JP7343515B2 - ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、この問題を改善すべく、脂肪酸金属塩の濃度を高くした場合、脂肪酸金属塩が凝集し、貯槽タンクでポリウレタン紡糸原液を貯蔵中に経時的に粘度が上昇し、このため配管内を通して、脂肪酸金属塩組成物の紡糸工程への輸送が困難になるという問題がある。
更に、固体粒子を使用するため、糸への均一付着が困難であり、また糸道上に脱落堆積物(スカム)が多く発生し、製造工程上問題となる。
ウレタン結合を有しないポリエステル樹脂からなるブロック(a1)を構成するポリエステル樹脂としては、縮合型ポリエステル樹脂、ポリラクトンポリオール及びポリカーボネートポリオール等が挙げられ、縮合型ポリエステル樹脂は末端に水酸基及び/又はカルボキシル基を有する。
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
Mn又は化学式量が500未満のポリオール(c1)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ウレタン結合を有するポリエステル樹脂からなるブロック(a2)を構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルポリオールと有機ポリイソシアネート(d)とを構成単量体とし、鎖伸長剤(e)及び反応停止剤(f)を任意の構成単量体とし、末端に水酸基、イソシアネート基又はアミノ基を有するポリエステル樹脂等が挙げられる。
当該ポリエステルポリオールとしては、上記ブロック(a1)で例示した、縮合型ポリエステル樹脂で末端に水酸基を有するもの(縮合型ポリエステルポリオール)、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
使用する構成単量体の種類と使用量を調整することにより、ウレタン結合を有するポリエステル樹脂が有する末端の官能基を所望のものにすることができる。
尚、反応停止剤(f)を使用する場合、ブロック(a2)とブロック(b1)及び/又はブロック(b2)とを結合させるために、ウレタン結合を有するポリエステル樹脂の少なくとも1つの末端を反応停止剤(f)で封止しないことが必要である。
エステル結合を有しないポリウレタン樹脂からなるブロック(a3)を構成するポリウレタン樹脂としては、活性水素成分と上記有機ポリイソシアネート(d)とを構成単量体とする末端に水酸基、イソシアネート基又はアミノ基を有するポリウレタン樹脂等が挙げられる。
使用する構成単量体の種類と使用量を調整することにより、ポリウレタン樹脂が有する末端の官能基を所望のものにすることができる。
これらの内、弾性回復率及び残留歪率の観点から好ましいのはポリ(オキシテトラメチレン)グリコールである。
炭素数16~44の1価の炭化水素基からなるブロック(b1)を形成するために用いる原料としては、炭素数16~44のモノオール及び炭素数16~44(カルボキシル基の炭素を除く)のモノカルボン酸等が挙げられる。
尚、本発明におけるモノカルボン酸の炭素数は、カルボキシル基の炭素を除いた炭素数である。
ブロック(b2)における1価のポリオルガノシロキサン基は、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサン基であることが好ましい。
耐ブロッキング性及び耐摩耗性の観点から一般式(1)で表される基のケイ素含量は高い方が望ましいことから、R1は炭素数1~3のアルキル基が好ましく、R2~R7は炭素数1~3のアルキル基が好ましい。
また、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサン基にエポキシ基を有する炭素数1~12の炭化水素基が結合したモノエポキサイドは、有機アルカリ金属化合物を開始剤として1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサンをアニオン重合し、片末端がアルカリ金属シラノレートであるポリシロキサン(いわゆるリビングポリマー)を得て、これとエポキシ基を有するアルキルクロロシラン化合物とを反応させて片末端にエポキシ基を導入する方法等により得ることができる。
ブロックポリマー(X)は、同一分子内にブロック(a1)、ブロック(a2)又はブロック(a3)とブロック(b1)及び/又はブロック(b2)とが、エステル結合、ウレタン結合及びアミド結合の内の少なくとも1種の結合を介して化学結合されている。
化学結合は、弾性回復率及び残留歪率の観点からエステル結合及び/又はウレタン結合であることが好ましい。
また、ブロック(a1)、ブロック(a2)及びブロック(a3)に用いる原料1モルに対してブロック(b1)及びブロック(b2)に用いる原料を2モル以上反応させることにより、ブロックポリマー(X)はマルチブロック構造となる。マルチブロック構造の際のブロック(b1)及びブロック(b2)に用いる原料は1種単独でも2種以上を併用してもよい。
尚、本明細書における、ブロックポリマー(X)のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、以下の条件で測定した値のことを意味する。
装置:東ソー(株)製 HLC-8120
カラム:TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度:40℃
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μL
検出装置:屈折率検出器
基準物質:東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
