以下においては、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則として繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に従うMRAMデバイス1aの全体構成を示す概略ブロック図である。
図1を参照して、MRAMデバイスは、外部からの制御信号(図示せず)およびアドレス信号Addに応じてランダムアクセスを実行し、書込データDinの入力および読出データDoutの出力を実行する。データ読出動作およびデータ書込動作に代表されるMRAMデバイス1の内部動作は、上記制御信号に応答して,図示しない制御回路によって発行される。当該内部動作は、たとえば外部からのクロック信号(図示せず)に同期したタイミングで実行される。あるいは、外部からクロック信号を受けることなく、MRAM内部で動作タイミングを定めてもよい。
MRAMデバイス1aは、メモリセルアレイ10と、行デコーダ20と、列デコーダ30と、書込バッファ70と、データ読出アンプ80と、データバスDBおよび参照データバスDBrとを備える。
メモリセルアレイ10には、行列状に配列された複数のMTJメモリセルMC(以下、単に「メモリセル」とも称する)と、ダミー行を形成するように配置されたデータ読出参照用の複数のダミーメモリセルDMCとが配置されている。
メモリセルの行(メモリセル行)に対応して、データ読出用のリードワード線RWLおよびデータ書込用のディジット線DLが配置される。一方、ダミーメモリセルの行(ダミーセル行)に対応して、データ読出用のダミーリードワード線DRWLが配置される。メモリセルMCおよびダミーメモリセルDMCはメモリセル列を共有するように配置され、メモリセル列にそれぞれ対応してビット線BLが配置される。
各メモリセルMCおよび各ダミーメモリセルDMCは、ソース線SLによって所定電圧Vssと接続される。所定電圧Vssとしては接地電圧が一般的に用いられるので、以下においては所定電圧Vssを接地電圧Vssとも称する。
各メモリセルMCは、対応のビット線BLおよびソース線SLの間に直列に接続されたアクセストランジスタATRおよびトンネル磁気抵抗素子TMRを有する。
ここで、MTJメモリセルの構成およびデータ記憶原理を説明する。
図2は、MTJメモリセルの構成およびデータ記憶原理を説明する概念図である。
図2を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定された一定の磁化方向を有する強磁性体層(以下、単に「固定磁化層」とも称する)FLと、外部からの印加磁界に応じた方向に磁化可能な強磁性体層(以下、単に「自由磁化層」とも称する)VLとを有する。固定磁化層FLおよび自由磁化層VLの間には、絶縁体膜で形成されるトンネルバリア(トンネル膜)TBが設けられる。自由磁化層VLは、書込データに応じて、固定磁化層FLと同一方向または固定磁化層FLと反対方向に磁化される。これらの固定磁化層FL、トンネルバリアTBおよび自由磁化層VLによって磁気トンネル接合(MTJ)が形成される。
トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗は、固定磁化層FLおよび自由磁化層VLのそれぞれの磁化方向の相対関係に応じて変化する。具体的には、トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗は、固定磁化層FLの磁化方向と自由磁化層VLの磁化方向とが同じ(平行)である場合に最小値Rminとなり、両者の磁化方向が反対(反平行)方向である場合に最大値Rmaxとなる。
データ書込時においては、リードワード線RWLが非活性化されて、アクセストランジスタATRはターンオフされる。この状態で、自由磁化層VLを磁化するためのデータ書込磁界H(BL)およびH(DL)が、ビット線BLおよびディジット線DLを流れるデータ書込電流によってそれぞれ発生される。特に、ビット線BL上のデータ書込電流は、書込データのレベルに応じて、互いに反対方向のIw(0)およびIw(1)の一方に設定されるので、自由磁化層VLに印加されるデータ書込磁界H(BL)の方向は、書込データのレベルに応じて異なる。
図3は、MTJメモリセルのデータ書込電流と、トンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を示す概念図である。
図3を参照して、横軸H(EA)は、トンネル磁気抵抗素子TMR内の自由磁化層VLにおいて磁化容易軸(EA:Easy Axis)方向に印加される磁界を示す。一方、縦軸H(HA)は、自由磁化層VLにおいて磁化困難軸(HA:Hard Axis)方向に作用する磁界を示す。磁界H(EA)およびH(HA)は、図2に示したデータ書込磁界H(BL)およびH(DL)にそれぞれ対応する。
MTJメモリセルにおいては、固定磁化層FLの固定された磁化方向は、自由磁化層VLの磁化容易軸に沿っており、自由磁化層VLは、書込データに応じて、磁化容易軸方向に沿って、固定磁化層FLと平行あるいは反平行(反対)方向に磁化される。MTJメモリセルは、自由磁化層VLの2通りの磁化方向と対応させて、1ビットのデータを記憶することができる。
自由磁化層VLの磁化方向は、印加される磁界H(EA)およびH(HA)の和が、アステロイド特性線の外側の領域に達する場合にのみ新たに書換えることができる。すなわち、印加されたデータ書込磁界がアステロイド特性線の内側の領域に相当する強度である場合には、自由磁化層VLの磁化方向は変化しない。
アステロイド特性線に示されるように、自由磁化層VLに対して磁化困難軸方向の磁界を印加することによって、磁化容易軸に沿った磁化方向を変化させるのに必要な磁化しきい値を下げることができる。図3に示すように、データ書込時の動作点は、ディジット線DLおよびビット線BLの両方に所定のデータ書込電流を流したときに、MTJメモリセルの記憶データ、すなわちトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向を書換えられるように設計される。
図3に例示された動作点5a〜5dでは、データ書込対象であるMTJメモリセルにおいて、磁化容易軸方向のデータ書込磁界H(EA)の強度がHWRとなるように設計される。すなわち、このデータ書込磁界HWRが得られるように、ビット線BLまたはディジット線DLを流れるデータ書込電流の値が設計される。一般的に、データ書込磁界HWRは、磁化方向の切換えに必要なスイッチング磁界HSWと、マージン分ΔHとの和で示される。すなわち、HWR=HSW+ΔHで示される。
また、磁化困難軸方向のデータ書込磁界H(HA)の方向は、MTJメモリセルの書込データへ影響を与えない。すなわち、動作点5a,5cのいずれによっても、同じ値のデータをMTJメモリセルに書込み可能であり、同様に、動作点5b,5dのいずれを用いても、同じ値のデータをMTJメモリセルに書込むことができる。
トンネル磁気抵抗素子TMRに一旦書込まれた磁化方向、すなわちMTJメモリセルの記憶データは、新たなデータ書込が実行されるまでの間不揮発的に保持される。各メモリセルの抵抗は、厳密には、トンネル磁気抵抗素子TMR、アクセストランジスタATRのオン抵抗、およびその他の寄生抵抗の和であるが、トンネル磁気抵抗素子TMR以外の抵抗分は記憶データによらず一定であるので、以下においては、MTJメモリセルの記憶データに応じた2種類の抵抗についてもRmaxおよびRminで示し、両者の差をΔR(すなわち、ΔR=Rmax−Rmin)と示すものとする。
データ読出時には、アクセストランジスタATRをターンオンさせることによって生じるトンネル磁気抵抗素子TMRの通過電流を、ビット線BLを介して検知することにより、選択メモリセルの抵抗レベル、すなわち記憶データを読出可能である。
再び図1を参照して、ダミーメモリセルDMCは、上述したメモリセルMCの2種類の抵抗RmaxおよびRminの中間抵抗Rref(たとえば、Rref=Rmin+ΔR/2)を有するように構成される。各ダミーメモリセルDMCは、ダミーリードワード線DRWLの活性化に応答して、参照データバスDBrおよびソース線SL(接地電圧Vss)の間に、中間抵抗Rrefを電気的に接続可能なように構成される。
なお、ダミーメモリセルDMCの構成は特に限定されないため、抵抗Rrefを製造時に固定することで、製造後におけるダミーメモリセルDMCへの磁気的なデータ書込を不要とする構成を採用することもできる。このような構成では、データ書込用のダミーディジット線DDLの配置は必要ない。しかしながら、製造時にメモリセルアレイ10の端部で形状が不連続となることによって寸法精度に支障をきたすことを防止するために、不使用の場合でもあえてダミーディジット線DDLを設ける構成としてもよい。
各ディジット線DLの一端は、たとえばnMOSトランジスタが適用されたトランジスタスイッチ25を介して接地電圧Vssと接続される。一方、各ディジット線DLの他端側は、たとえばpMOSトランジスタが適用されたトランジスタスイッチ15を介して電源電圧Vccと接続される。各トランジスタスイッチ15は、ディジット線プリチャージ信号/DLPRの活性化に応答してターンオンする。一方、各トランジスタスイッチ25は、行デコーダ20による行アドレス信号Add(RA)のデコード結果に基づいて、データ書込時に選択行でターンオンされる。
ダミーディジット線DDLは、トランジスタスイッチ15および25と同様に設けられたトランジスタスイッチ15♯および25♯によって、電源電圧Vccおよび接地電圧Vssと接続可能である。上述のように、ダミーメモリセルDMCへの磁気的なデータ書込が不要な構成においても、形状連続性確保のためにトランジスタスイッチ15♯および25♯をダミーとして設けてもよい。
各ビット線BLの一端側は、コラム選択スイッチ55を介してデータバスDBと接続される。一方、各ビット線BLの他端側には、ライトドライバ50が配置される。各ダミーメモリセルDMCは、コラム選択スイッチ55rを介して参照データバスDBrと接続される。
コラム選択スイッチ55,55rは、各メモリセル列に対応して設けられ、対応のコラム選択線CSLに応答してオン・オフされる。列デコーダ30は、コラムアドレス信号Add(CA)のデコード結果に基づいて、コラム選択スイッチ55,55rが選択列でオンし、非選択列でオフするように、各コラム選択線CSLの活性化を制御する。コラム選択スイッチ55,55rの各々には、たとえばnMOSトランジスタが適用される。
図1においては、第1行および第2行ならびに第j列および第(j−1)列(j:自然数)に対応する、リードワード線RWL1,RWL2、ディジット線DL1,DL2、ビット線BLj−1,BLj、コラム選択線CSLj−1、CSLjおよびソース線SLj−1,SLjが代表的に図示されている。
なお、本実施の形態においては、リードワード線、ディジット線、ビット線、コラム選択線およびソース線を総括的に表現する場合には符号RWL、DL、BL、CSLおよびSLをそれぞれ用いて表記することとする。また、データ、信号および信号線の高電圧状態(電源電圧Vcc)および低電圧状態(接地電圧Vss)のそれぞれを、「Hレベル」および「Lレベル」ともそれぞれ称することとする。
書込バッファ70は、データ端子71に入力された書込データDinに応答したデータ電圧をデータバスDBに駆動する。本実施の形態においては、書込データDin=HレベルのときにはデータバスDBが電源電圧(Vcc)に設定され、Din=Lレベルのときには、データバスDBは接地電圧(Vss)に設定されるものとする。すなわちデータ書込時において、電源電圧Vccおよび接地電圧Vssのそれぞれが「データ電圧」に相当する。
ライトドライバ50は、上記データ電圧に相当する電源電圧Vccおよび接地電圧Vssと、対応のビット線BLとの間にそれぞれ電気的に接続されたトランジスタスイッチ51および52を有する。たとえば、トランジスタスイッチ51はpMOSトランジスタで構成され、トランジスタスイッチ52は、nMOSトランジスタで構成される。
トランジスタスイッチ51のゲートには制御信号WDPが入力され、トランジスタスイッチ52のゲートには制御信号WDNが入力される。制御信号WDP,WDNは、各メモリセル列ごとに独立に生成される。図1には、第j列および第(j−1)列に対応する制御信号WDPj−1,WDPj,WDNj−1,WDNjが例示される。
