JP4560224B2 - 情報入力装置、情報入出力システム、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報入力装置、情報入出力システム、プログラム及び記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ホワイトボードや書き込みシート等の書き込み面に筆記用具を用いて書き込んだ手書きの情報を、専用のスキャナで読み取り、専用のプリンタで記録紙に出力することが可能な電子黒板装置が知られている。これに対し、近年にあっては、電子黒板の書き込み面に情報入力装置を配置して、書き込み面に手書きで書き込んだ情報をリアルタイムでパーソナルコンピュータ等のコンピュータに入力することを可能にした情報入出力システムも提供されている。
【0003】
例えば、マイクロフィールド・グラフィックス社製(Microfield Graphics,Inc.)のソフトボードは、ホワイトボード上に情報入力装置を配設して構成され、ホワイトボード上に書かれた文字や絵等のビジュアルデータをコンピュータにリアルタイムで取り込むことを可能にした装置である。このソフトボードを用いて構成された情報入出力システムでは、ソフトボードで取り込んだビジュアルデータをコンピュータに入力してCRT(Cathode Ray Tube)に表示したり、液晶プロジェクターを用いて大型のスクリーンに表示したり、プリンタで記録紙に出力すること等が可能となっている。また、ソフトボードが接続されたコンピュータの画面を液晶プロジェクターでソフトボード上に投影し、ソフトボード上でコンピュータを操作することも可能となっている。
【0004】
また、近年においては、文字および画像を表示するための表示装置と、表示装置の前面に情報入力面(タッチパネル面)を配設した情報入力装置と、情報入力装置からの入力に基づいて表示装置の表示制御を行う制御装置とを備え、表示装置および情報入力装置を用いて電子黒板の表示面および書き込み面を構成した情報入出力システムが提供されている。
【0005】
例えば、スマート・テクノロジィズ社製(SMART Technologies Inc.)のスマート2000では、コンピュータに接続された液晶プロジェクターを用いて文字・絵・図形・グラフィックの画像をパネルに投影した状態で、パネルの投影面(表示面)の前面に配設された情報入力装置(書き込み面)を用いて手書きの情報をコンピュータに取り込む処理を行う。そして、コンピュータ内で手書きの情報と画像情報とを合成し、再度、液晶プロジェクターを介してリアルタイムで表示できるようにしている。
【0006】
このような情報入出力システムでは、表示装置によって表示されている画面上の画像に対して、情報入力装置を用いて入力した画像を上書き画像として重ねて表示できるため、会議、プレゼンテーション、教育現場等において既に広く利用されており、その使用効果が高く評価されている。また、このような情報入出力システムに音声・画像等の通信機能を組み込み、遠隔地間を通信回線で接続することにより、電子会議システムとしても利用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような情報入出力システムは、パーソナルコンピュータ等の普及に伴い、情報の入力および表示をするための有力なツールとして位置付けられているが、まだ、完全とはいえず、本格的な実用化に向けていまだ解決されねばならない課題が多々存在する。
【0008】
ここで、図24は情報入力装置100の情報入力領域105を指Aで指示した状態を示すものであって、フラットな表示面202を有するプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)201に情報入力装置100を備えた一例である。図24に示すように、情報入力領域105を形成するレーザビーム光BはPDP201の表示面(検知面)202から一定間隔を隔てて走査されているために、指示手段(所定物体)である指Aで表示面202の一点を指示した場合には、指Aが表示面202をタッチする前にレーザビーム光Bを遮断してしまうことになる。ところが、図24に示すように、レーザビーム光Bに対して直交する方向以外から指Aで表示面202の一点を指示した場合には、実際にタッチした点p1と情報入力装置100により検出される点p2とにおいて、視差が生じてしまうことになる。つまり、このような視差が生じることにより、例えば操作者は点p1の位置に表示されたボタン(オブジェクト)を操作したつもりでも点p2の位置に表示されたボタン(オブジェクト)が操作されたと判断されてしまうという不具合が発生することになる。
【0009】
本発明の目的は、所定物体の指示位置の検出に際し、所定物体が実際には指示しておらず近接しただけのケースを排除することができ、入力情報の検出を高い精度で行うことができる情報入力装置、情報入出力システム、プログラム及び記憶媒体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、二次元の情報入力領域を指示した所定物体を検出し、入力情報として出力する情報入力装置において、光源から出射された座標を検出するための光を薄膜状に成形して表示面に沿って平行に投光することにより、二次元の情報入力領域を形成する形成手段と、形成手段により形成された情報入力領域上から所定物体を一定周期で検出する検出手段と、入力待機状態時に検出手段により検出された所定物体の位置を第一位置情報として保持する保持手段と、保持手段に第一位置情報が保持された状態で検出手段により所定物体が検出された場合に、所定物体が指示した位置を第二位置情報として、第一位置情報に示される位置と第二位置情報に示される位置との間の距離を算出する算出手段と、検出手段により検出された所定物体が情報入力領域の一定の位置に停止している時間を計測する計測手段と、算出手段で算出された距離と、計測手段で計測された時間とに基づき、第二位置情報を入力情報として出力するか、第一位置情報と第二位置情報とを前回および今回の入力情報としてそれぞれ出力するか、入力情報を出力せずに入力待機状態に移行するかを判定する情報出力手段とを備える。
【0011】
したがって、検出された所定物体が情報入力領域の一定の位置に予め規定された規定時間だけ停止している場合にのみ、当該所定物体が指示した位置が入力情報として出力される。これにより、所定物体の指示位置の検出に際し、所定物体が実際には指示しておらず近接しただけのケースを排除することが可能となるので、入力情報の検出を高い精度で行うことが可能になる。
【0030】
第2の発明は、情報入力装置に設けられた二次元の情報入力領域を指示した所定物体を検出し、入力情報として出力させる動作制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータに、光源から出射された座標を検出するための光を薄膜状に成形して表示面に沿って平行に投光することにより形成された二次元の情報入力領域上から所定物体を一定周期で検出する検出機能と、入力待機状態時に検出機能により検出された所定物体の位置を第一位置情報として保持する保持機能と、保持機能に第一位置情報が保持された状態で検出機能により所定物体が検出された場合に、所定物体が指示した位置を第二位置情報として、第一位置情報に示される位置と第二位置情報に示される位置との間の距離を算出する算出機能と、検出機能により検出された所定物体が情報入力領域の一定の位置に停止している時間を計測する計測機能と、算出機能で算出された距離と、計測機能で計測された時間とに基づき、第二位置情報を入力情報として出力するか、第一位置情報と第二位置情報とを前回および今回の入力情報としてそれぞれ出力するか、入力情報を出力せずに入力待機状態に移行するかを判定する情報出力機能とを実現させる。
【0031】
したがって、検出された所定物体が情報入力領域の一定の位置に予め規定された規定時間だけ停止している場合にのみ、当該所定物体が指示した位置が入力情報として出力される。これにより、所定物体の指示位置の検出に際し、所定物体が実際には指示しておらず近接しただけのケースを排除することが可能となるので、入力情報の検出を高い精度で行うことが可能になる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図23に基づいて説明する。本実施の形態は、情報入出力システムとして、大型の表示装置を装備したいわゆる電子黒板システムを適用した例である。
【0041】
