JP4560769B2 - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルトの巻き掛け半径を変化させることにより所望の変速比を得ることができるベルト式無段変速機に関する。
従来から、車両用の変速装置として、ベルト式無段変速機が知られている。この種のベルト式無段変速機は、互いに平行に配列されたプライマリシャフト(駆動側回転軸)およびセカンダリシャフト(従動側回転軸)と、プライマリシャフトに装着されたプライマリプーリと、セカンダリシャフトに装着されたセカンダリプーリとを備える。プライマリプーリおよびセカンダリプーリは、何れも、固定シーブと、固定シーブに対して移動可能な可動シーブとを含むものである。また、各可動シーブは、ボールおよびボール溝(ボールスプライン)を介して、対応する回転軸に対して軸方向に移動可能かつ周方向に移動不能とされている。固定シーブと可動シーブとの間には、略V字形状のプーリ溝が形成され、プライマリプーリおよびセカンダリプーリそれぞれのプーリ溝には、無端ベルトが巻き掛けられる。また、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに対しては、それぞれの可動シーブを対応する固定シーブに対して接近離間させるための油圧室が設けられている。各油圧室の油圧は別個に制御され、これにより、プーリの溝幅が変更されてベルトの巻き掛け半径が変化し、変速比が所望の値に設定されると共に、ベルトの張力が調整される。
かかるベルト式無段変速機において、上記の如きプーリの油圧室を形成するシリンダ部材の外周側に軸受を配置したものは、例えば、特許文献1(特に、その図2)に開示されている。
また、可動シーブの軸方向端部に油圧室(シリンダ室)を形成したベルト式無段変速機が、特許文献2に開示されている。
特開平7−198010号公報 実開平3−48148号(実願平1−110262号マイクロフィルム)
ところで、上述の特許文献1に記載のシリンダ部材の外周側に軸受を配置した構成と特許文献2に記載の可動シーブの軸方向端部に油圧室を形成した構成とを組み合わせて、可動シーブの軸方向端部外周側をシリンダ部材の内周側に摺動させるように構成することも考えられる。しかしながら、そのように構成すると、可動シーブにベルトから加えられる力の反力をシリンダ部材そのもので受けることになるので、その分、シリンダ部材の強度をあげるべく、大型化ないしは厚肉化せざるを得ず、コスト上昇や重量化を招くという問題がある。
そこで、本発明の目的は、シリンダ部材の大型化ないしは厚肉化を抑制することができるベルト式無段変速機を提供することにある。
本発明によるベルト式無段変速機は、回転軸の外周に、軸方向に摺動可能に配置された可動シーブに対する油圧室を形成するシリンダ部材の外周側に軸受が設けられたベルト式無段変速機であって、前記可動シーブの軸方向端部と前記シリンダ部材との間に油圧室が形成されると共に、前記可動シーブの軸方向端部の外周側に形成されて、前記シリンダ部材の内周側と接触する摺動部の少なくとも一部が、前記可動シーブの可動範囲内において前記軸受の軸方向構成範囲内に存する関係に、前記軸受が配置されていることを特徴とする。
ここで、前記軸受は、その内輪が前記シリンダ部材の外周側に圧入されており、前記シリンダ部材は、該圧入後に、その内周側が加工されて摺動部に形成されていることが好ましい。
このベルト式無段変速機では、可動シーブの軸方向端部とシリンダ部材との間に油圧室が形成されている。さらに、可動シーブが可動範囲内において軸方向に移動するとき、可動シーブの軸方向端部の外周側に形成されてシリンダ部材の内周側と接触する摺動部の少なくとも一部が、軸受の軸方向構成範囲内に存する関係に軸受が配置されているので、ベルトから加えられる力の反力をシリンダ部材でなく、軸受で受けることができる。従って、その分シリンダ部材の大型化ないしは厚肉化を抑制することができる。
また、前記軸受が、その内輪が前記シリンダ部材の外周側に圧入されており、前記シリンダ部材が、該圧入後に、その内周側が加工されて摺動部に形成されている形態によれば、圧入によりシリンダ部材が変形することがあっても、その摺動部の精度を確保できる。
