JP4560624B2 - 難燃ポリアミド樹脂組成物及び押出成形品 - Google Patents

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Description

本発明は柔軟性、機械的強度、耐熱性等に優れた難燃性ポリアミド樹脂組成物及びかかる組成物を用いた押出成形品に関する。詳しくは、ハロゲン系難燃剤を使用することなく良好な難燃性を有し、柔軟性、機械的強度、耐熱性、耐熱老化性等に優れ、チューブ、シート等の押出成形品の材料として好適な難燃ポリアミド樹脂組成物及びその成形品に関する。
従来、チューブやシート、フィルム等に代表される押出成形品は、PP等のポリオレフィンを使用していたが、住居、倉庫、テント、発電所等の建築物や自動車等の安全性向上のため、難燃性の付与が必要になってきた。難燃押出成形品の材料としては、塩化ビニルが難燃性や柔軟性に優れることから幅広く使用されているが、近年、環境汚染や健康障害の恐れがあると言われる、塩素や臭素を含むハロゲン系化合物の使用は避けるべきとの社会的要請から、塩化ビニル系以外の樹脂を用いた難燃押出成形品が求められるようになった。
一方、ポリオレフィン自体の難燃性は乏しく、塩素や臭素を含まずに難燃性を付与するのは困難である上、非ハロゲンによる難燃化が達成できたとしても、難燃剤を高い比率で配合せざるをえないため、機械的強度が著しく低下し、また、難燃剤が金属その他を含んでいる場合は、腐食性ガス・有毒ガスの発生や、焼却時の残留灰分による作業性、安全性、焼却設備の保全に支障をきたす問題があった。
ポリアミド樹脂は、機械的特性、耐熱性、耐薬品性などに優れ、押出成形品の用途にも用いられてきている。ハロゲン系化合物を用いずにポリアミド樹脂に難燃性を付与する方法としては、例えば特許文献1に記載されるシアヌル酸メラミン等のトリアジン系化合物を使用することが知られている。しかし、特許文献1に記載されるようなポリアミド6にトリアジン系難燃剤を配合した組成物は、柔軟性が不十分であった。
ポリアミド樹脂の柔軟性を改良する方法として、特許文献2には、ポリオレフィン系のエラストマーを添加する方法が提案されているが、難燃性が低下するため、柔軟性と難燃性に優れたポリアミド樹脂組成物及びポリアミド樹脂製難燃押出成形品を得ることは困難であった。
また、柔軟性を改良する方法として、特許文献3には、特定の可塑剤を添加する方法が提案されている。特許文献3で使用される可塑剤は、従来の可塑剤より、難燃性が低下し難く、耐熱性も良好であったが、使用時等、更に温度が高い条件下では、可塑剤が蒸散してしまい、可塑剤の役割を果たさず、柔軟性や靭性の低下を免れないばかりか、外観が悪くなることがあった。
すなわち、難燃性、柔軟性、環境性、耐熱性に優れたポリアミド樹脂組成物、及び、該ポリアミド樹脂組成物を押出成形してなる押出成形品は得られていない状況であった。
特開昭53−31759号公報 特開平5−255589号公報 特開2002−309082号公報
本発明の目的は、難燃性、柔軟性、焼却性、環境性、機械的強度、耐熱性に優れたポリアミド樹脂組成物、及び、該ポリアミド樹脂組成物を押出成形してなるチューブ、シートやフィルム等の押出成形品を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ね、特定の構成単位を有するポリアミド樹脂にトリアジン系難燃剤を配合した組成物が、ポリアミド樹脂が本来有する特性を失うことなく、良好な難燃性、柔軟性を有することを見出し本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、ε−カプロラクタムの重縮合体よりなるポリアミド6構成単位を有するポリアミド、ε−カプロラクタムとヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とを重縮合して得られる共重合ポリアミド(ポリアミド6/66)、及びε−カプロラクタムとヘキサメチレンジアミンとアゼライン酸とを重縮合して得られる共重合ポリアミド(ポリアミド6/69)をブレンドすることにより得られるポリアミド樹脂99〜80重量部、並びにトリアジン系難燃剤1〜20重量部を含有するポリアミド樹脂組成物に存する。また、本発明の要旨は該ポリアミド樹脂組成物を押出成形してなる押出成形品にも存する。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ハロゲン系難燃剤を使用することなく酸素指数23を超える難燃性を有すると共に、柔軟性、耐熱性、耐熱老化性、成形性等に優れており、特にシート、フィルム、異形押出品、チューブ等の一般押出成形品等の材料として好適な物性を有す。また成形品は、焼却性、環境汚染性の点からも優れている。