ここで、図1は情報入出力システム1を概略的に示す外観斜視図である。図1に示すように、情報入出力システム1は、表示装置であるプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)2及び情報入力装置3で構成されるパネル部4と、制御装置であるパーソナルコンピュータ等のコンピュータ5,原稿の画像を読み取るためのスキャナ6,画像データを記録紙に出力するプリンタ7,ビデオプレイヤー8(いずれも図2参照)を収納する機器収納部9とを主体に構成されている。
【0042】
PDP2及び情報入力装置3は、PDP2の表示面2a側に情報入力装置3が位置するようにして一体化され、PDP2の表示面2aに情報入力装置3の情報入力領域3aが位置するようにしてパネル部4に収納されている。このように、パネル部4はPDP2及び情報入力装置3を収納して、情報入出力システム1の表示面(PDP2の表示面2a)及び書き込み面(情報入力領域3a)を構成している。なお、PDP2としては、電子黒板として利用可能な40インチや50インチ等の大画面タイプのものが用いられている。また、図示することは省略するが、PDP2にはビデオ入力端子やスピーカーが設けられており、ビデオプレイヤー8をはじめ、その他レーザディスクプレイヤー、DVDプレイヤー、ビデオカメラ等の各種情報機器やAV機器を接続し、PDP2を大画面モニタとして利用することが可能な構成になっている。
【0043】
次に、情報入出力システム1に内蔵される各部の電気的接続について図2を参照して説明する。図2に示すように、情報入出力システム1は、コンピュータ5にPDP2、スキャナ6、プリンタ7、ビデオプレイヤー8をそれぞれ接続し、コンピュータ5によってシステム全体を制御するようにしている。また、コンピュータ5には、指先やペンである指示手段等の所定物体で指示された情報入力領域3a内の位置座標の演算等を行う情報入力装置3用のコントローラ10が接続されており、このコントローラ10を介して情報入力装置3もコンピュータ5に接続されている。また、コンピュータ5を介して情報入出力システム1をネットワーク11に接続することができ、ネットワーク11上に接続された他のコンピュータで作成したデータをPDP2に表示したり、情報入出力システム1で作成したデータを他のコンピュータに転送することも可能になっている。
【0044】
次に、コンピュータ5について説明する。ここで、図3はコンピュータ5に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。図3に示すように、コンピュータ5は、システム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)12と、起動プログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)13と、CPU12のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)14と、文字・数値・各種指示等の入力を行うためのキーボード15と、カーソルの移動や範囲選択等を行うためのマウス16と、ハードディスク17と、PDP2に接続されておりそのPDP2に対する画像の表示を制御するグラフィックス・ボード18と、ネットワーク11に接続するためのネットワーク・カード(またはモデムでも良い。)19と、コントローラ10・スキャナ6・プリンタ7等を接続するためのインタフェース(I/F)20と、上記各部を接続するためのバス21とを備えている。
【0045】
また、ハードディスク17には、オペレーティング・システム(OS:Operating System)22、コントローラ10を介してコンピュータ5上で情報入力装置3を動作させるためのデバイスドライバ23、描画ソフト・ワードプロセッサソフト・表計算ソフト・プレゼンテーションソフト・キャリブレーションソフトウエア等の各種アプリケーションプログラム24等が格納されている。
【0046】
また、コンピュータ5には、OS22、デバイスドライバ23や各種アプリケーションプログラム24等の各種のプログラムコード(制御プログラム)を記憶した記憶媒体26、すなわち、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク(MO)、メモリカードなどに記憶されているプログラムコードを読み取る装置であるフロッピーディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、MOドライブ装置等のプログラム読取装置25が搭載されている。
【0047】
各種アプリケーションプログラム24は、コンピュータ5への電源の投入に応じて起動するOS22による制御の下、CPU12によって実行される。例えば、キーボード15やマウス16の所定の操作によって描画ソフトを起動した場合には、PDP2にグラフィックス・ボード18を介して描画ソフトに基づく所定の画像が表示される。また、デバイスドライバ23もOS22とともに起動され、コントローラ10を介した情報入力装置3からのデータ入力が可能な状態になる。このように描画ソフトを起動した状態で情報入力装置3の情報入力領域3aにユーザが指示手段で文字や図形を描いた場合、座標情報が指示手段の記述に基づく画像データとしてコンピュータ5に入力され、例えばPDP2に表示されている画面上の画像に対して上書き画像として重ねて表示される。より詳細には、コンピュータ5のCPU12は、入力された画像データに基づいて線や文字を描画するための描画情報を生成し、入力された座標情報に基づく位置座標に合わせてグラフィックス・ボード18に設けられるビデオメモリ(図示せず)に書き込んでいく。その後、グラフィックス・ボード18が、ビデオメモリに書き込まれた描画情報を画像信号としてPDP2に送信することにより、ユーザが書いた文字と同一の文字が、PDP2に表示されることになる。つまり、コンピュータ5は情報入力装置3をマウス16のようなポインティングデバイスとして認識しているため、コンピュータ5では、描画ソフト上でマウス16を用いて文字を書いた場合と同様な処理が行われることになる。
【0048】
次に、情報入力装置3について詳細に説明する。なお、本実施の形態の情報入出力システム1に適用し得る情報入力装置3としては、検出方式の異なる種々の方式のものが考えられる。そこで、以下においては、情報入力装置3として、検出方式の異なる情報入力装置を数例挙げ、その構成及び原理について説明する。
【0049】
A.第1の情報入力装置
まず、第1の情報入力装置3Aについて図4ないし図8に基づいて説明する。
この第1の情報入力装置3Aは、いわゆる再帰光遮蔽方式の情報入力装置である。
【0050】
ここで、図4は第1の情報入力装置3Aの構成を概略的に示す説明図である。
図4に示すように、情報入力装置3Aは、PDP2の表示面2aのサイズに対応したサイズで横長の四角形状の情報入力領域3aを備えている。この情報入力領域3aは、手書きにより文字や図形等の入力を可能にする領域である。この情報入力領域3aの下方両端部に位置する角部の近傍には、発光と受光とを行う光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)が所定の取付角度で設けられている。これらの光学ユニット27からは、平面若しくはほぼ平面をなし、例えばL1,L2,L3,・・・,Ln(R1,R2,R3,・・・,Rn)といった光(プローブ光)の束で構成される扇形状で薄膜状の光束膜が、情報入力領域3aの全域に行き渡るようにPDP2の表示面2aの表面に沿って平行に投光される。
【0051】
また、情報入力装置3の情報入力領域3aの下部を除く周辺部には、再帰性反射部材28が設けられている。この再帰性反射部材28は、例えば円錐形状のコーナーキューブを多数配列して形成されており、入射した光をその入射角度によらずに所定の位置に向けて反射する特性を有している。例えば、左側光学ユニット27Lから投光されたプローブ光L3は、再帰性反射部材28によって反射され、再び同一光路を辿る再帰反射光L3´として左側光学ユニット27Lにより受光されることになる。つまり、再帰性反射部材28によっても情報入力領域3aが形成されている。
【0052】
次に、光学ユニット27について説明する。ここで、図5は光学ユニット27の構造を概略的に示す構成図である。なお、図5はx−z方向を主体に示しているが、二点鎖線で示す部分については同一の構成要素を別方向(x−y方向、又はy−z方向)から見た図である。
【0053】
