JP4555215B2 - ガラス繊維用集束剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ウレタンプレポリマーを乳化剤の存在下で水中に分散させ、水又はポリアミンで鎖伸長させてなるポリウレタンウレア樹脂の水性分散体からなるガラス繊維用集束剤に関する。
ガラス繊維は本質的に脆く、摩擦などの衝撃により傷がつくと簡単に切れる。このため、ガラス繊維の製造工程における巻返、撚糸、管巻、製織の際に摩擦からガラス繊維を保護し、毛羽発生、糸切れ等を防ぐために、従来より各種のガラス繊維用集束剤が使用されている。従来、ガラス繊維用集束剤としては、でんぷん、加工でんぷん、デキストリン、アミロースなどのでんぷん類、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリルアミド−酢酸ビニル共重合体、水性ポリウレタン樹脂(例えば特許文献−1)などの合成高分子化合物が用いられてきたが、形成する乾燥皮膜が硬く脆いため、ガラス繊維の毛羽発生を充分抑えているとは言えなかった。
一方、特定の乳化剤を組み合わせてウレタンプレポリマーを水中に分散させたガラス繊維の集束剤が提案されている(特許文献−2参照)。
また、ポリウレタンウレア樹脂水性分散体と特定の水溶性高分子化合物とを含有するガラス繊維用集束剤が提案されている(特許文献−3参照)。
特公昭52−6393号公報 特開平11−236248号公報 特開2001−19496号公報
しかしながら、これら(特許文献−2,3)は、ガラス繊維の毛羽発生を抑えられているが、形成する樹脂皮膜とマトリックス樹脂との相溶性が悪く、ガラス繊維強化プラスチックの物性が充分とは言えず、耐衝撃性が不足しているという問題があった。
本発明者らは、上記問題点を解決するため種々検討を重ねた結果、特定の官能基を持たせたポリウレタンウレア樹脂の水性分散体を用いたガラス繊維用集束剤を付与して得られるガラス繊維を用いて作成したガラス繊維強化プラスチックは耐衝撃性にすぐれることをみいだし、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリウレタンウレア樹脂(U)の水性分散体を含有するガラス繊維用集束剤であって、ポリウレタンウレア樹脂(U)が下記の(1)〜(3)の全てを満たすことを特徴とするガラス繊維用集束剤である。
(1):ポリウレタンウレア樹脂(U)の製造に使用される末端イソシアネート基ウレタンプレポリマー(A)が、数平均分子量500〜4,000のポリオール(A1)、カルボキシル基またはエポキシ基を有する数平均分子量100以上500未満のポリオール(A2)、およびポリイソシアネート(A3)を反応させて得られる末端イソシアネート基ウレタンプレポリマーである。
(2):ポリウレタンウレア樹脂(U)が、末端イソシアネート基ウレタンプレポリマー(A)を、乳化剤(B)の存在下で水中に分散させると同時にもしくは分散させた後に、水および/またはポリアミンで鎖伸長させて得られるポリウレタンウレア樹脂である。
(3):ポリウレタンウレア樹脂(U)の重量に基づくカルボキシル基またはエポキシ基の含有量が0.1〜1.2重量%である。
本発明のポリウレタンウレア樹脂の水性分散体を含有するガラス繊維用集束剤は、従来の集束剤を用いたガラス繊維に較べ、得られるFRPやFRTP等の耐衝撃強度を改善することができる。
本発明におけるポリウレタンウレア樹脂(U)は、以下の(1)〜(3)のいずれも満たすことを特徴とする。
(1):ポリウレタンウレア樹脂(U)の製造に使用される末端イソシアネート基ウレタンプレポリマー(A)が、数平均分子量500〜4,000のポリオール(A1)、カルボキシル基またはエポキシ基を有する数平均分子量100以上500未満のポリオール(A2)、および脂肪族系ポリイソシアネート(A3)を反応させて得られる末端イソシアネート基ウレタンプレポリマーである。
(2):ポリウレタンウレア樹脂(U)が、末端イソシアネート基ウレタンプレポリマー(A)を、乳化剤(B)の存在下で水中に分散させると同時にもしくは分散させた後に、水および/またはポリアミンで鎖伸長させて得られるポリウレタンウレア樹脂である。
(3):ポリウレタンウレア樹脂(U)の重量に基づくカルボキシル基またはエポキシ基の含有量が0.1〜1.2重量%である。
本発明において、ウレタンプレポリマー(A)は、数平均分子量500〜4,000のポリオール(A1)、カルボキシル基またはエポキシ基を有する数平均分子量100以上500未満のポリオール(A2)、および脂肪族系ポリイソシアネート(A3)を反応させて得られる末端イソシアネート基ウレタンプレポリマーである。
(A1)の具体例としては、例えばポリエステルポリオール(例えばポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリネオペンチルテレフタレートジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなど);ポリエーテルポリオール[ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のEOおよび/またはプロピレンオキシド(以下PO略記)付加物など]などが挙げられる。
