JP2003049000A - 難燃ポリアミドチューブ - Google Patents

難燃ポリアミドチューブ

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JP2003049000A
JP2003049000A JP2001236204A JP2001236204A JP2003049000A JP 2003049000 A JP2003049000 A JP 2003049000A JP 2001236204 A JP2001236204 A JP 2001236204A JP 2001236204 A JP2001236204 A JP 2001236204A JP 2003049000 A JP2003049000 A JP 2003049000A
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flame
tube
flame retardant
retardant
polyamide
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JP2001236204A
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Michio Nakada
道生 中田
Seiji Morimoto
精次 森本
Morio Tsunoda
守男 角田
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性及び耐寒衝撃性に優れ、ハロゲン系難
燃剤を使用しないことにより環境に対する安全性が高
い、難燃性ポリアミドチューブを提供する。 【解決手段】ポリアミド樹脂98〜80重量部に対しト
リアジン系難燃剤、たとえばシアヌル酸メラミンなどを
2〜20重量部配合した難燃ポリアミド樹脂組成物から
なるチューブであって、該チューブ中に分散しているト
リアジン系難燃剤の平均粒径が25μm未満であること
を特徴とする難燃ポリアミドチューブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン系難燃剤を
含まないため環境に対し安全性の高い難燃ポリアミド樹
脂組成物からなるチューブに関する。詳しくは、難燃
性、耐寒衝撃性に優れ、成形性にも優れた難燃ポリアミ
ドチューブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニルは難燃性や靭性に優れること
からチューブ等押出成形品に幅広く使用されてきたが、
近年、環境汚染や健康障害の恐れがあると言われるハロ
ゲン系化合物の使用は避けるべきとの社会的要請から、
代替材料が求められていた。また、ポリプロピレンも靭
性に優れ、それ自体はハロゲン元素を含まない材料であ
り、チューブ等の押出成形品として幅広く使用されてい
る。しかし、ポリプロピレン自体の難燃性は乏しく、
又、靭性を保ちながらハロゲン系難燃剤を含まずに難燃
性を付与するのは困難であった。
【0003】一方、ハロゲン系難燃剤以外の難燃剤を用
いて、ポリアミド樹脂に難燃性を付与する方法として、
例えば、トリアジン系難燃剤を配合することが特開昭5
3−31759号公報に開示されている。しかし、トリ
アジン系難燃剤を配合した組成物は、冬場ポリアミド樹
脂の吸水率が低下した状態での耐寒衝撃性が不十分な状
況であった。また、難燃ポリアミドをチューブに使用し
た例が特願平10−144106号公報に開示されてい
るが、耐寒衝撃性についてはまだまだ不十分な状況であ
った。また、成形性についても更に改善の必要があっ
た。すなわち、ハロゲン系難燃剤を含まずに、難燃性、
耐寒衝撃性、成形性に優れた難燃ポリアミドチューブは
未だ得られていない状況にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、難燃
性、耐寒衝撃性及び成形性にも優れ、かつハロゲン系難
燃剤を含まない安全性の高い難燃ポリアミドチューブを
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、ポリ
アミド樹脂98〜80重量部に対しトリアジン系難燃剤
2〜20重量部を含有する難燃ポリアミド樹脂組成物を
成形してなるチューブであって、該チューブ中に分散し