図5に示すように、光学ユニット27は、投光手段29と受光手段30とを備えている。投光手段29は、スポットをある程度絞ることの可能なLD(Laser Diode:半導体レーザ),ピンポイントLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の光源31を備えている。この光源31からPDP2の表示面2aに対して垂直に照射された光は、一方向の倍率のみを変更可能なシリンドリカルレンズ32によってx方向にコリメートされる。シリンドリカルレンズ32によってx方向にコリメートされた光は、シリンドリカルレンズ32とは曲率の分布が直交する2枚のシリンドリカルレンズ33,34によりy方向に対して集光される。つまり、これらのシリンドリカルレンズ群(シリンドリカルレンズ32,33,34)の作用により、光源31からの光を線状に集光した領域がシリンドリカルレンズ34の後方に形成されることになる。ここに、y方向に狭くx方向に細長いスリットを有するスリット板35を配置する。したがって、シリンドリカルレンズ群(シリンドリカルレンズ32,33,34)を通過した光は、スリット板35のスリット位置において、線状の二次光源36を形成する。二次光源36から発した光は、ハーフミラー37で折り返され、PDP2の表示面2aの垂直方向には広がらずに表示面2aの表面に沿った平行光で、表示面2aと平行方向には二次光源36を中心にした扇形状の光束膜となって情報入力領域3aを進行する。換言すれば、扇形状の光が情報入力領域3aを形成する。これらのシリンドリカルレンズ群(シリンドリカルレンズ32,33,34)とスリット板35とによって、集光光学系が形成されている。
【0054】
前述したように、扇形状となって情報入力領域3aを進行した光束膜は、再帰性反射部材28で再帰的に反射され、再び同一光路を辿ってハーフミラー37に戻ることになる。したがって、再帰性反射部材28で再帰的に反射された光束膜も情報入力領域3aを形成する。
【0055】
再帰性反射部材28で反射されてハーフミラー37に戻った再帰反射光は、ハーフミラー37を透過して受光手段30に入射する。受光手段30に入射した再帰反射光は、集光レンズであるシリンドリカルレンズ38を通って線状にされた後、このシリンドリカルレンズ38から距離f(fはシリンドリカルレンズ38の焦点距離)の間隔で設けられたCCD(Charge Coupled Device:受光素子)39において、プローブ光毎に異なる位置で受光される。なお、本実施の形態のCCD(受光素子)39は、1次元CCDであって、その画素数は2,048画素とされている。
【0056】
詳細には、再帰性反射部材28で反射された再帰反射光は、z軸方向ではシリンドリカルレンズ38の作用を受けず、コリメートされたままCCD(受光素子)39に到達する。また、再帰反射光は、PDP2の表示面2aと平行方向では、シリンドリカルレンズ38の中心に集光するように伝搬し、その結果、シリンドリカルレンズ38の作用を受けてシリンドリカルレンズ38の焦点面に設置されたCCD(受光素子)39上に結像する。これにより、CCD(受光素子)39上に再帰反射光の有無に応じて光強度の分布が形成される。すなわち、再帰反射光を指示手段Pで遮った場合、CCD(受光素子)39上の遮られた再帰反射光に相当する位置に光強度が弱い点(後述するピーク点)が生じることになる。
再帰反射光を受光したCCD(受光素子)39は、再帰反射光(プローブ光)の光強度分布に基づいた電気信号を生成し、前述したコントローラ10に対して出力する。なお、図5に示すように、二次光源36とシリンドリカルレンズ38とは、ハーフミラー37に対して共に距離dの位置に配設されて共役な位置関係にある。
【0057】
ここで、図6は受光素子39から再帰反射光の光強度分布に基づいた電気信号が入力され、情報入力領域3aを進行する光が遮られた位置の座標を特定する処理を実行するコントローラ10のブロック構成図である。このコントローラ10は、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)の光源(LD)31の発光制御と、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)のCCD(受光素子)39からの出力の演算を行うものである。図6に示すように、コントローラ10には、各部を集中的に制御するCPU40が設けられており、このCPU40には、プログラム及びデータを記憶するROM41、各種データを書き換え自在に格納してワークエリアとして機能するRAM42、コンピュータ5に接続するためのインタフェース43、A/D(Analog/Digital)コンバータ44及びLDドライバ45がバス接続されている。また、CPU40には、各種のプログラムコード(制御プログラム)を格納するハードディスク46や不揮発性のメモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)47がバス接続されている。ここに、CPU40、ROM41及びRAM42によりマイクロコンピュータが構成されている。このようなマイクロコンピュータには、各種のプログラムコード(制御プログラム)を記憶した記憶媒体49、すなわち、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク(MO)、メモリカードなどに記憶されているプログラムコードを読み取る装置であるフロッピーディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、MOドライブ装置等のプログラム読取装置48が接続されている。
【0058】
CCD(受光素子)39からの出力を演算する回路として、CCD(受光素子)39の出力端子に、アナログ処理回路51が図のように接続される。CCD(受光素子)39に入射した反射光は、CCD(受光素子)39内で光の強度に応じた電圧値を持つアナログの画像データに変換され、アナログ信号として出力される。このアナログ信号は、アナログ処理回路51で処理された後、A/D(Analog/Digital)コンバータ44によってデジタル信号に変換されてCPU40に渡される。この後、CPU40によって指示手段Pの二次元座標の演算が行われる。
【0059】
ハードディスク46に格納された各種のプログラムコード(制御プログラム)または記憶媒体49に記憶された各種のプログラムコード(制御プログラム)は、コントローラ10への電源の投入に応じてRAM42に書き込まれ、各種のプログラムコード(制御プログラム)が実行されることになる。
【0060】
続いて、制御プログラムに基づいてCPU40によって実行される機能について説明する。ここでは、本実施の形態の情報入力装置3の備える特長的な機能である座標検出処理について以下において具体的に説明する。
【0061】
ここで、図7は情報入力装置3の情報入力領域3a内の一点を指示手段Pで指し示した一例を示す正面図である。図7に示すように、例えば、左側光学ユニット27Lから照射されたL1,L2,L3,・・・,Lnといったプローブ光で構成される扇形状の光の中でn番目のプローブ光Lnが指示手段Pによって遮られた場合、そのプローブ光Lnは再帰性反射部材28に到達することはない。
【0062】
このときCCD(受光素子)39上の光強度分布を考える。ここで、図8はCCD(受光素子)39の検出動作を模式的に示す説明図である。指示手段Pが情報入力領域3a内に挿入されていなければ、CCD(受光素子)39上の光強度分布はほぼ一定であるが、図8に示すように指示手段Pが情報入力領域3a内に挿入されてプローブ光Lnが指示手段Pによって遮られた場合、そのプローブ光Lnは光学ユニット27のCCD(受光素子)39によって受光されることはないため、プローブ光Lnに対応する光学ユニット27のCCD(受光素子)39上の所定の位置Xnが光強度の弱い領域(暗点)となる。この光強度の弱い領域(暗点)である位置Xnは、CCD(受光素子)39から出力される光強度の波形にピーク点として出現することになるので、CPU40は、このような光強度の波形におけるピーク点の出現を電圧の変化により認識し、この光強度の波形のピーク点となった暗点の位置Xnを検出する。
【0063】
また、光強度の波形のピーク点となった暗点位置Xnが検出されると、暗点位置XnからCCD(受光素子)39の中心画素までの距離が、例えばCCD(受光素子)39の画素番号(例えば、図8においては、画素番号m)に基づいて検出される。
【0064】
光強度の弱い領域(暗点)である位置Xn(左側光学ユニット27LのCCD(受光素子)39上ではXnL,右側光学ユニット27RのCCD(受光素子)39上ではXnR)は、遮られたプローブ光の出射/入射角θnと対応しており、Xnを検出することによりθnを知ることができる。即ち、暗点位置XnからCCD(受光素子)39の中心画素までの距離をaとすると、θnはaの関数として、
θn=tan−1(a/f) ………………………………(1)
と表すことができる。ただし、fはシリンドリカルレンズ38の焦点距離である。ここで、左側光学ユニット27LにおけるθnをθnL、aをXnLと置き換える。
