JP4554142B2 - 基板洗浄用粒子および該基板洗浄用粒子を含む洗浄材、基材の洗浄方法 - Google Patents

基板洗浄用粒子および該基板洗浄用粒子を含む洗浄材、基材の洗浄方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、基材を損傷することがなく効率的に基材表面を清浄にすることが可能な基板洗浄用粒子、および該基板洗浄用粒子を含む洗浄材、基材の洗浄方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
コンピューター、各種電子機器、各種表示装置等には各種基材が用いられており、これらの高性能化、高精細化等に伴い超クリーンな基材、部品等が求められている。また、これらの実装においても、異物や不純物が混入したり残存することを厳に防止することが求められている。
【0003】
この中で、たとえば液晶表示装置の実装分野を例にとり説明する。
液晶表示装置には、ガラス等の基板にスズをドープした酸化インジウム(ITO)の透明電極膜を形成した透明電極膜付基材が用いられている。このような透明電極膜付基材に液晶、シリコーン等が残存している場合は、画像が表示されなかったり、表示されても乱れる場合があり、このとき画像を表示させる際の印加電圧を高める必要が生じる。
【0004】
また、透明電極膜付基材に、指紋などの皮脂やマーカー類等の油脂が残存している場合は、配線のパターニングにおいて精度が低下して配線抵抗が不均一となったり配線ムラや断線の原因となることがあり、このため画像が完全に、あるいは鮮明に表示されない場合がある。
このため、表面の皮脂や油脂を洗浄除去することが行われるが、このとき中性洗剤、アルカリ性洗剤などの洗剤が残存し、液晶層に拡散したり配線を腐食することがあり、長期に使用した場合絶縁不良を起こしたり回路が短絡するなどの問題があった。
【0005】
従来、透明基板の洗浄は、上記異物等を除去するために、通常、先ず基板をブラシで洗浄し、ついで中性洗剤、アルカリ性洗剤などの洗剤を用いて油脂等を洗浄し、ついで、基板に低周波の超音波を照射して比較的粗大な異物を除去したり、高周波の超音波を照射して微細な異物を除去したり、さらに低圧紫外線ランプを照射して有機不純分を分解除去(UV洗浄)することが行われている。しかしながら、完全に油脂等を除去したり、大小の異物を除去したりすることは困難であり、また使用した洗剤が残存してしまうこともあった。
【0006】
さらに、前記透明電極膜を形成した透明電極膜付基材では、通常ガラス中のアルカリが透明電極、さらに液晶に拡散し、これが可動イオンの場合は消費電力が増大したり、表示不良を起こすことがあった。このため、ガラス基板と透明電極膜との間にSiO2膜等の絶縁性保護膜(アルカリパッシベーション膜と言うことがある)が設けられており、このような透明電極膜付基材では、パターニング後はSiO2膜が露出しているために、洗剤の種類によっては洗浄時にSiO2膜が溶出し、アルカリパッシベーション膜としての機能を果たさなくなる等の問題があった。さらに、このため洗剤の種類や使用量に制約があった。
【0007】
また、液晶封止後の液晶表示セルについても、基板に付着する液晶、シリコーン、油脂類などの洗浄して除去することが行われている。しかしながら、液晶を封止した後の基板は、インライン(流れ作業的な連続作業)できないため、たとえば液晶基板立てに通常6〜8mmのピッチで数百枚の液晶基板を立て、これを洗剤液に浸漬し、超音波を照射することが行われている。この操作を複数回繰り返した後、市水、あるいは純水で複数回洗浄し、ついで、加温した純水に浸漬後引き上げ、ついでエアーブロー乾燥する洗浄方法が採用されている。
【0008】
しかしながら、上記方法では、狭い基板間の洗浄が困難であり、汚れや、洗剤を充分に除去することが困難であった。また洗剤や有機溶剤を含む廃液が発生し、この廃液処理費用の点で経済性にも問題があった。
本発明者らは、このような従来技術に伴う問題点を解消すべく鋭意検討した結果、特定の平均粒子径を有する無機酸化物粒子の水および/または有機溶媒分散液を、超音波を照射しながら、基材と接触させることにより、汚れや異物を効率的に除去できることを見出して本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、基材を損傷することがなく効率的に基材表面を清浄にすることが可能な基板洗浄用粒子、および該基板洗浄用粒子を含む洗浄材および洗浄方法を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明に係る基板洗浄用粒子は、無機酸化物からなる粒子であり、平均粒子径が2nm〜100μmの範囲にあることを特徴としている。
前記無機酸化物が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリアなどの無機酸化物、シリカ・アルミナ、シリカ・ジルコニアなどの複合無機酸化物からなる粒子が挙げられる。
【0011】
前記粒子の表面が、下記式(1)で表される加水分解性有機ケイ素化合物またはアミン類で処理されていることが好ましい。