データ読出アンプ80は、カレントミラーアンプを構成するnMOSトランジスタ81,82およびpMOSトランジスタ83,84と、当該カレントミラーアンプへ動作電流を供給するためのpMOSトランジスタ85とを有する。
nMOSトランジスタ81は、データバスDBおよびノードND1の間に電気的に接続され、nMOSトランジスタ82は参照データバスDBrおよびノードND2の間に電気的に接続される。pMOSトランジスタ83,84は、ノードND1およびND2とノードND3との間にそれぞれ電気的に接続される。pMOSトランジスタ85は、ノードND3および電源電圧Vccの間に電気的に接続され、ゲートにはセンスイネーブル信号/SEを受ける。
nMOSトランジスタ81および82のゲートには共通に所定電圧Vrefが与えられ、pMOSトランジスタ83および84のゲートは共通にノードND1と接続される。ノードND1には読出データDoutが生成され、ノードND2には読出データDoutの反転データ/Doutが出力される。
次に、図1に示したMRAMデバイス1aのデータ書込動作およびデータ読出動作の概略について説明する。
データ書込動作時に、行デコーダ20によるトランジスタスイッチ25のオン・オフ制御により、選択行のディジット線DLには、書込データDinによらない所定方向のデータ書込電流Ipが流される一方で、非選択行のディジット線DLにはデータ書込電流Ipは流れない。データ書込電流Ipによって、図3に示した磁化困難軸方向に沿ったデータ書込磁界H(HA)が発生される。すなわち、データ書込電流Ipは本発明における「第1のデータ書込電流」に相当し、各ディジット線DLは本発明における「第1の書込電流線」に相当する。
さらに、ライトドライバ50を構成するトランジスタスイッチ51,52およびコラム選択スイッチ55のオン・オフ制御によって、選択列のビット線BLには、書込データDinに応じてデータ書込電流Iw(0)またはIw(1)のいずれかが流される。データ書込電流Iw(0)およびIw(1)は、図3で説明した磁化容易軸に沿ったデータ書込磁界H(EA)に相当する。一方、非選択列のビット線BLは、基本的にフローティング状態とされる。すなわち、トランジスタスイッチ51,52およびコラム選択スイッチ55はターンオフされる。
これにより、選択メモリセルに対しては、データ書込電流Ipと、データ書込電流Iw(0)またはIw(1)との両方によるデータ書込磁界が印加されて、図3に示した動作点5a〜5dのいずれかの状態が実現される。これにより、選択メモリセルのトンネル磁気抵抗素子TMRは、書込データDinに沿った方向に磁化される。すなわち、データ書込電流Iw(0),Iw(1)は本発明における「第2のデータ書込電流」に相当し、各ビット線BLは本発明における「第2の書込電流線」に相当する。
なお、後ほど詳細に説明するように、本発明に従うMRAMデバイスにおいては、電源電圧Vcc(代表的にはバッテリを想定)から見た、データ書込時におけるMRAMデバイスの消費電流、すなわち負荷電流波形が急峻とならないように制御される。
データ読出時には、各ディジット線DL上に電流が流れないようにトランジスタスイッチ15,25を制御した上で、選択行のリードワード線RWLならびにダミーリードワード線DRWLが活性化される。これにより、選択メモリセルにおいてアクセストランジスタATRがオンし、選択列のビット線BLおよび接地電圧Vss(ソース線SL)の間にトンネル磁気抵抗素子TMRが接続される。さらに、選択列におけるコラム選択スイッチ55,55rのオンにより、データバスDBおよび接地電圧Vss(ソース線SL)の間には、選択メモリセルの記憶データに応じて抵抗RmaxおよびRminのいずれかが接続され、かつ、参照データバスDBrおよび接地電圧Vss(ソース線SL)の間には、ダミーメモリセルDMCの中間抵抗Rrefが接続される。
この状態で、Lレベルに活性化されたセンスイネーブル信号/SEに応答してpMOSトランジスタ85がターンオンすると、nMOSトランジスタ81,82およびpMOSトランジスタ83,84によって構成されるカレントミラーアンプに動作電流が供給される。これにより、nMOSトランジスタ81を介してノードND1と接続されるデータバスDBと、nMOSトランジスタ82を介してノードND2と接続される参照データバスDBrとの間には、選択メモリセルの記憶データに応じた極性の電流差が生じる。当該電流差は、上記カレントミラーアンプによってノードND1およびND2の間の電圧差に増幅される。これにより、選択メモリセルの記憶データに応じた読出データDoutがノードND1に生成される。
次に、実施の形態に従うMRAMデバイス1aにおけるデータ書込電流の供給について詳細に説明する。
図4は、この発明の実施の形態1に従うデータ書込電流供給構成を説明する概念図である。
図4においては、選択行に対応するディジット線DLi(以下、「選択ディジット線」とも称する)および選択列に対応するビット線BLj(以下、「選択ビット線」とも称する)が代表的に示されている。
既に説明したように、選択ディジット線DLiの一端側は、「第1のスイッチ素子」に相当するスイッチ素子S1を介して接地電圧Vssと接続可能であり、かつ、その他端側は「第2のスイッチ素子」であるスイッチ素子S2を介して電源電圧Vccと接続されている。なお、スイッチ素子S1は図1に示したトランジスタスイッチ25に相当し、スイッチ素子S2は図1に示されたトランジスタスイッチ15に相当する。
符号60は、ディジット線DLの充電容量を示す。ディジット線容量60は、ディジット線DLの寄生容量62aのみで構成されてもよいし、ディジット線DLと接続された容量素子(付加容量)62bと寄生容量62aとの和で構成されてもよい。
選択ビット線BLjの一端側は、「第3のスイッチ素子」であるスイッチ素子S3を介して、書込データDinに応じたデータ電圧に設定される書込ノード75と接続される。スイッチ素子S3は、図1に示したコラム選択スイッチ55に相当し、書込ノード75は、図1におけるデータ端子71またはデータバスDBに相当する。すなわち、書込ノード75に設定されるデータ電圧は、電源電圧Vcc(Din=Hレベル)および接地電圧Vss(Din=Lレベル)のいずれかである。
ビット線BLjの他端は、「第4のスイッチ素子」に相当するスイッチ素子S4a,S4bを介して、「データ電圧」に相当する電源電圧Vccおよび接地電圧Vssとそれぞれ電気的に接続可能である。スイッチ素子S4aは図1に示したトランジスタスイッチ51に相当し、スイッチ素子S4bは、図1に示したトランジスタスイッチ52に相当する。
符号65は、ビット線BLの充電容量を示す。ビット線容量65は、ビット線BLの寄生容量67aのみで構成されてもよいし、ビット線BLと接続された容量素子(付加容量)67bと寄生容量67aとの和で構成されてもよい。
図5には、付加容量62b,67bの好ましい配置が示される。
図5を参照して、メモリセルアレイ10には、m行×n列(m,n:自然数)にメモリセルMCが配置され、メモリセル行に対応してディジット線DL1〜DLmが配置され、メモリセル列に対応してビット線BL1〜BLnが配置される。
充電経路の上流側のメモリセルMCでは、当該充電経路の下流側のメモリセルMCと比較してデータ書込電流供給のための電荷蓄積に利用できる寄生容量62a,62bが小さい。なお、各ディジット線DL上においては、スイッチ素子S2側が充電経路の上流側に相当し、スイッチ素子S1側が充電経路の下流側に相当する。同様に、各ビット線BL上においては、スイッチ素子S3側が充電経路の上流側に相当し、ライトドライバ50側が充電経路の下流側に相当する。
したがって、寄生容量62a,67aによる充電容量の不足を補助するための付加容量62b,67bは、各ディジット線DLおよび各ビット線BLの充電経路において、メモリセルMCよりも上流側に設ける必要がある。すなわち、付加容量62bは、メモリセルアレイ10外部のスイッチ素子S2側の領域で各ディジット線DLと接続されるように設けられる。同様に、付加容量67bは、メモリセルアレイ10外部のスイッチ素子S3側の領域で各ビット線BLと接続されるように設けられる。
図6は、実施の形態1に従うMRAMデバイスの動作を説明する図である。
図6を参照して、実施の形態1に従うMRAMデバイス1aの動作は、クロック信号に応答してクロックサイクルごとに実行されるものとする。
クロックサイクル1ではスタンバイ動作(Stby)が実行され、データ読出およびデータ書込のいずれも実行されない。スタンバイ動作では、スイッチ素子S2およびS4bがオンされ、スイッチ素子S1,S3,S4aはオフされる。これにより各ディジット線DLが電源電圧Vccによって充電されるが、スイッチ素子S1がオフされているためデータ書込電流は生じない。同様に、各ビット線BLは接地電圧Vssにプリチャージされる。
クロックサイクル2ではデータ読出動作(Read)が実行される。各ディジット線DLはデータ読出動作には無関係であるため、スイッチS1およびS2がスタンバイ動作時と同様に制御され、各ディジット線DLの充電状態が保持される。
図1で説明したように、データ読出は、選択ビット線に選択メモリセルが接続されて実行される。スイッチ素子S3は、データ書込動作に関連してはオフされるべきであるが、図1に示した構成例ではビット線BLをデータ読出およびデータ書込で共用しているため、選択列においてオンする必要がある。したがって、図6では、スイッチ素子S3の状態を括弧付きの“オン”で示している。一方、ライトドライバ内のスイッチ素子S4a,S4bはデータ読出動作に支障を来たさないようにオフされる。
クロックサイクル3においては、次のサイクルからデータ書込を実行するために、再びスタンバイ動作が実行される。
クロックサイクル4〜8は単一のデータ書込動作を構成する。単一のデータ書込動作では、データ“0”(Din=Lレベル)を書込む“Write0”およびデータ“1”(Din=Hレベル)を書込む“Write1”のいずれかが実行される。図6に示す例では、クロックサイクル4〜8により“Write0”が実行されるものとする。
先頭のクロックサイクル4において、書込ノード75は、書込データに応じたデータ電圧(“Write0”では接地電圧Vss)に設定される。
クロックサイクル4では、スイッチ素子S3がターンオンされる一方で、スイッチ素子S1,S2,S4a,S4bはオフされる。
スイッチ素子S3がターンオンし、かつ、スイッチ素子S4a,S4bがオフされるので、選択ビット線BLjはデータ“0”(Din=Lレベル)に対応したデータ電圧レベル(接地電圧Vss)に充電される。
また、選択ディジット線DLiは、電源電圧Vccへの充電状態が維持され、データ書込電流Ipはこの段階では流されない。このように、クロックサイクル4において、ディジット線容量60は電源電圧Vccで充電され、ビット線容量65は、書込データDinに応じて接地電圧Vssに充電される。
次のクロックサイクル5では、スイッチ素子S3がターンオフされる一方で、スイッチ素子S1およびS4aはターンオンする。一方、スイッチ素子S2およびS4bはオフ状
態を維持する。
これにより、電源電圧Vccに充電された状態の選択ディジット線DLiが接地電圧Vssに接続されることによって、選択ディジット線DLi上を所定方向(ここでは、スイッチ素子S2からS1への方向)にデータ書込電流Ipが流れる。データ書込電流Ipは、クロックサイクル4迄に充電されたディジット線容量60の放電電流に相当し、放電が完了すると消滅する。
さらに、スイッチ素子S4aのターンオンによって、書込データDinに対応するデータ電圧(ここでは接地電圧Vss)に充電された状態の選択ビット線BLjは、異なるデータ電圧である電源電圧Vccと接続される。これにより、書込データDinに応じた方向のデータ書込電流Iw(0)が選択ビット線BLj上を流れる。データ書込電流Iw(0)は、ビット線容量65の電源電圧Vccへの充電電流に相当し、充電が完了すると消滅する。この結果、選択メモリセルへデータ“0”が書込まれる。
続くクロックサイクル6では、書込ノード75は、再び、書込データに応じたデータ電圧(“Write0”では接地電圧Vss)に設定される。
さらに、クロックサイクル4と同様に、スイッチ素子S3がターンオンされて、スイッチ素子S1,S2,S4a,S4bがターンオフされる。これにより、選択ビット線BLjは、クロックサイクル4と同様に、書込データに応じたデータ電圧(接地電圧Vss)に再び充電される。一方、スイッチ素子S1,S2がオフされるため、選択ディジット線DLiの状態は、クロックサイクル5の終了時と同様に維持される。