【0065】
さらに、図7において、左側光学ユニット27Lと情報入力領域3aとの幾何学的な相対位置関係の変換係数gにより、指示手段Pと左側光学ユニット27Lとのなす角度θLは、(1)式で求められるXnLの関数として、
θL=g(θnL) ………………………………(2)
ただし、θnL=tan−1(XnL/f)
と表すことができる。
【0066】
同様に、右側光学ユニット27Rについても、上述の(1)(2)式中の記号Lを記号Rに置き換えて、右側光学ユニット27Rと情報入力領域3aとの幾何学的な相対位置関係の変換係数hにより、
θR=h(θnR) ………………………………(3)
ただし、θnR=tan−1(XnR/f)
と表すことができる。
【0067】
ここで、左側光学ユニット27LのCCD(受光素子)39の中心位置と右側光学ユニット27RのCCD(受光素子)39の中心位置との距離を図7に示すwとすると、情報入力領域3a内の指示手段Pで指示した点の2次元座標(x,y)は、三角測量の原理により、
x=w・tanθR/(tanθL+tanθR) ………………(4)
y=w・tanθL・tanθR/(tanθL+tanθR) ……(5)
として算出することができる。
【0068】
これらの(1)(2)(3)(4)(5)式は制御プログラムの一部として予めハードディスク46や記憶媒体49に格納されており、(1)(2)(3)(4)(5)式により、指示手段Pの位置座標(x,y)は、XnL,XnRの関数として算出される。すなわち、左側光学ユニット27LのCCD(受光素子)39上の暗点の位置と右側光学ユニット27RのCCD(受光素子)39上の暗点の位置とを検出することで、指示手段Pの位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0069】
このようにして算出された指示手段Pの位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0070】
そして、このような情報入力装置3Aによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0071】
B.第2の情報入力装置
次に、第2の情報入力装置3Bについて図9ないし図11に基づいて説明する。なお、第1の情報入力装置3Aで説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。
【0072】
この第2の情報入力装置3Bは、いわゆる再帰光反射方式の情報入力装置である。
【0073】
ここで、図9は情報入力装置3Bに用いられる指示手段61を示す斜視図である。また、図10は情報入力装置3Bの情報入力領域3a内の一点を指示手段61で指し示した一例を示す正面図である。図9に示すように、情報入力装置3Bの情報入力領域3a内の一点を指し示すために用いられる指示手段61の先端近傍には、再帰性反射部材62が設けられている。この再帰性反射部材62は、例えば円錐形状のコーナーキューブを多数配列して形成されており、入射した光をその入射角度によらずに所定の位置に向けて反射する特性を有している。例えば、左側光学ユニット27Lから投光されたプローブ光Lnは、図10に示すように、再帰性反射部材62によって反射され、再び同一光路を辿る再帰反射光Ln´として左側光学ユニット27Lにより受光されることになる。そのため、図10に示すように、情報入力装置3Bにおいては、前述した情報入力装置3Aのように情報入力領域3aに再帰性反射部材28を設ける必要はない。なお、指示手段61はペン状の形状をしており、光沢のある金属製よりゴムやプラスチックなどの材質が望ましい。
【0074】
したがって、このような指示手段61の再帰性反射部材62を備えた先端近傍を情報入力装置3Bの情報入力領域3aの適当な位置(x,y)に挿入し、例えば左側光学ユニット27Lから投光された扇形状の光束膜の中のプローブ光Lnが指示手段61の再帰性反射部材62によって反射された場合、その再帰反射光Ln´は左側光学ユニット27LのCCD(受光素子)39によって受光される。このようにしてCCD(受光素子)39が再帰反射光Ln´を受光した場合には、再帰反射光Ln´に対応するCCD(受光素子)39上の所定の位置Dnが光強度の強い領域(明点)となる。つまり、図11に示すように、CCD(受光素子)39上では位置Dnの位置に光強度が強い領域が生じ、CCD(受光素子)39からの光の強度分布の形状にはピークが出現する。このピークが出現する位置Dnは反射されたプローブ光の出射/入射角θnと対応しており、Dnを検出することによりθnを知ることができる。つまり、このような再帰光反射方式の情報入力装置3Bの場合も、前述した再帰光遮蔽方式の情報入力装置3Aと同様に、光強度の波形に出現するピークに基づく三角測量の手法により指示手段61の位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0075】
このようにして算出された指示手段61の位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0076】
そして、このような情報入力装置3Bによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0077】
C.第3の情報入力装置
次に、第3の情報入力装置3Cについて図12ないし図14に基づいて説明する。なお、第1の情報入力装置3Aで説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。
【0078】
この第3の情報入力装置3Cは、第1の情報入力装置3Aにおける光学ユニットの変形例である。詳細には、第1の情報入力装置3Aで用いた光学ユニット27においては扇形状の光束膜を投光して情報入力領域を形成したが、情報入力装置3Cにおいては、ポリゴンミラー等の回転走査系を有しており、その回転走査系によって光源から出射された光ビームを放射状に投光して情報入力領域を形成する光学ユニット70を用いるものである。
【0079】
ここで、図12は光学ユニット70を概略的に示す平面図である。図12に示すように、光学ユニット70は、駆動回路(図示せず)を有してレーザ光を出射する光源であるLD(Laser Diode:半導体レーザ)71とハーフミラー72とポリゴンミラー73と集光レンズ74とで構成される投光手段70aと、受光素子75とが備えられている。受光素子75は、集光レンズ74から距離f(fは集光レンズ74の焦点距離)の間隔で設けられたPD(Photo Diode)で構成されている。このような光学ユニット70は、LD71から出射したレーザ光をハーフミラー72で折り返した後、パルスモータ(図示せず)により所定の角速度ωtで回転駆動されるポリゴンミラー73によって放射状に順次反射する。したがって、光学ユニット70は、ビーム光を放射状に繰り返し投光することになる。つまり、2つの光学ユニット70から放射状に投光されるビーム光によって情報入力領域3aが形成されることになる。一方、反射されて光学ユニット70に入射したビーム光は、ポリゴンミラー73によって反射され、ハーフミラー72に到達する。ハーフミラー72に到達した反射ビーム光は、ハーフミラー72を透過して受光素子75に到達し、電気信号に変換される。
【0080】
次に、このような光学ユニット70を第1の情報入力装置3Aで用いた光学ユニット27に代えて適用した情報入力装置3Cについて説明する。図13に示すように、情報入力領域3a中の或る位置に指示手段Pが挿入されてあるビーム光が遮蔽されると、そのビーム光は再帰性反射部材28で反射されることはないことから、受光素子75に到達することはない。このように情報入力領域3a中の或る位置に指示手段Pが挿入されてあるビーム光が遮蔽された場合、受光素子75からの光の強度分布の形状にはディップが出現する。
【0081】
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図14に示すように、情報入力領域3aに指示手段Pが挿入されていない場合には光強度は“I=I1”を示すが、情報入力領域3aに指示手段Pが挿入されて受光素子75に再帰光が戻らない場合には光強度は“I=I0”を示すことになる。このように光強度が“I=I0”である部分が、ディップである。なお、図14中、時間t=t0は、ポリゴンミラー73の回転の基準位置であって、回転走査されるビーム光が所定の角度に達した時点である。
【0082】
したがって、光強度が“I=I0”となった時間tをt1であるとすれば、情報入力領域3aに挿入された指示手段Pにより遮蔽されたビーム光の出射角度θは、
θ=ω(t1−t0)=ω△t
