JP4558868B2 - 気液混合溶解装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、曝気装置、気液反応装置、脱酸装置などに用いられるポンプを用いた気液混合溶解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の気液混合溶解装置としては、例えば図6に示す構成のものが知られている。
【0003】
この図6に示す気液混合溶解装置1aは、タンク時間加圧方式が採られており、例えば渦流ポンプなどのポンプ2にて加圧された水などによる液体が溶解タンク3に流出される以前の状態で、コンプレッサ4にて加圧された空気などによる気体が前記液体に流入されて攪拌混合され、そして、この気体と前記液体とが攪拌混合された気液混合体が前記溶解タンク3の上方側方部に形成されている流入口5から前記溶解タンク3の内部6に流入され、この溶解タンク3の内部6にて前記気体が前記液体に溶解される構成が採られている。
【0004】
【表1】
Figure 0004558868
そして、上記気液混合溶解装置1aは、表1に示すように、流速23.0l/min にて液温24.0℃の前記液体(水)を流出させる内容量210lの前記ポンプ2、および、注入量4.7Nl/minにて前記気体(空気)を流入させる前記コンプレッサ4を用いて、前記溶解タンク3の内部6に前記液体に対する前記気体の混合比率、すなわち気液混合比率20%の気液混合体を9分間滞留させて、この溶解タンク3の内部6を0.4MPaに加圧した場合には、前記溶解液体1.0l中から抽出される前記気体の抽出量が13.0ml/lであった。よって、水温24.0℃における飽和溶解量に対する溶解比率は19.1%である。
【0005】
さらに、前記気液混合溶解装置1aのコンプレッサ4による前記気体の注入量が9.1Nl/minと設定され、前記液体の液温が24.5℃である気液混合比率40%の気液混合体を溶解タンク3の内部6に滞留させた場合には、前記溶解液体1.0l中から抽出される前記気体の抽出量が17.0ml/lであった。よって、水温24.5℃における飽和溶解量に対する溶解比率は25.1%である。
【0006】
また、図7に示す構成の気液混合溶解装置も知られている。
【0007】
この図7に示す気液混合溶解装置1bは、スタティックミキサ7を用いた時間加圧方式が採られており、ポンプ2にて加圧された液体が前記スタティックミキサ7に流入される以前の状態で、コンプレッサ4にて加圧された気体が前記液体に流入されて攪拌混合され、そして、この気体と前記液体とが攪拌混合された気液混合体が前記スタティックミキサ7に流入され、さらに、溶解タンク3の流入口5からこの溶解タンク3の内部6に前記気液混合体が流入され、この溶解タンク3の内部6にて前記気体が前記液体に溶解される構成が採られている。
【0008】
【表2】
Figure 0004558868
そして、上記気液混合溶解装置1bは、表2に示すように、流速23.0l/min にて液温23.0℃の前記液体(水)を流出させる内容量210lの前記ポンプ2、および、注入量2.3Nl/minにて前記気体(空気)を流入させる前記コンプレッサ4を用いて、前記溶解タンク3の内部6に気液混合比率10%の気液混合体を9分間滞留させて、この溶解タンク3の内部6の圧力を0.4MPaに加圧した場合には、前記溶解液体1.0l中から抽出される前記気体の抽出量が18.0ml/lであった。よって、水温23.0℃における飽和溶解量に対する溶解比率は26.0%である。
【0009】
また、前記気液混合溶解装置1bのコンプレッサ4による前記気体の注入量が4.7Nl/minと設定され気液混合比率20%の気液混合体の場合には、前記溶解液体1.0l中から抽出される前記気体の抽出量が26.5ml/lであった。よって、水温23.0℃における飽和溶解量に対する溶解比率は38.3%である。
【0010】
次いで、前記気液混合溶解装置1bのコンプレッサ4による前記気体の注入量が6.9Nl/minと設定され気液混合比率30%の気液混合体の場合には、前記溶解液体1.0l中から抽出される前記気体の抽出量が31.0ml/lであった。よって、水温23.0℃における飽和溶解量に対する溶解比率は44.8%である。
【0011】
同様に、前記気液混合溶解装置1bのコンプレッサ4による前記気体の注入量が9.1Nl/minと設定され気液混合比率40%の気液混合体の場合には、前記溶解液体1.0l中から抽出される前記気体の抽出量が37.0ml/lであった。よって、水温24.0℃における飽和溶解量に対する溶解比率は54.4%である。
【0012】
さらに、前記気液混合溶解装置1bのコンプレッサ4による前記気体の注入量が11.6Nl/minと設定され気液混合比率50%の気液混合体の場合には、前記溶解液体1.0l中から抽出される前記気体の抽出量が40.0ml/lであった。よって、水温24.0℃における飽和溶解量に対する溶解比率は58.8%である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6および図7に示す気液混合溶解装置1a,1bは、前記溶解タンク3の流入口5から前記液体を流入させる以前の状態で、前記気体を前記コンプレッサ4にて加圧して前記液体中に流入させ、さらにこの液体と気体とが混合された前記気液混合体が前記溶解タンク3の内部6に流入されて高圧化にてこの溶解タンク3の内部6で前記液体に前記気体を溶解させる構成である。
【0014】
このため、前記液体に対する前記気体の溶解比率が比較的低いものであった。よって、前記液体に前記気体を溶解させる際における溶解比率を向上させることが切望されており、さらには、高濃度に前記液体に前記気体が溶解した溶解液体を製造することが困難であった。
【0015】
また、前記気液混合溶解装置1a,1bを用いて前記液体に対する前記気体の溶解比率を向上させるためには、前記溶解タンク3の内部6における前記液体と前記気体との接触時間を確保する必要がある。
【0016】
よって、前記溶解タンクの内部6に滞留される前記液体および気体の量を多大に確保することが必要であるため、この溶解タンク3の容量を大きくする、すなわちこの溶解タンク3を大型化しなければならないという問題を有していた。
【0017】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、液体に対する気体の溶解比率が良く、溶解時間が短縮でき、小型化が可能な気液混合溶解装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の気液混合溶解装置は、上方略中央部に形成された流入口、および下方側に形成された吐出口を備え、内径寸法の2倍以上5倍以下の高さ寸法を有する略円筒形の溶解タンクと、液体を加圧するポンプを備え、前記液体が前記溶解タンクの内部に噴出される前に前記液体に気体を混合させて気液混合体とし、前記溶解タンクの流入口から下方に向けて前記溶解タンクの内部に噴出される前記気液混合体中の液体の噴出流速を約2.0m/s 以上とし、前記溶解タンクの内部における前記液体の滞留時間を5.0sec 以上、24.0sec 以下とする噴出手段とを具備し、前記溶解タンクは、前記噴出手段のポンプによる前記流入口からの前記気液混合体の下方への噴出によって、この溶解タンクの内部に前記気液混合体を滞留させ、この溶解タンクの内部に乱流泡渦の相を発生させてこの溶解タンクの内部にて形成される気泡を微細化させ、この溶解タンクの内部に滞留される前記液体の略全体に微細化された微細気泡が発生した状態を形成し、前記気体を前記液体に溶解させて溶解液体を形成させ、この溶解液体を、前記液体に溶解されなかった残留気体とともに前記吐出口から吐出させるものである。
【0019】
そして、液体と気体とが混合された気液混合体を、溶解タンクの流入口からこの溶解タンクの下方に向けて噴出手段のポンプにて噴出させると、気液混合体が溶解タンクの内部に滞留される。このとき、溶解タンクの内部においては、噴出手段のポンプにて噴出された気液混合体にて乱流泡渦の相が発生されて、この溶解タンクの内部に滞留されている液体中に気体による気泡が形成される。さらに、この溶解タンクの内部に滞留されている液体中では、気体による気泡が微細化されている。そして、この溶解タンクの内部では、この溶解タンクにて滞留された液体の略全体に微細化された微細気泡が発生している状態が形成されている。このとき、液体中に気体が溶解されて溶解液体が形成される。さらに、この溶解液体が、液体に溶解されなかった残留気体とともに溶解タンクの吐出口から吐出される。よって、溶解タンクの内部に滞留される液体の略全体に微細気泡が発生した状態が形成されるため、液体と気体との接触面積及び接触時間が十分に確保されて液体に対する気体の溶解比率が向上されるとともに、液体に対する気体の溶解時間が短縮される。このため、高濃度に液体中に気体が溶解した溶解液体が製造される。さらには、容量の小さい小型な溶解タンクを用いることができるため、装置本体が小型化される。