また、各ブロックの原料を反応させる以外に、一方の原料を製造する際に他方の原料を共存させて一括して反応させて製造することもできる。例えば、ポリオールとポリカルボン酸を脱水縮合させてブロック(a1)を構成する縮合型ポリエステル樹脂を製造する際に、ブロック(b1)の原料である炭素数16~44のモノオール又はモノカルボン酸を共存させて脱水縮合することによりブロック(a1)とブロック(b1)を有するブロックポリマーを製造することができる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物(W)は、上記ブロックポリマー(X)とポリウレタン樹脂(U)とを含有する。
従って、ポリウレタン樹脂(U)に用いられる高分子ポリオール(c2)であって芳香環を有しないポリオールとしては、上述の縮合型ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール及びポリエーテルポリオール等の内の芳香環を有しないポリオールが使用できる。活性水素成分のそれぞれの成分は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
尚、本明細書において、ポリウレタン樹脂(U)のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、以下の条件で測定した値のことを意味する。
装置:「HLC-8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn α」+「TSKgel α-M」[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.125重量%のジメチルホルムアミド溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤[2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール及びブチル化ヒドロキシアニソール等];ビスフェノール系酸化防止剤[2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)等];リン系酸化防止剤[トリフェニルフォスファイト及びジフェニルイソデシルフォスファイト等]等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤[2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン及び2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等];ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等];サリチル酸系紫外線吸収剤[フェニルサリシレート等];ヒンダードアミン系紫外線吸収剤[ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート等]等が挙げられる。
有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料及びキナクリドン系顔料等が挙げられ、無機系顔料としてはクロム酸塩、フェロシアン化合物、金属酸化物、硫化セレン化合物、金属塩(硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩等)、金属粉末及びカーボンブラック等が挙げられる。
安定剤の使用量は、ポリウレタン樹脂組成物(W)の重量に基づいて好ましくは0~5重量%、更に好ましくは0.1~3重量%である。
顔料の使用量は、ポリウレタン樹脂(U)の重量に基づいて好ましくは0~5重量%、更に好ましくは0.1~3重量%である。
顔料、安定剤及びその他の添加剤は、ブロックポリマー(X)又はポリウレタン樹脂(U)の製造時の任意の段階で添加することでき、製造後にブロックポリマー(X)及びポリウレタン樹脂(U)の混合時や(W)を用いてウレタンフィルムや弾性繊維等の成形物を製造する際に任意の段階で添加してもよい。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、アジピン酸695部、エチレングリコール498部、ベヘニルアルコール168部及び縮合触媒としてのテトラブトキシチタネート1.0部を入れ、160℃まで昇温し、常圧で1時間反応後、0.5~2.5kPaの減圧下で生成する水及びエチレングリコールを留去しながら8時間反応させた。次いで200℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水及びエチレングリコールを留去しながら4時間反応させ、酸価が0.5以下になった時点で取り出して室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、ブロックポリマー(X-1)を得た。回収されたエチレングリコールは190部で、ブロックポリマー(X-1)のMwは7,500であった。ブロックポリマー(X-1)はブロック(a1)とブロック(b1)とを有する。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、コハク酸560部、1,4-ブタンジオール533部、ベヘニルアルコール166部及び縮合触媒としてのテトラブトキシチタネート1.0部を入れ、160℃まで昇温し、常圧で1時間反応後、0.5~2.5kPaの減圧下で生成する水及び1,4-ブタンジオールを留去しながら8時間反応させた。