以下、本発明を詳細に説明する。
ポリアミド樹脂
本発明に使用されるポリアミド樹脂は、(a)ε−カプロラクタムの重縮合体よりなるポリアミド6構成単位及び(b)ヘキサメチレンジアミンと炭素数が6個以上11個以下のジカルボン酸との重縮合体よりなるポリアミド構成単位を2種類以上有している。なお、本発明においてジカルボン酸の炭素数とは、カルボキシ基を構成する炭素も含めた数である。本発明においては、このような構成単位のポリアミド樹脂を用いることにより、エラストマーや特定の可塑剤を使用しなくても、柔軟性を改善しつつ、難燃性や耐熱性を改良することが出来る。
本発明に使用されるポリアミド樹脂の構成単位の原料である炭素数が6個以上11個以下のジカルボン酸として、具体的にはアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,4−ジエチルグルタル酸、ウンデカン二酸などが挙げられる。ジカルボン酸の炭素数が12個以上では難燃性が悪くなり、6個未満であると柔軟性の改良効果が小さくなる。
(b)ヘキサメチレンジアミンと炭素数が6個以上11個以下のジカルボン酸との重縮合体よりなるポリアミド構成単位としては、その一つがナイロン66の原料として市場に広く普及しており価格が安価であることから、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との重縮合体よりなるポリアミド構成単位(ポリアミド66単位)であり、もうひとつの(b)ポリアミド構成単位がヘキサメチレンと炭素数7個以上11個以下のジカルボン酸との重縮合体からなる組合せであることが好ましい。さらに、該炭素数7個以上11個以下のジカルボン酸が、炭素数が奇数個であるジカルボン酸であることがより好ましい。これは、炭素数が奇数個である方が、得られるポリアミド樹脂の柔軟性を改良する目的において、効果的であることが挙げられる。また、該炭素数7個以上11個以下のジカルボン酸の炭素数が少ない方が好ましい。これは、得られるポリアミド樹脂の難燃性を改良する目的において、効果的であるからである。以上から、ポリアミド66単位と組み合わせる構成単位の炭素数7個以上11個以下のジカルボン酸は、アゼライン酸であることが、難燃性と柔軟性のバランスから、更に好ましい。
本発明で使用するポリアミド樹脂は、(a)ポリアミド6構成単位が他のポリアミド構成単位より多いことが好ましく、50重量%以上であるのがより好ましい。中でも、ポリアミド6構成単位が75〜94重量%、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との重縮合体よりなるポリアミド66構成単位3〜9重量%、及びヘキサメチレンジアミンと炭素数が7個以上11個以下のジカルボン酸との重縮合体よりなるポリアミド構成単位3〜20重量%の割合となっているポリアミド樹脂の使用が好ましい。
かかる特定の構成単位を有する本発明のポリアミド樹脂の末端は、カルボン酸又はアミンで封止されていてもよく、特に、炭素数6〜22のカルボン酸又はアミンで封止されたポリアミド樹脂が望ましい。具体的に、封止に用いるカルボン酸としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。また、アミンとしては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン等の脂肪族第一級アミンが挙げられる。封止に使用するカルボン酸又はアミンの量は、30μeq/g程度がよい。
また、本発明に好適なポリアミド樹脂は、ある範囲内の重合度、すなわち粘度を有するものが好ましい。好ましい粘度数は、ISO 307(JIS K6933)に従って測定した値で86〜341である。粘度数が86より低いと、溶融粘度が小さいため成形が困難になり、機械的強度も低下する。また粘度数が341より高くても、流動性を損なうので好ましくない。該ポリアミド樹脂の粘度数は、成形性の点から、用途に応じて選択するのが良く、例えば箱状のものは163〜310程度と高めが好ましく、チューブ状のものは137〜246程度と低めが好ましい。
本発明で使用するポリアミド樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、例えば、ε−カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、炭素数が6個以上11個以下の2種類以上のジカルボン酸を常法により共重合する製造法(製造法1)であっても良いが、この方法では一般に融点降下が起きるので、融点が190℃以上の共重合ポリアミドを製造する場合には、必要な構成単位を有するポリアミドを目的の組成比率となるように、溶融混合あるいはドライブレンドする方法が好ましい。