として算出される。つまり、左右それぞれに設けられた光学ユニット70(70L、70R)において情報入力領域3aに挿入された指示手段Pにより遮蔽されたビーム光の出射角度θ(θnL,θnR)が算出され、それらの出射角度θ(θnL,θnR)に基づく三角測量の手法によって指示手段Pを挿入した位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0083】
このようにして算出された指示手段Pの位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0084】
そして、このような情報入力装置3Cによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0085】
D.第4の情報入力装置
次に、第4の情報入力装置3Dについて図15ないし図16に基づいて説明する。なお、第2の情報入力装置3B及び第3の情報入力装置3Cで説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。
【0086】
この第4の情報入力装置3Dは、第2の情報入力装置3Bにおける光学ユニットの変形例である。詳細には、第2の情報入力装置3Bで用いた光学ユニット27においては扇形状の光束膜を投光して情報入力領域を形成したが、第4の情報入力装置3Dにおいては、ポリゴンミラー等の回転走査系を有しており、その回転走査系によって光源から出射された光ビームを放射状に投光して情報入力領域を形成する光学ユニット70を用いるものである。なお、光学ユニット70についての説明は、第3の情報入力装置3Cで説明したのでここでは省略する。
【0087】
このような光学ユニット70を第2の情報入力装置3Bで用いた光学ユニット27に代えて適用した情報入力装置3Dについて説明する。図15に示すように、情報入力領域3a中の或る位置に指示手段61が挿入された場合、所定のビーム光が指示手段61の再帰性反射部材62において再帰反射され、そのビーム光は受光素子75に到達する。このように情報入力領域3a中の或る位置に指示手段61が挿入されてあるビーム光が再帰反射された場合、受光素子75からの光の強度分布の形状にはピークが出現する。
【0088】
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図16に示すように、情報入力領域3aに指示手段61が挿入されていない場合には光強度は“I=I0”を示すが、情報入力領域3aに指示手段61が挿入されて受光素子75に再帰光が到達した場合には光強度は“I=I1”を示すことになる。このように光強度が“I=I1”である部分が、ピークである。なお、図16中、時間t=t0は、ポリゴンミラー73の回転の基準位置であって、回転走査されるビーム光が所定の角度に達した時点である。
【0089】
したがって、光強度が“I=I1”となった時間tをt1であるとすれば、情報入力領域63に挿入された指示手段61により再帰反射されたビーム光の出射角度θは、
θ=ω(t1−t0)=ω△t
として算出される。つまり、左右それぞれに設けられた光学ユニット70(70L、70R)において情報入力領域3aに挿入された指示手段61により再帰反射されたビーム光の出射角度θ(θnL,θnR)が算出され、それらの出射角度θ(θnL,θnR)に基づく三角測量の手法によって指示手段61を挿入した位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0090】
このようにして算出された指示手段61の位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0091】
そして、このような情報入力装置3Dによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0092】
E.第5の情報入力装置
次に、第5の情報入力装置3Eについて図17ないし図18に基づいて説明する。この第5の情報入力装置3Eは、情報入力領域内の画像情報を撮像カメラにより取り込んで、その取り込まれた画像情報の内の一部に基づいて位置座標を検出するいわゆるカメラ撮像方式の情報入力装置である。
【0093】
ここで、図17は情報入力装置3Eの構成を概略的に示す正面図である。情報入力装置3Eの情報入力領域3aの上方両端部には、撮像手段である撮像カメラ82が距離wを隔てて設けられている。撮像カメラ82には、CCD(Charge Coupled Device)である受光素子83と結像光学レンズ84とが、距離fを隔てて設けられている。これらの撮像カメラ82の撮像画角は約90度であり、情報入力領域3aを撮影範囲とするようにそれぞれ設置されている。また、撮像カメラ82は情報入力面を形成するPDP2の表示面2aから所定の距離となるように設置されており、その光軸はPDP2の表示面2aに平行である。
【0094】
加えて、情報入力領域3aの上部を除く周縁部であって撮像カメラ82の撮像画角を妨げずに撮影視野全体を覆う位置には、背景板85が設けられている。この背景板85は、情報入力領域3aの中央にその面を向け、PDP2の表示面2aに対して略垂直に設けられる。この背景板85は、例えば一様な黒色とされている。
【0095】
撮像カメラ82の信号と指示手段Pとの関係を図18に示す。図18に示すように、指示手段Pが情報入力領域3aに挿入された場合、その指示手段Pは撮像カメラ82に撮影され、指示手段Pの像が撮像カメラ82の受光素子83上に形成される。情報入力装置3Eのように背景板85が黒色であって、指を指示手段Pとして用いるような場合には、指示手段Pは背景板85に比べて高い反射率を有することになるので、受光素子83の指示手段Pに相当する部分は、光強度の強い領域(明点)となる。
【0096】
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図18に示すように、情報入力領域3aに指示手段Pが挿入された場合には、受光素子83からの光の強度分布の形状にはピークが出現する。このピークが出現する位置Dnは、結像光学レンズ84の主点からの指示手段Pの見かけの角度θnに対応しており、θnはDnの関数として、
θn=arctan (Dn/f)
と表すことができる。つまり、このようなカメラ撮像方式の情報入力装置3Eの場合も、前述した情報入力装置3A等と同様に、光強度の波形に出現するピークに基づく三角測量の手法により指示手段Pの位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0097】
このようにして算出された指示手段Pの位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0098】
なお、指示手段Pとしては、自身が発光する発光素子付きの専用ペン等も適用することができる。
【0099】
そして、このような情報入力装置3Eによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0100】
F.第6の情報入力装置
次に、第6の情報入力装置3Fについて図19ないし図20に基づいて説明する。この第6の情報入力装置3Fは、三角測量によって座標を検出するものではなく、直交する2軸の座標を直接検出するいわゆるLEDアレイ方式の情報入力装置である。
【0101】
ここで、図19は情報入力装置3Fの構成を概略的に示す正面図である。図19に示すように、情報入力装置3Fは、Xm個の発光手段である発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)91を水平方向に一定間隔で配置した発光素子列92と、これに1対1に対応したXm個の受光手段であるフォトトランジスタ93を一定間隔で対向配置した受光素子列94と、Yn個のLED91を垂直方向に一定間隔で配置した発光素子列95と、これに1対1に対応したYn個のフォトトランジスタ93を一定間隔で対向配置した受光素子列96とを備えている。そして、これらの発光素子列92と、受光素子列94と、発光素子列95と、受光素子列96とにより囲まれた空間部分が、情報入力領域3aとされている。つまり、情報入力領域3a内には、水平方向に形成されるm個の光路と垂直方向に形成されるn個の光路とがマトリクス状に交差可能となっている。なお、情報入力領域3aは、PDP2の表示面2aのサイズに対応したサイズであって横長の四角形状に形成されており、手書きにより文字や図形等の入力を可能にする領域である。
【0102】
そして、この情報入力領域3aの或る位置に指等の指示手段Pが挿入された場合には、指示手段Pにより所定の光路が遮られるため、その遮蔽光路にある受光素子列94のフォトトランジスタ93及び受光素子列96のフォトトランジスタ93の受光光量がそれぞれ低下することになる。
