JPH0581204B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主としてロールベーラ型の牧草（乾
草）収穫機により生産されたロールベール（円柱
型梱包牧草）の圃場への放出方向、放出姿勢を制
御するロールベーラの放出位置制御装置に関する
ものである。

〔従来の技術〕

従来、牧草収穫機としてロールベーラ型のもの
が知られ、近年、牧草の乾草生産に多用されるよ
うになつている。このロールベーラ型牧草収穫機
は、刈取られた牧草が圃場で地干し乾燥され、こ
の乾草をピツクアツプして帯状にして所定幅の円
筒状に巻付け、その径がほぼ所定の大きさになつ
たとき円周側の外周をひもで梱包（結束）してロ
ールベールを製造し、このロールベールを機体の
進行方向後方に円周面が圃場面に接するようにし
て回転放出するようにしている。そして、平坦牧
草地において使用する場合には何も問題が発生し
ていない。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、この収穫機を傾斜地において使用す
るときは、生産されて放出されたロールベールは
円周面が圃場面に接して回転力が与えられている
ので、傾斜下方（谷側）に向けて転げ落ちてしま
い、放出位置に留めることができなかつた。この
ことは危険であるばかでなく、傾斜下方に転げ落
ちたものを回収するのに手間を要し、また、傾斜
下方に残つている収穫作業の邪魔になることがあ
る、などの問題点があつた。

そこで本発明は、上記のような問題点を解消す
るために、ロールベーラの後方にトレーラを装着
して牽引し、ロールベーラで製造された円柱状態
のロールベールを一旦トレーラに積載して後、地
形に応じてロールベールの円形面を下にして左右
のいずれかに放出し、ロールベールが転げ落ちる
ことなく安定して放出位置に留めることがでるよ
うにしたロールベーラの放出位置制御装置を提供
することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本発明は、ロール
ベーラ型の乾草収穫機に牽引され、乾草収穫機に
より製造された１個のロールベールＡを、その両
円形面が左右方向に向くように積載するトレーラ
１を設け、 上記トレーラ１は、後端部にストツパプレート
８を設け、デツキ１ａに、左右から相互に組合わ
さるようにして一組の昇降フレーム６，７を枢支
し、昇降フレーム６，７をシリンダ機構１１，１
２によりほぼ水平状態、その一方を左傾斜状態、
他方は右傾斜状態に無段階に変位可能とし、 上記デツキ１ａ上に積載したロールベールＡを
円形面の一方を下にして、地面の傾斜に合わせて
左右何かに傾動、排出し、地面に立てた状態で放
出するようにしたことを特徴とするものである。

〔作用〕

上記の構成により、トレーラ１のデツキ１ａは
進行方向に対し左右いずれの方向にもその傾斜角
度を無段階に変えることができ、ロールベーラか
らトレーラ１のデツキ１ａ上に回転、移送されロ
ールベールＡは、地形に応じて左右いずれかの方
向にデツキ１ａを傾動させて傾斜させ、ロールベ
ールＡが安息角を越えるとデツキ面をスライドし
てその円形平面を圃場面に接して放出されて立て
られる。即ち、ロールベーラ機体の傾斜上方側
（山側）へ放出し、常にロールベールの円形平面
を圃場面に接地させて立てられ、転動を防止し、
安定して放置される。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本発明の実施例について
説明する。

第１図ないし第３図において、符号１は図示省
略したロールベーラ型の牧草収穫機の後部に連結
されて牽引され、牧草収穫機により製造されたロ
ールベールＡを１個積載して圃場に放出するため
の放出装置としてのトレーラで、このトレーラ１
は、車体フレーム２の下部に左右一対の車輪３，
４を装備し、車体フレーム２の前部に前方に向け
突出させた牽引杆５を牧草収穫機の後部に連結し
て牽引されるようになつている。

トレーラ１のロールベールＡを積載するための
デツキ１ａは、左右から相互に組合わさるように
して一組の昇降フレーム６，７が、車体フレーム
２と共にほぼ水平状態になる位置と、昇降フレー
ム６が右側に向け傾斜する右傾斜状態と、昇降フ
レーム７が左側に向けて傾斜する左側傾斜状態と
に変位可能となつている。昇降フレーム６，７
は、車体フレーム２に支持されたデツキ軸９，１
０に回動自在に軸支され、左右方向に回動し昇降
するようになつている。車体フレーム２の後端部
には、ストツパプレート８が垂直上方に向け立設
されていて、ロールベールが積載されたとき後方
に転落するのを防止している。