nSiX4-n (1)
〔ただし、R:炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:1〜3〕
本発明に係る洗浄材は水系分散媒に前記基板洗浄用粒子が1〜20重量%の範囲で分散してなることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る基材の洗浄方法は、超音波を照射しながら基材と前記洗浄材を接触させることを特徴としている。
【0013】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
[基板洗浄用粒子]
本発明の基板洗浄用粒子は、無機酸化物からなり、平均粒子径が2nm〜100μmの範囲にあることを特徴としている。さらに好ましい平均粒子径は2nm〜10μmの範囲にある。
【0014】
無機酸化物からなる粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリアなどの無機酸化物、シリカ・アルミナ、シリカ・ジルコニアなどの複合無機酸化物からなる粒子が挙げられる。またイオン吸着能を有する複合無機酸化物を用いると、異物を除去できるほかイオン性の不純物が残存しない点で好ましい。
【0015】
このとき、用いる無機酸化物粒子、複合無機酸化物粒子は高純度であることが好ましく、特にアルカリ金属の含有量が少ない粒子が好ましく、M2O(M:アルカリ金属)として1000重量ppm以下、さらには10重量ppm以下、特に1重量ppm以下であることが好ましい。
なお、本発明の無機酸化物粒子、複合無機酸化物粒子は主成分が無機酸化物、複合無機酸化物であって、他に後述する有機基に由来する有機物を含んでいてもよい。
【0016】
また、中でも、シリカ系の無機酸化物粒子は、絶縁性が高く、真球状の粒子が得られ易く、このため洗浄時に基材を摩耗、あるいは損傷することがないので好ましい。また、仮に基板に付着して残存しても屈折率が基板と同程度であるので視認性が低く、少量であれば実質的に問題となることはない。
このような無機酸化物からなる粒子の平均粒子径が2nm未満の場合は、比較的大きな異物を除去できない場合があり、無機酸化物からなる粒子の平均粒子径が100μmを越えると、基板によってはスクラッチ(傷)が生成することがある。また、洗浄材中で沈降速度が速く、実用上問題となることがある。
【0017】
なお、前記無機酸化物粒子について、平均粒子径が上記範囲であれば、必ずしも均一な粒子径分布である必要はなく、ブロードな粒子径分布であってもよい。
また比較的小さい平均粒子径の無機酸化物粒子と比較的大きい平均粒子径の無機酸化物粒子とを任意の割合で混合して用いることもできる。
前記基板洗浄用粒子は、下記式(1)で表される加水分解性有機ケイ素化合物で表面処理されていることが好ましい。
【0018】
nSiX4-n (1)
〔ただし、R:炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:1〜3〕
このような加水分解性有機ケイ素化合物として具体的には、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロルシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン等が挙げられる。
【0019】
基板洗浄用粒子がこのような加水分解性有機ケイ素化合物で表面処理されていると、加水分解性有機ケイ素化合物の有する有機官能基の種類によって、油脂、異物等を選択的に、より効果的に除去することができる。たとえば、有機官能基がアルキル基の場合、親油性を有しているので油脂、シリコーン、液晶等を効果的に除去でき、イオン性の有機官能基を有する場合はイオン性不純物特に反対電荷のイオン性不純物を効果的に除去することができる。たとえば、上記中アミノ基を有する加水分解性有機ケイ素化合物を用いるとアニオン性不純物を効果的に除去することができる。また、有機官能基の種類にかかわらずスクラッチの生成を抑制することができる。
【0020】
このような加水分解性有機ケイ素化合物の含有量は、基板洗浄用粒子中にRnSiO4-n/2 として0.01〜5重量%、さらには0.02〜3重量%の範囲で含有することが好ましい。
基板洗浄用粒子中の加水分解性有機基含有ケイ素化合物の含有量がRnSiO4-n/2として0.01重量%未満の場合は、基板洗浄用粒子表面の有機官能基(R)が少ないために前記した効果を充分発現することができず、また、加水分解性有機ケイ素化合物の分子量や基板洗浄用粒子の平均粒子径にもよるが、基板洗浄用粒子中の加水分解性有機基含有ケイ素化合物の含有量がRnSiO4-n/2として5重量%を越えては担持することが困難で、仮にできたとしても前記洗浄効果がさらに向上することもない。
【0021】
このような加水分解性有機基含有ケイ素化合物で表面処理された基板洗浄用粒子の製造方法は、加水分解性有機基含有ケイ素化合物を表面に有する基板洗浄用粒子が得られれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。たとえば、無機酸化物粒子の分散液に所定量の加水分解性有機基含有ケイ素化合物の水および/または有機溶媒を溶媒とする溶液を加え、必要に応じて酸またはアルカリを加えて加水分解し、加水分解物を粒子表面に析出させることによって得ることができる。