【0020】
さらに、内径寸法の2倍以上5倍以下の高さ寸法を有する略円筒状の溶解タンクの流入口から下方に向けて、前記溶解タンクの内部に噴出される前記気液混合体中の液体の噴出流速を約2.0m/s 以上とし、この溶解タンクの内部における液体の滞留時間を5.0sec 以上、24.0sec 以下とすると、溶解タンクの内部に滞留される液体中に気体が溶解する際における溶解比率が向上されるとともに、一定量の液体中に一定量の気体が溶解するために必要な溶解時間が短縮される。よって、高濃度に液体中に気体が溶解された溶解液体が容易に製造される。
【0021】
請求項2記載の気液混合溶解装置は、上方略中央部に形成された液体流入口、下方側に形成された吐出口、および上方側に形成された気体流入口を備え、内径寸法の2倍以上5倍以下の高さ寸法を有する略円筒状の溶解タンクと、前記溶解タンクの気体流入口から気体をこの溶解タンクの内部に流入させる気体流入手段と、液体を加圧するポンプを備え、前記溶解タンクの液体流入口から下方に向けて前記液体を2.0m/s 以上の噴出流速で噴出させて、前記溶解タンクの内部における前記液体の滞留時間を5.0sec 以上、24.0sec 以下とする液体噴出手段とを具備し、前記溶解タンクは、前記気体流入手段による前記気体流入口からの前記気体の流入、および前記液体噴出手段のポンプによる前記液体流入口からの前記液体の下方への噴出によって、この溶解タンクの内部に前記気体および前記液体を滞留させ、この溶解タンクの内部に乱流泡渦の相を発生させてこの溶解タンクの内部にて形成される気泡を微細化させ、この溶解タンクに滞留される前記液体の略全体に微細化された微細気泡が発生した状態を形成し、前記気体を前記液体に溶解させて溶解液体を形成させ、この溶解液体を、前記液体に溶解されなかった残留気体とともに前記吐出口から吐出させるものである。
【0022】
そして、溶解タンクの液体流入口から液体を液体噴出手段のポンプにてこの溶解タンクの内部の下方に向けて噴出するとともに、溶解タンクの気体流入口から気体を気体流入手段にてこの溶解タンクの内部に流入すると、この溶解タンクの内部に液体および気体が滞留される。このとき、溶解タンクの内部においては、この溶解タンクに滞留されている液体中に乱流泡渦の相が発生され、この溶解タンクの内部にて形成される気体による気泡が微細化される。さらに、この溶解タンクの内部では、この溶解タンクの内部に滞留されている液体の略全体に微細化された微細気泡が発生する状態が形成される。そして、この状態のとき、液体に気体が溶解されて溶解液体が形成される。さらに、この溶解液体が、液体に溶解されなかった残留気体とともに溶解タンクの吐出口から吐出される。よって、溶解タンクの内部に滞留される液体の略全体に微細気泡が発生した状態が形成されるため、液体と気体との接触面積及び接触時間が十分に確保され、液体に対する気体の溶解比率が向上されるとともに、液体に対する気体の溶解時間が短縮される。このため、高濃度に液体中に気体が溶解した溶解液体が製造される。さらには、容量の小さい小型な溶解タンクを用いることができるため、装置本体が小型化される。
【0023】
さらに、内径寸法の2倍以上5倍以下の高さ寸法を有する略円筒状の溶解タンクの液体流入口から下方に向けて、液体を2.0m/s 以上の噴出流速で噴出させ、この溶解タンクの内部における液体の滞留時間を5.0sec 以上、24.0sec 以下とすると、溶解タンクの内部に滞留される液体中に気体が溶解する際における溶解比率が向上されるとともに、一定量の液体中に一定量の気体が溶解するために必要な溶解時間が短縮される。よって、高濃度に液体中に気体が溶解された溶解液体が容易に製造される。
【0024】
請求項3記載の気液混合溶解装置は、請求項1または2記載の気液混合溶解装置において、略中央部に流出口が少なくとも一つ以上開口形成された略板状の仕切部を溶解タンクの内部に少なくとも一つ以上配設し、この溶解タンクの内部を直列多段式に形成するものである。
【0025】
そして、流出口が少なくとも一つ以上開口形成されている仕切部を少なくとも一つ以上溶解タンクの内部に配設し、この溶解タンクの内部を直列多段式に形成した場合には、溶解タンクの内部に噴出された液体は、まず溶解タンクの流入口側に形成されている第1の層に滞留され、この第1の層にて液体中に気体が溶解される。次いで、第1の層の下方に配設されている仕切部の流出口から第1の層にて気体が液体に溶解された溶解液体が流出され、この第1の層の下方に形成されている第2の層に滞留されるとともに、第1の層にて液体に溶解されなかった気体が仕切部の流出口から第2の層に流出される。そして、この第2の層にて再度この溶解液中に気体が溶解される。よって、液体と気体との接触面積及び接触時間がさらに十分に確保されるため、液体に対する気体の溶解比率がさらに向上されるとともに、液体に気体を一定量溶解させるために必要な溶解時間が短縮される。このため、高濃度に液体中に気体が溶解した溶解液体がさらに容易に製造される。また、液体に対する気体の溶解比率がさらに向上されるため、容量の小さい小型な溶解タンクを用いることができ、装置本体が小型に成形される
【0026】
求項記載の気液混合溶解装置は、請求項1ないしいずれかに記載の気液混合溶解装置において、溶解タンクの底部の略中央部には、乱流促進板が内設されているものである。
【0027】
そして乱流促進板を溶解タンクの底部の略中央部設することにより、溶解タンクの内部に滞留された液体中に形成される乱流泡渦の相がより長く形成される。よって、溶解タンクの内部における液体中の微細気泡の攪拌作用が向上されるので、溶解タンクの内部における液体に対する気体の溶解比率がさらに向上されるとともに、溶解タンクの内部における液体に、気体が一定量溶解するために必要な溶解時間が短縮される
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の気液混合溶解装置における実施の一形態の構成について図面を参照して説明する。
【0029】
図1において、10は気液混合溶解装置で、この気液混合溶解装置10は、内部11に例えば水などの液体12が滞留される略縦長円筒形状の溶解塔13a としての溶解タンク13と、この溶解タンク13に前記液体12および例えば空気などの気体14が攪拌混合された気液混合体15を噴出させる噴出手段16とを具備している。さらに、この気液混合溶解装置10は、前記溶解タンク13にて前記液体12中に前記気体14が溶解された溶解液体17、およびこの溶解タンク13の内部11にて前記液体12中に溶解されなかった前記気体14中における残留気体18が流入される副溶解タンク19a ,19b を、例えば2基具備している。
【0030】
また、この気液混合溶解装置10は、例えば、加圧浮上用溶解装置(微細気泡発生装置)、曝気装置、気液反応装置、脱酸装置およびその他気液溶解槽などに用いられる装置であり、前記液体12に前記気体14を混合溶解させるためのものである。
【0031】
そして、前記溶解タンク13は、この溶解タンク13の上方略中央部に位置するとともにこの溶解タンク13の下方に向けて開口形成された流入口20と、この溶解タンク13の下方側に位置する底部21の略中央部に開口形成された吐出口22とを備えている。また、この溶解タンク13は、前記流入口20から前記気液混合体15が噴出された際に、この溶解タンク13の内部11に前記気液混合体15が一定量滞留されてこの溶解タンク13の内部11が約0.4MPaに加圧された状態となるように構成されており、さらに、前記溶解液体17および前記残留気体18が前記吐出口22から流出するように構成されている。
【0032】
さらに、前記溶解タンク13の底部21の略中央部には、中心からこの溶解タンク13の流入口20に向けて湾曲する凹弧面状の乱流促進板23が内設されている。この乱流促進板23は、前記溶解タンク13の内部11にて形成される乱流泡渦24の相、すなわちこの乱流泡渦24の高さおよび大きさがより長く形成される凹弧面状に形成されている。また、前記溶解タンク13は、この溶解タンク13の高さ寸法が、この溶解タンク13の内径寸法の約2倍以上、5倍以下となるように構成されている。
【0033】