以下、図面と共に本発明によるベルト式無段変速機の好適な実施形態について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係るベルト式無段変速機が適用された車両の一部を示す概略構成図である。図1に示される車両1は、いわゆるFF車(フロントエンジンフロントドライブ:エンジン前置き前輪駆動車両)として構成されており、駆動源としてのエンジン2を備える。エンジン2としては、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジン、水素エンジン、あるいは、バイフューエルエンジン等が採用され得るが、ここでは、エンジン2としてガソリンエンジンが用いられるものとして説明する。
図1に示されるように、車両1は、横置きにされたエンジン2の側方に配置され、エンジン2のクランクシャフトSCと連結されるトランスアクスル3を有する。トランスアクスル3は、トランスアクスルハウジング4、トランスアクスルケース5およびトランスアクスルリヤカバー6を含む。ハウジング4は、エンジン2の側方に配置され、ケース5は、ハウジング4のエンジン2とは反対側の開口端に固定されている。また、リヤカバー6は、ケース5のハウジング4とは反対側の開口端に固定されている。そして、トランスアクスルハウジング4の内部には、トルクコンバータ7が配置されており、トランスアクスルケース5およびトランスアクスルリヤカバー6の内部には、前後進切り換え機構8、本発明に係るベルト式無段変速機(CVT)9、最終減速機(差動装置)10が配置されている。
トルクコンバータ7は、ドライブプレート11と、ドライブプレート11を介してエンジン2のクランクシャフトSCに固定されるフロントカバー12とを有する。フロントカバー12には、図1に示されるように、ポンプインペラ14が取り付けられている。また、トルクコンバータ7は、ポンプインペラ14と対向する状態で回転可能なタービンランナ15を含む。
タービンランナ15は、クランクシャフトSCと概ね同軸に延びる入力シャフトSIに固定されている。更に、ポンプインペラ14およびタービンランナ15の内側にはステータ16が配置されており、ステータ16の回転方向は、ワンウェイクラッチ17によって一方向にのみ設定される。ステータ16には、ワンウェイクラッチ17を介して中空軸18が固定されており、上述の入力シャフトSIは、この中空軸18の内部に挿通されている。そして、入力シャフトSIのフロントカバー12側の端部には、ダンパ機構19を介してロックアップクラッチ20が取り付けられている。
上述のポンプインペラ14、タービンランナ15およびステータ16は、作動液室を画成し、この作動液室には、トルクコンバータ7と前後進切り換え機構8との間に配置されたオイルポンプ21から作動液が供給される。そして、エンジン2が作動し、フロントカバー12およびポンプインペラ14が回転すると、作動液の流れによりタービンランナ15が引きずられるようにして回転し始める。また、ステータ16は、ポンプインペラ14とタービンランナ15との回転速度差が大きい時に、作動液の流れをポンプインペラ14の回転を助ける方向に変換する。
これにより、トルクコンバータ7は、ポンプインペラ14とタービンランナ15との回転速度差が大きい時には、トルク増幅機として作動し、両者の回転速度差が小さくなると、流体継手として作動する。そして、車両1の発進後、車速が所定速度に達すると、ロックアップクラッチ20が作動され、エンジン2からフロントカバー12に伝えられた動力が入力シャフトSIに機械的かつ直接に伝達されるようになる。また、フロントカバー12から入力シャフトSIに伝達されるトルクの変動は、ダンパ機構19によって吸収される。
トルクコンバータ7と前後進切り換え機構8との間のオイルポンプ21は、ロータ22を有し、このロータ22は、ハブ23を介してポンプインペラ14と接続されている。また、ハブ23は、中空軸18に対してスプライン嵌合されており、オイルポンプ21の本体24は、トランスアクスルケース5側に固定されている。従って、エンジン2の動力は、ポンプインペラ14を介してロータ22に伝達されることになり、これにより、オイルポンプ21が駆動される。