(A1)のうち好ましいのは、脆くなく耐久性がある(毛羽の発生を押さえる)観点からポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコールである。
(A1)の数平均分子量(以下、Mnと略記:GPCによる測定値)は通常500〜4,000、好ましくは脆くなく耐久性がある(毛羽の発生を押さえる)観点から800〜3,000である。
カルボキシル基またはエポキシ基を有するMn100以上500未満のポリオール(A2)としては、例えば乳酸、ヒドロキシ酪酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、酒石酸などのカルボキシル基を有するポリオール(A21)、並びにグリセリンモノグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有するポリオール(A22)が挙げられる。(A2)のうち、好ましいのは少量でカルボキシル基またはエポキシ基を含有できる観点からジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、グリセリンモノグリシジルエーテルである。
(A2)の使用量は、ポリウレタンウレア樹脂(U)中のカルボキシル基またはエポキシ基の含有量に関係する。
本発明における、ポリウレタンウレア樹脂(U)中のカルボキシル基またはエポキシ基の含有量を0.1〜1.2%(以下において、特に限定しない限り、%は重量%を表す)とするには、ポリウレタンウレア樹脂(U)中の(A2)の重量としては、通常、0.2〜6.0%、好ましくは0.3〜5.0%にする。
なお、必要により分子内に親水性基と活性水素基とを含有する化合物(例えばアミノエチルスルホン酸など)を併用してもよい。
ポリイソシアネート(A3)としては、たとえば、2,4’−もしくは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1.3−もしくは1,4−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;およびこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。これらのうち好ましいものは耐黄変性の観点からHDI、IPDIおよび4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである。
必要により用いられる鎖伸長剤および架橋剤としては、Mnが60〜500未満の活性水素含有化合物、例えば多価アルコール[エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどの2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリスリト―ル、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビト―ル、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリト−ル、グルコ−ス、フルクト−ス、ショ糖などの4〜8価のアルコ―ルなど]、多価フェノ―ル類(ピロガロ―ル、カテコール、ヒドロキノンなどの多価フェノ―ル;ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノ―ル類など)、水、ポリアミン[脂肪族ポリアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミンなど)、脂環族ポリアミン(イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミンなど)、芳香族ポリアミン(4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど)、芳香脂環族ポリアミン(キシリレンジアミンなど)、ヒドラジンもしくはその誘導体など]が挙げられる。
また、必要により鎖停止剤を用いてもよく、鎖停止剤としては、炭素数1〜8のモノアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、セロソルブ類、カルビトール類など)、炭素数1〜10のモノアミン類(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノもしくはジアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのモノもしくはジアルカノールアミンなど)などが挙げられる。
本発明において(A)の製造方法は特に限定されず、通常のウレタンプレポリマーを製造する方法(ワンショット法または多段法)で前記原料を用いてウレタン化反応させることにより得られる。ウレタン化の反応温度は通常30〜200℃、好ましくは50〜180℃である。反応時間は通常0.1〜30時間、好ましくは0.1〜8時間である。
