JP4562847B2 - ラップマシン - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、ロールベーラにより牧草類をロール状に巻き込んで成形したロールベールを、上質のサイレージに熟成させるために、そのロールベールの外周にフイルムを巻き付けて気密に包装するラップマシンについての改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従前のラップマシンは、機体の移動がトラクタによる牽引で行なわれ、各部の作動が牽引車たるトラクタ側の動力で行なわれる形態のものについて具体的に説明すると、図1にあるように、台枠状に形成した機体フレーム1の前端側(図において右端側)に、トラクタ(図示省略)の車体後面側に設けられた連結ヒッチに対し連結する牽引ヒッチ10を設け、後端側に走行輪11を軸支し、さらに、前端部に昇降自在にスタンド12を設けて、機体フレーム1をトラクタの牽引により所望の場所に移動させ、かつ、その移動した場所に定置し得るようにする。
【0003】
この機体フレーム1の上面の後端側に寄る部位に、トラクタ側に装備せる油圧装置から油圧ホース(図示省略)により導かれる油圧により伸縮作動する油圧シリンダaによって、支点軸p中心に後方に向けダンプ回動するダンプフレーム2を支架し、それの上面の略中心部位に、縦方向の支軸bを立設して、それに、回転軸部cを回転自在に嵌装し、それにストレッチフレーム30の基端部を連結してストレッチフレーム30を装架し、これに、トラクタ側の油圧装置から導く油圧により作動する油圧モータ(図示省略)を伝導連繋して、その油圧モータにより支軸b中心に旋回するようにし、そのストレッチフレーム30の回動端部に支柱31を立設してそれの上端部にストレッチユニット3を設けて、これにフイルムロール33を装填する。
【0004】
そして、ダンプフレーム2の上面に立設せる支軸bの上部に、ロールベールBを支承させるテーブル4を装架し、そのテーブル4の上面側に、ローラ40・41を前後に並列させて軸支し、それらにエンドレスにベルト42を巻きかけて、ロールベールBの載置部dとし、その一対のローラ40・41のうちの一方を、テーブル4の一側に設けた伝導部ケース43内の伝導機構に伝導し、その伝導機構を前述のトラクタ側の油圧装置から導く油圧により作動する油圧モータ(図示省略)により駆動して回転させることで、前述のエンドレスのベルト42が回動して、その上面に載架したロールベールBをその場において転動させるようにする。
【0005】
また、テーブル4の側面には、油圧シリンダ(図示省略)により支点軸50中心に起伏回動するリンク5にガイドされて別の支点軸60中心に起伏回動するグリップカッタアーム6を軸支して、これらにより、ラップマシンAを構成している。
【0006】
そして、これにより、成形した牧草類のロールベールBを、それの軸線方向が一対のローラ40・41の軸線方向と並列する横倒しの姿勢として載置部dの上面に載置し、その状態で、ローラ40を駆動してロールベールBを載置部dの上面でゆっくりと転動させながら、ストレッチフレーム30を旋回させて、それのストレッチユニット3に装填せるフイルムロール33から繰り出されるフイルムfを、ロールベールBの外周面に巻き付けて被覆包装し、その包装が終えたところで、一たん作動を停め、油圧シリンダの作動でリンク5を起立回動させてグリップカッタアーム6を起立させ、その状態からストレッチフレーム30を一回旋回させて停め、次いで、リンク5を倒伏回動させて、それにより、グリップカッタアーム6の外側から巻かれたフイルムfをグリップカッタアーム6で、たぐりながらカットブラケット61に押し付けて挟持させるとともにナイフにより切断し、包装を終える。
【0007】
次いで、油圧シリンダaを伸長作動させて、ダンプフレーム2を図2の如くダンプ回動させ、包装し終えたロールベールBを地表面に放出させていくように使用する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従前のラップマシンAは、テーブル4の上面の載置部dにロールベールBを載置して、フイルムによるラッピングを終え、そのロールベールBを、ダンプフレーム2のダンプ回動により地表面に放出していくとき、その際の転落の衝激で、ラッピングしたフイルムに裂傷が生じ易く、それにより密封が破れ、サイレージに熟成していけないようになるものがでてくる問題がある。