前後進切り換え機構8は、ダブルピニオン形式の遊星歯車機構25を有している。遊星歯車機構25は、入力シャフトSIの無段変速機9側の端部に取り付けられたサンギヤ26と、サンギヤ26の外周側に同心状に配置されたリングギヤ27と、サンギヤ26と噛み合う複数のピニオンギヤ28と、リングギヤ27およびピニオンギヤ28の双方と噛み合う複数のピニオンギヤ29と、各ピニオンギヤ28を自転可能に保持し、かつ、ピニオンギヤ28をサンギヤ26の周囲で一体的に公転可能な状態に保持するキャリヤ30とを含む。
前後進切り換え機構8のキャリヤ30は、ベルト式無段変速機9に含まれるプライマリシャフトSPに固定され、キャリヤ30と入力シャフトSIとの間の動力伝達経路は、フォワードクラッチCRを用いて接続または遮断される。また、前後進切り換え機構8は、リングギヤ27の回転・固定を制御するリバースブレーキBRを有している。
一方、本発明に係るベルト式無段変速機9は、入力シャフトSIと概ね同軸に延びる上述のプライマリシャフト(駆動側回転軸)SPと、プライマリシャフトSPと平行をなすように配置されたセカンダリシャフト(従動側回転軸)SSとを有する。プライマリシャフトSPは、軸受31および32によって回転自在に支持されており、セカンダリシャフトSSは、軸受33および34によって回転自在に支持されている。そして、プライマリシャフトSPには、プライマリプーリ35が、セカンダリシャフトSSには、セカンダリプーリ36がそれぞれ装備されている。
プライマリプーリ35は、プライマリシャフトSPの外周に一体に形成された固定シーブ37と、プライマリシャフトSPの外周に摺動自在に装着された可動シーブ38とにより構成されている。固定シーブ37と可動シーブ38とは互いに対向し合い、両者間には、略V字形状のプーリ溝39が形成される。また、可動シーブ38は、固定シーブ37に対してプライマリシャフトSPの軸方向に移動可能であり、無段変速機9は、可動シーブ38をプライマリシャフトSPの軸方向に移動させて可動シーブ38と固定シーブ37とを接近・離間させる油圧アクチュエータ40を有している。
同様に、セカンダリプーリ36も、セカンダリシャフトSSの外周に一体に形成された固定シーブ41と、セカンダリシャフトSSの外周に摺動自在に装着された可動シーブ42とにより構成されている。固定シーブ41と可動シーブ42とは互いに対向し合い、両者間には、略V字形状のプーリ溝44が形成される。また、可動シーブ42も、固定シーブ41に対してセカンダリシャフトSSの軸方向に移動可能であり、無段変速機9は、可動シーブ42をセカンダリシャフトSSの軸方向に移動させて可動シーブ42と固定シーブ41とを接近・離間させる油圧アクチュエータ45を有している。
上述のプライマリプーリ35のプーリ溝39と、セカンダリプーリ36のプーリ溝44とには、多数の金属製の駒および複数本のスチールリングにより構成されるベルトBが巻き掛けられる。そして、各油圧アクチュエータ40および45による油圧が別個に制御され、これにより、プライマリプーリ35およびセカンダリプーリ36の溝幅が変更されてベルトBの巻き掛け半径が変化する。この結果、無段変速機9による変速比が所望の値に設定されると共に、ベルトBの張力が調整されることになる。なお、セカンダリシャフトSSを支持する軸受34はトランスアクスルリヤカバー6に固定されており、軸受34とセカンダリプーリ36との間には、パーキングギヤPGが設けられている。
図1に示されるように、ベルト式無段変速機9のセカンダリシャフトSSには、軸受46および47によって支持されたシャフト48が連結されている。シャフト48には、カウンタドリブンギヤ49が固定されており、このカウンタドリブンギヤ49を介して、ベルト式無段変速機9から最終減速機10に動力が伝達される。最終減速機10は、セカンダリシャフトSSと平行をなすように配置されたインターミディエートシャフト50を含む。インターミディエートシャフト50は、軸受51および52によって支持されており、シャフト50には、セカンダリシャフトSSのカウンタドリブンギヤ49と噛み合うカウンタドリブンギヤ53と、ファイナルドライブギヤ54とが固定されている。