続くクロックサイクル7では、スイッチ素子S2がターンオンされる。これにより、クロックサイクル4と同様に、ディジット線容量60が電源電圧Vccに充電されるが、スイッチ素子S1がオフされているので、データ書込電流Ipは流れない。また、スイッチ素子S3,S4a,S4bがオフされるため、選択ビット線BLjの状態は、クロックサイクル6の終了時と同様に維持される。
クロックサイクル8においては、スイッチ素子S1およびS4bがターンオンされる一方で、スイッチ素子S2,S3,S4aがオフされる。しかし、選択ビット線BLjはクロックサイクル7において接地電圧Vssに充電されているので、データ書込電流が流れることはない。したがって、このクロックサイクルにおいては、選択ディジット線DLj上をデータ書込電流Ipが流れるものの、選択ビット線BLj上をデータ書込電流が流れないため、データ書込は実行されない。
このようにして、クロックサイクル4〜8で構成される単一のデータ書込動作によって、クロックサイクル5でのデータ書込電流供給により、データ“0”(Din=Lレベル)のデータ書込が実行される。
クロックサイクル9においては、クロックサイクル1および3と同様のスタンバイ動作が実行される。すなわち、各ディジット線DLは電源電圧Vccに充電され、各ビット線BLは接地電圧Vssに充電される。
なお、“Write1”のデータ書込動作は、クロックサイクル4および6での書込ノード75の電圧設定を、Din=Hレベルに対応したデータ電圧(電源電圧Vcc)に変更した上で、スイッチ素子S1〜S3,S4a,S4bを“Write0”と同様にスイッチングさせることにより実行される。これにより、“Write1”では、クロックサイクル5では選択ビット線BLjにデータ書込電流が発生しない一方で、クロックサイクル8で選択ビット線BLjにデータ書込電流Iw(1)が流れることにより、選択メモリセルへデータ“1”が書込まれる。
すなわち、図6に示す書込動作シーケンスでは、5つのクロックサイクルで構成される単一の書込動作において、書込データによらずスイッチ素子S1〜S3,S4a,S4bのスイッチングパターンを同一とできる。このため、書込データに応じてスイッチ素子S4aおよびS4bの動作を制御する必要がないので、そのオン・オフを制御する回路、すなわち図1に示した制御信号WDP,WDNを生成する制御回路の構成を簡素化できる。
このように本発明に従うMRAMデバイスにおけるデータ書込電流は、「書込電流線」として設けられたディジット線およびビット線の容量の充放電動作によって供給される。以下では、これらの充放電電流の特性について、ディジット線DLiを例にとって説明する。
図7は、データ書込電流供給に関連するディジット線の充放電動作をモデル化した第1の電気回路図である。
図7を参照して、ディジット線DLiは、スタンバイ動作時等(図6のクロックサイクル1,3,7,9)において、スイッチ素子S2のターンオンに応答して、電源電圧Vccと接続される。すなわち、ディジット線容量60が電源電圧Vccによって充電される。この充電動作は一般的なRC負荷の充電動作に相当するため、充電経路の充電抵抗をR0とすると、充電電流ic(t)およびディジット線電圧vc(t)は、下記(1)式および(2)式で示される。なお、充電抵抗R0には、充電経路の寄生抵抗およびトランジスタスイッチ15のオン抵抗等が含まれる。
次に、スイッチ素子S2がターンオフされた状態でスイッチ素子S1をターンオンすることにより(たとえば図6でのクロックサイクル5,8)、ディジット線容量60の充電電荷が接地電圧Vssへ放電されることで、データ書込電流Ipが流される。放電経路の放電抵抗をRpとすると、放電電流id(t)およびディジット線電圧vc(t)は下記(3),(4)式のように示される。なお、放電抵抗Rpには、放電経路の寄生抵抗およびトランジスタスイッチ25のオン抵抗等が含まれる。
なお、(1)〜(4)式では、接地電圧Vss=0Vとし、Vcc−Vss=Vccとしている。(1)〜(4)式を概略的に図示すると、図8(a),(b)のようになる。
図8(a)を参照して、充電時には、ディジット線容量60の充電電流ic(t)は、充電抵抗R0に依存したVcc/R0をピーク値とする減衰電流となる。充電電流ic(t)の減衰レートはディジット線容量60および充電抵抗R0の積の逆数である、“1/(C・R0)”に依存する。
一方放電時には、図8(b)に示されるように、データ書込電流Ipに相当する放電電流id(t)は、放電抵抗Rpに依存するVcc/Rpをピーク値とする減衰電流となる。放電電流id(t)の減衰レートは、ディジット線容量60および放電抵抗RpのRC積の逆数である、1/(C・Rp)に依存する。
したがって、データ書込に必要なデータ書込電流レベルをIwmとし、必要な電流印加時間をTwmとすると、放電電流id(t)>Iwmである期間Twが、Tw>Twmとなるように、放電抵抗RpおよびRC積C・Rpを設計する必要がある。
特に、ディジット線容量60の容量値Cについては、少なくとも、C・(Vcc−Vss)がIwmおよびTwmの積よりも大きくなるように、すなわち下記(5)式を満たすように設計する必要がある。
一般的な数値例では、Twm=0.5〜2(ns),Iwm=3〜10(mA)程度であるので、Vcc=1.0(V)およびVss=0(V)とすると、ディジット線容量60としては、C=1.5〜20(pF)程度を確保する必要が生じる。ディジット線DLの寄生容量はその設計に依存して変化するので、図4に示した寄生容量62aのみで上記(5)式を満足する容量値が得られない場合には、容量素子62bを付加的に設けてディジット線DLに接続する必要がある。すなわち、図4に示されたディジット線容量60は、上記(5)式を満足するように、ディジット線DLの寄生容量62bのみ、もしくは寄生容量62aと付加容量62bとの和によって実現されることになる。
実施の形態1に従うMRAMデバイスでは、ディジット線容量60の充電動作と、データ書込電流のための放電動作とを異なる期間に実行するため、電源電圧Vccを供給する電源(バッテリ)からMRAMデバイスへの負荷電流は、図8(a)での充電電流ic(t)に相当する。すなわち、電源から見た負荷電流を比較的緩やかな波形とすることができる。
一方、図7に示した構成において、スイッチ素子S1の配置を省略してスイッチ素子S2のみを設け、スイッチ素子S2を行選択結果に応じてオン・オフさせても、データ書込電流Ipの供給を実行できる。しかしながら、このような構成では、スイッチ素子S2のオン期間を通じて、定常的なデータ書込電流Ip=(Vcc−Vss)/(R0+Rp)が電源から供給され、さらに、当該オン期間の初期においてはディジット線容量60の充電電流がさらに重畳して供給される。したがって、電源から見た負荷電流は、図8(a)に示した充電電流ic(t)よりも短時間・大電流の波形となり、そのピーク値も高くなる。このため、バッテリ等の電源の負担が大きくなり、電力供給可能期間が短くなってしまう可能性がある。
言い換えれば、この発明の実施の形態1によるMRAMデバイスでは、電源から見た負荷電流を緩やかな波形に改善することによって、電源(バッテリ)の負荷を軽減できる。
さらに、図9に示されるように、ディジット線容量60の充電経路に充電調整抵抗Rcを挿入することにより、充電経路のRC積を大きく確保することも可能である。なぜなら、スイッチ素子S2の配置により、データ書込電流Ipの供給期間には充電調整抵抗Rcをデータ書込電流経路から切り離す構成としているからである。なお、図9に示した充電調整抵抗Rcは、ディジット線DLに対しては、図1に示した電源電圧Vcc(バッテリに相当)とトランジスタスイッチ15との間に接続されるように配置すればよい。
図9の構成における充電電流ic♯(t)は、下記(6)式で示される。
(2)式の充電電流ic(t)および(6)式の充電電流ic♯(t)の比較から理解されるように、充電調整抵抗Rcを追加することにより、電源から見た負荷電流のピーク値を抑制して、さらに緩やかな波形に改善することができる。したがって、充電時間は長期化するものの、高速動作が必要とされない用途に適用すれば電源の(バッテリ)負荷をさらに軽減できる。
あるいは、図10に示すように、ディジット線容量60の容量値Cが十分に確保され、充電抵抗R0とのRC積R0・Cが十分大きい場合には、スイッチ素子S2の配置を省略する構成とすることもできる。この構成においては、充電電流ic(t)は図7の構成と同様に流れるが、スイッチ素子S1のターンオンに応答して流れる放電電流id♯(t)すなわちデータ書込電流Ipは下記(7)式のように示される。
スイッチ素子S1のオン期間においては、(7)式に示されるデータ書込電流id♯(t)のうち、ディジット線容量60の放電電荷によっては賄えない不足分の電流が電源(バッテリ)より供給されることとなる。したがって、図10に示した構成では、データ書込電流の供給期間(スイッチ素子S1のオン期間)における上記不足分の電流分だけ、電源(バッテリ)の負荷が増加するが、データ書込電流の供給期間前での充電電荷によって、データ書込電流の一部を供給する構成である点は変わらないため、電源(バッテリ)の負荷を軽減できる。
なお、図7から図10では、ディジット線DL上のデータ書込電流供給動作について説明したが、ビット線BL上のデータ書込電流供給動作についても、その充電電流および放電電流は同様である。
すなわち、図11および図12に示すように、図7および図9の構成において、スイッチ素子S2をスイッチ素子S3(コラム選択スイッチ55)に置換し、スイッチ素子S1をスイッチ素子S4a,S4bに置換し、ディジット線容量60をビット線容量65に置換すれば、データ書込電流供給に関連するビット線の充放電動作をモデル化した電気回路図が実現される。
なお、ビット線BL上におけるデータ書込電流の供給動作時には、電源電圧Vccに充電されたビット線容量65を接地電圧Vssへ放電する動作(データ書込電流Iw(1)の供給に相当)のみでなく、ビット線容量65を接地電圧Vssに設定した後電源電圧Vccによって充電する動作(データ書込電流Iw(0)の供給に相当)が存在する。
しかしながら、このような動作においても、図8(a),(b)における電圧vc(t)の波形は極性が反転するものの、充電電流ic(t),ic♯(t)および放電電流id(t),id♯(t)については、上述したディジット線電流におけるデータ電流供給動作の場合と同様の波形となる。したがって、ビット線上のデータ書込電流供給についても、ディジット線上のデータ書込電流供給と同様に、電源(バッテリ)の負荷を軽減できる。
なお、ビット線BL上のデータ電流供給動作に関する充電調整抵抗Rcは、スイッチ素子S3と図1に示したデータ端子71との間に、スイッチ素子S3のオン期間にビット線BLと直列に接続される形態で配置することができる。
また、充電抵抗R0は、書込バッファ70からビット線BLを含む充電経路の寄生抵抗およびスイッチ素子S3のオン抵抗の和に対応し、放電抵抗Rpは、ビット線BLの寄生抵抗およびスイッチ素子S4aまたはS4bのオン抵抗の和に相当する。
以上説明したように、この発明の実施の形態1に従うMRAMデバイスにおいては、データ書込電流Ipおよび,Iw(0),Iw(1)を供給するための「書込配線」に相当するディジット線DLおよびビット線BLの容量充電動作と、データ書込電流の供給動作とを時分割で行ない、当該容量へ充電された電荷の放電によってデータ書込電流を供給する。これにより、電源電圧Vccを供給する電源(バッテリ)からMRAMデバイスへ供給される負荷電流の波形をなだらかなものとできるため、バッテリの負担を軽減できる。これにより、電源(バッテリ)からの電力供給可能期間を拡大して、MRAMデバイスの搭載機器の駆動可能時間を長期化できる。
特に、スイッチ素子S2を設けることによって、充電調整抵抗Rcをデータ書込電流のレベルに悪影響を与えることなく挿入可能となるので、充電時間の長期化によって要求される動作時間に支障を来さない用途においては、電源(バッテリ)による電力供給可能期間をさらに拡大することができる。
[実施の形態1の変形例1]
実施の形態1の変形例1においては、実施の形態1によるMRAMデバイスにおける、データ書込動作シーケンスの他の構成例を説明する。
図13は、実施の形態1の変形例1に従うMRAMデバイスの動作を説明する図である。
