JP4561031B2 - 活性光線硬化型インクジェット無溶剤インク及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性光線硬化型インクジェット無溶剤インクとそれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式が、簡便で安価に画像を作成できる点から、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に広く応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインクと、インクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙との組み合わせで、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
【0003】
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムでは、使用できる記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へ、インクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後紫外線(UV)光や電子線により架橋させる活性光線硬化型インクジェット方式などである。
【0004】
中でも、UVインクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ、比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録媒体への記録ができる点で、近年注目されつつあり、例えば、特開平6−200204号、特表2000−504778号等において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。
【0005】
しかしながら、これらのインクを用いたとしても、記録材料の種類や作業環境によって、着弾後のドット径が大きく変化してしまい、様々な記録材料に対して、高精細な画像を形成することは不可能である。
【0006】
例えば、この紫外線硬化型インクとしては、アクリル系組成物を中心とした光重合性化合物を用いたラジカル重合型紫外線硬化型インクが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)が、下記のような課題が残っている。
【0007】
ラジカル重合型紫外線硬化型インクは、その重合メカニズム上、酸素が介在した環境では酸素阻害作用を受けるため、硬化性が落ちて画質が低下する問題や、硬化収縮が大きいために記録材料に皺がよったり記録材料がカールしたりしてしまう問題があった。
【0008】
また、ラジカル重合性化合物は、総じて粘度が高いものが多く、インクジェット記録に用いた場合、吐出安定性が不十分で、再現性よく高精細な画像を形成することは難しかった。
【0009】
【特許文献1】
欧州特許第540,203号明細書
【0010】
【特許文献2】
国際公開第97/31,071号パンフレット
【0011】
【特許文献3】
国際公開第99/29,788号パンフレット
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、活性光線により硬化するインクをインクジェット記録方法により様々な記録材料に印字した場合にも、印刷物の質感を損なうことなく再現良く高精細な画像を形成できる活性光線硬化型インクジェット無溶剤インクとそれを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0014】
1.単官能アクリレート化合物、2官能アクリレート化合物、3官能以上のアクリレート化合物及び少なくとも1種の光重合性3級アミンモノマーを含有し、該単官能アクリレート化合物を65質量%以上、該3官能以上のアクリレート化合物を0.1質量%以上、10質量%未満含有し、2官能以上のアクリレート化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物で、かつ30℃におけるインク粘度が、35〜70mPa・sであることを特徴とする活性光線硬化型インクジェット無溶剤インク。
一般式(1)
−(−R−O−) n −
〔式中、Rはアルキレン基を表し、nは1以上の整数を表す。〕
【0017】
2.少なくとも1種の3級アミン化合物を含有することを特徴とする前記1に記載の活性光線硬化型インクジェット無溶剤インク。
【0020】
3.前記1または2項に記載の活性光線硬化型インクジェット無溶剤インクのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドにより記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インク液滴が着弾した後、0.001〜2.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする画像形成方法。
【0021】
4.前記1または2項に記載の活性光線硬化型インクジェット無溶剤インクのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドにより記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インク液滴が着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が、2〜20μmであることを特徴とする画像形成方法。
【0022】
5.前記1または2項に記載の活性光線硬化型インクジェット無溶剤インクのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドにより記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が、1〜15plであることを特徴とする画像形成方法。
【0023】
6.前記記録材料が、非吸収性であることを特徴とする前記3〜5項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0025】
本発明者は、単官能アクリレート化合物、2官能アクリレート化合物、3官能以上のアクリレート化合物及び少なくとも1種の光重合性3級アミンモノマーを含有し、該単官能アクリレート化合物を65質量%以上、該3官能以上のアクリレート化合物を0.1質量%以上、10質量%未満含有し、2官能以上のアクリレート化合物は、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物で、かつ30℃におけるインク粘度が、35〜70mPa・sである活性光線硬化型インクジェット無溶剤インクを用いることにより、飛躍的に吐出安定性が改良され、インク硬化時のしわ無く、記録材料のカールが無く、再現性良く高精細な画像を形成できることを見出し、本発明に至った次第である。
【0026】
また、本発明の活性光線硬化型インクジェット無溶剤インクを用いた画像形成方法は、記録材料がプラスチックフィルムなどの非吸収性の記録材料である場合に、特に有効である。
【0027】
以下、本発明を詳細に説明する。
《活性光線硬化型インクジェット無溶剤インク》
はじめに、本発明の活性光線硬化型インクジェット無溶剤インク(以下、インクともいう)について説明する。