ウレタン化反応は、通常、無溶剤系またはポリイソシアネートに不活性な有機溶剤中で行われる。有機溶剤としてはアセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、トルエン、ジオキサン、酢酸エチルエステル等が挙げられる。
ウレタン化反応において、ポリイソシアネート中のイソシアネート当量と、ポリオール(A1)および(A2)等に含まれる活性水素基との当量の比は、通常0.9〜3、好ましくは1.1〜2、特に好ましくは1.2〜1.6である。また、上記ウレタン化反応により得られるポリウレタン樹脂中のイソシアネート基含有量は、通常0〜10%(以下において、特に限定しない限り、%は重量%を表す。)、好ましくは0.5〜10%である。
本発明におけるポリウレタンウレア樹脂(U)は、上記の末端イソシアネート基ウレタンプレポリマー(A)を、乳化剤(B)の存在下で水中に分散させると同時にもしくは分散させた後に、水および/またはポリアミンで鎖伸長させて得られるポリウレタンウレア樹脂である。
乳化剤(B)としては、従来からウレタンプレポリマーの乳化剤として使用されている乳化剤であれば特に限定されない。
好ましいのは異なる範囲のHLBを有する2種類の乳化剤を併用することである。
併用される2種類の乳化剤のうちの1種類はHLBが13〜40、好ましくは13〜30、特に好ましくは13〜20である水溶性ポリウレタン系乳化剤(B1)であり、他の1種類の乳化剤(B2)のHLBは、8以上13未満、好ましくは9以上13未満、特に好ましくは9.5以上13未満である。
このような範囲のHLBを有する2種類の乳化剤を用いることによって、水性分散体の機械的安定性が良好となると共に、ガラス繊維用集束剤としての耐衝撃性付与効果が良好となる。。
HLBは、有機化合物の有機性・無機性の概念[「新界面活性剤入門」藤本武彦著、三洋化成工業発行、p197−201]から計算できる。
また、(B1)の重量平均分子量(GPCによる測定値、以下Mwと略記)は5,000〜500,000、好ましくは5,000〜400,000、さらに好ましくは5,000〜200,000である。
(B2)のMwは500〜20,000、好ましくは800〜15,000、さらに好ましくは1,000〜10,000である。
(B1)のMwが5,000未満もしくは(B2)のMwが500未満では得られる水性分散体の機械的安定性が不足し、該水性分散体からなる集束剤のスカムの発生および繊維の切断の原因となり、(B1)のMwが500,000を超える、もしくは(B2)のMwが20,000を超えると、集束剤の成分として使用した場合に集束剤が高粘度となり、ガラス繊維への集束剤付与が困難となる
(B1)は、ポリウレタン構造を有する乳化剤であり、かつ水溶性(25℃での溶解度が1以上)である。
(B1)のうち好ましいものとしては、特開2005−120282号公報に記載の下記一般式(1)で示される乳化剤(B11)が挙げられる。
Figure 0004555215
式中、R1はk価のアルコール類またはフェノール類の水酸基を除いた残基、Xは有機ジイソシアネートの残基、R2は2価のアルコール類またはフェノール類の水酸基を除いた残基、Zは−O(AO)mR1[(OA)mOH]k-1および/または−N(R32(但し、R3の少なくとも1つは炭素数1〜100の炭化水素基または水酸基含有炭化水素基で残りは水素原子である。)、Aは炭素数2〜30のアルキレン基(但し、m個、n個、p個のオキシアルキレン基AOが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合様式はブロックまたはランダムのいずれでもよい。)を表し、m、nおよびpはそれぞれ独立に0または1〜150の整数(但し、{}内の全てのmとnとpの合計は少なくとも10であり、R1がフェノール類の残基の場合はmは0でなく、R2がフェノール類の残基の場合はnとpは0でない。また、複数のm、p、R1、X、R2、R3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)、qは0または1〜150の整数、kは1〜6の整数を表す。
残基R1を与える1〜6価のアルコール類またはフェノール類としては特開2005−120282号公報に記載のものが挙げられ、好ましいものは1価または2価のアルコールである。
上記アルコール類またはフェノール類の水酸基1個あたりのMnは通常30〜2,000またはそれ以上、好ましくは30〜1,000である。
2としては、例えば前記R1として例示したもののうちの2価の化合物が挙げられる。これらの水酸基1個あたりのMnは通常30〜2,000、好ましくは30〜1,000である。
Xは有機ジイソシアネートの残基であり、Xの炭素数は通常4〜18、好ましくは6〜15である。該有機ジイソシアネートとしては、前述のものが挙げられる。