また、最終減速機10は、中空のデフケース55を有している。デフケース55は、軸受56および57によって回転自在に支持されており、その外周には、リングギヤ58が形成されている。このリングギヤ58は、インターミディエートシャフト50のファイナルドライブギヤ54と噛み合っている。更に、デフケース55は、その内部にピニオンシャフト59を支持しており、ピニオンシャフト59には、2体のピニオンギヤ60が固定されている。各ピニオンギヤ60には、2体のサイドギヤ61が噛み合わされており、各サイドギヤ61には、フロントドライブシャフト62がそれぞれ別個に接続され、各フロントドライブシャフト62には、車輪(前輪)FWが固定されている。
さて、図2は、上述の本発明によるベルト式無段変速機9の要部を示す拡大断面図であり、同図は、無段変速機9のプライマリプーリ35およびプライマリシャフトSPに関連する構成を示している。プライマリシャフトSPは軸線を中心として回転可能であり、プライマリシャフトSPの内部には軸線方向に油路SPAが形成されている。この油路SPAは油圧制御装置の油圧回路に連通されている。さらに、プライマリシャフトSPには、その外周面に向け半径方向に伸ばされ、かつ、油路SPAに連通された油路SPB、SPCが設けられている。油路SPBと油路SPCとは、軸線方向の異なる位置に設けられており、具体的には、油路SPBの方が油路SPCよりもプライマリシャフトSPの端部に近い位置に配置されている。なお、可動シーブ38と固定シーブ37との間に開口され、ベルトBの接触部を潤滑するオイルを供給するための油路SPDも、プライマリシャフトSPの外周面に向け半径方向に伸ばされている。
一方、可動シーブ38は、プライマリシャフトSPの外周面に沿ってスライドする内筒部38Aと、内筒部38Aの固定シーブ37側の端部から外周側に向けて連続された半径方向部38Bと、半径方向部38Bの外周端に連続され、かつ、軸受32側に向けて軸線方向に伸ばされた外筒部38Cとを有している。そして、内筒部38Aには、その内周面から外周面に亘って貫通する油路38Dが形成されている。この油路38Dと油路SPCとはプライマリシャフトSPの外周面に形成された環状切欠を介して連通されている。
また、図2に示されるように、可動シーブ38の内筒部38Aの内周面には複数のスプライン溝(歯)38Sが形成されている。他方、可動シーブ38を摺動自在に支持するプライマリシャフトSPの外周面には、複数のスプライン溝(歯)SPGが形成されている。スプライン溝38S、SPGは、円周方向に所定間隔をおいて形成されており、各溝38S、SPGが円周方向で同一の位相となるように、プライマリシャフトSPと可動シーブ38とが位置決めされ、溝38S、SPGの両方に跨る複数のボール100が配置されている。上記スプライン溝38S、SPGおよびボール100により、プライマリシャフトSPと可動シーブ38とは軸方向に滑らかに相対移動可能であるが、プライマリシャフトSPと可動シーブ38とが円周方向には相対移動が不可能な状態とされている。なお、100Aは、可動シーブ38の内筒部38Aにおける軸方向端部の内周面に設けられた環状溝に装着された、ボール100の脱落防止用のスナップリング、100Bは、プライマリシャフトSPの外周面に設けられた環状溝に装着された、同じくボール100の脱落防止用のスナップリングである。
更に、ベルト式無段変速機9は、環状の隔壁部材であるシリンダ部材70を含む。シリンダ部材70は、図2からわかるように、プライマリシャフトSPの径方向に延びる第一径方向部70Aと、第一径方向部70AからプライマリシャフトSPの軸線と概ね平行に延びる筒状部70Bと、筒状部70Bから可動シーブ38の背面に沿ってプライマリシャフトSPの径方向に延びる第二径方向部70Cとを有する。