【0009】
また、ラッピングするロールベールBを支承させる載置部dが、機体フレーム1の上面側に装架したダンプフレーム2の上面にストレッチフレーム3の回動軸部cを装設して、さらに、その上方にテーブル4を装架し、そのテーブル4の上面側に装設することから、この載置部dの高さ位置が高くなることで、この載置部にロールベールを積み込むように載置するときの作業性が悪く、また、ラッピングの作業中におけるロールベールの支承が不安定になる問題がある。
【0010】
本発明は従前手段に生じている上述の問題を解消せしめるためになされたものであって、ラップ作業を行なうためにロールベールを転動自在に支承せしめる載置部を、それからラッピングを終えたロールベールを地表に向け転落させるときの落差を小さくするように、機体フレーム上に装設して、ロールベールを転落放出させるときの衝激を小さくしてラップしたフイルムに生じる裂傷を少なくし、かつ、載置部の高さ位置を低くしてラップ作業を安定させるようにする新たな手段を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そして本発明においては、上述の目的を達成するための手段として、ストレッチユニットの回転軸部を、機体フレームの上面側に装架したテーブルの下方の周囲を取り囲む大径の回転リングに形成し、それの軸心線が縦方向となる姿勢としてテーブルの下方の回りに配位して機体フレームの上面側に回転自在に軸架し、その回転リングにストレッチフレームを連結して、それに支柱を介してストレッチブラケットを装備せしめることを特徴とするラップマシンを提起し、さらに、併せて、ロールベールの載置部を形成せるテーブルとストレットユニットとを別体に形成して、そのテーブルを機体フレームの上面側に、ダンプ回動自在に支架し、ストレッチユニットは、それの回転軸部を、テーブルをダンプ回動させる支点軸およびダンプ回動用の油圧シリンダ等の周囲を取り囲む大径の回転リングに形成し、それの軸心線が縦方向となる姿勢として前記支点軸および油圧シリンダ等を取り囲むよう配位して回転自在に機体フレームの上面側に軸架し、その回転リングにストレッチフレームを連結して、それに支柱を介してストレッチブラケットを装備せしめることを特徴とするラップマシンを提起するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明手段によるラッピングマシンは、自走によりまたは被牽引または搬送により所望の場所に移動して、その場所に定置し得る機体フレームを構成し、これに、上面にロールベールを転動自在に載置し得る載置部を設けたテーブルと、それの載置部に載架したロールベールの周面に巻き付けるフイルムを繰り出すフイルムロールを装填するストレッチブラケットおよびそれを旋回させるストレッチフレームとからなるストレッチユニットと、テーブルの載置部に載架してラップ作業を終えたロールベールをテーブルの載置部から転落させて放出するようテーブルをダンプ回動させるダンプ機構とを装架せしめるが、テーブルとストレッチユニットとは別体に形成しておく。
【0013】
そして、テーブルのダンプ回動が、ストレッチユニットを機体フレーム上に動かないように残して、テーブルだけの傾斜回動で行なわれるようにする。
【0014】
テーブルの上面の載置部をダンプ回動させるためのテーブルの傾斜回動は、ダンプ回動するダンプフレームを用いることなく、テーブルの底面に軸受支持部材を設けて、これを、機体フレームの上面側に設ける支軸に軸支し、テーブルの底面と機体フレームとの間に、伸縮する油圧シリンダ等のダンプ機構を渡架することで、テーブルを直ちに機体フレームの上面側に軸支する態様とし、これにより、テーブルの上面の載置部の対地高さができるだけ低くなるようにする。
【0015】