一般式(1)においてAとしては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられ、(AO)mで表される(ポリ)オキシアルキレン基は、EO、PO、1,2−、1,3−もしくは2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、これらの2種以上の併用系(ランダムおよび/またはブロック)等のアルキレンオキサイドのアルコールまたはフェノール化合物への開環(共)付加により形成される基である。これらのうち好ましいものは、EO単独およびEOとPOの共付加で形成される(ポリ)オキシアルキレン基である。
m、nおよびpは、m、nまたはpが500以下であれば、得られるポリウレタン系乳化剤の水溶液の粘度が高くなりすぎることはなく乳化がさらにし易くなる。また、{}内の全てのmとnとpの合計は通常少なくとも10、好ましくは30〜1,000またはそれ以上である。{}内の全てのmとnとpの合計が10以上であれば、ポリウレタン系乳化剤の親水基部分が多いため乳化性が不足することはなく、乳化がさらにし易くなる。
一般式(1)におけるZのうち好ましいのは−O(AO)mR1[(OA)mOH]k-1であり、さらに好ましいのはkが1で、R1が1価アルコール類もしくは1価フェノール類の残基、とくにスチレン化(1〜10モル付加、好ましくは2〜5モル付加)フェノール(たとえばスチレン化フェノール、スチレン化クミルフェノールなど)の残基である。
−N(R32のR3は少なくとも1個が炭素数1〜100、好ましくは8〜36の炭化水素基または水酸基含有炭化水素基である。
3の具体例としては、上記のR1で例示した1価アルコール類もしくは1価フェノール類の残基、およびそれらの水素原子の少なくとも1個がヒドロキシル基で置換された基、例えばヒドロキシアルキル基(2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、ヒドロキシオクチル基など)およびヒドロキシアリール基(ヒドロキシフェニル基、2−メチル−4−ヒドロキシフェニル基など)が挙げられる。R3は、直鎖状、分岐状または環状のいずれでもよく、また、脂肪族または芳香族のいずれでもよい。
3のうち好ましいものは置換フェノール類の残基であり、特に好ましいものはスチレン化(1〜10モル付加、好ましくは2〜5モル付加)フェノールの残基である。
なお、R1、R2およびZ中に炭素数10以上の炭化水素基を有さない場合は、得られる(B1)の乳化力の観点から、一般式(1)中の(ポリ)オキシアルキレン基の少なくとも1種が炭素数3以上のオキシアルキレン基であることが好ましい。
qは、通常0または1〜150、好ましくは1〜50の整数である。qが150以下であれば得られる(B1)の水溶液の粘度が低く(50万mPa・s以下)なり乳化がし易くなる。
kは通常1〜6の整数、好ましくは1または2、特に1である。
(B1)は、好ましくは1分子中に平均2個以上の疎水基を有し、該疎水基のうちの少なくとも2個の疎水基のそれぞれのSP値と(A)のSP値との差の絶対値(以下、△SP1と略記する)がそれぞれ2以下、特に1以下であることが好ましい。
△SP1が2以下であれば、得られる水性分散体の機械安定性がさらに良好になる傾向があり、集束剤の成分として使用されても、スカムの発生、繊維の切断の原因となりにくい。△SP1の調整は、(B1)1分子中の疎水基の種類の選択により行うことができる。SP値は、Fedorsらの方法[Poly.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]によって計算できる。
(B1)に含まれる疎水基としては、前述のR1、R2およびR3が挙げられ、好ましいものも同様のものが挙げられる。
なお、一般式(1)で示される(B11)におけるXは、本発明において疎水基には含まれない。
本発明における(B1)の製法は特に限定されず、通常のポリウレタン樹脂を製造する方法(ワンショット法または多段法)で水酸基含有化合物と有機ジイソシアネートとをウレタン化反応させることにより得られる。
本発明において、(B1)と併用する(B2)のHLBは通常8以上13未満、好ましくは9以上13未満、特に好ましくは9.5以上13未満である。HLBが8未満および13以上でると得られる水性分散体の機械安定性が不良となる。
(B2)のMwが500未満では得られる集束剤の希釈安定性および機械安定性が不足し、スカムの発生、繊維の切断の原因となり、20,000を超えると、得られる集束剤が高粘度となり、ガラス繊維への集束剤付与が困難となる。