図13を参照して、実施の形態1の変形例に従うデータ書込動作では、単一のデータ書込動作は、2つのクロックサイクルから構成される。単一のデータ書込動作では、データ“0”を書込む“Write0”およびデータ“1”を書込む“Write1”のいずれかが実行される。図13においては、クロックサイクル1〜3では、図6に示した動作シーケンスと同様に、スタンバイ動作(Stby)、読出動作(Read)およびスタンバイ動作(Stby)がそれぞれ実行される。
クロックサイクル4および5によって、データ“0”を書込むための単一のデータ書込動作(Write0)が構成される。
先頭のクロックサイクル4においては、図6に示したクロックサイクル4と同様の動作が実行されて、選択ビット線BLjは、書込ノード75により書込データDinに応じて接地電圧Vssに充電される。また、クロックサイクル4では、選択ディジット線DLiは電源電圧Vccへの充電状態を維持される。
次のクロックサイクル5において、スイッチ素子S1およびS2は、図6に示したクロックサイクル5と同様に制御される。
これにより、選択ディジット線DLi上をデータ書込電流Ipが流れる。また、図6に示したクロックサイクル4と同様に、スイッチ素子S3もオフされるので、選択ビット線BLjは、ハイインピーダンス状態(Z)とされた書込ノード75から切離される。
実施の形態1の変形例に従うデータ書込動作では、ライトドライバ50(図1)を構成するスイッチ素子S4aおよびS4bのオンおよびオフは、書込データDinに応じて制御される。クロックサイクル5では、Din=Lレベルに対応して、スイッチ素子S4aがオンされる一方で、スイッチ素子S4bがオフされる。これにより、書込データDinに応じて接地電圧Vssに充電された選択ビット線BLjがスイッチ素子S4aによって電源電圧Vccと接続されるので、選択ビット線BLj上を、データ書込電流Iw(0)が流れる。これにより、選択メモリセルへデータ“0”が書込まれる。
クロックサイクル6におけるスタンバイ動作については、クロックサイクル1および3と同様である。
クロックサイクル7および8によって、データ“1”を書込むための単一のデータ書込動作(Write1)が構成される。
クロックサイクル7においては、クロックサイクル4と同様の動作が実行されて、選択ディジット線DLiは電源電圧Vccに充電され、かつ、選択ビット線BLjは、書込ノード75により書込データDinに応じて電源電圧Vccに充電される。
次のクロックサイクル8では、図13のクロックサイクル4と同様に、選択ディジット線DLi上をデータ書込電流Ipが流れる。また、図6に示したクロックサイクル4と同様に、スイッチ素子S3もオフされるので、選択ビット線BLjはハイインピーダンス状態(Z)とされた書込ノード75から切離される。
さらに、Din=Hレベルに対応して、スイッチ素子S4bがオンされる一方で、スイッチ素子S4aがオフされる。すなわち、書込データが異なるデータ書込動作間では、スイッチ素子S4a,S4bのオン・オフが入れ替わる。これにより、書込データDinに応じて電源電圧Vccに充電された選択ビット線BLjがスイッチ素子S4bによって接地電圧Vssと接続される。この結果、選択ビット線BLj上を、データ書込電流Iw(1)が流れて、クロックサイクル8で選択メモリセルへデータ“1”が書込まれる。
次のクロックサイクル9におけるスタンバイ動作についても、クロックサイクル1、3および6と同様であるので説明は繰返さない。
このように、実施の形態1の変形例に従うデータ書込動作では、実施の形態1によるMRAMデバイスと同様の構成により、データ書込電流供給に関する電源(バッテリ)負荷を軽減するとともに、さらに、データ書込動作に要するクロックサイクルを短縮することができるので、高速動作化を図ることができる。
しかしながら、このような高速化は、ライトドライバを構成するスイッチ素子S4a,S4bのオンおよびオフを書込データDinに応じて制御する構成とすることにより実現される。したがって、実施の形態1の変形例に従う構成では、図1に示した制御信号WDPおよびWDNが書込データDinに応じて制御されるようにその制御回路を構成する必要がある。このため、実施の形態1の変形例に従う構成は、上記制御回路の構成が相対的に複雑化するものの、高速動作が要求される用途への適用に適している。
[実施の形態1の変形例2]
実施の形態1の変形例2においては、実施の形態1に従うMRAMデバイスの構成において、データ書込電流を制御するためのスイッチ素子をさらに1つ追加することによって、データ書込動作時における各スイッチング素子のオン・オフ制御のパターン化を維持したままで、データ書込動作に必要なクロックサイクルの低減を図ることが可能な構成について説明する。
図14は、この発明の実施の形態1の変形例2に従うデータ書込電流供給構成を説明する概念図である。
図14を参照して、実施の形態1の変形例2に従う構成においては、スイッチ素子S1が設けられた各ディジット線DLの一端側に、「サブスイッチ素子」に対応するスイッチ素子S1♯がさらに設けられる。スイッチ素子S1♯は、各ディジット線DLの一端と電源電圧Vccとの間に電気的に接続される。これにより各ディジット線DLの一端側は、スイッチ素子S1を介して接地電圧Vssと接続可能であり、かつスイッチ素子S1♯を介して電源電圧Vccとも接続可能な構成となる。
その他の部分の構成については、図4に示した実施の形態1に従う構成と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
図15は、実施の形態1の変形例2に従うMRAMデバイスの動作を説明する図である。
図15を参照して、実施の形態1の変形例2に従う構成におけるデータ書込動作では、3つのクロックサイクルから単一のデータ書込動作が実行される。
クロックサイクル1、3および8で実行されるスタンバイ動作(Stby)では、スイッチ素子S1♯はスイッチ素子S1と同様にオフされる。クロックサイクル2に示されるデータ読出動作(Read)においても、スイッチ素子S1♯は、スイッチ素子S1と同様にオンされる。
なお、スタンバイ動作時およびデータ読出動作時におけるスイッチ素子S1〜S3,S4a,S4bのオン・オフ設定は、図6に示した実施の形態1に従うMRAMデバイスと同様であるので詳細な説明は繰返さない。
クロックサイクル4〜7は単一のデータ書込動作を構成する。単一のデータ書込動作では、データ“0”(Din=Lレベル)を書込む“Write0”およびデータ“1”(Din=Hレベル)を書込む“Write1”のいずれかが実行される。図6に示す例では、クロックサイクル4〜7により“Write0”が実行されるものとする。
データ書込動作の最初のクロックサイクル4においては、スイッチ素子S1♯はオフされたままであるので、実施の形態1に従うデータ書込動作と同様に、ディジット線DLが電源電圧Vccに充電され、選択ビット線BLjは書込データDinに応じたデータ電圧である接地電圧Vssに充電される。
次のクロックサイクルS5において、スイッチ素子S1のターンオンに応答して選択ディジット線DLi上をデータ書込電流Ipが流れる。さらに、データ書込電流Iw(0)を流すためにスイッチ素子S4aがオンされ、予め接地電圧Vssに充電された選択ビット線BLj上をデータ書込電流Iw(0)が流れる。これにより、選択メモリセルへデータ“0”が書込まれる。
クロックサイクル6では、図6におけるクロックサイクル6と同様に、選択ビット線BLjを書込データに応じたデータ電圧(接地電圧Vss)に再充電するための動作が行なわれる。すなわち、書込ノード75が再び、書込データに応じたデータ電圧(“Write0”では接地電圧Vss)に設定されるとともに、クロックサイクル4と同様に、スイッチ素子S3がターンオンされて、スイッチ素子S1,S1♯,S2,S4a,S4bがターンオフされる。
続くクロックサイクル7では、スイッチ素子S2のオフ状態が維持されたままで、新たに設けられたスイッチ素子S1♯はターンオンされる。一方、スイッチ素子S3,S4a,S4bは、図6におけるクロックサイクル8と同様に設定されて、データ書込電流Iw(1)を流すための動作を実行する。
スイッチ素子S1♯をターンオンすることにより、クロックサイクル5での放電によって接地電圧Vssに設定されたディジット線DLiは、再び電源電圧Vccと接続されて再充電される。この再充電電流によって、選択ディジット線DLi上を、クロックサイクル4と逆方向にデータ書込電流−Ipが流れる。
クロックサイクル7では、スイッチ素子S4bがターンオンされるが、書込ノード75に設定されるデータ電圧が接地電圧Vssであるため、当該クロックサイクルにおいてビット線BL上をデータ書込電流は流れない。したがって、このクロックサイクルにおいては、選択ディジット線DLj上をデータ書込電流−Ipが流れるものの、選択ビット線BLj上をデータ書込電流が流れないため、データ書込は実行されない。
クロックサイクル8においては、クロックサイクル1および3と同様のスタンバイ動作(Stby)が実行される。
なお、“Write1”のデータ書込動作は、クロックサイクル4および6での書込ノード75の電圧設定を、Din=Hレベルに対応したデータ電圧(電源電圧Vcc)に変更した上で、スイッチ素子S1〜S3,S4a,S4bを“Write0”と同様にスイッチングさせることにより実行される。これにより、“Write1”では、クロックサイクル5では選択ビット線BLjにデータ書込電流が発生しない一方で、クロックサイクル7では選択ビット線BLjにデータ書込電流Iw(1)が流れる。
この結果、クロックサイクル7では選択メモリセルに対して、データ書込電流−Ipによる書込磁界と、データ書込電流Iw(1)による書込磁界とが印加される。これにより、選択メモリセルへデータ“1”(Din=Hレベル)のデータ書込が実行される。なお、図3でも説明したように、MTJメモリセルへのデータ書込は、磁化容易軸に沿ったデータ書込磁界H(EA)の方向に依存して決定されるので、図5に示した動作点5aおよび5c(あるいは、動作点5bおよび5d)のいずれによっても同じデータを書込むことができる。
以上説明したように、実施の形態1の変形例2に従う構成においては、実施の形態1と同様に、ディジット線DLおよびビット線BLの容量充電動作と、データ書込電流の供給動作とを時分割で行なうことにより、電源(バッテリ)からMRAMデバイスへ供給される負荷電流の波形をなだらかなものとしてバッテリの負担を軽減できる。
さらに、実施の形態1の変形例2に従う構成においては、実施の形態1と同様に、データ書込動作時の各スイッチ素子のオン・オフ設定をパターン化して、ライトドライバ50の制御回路の構成を簡素化するとともに、データ書込動作に必要なクロックサイクル数を減じてデータ書込の高速化を図ることができる。
[実施の形態2]
実施の形態1で説明したように、この発明によるMRAMデバイスでは、データ書込電流の電流量および電流供給期間を確保するために、ディジット線DLおよびビット線BLの充電容量を十分に確保する必要がある。実施の形態2では、ディジット線DLおよびビット線BLと階層的に設けられた上位の書込配線を用いて、これらの充電容量を確保する構成について説明する。
図16は、この発明の実施の形態2に従うMRAMデバイス1bの全体構成を示す概略ブロック図である。
図16を図1と比較して、実施の形態2に従うMRAMデバイス1bにおいて、各ディジット線DLは、トランジスタスイッチ15を介して、メインディジット線MDLと接続される。メインディジット線MDLは、各ディジット線DLに共通に、かつ階層的に設けられた「上位書込配線」である。メインディジット線MDLには、電圧信号φ(DL)が印加される。
さらに、データ読出およびデータ書込に共用されるデータバスDBに代えて、データ書込専用のライトデータバスWDBが配置される。ライトデータバスWDBは、各ビット線BLに共通に、かつ階層的に設けられた「上位書込配線」である。
書込バッファ70は、書込データDinに応じたデータ電圧をライトデータバスWDBに駆動する。ライトデータバスWDBは、各メモリセル列において、コラム選択スイッチ55を介して各ビット線BLと接続される。
さらに、図示を省略しているが図1と同様のデータ読出アンプ80が設けられ、データ読出アンプと接続されるデータ読出用のリードデータバス(図示せず)がさらに設けられる。当該リードデータバスは、ライトデータバスWDBと接続されるコラム選択スイッチ55とは独立に設けられたリードコラム選択スイッチS3♯(図示せず)を介して、各ビット線BLと接続される。各リードコラム選択スイッチS3♯は、データ書込動作ではオフされる一方で、データ読出動作ではコラム選択線CSLに応答して、選択列でオンされる。これにより、図1におけるデータバスDBに代えて分離されたリードデータバスを用いて、データ読出が実行できる。