【0022】
また、本発明に用いる基板洗浄用粒子は、アミン類化合物で表面処理されていてもよい。
アミン類で処理すると粒子表面に有機カチオンやアミン類が吸着あるいは結合した粒子が得られ、このような粒子はイオン性不純物、特にアニオン性不純物を効果的に除去することができる。アミン類はアンモニウムなどの有機塩基となっていてもよく、有機塩基としてはテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩があげられ、アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどがあげられる。
【0023】
このようなアミン類化合物の含有量は、基板洗浄用粒子1g中に1×10-6〜1×10-3モル、さらには1×10-5〜5×10-3モルの範囲で含有することが好ましい。
基板洗浄用粒子1g中の有機カチオンやアミン類の含有量が前記下限未満の場合は、洗浄用用粒子表面の有機カチオンやアミノ基が少ないために前記した効果を充分発現することができず、また、有機カチオンやアミン類化合物の分子量や基板洗浄用粒子の平均粒子径にもよるが、基板洗浄用粒子1g中の有機カチオンやアミン類化合物の含有量が前記上限を越えるような吸着あるいは結合は、困難で、仮にできたとしても前記洗浄効果がさらに向上することもない。
【0024】
このようなアミン類化合物による基板洗浄用粒子の表面処理方法は特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。たとえば、無機酸化物粒子の分散液に所定量の有機塩基やアミン類化合物の水および/または有機溶媒を溶媒とする溶液を加え、必要に応じて酸またはアルカリを加えてpH調整することによって有機カチオンやアミン類化合物を粒子表面に吸着あるいは結合させることによって得ることができる。
【0025】
前記基板洗浄用粒子のうち、平均粒子径が0.5μmを越える粒子の場合は、10%圧縮弾性率が100〜5000Kgf/mm2、さらには200〜1000Kgf/mm2の範囲にある弾性粒子を使用することが好ましい。
10%圧縮弾性率が100Kgf/mm2 未満の場合は、洗浄時に粒子が壊れることがあり、10%圧縮弾性率が5000Kgf/mm2 を越えると、特に粒子径が0.5μm以上と大きい場合は、スクラッチ(筋状の傷)が発生することがある。10%圧縮弾性率が上記範囲にあれば、基板の種類や基板洗浄用粒子の大きさによらず、スクラッチが生成することなく効果的に異物等を除去することができる。
【0026】
上記10%圧縮弾性率の測定方法は下記の通りである。
10%K値は、測定器として微小圧縮試験機(島津製作所製 MCTM−201)を用い、試料として粒子直径がDである1個の粒子を用いて、試料に一定の負荷速度で荷重を負荷し、圧縮変位が粒子径の10%となるまで粒子を変形させ、10%変位時の荷重と圧縮変位(mm)を求める。粒径および求めた圧縮荷重、圧縮変位を次式に代入して計算によって求めた。本願では、10個の粒子について10%K値を測定し、この平均値で評価した。
【0027】
K=(3/21/2)・F・S-3/2・(D/2)-1/2
ここで、K:10%圧縮弾性率(Kgf/mm2)
F:微粒子の10%圧縮変形時の荷重値(Kgf)
S:微粒子の10%圧縮変形時の圧縮変位(mm)
D:粒子直径(mm)
である。
【0028】
具体的な測定条件としては、圧縮速度定数を1として、粒子径によって負荷速度を0.28〜2.67gf/secの範囲で変更し、試験荷重を最大10gfとした。
このような10%圧縮弾性率を有する無機酸化物粒子の製造方法としては、本願出願人の出願による特開平11−228699号公報)、特開2000−204168号公報等に開示したポリオルガノシロキサン微粒子、特開平11−61043号公報に開示した単分散シリカ粒子等の方法は好適に採用することができる。
【0029】
たとえば、下記(a)〜(f)の工程からなる製造方法が例示される。
(a) 式:Si(OR1)4
(式中、R1は、水素原子またはアルキル基、アルコキシアルキル基およびアシル基から選ばれる炭素数1〜10の有機基である。)で表される有機ケイ素化合物と、式:R'Si(OR2)3(式中、R2は、前記R1と同様の基であり、R'は、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の基である。)で表される有機ケイ素化合物との混合物を、水と有機溶媒との混合溶媒中で加水分解、縮重合することによりシード粒子を調製する工程。
(b)前記シード分散液にアルカリを添加してシード粒子を単分散させ、シード分散液を安定化させる工程。
(c)前記安定化されたシード粒子の分散液に、分散液のpHを6〜9に維持しながら、下記式(1)〜(3)で表される化合物の1種または2種以上を加えて加水分解・縮重合し、これによりシード粒子を成長させて球状微粒子分散液を調製する工程。