次いで、前記噴出手段16は、前記液体12を加圧して前記溶解タンク13の流入口20から前記液体12を噴出させる、例えば渦流ポンプなどのポンプ25と、前記気体14を加圧して前記液体12が前記溶解タンク13の内部11に噴出される以前の状態で、前記液体12に前記気体14を攪拌混合させるコンプレッサ26とを備えている。
【0034】
そして、この噴出手段16は、前記ポンプ25にて加圧された前記液体12に、前記コンプレッサ26にて加圧された前記気体14を攪拌混合させて前記気液混合体15を形成し、この気液混合体15を前記溶解タンク13の流入口20から下方に向けて噴出させ、さらに、この溶解タンク13の内部11に滞留されている前記気液混合体15中に前記乱流泡渦24を発生させてこの溶解タンク13の内部11にて形成される気泡を微細化させて、例えば4mmから5mm程度の微細気泡27を形成し、この溶解タンク13の内部11に滞留されている前記液体12の略全体に前記微細気泡27が発生している状態を形成するように構成されている。
【0035】
ここで、前記微細気泡27は、前記溶解タンク13の内部11で前記乱流泡渦24にて、例えば蛙の卵のように、この微細気泡27が十分に満たされた状態となり、さらには、激しく乱流されている。
【0036】
また、前記流入口20は、前記溶解タンク13の内部11にて形成される前記乱流泡渦24の相がより長く形成されるように、この溶解タンク13の内径寸法および高さ寸法に対して、この溶解タンク13の流入口20から噴出される前記液体12の噴出流速と、この溶解タンク13の内部11における前記液体12の滞留時間とが適宜に調節されている。さらに、この流入口20は、前記液体12の噴出流速が約2.0m/s 以上となり、さらに、前記液体12の滞留時間が約5.0sec 以上、24.0sec 以下となるように設定されている。
【0037】
さらに、前記副溶解タンク19a ,19b は、この副溶解タンク19a ,19b の上方略中央部に位置するとともにこの副溶解タンク19a ,19b の下方に向けて開口形成された副流入口30a ,30b と、この副溶解タンク19a ,19b の下方側に位置する底部29a ,29b の略中央部に開口形成された副吐出口31a ,31b とを備えている。
【0038】
そして、この副溶解タンク19a ,19b の底部29a ,29b の略中央部には、中心からこの副溶解タンク19a ,19b の副流入口30a ,30b に向けて湾曲する凹弧面状の前記乱流促進板23が内設されている。また、この副溶解タンク19a ,19b は、図1に示すように、2基設置されており、一方の前記副溶解タンク19a の副流入口30a が前記溶解タンク13の吐出口22に接続され、他方の前記副溶解タンク19b の副流入口30b が前記一方の副溶解タンク19a の副吐出口31a に接続されている。
【0039】
そして、前記一方の副溶解タンク19a は、前記溶解タンク13にて前記液体12中に前記気体14が溶解された際における前記溶解液体17、および前記溶解タンク13にて前記液体12中に前記気体14を溶解されなかった前記残留気体18が、前記溶解タンク13の吐出口22から吐出されこの一方の副溶解タンク19a の副流入口30a に流入されるように構成されている。また、この一方の副溶解タンク19a は、この一方の副溶解タンク19a の内部32a に流入された前記溶解液体17に前記残留気体18が溶解されるように構成されている。
【0040】
また、前記他方の副溶解タンク19b は、前記一方の副溶解タンク19a にて前記溶解液体17に前記残留気体18が溶解された際における濃溶解液体33、および前記一方の副溶解タンク19a にて前記溶解液体17中に前記残留気体18を溶解されなかった希残留気体34が、前記一方の副溶解タンク19a の副吐出口31a から吐出されこの他方の副溶解タンク19b の副流入口30b に流入されるように構成されている。
【0041】
さらに、この他方の副溶解タンク19b は、この他方の副溶解タンク19b の内部32b に流入された前記濃溶解液体33に、前記希残留気体34が溶解されて高濃度溶解液体35が形成され、かつこの他方の副溶解タンク19b の内部32b に希薄残留気体36が残留排出するように構成されている。
【0042】
次に、上記実施の一形態における気液混合溶解装置の作用について説明する。
【0043】
まず、噴出手段16のポンプ25にて液体12が加圧されて溶解タンク13に送られる。このとき、液体12が溶解タンク13に送られる以前の状態で、噴出手段16のコンプレッサ26にて加圧された気体14が液体12に流入される。そしてこの状態で、液体12に気体14が攪拌混合されて気液混合体15が形成される。さらに、この気液混合体15が溶解タンク13の流入口20からこの溶解タンク13の内部11に下方に向けて噴出される。
【0044】
この気液混合体15が溶解タンク13に下方に向けて噴出されると、この溶解タンク13の内部11には、一定量の気液混合体15が滞留される。そして、溶解タンク13に滞留されている液体12中には、この溶解タンク13の内部11の略中央部で上方から下方に向けて流れ、さらに溶解タンク13の内部11の周辺部で下方から上方に向けて流れる乱流泡渦24が発生する。また、この溶解タンク13の内部11に滞留されている液体12中には、気体14が気泡として形成されており、この気泡14が微細化されて微細気泡27が形成される。
【0045】
さらに、この溶解タンク13の内部11には、この溶解タンク13の内部11に滞留されている液体12の略全体に微細気泡27が発生した状態が形成される。このとき、液体12に気体14が溶解されて溶解液体17が形成され、さらに液体12に溶解されなかった気体14が残留気体18となる。
【0046】
そして、この溶解液体17および残留気体18が溶解タンク13の吐出口22から流出され、一方の副溶解タンク19a の副流入口30a から下方に向けてこの一方の副溶解タンク19a の内部32a に流入される。
【0047】
このとき、この一方の副溶解タンク19a の内部32a では、溶解液体17および残留気体18が一定量滞留され、溶解タンク13の場合とほぼ同様に、乱流泡渦24が発生して残留気体18が気泡となり、さらにこの気泡が微細化されて微細気泡27が形成され、この一方の副溶解タンク19a の内部32a に滞留される溶解液体17の略全体に微細気泡27が発生した状態が形成される。また、この状態で溶解液体17に残留気体18が溶解されて濃溶解液体33が形成され、さらにこの溶解液体17に溶解されなかった残留気体18が希残留気体34となる。
【0048】
さらに、この濃溶解液体33および希残留気体34が一方の副溶解タンク19a の副吐出口31a から流出され、他方の副溶解タンク19b の副流入口30b から下方に向けてこの他方の副溶解タンク19b の内部32b に流入される。
【0049】
このとき、この他方の副溶解タンク19b の内部32b では、濃溶解液体33および希残留気体34が一定量滞留され、乱流泡渦24が発生して希残留気体34が気泡となり、さらにこの気泡が微細化されて微細気泡27が形成され、この他方の副溶解タンク19b の内部32b に滞留される濃溶解液体33の略全体に微細気泡27が発生した状態が形成される。またこの状態で、濃溶解液体33に希残留気体34が溶解されて高濃度溶解液体35が形成される。
【0050】
そして、この高濃度溶解液体35が他方の副溶解タンク19b の副吐出口31b から流出される。またこのとき、高濃度溶解液体35に溶解されなかった希薄残留気体36は外部に取り除かれる。
【0051】
上述したように、上記実施の一形態では、ポンプ25にて加圧された液体12に、コンプレッサ26にて加圧された気体14を流入させ、この液体12と気体14とを攪拌混合させ、気液混合体15を溶解タンク13の流入口20からこの溶解タンク13の内部11に噴出させると、この溶解タンク13の内部11では、気液混合体15が一定量滞留され、この気液混合体15中に乱流泡渦24が発生し、この溶解タンク13の内部11に滞留された液体12の略全体に微細気泡27が発生した状態が形成される。
【0052】
このため、液体12と気体14との攪拌混合性能が良いので、液体12と気体14との反応速度が良く、反応時間の短縮化が可能となるとともに、液体12に対する気体14の溶解比率を向上できる。よって、高濃度に液体12中に気体14が溶解した高濃度溶解液体35が製造できる。
【0053】