ているトリアジン系難燃剤の平均粒径が25μm未満で
あることを特徴とする難燃ポリアミドチューブに存す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用されるポリアミド樹脂としては、3員環以
上のラクタムの開環重合、ωーアミノ酸の重縮合、また
は、二塩基酸とジアミンなどの重縮合によって得られる
ポリアミドを用いることができる。具体的には、εーカ
プロラクタム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、
7ーアミノヘプタン酸、11ーアミノウンデカン酸、9
ーアミノノナン酸、αーピロリドン、αーピペリドンな
どの重合体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジ
アミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジ
アミン、メタキシリレンジアミンなどのジアミンと、テ
レフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
ドデカン二塩基酸、グルタール酸などのジカルボン酸と
重縮合せしめて得られる重合体またはこれらの共重合
体、例えば、ポリアミド4、6、7、8、11、12、
66、69、610、611、612、6T、6/6
6、6/12、6/6T、6T/6I、MXD6等が挙
げられ、複数種のポリアミド樹脂を使用することもでき
る。本発明において特に好ましいポリアミドとしては難
燃性、機械的強度、成形性の点からポリアミド6、ポリ
アミド6/66、ポリアミド66が挙げられる。
【0007】本発明におけるポリアミド樹脂の末端は、
カルボン酸またはアミンで封止されていてもよく、特に
炭素数6〜22のカルボン酸またはアミンで封止された
ポリアミド樹脂が望ましい。具体的に、封止に用いるカ
ルボン酸としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ベヘニン酸などの脂肪族モノカルボン酸が挙げ
られる。また、アミンとしては、ヘキシルアミン、オク
チルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチ
ルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘ
ニルアミンなどの脂肪族第一級アミンが挙げられる。封
止に使用するカルボン酸またはアミンの量は、30μe
q/g程度がよい。
【0008】また、本発明に好適なポリアミド樹脂はあ
る範囲内の重合度、すなわち相対粘度を有するものが好
ましい。好ましい相対粘度は、JIS K6810に従
って98%硫酸中、濃度1%、温度25℃で測定した値
で2.5から5.5であり、より好ましくは2.6から
5.0である。相対粘度が2.5より低いと溶融粘度が
低すぎてチューブ成形が困難になるばかりでなく、機械
的強度も低下する。また相対粘度が5.5より高いと溶
融流動性を損うようになり好ましくない。本発明におけ
るトリアジン系難燃剤としては、下記一般式(1)また
は(2)で表される化合物、メラミン類およびシアヌル
酸メラミン等が挙げられる。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】(式(1)および(2)において、R1
6は、それぞれ、水素原子またはアルキル基を示
す。)。前記一般式(1)で表される化合物の具体例と
しては、シアヌル酸、トリメチルシアヌレート、トリエ
チルシアヌレート、トリ(nープロピル)シアヌレー
ト、メチルシアヌレート、ジエチルシアヌレート等が挙
げられる。前記一般式(2)で表される化合物の具体例
としては、イソシアヌル酸、トリメチルイソシアヌレー
ト、トリエチルイソシアヌレート、トリ(nープロピ
ル)イソシアヌレート、ジエチルイソシアヌレート、メ
チルイソシアヌレート等が挙げられる。
【0012】難燃剤として使用されるメラミン類として
は、メラミン、メラミン誘導体、メラミンと類似の構造
を有する化合物およびメラミンの縮合物等が挙げられ
る。メラミン類の具体例としては、例えば、メラミン、
アンメリド、アンメリン、ホルモグアナミン、グアニル
メラミン、シアノメラミン、アリールグアナミン、メラ
ム、メレム、メロン等が挙げられる。