【0103】
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図20に示すように、情報入力領域3aに指示手段Pが挿入されていない場合には各フォトトランジスタ93の光強度は“I=i1”を示すが、情報入力領域3aに指示手段Pが挿入されて光路が遮られた場合には、その遮蔽光路にあるフォトトランジスタ93の光強度は“I=i0”を示すことになる。このように光強度が“I=i0”である部分をディップという。なお、図20中、横軸はフォトトランジスタ93の位置に相当し、実際にはフォトトランジスタ93の光出力を逐次読みとる走査時間である。
【0104】
そして、受光光量が低下した受光光量が低下した受光素子列94のフォトトランジスタ93及び受光素子列96のフォトトランジスタ93の位置に相当するディップ位置を検出し、指示手段Pにより指示された位置座標(x,y)を算出する。実際には、基準位置t=t0からのディップ位置が検出されるまでの時間t1や、図20で示した波形をメモリに取り込み、メモリ内のデータに対してディップ位置に相当するメモリ番地としてディップの位置を検出することになる。
【0105】
このようにして算出された指示手段Pの位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0106】
そして、このような情報入力装置3Fによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0107】
以上、本実施の形態の情報入出力システム1に適用し得る情報入力装置3として、再帰光遮蔽方式の情報入力装置3A、再帰光反射方式の情報入力装置3B、回転走査系を有する再帰光遮蔽方式の情報入力装置3C、回転走査系を有する再帰光反射方式の情報入力装置3D、カメラ撮像方式の情報入力装置3E、LEDアレイ方式の情報入力装置3Fについて、その構成及び原理を説明したが、これらは本実施の形態の情報入出力システム1に適用し得る情報入力装置3の一例であって、本発明はこれらの方式に限定されるものではなく、本発明は、光学式の情報入力装置全般について適用されることは言うまでもない。
【0108】
続いて、本実施の形態の情報入出力システム1において実行される処理の内、従来の情報入出力システムによって行なわれている処理と同様の処理についてはその説明を省略し、情報入出力システム1が備える特長的な機能を実現する処理について以下に概略的に説明する。ここでは、情報入力装置3のCPU40が制御プログラムに基づいて実行する特長的な機能について説明する。
【0109】
ここで、図21は情報入力処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
図21に示すように、この処理を起動すると、処理モードを“アイドルモード”に設定した後(ステップS1)、情報入力領域3aにおける座標情報入力(タッチ)があるまで(ステップS2のY)、または、デタッチがあるまで(ステップS3のY)、待機する。
【0110】
そして、座標情報入力(タッチ)があった場合には(ステップS2のY)、ステップS4に進み、現在の処理モードが“アイドルモード”であるか否かを判断する。起動直後の場合にはステップS1で処理モードを“アイドルモード”に設定した状態であることから、現在の処理モードは“アイドルモード”であると判断し(ステップS4のY)、処理モードを“クリック判定モード”に設定した後(ステップS5)、入力された座標を保存するとともに(ステップS6)、RAM42の所定のカウンタエリアの座標停止時間をゼロクリアして(ステップS7)、情報入力領域3aにおける座標情報入力(タッチ)があるまで(ステップS2のY)、または、デタッチがあるまで(ステップS3のY)、再び待機する。
【0111】
その後、座標情報入力(タッチ)があった場合には(ステップS2のY)、現在の処理モードは“クリック判定モード”であることから(ステップS4のN)、ステップS8に進む。
【0112】
ステップS8では現在の処理モードが“ボタンONモード”であるか否かを判断するが、現在の処理モードは“クリック判定モード”であることから(ステップS8のN)、ステップS9に進み、前回入力された座標(前回座標)と今回入力された座標(今回座標)との間の座標間長を算出する。
【0113】
ここで、座標間長Lは、前回座標(X1,Y1)とし、今回座標(X2,Y2)とした場合には、
座標間長L=√{(X2−X1)2+(Y2−Y1)2}
なる式により算出される。
【0114】
そして、続くステップS10では、ステップS9で算出した座標間長Lが規定速度である「手書き描画速度」よりもはるかに大きいか否かを判定する。ここに、移動速度判断手段の機能が実行される。なお、「手書き描画速度」は、実際に描画することにより得られた実験値が用いられる。このような「手書き描画速度」の設定方法は、例えば図22に示すような“手書き描画速度設定画面”D1をPDP2に表示し、この“手書き描画速度設定画面”D1の文字入力枠Fの中に操作者に文字を描画させることにより、その文字描画の際の座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、・・・・、(Xn,Yn)から各座標間長L1、L2、・・・・、Ln−1を算出した後、各座標間長の平均値を算出して「手書き描画速度」とするものである。ここに、規定速度設定手段が実現されている。
【0115】
このようにして操作者毎に「手書き描画速度」を実際の文字描画操作に基づいて設定可能とすることにより、人によって違いを生じる描画速度を固定速度とした場合に生じる描画中であるのにもかかわらず描画中ではないと判断される不具合を解消することが可能になっている。
【0116】
そして、ステップS9で算出した座標間長Lが「手書き描画速度」よりもはるかに大きい時には(ステップS9のY)、ステップS2における座標情報入力(タッチ)はクリック動作でないものと判定し、処理モードを“アイドルモード”に設定した後(ステップS11)、情報入力領域3aにおける座標情報入力(タッチ)があるまで(ステップS2のY)、または、デタッチがあるまで(ステップS3のY)、再び待機する。
【0117】
このようにステップS9で算出した座標間長Lが「手書き描画速度」よりもはるかに大きい時にクリック動作でないものと判定するのは、ペン等の指示手段が移動中に情報入力領域3a内に誤って侵入してしまい複数の座標が検出されてしまった場合には、それらの座標間における移動速度はPDP2の表示面2aに触れながら描画する際の速度に比べてはるかに速いからである。
【0118】
一方、ステップS9で算出した座標間長Lが「手書き描画速度」よりもはるかに大きくはない場合には(ステップS10のN)、ステップS12に進み、ステップS9で算出した座標間長Lが略0であるか否かが判断される。
【0119】
ステップS9で算出した座標間長Lが略0である場合には(ステップS12のY:物体検出判断手段)、座標情報入力(タッチ)位置が変わらないものと判断し、RAM14の所定のカウンタエリアの座標停止時間を“1”インクリメントする(ステップS13)。なお、1カウントは、座標検出周期(例えば、20ms)である。
【0120】
続くステップS14では、規定時間である「クリック速度」が座標停止時間よりも大きいか否かを判定する。なお、「クリック速度」は、実際にクリックすることにより得られた実験値が用いられる。このような「クリック速度」の設定方法は、例えば図23に示すような“クリック速度設定画面”D2をPDP2に表示し、この“クリック速度設定画面”D2に設けられたボタンBを操作者にタッチ&デタッチ(クリック)させることにより、そのタッチ&デタッチの間隔を「クリック速度」とするものである。ここに、規定時間設定手段が実現されている。
【0121】
このようにして操作者毎に「クリック速度」を実際のクリック操作に基づいて設定可能とすることにより、クリック判定のための停止時間を最適な時間に設定することが可能になっている。
【0122】
そして、座標停止時間が「クリック速度」よりも大きい時、つまり座標情報入力(タッチ)時間が「クリック速度」以上継続した場合には(ステップS14のN:物体検出判断手段)、ステップS2における座標情報入力(タッチ)はクリック動作であるものと判定し、処理モードを“ボタンONモード”に設定(例えば、所定のボタンを反転する等)した後(ステップS15)、クリックが開始された(例えば、所定のボタンがONされた)旨を通知するとともに(ステップS16)、座標情報入力(タッチ)された座標を通知した後(ステップS17:第一情報出力手段)、情報入力領域3aにおける座標情報入力(タッチ)があるまで(ステップS2のY)、または、デタッチがあるまで(ステップS3のY)、再び待機する。