(B2)の具体例としては、例えば(i)非イオン界面活性剤(例えば高級アルコールEO付加物、アルキルフェノールEO付加物、脂肪酸EO付加物、多価アルコール脂肪酸エステルEO付加物、高級アルキルアミンEO付加物、脂肪酸アミドEO付加物、油脂のEO付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド、ポリプロピレングリコールのポリオキシエチレンエーテル、多環フェノール類のポリオキシアルキレンエーテル)、(ii)陽イオン界面活性剤(例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩酸塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩酸塩などの第4級アンモニウム塩、高級アルキルアミン酢酸塩など)、および(iii)両性界面活性剤(アルキルアミノプロピオン酸アルカリ金属塩、アルキルジメチルベタインなど)から選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられる。この中で好ましいものは非イオン界面活性剤であり、特に好ましいものはポリプロピレングリコールのポリオキシエチレンエーテル、多環フェノール類のポリオキシアルキレンエーテルである。
(B2)は、好ましくは分子中に平均1個以上の疎水基を有し、該疎水基のうちの少なくとも1個の疎水基のSP値と(A)のSP値との差の絶対値(以下、△SP2と略記)が2以下、さらに好ましくは1以下であるものである。
△SP2が2以下であれば、得られる水性分散体の機械安定性がさらに良好になる傾向があり、集束剤の成分として使用されても、スカムの発生、繊維の切断の原因となりにくい。△SP2の調整は、(B2)1分子中の疎水基の種類の選択により行うことができる。
(B2)に含まれる疎水基としては、前述のR1、R2およびR3が挙げられ、好ましいものも同様のものが挙げられる。
本発明における水性分散体を製造する際の乳化剤(B)の使用量は、(A)の重量に基づいて通常0.1〜20%、好ましくは0.5〜17%、さらに好ましくは2〜15%、特に3〜12%である。
使用量が3%以上であれば、水性分散体の機械安定性が良好になりやすく、12%以下であれば水性分散体を用いたガラス繊維用集束剤の耐水性が良好になりやすい。
また、(B1)と(B2)を併用する場合の(B1)と(B2)の比率は、通常20/80〜95/5、好ましくは30/70〜95/5、さらに好ましくは35/65〜90/10、特に好ましくは40/60〜80/20である。(B1)の比率が30〜95であれば水性分散体の機械安定性がさらに良好である。
(A)を水に分散させて水性分散体とする方法については特に限定されないが、たとえば、
(i)(A)と乳化剤をあらかじめ混合し、その中へ水を徐々に滴下して転相させる方法、
(ii)(A)に、乳化剤を溶解させた水を徐々に滴下して分散させる方法、
(iii)(A)と乳化剤をあらかじめ混合したものを水の中へ滴下分散させる方法、
(iv)乳化剤を溶解させた水の中に(A)を滴下分散させる方法、
(v)(A)、乳化剤および水を一括混合し分散させる方法
等が挙げられる。これらのうち(ii)、(iv)および(v)の方法が、(A)を水に分散させる間に、水や乳化剤中のOH基と(A)中のイソシアネート基との直接接触を避けられるため好ましい。
(A)を水に分散させる装置については特に限定されないが、たとえば(i)錨型撹拌方式、(ii)歯車式撹拌方式、(iii)固定子−回転子式方式、(iv)高圧衝撃方式、(v)超音波衝撃方式、(vi)ニーダーなどの多数軸を有する混練機などが挙げられる。これらのうち(i)、(iii)および(vi)の方法が好ましい。
本発明におけるポリウレタンウレア樹脂(U)の水性分散体は、(A)を乳化剤(B)の存在下で水中に分散させると同時に水および/またはポリアミンで鎖伸長させて得る方法(i)、並びに(A)を水中に分散させた後に水および/またはポリアミンで鎖伸長させて得る方法(ii)が挙げられる。好ましいのは(ii)である。
(i)および(ii)の場合の分散工程の温度は、通常10〜40℃である。また、(ii)の場合の鎖伸長工程の温度は40〜80℃、好ましくは45〜70℃である。
鎖伸長剤としては、水、ポリアミンおよびこれらの併用が挙げられる。ポリアミンとしては水溶性の(ポリ)アルキレン(アルキレン基の炭素数2〜12)ポリアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミンおよびジエチレントリアミンなど)、ヒドラジン誘導体(ヒドラジン、カルボジヒドラジドおよびアジピン酸ジヒドラジドなど)およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。鎖伸長剤としてポリアミンを含む場合のポリアミンの使用量は、(A)の重量に基づいて、通常8部以下、好ましくは0.3〜5部である。
ポリウレタンウレア樹脂(U)の水性分散体の製造には、さらに、鎖伸長剤とともに鎖停止剤を併用してもよい。
鎖停止剤としては、水溶性のモノアミン[炭素数3〜8の1級モノアミン(例えばn−ブチルアミン、iso−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、n−ペンチルアミンなど)、総炭素数4〜8の2級モノアミン(ジn−プロピルアミン、ジn−ブチルアミンなど)が挙げられ、好ましいのは1級モノアミン特にn−ブチルアミンである。鎖停止剤の使用量は、(A)の重量に基づいて、通常5%以下、好ましくは3%以下である。