【0013】難燃剤として使用されるシアヌル酸メラミ
ンとしては、シアヌル酸とメラミンとの等モル反応物が
挙げられる。また、シアヌル酸メラミン中のアミノ基ま
たは水酸基のいくつかは、他の置換基で置換されていて
もよい。シアヌル酸メラミンは、例えば、シアヌル酸の
水溶液とメラミンの水溶液とを混合し、90〜100℃
で撹拌下反応させ、生成した沈殿を濾過することによっ
て得ることができる白色の固体でる。勿論、市販品を使
用することもできる。
【0014】トリアジン系難燃剤としては、好ましく
は、シアヌル酸、イソシアヌル酸、メラミン、シアヌル
酸メラミン等が挙げられ、分解物が成形物の表面に浮き
出してくるブルーミング等の不都合がない点より、より
好ましくは、シアヌル酸メラミンが挙げられる。トリア
ジン系難燃剤の配合量は、ポリアミド樹脂98〜80重
量部に対し2〜20重量部である。トリアジン系難燃剤
の配合量が2重量部未満であると難燃性が低下しやす
く、20重量部を越えると強度が大幅に低下し好ましく
ない。トリアジン系難燃剤の配合量は好ましくは3〜2
0重量部である。トリアジン系難燃剤は、通常、白色微
粉末が凝集した状態であり、本発明の難燃ポリアミドチ
ューブに配合するには粉砕して用いる。本発明者らの検
討によれば、難燃ポリアミドチューブの耐寒衝撃性はト
リアジン系難燃剤の粒径に大きく影響され、チューブ中
の難燃剤の平均粒径が25μm以上であると難燃剤が割
れの起点となって破壊しやすい。従って、耐寒衝撃性を
向上させるためには、本発明の難燃ポリアミドチューブ
中に分散しているトリアジン系難燃剤の平均粒径が25
μm未満であることが必要であり、より好ましくは10
μm以下、最も好ましくは5μm以下である。
【0015】トリアジン系難燃剤は、ポリアミド樹脂へ
の配合工程やチューブの成形工程にて、その凝集体をあ
る程度崩すことができるが、チューブ中に分散している
トリアジン系難燃剤の平均粒径を25μm未満にするに
は、ポリアミド樹脂への配合前に25μm未満にして使
用することが好ましく、より好ましくは、10μm以下
であり、最も好ましくは5μm以下である。トリアジン
系難燃剤の平均粒径は、既存の粉体粒子径測定機、例え
ば沈降流度計やレーザー回折式粒度計、通常の光学顕微
鏡にて測定することができる。また、難燃ポリアミドチ
ューブ中に分散したトリアジン系難燃剤の平均粒径測定
法は、例えば、該チューブを切断し、その断面からトリ
アジン系難燃剤を取り除き、SEM(走査型電子顕微
鏡)観察にて知ることができる。
【0016】本発明の難燃ポリアミドチューブを自動車
のエンジン周り等、耐熱老化性が必要な用途に使用する
際は熱安定剤を所望量配合することが望ましい。熱安定
剤としては、以下のようなヒンダートフェノール系化合
物やリン系熱安定剤、イオウ系熱安定剤が好ましい。熱
安定剤として使用されるヒンダートフェノール系化合物
は、一般的に酸化防止剤、加工安定剤として使用され
る、分子中に2,6もしくは2,4ーアルキル置換フェ
ノール構造を有する化合物であり、そのヒドロキシ基
は、亜リン酸などの酸でエステル化されていてもよい。
さらに、アルキル置換フェノール構造は、分子中の1箇
所以上の箇所に存在していてもよい。具体的には、トリ
エチレングリコールービス[3ー(3ーtーブチルー5
ーメチルー4ーヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、1,6ーヘキサンジオールービス[3ー(3,5
ージーt−ブチルー4ヒドロキシーフェニルプロピオネ
ート]、ペンタエリスリチルーテトラキス[3ー(3,
5ージーt−ブチルー4ヒドロキシーフェニルプロピオ
ネート]、N,Nーヘキサメチレンビス(3,5ージー
t−ブチルー4ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
3,5ージーt−ブチルー4ヒドロキシーベンジルフォ
スフォネートージエチルエステル、オクタデシルー3ー
(3,5ージーt−ブチルー4ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、1,3,5ートリメチルー2,4,6ー
トリス(3,5ージーt−ブチルー4ーヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、2,4ービスー(nーオクチルチオ)