次いで200℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水及び1,4-ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、酸価が0.5以下になった時点で取り出して室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、ブロックポリマー(X-2)を得た。回収された1,4-ブタンジオールは88.8部で、ブロックポリマー(X-2)のMwは1,500であった。ブロックポリマー(X-2)はブロック(a1)とブロック(b1)とを有する。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、アジピン酸714部、エチレングリコール397部、ベヘン酸166部及び縮合触媒としてのテトラブトキシチタネート1.0部を入れ、160℃まで昇温し、常圧で1時間反応後、0.5~2.5kPaの減圧下で生成する水及びエチレングリコールを留去しながら8時間反応させた。次いで200℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水及びエチレングリコールを留去しながら4時間反応させて取り出し、室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、ブロックポリマー(X-3)を得た。回収されたエチレングリコールは100部で、ブロックポリマー(X-3)のMwは6,000であった。ブロックポリマー(X-3)はブロック(a1)とブロック(b1)とを有する。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、アジピン酸698部、エチレングリコール498部及び縮合触媒としてのテトラブトキシチタネート1.0部を入れ、160℃まで昇温し、常圧で1時間反応後、0.5~2.5kPaの減圧下で生成する水及びエチレングリコールを留去しながら8時間反応させた。次いで200℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水及びエチレングリコールを留去しながら4時間反応させ(回収されたエチレングリコールは190部)、酸価が0.5以下になった時点で80℃に冷却し、次いで、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート50部を仕込んで95℃に昇温した後10時間反応させ、イソシアネート基を末端に有するポリエステル樹脂を得た後、ベヘニルアルコール70部を仕込み、更に10時間反応させた後、取り出して室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、ブロックポリマー(X-4)を得た。ブロックポリマー(X-4)のMwは8,200であった。ブロックポリマー(X-4)はブロック(a2)とブロック(b1)とを有する。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中にMnが2,000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[三菱ケミカル(株)製「PTMG2000」:以下「PTMG2000」と略記]266.5部、1,4-ブタンジオール25.6部及びDMAC500部を加えた後、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート140.1部を添加し、70℃で3時間反応させてイソシアネート基を末端に有するポリウレタン樹脂を得た。そこにステアリルアルコール67.8部を仕込み、更に5時間反応させた後、イソシアネート基が消失したことを確認して、室温に冷却してブロックポリマー(X-5)の50重量%DMAC溶液を得た。ブロックポリマー(X-3)のMwは15,000であった。ブロックポリマー(X-5)はブロック(a3)とブロック(b1)とを有する。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、PTMG2000を264.0部、エチレングリコール31.1部及びDMAC500部を加えた後、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート162.3部を添加し、70℃で3時間反応させてイソシアネート基を末端に有するポリウレタン樹脂を得た。そこにユニリン550[Mnが550で平均炭素数約40のアルキルモノアルコール:東洋アドレ(株)製]を42.5部仕込み、更に5時間反応させた後、イソシアネート基が消失したことを確認して、室温に冷却してブロックポリマー(X-6)の50重量%DMAC溶液を得た。ブロックポリマー(X-6)のMwは50,000であった。ブロックポリマー(X-6)はブロック(a3)とブロック(b1)とを有する。
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた反応容器に、ブチルリチウムを触媒として1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンをアニオン重合して更にジメチルクロロシランを反応させて得られた片末端がブチル基で封鎖されもう一方の末端にSiH基を有する直鎖状ポリジメチルシロキサン(Mn=400)100部と、アリルアルコール72部中に酸化白金0.3部を懸濁させた懸濁液とを仕込み、105℃で16時間撹拌下で反応させた。室温まで冷却した後、反応混合物をメンブレンフィルタ(ポリテトラフルオロエチレン[PTFE]、ポアサイズ0.45μm)に通して不溶物を除去した。その後、ろ液に含まれる過剰なアリルアルコールを減圧下で除去して、Mnが500のα-ブチル-ω-ヒドロキシ変性ポリジメチルシロキサンを得た。