このように、ライトデータバスWDBをデータ読出経路から切り離すことにより、その容量を、データ書込動作に適合させて調整することが可能となる。逆に言えば、図1に示すように、データバスDBがデータ読出およびデータ書込で共用される構成においては、データバスDBの容量をデータ書込電流確保のために増加させると、データ読出動作速度が阻害されてしまう。
実施の形態2によるMRAMデバイス1bのその他の部分の構成については、実施の形態1に従うMRAMデバイス1a(図1)と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
図17は、この発明の実施の形態2に従うデータ書込電流供給構成を説明する概念図である。
図17を参照して、実施の形態2に従うデータ書込電流供給構成では、選択ディジット線DLiを始めとする各ディジット線は、スイッチ素子S2(トランジスタスイッチ15)を介して、メインディジット線MDLと接続される。符号61は、メインディジット線MDLの充電容量を示す。メインディジット線容量61は、メインディジット線MDLの寄生容量63aのみで構成されてもよいし、メインディジット線MDLと接続された容量素子(付加容量)63bと寄生容量63aとの和で構成されてもよい。
さらに、選択ビット線BLjを始めとする各ビット線BLは、スイッチ素子S3(コラム選択スイッチ55)を介して、ライトデータバスWDBと接続される。実施の形態2による構成では、ライトデータバスWDBが書込ノード75に相当する。
符号66は、ライトデータバスWDBの充電容量を示す。ライトデータバス容量66は、ライトデータバスWDBの寄生容量68aのみで構成されてもよいし、ライトデータバスWDBに接続された容量素子(付加容量)68bと寄生容量68aとの和で構成されてもよい。
実施の形態2に従うデータ書込電流供給構成のその他の部分は、図4に示した実施の形態1に従うデータ書込電流供給構成と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図18は、実施の形態2に従うMRAMデバイスの動作を説明する図である。
図18に示された動作シーケンスは、図6に示された実施の形態1に従う動作シーケンスに対応し、クロックサイクル1〜9における動作は図6に示した動作と同様である。
すなわち、クロックサイクル1、3および9では、図6と同様のスタンバイ動作(Stby)が実行され、クロックサイクル2では、図6と同様のデータ読出動作(Read)が実行される。リードコラム選択スイッチS3♯はクロックサイクル2に選択ビット線でオンされる一方で、スタンバイ動作およびデータ書込動作では各ビット線BLにおいて、オフされる。
クロックサイクル4〜8によって、データ“0”またはデータ“1”を書込むための単一のデータ書込動作(Write0またはWrite1)が構成される。
実施の形態2に従うデータ書込動作では、選択行のスイッチ素子S2は、メインディジット線容量61を選択ディジット線DLiの容量60と一体的に用いるために、選択ビット線BLjを再充電するクロックサイクル6を除いて、オン状態を維持される。選択列のスイッチ素子S3は、ライトデータバス容量66を選択ビット線BLjの容量65と一体的に用いるために、オン状態を維持される。一方、その他のスイッチ素子S1,S4a,S4bの動作は、図6に示された実施の形態1に従う動作と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
メインディジット線MDLに与えられる電圧信号φ(DL)は、スタンバイ動作(Stby)およびデータ読出動作(Read)が実行されるクロックサイクル1〜3,9と、データ書込動作中のディジット線DLの充電サイクル(クロックサイクル4,7)において電源電圧Vccに設定され、その他のクロックサイクルにおいてはハイインピーダンス状態(Z)とされる。
このようなデータ書込シーケンスとすることにより、実施の形態2に従うMRAMデバイスにおいても、実施の形態1に従うMRAMデバイス1aと同様のデータ書込動作を実行できる。すなわち、MRAMデバイスの電源(バッテリ)から見た負荷電流パターンを緩やかなものに改善して、電源(バッテリ)からの電力供給可能期間を拡大することができる。
さらに実施の形態2に従う構成においては、上位書込配線として設けられたメインディジット線MDLおよびライトデータバスWDBの容量を、ディジット線DLおよびビット線BLの充電容量として活用することができるので、当該充電容量の確保が容易となり、付加的な容量の設置による回路面積の増加を回避できる。
[実施の形態2の変形例1]
実施の形態2に従うMRAMデバイスにおいて、実施の形態1の変形例1と同様に、ライトドライバを構成するスイッチ素子S4a,S4bを書込データDinに応じて制御して、データ書込動作の高速化を図ることも可能である。
図19は、実施の形態2の変形例1に従うMRAMデバイスの動作を説明する図である。
図19に示された動作シーケンスは、図13に示された実施の形態1の変形例1に従う動作シーケンスに対応し、クロックサイクル1〜9における動作は図13に示した動作と同様である。
すなわち、クロックサイクル1、3、6および9では、図13と同様のスタンバイ動作(Stby)が実行され、クロックサイクル2では、図13と同様のデータ読出動作(Read)が実行される。また、クロックサイクル4および5によって、データ“0”を書込むための単一のデータ書込動作(Write0)が構成され、クロックサイクル7および8によって、データ“1”を書込むための単一のデータ書込動作(Write1)が構成される。
実施の形態2の変形例1に従うデータ書込動作においては、選択行のスイッチ素子S2は、メインディジット線容量61を選択ディジット線DLiの容量60と一体的に用いるために、オン状態を維持される。同様に、選択列のスイッチ素子S3は、ライトデータバス容量66を選択ビット線BLjの容量65と一体的に用いるために、オン状態を維持される。一方、その他のスイッチ素子S1,S4a,S4bの動作および書込ノード75の設定は、図13に示された実施の形態1の変形例1に従う動作シーケンスと同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
メインディジット線MDLに与えられる電圧信号φ(DL)は、スタンバイ動作(Stby)およびデータ読出動作(Read)が実行されるクロックサイクル1〜3,6,9と、データ書込動作中のディジット線DLの充電サイクル(クロックサイクル4,7)において電源電圧Vccに設定され、その他のクロックサイクルにおいてはハイインピーダンス状態(Z)とされる。
このようなデータ書込動作シーケンスとすることにより、実施の形態2に従うMRAMデバイスにおいて、実施の形態1の変形例1に従う構成と同様に、データ書込動作を高速化することができる。
[実施の形態2の変形例2]
図20は、この発明の実施の形態2の変形例2に従うデータ書込電流供給構成を説明する概念図である。
図20を参照して、実施の形態2の変形例2に従うデータ書込電流供給構成では、図14に示した実施の形態1の変形例2に従うデータ書込構成と比較して、各ディジット線DLがスイッチ素子S2を介して、メインディジット線MDLと接続される点と、各ビット線BLがスイッチ素子S3を介してライトデータバスWDBと接続される点とが異なる。メインディジット線MDLには実施の形態2と同様の電圧信号φ(DL)が与えられ、メインディジット線MDLおよびライトデータバスWDBの容量はそれぞれ符号61および符号66で示される。
実施の形態2の変形例2に従うデータ書込電流供給構成のその他の部分は、図14に示した実施の形態1の変形例2に従うデータ書込電流供給構成と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図21は、実施の形態2の変形例2に従うMRAMデバイスにおけるデータ書込動作を示すシーケンスである。
図21に示された動作シーケンスは、図15に示された実施の形態1の変形例2に従う動作シーケンスに対応し、クロックサイクル1〜8における動作は図15に示した動作と同様である。
すなわち、クロックサイクル1、3および8では、図15と同様のスタンバイ動作(Stby)が実行され、クロックサイクル2では、図15と同様のデータ読出動作(Read)が実行される。また、クロックサイクル4〜7によって、データ“0”または“1”を書込むための単一のデータ書込動作(Write0またはWrite1)が構成される。
実施の形態2の変形例2に従うデータ書込動作においても、選択行のスイッチ素子S2は、メインディジット線容量61を選択ディジット線DLiの容量60と一体的に用いるために、オン状態を維持される。同様に、選択列のスイッチ素子S3は、ライトデータバス容量66を選択ビット線BLjの容量65と一体的に用いるために、オン状態を維持される。一方、その他のスイッチ素子S1,S1♯,S4a,S4bの動作は、図15に示された実施の形態1の変形例2に従う動作シーケンスと同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
メインディジット線MDLに与えられる電圧信号φ(DL)は、スタンバイ動作(Stby)およびデータ読出動作(Read)が実行されるクロックサイクル1〜3,8と、データ書込動作中のディジット線DLの充電サイクル(クロックサイクル4)において電源電圧Vccに設定され、その他のクロックサイクルにおいてはハイインピーダンス状態(Z)とされる。
このようなデータ書込シーケンスとすることにより、実施の形態2の変形例2に従うMRAMデバイスにおいて、実施の形態1の変形例2に従う構成と同様に、データ書込動作時のの各スイッチ素子のオン・オフ設定をパターン化して、ライトドライバ50の制御回路の構成を簡素化するとともに、データ書込動作に必要なクロックサイクル数を減じてデータ書込の高速化を図ることができる。
なお、実施の形態2ならびにその変形例1および2においては、各ディジット線DLに共通のメインディジット線MDLが設けられるが、メインディジット線容量61を調節するために、メインディジット線MDLを細分化して配置することも可能である。
たとえば、図22に示すように、メモリセルアレイ10に配置されたディジット線DLを、複数(たとえば4つ)のブロックBLK1〜BLK4に分割し、ブロックBLK1〜BLK4のそれぞれに対応させて、メインディジット線MDL1〜MDL4を分割配置することも可能である。メインディジット線MDLの分割数は、分割各された各メインディジット線の容量値が求められる値となるように、適宜定めることができる。
この場合には、トランジスタスイッチ15のオン・オフを制御する制御信号/DLPRを、ブロックBLK1〜BLK4にそれぞれ対応して、/DLPR(1)〜/DLPR(4)に独立に設定すれば、メインディジット線MDL1〜MDL4に与えられる電圧信号φ(DL)を共通のものとすることができる。
[実施の形態2の変形例3]
実施の形態2に従うMRAMデバイスにおいては、書込データDinによらず一定方向のデータ書込電流を供給するディジット線DLの充電容量が確保しやすくなるので、図10で説明したように、各ディジット線DLへの充電動作を制御するためのスイッチ素子S2の省略が可能となる。
図23は、この発明の実施の形態2の変形例3に従うデータ書込電流供給構成を説明する概念図である。
図23を参照して、実施の形態2の変形例3に従うデータ書込電流供給構成は、スイッチ素子S2の配置が省略されている点以外については、図17に示した実施の形態2に従うデータ書込電流供給構成と同様である。
図24は、実施の形態2の変形例3に従うMRAMデバイスの動作を説明する図である。
図24におけるクロックサイクル1〜9は、図18に示した実施の形態2に従うMRAMデバイスの動作シーケンスと同様であり、クロックサイクル1〜8のそれぞれにおける、書込ノード75の電圧設定、電圧信号φ(DL)の設定ならびにスイッチ素子S1,S3,S4a,S4bのオン・オフ設定は、図18に示した動作シーケンスと同様であるので詳細な説明は繰返さない。
このように、スイッチ素子S2の配置を省略しても、選択ディジット線DLiを、実施の形態2に従うMRAMデバイスにおけるデータ書込動作と同様に電源電圧Vccに充電できるので、同様の書込動作を実行することができる。