さらには、容量の小さい小型な溶解タンク13を用いることができるため、装置本体を小型に形成することができ、設置面積が削減できる。また、噴出手段16のポンプ25およびコンプレッサ26なども通常用いられるのもので足りるため、構成が簡略となり、省エネルギで済み、構成が簡単で陸上に設置するタイプであるため、メンテナンスが容易である。さらに、液体中に投げ込むタイプに比べると、装置本体が投げ込む深さなどに影響されないため、取り扱いが容易である。
【0054】
また、溶解タンク13にて液体12に気体14が溶解された溶解液体17および残留気体18が、この溶解タンク13の吐出口22から流出されて一方の副溶解タンク19a の副流入口30a から流入され、この一方の副溶解タンク19a にて溶解液体17に残留気体18が溶解された濃溶解液体33および希残留気体34が、この一方の副溶解タンク19a の副吐出口31a から流出されて他方の副溶解タンク19b の副流入口30b から流入され、さらに、この他方の副溶解タンク19b にて濃溶解液体33に希残留気体34が溶解された高濃度溶解液体35が、この他方の副溶解タンク19b の副吐出口31b から流出される。
【0055】
よって、液体12と気体14との接触面積及び接触時間がさらに十分に確保できるので、液体12に対する気体14の溶解比率をさらに向上できる。このため、高濃度に液体12中に気体14が溶解した高濃度溶解液体35がさらに容易に製造できる。
【0056】
そして、溶解タンク13および副溶解タンク19a ,19b には、乱流促進板23が内設されている。このため、溶解タンク13の内部11および副溶解タンク19a ,19b の内部32a ,32b にて形成される乱流泡渦24の相がより長く形成される。よって、溶解タンク13の内部11および副溶解タンク19a ,19b の内部32a ,32b における微細気泡27の攪拌作用を向上できるので、この溶解タンク13の内部11および副溶解タンク19a ,19b の内部32a ,32b における液体12に対する気体14の溶解比率を向上できるとともに、液体12に気体14が一定量溶解するために必要な溶解時間を短縮できる。
【0057】
さらに、内径寸法の約2倍以上、5倍以下の高さ寸法を有する溶解タンク13の内部11に噴出される気液混合体15中の液体12の噴出流速を約2.0m/s 以上とし、この溶解タンク13の内部11における液体12の滞留時間を約5.0sec 以上、24.0sec 以下と設定すると、溶解タンク13の内部11において、微細気泡27の浮力にてこの溶解タンク13の内部11に滞留されている液体12の液面に微細気泡27が浮上することなく、この微細気泡27が乱流する液体12中における範囲が狭くなることなく、かつこの溶解タンク13の内部11に必要以上の気体溜まりが形成されることなく、この溶解タンク13の内部11において乱流泡渦24が発生し液体12の略全体に微細気泡27が発生した状態が形成される。
【0058】
このため、溶解タンク13の内部11に滞留される液体12中に気体14が溶解する際における溶解比率をさらに向上できるとともに、一定量の液体12中に一定量の気体14が溶解するために必要な溶解時間をさらに短縮できる。よって、高濃度に液体12中に気体14が溶解された高濃度溶解液体35がさらに容易に製造できる。
【0059】
また、溶解タンク13の内径寸法および高さ寸法に対して、溶解タンク13の流入口20から噴出される気液混合体15中の液体12の流入量および噴出流速と、この溶解タンク13の内部11における液体12の流速とを適宜に調節すると、この溶解タンク13の内部11にて形成される乱流泡渦24の相がより長く形成される。
【0060】
このため、溶解タンク13の内部11に滞留される液体12に対する気体14の溶解比率を向上できるとともに、一定量の液体12に一定量の気体14が溶解するために必要な溶解時間を短縮できる。よって、高濃度に液体12に気体14が溶解した高濃度溶解液体35を容易に製造できる。
【0061】
なお、上記実施の一形態では、溶解タンク13および副溶解タンク19a ,19b に乱流促進板23が内設されているが、この乱流促進板23は、この乱流促進板23の下方に微細気泡27が十分に通過し、かつ溶解タンク13の吐出口22および副溶解タンク19a ,19b の副吐出口31a ,31b から微細気泡27が十分に流出される形状に形成されていることが望ましい。
【0062】
そして、上記のように乱流促進板23を形成することにより、溶解タンク13の内部11および副溶解タンク19a ,19b の内部11の上方に気体14による気体溜まりの形成が解消できる。
【0063】
また、溶解タンク13および副溶解タンク19a ,19b には乱流促進板23が内設されているが、このような構成に限定されることはなく、溶解タンク13の底部21および副溶解タンク19a ,19b の底部29a ,29b の形状を、乱流促進板23と同様の凹弧面状に形成することもできる。これにより、溶解タンク13の内部11および副溶解タンク19a ,19b の内部32a ,32b にて形成される乱流泡渦24および微細気泡27が効率良く形成されるため、液体12に対する気体14の溶解比率を向上できる。
【0064】
次に、本発明の気液混合溶解装置における他の実施の形態について図2を参照して説明する。
【0065】
この図2に示す気液混合溶解装置10は、内部11に液体12および気体14が滞留される直列多段式の略縦長円筒形状の溶解タンク13と、この溶解タンク13の内部11に前記気体14を流入させる気体流入手段40と、この溶解タンク13の内部11に前記液体12を噴出させる液体噴出手段41とを具備している。
【0066】
そして、前記溶解タンク13は、略中央部に流出口42が開口形成された略板状の仕切部43がこの溶解タンク13の内部11に、例えば2枚配設されており、この溶解タンク13の内部11が第1の層44、第2の層45および第3の層46を有する直列3段式に形成されている。また、この溶解タンク13は、この溶解タンク13の上方略中央部に液体流入口としての流入口20が開口形成されているとともに、この溶解タンク13の底部21の略中央部に吐出口22が開口形成されている。さらに、前記溶解タンク13は、この溶解タンク13の上方側の側方部に気体流入口47が開口形成されている。
【0067】
また、この溶解タンク13の第1の層44、第2の層45および第3の層46それぞれにおける下方略中央部には、中心からこの溶解タンク13の吐出口22に向けて拡開する、すなわち中心部が上方に向けて突出した、例えば円錐状の乱流促進板23が内設されている。そして、前記第3の層46の下方に配設されている前記乱流促進板23は、前記溶解タンク13の吐出口22から流出された前記気体14にて形成される気泡が、この気泡による浮力により再び前記第3の層46に戻り、この第3の層46の気体溜まりを増加させないように構成されている。
【0068】
さらに、前記第1の層44は、この第1の層44に流入される前記液体12および前記気体14を攪拌混合させる気液混合塔48として構成されている。また、前記第2の層45は、この第2の層45に流入される溶解液体17に残留気体18を溶解させる溶解塔13a として構成されている。そして、前記第3の層46は、この第3の層46に流入されて溶解された高濃度溶解液体35と、この第3の層にて残留している希薄残留気体36とを分離させる分離塔49として構成されている。
【0069】
また、前記気体流入手段40は、コンプレッサ26にて加圧された前記気体14を前記溶解タンク13の気体流入口47からこの溶解タンク13の第1の層44に流入させる ように構成されている。
【0070】
そして、前記液体噴出手段41は、ポンプ25にて加圧された前記液体12を前記溶解タンク13の流入口20からこの溶解タンク13の第1の層44に下方に向けて前記液 体12を噴出させるように構成されている。また、この液体噴出手段41は、前記溶解タンク13の第1の層44、第2の層45および第3の層46それぞれに滞留される前記液体12中に乱流泡渦24を発生させ、この溶解タンク13の第1の層44、第2の層45および第3の層46それぞれにて形成される前記気体14による気泡を微細化させ、さらに、この溶解タンク13の第1の層44、第2の層45および第3の層46それぞれに滞留される前記液体12の略全体に微細化された微細気泡27が発生した状態を形成し、前記気体14を前記液体12に溶解させ高濃度溶解液体35が形成されるように構成されている。
【0071】
ここで、上記に示す気液混合溶解装置10における構成以外については、図1に示す気液混合溶解装置10と同一であるため、その説明を省略する。
【0072】
次に、上記気液混合溶解装置における作用について説明する。
【0073】