また、必要によりウレタン化反応中に用いられた有機溶剤は、(A)を水中に分散、鎖伸長させたのち、蒸留等により除去されるのが好ましい。
上述の方法により製造されたポリウレタンウレア樹脂のMnは通常2,000〜2,000,000またはそれ以上、好ましくは10,000〜1,500,000である。
本発明におけるポリウレタンウレア樹脂(U)の水性分散体の固形分濃度は、通常10〜75%、好ましくは30〜60%である。なお、本発明における固形分濃度は、試料1〜1.5gを130℃×90分加熱乾燥した後の残分重量の、水性分散体の重量に基づく百分率である。
また、水性分散体の粘度は、通常10〜10,000mPa・s好ましくは100〜5,000mPa・sである。水性分散体のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定される重量平均粒子径は、通常10〜10,000nm、好ましくは100〜5,000nmである。
本発明のガラス繊維用集束剤は、上記の水性分散体をそのまま使用してもよいが、必要により水で希釈してもよい。本発明のガラス繊維用集束剤中のポリウレタンウレア樹脂(U)の含有量は通常0.1〜20%、好ましくは0.5〜10%である。
本発明の集束剤は、さらに、ガラス繊維が複合される樹脂の種類(例えば、不飽和ポリエステル系樹脂およびエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、並びにポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂およびABS樹脂などの熱可塑性樹脂)に応じて、必要により公知の添加剤[例えばカップリング剤(アミノシラン、ビニルシランなど)、帯電防止剤(カチオンもしくはアニオン界面活性剤など)、潤滑剤(カチオン界面活性剤、植物性ワックスなど)、耐熱安定剤、耐候安定剤、消泡剤、防腐剤など]を含有させることができる。
これらの添加剤の含有量は、集束剤の重量に基づいて、カップリング剤は通常0.2〜3%、好ましくは0.5〜2%、帯電防止剤は通常0〜0.3%、好ましくは0.05〜0.2%、潤滑剤は通常0〜0.3%、好ましくは0.05〜0.2%、耐熱もしくは耐候安定剤、消泡剤および防腐剤が通常0〜0.3%、好ましくは0.05〜0.2%である。これらの添加剤の合計の含有量は集束剤の重量に基づいて通常0.2〜4%、好ましくは0.6〜2.1%であり、(A)の重量100部に対して通常5〜200部、好ましくは20〜100部である。
本発明の集束剤は、ポリウレタンウレア樹脂(U)の重量に基づくカルボキシル基またはエポキシ基の含有量が0.1〜1.2%、さらに好ましくは0.2〜0.8%である。
カルボキシル基またはエポキシ基を有することでマトリックス樹脂との相溶性が上がり、この水性分散体を用いたガラス繊維用集束剤を使用してなるFRPやFRTPなどのガラス繊維強化プラスチックの耐衝撃強度が良好となる。
カルボキシル基またはエポキシ基が0.1%未満であるとマトリックス樹脂との相溶性が悪くなり、ガラス繊維強化プラスチックの耐衝撃性が低くなる。また、1.2%を越えると集束剤としての液安定性が悪くなりガラス繊維への集束剤付与が困難となる。
カルボキシル基の含有量の測定方法は、以下の通りである。
25℃の集束剤を乾燥膜厚が200μmとなるようにガラス板上に広げ、25℃で10時間、105℃で45分加熱乾燥させ樹脂フィルムを作成し、得られた樹脂フィルムを25℃の水に24時間浸漬後、水洗乾燥し、水溶性成分を除去してポリウレタンウレア樹脂(U)を主成分とする成分を取り出す。取り出した成分について1.0〜1.5gをジメチルホルムアミド100mlで溶解させ、1/2N塩酸水溶液を滴下して、系内のpHを3〜4とし、電位差滴定装置を用いて、N/10水酸化カリウム水溶液で滴定し、第1変曲点から第2変曲点までの滴定量をもとに、下記式(1)に従ってカルボキシル基含有量を計算する。
Figure 0004555215
エポキシ基の含有量の測定方法は、以下の通りである。
上記と同様にして取り出した成分について、1.0〜1.5gをジメチルホルムアミド25mlで溶解させ、塩酸−ジメチルホルムアミド溶液(試薬一級塩酸1.4mlとジメチルホルムアミド100mlを混合したもの)25mlを加え15分放置し反応させる。反応後、試薬一級メタノールを30ml加え、電位差滴定装置を用いて、N/10水酸化カリウム水溶液で滴定する。空試験としてジメチルホルムアミド50ml、試薬一級メタノール30mlを混合し、電位差滴定装置を用いて、N/10水酸化カリウム水溶液で滴定する。補正試験として、取り出した成分1.0〜1.5gをジメチルホルムアミド50mlで溶解させ、試薬一級メタノールを30ml加え、電位差滴定装置を用いて、塩基性であればN/10塩酸水溶液で滴定し、酸性であればN/10水酸化カリウム水溶液で滴定して、それぞれの変曲点までの滴定量をもとに下記計算式より求める。
Figure 0004555215