【0028】
本発明のインクは、少なくとも重合性モノマー、光開始剤から構成される。
重合性モノマーとしては、各種(メタ)アクリレートモノマーを用いることができ、例えば、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可とう性アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート等の単官能モノマー、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の三官能以上の多官能モノマーが挙げられる。
【0029】
この他、重合性のオリゴマー類も、モノマー同様に配合可能である。重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、直鎖アクリルオリゴマー等が挙げられる。
【0030】
なお、感作性、皮膚刺激性、眼刺激性、変異原性、毒性などの観点から、上記モノマーの中でも、特に、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、ラクトン変性可とう性アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
【0031】
更に、この中でも、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
【0032】
本発明のインクにおいては、吐出安定性、感作性、皮膚刺激性、眼刺激性、変異原性、毒性などの安全性の両立の観点から、前記一般式(1)で表されるアルキレンオキサイド構造を有する2官能以上のアクリレート化合物を含有することが一つの特徴である。
【0033】
前記一般式(1)において、Rで表されるアルキレン基としては、C2〜C4のアルキレン基が好ましく、更に好ましくは、一般式(1)が−(−CH2CH2−O)n−(EO:エチレンオキサイド)、あるいは−(CH2(CH(CH3)−O−)n−(PO:プロピレンオコサイド)である。
【0036】
本発明のインクにおいては、前記一般式(1)で表されるアルキレンオキサイド構造を有する2官能以上のアクリレート化合物を含有すると共に、単官能アクリレート化合物が65質量%以上であり、かつ、3官能以上のアクリレート化合物が0.1質量%以上、10質量%未満であることが一つの特徴である。単官能アクリレート化合物の含有量は、好ましくは65〜95質量%、より好ましくは65〜80質量%である。3官能以上のアクリレート化合物の含有量が、好ましくは1.0質量%以上、10質量%未満である。
【0037】
また、本発明のインクにおいては、インクの硬化収縮を抑える目的で、インク中に上記重合性モノマーに加えて、3級アミン化合物を含有させることが好ましい。
【0038】
対象となる3級アミン化合物としては、アンモニアの水素原子の3つ全てが、それぞれ独立に、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアラルキル基で置換された化合物であれば特に制限はなく、公知のあらゆる化合物を用いることができる。その具体的例としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、N,N−ジメチルフェネチルアミンなどが挙げられるが、この限りでない。
【0039】
更に、本発明においては、インクの硬化収縮を抑える目的で、光重合性3級アミンモノマーを用いることを特徴とする。
【0040】
光重合性3級アミンモノマーは、上述の重合性モノマーに3級アミノ基がついたものであり、例えば、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピぺリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチレンビスアクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−1−メトキシメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(1,3−ジオキソラン−2−イル)(メタ)アクリルアミド等のアミンモノマーが挙げられるが、この限りでない。
【0041】
本発明で用いることのできる光開始剤としては、アリールアルキルケトン、オキシムケトン、チオ安息香酸S−フェニル、チタノセン、芳香族ケトン、チオキサントン、ベンジルとキノン誘導体、ケトクマリン類などの従来公知の開始剤が使用できる。
【0042】
光開始剤については、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)に詳しく記載されているが、中でも、アシルフォスフィンオキシドやアシルホスフォナートは、感度が高く、開始剤の光開裂により吸収が減少するため、インクジェット方式のように1色当たり5〜12μmのインク厚みを有するインク画像において、内部硬化に特に有効である。具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドなどが好ましい。また、前述のモノマー同様、安全性を考慮した選択では、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア(R)1173)が好適に用いられる。好ましい添加量は、インク組成物全体の1〜6質量%、好ましくは2〜5質量%である。
【0043】
本発明では、インク膜の記録材料への接着性・追従性を高める観点から、波長または強度を変えて2段階に活性光線の照射を分けることが好ましく、開始剤についても、吸光波長の異なる2種以上を併用することが特に好ましい。
【0044】
この他、インク組成物を着色する場合は、色材を添加する。色材としては、重合性化合物の主成分に溶解または分散できる色材を使用することができるが、耐候性の観点から、顔料が好ましい。
【0045】
顔料としては、
C.I. Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、81、83、87、95、109、42、
C.I. Pigment Orange−16、36、38、
C.I. Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101、
C.I. Pigment Violet−19、23、
C.I. Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29、
C.I. Pigment Green−7、36、
C.I. Pigment White−6、18、21、
C.I. Pigment Black−7等を使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0046】
また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げる為に、白インクを用いることが好ましい。
【0047】
顔料の分散には、公知の分散装置を用いることができ、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を挙げることができる。また、顔料の分散を行う際、分散剤を添加することもでき、分散剤として高分子分散剤を用いることが好ましい。好ましい高分子分散剤としては、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