まず、気体流入手段40のコンプレッサ26にて気体14を加圧して溶解タンク13の気体流入口47からこの溶解タンク13の第1の層44に気体14が流入されるとともに、液体噴出手段41のポンプ25にて液体12が加圧されて溶解タンク13の流入口20からこの溶解タンク13の第1の層44に液体12が下方に向けて噴出される。
【0074】
このとき、溶解タンク13の第1の層44では、液体12と気体14とが攪拌混合されて気液混合体15が形成され、この気液混合体15が一定量滞留される。また、溶解タンク13の第1の層44に滞留されている液体12中には、乱流泡渦24が発生して液体12中における気泡が微細化されて微細気泡27が形成され、この微細気泡27が液体12の略全体に発生した状態が形成される。この状態で、液体12に気体14が溶解されて溶解液体17が形成されるとともに、液体12に溶解されなかった気体14が残留気体18となる。
【0075】
そして、溶解液体17および残留気体18が第1の層44の下方に配設されている仕切部43の流出口42から溶解タンク13の第2の層45に流入される。
【0076】
このとき、この第2の層45では、溶解液体17および残留気体18が攪拌混合されて一定量滞留される。また、この第2の層45に滞留される溶解液体17中には、乱流泡渦24が発生し、気泡が微細化されて微細気泡27が形成され、この微細気泡27が溶解液体17の略全体に発生した状態が形成される。
【0077】
この状態で、溶解液体17に残留気体18が溶解されて濃溶解液体33が形成されるとともに、溶解液体17に溶解されなかった残留気体18が希残留気体34となる。
【0078】
次いで、濃溶解液体33および希残留気体34が第2の層45の下方に配設されている仕切部43の流出口42から溶解タンク13の第3の層46に流入される。
【0079】
このとき、この第3の層46では、濃溶解液体33および希残留気体34が攪拌混合されて一定量滞留される。また、この第3の層46に滞留される濃溶解液体33中には、乱流泡渦24が発生し、気泡が微細化されて微細気泡27が形成され、この微細気泡27が濃溶解液体33の略全体に発生した状態が形成される。
【0080】
この状態で、濃溶解液体33に希残留気体34が溶解されて高濃度溶解液体35が形成され、かつこの高濃度溶解液体35に溶解されなかった気体14が希薄残留気体36となる。
【0081】
さらに、高濃度溶解液体35が第3の層46の下方に配設されている仕切部43の流出口42から流出され、さらに溶解タンク13の吐出口22から流出されて、この高濃度溶解液体35が取得される。
【0082】
上述したように、上記実施の形態では、気体流入手段40のコンプレッサ26にて加圧された気体14を溶解タンク13の気体流入口47から第1の層44に流入させるとともに、液体噴出手段41のポンプ25にて加圧された液体12を溶解タンク13の流入口20から下方に向けて噴出させると、この溶解タンク13の吐出口22から高濃度溶解液体35が吐出されるように構成されている。このため、図1に示す気液混合溶解装置10と同様の作用効果を有する。
【0083】
また、溶解タンク13が仕切部43にて直列多段式に形成されているため、液体12と気体14との接触面積及び接触時間がさらに十分に確保できる。よって、液体12に対する気体14の溶解比率をさらに向上できるとともに、一定量の液体12に一定量の気体14を溶解させるために必要な溶解時間を短縮できる。
【0084】
このため、高濃度に液体12中に気体14が溶解した高濃度溶解液体35をさらに容易に製造できる。さらに、液体12に対する気体14の溶解比率をさらに向上できるため、容量の小さい小型な溶解タンク13を用いることができ、装置本体をさらに小型に成形できる。
【0085】
なお、上記実施の形態では、溶解タンク13の第1の層44、第2の層45および第3の層46それぞれの下方略中央部に、円錐状の乱流促進板23が内設されているが、このような構成に限定されることはなく、仕切部43および溶解タンク13の底部21の形状を凹弧面状に形成することにより、溶解タンク13の第1の層44、第2の層45および第3の層46にて形成される乱流泡渦24の相をより長く形成することができる。このため、乱流促進板23を内設した場合に比べると、効率は良くないが、液体12に対する気体14の溶解比率を向上できる。
【0086】
さらに、乱流促進板23が円錐状に形成されている構成について説明したが、このような構成に限定されることはなく、溶解タンク13に内設された状態で、中心からこの溶解タンク13の吐出口22に向けて拡開する形状であればどのような形状であっても、上記実施の形態と同様の効果を有する。よって、乱流促進板23は、例えば、角錐状、円錐台状、角錐台状、および、これらが段階的に拡開された形状であってもよい。
【0087】
また、溶解タンク13の内部11には、2枚の仕切部43が配設され第1の層44、第2の層45および第3の層46を有する直列三段式に形成されているが、このような構成に限定されることはなく、少なくとも1枚以上の仕切部43が配設されて溶解タンク13の内部11が直列多段式に形成されている構成であればよい。例えば、溶解タンク13の内部11に4枚の仕切部43が配設され第1の層44、第2の層45、第3の層46、第4の層50および第5の層51を有する直列5段式に形成することもできる。そして、このように構成することにより、さらに液体12に対する気体14の溶解比率をさらに向上できる。
【0088】
【実施例】
以下、本発明の気液混合溶解装置における実施例について図3を参照して説明する。
【0089】
この図3に示す気液混合溶解装置10は、底部21に乱流促進板23が内設されていない直列多段式の溶解タンク13が用いられている。また、この気液混合溶解装置10は、内径寸法φ100mmの溶解タンク13の流入口20から気液混合体15を気液混合比率10%、すなわち、ポンプ25にて液体12(水)が21.0l/min で噴出されるとともに、コンプレッサ26にて気体14(空気)が2.1Nl/minで流入され、かつ溶解タンク13の内部11が0.4MPaに加圧されるように構成されている。
【0090】
そして、図3(a)に示すように、溶解タンク13の流入口20が内径寸法3/8B、すなわちφ12mm程度に形成され、この溶解タンク13における溶解塔13a としての第1の層44の高さ寸法は880mmで、分離塔49としての第2の層45の高さ寸法は440mmであり、かつ第1の層44と第2の層45との間に配設された仕切部43に内径寸法φ4.0mmの流出口42が9つ開口されている気液混合溶解装置10に、液温25.5℃の液体12を噴出させた場合には、1.0lの溶解液体17中からのにおける気体14の溶解量が54.0ml/lであった。よって、上記条件下における溶解比率は、81.3%となる。
【0091】
また、図3(b)に示すように、溶解タンク13の流入口20が内径寸法3/8B、すなわちφ12mm程度に形成され、この溶解タンク13における溶解塔13a としての第1の層44の高さ寸法は440mmで、溶解塔13a としての第2の層45の高さ寸法は440mmで、分離塔49としての第3の層46の高さ寸法は440mmであり、第1の層44と第2の層45との間に配設された仕切部43に内径寸法φ12.0mmの流出口42が1つ開口され、かつ第2の層45と第3の層46との間に配設された仕切部43に内径寸法φ4.0mmの流出口42が9つ開口されている気液混合溶解装置10に、液温25.0℃の液体12を噴出させた場合には、1.0lの濃溶解液体33中における気体14の溶解量が63.5ml/lであった。よって、上記条件下における溶解比率は、95.1%となる。
【0092】
さらに、図3(c)に示すように、溶解タンク13の流入口20が内径寸法3/8B、すなわちφ12mm程度に形成され、この溶解タンク13における溶解塔13a としての第1の層44の高さ寸法は440mmで、溶解塔13a としての第2の層45の高さ寸法は440mmで、分離塔49としての第3の層46の高さ寸法は440mmであり、第1の層44と第2の層45との間に配設された仕切部43および第2の層45と第3の層46との間に配設された仕切部43に内径寸法φ4.0mmの流出口42がそれぞれ9つ開口されている気液混合溶解装置10に、液温25.5℃の液体12を噴出させた場合には、1.0lの濃溶解液体33中における気体14の溶解量が61.0ml/lであった。よって、上記条件下における溶解比率は、91.9%となる。
【0093】