ただし、A:本試験の滴定量(ml)、B:空試験の滴定量(ml)、S1:本試験の試料採取量(g)、D:補正試験の滴定量(ml)、S2:補正試験の試料採取量(g)、補正値は塩基性の場合マイナス・酸性の場合プラスとする。
なお、本発明の集束剤の25℃における粘度は通常0.1〜100mPa・s、好ましくは0.5〜50mPa・sである。
本発明の集束剤のガラス繊維に対する付与量は、ガラス繊維に対し乾燥後の重量で通常0.1〜10%、好ましくは0.2〜5%、特に好ましくは0.3〜3%である。0.1%未満ではガラス繊維の集束性が不良となり、10%を越えるとガラス繊維が硬くなりすぎて好ましくない。
該集束剤をガラス繊維に処理する方法は特に限定されないが、たとえば、ガラス熔融窯の下部に設けられた多数のノズルから繊維状に引き延ばされた溶融状態のガラス繊維(通常数百〜数千本)を集束する際に、ロールコーターで集束剤を付与した後、ケーキ状に巻き取り、乾燥する方法が挙げられる。
本発明の集束剤はマトリックス樹脂との相溶性に優れるため、FRPまたはFRTPに加工した場合の耐衝撃強度が優れたものとなる。
実施例
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
製造例
[乳化剤(B1)]
乳化剤(B1−1)の製造
ポリエチレングリコール(Mn20,000)90部、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコール[ポリプロピレングリコール(Mn1,700)にEOを付加したもの;Mn8,500]77部、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mn1,000)3部およびTDIの2.2部を160℃で5時間反応させ、乳化剤(B1−1)を得た。(B1−1)のHLBは17.3、疎水基(ポリオキシプロピレン基およびポリオキシテトラメチレン基)のSP値はそれぞれ8.7および9.0、Mwは95,000、分子内の疎水基の平均個数はポリオキシプロピレン基が2.1個、ポリオキシテトラメチレン基が0.7個であった。
乳化剤(B1−2)の製造
スチレン(2モル)化フェノールにEOを付加したもの(Mn1,500)15部、ポリエチレングリコール(Mn20,000)100部およびTDI2.6部を100℃で3時間反応させ、乳化剤(B1−2)を得た。(B1−2)のHLBは18.0、Mwは40,000、疎水基(スチレン化フェノール)のSP値は10.3、分子内の疎水基の平均個数はスチレン化フェノール基が2個であった。
[乳化剤(B2)]
乳化剤(B2)としては、以下のものを使用した。
乳化剤(B2−1):スチレン(2モル)化フェノールにEOを付加したもの(HLB12.3、Mw900、疎水基のSP値10.3)
乳化剤(B2−2):ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコール[ポリプロピレングリコール(Mn2,000)にEOを付加したもの;HLB10.8、Mw3,400、疎水部のSP値8.7]
[末端イソシアネート基ウレタンプレポリマー(A)の製造例]
製造例1
ポリブチレンアジペートジオール(Mn1,000)100部とジメチロールプロピオン酸3部、ヘキサメチレンジイソシアネート36部とを90℃で4時間反応させ、カルボキシル基含量0.7%、イソシアネート基含量5.6%のウレタンプレポリマー(A−1)を得た。該プレポリマーのSP値は10.6であった。
製造例2
ポリプロピレングリコール(Mn1,000)100部とジメチロールプロピオン酸3部、イソホロンジイソシアネート49部とを110℃で5時間反応させ、カルボキシル基含量0.7%、イソシアネート基含量5.2%のウレタンプレポリマー(A−2)を得た。該プレポリマーのSP値は9.4であった。
比較製造例1
ポリプロピレングリコール(Mn1,000)100部とイソホロンジイソシアネート34部とを110℃で5時間反応させ、カルボキシル基含量0%、イソシアネート基含量3.3%のウレタンプレポリマー(A−3)を得た。該プレポリマーのSP値は9.4であった。
比較製造例2
ポリブチレンアジペートジオール(Mn1,000)100部とジメチロールプロピオン酸10部、ヘキサメチレンジイソシアネート52部とを90℃で4時間反応させ、カルボキシル基含量2.0%、イソシアネート基含量6.9%のウレタンプレポリマー(A−4)を得た。該プレポリマーのSP値は10.6であった。
[ポリウレタンウレア樹脂の水性分散体の製造]
製造例3〜6、比較製造例3〜5
表1に記載したウレタンプレポリマー100部を30℃まで冷却し、表1に記載した量の乳化剤と水30部を同時に加えて、ホモミキサーで約5分間混合・分散させた後、さらに水150部で希釈し、鎖伸長剤としてのエチレンジアミン3部および鎖停止剤としてのn−ブチルアミン0.3を水50部に溶解した液を添加した後、60℃で5時間撹拌して、鎖伸長および鎖停止させ、ポリウレタンウレア樹脂の水性分散体を得た。得られた水性分散体の分析値および機械的安定性の結果を表1に示す。
水性分散体の機械的安定性の評価方法は以下の通りである。