【0030】
(1)式:R'Si(OR2)3
(式中、R2、R’は、前記と同様の基である。)で表される有機ケイ素化合物;
(2)式:R’R”Si(OR3)2
(式中、R’、R”は、互いに同一であっても異なっていてもよく、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の基であり、R3は、前記R1と同様の基である。)で表される有機ケイ素化合物;
(3)式:
【0031】
【化1】
Figure 0004554142
【0032】
(式中、R4は、プロピルまたはブチル基であり、Yは、メチル基、メトキシ基、エチル基およびエトキシ基から選ばれる1種の有機基であり、
Mは、周期律表第IB族、第IIA、B族、第IIIA、B族、第IVA、B族、第VA族、第VIA族、第VIIA族、第VIII族から選ばれる元素であり、また、mは0〜3の整数であり、nは1〜4の整数であり、m+nは2〜4の整数である。)
で表されるアセチルアセトナトキレート化合物
(d)前記球状微粒子分散液を加熱して熟成する工程。
(e)前記熟成した球状微粒子分散液から球状微粒子を分離し、ついで該微粒子を乾燥する工程。
(f)前記乾燥した球状微粒子を、必要に応じて加熱処理する工程。
[洗浄材]
本発明の洗浄材は水系分散媒に前記基板洗浄用粒子が0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%の範囲で分散してなることを特徴としている。
【0033】
水系分散媒とは、水、または、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類や、エーテル類、エステル類、ケトン類等の水溶性の有機溶媒と水との混合溶媒をいう。なお、本願発明の洗浄材は、基板洗浄用粒子が表面に加水分解性有機ケイ素化合物に由来する有機官能基を有している場合必ずしも前記有機溶媒を用いることなく油脂系の汚れを洗浄することができる。
【0034】
基板洗浄用粒子の濃度が前記下限未満の場合は、基板洗浄用粒子の濃度が低すぎて、前記した本願発明の効果が充分得られず、また充分な効果を得るには長時間を要する。
基板洗浄用粒子の濃度が前記上限を越えると、洗浄材に粘性が生じるので、基材の洗浄にとどまらず、基材の研磨を伴うことがある。
【0035】
本発明に係る洗浄材にはその目的を損なわない範囲で、界面活性剤、防錆剤、防酸化剤、金属イオン封鎖材、ビルダーなどの添加剤が含まれていてもよく、具体的には公知のものを特に制限されることなく使用することが可能である。
本発明に係る洗浄材の製造方法としては特に制限されるものではない。たとえば、前記の水系分散媒に所定量の前記微粒子を必要に応じて添加される成分とともに、適宜の方法で分散させればよい。分散方法としては、粉末状の微粒子を分散媒に添加したのち、撹拌機などにより均一に分散させるか。水または有機溶媒を分散媒とする微粒子ゾルと、前記水系分散媒とを混合する、などの方法が挙げられる。
【0036】
本発明に用いられる微粒子のうち、無機酸化物微粒子または複合無機酸化物微粒子を用いる場合、従来公知のシリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、シリカアルミナゾル等を用いることができる。たとえば、本願出願人の出願による特開昭63−45114号公報、特開昭63−64911号公報に開示したシリカゾル、特開平5−132309号公報に開示したシリカ系複合ゾル、特開平7−89717号公報に開示したアルミナゾル等は粒子径分布が均一であり好適に用いることができる。
【0037】
[洗浄方法]
本発明の基材の洗浄方法は、超音波を照射しながら基材と前記洗浄材を接触させることを特徴としている。
[基材]
本発明の洗浄方法を採用できる基材としては特に制限はないが、洗浄後の基材が高度に清浄であることを必要とする基材、従来の方法では洗浄が困難な基材、従来の方法では洗浄が困難な部位を有する基材、洗剤の使用が適当でない基材等の洗浄に好適に用いることができる。
【0038】
特に、前述した液晶表示装置関係における、ガラス基板、ガラス基板にスズをドープした酸化インジウム(ITO)の透明電極膜を形成した透明電極膜付基材、さらにアルカリパッシベーション膜を形成した透明電極膜付基材、あるいは配線パターニングした透明電極膜付基材などの液晶、シリコーン等が付着し残存している基板、また、液晶封止後の液晶、シリコーン、油脂類などの付着した液晶表示基板等の洗浄に好適である。
【0039】
具体的な洗浄方法としては、基材によって異なるが、前記した洗浄材の入った槽内に基材を浸漬し、これに超音波を照射する。たとえば大きな異物(通常5μm〜1mm程度)の除去・洗浄には周波数が28〜40KHz(1000〜2000W)の超音波を照射することが好ましく、小さな異物(通常5μm未満)の除去・洗浄には周波数が40KHz〜1MHz(1000〜2000W)の超音波を照射することが好ましい。
【0040】
超音波照射時には超音波発振子を基材と接触しない範囲で、反復移動させてもよく、また、超音波発振子を固定して被洗浄基板を発振子と接触しないように移動させてもよい。このような発振子または被洗浄基板を移動させると、洗浄効率を極めて向上させることができる。