特に、実施の形態2の変形例3による構成では、スイッチ素子S2の省略によって、メインディジット線容量61と、各ディジット線容量DLの和との総和が、データ書込電流Ipの供給に関する充電容量として一体的に利用できる。これにより、充電容量の確保がさらに容易となる。
なお、図10でも説明したように、スイッチ素子S2の配置を省略した構成では、ディジット線DLの充電期間と、データ書込電流Ipの供給期間と完全に切離すデータ書込動作よりは、電源からの供給電力が若干増加する。しかしながら、スイッチ素子S2の配置が省略可能である点や、ディジット線DLの充電容量を容易に確保可能なことから、付加的な容量素子や充電調整抵抗の配置による回路面積の増加を回避できるので、回路面積の縮小に効果が大きい。
図25に示すように、実施の形態2の変形例3による構成においても、メインディジット線容量61を調節するために、メインディジット線MDLを細分化して配置することも可能である。
図25を参照して、メモリセルアレイ10上のディジット線DLは、図22と同様に複数(4つの)ブロックBLK1〜BLK4に分割され、ブロックBLK1〜BLK4のそれぞれに対応させて、メインディジット線MDL1〜MDL4が分割配置される。図22に示した構成と同等に、メインディジット線MDLの分割数は、分割各された各メインディジット線の容量値が求められる値となるように、適宜定めることができる。
この場合には、メインディジット線MDL1〜MDL4にそれぞれ与えられる電圧信号φ(DL)1〜φ(DL)4を独立に設定し、選択行が存在しないブロックにおいては、対応の電圧信号φ(DL)k(k:自然数)をハイインピーダンス状態にして、電源(バッテリ)からの電源供給を停止することが、電源の電力供給期間確保の観点からは好ましい。
[実施の形態3]
図26は、この発明の実施の形態3に従うMRAMデバイス1cの全体構成を示す概略ブロック図である。
図26を参照して、実施の形態3に従うMRAMデバイス1cは、図16に示した実施の形態2に従うMRAMデバイス1bと比較して、ビット線BLに対するデータ書込電流供給構成が一部異なる。具体的には、各ビット線BLの片端に対応して設けられるライトドライバ50に代えて、データバス/WDBおよびコラム選択スイッチ56が新たに設けられる。
ライトデータバス/WDBには、書込バッファ70♯によって、書込データDinの反転データ/Dinに応じたデータ電圧が駆動される。すなわち、書込バッファ70および70♯は、書込データDinに応じて、ライトデータバスWDBおよび/WDBにそれぞれ相補の電圧を駆動する。具体的には、Din=Hレベルのときには、ライトデータバスWDBが電源電圧Vccへ駆動される一方で、ライトデータバス/WDBは接地電圧Vssへ駆動される。反対に、Din=Lレベルのときには、ライトデータバスWDBが接地電圧Vssへ駆動される一方で、ライトデータバス/WDBは電源電圧Vccへ駆動される。
ライトデータバス/WDBは、各メモリセル列において、対応のビット線BLとコラム選択スイッチ56を介して接続される。コラム選択スイッチ56のオン・オフは、同一メモリセル列のコラム選択スイッチ55と共通のコラム選択線CSLに応じて制御される。したがって、選択列においては、コラム選択スイッチ55および56の両方がオンされて、選択ビット線BLjはライトデータバスWDBおよび/WDBの間に接続される。一方非選択列においては、コラム選択スイッチ55および56の双方がターンオフされるので、ビット線BLはライトデータバスWDBおよび/WDBと非接続される。
また、実施の形態2の変形例3(図23)と同様に、各ディジット線DLにおけるスイッチ素子S2の配置が省略されて、各ディジット線DLは、電圧信号φ(DL)を受けるメインディジット線MDLと直接接続される。
実施の形態3によるMRAMデバイス1cのその他の部分の構成は、図16に示した実施の形態2によるMRAMデバイス1bと同様であるので詳細な説明は繰返さない。なお、図26においても、図16と同様にデータ読出系回路の記載を省略している。
図27は、この発明の実施の形態3に従うデータ書込電流供給構成を説明する概念図である。
図27を参照して、実施の形態3に従うデータ書込電流供給構成では、各ビット線BLは、スイッチ素子S3(コラム選択スイッチ55)を介してライトデータバスWDBと接続され、かつ、スイッチ素子S4(コラム選択スイッチ56)を介してライトデータバス/WDBと接続される。
符号66♯は、ライトデータバスWDBの充電容量を示す。ライトデータバス容量66♯は、ライトデータバスWDBの寄生容量69aのみで構成されてもよいし、ライトデータバスWDBに接続された容量素子(付加容量)69bと寄生容量69aとの和で構成されてもよい。
ディジット線DLに対するデータ書込電流の供給構成は、図23に示した実施の形態2の変形例3と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
図28は、実施の形態3に従うMRAMデバイスの動作を説明する図である。
図28を参照して、クロックサイクル1ではスタンバイ動作(Stby)が実行される。スタンバイ動作においては、各ディジット線DLを充電するために、メインディジット線MDLに与えられる電圧信号φ(DL)が電源電圧Vccに設定される。一方、スイッチ素子S1,S3,S4の各々がオフされてディジット線DLおよび各ビット線BLにはデータ書込電流は流れない。
クロックサイクル2においては、データ読出動作(Read)が実行される。データ読出においても、各ビット線BLおよび各ディジット線DLにデータ書込電流を流す必要はないので、スイッチS1,S3,S4のオフ状態は維持されて、ディジット線DLは電源電圧Vccへの充電状態が維持される。
クロックサイクル3におけるスタンバイ動作についてはクロックサイクル1と同様である。
クロックサイクル4および5によって、単一のデータ書込(Write)が実行される。まずクロックサイクル4においては、書込ノード75および76にそれぞれ相当するライトデータバスWDBおよび/WDBは、書込データDinおよびその反転データ/Dinにそれぞれ応じた電圧に充電される。たとえばDin=Lレベルとすると、ライトデータバスWDBの容量66は接地電圧Vssに充電され、ライトデータバス/WDBの容量66♯は電源電圧Vccに充電される。
クロックサイクル4においても、スイッチ素子S1,S3,S4はオフ状態とされるので、各ディジット線DLおよび各ビット線BLにはデータ書込電流が生じない。すなわちこのクロックサイクルにおいては、選択ディジット線DLiに続いて、ライトデータバスWDBおよび/WDB、すなわち書込ノード75および76が、書込データDinに応じたデータ電圧レベルにそれぞれ充電される。
次のクロックサイクル5において、書込ノード75および76および電圧信号φ(DL)はハイインピーダンス状態(Z)とされ、かつ、スイッチ素子S1,S3,S4の各々がターンオンされる。これにより、選択ディジット線DLi上に、データ書込電流Ipが発生するとともに、選択ビット線BLj上にはデータ書込電流Iw(0)が生じる。
なお、書込データDin=Hレベルのときには、クロックサイクル4において、ライトデータバスWDBが電源電圧Vccに充電され、ライトデータバス/WDBが接地電圧Vssに充電されるので、クロックサイクル5において、スイッチ素子S3およびS4のターンオンに応答して、データ書込電流Iw(1)を選択ビット線BLj上に流すことができる。
クロックサイクル6においては、クロックサイクル1および3と同様のスタンバイ動作が再び実行される。
このように実施の形態3に従うMRAMデバイスにおいては、実施の形態1および2と同様に、データ書込電流を供給するためにディジット線DLおよびライトデータバスWDB,/WDB(書込ノード75,76)を充電する動作と、実際にデータ書込電流IpおよびIw(0),Iw(1)を供給する動作とを独立に時分割して実行することができる。これにより、電源(バッテリ)からMRAMデバイスへ供給される負荷電流を緩やかなものとして、電力供給可能期間を拡大することができる。
さらに実施の形態3に従う構成では、2クロックサイクルで単一のデータ書込動作を実行することができるため、データ書込動作の高速化についても効果がある。
なお、実施の形態3の説明では、各ディジット線DLの充電構成を実施の形態2の変形例3に従うMRAMデバイスと同様としたが、実施の形態1等と同様に、スイッチ素子S2を介して各ディジット線DLを充電する構成としてもよい。この場合には、スイッチ素子S2を、図25に示した動作シーケンスにおいて、少なくもクロックサイクル4でターンオンさせ、クロックサイクル5でオフさせる必要がある。また、実施の形態2で説明したように、メインディジット線MDLをブロックごとに分割する構成を採用してもよい。
[実施の形態4]
実施の形態4では、実施の形態1等で説明した、ビット線BLの両端にそれぞれライトドライバ50を設けることなくビット線BLへデータ書込電流を供給する構成に焦点をあてて説明する。
図29は、実施の形態4に従うMRAMデバイス1dのデータ書込構成を説明する概略ブロック図である。
図29を参照して、実施の形態4に従うMRAMデバイス1dは、実施の形態2に従うMRAMデバイス1b(図16)と比較して、電圧駆動用の書込バッファ70に代えて、データ書込電流Iw(0),Iw(1)を供給するためのデータ書込回路100を備える点が異なる。さらに、各ディジット線DLについて電源電圧Vccへの充電構成は特に限定されないので、最も簡素な構成例として、各ディジット線DLがスイッチ素子を介さずに電源電圧Vccと直接接続される構成を示した。
データ書込回路100は、データ書込電流Iw(1)を供給するための定電流源110と、データ書込電流Iw(0)を供給するための定電流源120と、スイッチ素子112,122とを含む。スイッチ素子112は、定電流源110およびライトデータバスWDBの間に設けられる。スイッチ素子122は、定電流源120およびライトデータバスWDBの間に設けられる。
スイッチ素子112は、書込データDinがHレベルのときにオンし、Lレベルのときにオフする。これに対してスイッチ素子122は、反転された書込データ/Dinに応答して動作し、書込データDinがHレベルのときにオフし、Lレベルのときにオンする。
ライトドライバ50の構成および動作は、図1で説明したのと同様であるので詳細な説明は繰返さない。
各ディジット線DLの一端側は、実施の形態2と同様に、行デコーダ20により行選択結果によってオン・オフするトランジスタスイッチ25を介して接地電圧Vssと接続されている。一方、各ディジット線DLの他端側は、充電期間の制御を考慮することなく、常時電源電圧Vccと接続される。
図30は、この発明の実施の形態4に従うデータ書込電流供給構成を説明する概念図である。
図30を参照して、ディジット線DLiの一端側は、スイッチ素子S1を介して接地電圧Vssと接続されており、スイッチ素子S1のターンオンに応答して、選択ディジット線DLiにデータ書込電流Ipを流すことができる。
選択ビット線BLjの一端側は、コラム選択スイッチ55に相当するスイッチ素子S3のターンオンに応答して、ライトデータバスWDB(書込ノード75)と接続される。ライトデータバスWDBは、書込データDinに応じて選択的にターンオンされるスイッチ素子Sa(図29のスイッチ112に相当)およびスイッチ素子Sb(図29のスイッチ122に相当)によって、定電流源110および120のいずれか一方と接続される。
一方、選択ビット線BLjの他端側は、書込データDinに応じて選択的にオンされるスイッチ素子S4a(トランジスタスイッチ51に相当)およびスイッチ素子S4b(トランジスタスイッチ52に相当)によって、ライトデータバスWDBの設定電圧と相補的に、電源電圧Vccまたは接地電圧Vssと選択的に接続される。
図31は、実施の形態4に従うMRAMデバイスでの書込動作を説明する図である。
実施の形態4に従うMRAMデバイスにおいては、データ書込電流供給の準備のための充電期間と、データ電流供給期間とを特に区別することなく、両者は同時に実行可能である。
書込データDin=Lレベル(Write0)のときには、選択ディジット線DLi上にデータ書込電流Ipを流すためにスイッチ素子S1がターンオンされるとともに、スイッチ素子S3,S4a,Sbがオンされる一方で、スイッチ素子S4b,Saがオフされる。