<機械的安定性試験>
水性分散体をホモジナイザーにて25℃、15,000rpmで15分間攪拌し、200メッシュの金網でろ過し、金網オン品の乾燥(130℃×45分)後の重量%(対水性分散体)で評価した。
Figure 0004555215
実施例1〜4、比較例1〜3
ポリウレタンウレア樹脂の水性分散体10部とアミノシラン(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)2部および潤滑剤(テトラエチレンペンタミンジステアレート)1部に水87部を配合し、ガラス繊維用集束剤を得た。得られた集束剤のカルボキシル基含有量、機械的安定性および耐衝撃性向上効果を表2に示す。
カルボキシル基含有量は、前述のようにポリウレタンウレア樹脂を主成分とする成分を取り出して、電位差滴定装置で酸価を測定し、上記計算式(1)で計算した。
集束剤の機械的安定性の試験方法は上記水性分散体の場合と同様の方法であり、耐衝撃性向上効果の試験方法は以下の通りである。
<耐衝撃性向上効果の試験>
集束剤を、直径15μmのガラス繊維に12%付与し、600本のガラス繊維を集束してストランドとし、このストランドを通常のチョップカット法により切断後乾燥して長さ5mmのチョップドストランドを得た。
得られたそれぞれのチョップドストランド30部とナイロン66樹脂70部とを270℃で混練し、ペレット化したものをインジェクションモールディング法によってJIS K−7062に規定された試験片を得た。これらの試験片についてアイゾット衝撃試験を行った。
結果を表2に示す。
Figure 0004555215
本発明のガラス繊維用集束剤を使用して得られたガラス繊維は、FRPおよびFRTPなどの複合材料のマトリックス繊維として好適に使用できる。

Claims (5)

  1. ポリウレタンウレア樹脂(U)の水性分散体を含有するガラス繊維用集束剤であって、ポリウレタンウレア樹脂(U)が下記の(1)〜(3)の全てを満たすことを特徴とするガラス繊維用集束剤。
    (1):ポリウレタンウレア樹脂(U)の製造に使用される末端イソシアネート基ウレタンプレポリマー(A)が、数平均分子量500〜4,000のポリオール(A1)、カルボキシル基またはエポキシ基を有する数平均分子量100以上500未満のポリオール(A2)、およびポリイソシアネート(A3)を反応させて得られる末端イソシアネート基ウレタンプレポリマーである。
    (2):ポリウレタンウレア樹脂(U)が、末端イソシアネート基ウレタンプレポリマー(A)を、乳化剤(B)の存在下で水中に分散させると同時にもしくは分散させた後に、水および/またはポリアミンで鎖伸長させて得られるポリウレタンウレア樹脂である。
    (3):ポリウレタンウレア樹脂(U)の重量に基づくカルボキシル基またはエポキシ基の含有量が0.1〜1.2重量%である。
  2. ポリオール(A2)が、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸またはグリセリンモノグリシジルエーテルである請求項1記載のガラス繊維用集束剤。
  3. 乳化剤(B)が、HLBが13〜40であり重量平均分子量が5,000〜500,000である水溶性ポリウレタン系乳化剤(B1)、およびHLBが8以上13未満であり重量平均分子量が500〜20,000である乳化剤(B2)からなる乳化剤である請求項1または2記載のガラス繊維用集束剤。
  4. 水溶性ポリウレタン系乳化剤(B1)が下記一般式(1)で示される水溶性ポリウレタン系乳化剤(B11)である請求項3記載のガラス繊維用集束剤。
    Figure 0004555215
    [式中、R1はk価のアルコール類またはフェノール類の水酸基を除いた残基、Xは有機ジイソシアネートの残基、R2は2価のアルコール類またはフェノール類の水酸基を除いた残基、Zは−O(AO)mR1[(OA)mOH]k-1および/または−N(R32(但し、R3の少なくとも1つは炭素数1〜100の炭化水素基または水酸基含有炭化水素基で残りは水素原子である。)、Aは炭素数2〜30のアルキレン基を表し、m、nおよびpはそれぞれ独立に0または1〜150の整数(但し、{}内の全てのmとnとpの合計は少なくとも10であり、R1がフェノール類の残基の場合はmは0でなく、R2がフェノール類の残基の場合はnとpは0でない。また、複数のm、p、R1、X、R2、R3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)、qは0または1〜150の整数、kは1〜6の整数を表す。]
  5. さらに、カップリング剤、帯電防止剤、潤滑剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、消泡剤および防腐剤からなる群から選ばれる1種以上の添加剤を含有してなる請求項1〜4のいずれか記載のガラス繊維用集束剤。
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