そして、図3(d)に示すように、溶解タンク13の流入口20が内径寸法1/2B、すなわちφ16mm程度に形成され、この溶解タンク13における気液混合塔48としての第1の層44の高さ寸法は90mmで、溶解塔13a としての第2の層45の高さ寸法は150mmで、溶解塔13a としての第3の層46の高さ寸法は220mmで、分離塔49としての第4の層50の高さ寸法は440mmであり、第1の層44と第2の層45との間に配設された仕切部43および第3の層46と第4の層50との間に配設された仕切部43に内径寸法φ4.0mmの流出口42がそれぞれ9つ開口され、かつ第2の層45と第3の層46との間に配設された仕切部43に内径寸法φ10.5mmの流出口42が1つ開口されている気液混合溶解装置10に、液温22.5℃の液体12を噴出させた場合には、1.0lの濃溶解液体33中における気体14の溶解量が48.5ml/lであった。よって、上記条件下における溶解比率は、68.9%となる。
【0094】
さらに、図3(e)に示すように、溶解タンク13の流入口20が内径寸法3/8B、すなわちφ12mm程度に形成され、この溶解タンク13における溶解塔13a としての第1の層44の高さ寸法は220mmで、溶解塔13a としての第2の層45の高さ寸法は320mmで、溶解塔13a としての第3の層46の高さ寸法は440mmで、分離塔49としての第4の層50の高さ寸法は440mmであり、第1の層44と第2の層45との間に配設された仕切部43および第2の層45と第3の層46との間に配設された仕切部43に内径寸法φ12.0mmの流出口42がそれぞれ1つ開口され、かつ第3の層46と第4の層50との間に配設された仕切部43に内径寸法φ4.0mmの流出口42が9つ開口されている気液混合溶解装置10に、液温26.0℃の液体12を噴出させた場合には、1.0lの高濃度溶解液体35中における気体14の溶解量が64.0ml/lであった。よって、上記条件下における溶解比率は、97.6%となる。
【0095】
上述したように、上記実施例では、仕切部43にて溶解タンク13の内部11をより直列多段式に形成することにより、液体12に対する気体14の溶解比率を向上させることができる。また、溶解タンク13の内部11に形成されている溶解塔13a としての各層は、適度な高さ寸法を有するように設けることによって溶解比率を向上できる。
【0096】
次に、本発明の気液混合溶解装置における他の実施例について図4を参照して説明する。
【0097】
この図4に示す気液混合溶解装置10は、底部21に乱流促進板23が内設されている直列多段式の溶解タンク13が用いられている。また、この気液混合溶解装置10は、図3と同様に、内径寸法φ100mmの溶解タンク13の流入口20から気液混合体15を気液混合比率10%、すなわち、ポンプ25にて液体12(水)が21.0l/min で噴出されるとともに、コンプレッサ26にて気体14(空気)が2.1Nl/minで流入され、かつ溶解タンク13の内部11が0.4MPaに加圧されるように構成されている。
【0098】
そして、図4(a)に示すように、溶解タンク13の流入口20が内径寸法1/2B、すなわちφ16mm程度に形成され、この溶解タンク13における気液混合塔48としての第1の層44の高さ寸法は90mmで、溶解塔13a としての第2の層45の高さ寸法は150mmで、溶解塔13a としての第3の層46の高さ寸法は320mmで、分離塔49としての第4の層50の高さ寸法は440mmであり、第1の層44と第2の層45との間に配設された仕切部43および第3の層46と第4の層50との間に配設された仕切部43に内径寸法φ4.0mmの流出口42が9つ開口され、第2の層45と第3の層46との間に配設された仕切部43に内径寸法φ12.0mmの流出口42が1つ開口され、かつ第2の層45と第3の層46との間および第3の層46と第4の層50との間それぞれに乱流促進板23が配設されている気液混合溶解装置10に、液温27.0℃の液体12を噴出させた場合には、1.0lの濃溶解液体33中における気体14の溶解量が63.5ml/lであった。よって、上記条件下における溶解比率は、98.0%となる。
【0099】
また、図4(b)に示すように、溶解タンク13の流入口20が内径寸法1/2B、すなわちφ16mm程度に形成され、この溶解タンク13における気液混合塔48としての第1の層44の高さ寸法は90mmで、溶解塔13a としての第2の層45の高さ寸法は150mmで、溶解塔13a としての第3の層46の高さ寸法は220mmで、分離塔49としての第4の層50の高さ寸法は440mmであり、第1の層44と第2の層45との間に配設された仕切部43および第3の層46と第4の層50との間に配設された仕切部43に内径寸法φ4.0mmの流出口42が9つ開口され、第2の層45と第3の層46との間に配設された仕切部43に内径寸法φ10.5mmの流出口42が1つ開口され、かつ第2の層45と第3の層46との間および第3の層46と第4の層50との間それぞれに乱流促進板23が配設されている気液混合溶解装置10に、液温22.0℃の液体12を噴出させた場合には、1.0lの濃溶解液体33中における気体14の溶解量が64.0ml/lであった。よって、上記条件下における溶解比率は、90.4%となる。
【0100】
さらに、図4(c)に示すように、溶解タンク13の流入口20が内径寸法1/2B、すなわちφ16mm程度に形成され、この溶解タンク13における気液混合塔48としての第1の層44の高さ寸法は90mmで、溶解塔13a としての第2の層45の高さ寸法は250mmで、溶解塔13a としての第3の層46の高さ寸法は220mmで、分離塔49としての第4の層50の高さ寸法は440mmであり、第1の層44と第2の層45との間に配設された仕切部43および第2の層45と第3の層46との間に配設された仕切部43に内径寸法φ10.5mmの流出口42が1つ開口され、第3の層46と第4の層50との間に配設された仕切部43に内径寸法φ4.0mmの流出口42が9つ開口され、かつ第2の層45と第3の層46との間および第3の層46と第4の層50との間それぞれに乱流促進板23が配設されている気液混合溶解装置10に、液温23.0℃の液体12を噴出させた場合には、1.0lの濃溶解液体33中における気体14の溶解量が65.0ml/lであった。よって、上記条件下における溶解比率は、93.9%となる。
【0101】
そして、図4(d)に示すように、溶解タンク13の流入口20が内径寸法1/2B、すなわちφ16mm程度に形成され、この溶解タンク13における気液混合塔48としての第1の層44の高さ寸法は90mmで、溶解塔13a としての第2の層45の高さ寸法は150mmで、溶解塔13a としての第3の層46の高さ寸法は320mmで、溶解塔13a としての第4の層50の高さ寸法および分離塔49としての第5の層51の高さ寸法は440mmであり、第1の層44と第2の層45との間に配設された仕切部43および第4の層50と第5の層51との間に配設された仕切部43に内径寸法φ4.0mmの流出口42がそれぞれ9つ開口され、第2の層45と第3の層46との間に配設された仕切部43および第3の層46と第4の層50との間に配設された仕切部43に内径寸法φ10.5mmの流出口42がそれぞれ1つ開口され、かつ第2の層45と第3の層46との間および第3の層46と第4の層50との間それぞれに乱流促進板23が配設されている気液混合溶解装置10に、液温26.5℃の液体12を噴出させた場合には、1.0lの高濃度溶解液体35中における気体14の溶解量が65.5ml/lであった。よって、上記条件下における溶解比率は、99.8%となる。
【0102】
上述したように、上記実施例では、溶解タンク13の内部11の各溶解塔13a に乱流促進板23をそれぞれ配設することにより溶解比率を向上できる。
【0103】
次に、本発明の気液混合溶解装置におけるさらに他の実施例について表3を参照して説明する。
【0104】
【表3】
Figure 0004558868
この実施例における気液混合溶解装置10は、溶解タンク13および2基の副溶解タンク19a ,19b それぞれに乱流促進板23が内設され、溶解タンク13の吐出口22に一方の副溶解タンク19a の副流入口30a が接続され、かつこの一方の溶解タンク19a の副吐出口31a に他方の副溶解タンク19b の副流入口30b が接続されている。また、この気液混合溶解装置10は、表3に示すように、溶解タンク13および2基の副溶解タンク19a ,19b の内部容量が3.5lであり、これら溶解タンク13および2基の副溶解タンク19a ,19b の内部がそれぞれ0.5min に亘り4.0気圧に加圧され、かつポンプ25にて液体12(水)が23.0l/min で噴出されるように構成されている。
