材組成物を塗付量2.0kg/m2で金鏝を使用して塗付し、同様に温度23℃湿度50%RHで14日間養生して試験体とした。試験体は2体づつ作製し、そのうちの一体を水平面に対して70度の角度で縦長状に設置した。当該試験体の塗膜面の上部から高さ300mmの位置には、水平面に対して10度の角度で設置された波板(波の幅32mm、長さ500mm)の下端部を配設させ、波板の波底部を流下してくる雨水が、試験体の塗膜上部に落下し、当該雨水が試験体の塗膜下部に自重で流下するようにした。この条件で2ヶ月間屋外に暴露し、雨水によって汚れた塗膜部分と、暴露していないもう一体の試験体塗膜との色差を色彩色差計(CM−2600d、コニカミノルタセンシング株式会社製)にて測定し、当該色差を耐汚染性(ΔE)とした。ΔEが3.0未満を○、ΔEが3.0以上を×とした。
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(70×70mm厚さ8mm)を使用し、シーラーとして溶剤塩化ゴム系下塗り材(JS−410、アイカ工業株式会社製、商品名)を0.2kg/m2塗布して、4時間以上乾燥させた後、表1記載の水系塗材組成物を塗付量0.9kg/m2にて金鏝を使用して塗付し、温度23℃湿度50%RHで12時間養生した。その後同一の水系塗材組成物を塗付量2.0kg/m2で金鏝を使用して塗付し、同様に23℃湿度50%RHで14日間養生して試験体とした。試験体は2体づつ作製し、このうち1体をUVテスター(アイスーパーUVテスターSUV−W151、岩崎電気株式会社製)にてUV照射を行った。UV照射条件は、温度63℃、湿度50%RHで24時間UV照射し、その後温度70℃、湿度90%RHで24時間UV照射することを1サイクルとし、トータルで200時間UV照射した。UV照射後の塗膜ともう一体の未照射塗膜の色差を色彩色差計(CM−2600d、コニカミノルタセンシング株式会社製)にて測定し、当該色差を耐候性(ΔE)とした。ΔEが0.5未満を○、ΔEが0.5以上を×とした。
JIS A 6909に準拠した方法で試験体を作製した。先ず70×70×20mmモルタルピースにシーラーとして水系アクリル下塗り材(JS−500、アイカ工業株式会社製、商品名)を0.2kg/m2塗布して、4時間以上乾燥させた後、表1記載の水系塗材組成物を塗付量0.9kg/m2にて金鏝を使用して塗付し、温度23℃湿度50%RHで12時間養生した。その後同一の水系塗材組成物を塗付量2.0kg/m2で金鏝を使用して塗付し、同様に温度23℃湿度50%RHで14日間養生して試験体とした。当該試験体を、温度23℃18h水浸漬→−20℃3h→50℃3hの温冷繰り返し試験を10サイクル行い、塗材表面のフクレの有無を目視にて確認した。フクレが発生した場合は×、フクレの発生がない場合は○とした。
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(150×70mm、厚さ8mm)に、シーラーとして溶剤塩化ゴム系下塗り材(JS−410、アイカ工業株式会社製、商品名)を0.2kg/m2塗布して、4時間以上乾燥させた後、試験体の両端に2mm厚のバックアップ材を貼り付け、表1記載の水系塗材組成物を塗付量2.0kg/m2にて金鏝を使用して塗付し、5分おきに表面をへらでなぞり表面の皮張りを評価した。温度23℃湿度50%RHにおいて15分以下で皮張りしたものは×、20分以上のものは○とした。
150×150mm厚さ2mmのガラス板の周縁に厚さ2mm×幅7mmのスペーサーを貼り付け、その内側の表1の水系塗材組成物を均一な厚みになるようにヘラで塗付し、直ちに5℃の恒温槽内に水平に載置した。48時間経過後、恒温槽から取り出し目視にて、塗膜表面にクラックが生じているものを×とし、クラックが無いものを○とした。
評価結果を表1に記載する。
Claims (2)
- メチルメタアクリレートモノマーを50重量%以上含む不飽和基含有重合性単量体により合成され且つガラス転移温度が10℃以上30℃未満であるアクリル樹脂エマルションと、表面に水酸基を有する骨材、ビニル基を有するトリアルコキシシラン、顔料、充填材、増粘剤、成膜助剤とから成り、前記骨材が塗材全体に対して30〜60重量%配合され、前記ビニル基を有するトリアルコキシシランが塗材全体に対して0.2〜2.0重量%配合され、前記成膜助剤がアクリル樹脂エマルションの固形分に対して15〜30重量%配合されて成ることを特徴とする建築物の外壁に意匠性を付与する一液型水系塗材組成物。
- 骨材が硅砂であることを特徴とする請求項1に記載の建築物の外壁に意匠性を付与する一液型水系塗材組成物。
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