これにより、ライトデータバスWDB(書込ノード75)は、接地電圧Vssによって駆動される定電流源120と接続される。すなわち、ライトデータバスWDBは、接地電圧Vssに設定され、かつ、スイッチ素子S3を介して選択ビット線BLjの一端と接続される。さらに、ビット線BLjの他端はスイッチ素子S4aによって電源電圧Vccと接続される。これにより、選択ビット線BLj上には、定電流源120によって供給されるデータ書込電流Iw(0)が流される。
これに対して、書込データDin=Hレベル(Write1)のときには、選択ディジット線DLi上にデータ書込電流Ipを流すためにスイッチ素子S1がターンオンされるとともに、スイッチ素子S3,S4b,Saがオンされる一方で、スイッチ素子S4a,Sbがオフされる。
これにより、ライトデータバスWDB(書込ノード75)は、電源電圧Vccによって駆動される定電流源110と接続される。すなわち、ライトデータバスWDBは、電源電圧Vccに設定され、かつ、スイッチ素子S3を介して選択ビット線BLjの一端と接続される。さらに、ビット線BLjの他端はスイッチ素子S4bよって接地電圧Vssと接続される。これにより、選択ビット線BLj上には、定電流源110によって供給されるデータ書込電流Iw(1)が流される。
このような構成とすることにより、各ビット線BLの両端にライトドライバ50を配置する構成と比較して、ライトドライバ50の配置個数を削減できるので回路面積を縮小できる。
また、実施の形態3のように、各ビット線BLの両端に相補のライトデータバスWDBおよび/WDBの両方を設ける構成では、ライトドライバ50の配置が省略可能な一方で、データ書込電流経路が長くなるので、寄生抵抗の増大により、データ書込電流の確保が困難になる可能性おそれがある。
したがって、実施の形態4によるMRAMデバイスのように、ビット線BLの両側に、複数のスイッチ素子を含むライトドライバおよび、書込データに応じたデータ電圧に設定されるライトデータバスWDBをそれぞれ配置する構成とすることにより、回路面積の縮小と、データ書込電流経路の長大化防止によるデータ書込電流確保との両立を図ることが可能となる。
[実施の形態4の変形例]
図32は、実施の形態4の変形例に従うMRAMデバイス1eのデータ書込構成を説明する概略ブロック図である。
図32を参照して、実施の形態4の変形例に従うMRAMデバイス1eは、実施の形態2に従うMRAMデバイス1b(図16)と比較して、電圧駆動用の書込バッファ70に代えて、複数本のビット線によって共有されるライトドライバ50♯を備える点が異なる。
具体的には、MRAMデバイス1eでは、メモリセルアレイ10内の全ビット線は、複数本ずつのビット線グループ210に分割される。図32の構成例では、各ビット線グループ210は、2本のビット線(図32ではビット線BLj−1およびBLj)により構成される。
ビット線BLの一端側は、ビット線グループ210ごとに設けられたライトドライバ50♯と接続される。すなわち、ライトドライバ50♯は、同一のビット線グループ210に属する複数のビット線により共有される。
ライトドライバ50♯は、ライトドライバ50と同様の構成を有し、トランジスタスイッチ51♯および52♯を含む。たとえば、トランジスタスイッチ51♯はpMOSトランジスタで構成され、トランジスタスイッチ52♯は、nMOSトランジスタで構成される。
トランジスタスイッチ51♯のゲートには制御信号WDP♯が入力され、トランジスタスイッチ52のゲートには制御信号WDN♯が入力される。制御信号WDP♯,WDN♯は、各ビット線グループ210ごとに独立に生成される。図32には、第k番目(k:自然数)のビット線グループに対応する制御信号WDP♯k,WDN♯kが例示される。
ビット線BLの他端側は、各ビット線BLに対応して設けられるライトドライバ50と接続される。ライトドライバ50の構成および動作は、図1で説明したのと同様であるので詳細な説明は繰返さない。
なお、図29に示したMRAMデバイス1dと同様に、各ディジット線DLについて電源電圧Vccへの充電構成は特に限定されないので、最も簡素な構成例として、各ディジット線DLがスイッチ素子を介さずに電源電圧Vccと直接接続される構成を示した。
各ディジット線DLの一端側は、実施の形態2と同様に、行デコーダ20により行選択結果によってオン・オフするトランジスタスイッチ25を介して接地電圧Vssと接続されている。一方、各ディジット線DLの他端側は、充電期間の制御を考慮することなく、常時電源電圧Vccと接続される。
図33は、この発明の実施の形態4の変形例に従うデータ書込電流供給構成を説明する概念図である。
図33を参照して、ディジット線DLiの一端側は、スイッチ素子S1を介して接地電圧Vssと接続されており、スイッチ素子S1のターンオンに応答して、選択ディジット線DLiにデータ書込電流Ipを流すことができる。
同一のビット線グループ210に属するビット線BLjおよびBLj−1の一端側は、ノード220で接続される。ノード220は、スイッチ素子S3aを介して電源電圧Vccと接続され、かつ、スイッチ素子S3bを介して接地電圧Vssと接続される。スイッチ素子S3aおよびS3bは、ライトドライバ50♯を構成するトランジスタスイッチ51♯および52♯(図32)にそれぞれ相当する。
一方、ビット線BLj−1およびBLjの他端側は、各ビット線BLに対応して設けられたスイッチ素子S3aおよびスイッチ素子S3bをそれぞれ介して、電源電圧Vccおよび接地電圧Vssと接続される。
図34は、実施の形態4の変形例に従うMRAMデバイスでの書込動作を説明する図である。
実施の形態4の変形例に従うMRAMデバイスにおいても、実施の形態4に従うMRAMデバイスと同様に、データ書込電流供給の準備のための充電期間と、データ電流供給期間とを特に区別することなく、両者は同時に実行可能である。
対応のビット線が全て非選択のビット線グループにおいて、スイッチ素子S3a,S3bは両方ともオフされる。同様に、非選択のビット線では、スイッチ素子S4a,S4bは両方ともオフされる。また、非選択のディジット線に対応するスイッチ素子S1もオフされる。
これに対して、選択ビット線を含むビット線グループに対応するスイッチ素子S4a,S4bは、書込データに応じて一方がオンされ、他方がオフされる。さらに、選択ビット線に対応するスイッチ素子S3a,S3bは、選択ビット線の他端側がノード220の設定電圧と相補的に電源電圧Vccまたは接地電圧Vssと選択的に接続されるように、書込データに応じて一方がオンされ他方がオフされる。
具体的には、書込データDin=Lレベル(Write0)のときには、選択ディジット線DLi上にデータ書込電流Ipを流すためにスイッチ素子S1がターンオンされるとともに、スイッチ素子S4a,S3bがオンされる一方で、スイッチ素子S4b,S3aがオフされる。
これにより、ノード220はスイッチ素子S3bによって接地電圧Vssに設定される。一方、選択ビット線の他端はスイッチ素子S4aによって電源電圧Vccと接続される。これにより、選択ビット線上にデータ書込電流Iw(0)が流されて、選択メモリセルへデータ“0”が書込まれる。
これに対して、書込データDin=Hレベル(Write1)のときには、選択ディジット線DLi上にデータ書込電流Ipを流すためにスイッチ素子S1がターンオンされるとともに、スイッチ素子S4b,S3aがオンされる一方で、スイッチ素子S4a,S3bがオフされる。
これにより、ノード220はスイッチ素子S3aによって電源電圧Vccに設定される。一方、選択ビット線の他端はスイッチ素子S4bによって接地電圧Vssと接続される。これにより、選択ビット線上にデータ書込電流Iw(1)が流されて、選択メモリセルへデータ“1”が書込まれる。
このような構成とすることにより、ライトデータバスの配置によってデータ書込電流経路を長大化することなくデータ書込電流の確保を容易とした上で、各ビット線BLの両端にライトドライバ50を配置する構成と比較して、ライトドライバ50の配置個数を削減できるので回路面積を縮小できる。
なお、図32〜図34では、各ビット線グループ210が2本のビット線を含む構成を例示したが、各ビット線グループは、任意の複数本のビット線によって構成することができる。
[実施の形態5]
図35は、実施の形態5に従うMRAMデバイス1fの全体構成を示す概略ブロック図である。
図35を参照して、実施の形態5に従うMRAMデバイス1fは、実施の形態1に従うMRAMデバイス1aの構成に加えて、各ディジット線DLに対して設けられた定電流源130と、書込バッファ70に代えて設けられたデータ書込回路100とをさらに備える点で異なる。データ書込回路100の構成は、図29に示したのと同様であるが、定電流源110および120は、必要なデータ書込電流Iw(0)およびIw(1)の一部である定電流Iw0♯Iw1♯をそれぞれ供給する。
また定電流源130は、対応のトランジスタスイッチ25のターンオン時に、対応のディジット線DLへ定電流Ip♯を流すことができる。定電流Ip♯は、必要なデータ書込電流Ipの一部に相当する。
図36は、この発明の実施の形態5に従うデータ書込電流供給構成を説明する概念図である。
図36を参照して、実施の形態5に従うデータ書込電流供給構成では、図4に示した実施の形態1に従うデータ書込電流供給構成と比較して、データ書込電流Ipの供給経路、すなわちスイッチ素子S1(トランジスタスイッチ25)および接地電圧Vssの間に定電流源130が配置される点と、書込ノード75に相当するライトデータバスWDBに対しては、図30に示した構成と同様に、定電流源110および120が書込データDinに応じて選択的に接続される点とで異なる。その他の部分については、図4に示した実施の形態1に従うデータ書込電流供給構成であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図37は、実施の形態5に従うMRAMデバイスの動作を説明する図である。
図37に示されるクロックサイクル1〜9では、図6に示したクロックサイクル1〜9と同様の動作が実行される。このため、スイッチ素子S1,S4a,S4bの動作は、図6に示したのと同様である。また、スタンバイ動作(Stby)およびデータ読出動作(Read)時すなわちクロックサイクル1〜3および9において、選択行および非選択行ともスイッチ素子S2はオンされる。
クロックサイクル4〜8は単一のデータ書込動作を構成する。単一のデータ書込動作では、データ“0”(Din=Lレベル)を書込む“Write0”およびデータ“1”(Din=Hレベル)を書込む“Write1”のいずれかが実行される。図37に示す例では、クロックサイクル4〜8により“Write0”が実行されるものとする。
一方、データ書込動作中(クロックサイクル4〜8)においては、非選択行のスイッチ素子S2がオフを維持される一方で、選択行のスイッチ素子S2は、選択ビット線を書込データに応じたデータ電圧に再充電するクロックサイクル6を除いてオンされる。
さらに、データ書込回路100内のスイッチ素子SaおよびSbは、データ書込動作時以外にはターンオフされる一方で、データ書込動作時(クロックサイクル4〜8)には、書込データDinに応じて選択された一方が、スイッチ素子S1と対を成すようにオンする。すなわち、データ“0”の書込動作(Write“0”)においては、クロックサイクル4〜8を通じてスイッチ素子Saがオフされる一方で、スイッチ素子Sbは、クロックサイクル5および8にオンされる。図示しないが、データ“1”の書込動作(Write“1”)においては、クロックサイクル4〜8を通じてスイッチ素子Sbがオフされる一方で、スイッチ素子Saは、クロックサイクル5および8にオンされる。
さらに、スイッチ素子S3は、定電流源110,120を選択ビット線BLjと接続するために、データ書込動作時(クロックサイクル4〜8)には、オン状態に維持される。
これにより、たとえばクロックサイクル4においては、実施の形態1と同様にディジット線容量60ならびにビット線容量65およびライトデータバス容量66の充電が行なわれ、クロックサイクル5においては、ディジット線容量60の放電電流および定電流源130による定電流Ip♯によって、選択ディジット線DLiにデータ書込電流Ipが流される。同様に、選択ビット線BLjには、ビット線容量65およびライトデータバス容量66からの充放電電流および定電流源120による定電流Iw0♯によって、データ書込電流Iw(0)が供給される。これにより、データ“0”が選択メモリセルへ書込まれる。