このときの超音波の照射時間は特に制限はなく、所望の清浄基板が得られる時間、あるいは回数照射することができる。
【0041】
また、超音波発振子を内蔵したノズル体を用いて、ノズルより、超音波振動を付与された洗浄材を基材表面に噴出させて、表面を洗浄してもよい。
また、本発明に係る基材の洗浄方法は、従来の洗浄方法と組み合わせて、あるいは従来の洗浄方法の途中工程で実施することも、さらに従来の洗浄方法の途中工程の代わりに実施することもできる。また、本発明に係る洗浄方法は複数回繰り返してもよい。
【0042】
具体的には、他の洗浄処理としては、界面活性剤による洗浄処理、水によるリンス処理、乾燥処理、ブラシによる機械的処理などが挙げられる。
たとえば、液晶基板(セル)の場合、液晶基板を6〜8mm間隔で300〜600枚立てて並べた被洗浄基板の1バッチを、
洗浄材槽→市水リンス槽→純水リンス槽
の順に、28〜40kHz、1000〜2000Wの超音波を照射し、純水リンスが終了した後、60℃の湿純水雰囲気に保持し、エアーブローして乾燥する。
【0043】
また各基板は、本発明に係る洗浄方法で洗浄する前に、ブラシで洗浄したり、界面活性剤(中性洗剤、アルカリ性洗剤)水溶液で洗浄したりして、大きな汚れは除去されていてもよい。また、本発明によれば、洗浄に使用された界面活性剤が表面に付着していても、特定の洗浄材を使用しているので、付着した界面活性剤も好適に除去できる。
【0044】
以上のような本発明に係る基材の洗浄方法では、洗浄材中に無機酸化物からなる基板洗浄用粒子が含まれているので、基材と基板洗浄用粒子が接触することによって基材表面の異物、汚れ等を除去することができる。また、超音波を照射しているので、異物および基板洗浄用粒子が超音波エネルギーを吸収して振動することによって高い洗浄効果を奏することができる。
【0045】
さらに、基材の種類によっては適度に弾性を有する基板洗浄用粒子を含む洗浄材を用いることによって基材表面を損傷することなく洗浄することができる。
また、表面を加水分解性有機ケイ素化合物で処理した基板洗浄用粒子、あるいはアミン類を表面に吸着・結合させた基板洗浄用粒子を含む洗浄材を用いると表面に付着した油成分、洗剤や界面活性剤、イオン性不純物等の除去を効果的に行うことができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の基板洗浄用粒子によれば、基板洗浄用粒子が微細な粒子であり、超音波の照射下に基材と接触するので基材を損傷することなく基材表面の異物等を効果的に除去することができる。
本発明の洗浄材によれば、超音波の照射下に基材と接触させることによって基材を損傷することなく基材表面の異物等を効果的に除去することができる。また、従来の方法では洗浄が困難な部位、たとえば直接物理的に接触することができない部位、微細凹凸部位等を有する基材を効果的に清浄にすることができる。
【0047】
本発明の洗浄方法によれば、上記基板洗浄用粒子を含む洗浄材を用い、超音波の照射下に基材と接触するので基材を損傷することなく基材表面の異物等を効果的に除去することができる。また、従来の方法では洗浄が困難な部位、たとえば直接物理的に接触することができない部位、微細凹凸部位等を有する基材を効率的に清浄にすることができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0049】
【実施例1】
基板洗浄用粒子(A)の分散液
シリカ粒子分散ゾル(触媒化成工業(株)製:カタロイド SI-45P、平均粒子径45nm、SiO2濃度40.2重量%、Na2O濃度0.75重量%(乾燥基準)、Al23濃度0.4重量%(乾燥基準))をSiO2濃度20重量%に希釈し、両性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SMNUPB)を用いて脱塩し、ついで純水で希釈して基板洗浄用粒子(A)の分散液(SiO2濃度5重量%、Na2O:50ppm(乾燥基準))を調製した。
【0050】
[洗浄]
洗浄材(A)
上記で得た基板洗浄用粒子(A)の分散液をそのまま洗浄材(A)として用いた。
洗浄液(1)の調製
中性洗剤(ライオン(株)製:チャーミーV)を希釈して洗剤の濃度が0.5重量%の洗浄液(1)を調製した。
【0051】
洗浄液(2)の調製
アルカリ性洗剤(P&G(株)製:ジョイ)を希釈して洗剤の濃度が0.5重量%の洗浄液(2)を調製した。
洗浄テスト( 1-1 ):油脂汚れ
ガラス板表面を色巻き赤鉛筆(三菱鉛筆(株)製:DERMATOGRAPH)の外部が接するようにして5回摺り合わせ、油脂汚れを付着させた。この油脂汚れ付きガラス板を、洗浄材(A)の温度を5℃に調節した超音波洗浄槽に浸漬し、超音波(40kHz)を30分間照射し、ついでこれを取り出し純水を掛け水した後、純水の温度を5℃に調節した超音波洗浄槽に浸漬し、超音波(40kHz)を30分間照射した。ついで、60℃の純水に浸漬した後取り出し、エアーブローで乾燥した。このようにして洗浄したガラス基板の表面を目視観察し、以下の基準で油脂洗浄性を評価した。