このとき、テーブルを傾斜回動自在に軸支するための支点軸は、機体フレームの上面側の、左右の一側に寄る部位または前後の一端に寄る部位に配設して、テーブルを支点軸中心にダンプ回動させたときに、テーブルの上面の載置部の端部が、機体フレームの外にのり出して地表に向け下降していくようにすることが有効である。
【0016】
また、ロールベールの周囲に巻き付けるフイルムを繰り出すフイルムの巻束を装填するとともに繰出ロールを装備せしめるストレッチブラケットをテーブルの上面の載置部に載置したロールベールの周囲を回動するよう旋回させるストレッチユニットのストレッチフレームは、それの旋回中心となる回転軸部を、前述のテーブルの底面側の軸受支持部材およびそれを軸支する支点軸とダンプ回動用の油圧シリンダ等のダンプ機構を、平面視において大きく取り囲む回転リングに構成して、それの軸心線が縦方向となる姿勢として機体フレームの上面側に回転自在に軸架し、これに油圧モーター等の駆動手段を伝導連繋して駆動回転させ得るようにしておき、この回転リングにストレッチフレームの基端側を組付け連結し、駆動手段による駆動により回転リングを回転させることで、ストレッチフレームの突出端側に立設せる支柱に装架したストレッチブラケットが、テーブルの上面に装設せる載置部に載置したロールベールの回りを旋回するようにする。
【0017】
また、テーブルの上面の載置部に載架したロールベールに対するラップ作業を終えたときに、ストレッチブラケットに装填するフイルムの巻束から繰り出されているフイルムを、ロールベールから切り離すよう切断するとともに切り離し端部を保持させるための、グリップカッタアームおよびそれを起伏回動させるリンクアームは、ストレッチフレームの回動により旋回するストレッチブラケットの旋回軌跡の内周側に配位して、機体フレームに対し組付け支架せしめるが、その組付け支架は、テーブルに支架することで機体フレームに対し支架するようにしてよい。
【0018】
これには、テーブルの一側に取付機枠を設けて、その取付機枠にグリップカータアームの基端部を起伏回動自在に軸支し、それの近傍に、先端側がそのグリップカッタアームに対し摺動自在に係合するリンクア−ムを軸支し、このリンクアームと取付機枠との間に油圧シリンダ等の昇降機構を渡架し、さらに、取付機枠には昇降機構によりフイルムをたぐりながら倒伏回動していくグリップカッタアームが倒伏回動のエンドに達したときにそれの回動端部と対応する部位に配位して、ナイフおよびカットブラケットを設けることでよい。
【0019】
また、機体フレームには、それに支架したテーブルをダンプ回動させる側の端部に、テーブルのダンプ回動によりそれの上面の載置部から転がし落とすロールベールを受け止めながら、そのロールベールをそれの軸線方向が竪方向となる姿勢に変換して、軸方向の端面が接地する状態とするための縦降ろしフレームを設ける場合は、この縦降ろしフレームは、それの基端側を機体フレームの端部に、支点軸を中心として起伏回動自在に支架しておいて、機体フレームの移動の際には、機体フレームの端部に起立させて格納状態となるようにするが、さらに、この縦降ろしフレームを軸支する支点軸を、機体フレームの端部に油圧シリンダ等の昇降機構で昇降回動するリンク部材の回動端部に設けておき、ラップ作業の際には、このリンク部材の下降回動により旋回するストレッチフレームと干渉することのない位置に下降させ、ラップ作業を終えて、テーブルをダンプ回動させるときには、このリンク部材を上昇回動させて縦降ろしフレームを上昇位置に戻すようにすることが望ましい。
【0020】
このとき、縦降ろしフレームを昇降作動させる油圧シリンダ等の昇降機構は、テーブルをダンプ回動させる油圧シリンダの作動と連動して作動するようにして、テーブルをダンプ回動させると同時に縦降ろしフレームが上昇位置を占めるようになり、テーブルを旧の位置に戻すと同時に縦降ろしフレームが下降位置を占めるようにしておけば、縦降ろしフレームは、旋回するストレッチフレームと干渉しないで、ロールベールの放出落差を小さくする位置に設けられるようになる。
【0021】
【実施例】
次に実施例を図面に従い説明する。なお、図面符号は、従前手段のものと同効の構成部材については同じ符号を用いるものとする。
【0022】