この溶融混合あるいはドライブレンドによる製造法としては、ε−カプロラクタムを重縮合して得られたポリアミド6と、ヘキサメチレンジアミンと、炭素数が6個以上11個以下のジカルボン酸の2種類以上を重縮合して得られるポリアミドとを、溶融混合もしくはドライブレンドする製造法(製造法2)、あるいはε−カプロラクタムを重縮合して得られたポリアミド6と、ヘキサメチレンジアミンと炭素数が6個以上11個以下のジカルボン酸とからなる2種類以上のポリアミドとを、溶融混合もしくはドライブレンドする製造法(製造法3)、更に、ε−カプロラクタムと、ヘキサメチレンジアミンと炭素数6以上11以下のジカルボン酸の少なくとも1種を重縮合して得られる共重合ポリアミドを、ヘキサチレンジアミンと他のジカルボン酸とを重縮合して得られるポリアミドと溶融混合、あるいはドライブレンドする方法(製造法4)が挙げられる。
これら製造法1〜4を、炭素数が6以上11以下のジカルボン酸が、アジピン酸(炭素数6)とアゼライン酸(炭素数9)である場合を例にとって説明すると、
製造法1:ε−カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、アゼライン酸を共重合する(ポリアミド6/66/69)。
製造法2:ε−カプロラクタムを重縮合して得られるポリアミド(ポリアミド6)と、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、アゼライン酸を重縮合して得られるポリアミド(ポリアミド66/69)とをブレンドする。
製造法3:ε−カプロラクタムを重縮合して得られるポリアミド(ポリアミド6)と、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸を重縮合して得られるポリアミド(ポリアミド66)と、ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸を重縮合して得られるポリアミド(ポリアミド69)とをブレンドする。
製造法4:ε−カプロラクタムを重縮合して得られるポリアミド(ポリアミド6)と、ε−カプロラクタムとヘキサメチレンジアミン、及びアジピン酸を重縮合して得られる共重合ポリアミド(ポリアミド6/66)と、ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸を重縮合して得られるポリアミド(ポリアミド69)とをブレンドする。または、該ポリアミド69の代わりに、ε−カプロラクタムとヘキサメチレンジアミン、及びアゼライン酸を重縮合して得られる共重合ポリアミド(ポリアミド6/69)を用いてブレンドする。
製造法1、2、3の方法によって所望の性能を有するポリアミドを得ることは、もちろん可能ではあるが、条件の選択の幅が小さい、製造設備や製造条件に費用が掛かる等の問題を有する場合がある。特に、例えばポリアミド66は、融点が高いので、ポリアミド6など他のポリアミドと溶融混合するのが、通常の方法では困難な場合がある。このため、製造法4の様に、融点がポリアミド66ほど高くないポリアミド6/66を用いると、その問題が解決されるので好ましい。
トリアジン系難燃剤
本発明で使用するトリアジン系難燃剤としては、下記一般式(1)又は(2)で表される化合物、メラミン類、シアヌル酸メラミン等が挙げられる。
Figure 0004560624
(式中、R〜Rは、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)。
前記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、シアヌル酸、トリメチルシアヌレート、トリエチルシアヌレート、トリ(n−プロピル)シアヌレート、メチルシアヌレート、ジエチルシアヌレート等が挙げられる。
前記一般式(2)で表される化合物の具体例としては、イソシアヌル酸、トリメチルイソシアヌレート、トリエチルイソシアヌレート、トリ(n−プロピル)イソシアヌレート、ジエチルイソシアヌレート、メチルイソシアヌレート等が挙げられる。
メラミン類としては、メラミン、メラミン誘導体、メラミンと類似の構造を有する化合物及びメラミンの縮合物等が挙げられる。メラミン類の具体例としては、例えば、メラミン、アンメリド、アンメリン、ホルモグアナミン、グアニルメラミン、シアノメラミン、アリールグアナミン、メラム、メレム、メロン等が挙げられる。
シアヌル酸メラミンとしては、シアヌル酸とメラミンとの等モル反応物が挙げられる。