【0048】
通常、顔料分散時の分散媒体としては、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明のインクにおいては、インク着弾直後に速やかに反応、硬化させるため、無溶剤である。
【0049】
溶剤が硬化画像中に残存してしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、本発明で用いる分散媒体は、溶剤を用いずに、重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが、顔料分散適性上好ましい。
【0050】
上記分散による顔料粒子の平均粒径は、0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件等を適宜設定する。この顔料粒の厳密な管理によって、記録ヘッドのノズルでの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。色材はインク全体の1〜10質量%の添加量が好ましい。
【0051】
また、本発明のインクは、30℃における粘度が35〜70mPa・sであることが特徴の1つであり、硬化環境(温度・湿度)に関係なく吐出が安定し、再現性よく良好な硬化性を得ることができる。
【0052】
《画像形成方法》
次いで、本発明の画像形成方法について説明する。
【0053】
(インクの吐出条件)
インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを、35℃〜100℃に加熱して吐出することが、吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
【0054】
また、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。
【0055】
本来、高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、従来の活性光線硬化型インクを用いたインクジェット記録装置では、液滴量が20pl以上で吐出される場合がほとんどで、高精細な画像を形成することは不可能であった。
【0056】
(インク着弾後の光照射条件)
本発明の画像記録方法においては、活性光線の照射条件として、インク液滴が、記録材料上に着弾した後、0.001秒〜2.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜1.0秒であり、後述の図1、図2記載の構成の記録装置を用いることが好ましく、特に、各色ヘッドの間に照射光源、例えば、LEDを複数個配列したランプを設けることにより達成することができる。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが、特に重要となる。
【0057】
(インク着弾後の総インク膜厚)
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
【0058】
なお、ここでいう「総インク膜厚」とは、記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも、総インク膜厚の意味するところは同様である。
【0059】
総インク膜厚を上記範囲にするためには、前述の範囲の小液滴量で高濃度なインクを吐出することにより達成できる。
【0060】
従来、活性光線硬化型インクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、ランプ(照射光源)の総消費電力が1kW・hrを超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、特に、シュリンクラベルなどへの印字では、記録材料のカール・収縮があまりにも大きく、実質上使用出来ないのが現状であった。
【0061】
本発明においては、活性光線を照射するランプの総消費電力が1kW・hr未満であることが好ましい。総消費電力が1kW・hr未満の光源の例としては、蛍光管、冷陰極管、LEDなどがある。
【0062】
本発明においては、記録材料として非吸収性記録材料を用いて、本発明の画像形成方法、あるいは本発明のインクジェット記録装置を用いて、画像形成することが、特に有効である。ここでいう非吸収性とは、インクを吸収しないと言う意味であり、本発明においては、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−87紙又は板紙の液体吸収性試験方法(ブリストウ法)に準じて測定したインク転移量が0.1ml/mm2未満であり、実質的に0ml/mm2であるようなものを非吸収性記録材料と定義する。
【0063】
本発明で用いることのできる非吸収性記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、延伸ナイロン(ONy)フィルム、ポリビニルクロライド(PVC)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録材料の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの記録材料は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などに加えて、従来用いられていた高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどでは、ランプが発生する熱により、フィルムのカール、変形が生じてしまった。
【0064】
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録材料によってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが0.035〜0.06J/m2のような広範囲の記録材料に良好な高精細な画像を形成できるが、本発明に記載の効果がより好ましく得られるのは、0.040〜0.06J/m2の範囲の記録材料である。
【0065】
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
【0066】
《インクジェット記録装置》
以下、本発明で用いることのできるインクジェット記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、下記に示す図面の記録装置は、あくまでも本発明のインクジェット記録装置の一態様であり、本発明のインクジェット記録装置は、この図面に限定されない。
【0067】
図1は、本発明のインクジェット記録装置に係る要部の構成の一例を示す正面図である。
【0068】
図1では、シリアルタイプのインクジェット記録装置の一例を示してあり、記録装置1は、ヘッドキャリッジ(遮光)2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
【0069】
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
【0070】
ヘッドキャリッジ2は、記録材料Pの上側に設置され、記録材料上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、インク吐出部31を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