ー6ー(4ーヒドロキシー3,5ージーt−ブチルアニ
リノ)ー1,3,5ートリアジン、2,2ーチオージエ
チレンビス[3ー(3,5ージーt−ブチルー4ーヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、これ
らは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用す
ることができる。
【0017】リン系安定剤としては、ビス(2,6ージ
ーt−ブチルー4ーメチルフェニル)ペンタエリスリト
ールージーフォスファイト、ビス(2,4ージーt−ブ
チルフェニル)ペンタエリスリトールージーフォスファ
イト、トリス(2,4ージーt−ブチルフェニル)フォ
スファイト、テトラキス(2,4ージーtーブチルフェ
ニル)−4,4’ービフェニレンジフォスフォナイト等
を例示することができ、これらは1種単独で、または2
種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】イオウ系安定剤としては、テトラキス[メ
チレンー3ー(ドデシルチオ)プロピオネート]メタ
ン、ビス[2ーメチルー4ー{3ーnーアルキル(C12
またはC14)チオプロピオニルオキシ}ー5ーt−ブチ
ルフェニル]スルフィド、ジートリデシルーチオージー
プロピオネート、ジーステアリルーチオージープロピオ
ネート、ジーラウリルーチオージープロピオネート等を
例示することができ、これらは1種単独で、または2種
以上を組み合わせて使用することができる。熱安定剤と
して、上記ヒンダートフェノール系化合物、リン系安定
剤およびイオウ系安定剤のうちから選ばれた1種または
2種以上を組み合わせて配合する場合の配合量は難燃性
ポリアミド樹脂組成物100重量部に対して0.01〜
5重量部であり、より好ましくは0.05〜3重量部で
ある。0.01重量部未満では耐熱老化性改良効果が不
十分であり、一方5重量部を越えると、効果が飽和に達
してしまったり、表面へのブルーミングによる成形品の
表面不良等が生じるなどの欠点がある。
【0019】ポリアミド樹脂にトリアジン系難燃剤を配
合する方法としては、最終成形品を成形する直前までの
任意の段階で周知の種々の手段を採用することができ
る。最も簡便な方法としては、ポリアミド樹脂とトリア
ジン系難燃剤とを単にドライブレンドする方法が挙げら
れる。得られるドライブレンド物は溶融混合押出にてペ
レットにする。また、所定量より多いトリアジン系難燃
剤とポリアミド樹脂を練り込んだマスターペレットを予
め調製し、これを希釈用ポリアミド樹脂とドライブレン
ドすることによっても、所望の割合の難燃ポリアミド樹
脂組成物を得ることができる。本発明の難燃ポリアミド
樹脂組成物に顔料、染料、充填剤、核剤、離型剤、銅化
合物等の安定剤、帯電防止剤その他の周知の添加剤を配
合し、混練することもできる。また、本発明のポリアミ
ド樹脂組成物においては、ポリアミド樹脂以外の熱可塑
性樹脂を、本発明の効果を損なわない範囲において配合
することができる。配合可能な熱可塑性樹脂としては、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ア
クリル樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
【0020】本発明の難燃ポリアミドチューブを製造す
る方法は特に限定されるものではなく、公知の技術を採
用して製造することが出来る。例えば、前記ドライブレ
ンド物やペレットをチューブ押出成形機に供給して、常
法に従って成形すればよい。成形条件についても特に制
約はなく通常のポリアミド樹脂の成形温度を採用するこ
とが出来る。本発明の難燃ポリアミドチューブを成形す
る際には、その肉厚が0.1mm〜2mmとすることが
好ましい。肉厚が0.1mm未満ではチューブとしての
形状を保持できなくなり、一方肉厚が2mmを越えると
硬くなりチューブとしてのフレキシビリティーがなくな
り、製品の組み付けが困難となり好ましくない。
【0021】押出成形を効率良く実施するためには、本
発明の難燃ポリアミド樹脂組成物の水分率を0.07%
未満とすることが好ましい。一般に射出成形、押出成形
等に用いられるポリアミド樹脂の水分率は、連続量産化