また、シアヌル酸メラミン中のアミノ基又は水酸基のいくつかが、他の置換基で置換されていてもよい。シアヌル酸メラミンは、例えば、シアヌル酸の水溶液とメラミンの水溶液とを混合し、90〜100℃で撹拌下反応させ、生成した沈殿を濾過することによって得ることができるが、得られた白色の固体を、微粉末状に粉砕して使用するのが好ましい。
また、市販品をそのまま、又はこれを粉砕して使用することもできる。
トリアジン系難燃剤としては、好ましくは、シアヌル酸、イソシアヌル酸、メラミン、シアヌル酸メラミン等が挙げられ、分解物が成形物の表面に浮き出してくるブルーミング等の不都合がない点から、より好ましくは、シアヌル酸メラミンが挙げられる。
本発明組成物中のトリアジン系難燃剤の含有量は、ポリアミド樹脂とトリアジン系難燃剤の合計を100重量部として、ポリアミド樹脂99〜80重量部に対し、1〜20重量部である。トリアジン系難燃剤の含有量が1重量部未満であると難燃性が低下しやすく、20重量部を超えると靭性が低下する。トリアジン系難燃剤の量は、難燃性、靭性、成形性のバランスの点より、好ましくは2〜10重量部である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、上記ポリアミド樹脂及びトリアジン系難燃剤を含有することを必須とするが、その他に、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で種々の添加剤を含有することが出来る。
特に、耐熱性を向上させるために、安定剤を含有することが好ましい。安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物、塩素や臭素を含まない銅化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を使用するのが好ましい。
本発明に使用されるヒンダードフェノール系化合物は、一般的に酸化防止剤、加工安定剤として使用される、分子中に2,6−又は2,4−アルキル置換フェノール構造を有する化合物であり、そのヒドロキシ基は、亜リン酸等の酸でエステル化されていてもよい。
さらに、アルキル置換フェノール構造は、分子中に1個以上存在していてもよい。
具体的には、例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に使用されるヒンダードフェノール系安定剤として、下式で示されるN,N’−アルキレンビス(3,5−ジ−アルキル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)が、ポリアミドとの相溶性の点で良好であり、高含量配合しても物性低下やガス発生などの成形トラブルの発生が少ない点で好ましい。
Figure 0004560624
(式中、nは1〜10の整数であり、R、R、RおよびRは、独立して、それぞれ水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)。
上式のヒンダードフェノールは具体的には、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社より、商品名「イルガノックス1098」などとして販売されている。
本発明に使用されるリン系安定剤としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジフォスフォナイト等を例示することができ、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。この中で、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジフォスフォナイトが、成形時のガス発生が少なく好ましい。
本発明に使用されるイオウ系安定剤としては、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12又はC14)チオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、ジ−トリデシル−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ステアリル−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ラウリル−チオ−ジ−プロピオネート等を例示することができ、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。イオウ系安定剤は変色防止に効果が大きい。