図3は本発明を実施せるラップマシンWの全体の側面図、図4は同上の平面図で、これら図において、1は機体フレーム、3はストレッチユニット、4はテーブル、dはそのテーブル4の上面に装設した載置部、Bはその載置部dに載架したロールベール、30はストレッチユニット3のストレッチフレーム、31は前記ストレッチフレーム30の張出端部に立設した支柱、32はその支柱31の上端部に設けたストレッチブラケット、cはそのストレッチフレーム30の回転軸部、6はグリップカッタアーム、5はそのグリップカッタアーム6を起伏回動させるリンク、7は機体フレーム1の後端部に装架した縦降ろしフレームを示す。
【0023】
この例におけるラップマシンWは、機体フレーム1をトラクタTに連結して牽引させることで、所望の場所に移動し、その場所に定置してラップ作業を行なうようにしている形態のものであり、かつ、テーブル4上面の載置部dの駆動およびストレッチユニット3の旋回作動ならびにテーブル4のダンプ作動等の各部の作動を、トラクタT側に装備されている油圧装置から油圧ホースを経て送給される油圧により行なわせるようにしている例である。
【0024】
機体フレーム1は図5に示している如く、平面視において略三角形をなす梯子枠状に枠組みしてあり、その三角形の頂点となる前端部位に、トラクタTの車体後面に設けた左右のロアリンクt・tに連結する牽引ヒッチ10が設けられ、後端側の桁杆1aの左右の両端部には、走行輪11・11がそれぞれ軸支され、また、前端部には、スタンド12が昇降調節自在に設けてある。
【0025】
テーブル4は、左右の側枠4a・4aとそれらの間に渡架する桁材4b・4bにより台枠状に枠組みしてあり、左方の側枠4aと右方の側枠4aとのそれぞれの前後の端部間には、駆動回転するローラ40と従動回転するローラ41とが、前後に並列するように軸支され、それらローラ40・41に複数本のテーブルベルト42…を軸方向に並列させてそれぞれエンドレスに巻きかけることで、そのテーブルベルト42…の上周面によりロールベールBを支承する載置部dを形成している。
【0026】
この載置部dは、テーブル4の前端側に位置するロール40がテーブル4の一方の側枠4aの前端側の外面に設けた伝導ケース43内の伝導機構を介して油圧モータM1により駆動されて回転することで、テーブルベルト42…が回動することにより、支承するロールベールBを支承した状態位置において転動させるよう作用する。
【0027】
また、テーブル4は、それの桁材4b…のうちの後位の桁材4bの下面に設けた支持部材44を、機体フレーム1の後端側の桁杆1aに設けた支点軸pに軸支し、その桁杆1aとテーブル4の前位側の桁材4bとの間に油圧シリンダaを渡架することで、その油圧シリンダaの伸縮作動により支点軸p中心にダンプ回動するようにしてある。
【0028】
ストレッチフレーム30の回転軸部cは、図5にあるように、前述のテーブル4をダンプ回動自在に軸支する支点軸p・pおよびダンプ回動させる油圧シリンダa等を取り囲む大径の回転リング8に形成してある。
【0029】
この回転リング8は、平面視において、前述の如く支点軸p・pおよび油圧シリンダaを内周側に取り囲むように、機体フレーム1の上面側の後端部に配位して、それの外周面を機体フレーム1の軸支した複数のガイドローラg…に支承せしめることで、軸心線が縦方向となる姿勢をもって、その軸心線中心に回転するように機体フレーム1に軸架してあり、かつ、該回転リング8の内周面に、油圧モータM2により駆動回転するよう機体フレーム1に支架したゴムタイヤ80を装備せる輪体81を、バネ82により付勢して接触させることで、この輪体81の駆動により駆動回転させるようにしてある。
【0030】
この回転リング8は、断面が、外周側を開放させたチャンネル状に形成してあって、これを支承するガイドローラg…は、図8にあるように、該回転リング8の内周壁8aに当接していく軸線を上下方向としたガイドローラg1…と、図9にあるように回転リング8の下面側の側壁8bの下面に下方から当接していく軸線方向を横方向としたガイドローラg2…と図10にあるように前記側壁8bの上面側に当接していく軸線方向を横方向としたガイドローラg3…とからなり、これらにより、所定位置に保持されて回転するように軸架してある。
【0031】