【0052】
結果を表1に示す。
油脂汚れが認められない :◎
油脂汚れが僅かに認められる:○
油脂汚れが明らかに残存 :△
油脂汚れが1/2以上残存 :×
洗浄テスト( 1-2 ):シリコーン汚れ
ガラス板表面をシリコンゴム(井内(株)製:シリコンゴム栓)にて5回摺り合わせ、シリコーンを付着させた。このシリコーン付着ガラス板を、洗浄テスト(1-1)と同様にして洗浄した。洗浄したガラス基板の表面に水性ペン(ペンテル(株)製:サインペン黒)で筆記(水性インクを塗布)し、インクのはじき方を目視観察し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
【0053】
インクのはじきが認められない :◎
インクのはじきが僅かに認められる :○
インクのはじきが明らかに認められる:△
インクのはじき面が1/2以上残存 :×
また、洗浄テスト(1-1)と同様に洗剤の洗浄性について評価した。結果を表1に示す。
【0054】
洗浄テスト( 1-3-1 ):中性洗剤汚れ
洗浄液(1)にガラス板を浸漬し、乾燥して洗剤が付着したガラス板とした。
この洗剤付着ガラス板を、洗浄テスト(1-1)と同様にして洗浄し、洗浄したガラス基板の表面を微分干渉顕微鏡(ニコン(株)製)にて観察し、洗剤の洗浄性(残存程度)を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
【0055】
干渉色が認められず、洗剤が除去されている :○
弱い干渉色が認められ、洗剤が僅かに残存している :△
比較的鮮明に干渉色があり、洗剤が明らかに残存している:×
洗浄テスト( 1-3-2 ):アルカリ性洗剤汚れ
洗浄液(2)に浸漬した以外は洗浄テスト(1-3-1)と同様にして洗浄し、洗浄したガラス基板の表面を微分干渉顕微鏡(ニコン(株)製)にて観察し、洗剤の洗浄性(残存程度)を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
【0056】
干渉色が認められず、洗剤が除去されている :○
弱い干渉色が認められ、洗剤が僅かに残存している :△
比較的鮮明に干渉色があり、洗剤が明らかに残存している:×
洗浄テスト( 2-1 ):油脂汚れ
透明電極付基板(基材:アルカリパッシベーションガラス、透明電極:ITO電極、厚み10μm)を用いた以外は洗浄テスト(1-1)と同様にして洗浄、評価した。結果を表1に示す。
【0057】
また、このとき、スクラッチの有無について光学顕微鏡で観察し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
傷、筋等(スクラッチ)が認められず、表面が平滑である。 :○
傷、筋等(スクラッチ)が僅かに認められるが、表面が平滑である。 :△
傷、筋等(スクラッチ)が多く認められ、表面が平滑である。 :×
洗浄テスト( 2-2 ):シリコーン汚れ
透明電極付基板(基材:アルカリパッシベーションガラス、透明電極:ITO電極、厚み10μm)を用いた以外は洗浄テスト(1-2)と同様にして洗浄、評価した。結果を表1に示す。
【0058】
洗浄テスト( 2-3-1 ):中性洗剤汚れ
透明電極付基板(基材:アルカリパッシベーションガラス、透明電極:ITO電極、厚み10μm)を用いた以外は洗浄テスト(1-3-1)と同様にして洗浄、評価した。結果を表1に示す。
洗浄テスト( 2-3-2 ):アルカリ性洗剤汚れ
透明電極付基板(基材:アルカリパッシベーションガラス、透明電極:ITO電極、厚み10μm)を用いた以外は洗浄テスト(1-3-2)と同様にして洗浄、評価した。結果を表1に示す。
【0059】
洗浄テスト( 3 ):油脂汚れ
色巻き赤鉛筆(三菱鉛筆(株)製:DERMATOGRAPH)の外部が接するようにして5回摺り合わせて液晶基板の隙間(対抗する基板を張り合わせてできる外周部の微細な隙間)に油脂汚れを付着させた液晶基板を用いた以外は洗浄テスト(1-1)と同様にして洗浄、以下の評価基準で評価した。結果を表1に示す。
【0060】
液晶基板の表面を目視観察し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
油脂汚れが認められない :◎
油脂汚れが隙間に僅かに認められる:○
油脂汚れが隙間に明らかに残存 :△
油脂汚れが平坦部にも残存 :×
【0061】
【実施例2】
洗浄材(B)
実施例1と同様にして、脱塩したSiO2濃度20重量%のシリカ粒子分散ゾルとした。このシリカ粒子分散ゾル1000gとメタノール1000gを混合し、濃度10重量%の硝酸1.0gを添加し、これにエチルトリエトキシシラン(多摩化学(株)製:SiO2濃度28重量%)34.7gを添加し、室温にて24時間撹拌した。ついで、ロータリーエバポレーターにて60℃、100mmHgでメタノールを除去し、ついで純水にて固形分濃度5重量%の洗浄材(B)を調製した。このとき、分散媒中のメタノールの割合は10重量%であった。
【0062】
[洗浄]
洗浄材(B)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0063】