を可能にするという観点からみれば、0.1%程度の水
分率でも十分である。しかしながら本発明者らは、トリ
アジン系難燃剤を配合したポリアミド樹脂組成物をチュ
ーブに成形する場合、水分率が目やにの発生に大きく影
響することを見出した。すなわち、水分率が0.07%
以上であるとダイス周りに短時間で目やにが発生し、チ
ューブ成形にて連続量産化することが非常に困難であ
る。目やに発生の点から水分率は、好ましくは0.05
%以下、より好ましくは0.03%以下である。なお、
「目やに」とは(株)ラバーダイジェスト発行の「プラ
スチック押出成形の最新技術」に記載される様に、バレ
ル、ダイ内面に目やにの様に付着するレジン熱劣化物等
を指す。目やには、また、加工中にダイ出口にも流出固
着する。本発明で使用される難燃ポリアミド樹脂組成物
の水分率を0.7%未満にする方法は特に限定されるも
のではなく、例えば、ポリアミド樹脂組成物のペレット
を減圧乾燥機で乾燥すればよい。本発明において、水分
率は、三菱化学(株)製のカールフィッシャー水分測定
器(CA100・VA100)を用い、試料2gを20
0℃の温度で測定し、重量%で表した値である。
【0022】本発明に従って、所定量のトリアジン系難
燃剤を含有するポリアミド樹脂組成物から成形された難
燃ポリアミドチューブは、JISーK−7201に準拠
して23℃、65%RH状態にて測定した酸素指数が2
7以上のチューブが得られる。酸素指数とは試験片が燃
焼を継続するにあたって必要な酸素濃度であり、酸素指
数が22以上であれば大気中の酸素濃度では燃焼を継続
することが不可能である自消性材料である。通常ポリア
ミド樹脂の酸素指数はその水分量によっても変化する
が、実際の使用環境を鑑みるといわゆる難燃性材料とし
ては酸素指数が27以上であることが好ましく、本発明
のチューブはかかる要求を充分満たすものである。
【0023】
【実施例】以下本発明について実施例により更に詳細に
説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比
較例で用いた材料及び測定法を以下に示す。 ポリアミド樹脂 :ポリアミド6樹脂、三菱エンジニア
リングプラスチックス(株)製ノバミッド1020J(相
対粘度:3.5)。 トリアジン系難燃剤 : シアヌル酸メラミンA;三菱化学(株)製シアヌル酸メ
ラミンMCA−C0を、卓上ボールミルにて粉砕した。
この粉砕品は、(株)島津製作所製自動沈降粒度計を用
いて平均粒子径を測定したところ、2.5μmであっ
た。 シアヌル酸メラミンB;三菱化学(株)製シアヌル酸メ
ラミンMCA−C0を、20メッシュの篩にて分級し
た。この分級品は、(株)島津製作所製自動沈降粒度計
を用いて平均粒子径を測定したところ、250μmであ
った。
【0024】<ポリアミド樹脂組成物の製造>ポリアミ
ド6樹脂およびシアヌル酸メラミンA又はBを表1に示
した割合で配合し、シリンダー径30mmのベント付き
2軸押出機(日本製鋼所製TEX30HCT)を用い、
樹脂温度240〜260℃にて溶融混練してペレット化
し、これを所定の水分率になるまで120℃の減圧乾燥
機で乾燥して難燃ポリアミド樹脂組成物またはポリアミ
ド樹脂のペレットを得た。
【0025】(1)相対粘度:JIS K6810に準
拠して、25℃98%硫酸中濃度1%で測定した。 (2)水分率:三菱化学社製、カールフィッシャー水分
測定器(CA100・VA100)を用い、試料2gを
200℃の設定温度にて難燃ポリアミド樹脂組成物の水
分率測定を行った。
【0026】(3)目やに性:24時間連続してチュー
ブ成形を行い、ダイス周りに目やにが発生するかどうか
目視確認を行った。 (4)難燃ポリアミドチューブ中に分散したトリアジン
系難燃剤の平均粒径:チューブにカミソリにてノッチを
入れ、液体窒素下にて割った。得られた断面を含んだチ
ューブを、常温下、n−ヘキサン浴中で超音波洗浄を3
0分行って、断面からトリアジン系難燃剤を取り除い
た。その後、該断面に白金蒸着を施し、拡大倍率500
0倍にてSEM観察を行い、トリアジン系難燃剤の除去
跡の長径を測定し、その100点平均を平均粒径とし
た。
【0027】(5)酸素指数:チューブを23℃、65
%RH室内で、48時間以上放置後、東洋精機社製D型
キャンドルー燃焼試験機を使用し、JISーK7201