【0105】
そして、コンプレッサ26にて気体14(空気)が、2.3Nl/minで液温24.5℃の液体12に流入され、気液混合比率10%の気液混合体15が溶解タンク13の流入口20から噴出される場合には、1.0lの高濃度溶解液体35中からの気体14の抽出量が62.0ml/lであった。よって、上記条件下における液体12に対する気体14の溶解比率は、91.7%となる。
【0106】
また、コンプレッサ26にて気体14(空気)が、4.7Nl/minで液温24.5℃の液体12に流入され、気液混合比率20%の気液混合体15が溶解タンク13の流入口20から噴出される場合には、1.0lの高濃度溶解液体35中からの気体14の抽出量が64.0ml/lであった。よって、上記条件下における液体12に対する気体14の溶解比率は、94.7%となる。
【0107】
さらに、コンプレッサ26にて気体14(空気)が、6.9Nl/minで液温25.0℃の液体12に流入され、気液混合比率30%の気液混合体15が溶解タンク13の流入口20から噴出される場合には、1.0lの高濃度溶解液体35中からの気体14の抽出量が63.5ml/lであった。よって、上記条件下における液体12に対する気体14の溶解比率は、95.1%となる。
【0108】
上述したように、上記実施例では、液体12に対する気体14の気液混合比率を増加させることにより溶解比率を向上できる。
【0109】
次に、本発明の気液混合溶解装置におけるさらに他の実施例について図5を参照して説明する。
【0110】
【表4】
Figure 0004558868
まず、表4は、気液混合溶解装置10に、透明な材質にて成形された溶解タンク13が用いられており、この溶解タンク13の内径寸法および内部容量と、この溶解タンク13の流入口20から噴出される液体12(水)の流量と、この流入口20の内径寸法とを適宜に調節した際における液体12に対する気体14(空気)の飽和溶解量に対する測定溶解量値比率、すなわち溶解比率を測定したものである。
【0111】
また、この表4には、内部容量が3.7lであり、かつ径寸法が100A、すなわち内径寸法が100mm、高さ寸法が450mm、または、内部容量が7.8lであり、かつ径寸法が150A、すなわち内径寸法が110mm、高さ寸法が450mmである溶解タンク13の流入口20の噴出ノズル径を、それぞれ10Aすなわち内径12.7mm、15Aすなわち内径16.1mm、20Aすなわち内径21.6mm、および25Aすなわち内径27.6mmとした場合に対して、この流入口20から噴出される液体12の流量を、それぞれ20l/min 、30l/min 、40l/min 、50l/min 、60l/min 、および70l/min とした場合の溶解比率がそれぞれ測定されている。
【0112】
したがって、この気液混合溶解装置10では、溶解タンク13の内部11における液体12の滞留時間が短い場合には、この溶解タンク13の内部11にて形成される微細気泡27が激しく乱舞する攪拌混合時間が短いので、溶解比率が低下してしまう。
【0113】
また、溶解タンク13の内部11における液体12の滞留時間が長すぎる場合には、この溶解タンク13の内部11での液体12の流速が遅すぎるので、微細気泡27が液体12に巻き込まれて吐出口22から吐出されにくい。このため、溶解タンク13の内部11の微細気泡27は、浮力によりこの溶解タンク13の上部に気体14として滞留されてしまい、この微細気泡27が乱舞する領域が狭くなってしまう。よって、溶解比率が低下してしまう。
【0114】
さらに、溶解タンク13の流入口20から噴出される液体12の流量が適度に多い場合には、溶解タンク13の内部5に滞留されている液体12の水面よりさらに深い位置まで微細気泡27が噴入するので、この微細気泡27が液体12中を乱舞する領域が広くなり、溶解比率が向上する。
【0115】
また、溶解タンク13の流入口20から噴出される液体12の流量が適度に少ない場合には、溶解タンク13の内部11に滞留されている液体12の水面より浅い位置までしか微細気泡27が噴入しないので、この微細気泡27が液体12中を乱舞する領域が狭くなってしまい、溶解比率が低下してしまう。
【0116】
よって、溶解タンク13の内部11に滞留されている液体12全域で微細気泡27が激しく乱舞する状態となるように設定することによって、溶解比率を向上できる。
【0117】
【表5】
Figure 0004558868
次いで、表5は、溶解タンク13の内径寸法および内部容量と、流入口20からの液体12の流量と、この流入口20の内径寸法とを表4の場合と同様に変更し、溶解タンク13の内部11における液体12の滞留時間を測定したもの、すなわち表4から液体12の滞留時間を計算したものである。
【0118】
したがって、表4と表5を対比することにより、溶解比率が70%以上となる場合における液体12の滞留時間は、5.6sec 以上、23.4sec 以下であることが理解できる。
【0119】
また、液体12の滞留時間が5.6sec 以下となると、溶解比率が低下するとともに、23.4sec 以上となった場合にも、溶解比率が低下するので、液体12の滞留時間の下限および上限は、有効数字を考慮することにより、5.0sec 以上、24.0sec 以下となる。
【0120】
ここで、液体12の滞留時間が5.6sec から23.4sec までの範囲内であっても、流入口20の噴出ノズル径が、20Aおよび25Aである場合には、溶解タンク13の内部11に噴入する際の液体12の流速が遅くなりすぎてしまうため、溶解タンク13の内部11に滞留している液体12に対する微細気泡27の乱舞領域が低下してしまい、溶解比率が低下してしまう。
【0121】
【表6】
Figure 0004558868
さらに、表6は、表4および表5の場合と同様に、溶解タンク13の内径寸法および内部容量と、流入口20からの液体12の流量と、この流入口20の内径寸法とを変更し、流入口20から噴出される液体12の噴出流速を測定したもの、すなわち表4から液体12の噴出流速を計算したものである。
【0122】
したがって、表4と表6とを対比することにより、溶解比率が70%以上となる場合の流入口20における液体12の噴出流速は、内部容量3.7l、径寸法100Aの溶解タンク13の場合で、2.51m/s 以上、5.01m/s 以下となるとともに、内部容量7.8l、径寸法150Aの溶解タンク13の場合で、2.51m/s 以上、5.80m/s 以下となることが理解できる。
【0123】
ここで、噴出流速を2.51m/s 以下とした場合には、溶解比率が70%以下となってしまうが、この噴出流速を2.51m/s 以上と設定した場合であっても、表5に示す滞留時間が5.6sec 以下である場合には、溶解比率が低くなってしまう。
【0124】
【表7】
Figure 0004558868
【表8】
Figure 0004558868
【表9】
Figure 0004558868
【表10】
Figure 0004558868
【表11】
Figure 0004558868
【表12】
Figure 0004558868
【表13】
Figure 0004558868
【表14】
Figure 0004558868
さらに、図5に示す気液混合溶解装置10を用いて、溶解タンク13の流入口20での圧力損失を測定した場合には、表7ないし表14に示すように、噴出流速を高めることにより、溶解タンク13に対する流入口20の接合部における圧力損失が増加する。このため、過大に噴出流速を高めることは、液体12を噴出するポンプ25の動力が過大になるおそれがあるので、噴出流速を必要最小限に留めて設定する必要がある。
【0125】
よって、液体12の噴出流速が2.51m/s 以下となった場合には、溶解比率が70%以下となるので、液体12の適正滞留時間、および、有効数字を考慮すると、液体12の適正噴出流速は、液体12の滞留時間が5.0sec 以上、24.0sec 以下である場合において、2.0m/s 以上となる。
【0126】
さらに、内部容量が3.7lであり、かつ径寸法100A、高さ寸法450mmの溶解タンク13は、内径寸法×4.5倍の高さ寸法を有するとともに、内部容量が7.8lであり、かつ径寸法150A、高さ寸法が450mmである溶解タンク13は、内径寸法×4.1倍の高さ寸法を有する。
【0127】