【実施例3】
洗浄材(C)
実施例2で調製した洗浄材(B)1000gに濃度10重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)5gを添加して第4級アンモニウムイオンを吸着した洗浄材(C)を調製した。
【0064】
[洗浄]
洗浄材(C)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0065】
【実施例4】
洗浄材(D)
シリカ粒子分散ゾル(触媒化成工業(株)製:カタロイド SI-80P、平均粒子径80nm、SiO2濃度40重量%、Na2O:2.0重量%(乾燥基準))をSiO2濃度20重量%に希釈し、両性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SMNUPB)を用いて脱塩し、ついで純水で希釈して基板洗浄用粒子(B)の分散液(SiO2濃度5重量%、Na2O:50ppm(乾燥基準))を調製し、洗浄材(D)として用いた。
【0066】
[洗浄]
洗浄材(D)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0067】
【実施例5】
洗浄材(E)
実施例4と同様にして、脱塩したSiO2濃度20重量%のシリカ粒子分散ゾルとした。このシリカ粒子分散ゾル1000gとメタノール1000gを混合し、濃度10重量%の硝酸1.0gを添加し、これにビストリメトキシシリルヘキサン(チッソ(株)製:SiO2濃度36.6重量%)27.3gを添加し、室温にて24時間撹拌した。ついで、両性イオン交換樹脂にて脱塩し、さらに、ロータリーエバポレーターにて60℃、100mmHgでメタノールを除去し、純水を加えて固形分濃度5重量%の洗浄材(E)を調製した。このとき、分散媒中のメタノールの割合は10重量%であった。
【0068】
[洗浄]
洗浄材(E)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0069】
【実施例6】
洗浄材(F)
シリカ粒子分散ゾル(触媒化成工業(株)製:カタロイド SI-550、平均粒子径5nm、SiO2濃度20重量%、Na2O:2.0重量%(乾燥基準))を両性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SMNUPB)を用いて脱塩し、ついで純水で希釈して基板洗浄用粒子(C)の分散液(SiO2濃度5重量%、Na2O:50ppm(乾燥基準))を調製し、洗浄材(F)として用いた。
【0070】
[洗浄]
洗浄材(F)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0071】
【実施例7】
洗浄材(G)
実施例6と同様にして、脱塩したSiO2濃度20重量%のシリカ粒子分散ゾルとした。このシリカ粒子分散ゾル1000gとメタノール1000gを混合し、濃度10重量%の硝酸1.0gを添加し、これにエチルトリエトキシシラン(多摩化学(株)製:SiO2濃度28重量%)3.47gを添加し、室温にて24時間撹拌した。ついで、両性イオン交換樹脂にて脱塩し、さらに、ロータリーエバポレーターにて60℃、100mmHgでメタノールを除去し、純水を加えて固形分濃度5重量%の洗浄材(G)を調製した。
【0072】
[洗浄]
洗浄材(G)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0073】
【実施例8】
洗浄材(H)
テトラエトキシシランを加水分解して得たシリカ粒子(触媒化成工業(株)製:真絲球SW-5、平均粒子径4μm、Na2O:1ppm以下(乾燥基準)、10%圧縮弾性率:6500Kgf/mm2)を純水に分散させ、SiO2濃度10重量%のシリカ粒子分散液とし、これを洗浄材(H)として用いた。
【0074】
[洗浄]
洗浄材(H)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0075】
【実施例9】
洗浄材(I)
テトラエトキシシランを加水分解して得たシリカ粒子(触媒化成工業(株)製:真絲球SW-10、平均粒子径10μm、Na2O:1ppm以下(乾燥基準)、10%圧縮弾性率:7000Kgf/mm2)を純水に分散させ、SiO2濃度10重量%のシリカ粒子分散液とし、これを洗浄材(I)として用いた。
【0076】
[洗浄]
洗浄材(I)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0077】
【実施例10】
洗浄材(J)
メチルトリエトキシシランを加水分解して得たシリカ粒子(触媒化成工業(株)製:真絲球EW-5、平均粒子径5μm、Na2O:1ppm以下(乾燥基準)、10%圧縮弾性率2500Kgf/mm2)をメタノール/純水(1/9重量比)に分散させ、固形分濃度20重量%のシリカ粒子分散液とし、これを洗浄材(J)として用いた。
【0078】
[洗浄]
洗浄材(J)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0079】