に準拠して酸素指数を測定した。 (6)耐寒衝撃性:チューブを20cm長さに切り取
り、下10cmを固定した後、重さ2kg、釣り長さ3
0cmの振り子を水平状態まで持ち上げて、チューブの
固定部から1cm上にめがけて打ち下ろした際に、−1
0℃雰囲気下でチューブが割れるか否かを観察して次の
基準で評価した。 ○ ; 割れ無し × ; 割れ有り
【0028】実施例1及び比較例1〜3 表1に示した割合で材料を配合し、水分率を調整した難
燃ポリアミド樹脂組成物をシリンダー径40mm、L/
D=27のフルフライトスクリューを持った、単軸押出
機の先端に取り付けた直径15mmの円形ダイスよりシ
リンダー温度250℃で押出した後、内径10mmの規
制リング内に導入し、リング内に密着させながら引き取
りと冷却を同時に行って肉厚0.8mmのチューブを成
形した。得られたチューブにつき、内部に分散している
難燃剤の平均粒径、酸素指数、耐寒衝撃性及び成形時の
目やに性の評価を行った。結果を表2に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】実施例から明らかな様に、本発明の難燃
ポリアミドチューブは、難燃性、耐寒衝撃性に優れ、か
つ、ハロゲン系難燃剤を含まないため、環境に対する安
全性も高い。又、ポリアミド樹脂組成物の水分率を0.
07%以下に調整することにより、成形時の目やに発生
を抑制することができ、成形性にも優れ、量産化の点で
も優れている。本発明の難燃ポリアミドチューブは自動
車、工業用途、一般用途のチューブやホースとして使用
でき、コルゲートチューブやスパイラルチューブ等後加
工を施したチューブとしても幅広く有益である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16L 11/12 F16L 11/12 Z (72)発明者 森本 精次 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニア リングプラスチックス株式 会社技術センター内 (72)発明者 角田 守男 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニア リングプラスチックス株式 会社技術センター内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA15 BA34 CB02 CB14 DA11 EA04 4F071 AA54 AA55 AC11 AC19 AD02 AE05 AE07 AF23 AF47 AF53 BA01 BB06 BC05 4J002 CL011 CL031 EJ067 EU186 EU196 FD067 FD086 FD136

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂98〜80重量部に対
    し、トリアジン系難燃剤2〜20重量部を含有する難燃
    ポリアミド樹脂組成物を成形してなるチューブであっ
    て、該チューブ中に分散しているトリアジン系難燃剤の
    平均粒径が25μm未満であることを特徴とする難燃ポ
    リアミドチューブ。
  2. 【請求項2】 前記難燃ポリアミド樹脂組成物の水分率
    が0.07%未満であることを特徴とする請求項1に記
    載の難燃ポリアミドチューブ。
  3. 【請求項3】 前記ポリアミド樹脂がポリアミド6、ポ
    リアミド66及びポリアミド6/66から選ばれる少な
    くとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の難燃ポリアミドチューブ。
  4. 【請求項4】 前記ポリアミド樹脂が、98%硫酸中、
    濃度1%、温度25℃で測定した相対粘度が2.5〜
    5.5であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに
    記載の難燃ポリアミドチューブ。
  5. 【請求項5】 前記ポリアミド樹脂組成物が、熱安定剤
    を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記
    載の難燃ポリアミドチューブ。
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