シリンダ部材70の第一径方向部70Aに形成されている中心孔部には、プライマリシャフトSPの先端の小径部が圧入され、シリンダ部材70は、ロックナット80を用いてプライマリシャフトSPの段部との間に固定されている。そして、シリンダ部材70の筒状部70Bは、環状のベアリングリテーナ81およびボルトBOによってトランスアクスルリヤカバー6に固定されている軸受32によって回転自在に支持されている。これにより、ベルト式無段変速機9では、後で詳述するように、プライマリシャフトSPがシリンダ部材70(筒状部70B)を介して軸受32により回転自在に支持されることになる。
また、シリンダ部材70の第二径方向部70Cの外縁部には、可動シーブ38の外周に形成されている外筒部38Cの内周面と摺接するようにシール部材72が配置されている。一方、可動シーブ38の内筒部38Aにおける軸方向端部の外周側には、シリンダ部材70の筒状部70Bの内周側と摺動自在に接触する、後述の第2摺動部38Fが形成されている。かくて、可動シーブ38の内筒部38A、半径方向部38B、外筒部38Cおよびシリンダ部材70によって、上述の油圧アクチュエータ40を構成する第一油圧室40Aが画成されている。一方、シリンダ部材70の第一径方向部70A、筒状部70B、可動シーブ38の内筒部38Aにおける軸方向端部およびプライマリシャフトSPによって、上述の油圧アクチュエータ40を構成する第二油圧室40Bが画成されている。この第一油圧室40Aおよび第二油圧室40B内の油圧を制御することにより、可動シーブ38を固定シーブ37に対して移動させてベルトBの巻き掛け半径を変化させることにより、所望の変速比を得ることができる。
また、可動シーブ38に対しては、プライマリシャフトSPの軸方向に離間されて第1の摺動部38Eと前述の第2の摺動部38Fとが設けられている。可動シーブ38の2つの摺動部のうち、第1の摺動部38Eは、スプライン38SよりもプライマリシャフトSPの軸方向における固定シーブ37側で、かつ、可動シーブ38の内周面に設けられており、プライマリシャフトSPの外周面と接触する。一方、第2の摺動部38Fは、上述のように、第1の摺動部38Eと軸方向に離間されて、かつ、可動シーブ38の内筒部38Aにおける軸方向端部の外周面に設けられている。そして、第2の摺動部38Fは、図2に示されるように、プライマリシャフトSPではなく、シリンダ部材70の筒状部70Bの内周面に接触する。
ここで、かかる第2の摺動部38Fと上述の軸受32との位置関係について、図3をも用いてさらに詳細に説明する。本実施形態ではボールベアリングである軸受32は、その内輪32Aが、シリンダ部材70の筒状部70Bの外周側に形成された段部70BSと、同じく、筒状部70Bの外周側に形成された環状溝70BGに装着されたスナップリングSRとに挟まれて保持されている。ここで、この軸受32は、その内輪32Aがシリンダ部材70の筒状部70Bにおける段部70BSまで圧入され、その圧入後に、シリンダ部材70の筒状部70Bの内周側が加工されて摺動部に形成されている。今、この内輪32Aの軸方向幅をDとすると、これが本発明に云う軸受の軸方向構成範囲である。この軸方向構成範囲とは、軸受32でもって力を直接に受け得る範囲であることを意味している。一方、第2の摺動部38Fはその摺動面が軸方向にLの長さないしは幅を有している。
図3において、実線で示されているのは、可動シーブ38が最も右側に移動した位置、すなわち、可動シーブ38が固定シーブ37に対し接近してプーリ溝を最も狭くする位置であり、破線で示されているのは、逆に、可動シーブ38が最も左側に移動した位置、すなわち、可動シーブ38が固定シーブ37に対し離間してプーリ溝を最も広くする位置である。従って、この可動シーブ38の最右端位置と最左端位置との間が可動シーブ38の可動範囲ということになる。そこで、本実施の形態では、シリンダ部材70の筒状部70Bの内周側と接触する第2の摺動部38Fの少なくとも一部が、可動シーブ38の可動範囲内において軸受32の軸方向構成範囲内に存する関係に設定されている。すなわち、例えば、可動シーブ38の最右端位置においては、第2の摺動部38Fが軸受32の軸方向構成範囲と幅ORだけオーバーラップし、可動シーブ38の最左端位置においては、第2の摺動部38Fが軸受32の軸方向構成範囲と幅OLだけオーバーラップしている。従って、図3にハッチングで示す範囲は、第2の摺動部38Fの少なくとも一部と、常に、接触していることになる。