上記昇降フレーム６，７をそれぞれ別に昇降作
動させる油圧シリンダ１１，１２の基端部が、車
体フレーム２の左右方向中央部に設けた支持軸１
３により枢着され、油圧シリンダ１１，１２のピ
ストンの先端部は、シリンダピン１４，１５を介
してデツキアーム１６，１７に連繋されている。
また、油圧シリンダ１１，１２には、油圧パイプ
１８，１９が設けられて、図示しない油圧コント
ロールバルブに連通、連結され、油圧シリンダ１
１，１２を別々に制御するようにしてある。

このような構成のロールベーラの放出位置制御
装置においては、例えば第４図に示すように傾斜
牧草地で乾草収穫作業を行うときは、牧草収穫機
により製造されたロールベールＡが、トレーラ１
のデツキ１ａ上のその円周面を前後方向に、即
ち、両円形面が左右方向に向くように位置させて
積載される。

そして、傾斜牧草地の圃場面Ｆの傾斜方向が第
４図イに示すように右側に下向するように傾斜し
ている場合は、油圧シリンダ１２を作動させて昇
降フレーム７を傾動させてロールベールＡをその
円形面を下にして圃場面Ｆに接して放出し、転動
しないようにして安定して立て、静置させる。

また、傾斜牧草地の圃場面Ｆの傾斜方向が第４
図ロに示すように左側に下降するよう傾斜する場
合は、油圧シリンダ１１を作動させて昇降フレー
ム６を傾動させてロールベールＡをその円形面を
下にして圃場面Ｆに接して放出し、転動しないよ
うにして安定して立て、静置させる。

また、通常の乾草生産は等高線作業で刈取り、
反転、梱包等の作業が行われることが多いが、仮
に傾斜方向に沿う登降坂作業で行われる場合で
も、ロールベーラ放出装置の後端部に設けたスト
ツパプレート８によりロールベールが後方に転落
するのを防止する。

なお、上記実施例においては、フレームデツキ
を固定式に構成したが、これをターンテーブル形
式にして放出角を自在に変化させるようにするこ
とも可能である。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によるロールベー
ラの放出位置制御装置によれば、トレーラ１は、
後端部にストツパプレート８を設け、デツキ１ａ
に、左右から相互に組合わさるようにして一組の
昇降フレーム６，７を枢支し、昇降フレーム６，
７をシリンダ機構１１，１２によりほぼ水平状
態、その一方を左傾斜状態、他方は右傾斜状態に
無段階に変位可能とし、デツキ１ａ上に積載した
ロールベールＡを円形面の一方を下にして、地面
の傾斜に合わせて左右何れかに傾動、排出し、地
面に立てた状態で放出するようにしたので、牧草
収穫機によつて生産された１個のロールベールＡ
を、傾斜地においても安定して放出して静置する
ことができる。

従つて、従来のロールベーラ型牧草収穫機では
使用不可能であつた傾斜草地においても、能率的
で安全なロールベール放出作業を実施することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す放出装置（ト
レーラ）全体の平面図、第２図は同概略正面図、
第３図は同概略側面図、第４図イ，ロは作業態様
を示す説明図である。 １……トレーラ（放出装置）、１ａ……デツキ、
２……車体フレーム、３，４……車輪、５……牽
引杆、６，７……昇降フレーム、８……ストツパ
プレート、９，１０……デツキ軸、１１，１２…
…油圧シリンダ、１３……支持軸、１４，１５…
…シリンダピン、１６，１７……デツキアーム、
１８，１９……油圧パイプ、Ａ……ロールベー
ル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ロールベーラ型の乾草収穫機に牽引され、乾
   草収穫機により製造された１個のロールベールＡ
   を、その両円形面が左右方向に向くように積載す
   るトレーラ１を設け、 上記トレーラ１は、後端部にストツパプレート
   ８を設け、デツキ１ａに、左右から相互に組合わ
   さるようにして一組の昇降フレーム６，７を枢支
   し、昇降フレーム６，７をシリンダ機構１１，１
   ２によりほぼ水平状態、その一方を左傾斜状態、
   他方は右傾斜状態に無段階に変位可能とし、 上記デツキ１ａ上に積載したロールベールＡを
   円形面の一方を下にして、地面の傾斜に合わせて
   左右何れかに傾動、排出し、地面に立てた状態で
   放出するようにしたことを特徴とするロールベー
   ラの放出位置制御装置。