グリップカッタアーム6は、テーブル4の一側の側枠4aから立設せる取付機枠hの前端側の上部に設けた支点軸60に、基端側を軸支して、その支点軸60中心に起伏回動するようにしてある。
【0032】
また、このグリップカッタアーム6を起伏回動させるリンク5は、前記取付機枠hの前後の中間部の上部に設けた支点軸50に基端部を軸支して、中間部と取付機枠hとの間に伸縮する油圧シリンダ51を渡架することで、その油圧シリンダ51の伸縮作動により支点軸50中心に起伏回動するようにしてある。
【0033】
そして、このリンク5の回動端側は、前述のグリップカッタアーム6の長手方向の中間部に、摺動自在に係合させてあり、該リンク5の回動によりグリップカッタアーム6が起伏回動していくようになる。
【0034】
52は、前記グリップカッタアーム6が倒伏回動してきたときに、それの回動端部と対応するよう配位して取付機枠hに設けたカットブラケットで、グリップカッタアーム6が所定位置まで回動してきたときに、それをストップさせるストッパーとフイルムfを切断するナイフとが装備されている。
【0035】
これにより、図12にあるようストレッチフレーム30の回動で、図13にあるようロールベールBに対するラップ作業が終えたところで、ストレッチフレーム30の旋回を一たん停め、そこで、図13にあるようリンク5を起立回動させてグリップカッタアーム6を起立させ、この状態からストレッチフレーム30を半周旋回させて図14の状態とし、そこで、図15・図16・図17・図18の如くリンク5を倒伏回動させていくことで、フイルムfを切断してロールベールBから切り離し、その切り離したフイルムfの端部をカットブラケット52の上面との間に保持していくよう作用する。
【0036】
そして、ラップ作業を終えて、フイルムfの切断が行なわれたロールベールBは、油圧シリンダaの作動で、図19・図20にあるようテーブル4をダンプ回動させていくことにより、図21にあるよう地表に軸線方向が横方向となる姿勢で放出されていく。
【0037】
機体フレーム1の、テーブル4がダンプ回動していく側の端部に設ける縦降ろしフレーム7は、このロールベールBを地表に向けて転落させて放出するときの、地表に衝突する衝激を緩和させることと、ロールベールBをそれの軸線方向が縦方向となる姿勢に変換させて、軸線方向の端面で接地させ、安定した状態に放出していくようにするためのもので、それの基端側を、テーブル4をダンプ回動させる側の端部となる機体フレーム1の後端側に設ける支点軸70に軸支して、その支点軸70中心に起立回動させることで、機体フレーム1の後端側に起立して格納状態となるように装設してあって、使用するときには、作業者が倒伏回動させて機体フレーム1の後端部から後方に突出する状態とするようにしてある。
【0038】
また、この縦降ろし7の基端部を軸支する支点軸70は、機体フレーム1の後端部に支軸90中心に昇降回動するリンク部材9の回動端部に設けられていて、そのリンク部材9に連繋する油圧シリンダ91の作動によりリンク部材9が昇降回動することで、図22にあるように、基端側が下降して旋回するストレッチフレーム30と干渉しない位置を占める状態と、基端側が上昇して、図23にあるように、ダンプ回動によりテーブル4の上面の載置部dから転落するロールベールBに対して、殆ど落差のない高さ位置で受け止める状態とに切り換わるようにしてあって、これにより、油圧シリンダ91の伸長作動で支点軸70の位置を下降させた状態としておくときは、テーブル4の上面の載置部dから放出されるロールベールBを、図24乃至図27にあるように、殆ど衝激のない状態位置で受け止めるとともに、受け止めたロールベールBを、縦降ろしフレーム7との接触点を支点として軸線方向が縦方向となる姿勢に向け回動させながら落下させて、図27の如く軸線方向の端面が接地する状態として放出していくようにしてある。
【0039】
そして、この縦降ろしフレーム7の基端側の支点軸70を昇降させる油圧シリンダ91は、図28に示している如く、油圧回路yに対して、テーブル4をダンプ回動させる油圧シリンダaと並列に接続してあって、テーブル4をダンプ回動させるよう油圧シリンダaを伸長作動させると、同時に、この縦降ろしフレーム用の油圧シリンダ91が伸長作動して、その縦降ろしフレーム7の基端側の支点軸70を下降作動させるようになって、縦降ろしフレーム7をストレッチフレーム30と干渉しない位置に下降させる作動がテーブル4のダンプ回動と連動して行なわれるようにしてある。