上記ヒンダードフェノール系化合物、リン系安定剤及びイオウ系安定剤は1種で用いでも、或いは2種以上を組み合わせて添加しても良い。配合量は、ポリアミド樹脂及びトリアジン系難燃剤の合計100重量部に対して好ましくは0.01〜5重量部であり、より好ましくは0.05〜3重量部である。0.01重量部未満では、耐熱老化性等の、安定剤添加による改良効果が不十分であり、一方、5重量部を超えると、耐熱効果が更に向上することなく、表面へのブルーミングによる成形品の表面不良等が生じることがある。特に、熱老化による引張伸度低下の防止効果はヒンダードフェノール系化合物とリン系安定剤の併用や銅化合物とハロゲン化アルカリを併用することが好ましい。ヒンダードフェノール系化合物とリン系安定剤を併用する場合はポリアミド樹脂及びトリアジン系難燃剤の合計100重量部に対してそれぞれ0.01〜1重量部の配合が好ましい。更に好ましくは0.05〜0.8重量部であり、合計量として好ましくは0.02〜1.5重量部であり、更に好ましくは0.05〜1.2重量部である。
本発明にて使用される塩素や臭素を含まない銅化合物としてはポリアミド樹脂に均一に配合可能なものであれば特に制限はなく、ヨウ化銅のような無機銅塩、ギ酸銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、ステアリン酸銅、シュウ酸銅、セバシン酸銅、乳酸銅、安息香酸銅、サリチル酸銅のような有機酸銅塩、硫酸銅、硝酸銅、燐酸銅、亜燐酸銅のような無機酸銅塩、あるいは銅キレート化合物等を例示することができ、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。この中で、ヨウ化銅が熱老化性の改良効果が高く好適である。
銅化合物の配合量はポリアミド樹脂及びトリアジン系難燃剤の合計100重量部に対し0.001〜1重量部、好ましくは0.005〜0.5重量部である。配合量が0.001重量部未満では耐熱効果が不十分となり、配合量を1重量部より多くしても得られるポリアミド樹脂組成物の耐熱性がより改善させることはない。
銅化合物を用いる場合、塩素や臭素と含まないハロゲン化アルカリを組み合わせて用いることが好ましい。塩素や臭素を含まないハロゲン化アルカリとしてはアンモニア、周期律表Ia、IIaの金属元素、IIb、IIIa、IVa、Va、Vlaの両性金属元素とヨウ素、フッ素との化合物であり、具体的には、アンモニア、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、セシウム、ナトリウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム、リチウム、ルビジウム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、イソジウム、タリウム、ゲルマニウム、アンチモン、ビスマス、ポロニウム、鉛のヨウ化物、フッ化物があげられる。ヨウ化カリウムが銅化合物との相乗効果による耐熱効果が高く好適である。これらハロゲン化アルカリは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい、
ハロゲン化アルカリの配合量は、ポリアミド樹脂及びトリアジン系難燃剤の合計100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。添加量が0.01重量部に満たない場合にはハロゲン化銅との相乗効果による耐熱効果が不十分となり、添加量が5重量部より多くしても得られるポリアミド樹脂組成物の耐熱性がより改善されることはない。
銅化合物及びハロゲン化アルカリは、ヒンダードフェノールやリン化合物系の安定剤と組み合わせて用いても良い。
更に本発明のポリアミド樹脂組成物には、上記成分の他に、目的の性質を損なわない範囲で、公知の顔料、染料、可塑剤、充填剤、核剤、離型剤、安定剤、帯電防止剤、その他の周知の添加剤を配合・混練して、所望の成形品を製造することができる。なお、可塑剤としては、前記特許文献3に記載された特定の可塑剤を使用するのが好ましいが、耐熱性や難燃性の低下が通常の可塑剤よりも僅かではあるが、避けられないことから、使用しない方が好ましい。また、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂を、本発明の効果を損なわない範囲において配合することもできる。
ポリアミド樹脂組成物