【0071】
なお、図1ではヘッドキャリッジ2が、ホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)、ホワイト(W)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は、適宜決められるものである。図1においては、ヘッドキャリッジ2の両端部に、記録材料Pに対してほぼ平行に固定された照射手段4を一対設けた例を示してあるが、各記録ヘッドの間に、各々照射手段(ランプ)を設けても良い。
【0072】
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
【0073】
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えば、紫外線硬化型インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、インク吐出部31から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるUVインクは、色材、重合性モノマー、光開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで、開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
【0074】
記録ヘッド3は、記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対して、UVインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
【0075】
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行なう。
【0076】
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッドからUVインクを吐出することにより、記録材料上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
【0077】
図1においては、シリアルヘッド方式による記録装置の一例を示したが、図2は、本発明のインクジェット記録装置に係る要部の構成の他の一例を示す上面図である。
【0078】
図2で示したインクジェット方式は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色の記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
【0079】
一方、ヘッドキャリッジ2の上流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、照射光源8、例えば、LED、冷陰極管等を主走査方向及び副走査方向に複数個配列して、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。
【0080】
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
【0081】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
【0082】
《インク組成物セットの調製》
(インク組成物セット1の調製)
〈Kインクの調製〉
ステンレスビーカーに、ソルスパース32000(アビシア製)を10部と、表1に記載の光重合性化合物(*1〜*3)とを添加し、65℃ホットプレート上で加熱しながら1時間撹拌混合して溶解させた。これに、C.I.pigment Black7の3.5部を添加し、直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にポリ瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理した後、ジルコニアビーズを取り除き、表1に記載の光ラジカル開始剤(*A〜*C)を加えて、攪拌、混合した。次いで、この液を、プリンター目詰まり防止のため0.8μmメンブランフィルターで濾過してKインクを調製した。
【0083】
〈C、M、Y、W、Lk、Lc、Lm、Lyインクの調製〉
上記Kインクの調製において、表1に記載の様に、色材の種類と添加量、光重合性化合物(*1〜*3)及び光ラジカル開始剤(*A〜*C)を変更した以外は同様にして、各色インクを調製し、インク組成物セット1を得た。
【0084】
(インク組成物セット2〜4の調製)
上記インク組成物セット1の調製において、表2〜4に記載の様に、色材の種類と添加量、光重合性化合物及び光ラジカル開始剤の種類と添加量を変更し、更にインク組成物セット3、4ではアミン化合物を用いた以外は同様にして、インク組成物セット2〜4を調製した。
【0085】
なお、上記調製した各インク組成物セットの粘度は、以下の通りである。粘度は、各色の最大及び最小粘度での粘度巾で表示した。
【0086】
インク組成物セット1:53〜56mPa・s
インク組成物セット2:28〜32mPa・s
インク組成物セット3:39〜41mPa・s
インク組成物セット4:44〜46mPa・s
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
表1〜4に記載の各インクと各化合物の詳細は、以下の通りである。
K:濃ブラックインク
C:濃シアンインク
M:濃マゼンタインク
Y:濃イエローインク
W:ホワイトインク
Lk:淡ブラックインク
Lc:淡シアンインク
Lm:淡マゼンタインク
Ly:淡イエローインク
色材1:C.I.pigment Black−7
色材2:C.I.pigment Blue−15:3
色材3:C.I.pigment Red−57:1
色材4:C.I.pigment Yellow−13
色材5:酸化チタン(アナターゼ型 平均粒径0.20μm)
〔光重合性化合物〕
*1:メトキシプロピレングリコールアクリレート(単官能アクリレート化合物)
*2:ポリプロピレングリコール(PO含有)ジアクリレート(2官能アクリレート化合物)
*3:カプロラクタム変性ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート(6官能アクリレート化合物)
*4:ステアリルアクリレート(単官能アクリレート化合物)
*5:テトラエチレングリコール(EO含有)ジアクリレート(2官能アクリレート化合物)
*6:トリメチロールプロパントリアクリレート(3官能アクリレート化合物)
*7:エトキシジエチレングリコールアクリレート(単官能アクリレート化合物)
〔光ラジカル開始剤〕
*A:イルガキュア1850(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
*B:イルガキュア651(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
*C:ジエチルチオキサントン
*D:イルガキュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
*E:イルガキュア1800(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