このため、溶解タンク13の内部11に滞留された液体12中での微細気泡27の激しい攪拌乱流状態を長時間確保することにより、溶解比率を向上できる。よって、溶解タンク13の高さ寸法は、この溶解タンク13の内部容量、すなわちこの溶解タンク13の内部11における液体12および気体14の滞留時間と相関関係があるので、この溶解タンク13の高さ寸法は、この溶解タンク13の製作コスト、および有効数字等を考慮して、内径寸法の3倍以上、5倍以下の高さ寸法を範囲とし、溶解タンク13の内部11の液体12の滞留時間を勘案して設定される。
【0128】
【発明の効果】
請求項1記載の気液混合溶解装置によれば、溶解タンクの内部に滞留される液体の略全体に微細気泡が発生した状態が形成されるため、液体と気体との接触面積及び接触時間が十分に確保でき液体に対する気体の溶解比率を向上できるとともに、液体に対する気体の溶解時間を短縮できるので、高濃度に液体中に気体が溶解した溶解液体が製造でき、さらには、容量の小さい小型な溶解タンクを用いることができるので、装置本体を小型化できる。
【0129】
さらに、内径寸法の2倍以上5倍以下の高さ寸法を有する溶解タンクの流入口から下方に向けて、前記溶解タンクの内部に噴出される前記気液混合体中の液体の噴出流速を約2.0m/s 以上とし、この溶解タンクの内部における液体の滞留時間を5.0sec 以上、24.0sec 以下と設定することにより、溶解タンクの内部に滞留される液体中に気体が溶解する際の溶解比率を向上できるとともに、一定量の液体中に一定量の気体が溶解するために必要な溶解時間を短縮できるので、高濃度に液体中に気体が溶解された溶解液体を容易に製造できる。
【0130】
請求項2記載の気液混合溶解装置によれば、溶解タンクの内部に滞留される液体の略全体に、液体流入手段により流入された気体による微細気泡が発生した状態が形成されるので、液体と気体との接触面積及び接触時間が十分に確保でき液体に対する気体の溶解比率を向上できるとともに、液体に対する気体の溶解時間を短縮できるため、高濃度に液体中に気体が溶解した溶解液体が容易に製造でき、さらには、容量の小さい小型な溶解タンクを用いることができるため、装置本体を小型化できる。
【0131】
さらに、内径寸法の2倍以上5倍以下の高さ寸法を有する溶解タンクの液体流入口から下方に向けて、液体を2.0m/s 以上の噴出流速で噴出させ、この溶解タンクの内部における液体の滞留時間を5.0sec 以上、24.0sec 以下と設定することにより、溶解タンクの内部に滞留される液体中に気体が溶解する際の溶解比率を向上できるとともに、一定量の液体中に一定量の気体が溶解するために必要な溶解時間を短縮できるので、高濃度に液体中に気体が溶解された溶解液体を容易に製造できる。
【0132】
請求項3記載の気液混合溶解装置によれば、請求項1または2記載の気液混合溶解装置の効果に加え、溶解タンクを仕切部にて直列多段式に形成することにより、液体と気体との接触面積及び接触時間をさらに十分に確保できるので、液体に対する気体の溶解比率をさらに向上できるとともに、液体に気体を一定量溶解させるために必要な溶解時間を短縮でき、高濃度に液体中に気体が溶解した溶解液体をさらに容易に製造でき、また、液体に対する気体の溶解比率をさらに向上できるので、容量の小さい小型な溶解タンクを用いることができ、装置本体を小型に成形できる。
【0133】
求項記載の気液混合溶解装置によれば、請求項1ないしいずれかに記載の気液混合溶解装置の効果に加え、乱流促進板を溶解タンクの底部の略中央部に内設することにより、溶解タンクの内部における液体中の微細気泡の攪拌作用を向上できるので、溶解タンクの内部における液体に対する気体の溶解比率をさらに向上できるとともに、溶解タンクの内部における液体に、気体が一定量溶解するために必要な溶解時間を短縮できる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の気液混合溶解装置における実施の一形態を示す一部を切り欠いた説明図である。
【図2】 本発明の気液混合溶解装置における他の実施の形態を示す一部を切り欠いた説明図である。
【図3】 同上気液混合溶解装置の溶解タンクに乱流促進板を内設しない場合における実施例を示す説明図である。
(a)分離塔を有する直列二段式の溶解タンクにおける実施例を示す説明図
(b)分離塔を有する直列三段式の溶解タンクにおける実施例を示す説明図
(c)分離塔を有する直列三段式の溶解タンクにおける実施例を示す説明図
(d)気液混合塔および分離塔を有する直列四段式の溶解タンクにおける実施例を示す説明図
(e)分離塔を有する直列四段式の溶解タンクにおける実施例を示す説明図
【図4】 同上気液混合溶解装置の溶解タンクに乱流促進板を内設した場合における実施例を示す平説明図である。
(a)気液混合塔および分離塔を有する直列四段式の溶解タンクにおける実施例を示す説明図
(b)気液混合塔および分離塔を有する直列四段式の溶解タンクにおける実施例を示す説明図
(c)気液混合塔および分離塔を有する直列四段式の溶解タンクにおける実施例を示す説明図
(d)気液混合塔および分離塔を有する直列五段式の溶解タンクにおける実施例を示す説明図
【図5】 本発明の気液混合溶解装置におけるさらに他の実施の形態を示す説明図である。
【図6】 従来の気液混合溶解装置を示す説明図である。
【図7】 従来の他の気液混合溶解装置を示す説明図である。
【符号の説明】
10 気液混合溶解装置
11 内部
12 液体
13 溶解タンク
14 気体
15 気液混合体
16 噴出手
20 流入口としての液体流入口
21 溶解タンク13の底部
22 吐出口
23 乱流促進板
24 乱流泡渦
25 ポンプ
27 微細気
40 気体流入手段
41 液体噴出手段
42 流出口
43 仕切部
47 気体流入口

Claims (4)

  1. 上方略中央部に形成された流入口、および下方側に形成された吐出口を備え、内径寸法の2倍以上5倍以下の高さ寸法を有する略円筒形の溶解タンクと、
    液体を加圧するポンプを備え、前記液体が前記溶解タンクの内部に噴出される前に前記液体に気体を混合させて気液混合体とし、前記溶解タンクの流入口から下方に向けて前記溶解タンクの内部に噴出される前記気液混合体中の液体の噴出流速を約2.0m/s 以上とし、前記溶解タンクの内部における前記液体の滞留時間を5.0sec 以上、24.0sec 以下とする噴出手段とを具備し、
    前記溶解タンクは、前記噴出手段のポンプによる前記流入口からの前記気液混合体の下方への噴出によって、この溶解タンクの内部に前記気液混合体を滞留させ、この溶解タンクの内部に乱流泡渦の相を発生させてこの溶解タンクの内部にて形成される気泡を微細化させ、この溶解タンクの内部に滞留される前記液体の略全体に微細化された微細気泡が発生した状態を形成し、前記気体を前記液体に溶解させて溶解液体を形成させ、この溶解液体を、前記液体に溶解されなかった残留気体とともに前記吐出口から吐出させる
    ことを特徴とした気液混合溶解装置。
  2. 上方略中央部に形成された液体流入口、下方側に形成された吐出口、および上方側に形成された気体流入口を備え、内径寸法の2倍以上5倍以下の高さ寸法を有する略円筒状の溶解タンクと、
    前記溶解タンクの気体流入口から気体をこの溶解タンクの内部に流入させる気体流入手段と、
    液体を加圧するポンプを備え、前記溶解タンクの液体流入口から下方に向けて、前記液体を2.0m/s 以上の噴出流速で噴出させて、前記溶解タンクの内部における前記液体の滞留時間を5.0sec 以上、24.0sec 以下とする液体噴出手段とを具備し、
    前記溶解タンクは、前記気体流入手段による前記気体流入口からの前記気体の流入、および前記液体噴出手段のポンプによる前記液体流入口からの前記液体の下方への噴出によって、この溶解タンクの内部に前記気体および前記液体を滞留させ、この溶解タンクの内部に乱流泡渦の相を発生させてこの溶解タンクの内部にて形成される気泡を微細化させ、この溶解タンクに滞留される前記液体の略全体に微細化された微細気泡が発生した状態を形成し、前記気体を前記液体に溶解させて溶解液体を形成させ、この溶解液体を、前記液体に溶解されなかった残留気体とともに前記吐出口から吐出させる
    ことを特徴とした気液混合溶解装置。
  3. 略中央部に流出口が少なくとも一つ以上開口形成された略板状の仕切部を溶解タンクの内部に少なくとも一つ以上配設し、この溶解タンクの内部を直列多段式に形成する
    ことを特徴とした請求項1または2記載の気液混合溶解装置。
  4. 溶解タンクの底部の略中央部には、乱流促進板が内設されている
    ことを特徴とした請求項1ないし3いずれかに記載の気液混合溶解装置。
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