【0040】
図において、Vは、油圧シリンダa・51・91および油圧モータM1・M2らの油圧回路を操作レバー92…の操作により切換制御する制御バルブであるが、それの切換作動は、無線信号による遠隔操作によっても行なえるようにしてある。
【0041】
また、図29および図30は、上述の如く構成した本発明によるラップマシンが、図1およぶ図2に示した従前のラップマシンとの比較において、テーブル4の上面の載置部dの高さ位置を低くしていることを示す説明図で、本発明手段によるラップマシンは、それの載置部dが、図において寸法Dに示す分だけ従前手段のものの載置部dより低くなっている。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるラップマシンは、テーブルの上面の載置部に載架したロールベールの外周を旋回して、その外周面にフイルムを巻き付けるストレッチユニットの回転軸部を、テーブルの下半側を囲う大径の回転リングに形成していることから、テーブルの上面の載置部の高さ位置を、ストレッチユニットの回転軸部の分だけ低くできて、ラップ作業の安定性を向上させるとともにテーブルをダンプ回動させてロールベールを放出するときの落差を小さくして、ラップしたフイルムに生じる裂傷を少なく抑えられるようになる。
【0043】
また、テーブルとストレッチフレームとを別体に形成して、テーブルだけをダンプ回動させ得るようになるので、ダンプフレームを省略して、テーブルを機体フレームにじかにダンプ回動自在に支架し得るから、テーブルの上面の載置部の高さ位置を低くして、ラップ作業の安定性を向上させ、かつ、放出落差を小さくするのが、確実に行なえるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従前のラップマシンの側面図である。
【図2】同上のターンテーブルをダンプ回動させた状態の側面図である。
【図3】本発明を実施せるラップマシンの一部破断した側面図である。
【図4】同上の平面図である。
【図5】同上の機体フレームのストレッチユニットを装架した状態の平面図である。
【図6】同上の機体フレームの同上状態の側面図である。
【図7】同上の機体フレームに装架したストレッチユニットの部分の平面図である。
【図8】同上のストレッチユニットの部分の縦断面図である。
【図9】同上のストレッチユニットの異なる部分の縦断面図である。
【図10】同上のストレッチユニットのさらに異なる部分の縦断面図である。
【図11】同上ラップマシンのラップ作業を開始直前の状態の側面図である。
【図12】同上ラップマシンのラップ作業時の側面図である。
【図13】同上ラップマシンのラップ作業を終えた状態時の側面図である。
【図14】同上ラップマシンのフイルムの切断工程のグリップカッタアームにフイルムを巻き付ける工程時の説明図である。
【図15】同上ラップマシンのグリップカッタアームがフイルムをたぐり込む直前の説明図である。
【図16】同上ラップマシンのグリップカッタアームがフイルムをたぐりながら下降していく工程の説明図である。
【図17】同上ラップマシンのグリップカッタアームによるフイルムのたぐりよせ工程の終期の説明図である。
【図18】同上ラップマシンのグリップカッタアームによるフイルムの切断工程を終えた状態時の説明図である。
【図19】同上ラップマシンのラップし終えたロールベールを放出していく工程の説明図である。
【図20】同上ラップマシンのロールベールを放出していく工程の終期の説明図である。
【図21】同上ラップマシンのロールベールを放出し終えた状態時の説明図である。
【図22】同上ラップマシンに装架した縦降ろしフレームを下降させた状態時の側面図である。
【図23】同上ラップマシンに装架した縦降ろしフレームを上昇させた状態の説明図である。
【図24】同上ラップマシンの同上状態でテーブルをダンプ回動させた状態時の説明図である。