【0123】
このように座標停止時間が「クリック速度」よりも大きい時、つまり座標情報入力(タッチ)時間が「クリック速度」以上継続した時にクリック動作であるものと判定するのは、ペン等の指示手段がボタン等を指示するために情報入力領域3a内を移動している際に検出された座標を排除するためである。
【0124】
したがって、座標停止時間が「クリック速度」よりも小さい時、つまり座標情報入力(タッチ)時間が「クリック速度」に達していない場合には(ステップS14のY)、情報入力領域3aにおける座標情報入力(タッチ)があるまで(ステップS2のY)、または、デタッチがあるまで(ステップS3のY)、再び待機することになる。
【0125】
一方、ステップS9で算出した座標間長Lが略0でない場合には(ステップS12のN)、つまり座標が手書き描画速度に近い速度で移動する場合には、「クリック速度」の監視をせずに、処理モードを“ボタンONモード”に設定(例えば、所定のボタンを反転する等)した後(ステップS18)、クリックが開始された(例えば、所定のボタンがONされた)旨を通知するとともに(ステップS19)、前回座標及び今回座標を通知した後(ステップS20,S21:第二情報出力手段)、情報入力領域3aにおける座標情報入力(タッチ)があるまで(ステップS2のY)、または、デタッチがあるまで(ステップS3のY)、再び待機することになる。
【0126】
また、処理モードが“ボタンONモード”に設定されている状態で、座標情報入力(タッチ)があった場合には(ステップS2のY,ステップS8のY)、ステップS22に進み、座標情報入力(タッチ)された座標を通知した後(ステップS17)、情報入力領域3aにおける座標情報入力(タッチ)があるまで(ステップS2のY)、または、デタッチがあるまで(ステップS3のY)、再び待機する。
【0127】
なお、ステップS3において、デタッチされたと判断した場合には(ステップS3のY)、ステップS23に進み、処理モードが“ボタンONモード”に設定されているか否かを判断し、処理モードが“ボタンONモード”に設定されていれば(ステップS23のY)、クリックが終了した旨を通知するとともに(ステップS24)、処理モードを“アイドルモード”に設定した後(ステップS25)、情報入力領域3aにおける座標情報入力(タッチ)があるまで(ステップS2のY)、または、デタッチがあるまで(ステップS3のY)、再び待機する。一方、処理モードが“ボタンONモード”に設定されていなければ(ステップS23のN)、処理モードを“アイドルモード”に設定した後(ステップS25)、情報入力領域3aにおける座標情報入力(タッチ)があるまで(ステップS2のY)、または、デタッチがあるまで(ステップS3のY)、再び待機する。
【0128】
ここに、検出された所定物体が情報入力領域3aの一定の位置に「クリック速度」だけ停止している場合にのみ、当該所定物体が指示した位置が入力情報として出力される。これにより、所定物体の指示位置の検出に際し、所定物体が実際には指示しておらず近接しただけのケースを排除することが可能となるので、入力情報の検出を高い精度で行うことが可能になる。
【0129】
また、検出された所定物体が情報入力領域3aの一定の位置に「クリック速度」だけ停止していなくとも、所定物体が「手書き描画速度」で移動している場合には、当該所定物体が指示した位置が入力情報として出力される。これにより、描画中には所定物体を一定の位置に「クリック速度」だけ停止させる必要がなくなるので、描画操作性を損なわずに入力情報の検出を高い精度で行うことが可能になる。
【0130】
なお、本実施の形態においては、コントローラ10をコンピュータ5とは別体で設けたが、これに限るものではなく、コントローラ10をコンピュータ5に組み込んで、コンピュータ5をコントローラ10として機能させるようにしても良い。
【0131】
また、本実施の形態においては、各種のプログラムコード(制御プログラム)を記憶した記憶媒体26や記憶媒体49としてフロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク(MO)、メモリカード等を適用したが、これに限るものではなく、記憶媒体には、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0132】
さらに、本実施の形態においては、情報入力装置3を表示装置であるPDP2に備えたが、これに限るものではなく、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、前面投影型プロジェクター、背面投影型プロジェクター等を表示装置として適用しても良い。さらに、これらの表示装置に限るものではなく、特に図示しないが、ライティングボードとして機能する黒板やホワイトボード等に備えるようにしても良い。
【0133】
さらにまた、本実施の形態においては、情報入出力システムとして、大型の表示装置を装備したいわゆる電子黒板システムに適用した例について説明したが、これに限るものではなく、例えばPDA(Personal Digital Assistants)と称される携帯用情報端末等に適用することも可能である。
【0134】
【発明の効果】
第1の発明によれば、二次元の情報入力領域を指示した所定物体を検出し、入力情報として出力する情報入力装置において、光源から出射された座標を検出するための光を薄膜状に成形して表示面に沿って平行に投光することにより、二次元の情報入力領域を形成する形成手段と、形成手段により形成された情報入力領域上から所定物体を一定周期で検出する検出手段と、入力待機状態時に検出手段により検出された所定物体の位置を第一位置情報として保持する保持手段と、保持手段に第一位置情報が保持された状態で検出手段により所定物体が検出された場合に、所定物体が指示した位置を第二位置情報として、第一位置情報に示される位置と第二位置情報に示される位置との間の距離を算出する算出手段と、検出手段により検出された所定物体が情報入力領域の一定の位置に停止している時間を計測する計測手段と、算出手段で算出された距離と、計測手段で計測された時間とに基づき、第二位置情報を入力情報として出力するか、第一位置情報と第二位置情報とを前回および今回の入力情報としてそれぞれ出力するか、入力情報を出力せずに入力待機状態に移行するかを判定する情報出力手段とを備え、検出された所定物体が情報入力領域の一定の位置に予め規定された規定時間だけ停止している場合にのみ、当該所定物体が指示した位置を入力情報として出力することにより、所定物体の指示位置の検出に際し、所定物体が実際には指示しておらず近接しただけのケースを排除することができるので、入力情報の検出を高い精度で行うことができる。
【0144】
第2の発明によれば、情報入力装置に設けられた二次元の情報入力領域を指示した所定物体を検出し、入力情報として出力させる動作制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータに、光源から出射された座標を検出するための光を薄膜状に成形して表示面に沿って平行に投光することにより形成された二次元の情報入力領域上から所定物体を一定周期で検出する検出機能と、入力待機状態時に検出機能により検出された所定物体の位置を第一位置情報として保持する保持機能と、保持機能に第一位置情報が保持された状態で検出機能により所定物体が検出された場合に、所定物体が指示した位置を第二位置情報として、第一位置情報に示される位置と第二位置情報に示される位置との間の距離を算出する算出機能と、検出機能により検出された所定物体が情報入力領域の一定の位置に停止している時間を計測する計測機能と、算出機能で算出された距離と、計測機能で計測された時間とに基づき、第二位置情報を入力情報として出力するか、第一位置情報と第二位置情報とを前回および今回の入力情報としてそれぞれ出力するか、入力情報を出力せずに入力待機状態に移行するかを判定する情報出力機能とを実現させることにより、検出された所定物体が情報入力領域の一定の位置に予め規定された規定時間だけ停止している場合にのみ、当該所定物体が指示した位置を入力情報として出力するので、所定物体の指示位置の検出に際し、所定物体が実際には指示しておらず近接しただけのケースを排除することができ、入力情報の検出を高い精度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の情報入出力システムを概略的に示す外観斜視図である。