【実施例11】
洗浄材(K)
メチルトリエトキシシランを加水分解して得たシリカ粒子(触媒化成工業(株)製:真絲球EW-10、平均粒子径10μm、Na2O:1ppm以下(乾燥基準)、10%圧縮弾性率3000Kgf/mm2)をメタノール/純水(1/9重量比)に分散させ、固形分濃度10重量%のシリカ粒子分散液とし、これを洗浄材(K)として用いた。
【0080】
[洗浄]
洗浄材(K)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0081】
【実施例12】
洗浄材(L)
実施例11で得たシリカ粒子を1000℃で時間焼成して得たシリカ粒子(平均粒子径9μm、Na2O:1ppm以下(乾燥基準)、10%圧縮弾性率6000Kgf/mm2)をメタノール/純水(1/9重量比)に分散させ、固形分濃度10重量%のシリカ粒子分散液とし、これを洗浄材(L)として用いた。
【0082】
[洗浄]
洗浄材(L)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0083】
【比較例1】
[洗浄]
洗浄材(A)の代わりに純水を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0084】
【比較例2】
[洗浄]
洗浄材(A)の代わりにメタノール/純水(1/1重量比)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0085】
【比較例3】
洗浄材(A)の代わりに洗浄液(1)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)、(1-2)、(2-1)、(2-2)、洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0086】
【比較例4】
洗浄材(A)の代わりに洗浄液(2)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)、(1-2)、(2-1)、(2-2)、洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0087】
【比較例5】
洗浄材(M)
実施例1で調製した基板洗浄用粒子(A)の分散液(SiO2濃度10重量%、Na2O:50ppm(乾燥基準))をSiO2濃度20重量%に濃縮し、これを噴霧乾燥し、600℃で2時間焼成して平均粒子径120μmのシリカ粒子を得た。
これをメタノール/純水(1/9重量比)に分散させ、固形分濃度10重量%のシリカ粒子分散液とし、洗浄材(M)とした。
【0088】
[洗浄]
洗浄材(M)を用いた以外は実施例1と同様にして、洗浄テスト(1-1)〜洗浄テスト(3)を実施した。結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
Figure 0004554142

Claims (5)

  1. シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア、シリカ・アルミナ、シリカ・ジルコニアから選ばれる無機酸化物からなる粒子であり、
    平均粒子径が2nm〜100μmの範囲にあり、表面が、下記式(1)で表される加水分解性有機ケイ素化合物またはアミン類化合物で処理されている基板洗浄用粒子が、水または水と有機溶媒との混合溶媒からなる分散媒に1〜20重量%の範囲で分散している基板洗浄材を、超音波を照射させながら基板と接触させることを特徴とする基板の洗浄方法。
    nSiX4-n (1)
    〔ただし、R:炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:1〜3〕
  2. シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア、シリカ・アルミナ、シリカ・ジルコニアから選ばれる無機酸化物からなる粒子であり、平均粒子径が0.5μmを超えて100μmの範囲にあり、10%圧縮弾性率が100〜5000kgf/mm2 の弾性率を有する基板洗浄用粒子が、水または水と有機溶媒との混合溶媒からなる分散媒に1〜20重量%の範囲で分散している基板洗浄材を、超音波を照射させながら基板と接触させることを特徴とする基板の洗浄方法。
  3. 基板洗浄用粒子が、前記式(1)で表される加水分解性有機ケイ素化合物またはアミン類化合物で処理されていることを特徴とする請求項2に記載の基板の洗浄方法。
  4. 無機酸化物粒子のアルカリ金属の含有量が、M 2 O(M:アルカリ金属)として、1000重量ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板の洗浄方法。
  5. 無機酸化物粒子のアルカリ金属の含有量が、M 2 O(M:アルカリ金属)として、1重量ppm以下であることを特徴とする請求項4に記載の基板の洗浄方法。
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