かくて、ベルトBから可動シーブ38に加えられる力の反力をシリンダ部材70の筒状部70Bのみでなく、軸受32で直接に受けることができるので、その分シリンダ部材70の大型化ないしは厚肉化を抑制することができるのである。
〔第2ないし第4の実施形態〕
以下、図4を参照しながら、本発明の第2ないし第4の実施形態に係るベルト式無段変速機について説明する。なお、上述の第1実施形態に関連して説明されたものと同一の要素には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略される。
図4(A)、(B)および(C)に示されるベルト式無段変速機では、第1実施形態において用いたボールベアリングからなる軸受32に代え、ローラベアリングからなる軸受32Rを用いたことが特徴である。このようにローラベアリングの軸受32Rを用いると、上述のように、その内輪をシリンダ部材70の筒状部70Bの外周側に圧入した後に、この圧入に伴い変形したかもしれない該筒状部70Bの内周側を加工するに際し、外輪および転動体であるローラと内輪とを容易に分解できる。従って、外輪および転動体のない状態で加工が可能であり、加工時の異物の咬み込みが避けられる。
図4(A)に示す第2実施形態では、転動体であるローラの回転軸が外輪の回転軸に対し傾斜された傾斜ローラ軸受32R−1であり、図4(B)に示す第3実施形態では、ローラの回転軸と外輪の回転軸とが平行な通常のローラ軸受32R−2であり、さらに、図4(C)に示す第4実施形態では、内輪が省略され、ローラが直接にシリンダ部材70の筒状部70Bに接触する変形ローラ軸受32R−3である。この第4実施形態によれば、軸受の小径化ができることになる。
なお、上述の各実施形態は、何れも、本発明がプライマリプーリないしはプライマリシャフトに対して適用されたものとして説明されたが、本発明はこれに限られるものではなく、セカンダリプーリないしはセカンダリシャフトに適用され得ることはいうまでもない。
本発明に係る無段変速機が適用された車両の一部を示す概略構成図である。 本発明による無段変速機の第1実施形態を示す要部拡大断面図である。 図2に示される無段変速機を説明するための断面図である。 本発明による無段変速機の他の実施形態を示す要部拡大断面図であり、(A)は第2実施形態、(B)は第3実施形態、(C)は第4実施形態である。
符号の説明
9 ベルト式無段変速機
32 軸受
32A 内輪
35 プライマリプーリ
36 セカンダリプーリ
37 固定シーブ
38 可動シーブ
38S スプライン
38A 内筒部
38E 第1の摺動部
38F 第2の摺動部
40A 第一油圧室
40B 第二油圧室
70 シリンダ部材
70B 筒状部
SP プライマリシャフト
SS セカンダリシャフト

Claims (2)

  1. 回転軸の外周に、軸方向に摺動可能に配置された可動シーブに対する油圧室を形成するシリンダ部材の外周側に軸受が設けられたベルト式無段変速機であって、
    前記可動シーブの軸方向端部と前記シリンダ部材との間に油圧室が形成されると共に、前記可動シーブの軸方向端部の外周側に、前記シリンダ部材の内周側と接触する所定の軸方向長さを有する摺動部が形成され、該摺動部軸方向長さの少なくとも一部が、前記可動シーブの軸方向可動範囲内において前記軸受の軸方向構成範囲内に存する関係になるように、前記軸受が配置されていることを特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 前記軸受は、その内輪が前記シリンダ部材の外周側に圧入されており、前記シリンダ部材は、該圧入後に、その内周側が加工されて摺動部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機。
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