本発明のポリアミド樹脂組成物は、柔軟でかつ難燃性が高いので、これを利用した押出成形品とするのに適しているが、特に製品状態での引張弾性率が低くなること、すなわち、23℃、65%RH雰囲気下で48時間以上放置した試験片(JIS K7162試験片)についてJIS K7161(ISO 5271)に準拠して引張速度5mm/minで測定した値で600MPa以下であることが好ましい。また、難燃性レベルが、ISO 4589(JIS K7201)に準拠して測定した、絶乾状態の酸素指数で23以上あることが好ましい。押出成形する際の注意事項としては、難燃剤の分解を抑えるために、樹脂温度を300℃以下、好ましくは280℃以下、より好ましくは260℃以下にすることが好ましい。本発明において特に好ましいポリアミド樹脂組成物は、難燃性、機械的強度、成形性、難燃剤の分解、製品の耐熱性等の点から、融点が190℃〜260℃であることが好ましい。ポリアミド樹脂組成物の融点が190℃以下であると製品の耐熱性が低下し、260℃以上であると押出成形加工の際に難燃剤が分解して好ましくない。
本発明のポリアミド樹脂組成物を製造するには、ポリアミド樹脂、難燃剤、各種添加剤を一括して混合し、各種押出機にてペレット化しても良いし、また、ポリアミド樹脂の一部と難燃剤、各種添加剤等を混合して所定の濃度よりも高い濃度で難燃剤や添加剤を混合したペレット(マスターバッチペレット)を調製し、該マスターバッチペレットと、残りのポリアミド樹脂とを混合することにより目的のポリアミド樹脂組成物を製造しても良い。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、公知のポリアミド樹脂の成形法を適用して、種々の成形品に成形することができる。特に、その柔軟性等の特徴から、押出成形品に使用するのに適しており、就中、チューブや箱状の異形押出品を、ダイ形状を工夫することにより製造するのに適している。本発明のポリアミド樹脂組成物からなるチューブは、チューブ状に引いた後、金型により型圧縮することで、コルゲートチューブのように蛇腹状のチューブにしたり、螺旋状に切断することでスパイラルチューブ等にしたりすることができる。
チューブの難燃性は、絶乾状態での酸素指数が23以上の難燃性を有することが好ましい。酸素指数が22以上あれば、大気中の酸素指数では燃焼を継続することが不可能であり、自消性の材料と言える。
また、ポリアミド樹脂チューブは、特に耐熱性を必要としない場合もあるが、自動車のエンジンルーム内で使用する場合等の耐熱性が必要な用途には、ポリアミド樹脂組成物の融点が、190℃以上であることが好ましい。融点が190℃未満であると、実使用において、チューブを固定する結束バンドや金属製固定治具によって拘束される部分で、熱伝達による亀裂や表面融着による表面性の低下や機能低下が発生しやすい。
本発明によれば、優れた柔軟性を有し、融点が190℃以上のポリアミド樹脂組成物を得ることが出来、またこれを押出成形することにより酸素指数23以上のチューブを容易に得ることが出来る。
以下、本発明を、実施例及び比較例を示して更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に制限されるものではない。
物性評価
以下の例において、物性の測定、評価は、次の方法により行った。
(1)融点: セイコー電子工業社製、DSC20を用い試料10mgを20℃/分で昇温した時の融解ピーク温度を測定した。
(2)粘度数: ISO 307(JIS K6933)に準拠して測定を行った。
(3)酸素指数: ISO 4589(JIS K7201)に準拠して測定を行った。
(4)引張弾性率: 23℃、65%RH雰囲気下で48時間以上放置した試験片(JIS K7162試験片)についてISO 5271(JIS K7161)に準拠して、速度5mm/minにて測定を行った。
(5)引張伸び: ASTM−D638に準拠して引張伸びの測定を行った。
(6)引張試験片の作成: 東芝機械社製のIS80EPN射出成形機を用いて、シリンダー温度250℃、型温50℃、射出時間10秒、冷却時間15秒にて成形した1mm厚みの100mm角シートを、流れ方向にJIS3号ゴムダンベル打ち抜き刃で打ち抜いて試験片を作成した。
使用原料
実施例及び比較例において用いた原料は次の通りである。
(イ)ポリアミド樹脂A:ナイロン6、三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバミッド(登録商標)1020J」、粘度数:182.15、融点:224℃
(ロ)ポリアミド樹脂B:ナイロン6/66、参考例1の手法で得た共重合ポリアミド(ナイロン6単位75重量%、ナイロン66単位25重量%)、粘度数:182.15、融点:188℃。
(ハ)ポリアミド樹脂C:ナイロン6/66、参考例1の手法で得た共重合ポリアミド(ナイロン6単位80重量%、ナイロン66単位20重量%)、粘度数:182.15、融点:193℃。
(ニ)ポリアミド樹脂D:ナイロン6/69、参考例2の手法で得た共重合ポリアミド(ナイロン6単位50重量%、ナイロン69単位50重量%)、粘度数:182.5、融点:134℃