続いて、別の冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、アジピン酸695部、エチレングリコール520部、上記α-ブチル-ω-ヒドロキシ変性ポリジメチルシロキサン280部及び縮合触媒としてのテトラブトキシチタネート1.0部を入れ、160℃まで昇温し、常圧で1時間反応後、0.5~2.5kPaの減圧下で生成する水及びエチレングリコールを留去しながら8時間反応させた。次いで200℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水及びエチレングリコールを留去しながら4時間反応させ、酸価が0.5以下になった時点で取り出して室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、ブロックポリマー(X-7)を得た。回収されたエチレングリコールは200部で、ブロックポリマー(X-7)のMwは6,300であった。ブロックポリマー(X-7)は一般式(1)におけるR1がブチル基で、R2~R7がいずれもメチル基であるブロックを有する。ブロックポリマー(X-7)はブロック(a1)とブロック(b2)とを有する。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、アジピン酸695部、エチレングリコール520部及び縮合触媒としてのテトラブトキシチタネート1.0部を入れ、160℃まで昇温し、常圧で1時間反応後、0.5~2.5kPaの減圧下で生成する水及びエチレングリコールを留去しながら8時間反応させた。次いで200℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水及びエチレングリコールを留去しながら4時間反応させ、酸価が0.5以下になった時点で取り出て室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、ブロック化していないポリエステル樹脂(X’-1)を得た。回収されたエチレングリコールは200部で、ポリエステル樹脂(X’-1)のMwは7,500であった。
攪拌装置及び温度制御装置を備えたステンレス製オートクレーブに、PTMG2000を522.6部(1モル)、無水フタル酸77.4部(2モル)及びアルカリ触媒(N-エチルモルフォリン)0.9部(0.03モル部)を仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、120±10℃で1時間反応させハーフエステル化を行った。
ハーフエステル化後、エチレンオキシド36.4部(3モル部)を120±10℃、圧力0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、120±10℃で1時間熟成した。熟成終了後、未反応のエチレンオキサイドを0.1MPaにて1時間減圧除去した。90℃まで冷却した後、触媒除去のため、水と合成珪酸塩(協和化学社製「キョーワード600」)を加えて加熱処理後、ろ過、減圧脱水し、Mnが2,430の比較用の芳香環含有ポリオールを得た。
高分子ポリオール(c2)としてのPTMG2000を200部、鎖伸長剤(e)としての1,4-ブタンジオール30部、有機ポリイソシアネート(d)としての4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート109部及び有機溶剤としてのDMAC790部を反応容器に仕込み、乾燥窒素雰囲気下、70℃で12時間反応させた。その後、反応停止剤(f)としてのn-ブチルアルコール5.7部を仕込んで1時間末端停止反応を行い、ポリウレタン樹脂(U-1)の30重量%DMAC溶液を得た。
高分子ポリオール(c2)を表1に記載のものに代える以外は製造例8と同様にして、ポリウレタン樹脂(U-2)~(U-4)の30重量%DMAC溶液を得た。
使用原料とその使用量を表1に記載のものに代える以外は製造例8と同様にして、ポリウレタン樹脂(U’-1)を製造した。
・PTMG2000:Mn=2,000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[三菱ケミカル(株)製]
・サンニックスPP-2000:Mn=2,000のポリオキシプロピレンジオール[三洋化成工業(株)製]
・デュラノールG4672:Mn=2,000のポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール[旭化成(株)製]
・サンエスター4620:Mn=2,000のポリブチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製]
加温できる反応容器に製造例8で得られたポリウレタン樹脂(U-1)の30重量%DMAC溶液1,000部を仕込み、更にブロックポリマー(X-1)9部を投入し、80℃に加温して、1時間混合して均一化した後、冷却することでポリウレタン樹脂(U-1)のDMAC溶液にブロックポリマー(X-1)が分散した固形分濃度30.6重量%のポリウレタン樹脂組成物(W-1)を得た。
ブロックポリマー(X)及びポリウレタン樹脂(U)の30重量%DMAC溶液を表2に記載のものに代える以外は実施例1と同様にしてポリウレタン樹脂組成物(W-2)~(W-10)及び比較用のポリウレタン樹脂組成物(W’-1)~(W’-3)を得た。
尚、実施例5及び6におけるブロックポリマー(X-5)及び(X-6)は50重量%DMAC溶液のため、ポリウレタン樹脂(U)1,000部に対してブロックポリマー(X-5)又は(X-6)のDMAC溶液18部(固形分として9部)を投入した。