クロックサイクル6では、図6に示したクロックサイクル6と同様に、選択ビット線が書込データに応じたデータ電圧(接地電圧Vss)に再び充電される。
続くクロックサイクル7では、選択行のスイッチ素子S2がターンオンされて、選択ディジット線のディジット線容量が電源電圧Vccに再び充電されるが、スイッチ素子S1がオフされているので、データ書込電流Ipは流れない。また、スイッチ素子S4a,S4bがオフされるため、選択ビット線BLjの状態は、クロックサイクル6の終了時と同様に維持される。
クロックサイクル8では、図6に示したクロックサイクル9と同様に、スイッチ素子S1,S4aがターンオンされるので、選択ディジット線上をデータ書込電流Ipが流れるが、選択ビット線BLjはその両端がそれぞれ電源電圧Vccと接続されることになるので、選択ビット線BLj上にデータ書込電流は流れない。
このようにして、クロックサイクル4〜8で構成される単一のデータ書込動作によって、クロックサイクル5でのデータ書込電流供給により、データ“0”(Din=Lレベル)のデータ書込が実行される。
クロックサイクル9においては、クロックサイクル1,3,8と同様のスタンバイ動作(Stby)が実行される。
なお、“Write1”のデータ書込動作は、クロックサイクル4および6での書込ノード75の電圧設定を、Din=Hレベルに対応したデータ電圧(電源電圧Vcc)に変更した上で、スイッチ素子S1〜S3,S4a,S4bを“Write0”と同様にスイッチングさせるとともに、クロックサイクル5および8におけるスイッチ素子SaおよびSbのオン・オフを入れ替えることにより実行される。これにより、“Write1”では、クロックサイクル5では選択ビット線BLjにデータ書込電流が発生しない一方で、クロックサイクル8では選択ビット線BLjにデータ書込電流Iw(1)が流れることにより、選択メモリセルへデータ“1”が書込まれる。
このように実施の形態5に従うMRAMデバイスでは、実施の形態1で説明した、ディジット線DLおよびビット線BLへの充電電荷による放電電流と、定電流源110,120,130による定電流との和によって、データ書込電流IpおよびIw(0),Iw(1)が供給される。
したがって、定電流源源110,120,130によって供給される定電流Iw1♯,Iw0♯,Ip♯は、ディジット線容量60やビット線容量65と、その充電電圧(電源電圧Vccおよび接地電圧Vssの電圧差に相当)との積、すなわち充電電荷によって供給可能な電流と、必要なデータ書込電流の電流量および印加時間の積との関係を考慮して、その不足分を補う範囲で設計すればよい。
このような構成とすることにより、ディジット線容量60やビット線容量65に対して付加容量を設けて回路面積の増大を招くことなく、容易にデータ書込電流を確保することが可能となる。特に、データ書込電流の供給が容易化されることから、電源電圧Vccの低電圧化が可能となる。また、充電電荷の放電によりデータ書込電流の一部を供給することにより、定電流源源110,120,130を構成するトランジスタのサイズを縮小できるので、回路面積を縮小することも可能である。
なお、実施の形態5に従うMRAMデバイス1eにおいては、実施の形態1に従うMRAMデバイス1aの構成に、定電流源110,120,130を追加配置した構成を示した。同様に、実施の形態1の変形例や、実施の形態2およびそれらの変形例に対しても、定電流源を追加配置して、充電電荷の放電と定電流源から供給される定電流との和によってデータ書込電流を供給する構成とすることが可能である。
たとえば、図38には、実施の形態3に従うMRAMデバイスにおいて、ライトデータバスWDBおよび/WDBのそれぞれに対して、データ書込電流供給を補助するための定電流源が配置された構成が示される。
図38を参照して、データバスWDBに対しては、図36と同様に、データ書込回路100が設けられる。すなわち、データバスWDBは、スイッチ素子SaおよびSbを介して、定電流源110および120と接続される。同様に、データバス/WDBに対しては、データ書込回路100♯が設けられる。データ書込回路100♯は、定電流源110♯および120♯と、スイッチ素子ScおよびSdとを含む。これにより、データバス/WDBは、スイッチ素子ScおよびSdを介して,定電流源110♯および120♯と接続される。スイッチ素子Scのオン・オフは、スイッチ素子Saと同様に、書込データDinに応じて制御され、スイッチ素子Sdのオン・オフは、スイッチ素子Sbと同様に、反転された書込データ/Dinに応じて制御される。
このような構成においては、図39に示すように、スイッチ素子S1、S3,S4のオン・オフについては、実施の形態3(図28)と同様に設定し、スイッチ素子S2については、図37と同様に、データ書込動作において選択行でオンし、非選択行でオフするように設定すればよい。さらに、定電流源110,120,110♯,120♯に対応して設けられるスイッチ素子Sa〜Sdについては、各データ書込動作期間内において、スイッチ素子S3,S4と同時に、書込データDinに応じて選択的にオンするように制御する。
このような構成とすることにより、ディジット線容量60やビット線容量65に対して付加容量を設けて回路面積の増大を招くことがなく、かつ、定電流源110,110♯,120,120♯,130によって供給する定電流を抑制できる。したがって、実施の形態5に従うMRAMデバイスと同様の効果を供給することが可能である。
なお、以上の実施の形態では、データ書込系およびデータ読出系の両方に、共通の電源電圧Vccを用いたが、データ読出およびデータ書込で異なる電源電圧を用いることも可能である。また、電源電圧Vccについては、外部電源(たとえばバッテリ)から直接供給する構成とする他に、MRAM内部において、降圧回路(たとえば、差動増幅器を用いた一般的な構成のVDC:Voltage Down Converter)や昇圧回路(たとえば、一般的な構成のチャージポンプ回路)によって、データ読出/データ書込の電源電圧を生成する構成としてもよい。
特に、チャージポンプ回路を採用すれば、一度に電源端子から大きな電流を供給することが困難なICカード用途等において、データ書込動作以外の期間を利用してデータ書込電流発生用の電源電圧を内部で生成できるため、データ書込電流の確保が容易となる。
また、「書込電流線」として設けられるディジット線DLおよびビット線BLに流れるデータ書込電流は、選択メモリセルへのデータ書込を実行するために必要な電流下限値と、周辺の非選択メモリセルへ誤書込が行なわれないための電流上限値との範囲内に設定する必要がある。特に、データ書込電流のピーク値は、回路上の寄生抵抗や寄生容量によって増大するのでその制御が困難である。このため、ディジット線DLおよびビット線BLについて、非特許文献4に開示されるような、金属配線の周囲3方向を薄い強磁性体で覆った配線を適用することにより、非選択メモリセルへの漏れ磁界を軽減して、データ誤書込の発生を抑制できる。
以上説明した実施の形態1〜5およびそれらの変形例では、1ビットのデータ書込構成、すなわち1本の選択ビット線に書込データに応じたデータ書込電流が流される構成について説明したが、同様の構成について、複数ビットの並列なデータ書込構成にそれぞれ拡張することも可能である。
図40は、図4に示した実施の形態1に従うデータ書込電流供給構成を複数ビット書込に拡張した場合の構成を示す概念図である。
図40を参照して、実施の形態1に従うデータ書込電流供給構成では、並列に書込むビット数に対応させて書込ノード75を複数個設けることにより、複数ビットの並列なデータ書込を実現できる。
たとえば、2本の選択ビット線BLjおよびBLkにそれぞれ対応して独立の書込ノード75を設けた上で、図41に示すように、選択ビット線BLjおよびBLkに対応するスイッチ素子S3,S4a,S4bを同様のシーケンスで並列に動作させることにより、選択ビット線BLjおよびBLkのそれぞれに対して、独立の書込データを並列に書込める。
図42に示すように、図14に示した実施の形態1の変形例2に従うデータ書込電流供給構成についても、並列に書込むビット数に対応させて書込ノード75を複数個設けることにより、同様に複数ビットの並列なデータ書込を実現できる。この場合にも、各書込ノードに対応する選択ビット線において、スイッチ素子S3,S4a,S4bを同様のシーケンスで並列に動作させればよい。また、図示しないが、実施の形態1の変形例1ならびに実施の形態2およびその変形例に従うデータ書込電流供給構成についても、書込ノード75を並列に書込むビット数に対応して複数個設けることにより、同様に複数ビットの並列なデータ書込を実現できる。
図43に示すように、図27に示した実施の形態3に従うデータ書込電流供給構成については、書込ノードに相当するライトデータバスWDB,/WDBの組を、並列に書込むビット数に対応させて複数個設けることにより、同様に複数ビットの並列なデータ書込を実現できる。この場合にも、各書込ノードに対応する選択ビット線において、スイッチ素子S3,S4を同様のシーケンスで並列に動作させればよい。
図44に示すように、図30に示した実施の形態4に従うデータ書込電流供給構成については、ライトデータバスWDBおよびデータ書込回路100の組を並列に書込むビット数に対応して複数個設けることにより、同様に複数ビットの並列なデータ書込を実現できる。この場合にも、各書込ノードに対応する選択ビット線において、スイッチ素子S3,S4a,S4bを同様のシーケンスで並列に動作させればよい。
図45に示すように、図33に示した実施の形態4の変形例に従うデータ書込電流供給構成については、並列に書込むビット数に対応した複数のビット線グループ210において、ライトドライバ50および50♯が選択ビット線をデータ電圧(VccまたはVss)と接続するように、スイッチ素子S3a,S3b,S4a,S4bのオン・オフ制御信号を生成すればよい。
さらに、図46に示すように、図36に示した実施の形態5に従うデータ書込電流供給構成についても、ライトデータバスWDBおよびデータ書込回路100の組を、並列に書込むビット数に対応させて複数個設けることにより、同様に複数ビットの並列なデータ書込を実現できる。この場合にも、各書込ノードに対応する選択ビット線において、スイッチ素子S3,S4a,S4b,Sa,Sbを同様のシーケンスで並列に動作させればよい。
また、図47に示すように、図38に示した実施の形態5に従うデータ書込電流供給構成についても、ライトデータバスWDBおよびデータ書込回路100の組ならびにライトデータバス/WDBおよびデータ書込回路100♯の組を、並列に書込むビット数に対応させて複数個設けることにより、同様に複数ビットの並列なデータ書込を実現できる。この場合にも、各書込ノードに対応する選択ビット線において、スイッチ素子S3,S4、Sa〜Sdを同様のシーケンスで並列に動作させればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1a,1b,1c,1d,1e MRAMデバイス、10 メモリセルアレイ、15,25,51,52 トランジスタスイッチ、20 行デコーダ、30 列デコーダ、50,50♯ ライトドライバ、55,55r,56 コラム選択スイッチ、60 ディジット線容量、61 メインディジット線容量、62a,63a,67a,68a,69a 寄生容量、62b,63b,67b,68b,69b 付加容量、65 ビット線容量、66、66♯ ライトデータバス容量、70,70♯ 書込バッファ、71,71♯ データ端子、75,76 書込ノード、80 データ読出アンプ、100,100♯ データ書込回路、110,110♯,120,120♯,130 定電流源、112,122 スイッチ素子、BL ビット線、BLj 選択ビット線、BLK1〜BLK4 ブロック、CSL コラム選択線、DB データバス、DBr 参照データバス、Din 書込データ、/Din 反転データ、DL ディジット線、DLi 選択ディジット線、DMC ダミーメモリセル、Dout 読出データ、Ip,Iw(0),Iw(1) データ書込電流、Ip♯,Iw0♯,Iw1♯ 定電流、MC メモリセル、MDL,MDL1〜MDL4 メインディジット線、R0 充電抵抗、Rc 充電調整抵抗、Rp 放電抵抗、RWL リードワード線、S1〜S3,S4a,S4b,Sa〜Sd スイッチ素子、SL ソース線、TMR トンネル磁気抵抗素子、Vcc 電源電圧、Vss 所定電圧(接地電圧)、WDB,/WDB ライトデータバス、φ(DL) 電圧信号(メインディジット線)。