【図2】情報入出力システムに内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図3】コンピュータに内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】第1の情報入力装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図5】光学ユニットの構造を概略的に示す構成図である。
【図6】コントローラのブロック構成図である。
【図7】第1の情報入力装置の情報入力領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図8】CCDの検出動作を模式的に示す説明図である。
【図9】第2の情報入力装置に用いられる指示手段を示す斜視図である。
【図10】第2の情報入力装置の情報入力領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図11】CCDの検出動作を模式的に示す説明図である。
【図12】第3の情報入力装置に用いられる光学ユニットを概略的に示す平面図である。
【図13】第3の情報入力装置の情報入力領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図14】光強度と時間との関係を示すグラフである。
【図15】第4の情報入力装置の情報入力領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図16】光強度と時間との関係を示すグラフである。
【図17】第5の情報入力装置の構成を概略的に示す正面図である。
【図18】その検出動作を説明するための概略正面図である。
【図19】第6の情報入力装置の構成を概略的に示す正面図である。
【図20】光強度と時間との関係を示すグラフである。
【図21】情報入力処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図22】PDPに表示された“手書き描画速度設定画面”を示す正面図である。
【図23】PDPに表示された“クリック速度設定画面”を示す正面図である。
【図24】情報入力装置の情報入力領域を指で指示した状態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 情報入出力システム
2 表示装置
3 情報入力装置
3a 情報入力領域
5 制御装置
26,49 記憶媒体
31 光源
61,P 所定物体
71 光源
82 撮像手段
91 発光手段
93 受光手段
Claims (12)
- 二次元の情報入力領域を指示した所定物体を検出し、入力情報として出力する情報入力装置において、
光源から出射された座標を検出するための光を薄膜状に成形して表示面に沿って平行に投光することにより、二次元の情報入力領域を形成する形成手段と、
前記形成手段により形成された前記情報入力領域上から所定物体を一定周期で検出する検出手段と、
入力待機状態時に前記検出手段により検出された前記所定物体の位置を第一位置情報として保持する保持手段と、
前記保持手段に前記第一位置情報が保持された状態で前記検出手段により前記所定物体が検出された場合に、該所定物体が指示した位置を第二位置情報として、該第一位置情報に示される位置と該第二位置情報に示される位置との間の距離を算出する算出手段と、
前記検出手段により検出された前記所定物体が前記情報入力領域の一定の位置に停止している時間を計測する計測手段と、
前記算出手段で算出された前記距離と、前記計測手段で計測された前記時間とに基づき、前記第二位置情報を入力情報として出力するか、前記第一位置情報と前記第二位置情報とを前回および今回の入力情報としてそれぞれ出力するか、入力情報を出力せずに入力待機状態に移行するかを判定する情報出力手段と
を備える
ことを特徴とする情報入力装置。 - 前記情報出力手段は、
前記算出手段で算出された前記距離が予め規定された前記規定長を超えていない場合に、前記算出手段で算出された前記距離が略0であり、且つ、前記計測手段により計測された前記時間が予め規定された規定時間より長ければ、該第二位置情報が示す位置を前記入力情報として出力し、該距離が略0でなければ、前記第一位置情報と該第二位置情報とを前回および今回の入力情報として出力し、
前記距離が前記規定長を超えている場合に、入力情報を出力せずに入力待機状態に移行させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報入力装置。 - 操作者が前記所定物体によって前記情報入力領域内を実際に描画した描画速度に基づき前記規定速度を設定する規定速度設定手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報入力装置。 - 操作者が前記所定物体によって前記情報入力領域内の所定位置を実際に指示した場合における前記所定物体の検出開始から未検出となるまでのクリック時間を前記規定時間として設定する規定時間設定手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の情報入力装置。 - 前記形成手段は、光源から出射されたビーム光を順次走査して投光することにより前記情報入力領域を形成する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の情報入力装置。 - 前記形成手段は、撮像手段による撮像範囲により前記情報入力領域を形成する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の情報入力装置。 - 前記形成手段は、受光手段と該受光手段に相対して設けられる発光手段とによる光路をマトリックス状に配することにより前記情報入力領域を形成する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の情報入力装置。 - 表示装置と、
前記表示装置の表示面に前記情報入力領域を一致させて配設される請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の情報入力装置と、
前記情報入力装置からの入力に基づいて前記表示装置の表示制御を行う制御装置と
を備える
ことを特徴とする情報入出力システム。 - 筆記を受け付けるライティングボードと、
前記ライティングボードの書き込み面に前記情報入力領域を一致させて配設される請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の情報入力装置と、
前記情報入力装置からの入力に基づいて前記ライティングボードに筆記された情報の制御を行う制御装置と
を備える
ことを特徴とする情報入出力システム。 - 情報入力装置に設けられた二次元の情報入力領域を指示した所定物体を検出し、入力情報として出力させる動作制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
光源から出射された座標を検出するための光を薄膜状に成形して表示面に沿って平行に投光することにより形成された二次元の情報入力領域上から所定物体を一定周期で検出する検出機能と、
入力待機状態時に前記検出機能により検出された前記所定物体の位置を第一位置情報として保持する保持機能と、
前記保持機能に前記第一位置情報が保持された状態で前記検出機能により前記所定物体が検出された場合に、該所定物体が指示した位置を第二位置情報として、該第一位置情報に示される位置と該第二位置情報に示される位置との間の距離を算出する算出機能と、
前記検出機能により検出された前記所定物体が前記情報入力領域の一定の位置に停止している時間を計測する計測機能と、
前記算出機能で算出された前記距離と、前記計測機能で計測された前記時間とに基づき、前記第二位置情報を入力情報として出力するか、前記第一位置情報と前記第二位置情報とを前回および今回の入力情報としてそれぞれ出力するか、入力情報を出力せずに入力待機状態に移行するかを判定する情報出力機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。 - 操作者が前記所定物体によって前記情報入力領域内の所定位置を実際に指示した場合における前記所定物体の検出開始から未検出となるまでのクリック時間を前記規定時間として設定する規定時間設定機能を前記コンピュータにさらに実現させる
ことを特徴とする請求項10に記載のプログラム。 - 請求項10または請求項11に記載のプログラムを記憶することを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。
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