(ホ)ポリアミド樹脂E:ナイロン6、三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバミッド(登録商標)1010J」、粘度数:118、融点:224℃。
参考例1
200リットルのオートクレーブに、カプロラクタム60kg、水200mlを仕込み、窒素ガス置換後密閉し、150℃に昇温、所定の組成比になるように予め調製しておいたアジピン酸ヘキサメチレンジアンモニウム塩の40%水溶液を、攪拌下に内温が150℃、内圧2.5kgに保ちながら定量ポンプにより注入した。送入後内圧を10kgに保持しながら内温を260℃まで昇温した。昇温後放圧し、所定攪拌動力になるまで減圧反応を行った。窒素ガスを導入して常圧に保圧後、攪拌を停めて、ストランドとして抜き出しペレット化し、沸騰水を用いて未反応モノマーを抽出除去して乾燥し、共重合ポリアミドを得た。
参考例2
200リットルのオートクレーブに、カプロラクタム60kg、水200mlを仕込み、窒素ガス置換後密閉し、150℃に昇温、所定の組成比になるように予め調製しておいたアゼライン酸ヘキサメチレンジアンモニウム塩の40%水溶液を、攪拌下に内温が150℃、内圧2.5kgに保ちながら定量ポンプにより注入した。送入後内圧を10kgに保持しながら内温を260℃まで昇温した。昇温後放圧し、所定攪拌動力になるまで減圧反応を行った。窒素ガスを導入して常圧に保圧後、攪拌を停めて、ストランドとして抜き出しペレット化し、沸騰水を用いて未反応モノマーを抽出除去して乾燥し、共重合ポリアミドを得た。
(ヘ)トリアジン系難燃剤:三菱化学社製、シアヌル酸メラミン、商品名「MCA−CO」。
(ト)ヒンダードフェノール系化合物A:N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシナマミド)、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガノックス1098」。
(チ)ヒンダードフェノール系化合物B:ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガノックス1010」。
(リ)リン系安定剤A:ビス(2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、旭電化工業社製、商品名「PEP−36」。
(ヌ)リン系安定剤B:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジフォスフォナイト、クラリアントジャパン社製、商品名「PEP−Q」。
(ル)リン系安定剤C:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、旭電化工業社製、商品名「AS2112」。
(ル)イオウ系安定剤:ジ−ラウリル−チオ−ジ−プロピオネート、(株)エーピーアイコーポレーション、商品名「DLTP」。
(ヲ)銅系安定剤A:ヨウ化銅とヨウ化カリウムとステアリン酸カルシウムの混合物、ヨウ化銅24.6重量%、ヨウ化カリウム70.4重量%、ステアリン酸カルシウム5重量%の混合物、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガノックスIXCB41710」。
<実施例1〜3及び比較例1〜5>
表1に示す量のポリアミド樹脂A〜D及び難燃剤に、ヒンダードフェノール系化合物Aを0.5重量部、リン系安定剤Aを0.3重量部、イオウ系安定剤を0.2重量部配合し、日本製鋼所社製TEX−30HCT2軸押出機にて、シリンダー設定温度250℃で溶融混練、ペレット化し、これを120℃の減圧乾燥機で乾燥して、ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
得られたポリアミド樹脂組成物ペレットを用い、上記(6)の引張試験片を成形し、引張試験を行った。さらに、得られたペレットを、シリンダー径40mm、L/D=22、先端に直径15mmの円形ダイスを取り付けた単軸押出機より、シリンダー温度250℃で押出した後、内径10mmの規制リング内に導入し、リング内に密着させながら引き取りと冷却を同時に行って、肉厚0.8mmのチューブを得、絶乾の状態で酸素指数の測定を行った。
結果を表1に示した。
Figure 0004560624
<実施例4〜9>