*F:イルガキュア500(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
〔アミン化合物〕
*G:2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(DMAEMA)
*H:ソルスパース32000(アビシア製)
【0092】
【化1】
【0093】
《インクジェット画像形成方法》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製したインク組成物セット1、2を装填し、また、ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図2に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製したインク組成物セット3、4を装填し、表5に記載の各表面エネルギーを有する巾600mm、長さ500mの長尺の各記録材料へ、下記の方法に従って画像記録を連続して行った。
【0094】
インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。ピエゾヘッドは、2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出した。着弾した後、キャリッジ両脇、あるいは上流に設けた照射手段により瞬時(着弾後2秒未満)に硬化した。記録後、トータルインク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
【0095】
【表5】
【0096】
なお、表5に記載の各記録材料の略称の詳細は、以下の通りである。
OPP:oriented polypropylene
PET:polyethylene terephthalate
シュリンクOPS:市販のシュリンク用途のoriented polystyrene
また、表5に記載の照射光源の詳細は、以下の通りである。
【0097】
照射光源1:120W/cmのメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL400NL 3kW電源)
照射光源2:冷陰極管(ハイベック社製 光源消費電力1kW・hr未満)
《インクジェット記録画像の評価》
上記画像形成方法で記録した各画像について、下記の各評価を行った。
【0098】
(印刷物しわ、カールの評価)
印字直後に、印刷物を手に取り、照射、硬化によりしわやカールが発生していないかを目視観察し、下記の評価基準に則り評価した。
【0099】
○:しわやカールの発生がない
△:ややしわやカールの発生が認められるが、実用上許容の範囲にある
×:印刷物に強いしわやカールが認められ、実用上問題となる
(文字品質)
Y、M、C、K各色インクを用いて、目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大評価し、下記の基準に則り文字品質の評価を行った。
【0100】
◎:ガサツキなし
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル
(色混じり(滲み))
720dpiで、Y、M、C、K各色1dotが隣り合うように印字し、隣り合う各色dotをルーペで拡大し、滲み具合を目視観察し、下記の基準に則り色混じりの評価を行った。
【0101】
◎:隣り合うdot形状が真円を保ち、滲みがない
○:隣り合うdot形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うdotが少し滲んでいてdot形状が少しくずれているが、ギリギリ使えるレベル
×:隣り合うdotが滲んで混じりあっており、使えないレベル
以上により得られた各評価結果を、表6に示す。
【0102】
【表6】
【0103】
表6より明らかなように、本発明の活性光線硬化型インクジェット無溶剤インクからなるインクセットを用いた画像記録方法は、比較例に対し、様々な記録材料に対して、文字品質に優れ、色混じり、印刷物しわ、カールの発生もなく、高精細な画像を記録することができることが分かる。
【0104】
【発明の効果】
本発明により、様々な記録材料に印字した場合にも、印刷物の質感を損なうことなく、文字品質に優れ、色混じり、印刷物しわ、カールの発生もない高精細な画像を形成できる活性光線硬化型インクジェット無溶剤インクとそれを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す正面図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
【符号の説明】
1 記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
8 照射光源
P 記録材料
Claims (6)
- 単官能アクリレート化合物、2官能アクリレート化合物、3官能以上のアクリレート化合物及び少なくとも1種の光重合性3級アミンモノマーを含有し、該単官能アクリレート化合物を65質量%以上、該3官能以上のアクリレート化合物を0.1質量%以上、10質量%未満含有し、2官能以上のアクリレート化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物で、かつ30℃におけるインク粘度が、35〜70mPa・sであることを特徴とする活性光線硬化型インクジェット無溶剤インク。
一般式(1)
−(−R−O−)n−
〔式中、Rはアルキレン基を表し、nは1以上の整数を表す。〕 - 少なくとも1種の3級アミン化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェット無溶剤インク。
- 請求項1または2に記載の活性光線硬化型インクジェット無溶剤インクのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドにより記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インク液滴が着弾した後、0.001〜2.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1または2に記載の活性光線硬化型インクジェット無溶剤インクのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドにより記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インク液滴が着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が、2〜20μmであることを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1または2に記載の活性光線硬化型インクジェット無溶剤インクのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドにより記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が、1〜15plであることを特徴とする画像形成方法。
- 前記記録材料が、非吸収性であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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