【図25】同上ラップマシンの放出したロールベールが縦降ろしフレームに支承された状態時の説明図である。
【図26】同上ラップマシンの放出されたロールベールが縦フレームにより軸線方向が直立する姿勢に転倒していく工程の説明図である。
【図27】同上ラップマシンのロールベールが軸線方向を直立させた姿勢として放出された状態時の説明図である。
【図28】同上ラップマシンのテーブルダンプ回動用の油圧シリンダと縦降ろしフレームの昇降用の油圧シリンダの油圧回路の説明図である。
【図29】本発明手段によるラップマシンと従来手段によるラップマシンとの載置部の高さ位置の比較説明図である。
【図30】同上のテーブルをダンプ回動させた状態における比較説明図である。
【符号の説明】
A…ラップマシン、B…ロールベール、W…ラップマシン、T…トラクタ、M1・M2…モータ、V…制御バルブ、a…油圧シリンダ、b…支軸、c…回転軸部、d…載置部、f…フイルム、g・g1・g2・g3…ガイドローラ、h…取付機枠、t…ロアリンク、p…支点軸、y…油圧回路、1…機体フレーム、1a…桁杆、10…牽引ヒッチ、11…走行輪、12…スタンド、2…ダンプフレーム、3…ストレッチユニット、30…ストレッチフレーム、31…支柱、32…ストレッチブラケット、33…フイルムロール、4…テーブル、4a…側枠、4b…桁材、40・41…ローラ、42…ベルト、43…伝導ケース、44…支持部材、5…リンク、50…支点軸、51…油圧シリンダ、52…カットブラケット、6…グリップカッタアーム、60…支点軸、61…カットブラケット、7…縦降ろしフレーム、70…支点軸、8…回転リング、8a…内周壁、8b…側壁、80…ゴムタイヤ、81…輪体、82…バネ、9…リンク部材、90…支軸、91…油圧シリンダ、92…操作レバー。
Claims (4)
- ストレッチユニットの回転軸部を、機体フレームの上面側にダンプ回動自在に装架したテーブルの下方の周囲を取り囲む大きさの回転リングに形成し、それの軸心線が縦方向となる姿勢としてテーブルの下方の回りに配位して機体フレームの上面側に回転自在に軸架し、その回転リングにストレッチフレームを連結して、そのストレッチフレームに支柱を介してストレッチブラケットを装備せしめることを特徴とするラップマシン。
- ロールベールの載置部を形成せるテーブルとストレットユニットとを別体に形成して、そのテーブルを機体フレームの上面側にダンプ回動自在に支架し、ストレッチユニットは、それの回転軸部を、テーブルをダンプ回動させる支点軸およびダンプ回動用の油圧シリンダの周囲を取り囲む大きさの回転リングに形成し、それの軸心線が縦方向となる姿勢として前記支点軸および油圧シリンダを取り囲むよう配位して回転自在に機体フレームの上面側に軸架し、その回転リングにストレッチフレームを連結して、そのストレッチフレームに支柱を介してストレッチブラケットを装備せしめることを特徴とするラップマシン。
- 回転リングに形成して機体フレームの上面側に回転自在に軸架するストレッチユニットの回転軸部を、前記回転リングの周面に外周面を接触させたゴムタイヤの輪体の駆動回転により駆動することを特徴とする請求項1または請求項2記載のラップマシン。
- ストレッチユニットの回転軸部を、機体フレームの上面側にダンプ回動自在に装架したテーブルの下方の周囲を取り囲む大きさの回転リングに形成し、それの軸心線が縦方向となる姿勢としてテーブルの下方の回りに配位して機体フレームの上面側に回転自在に軸架し、その回転リングにストレッチフレームを連結して、そのストレッチフレームに支柱を介してストレッチブラケットを装備せしめる前記機体フレームにダンプ回動自在に装架したテーブルのダンプ回動側における端部に、縦降ろしフレームを昇降自在に装架し、その縦降ろしフレームに昇降作動させる油圧シリンダを連繋し、その油圧シリンダの作動と前記テーブルをダンプ回動させる油圧シリンダの作動とを、テーブルをダンプ回動させたときに縦降ろしフレームが上昇位置に動き、テーブルの復元回動により縦降ろしフレームが下降位置に動くよう連動させたことを特徴とするラップマシン。
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