ポリアミド樹脂E/ポリアミド樹脂C/ポリアミド樹脂D=46.7/43.2/8.1重量部の比率で混合したポリアミド樹脂(構成単位重量比:6単位/66単位/69単位=87.3/8.6/4.1)98重量部に、トリアジン系難燃剤を2重量部および表2に示す比率で各種安定剤を配合して実施例1と同様に溶融、混練、ペレット化し、ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。得られたポリアミド樹脂組成物ペレットを用いて、上記の引張試験片を作成した。得られた試験片により、乾燥状態にて引張試験を行い、初期の物性を測定した。ついで、この引張試験片を熱風循環式オーブン内で165℃、168時間の熱処理(熱老化処理)を行なった。熱処理した試験片を23℃、65%RHの室内で48時間保管した後、上述の手順に従って引張強度および伸びの測定を行った。結果を表2に示した。また、上述の熱老化処理と同様に処理した引張試験片についての酸素指数はいずれも24であった。
Figure 0004560624
表1および表2より、次のことが明らかである。
(1)3種の構成単位を有するポリアミド樹脂を用いた実施例1〜3の組成物は、難燃性(酸素指数)、耐熱性(融点)、柔軟性(引張弾性率)、靭性(引張伸度)のすべてについて優れており、またハロゲン系化合物を含有していないので廃棄時の環境性に優れている。一方、ポリアミド6単位のみから構成されるポリアミド樹脂を用いた比較例1の組成物は、柔軟性に欠け、靭性もやや不十分であり、ポリアミド66単位のみのポリアミド樹脂を用いた比較例2の組成物も、融点、柔軟性共に不十分である。また、3種類の構成単位からなるポリアミド樹脂を用いても難燃剤を多量に配合した比較例3の組成物は、靭性が大幅に低下し、また難燃剤の量が少なすぎる比較例4の組成物は、難燃性が不十分である。
(2)実施例4〜7の組成物の熱老化試験結果は、ヒンダードフェノールAとリン系安定剤Bを併用した実施例5が、他のヒンダードフェノールおよびリン系安定剤を用いた実施例4および実施例6〜7に比し、熱老化試験後も優れた引張伸びを有していることを示している。
(3)銅化合物を配合した実施例8は、実施例4〜7より優れた耐熱老化性を示し、更に銅化合物、ヒンダードフェノール及びリン系安定剤を用いた実施例9の組成物は一層優れた耐熱老化性を示す。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性等に優れ、各種成形材料としての成形性に優れている。就中、押出成形の材料として好適である。
特に、本発明のポリアミド樹脂組成物からなるチューブは、難燃性、焼却性、環境性、機械的強度に優れるので、一般チューブや産業用チューブだけでなく、自動車のエンジンルーム内等での高温下、連続使用に耐えうる、コルゲートチューブやスパイラルチューブ等各種耐熱チューブとして好適である。

Claims (8)

  1. ε−カプロラクタムの重縮合体よりなるポリアミド6構成単位を有するポリアミド、ε−カプロラクタムとヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とを重縮合して得られる共重合ポリアミド(ポリアミド6/66)、及びε−カプロラクタムとヘキサメチレンジアミンとアゼライン酸とを重縮合して得られる共重合ポリアミド(ポリアミド6/69)をブレンドすることにより得られるポリアミド樹脂99〜80重量部、並びにトリアジン系難燃剤1〜20重量部を含有するポリアミド樹脂組成物。
  2. ポリアミド樹脂が、ε−カプロラクタムの重縮合体よりなるポリアミド6構成単位75〜94重量%、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との重縮合体よりなるポリアミド66構成単位3〜9重量%、及びヘキサメチレンジアミンとアゼライン酸との重縮合体よりなるポリアミド69構成単位3〜20重量%からなることを特徴とする請求項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 融点が190℃〜260℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. ポリアミド樹脂組成物が、さらにヒンダードフェノール系化合物およびリン系安定剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. ポリアミド樹脂組成物が、さらに塩素又は臭素を含まない銅化合物及び塩素又は臭素を含まないハロゲン化アルカリを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物を押出成形してなる成形品。
  7. 成形品がチューブである請求項に記載の成形品。
  8. ISO 4589(JIS K7201)の測定法による酸素指数が23以上であることを特徴とする請求項又はに記載の成形品。
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