また、比較例3においては、「ブロックポリマー(X-1)9部」に代えて比較用の「ステアリン酸マグネシウム9部」を投入した。
各実施例及び各比較例に係るポリウレタン樹脂組成物を、離型処理したガラス板上に1.0mmの厚みに塗布し、70℃の循風乾燥機で3時間乾燥した後、ガラス板から剥がすことにより、厚さが約0.2mmのフィルムを作製した。
作製したフィルムから、縦100mm×横5mmの短冊状の試験片を切り出して標線間距離が50mmとなるように標線をつけた。この試験片をインストロン型引張り試験機(島津製作所社製オートグラフ)のチャックにセットして、25℃の雰囲気下、500mm/分の一定速度で標線間の距離が300%になるまで伸長後、直ちに同じ速度で伸長前のチャック間の距離まで戻す操作を行った。この操作時の伸長過程における150%伸長時の応力(M1)と戻り過程における150%伸長時の応力(M2)を測定し、次式から弾性回復率を求めた。
弾性回復率(%)=M2/M1×100
また、前記操作後の標線間の距離(L1)を測定してこの値と試験前の標線間の距離(L0=50mm)を用いて下式から残留歪率(%)を求めた。
残留歪率(%)={(L1-L0)/L0}×100
残留歪率が小さい程、衣料用の弾性繊維に使用したときのフィット性が良好である。
各実施例及び各比較例に係るポリウレタン樹脂組成物100gを、蓋付き145mlガラス製ボトルに入れ、50℃の恒温槽中に30日間静置した後の粘度(V1)を測定し、この粘度(V1)と製造直後の粘度(V0)との差の絶対値を用いて次式から粘度変化率を求めて以下の判定基準により評価した。
粘度変化率(%)=(|V1-V0|/V0)×100
尚、粘度はBH型粘度計を用いて温度25℃で測定した。
<判定基準>
◎:粘度変化率が30%以内
○:粘度変化率が30%超、70%以内
△:粘度変化率が70%超、150%以内
×:粘度変化率が150%を超える
各実施例及び各比較例に係るポリウレタン樹脂組成物を用いてポリウレタン繊維を乾式紡糸法で以下のようにポリウレタン弾性繊維を製造した。
まず、弾性繊維用油剤として流動パラフィン50重量部及びポリジメチルシロキサン50.0重量部を110~120℃で1時間混合した。
その後、ローラー給油で弾性繊維用油剤付着量がフィラメント重量に対し4重量%になるように付与させ、600m/分でボビンに巻き取り、40Dの評価用ポリウレタン弾性繊維が巻き取られたチーズを得た。
その後、紡糸工程で巻き取ったチーズを50℃で2週間エージングを行い、可変倍率(引き出し速度と巻き取り速度との比率の変更が可能)の引き出し巻き取り装置にかけた。
50m/分の速度で糸が引き出された時、糸が膠着により自身のチーズの中に巻き込まれずに解舒でき、異なるボビンに巻き取ることのできる最低の速度倍率(巻き取り速度/引き出し速度)を求め、次の基準で判定した。
一般的に、糸が膠着するため、巻き取り速度を引き出し速度よりも高速にして速度倍率を1.2倍以上として解舒を促すが、巻き取り時の糸の形状保持と巻き取る効率の観点から、速度倍率は1.2倍以上、2倍未満が好ましく、1.5倍以上、1.8倍未満が特に好ましいとされている。
<判定基準>
◎:速度倍数が1.5倍以上、1.8倍未満
○:速度倍数が1.2倍以上、1.5倍未満、又は1.8倍以上、2.0倍未満
×:速度倍数が2.0倍以上又は糸切れが発生
スカム発生の有無の評価として、上記の紡糸工程を24時間実施した後の糸道でのスカム発生を目視にて判定した。
<判定基準>
○:スカムの発生無し
△:スカムの発生が少し有り
×:スカムの発生が多い
Claims (7)
- ブロックポリマー(X)とポリウレタン樹脂(U)とを含有するポリウレタン樹脂組成物であって、前記ブロックポリマー(X)が、
ウレタン結合を有しないポリエステル樹脂からなるブロック(a1)、ウレタン結合を有するポリエステル樹脂からなるブロック(a2)又はエステル結合を有しないポリウレタン樹脂からなるブロック(a3)と、
炭素数16~44の1価の炭化水素基からなるブロック(b1)及び/又は1価のポリオルガノシロキサン基からなるブロック(b2)とを有し、
前記ポリウレタン樹脂(U)が前記ブロック(b1)及び前記ブロック(b2)のいずれをも有さず、
前記ポリウレタン樹脂(U)の構成単量体としてのポリオールが芳香環を有しないポリウレタン樹脂組成物(W)。 - 前記ブロックポリマー(X)の重量平均分子量が、1,000~50,000である請求項1又は2記載のポリウレタン樹脂組成物。
- 前記ブロック(a1)及び前記ブロック(a2)を構成するポリエステル樹脂が、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,6-ヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を構成単量体とする請求項1~3のいずれか記載のポリウレタン樹脂組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂(U)が、構成単量体としてポリ(オキシテトラメチレン)グリコールを含有する請求項1~4のいずれか記載のポリウレタン樹脂組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂(U)が、構成単量体として炭素数8~26の芳香族ポリイソシアネート(d1)を含有する請求項1~5のいずれか記載のポリウレタン樹脂組成物。
- 弾性繊維用である請求項1~6のいずれか記載のポリウレタン樹脂組成物。
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