JP4550115B2 - CpG含量を変化させることにより遺伝子発現を調整する方法 - Google Patents

CpG含量を変化させることにより遺伝子発現を調整する方法 Download PDF

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Description

本発明は、天然遺伝子または合成遺伝子あるいは他のコード配列由来であり、元の配列と比較して、コード領域における少ない、または多い数のCpGジヌクレオチドを有する修飾ポリヌクレオチドに関する。これらのポリヌクレオチドは、遺伝子発現を研究、増加または減少させるために、また、特殊な場合に、生体分子の生産、DNAワクチンまたは遺伝子治療構築物の効率、ならびにトランスジェニック動物または植物の質を改良するために用いることができる。
ペプチド、タンパク質またはRNA分子の形態の生体分子の供給は、バイオテクノロジーおよび製薬分野における重要な要素である。組換え技術またはin vivoでの発現により生産されるタンパク質およびRNAは、基本的メカニズムおよび関係を研究するために、また、バイオテクノロジー試薬の生産、トランスジェニック動物または植物の生産に、あるいは治療法およびワクチンの開発における医学的適用のために用いられている。適用分野によって、対応する分子の発現のレベルを調節することができなければならない。
ほとんどの場合に、標準的な生産のレベルを上回る増加が望ましい。各発現システムまたはベクター構築物は、実際の生産能力を決定付ける限界を有する。本発明は、真核細胞中の任意の遺伝子の発現のレベルを調整することができる方法および適用分野に関する。特に、この方法は、達成することができる遺伝子発現が、発現を増加させるための従来知られている方法により達成することができるレベルを上回るように、任意の遺伝子を調整するのに適している。
CpGジヌクレオチドは、真核生物のゲノムにおける重要な位置を占めている。それらは、他のジヌクレオチドと同様にランダムに分布していないが、ゲノムの広い範囲にわたって発現量が不十分である。さらに、これらの領域におけるCpGジヌクレオチドは一般的にメチル化されている。
この例外は、CpGジヌクレオチドの非常に高い密度を有し、これらの特性を考慮してCpGアイランドと呼ばれている領域である。これらのCpGアイランドの特有の特性とCpGジヌクレオチドに関するさらなる差異は、原則としてメチル化された形態で存在しないことである。
CpGジヌクレオチドの不十分な発現量は、対応するヌクレオチドの化学的修飾によって説明される。脊椎動物のゲノムでは、CpGジヌクレオチドにおけるシトシンの約60〜90%がメチル化された形態で存在し、これらのメチル化シトシンは、しばしば脱アミノ化により修飾されてチミンとなる(Shen et al.、1994)。このような過程の結果として、シトシンおよびグアノシンの頻度は、予想される統計的分布を下回っており、約40%であり、CpGジヌクレオチドの割合は、予想される頻度の約20%であるにすぎない(Bird、1980;Sved et al.、1990;Takai et al.、2002)。
CpGアイランドは、CpGジヌクレオチドのこのような異常な分布の例外をなしている(Antequera et al.、1993)。CpGアイランドは、ほとんどプロモーターの近くに位置し、転写領域内に及んでいるか、またはエキソン内にさえ存在することがある。
それらは、平均的な遺伝子の領域と比較してCpGの頻度が約10倍高いこと(C+G含量が約60〜70%)を特徴とし、また、原則としてそれらが非メチル化CpGを含むことを特に特徴とする(Wise et al.、1999)。すべてのヒト遺伝子の約60%、特にすべてのハウスキーピング遺伝子および組織特異的遺伝子の約半数がCpGアイランドに関連している(Antequera et al.、1993;Larsen et al.、1992)。CpGアイランドは、とりわけ、Gardiner-Garden M.&Frommer M (1997)J.Mol.Bio.、196、261〜282頁およびTakai D.&Jones P.A.(2002)PNAS 99、3740〜3745頁による刊行物において記述され、定義された。従来技術において様々な定義が存在するので、本発明の目的のためにCpGアイランドを次のように定義する。すなわち、CpGアイランドは、少なくとも55%のCpG含量と少なくとも0.65の比率(実際のCpG/予想されるCpG)を有する少なくとも500の連続する塩基対を含み、プロモーターに関連する(プロモーターと完全にまたは部分的に重複する)。
i)一方で発現量が不十分で、メチル化されており、ii)他方で島状に集中し、メチル化されていない、CpGジヌクレオチドのこのような不均等な分布と修飾は、遺伝子発現の調節における重要な制御機能を有する(図1で図式的に説明する)。
CpGジヌクレオチドは、細胞分化、遺伝的インプリンティングおよび他の手順に関連する初期の発育段階における遺伝子発現の調節に関与する。多数の研究で、真核生物では5'CpG3'ジヌクレオチドのメチル化は、脊椎動物および顕花植物における遺伝子発現に対して抑制効果を有することが示された(Hsieh、1994;Kudo、1998;Jones et al.、1998;Deng et al.、2001;Hisano et al.、2003;Li et al.、2004)(図1A)。
また、腫瘍研究においてi)特定の遺伝子、しばしばサプレッサー遺伝子の発現のスイッチオフがCpGの高度メチル化によって引き起こされる(Li et al.、2004;Kang et al.、2004;Ivanova et al.、2004;Wu et al.、2003)だけでなく、ii)他の遺伝子の非制御発現は低メチル化に関連する(Akiyama et al.、2003;Yoshida et al.、2003)ことを証明する多くのデータが存在する。
メチル化による遺伝子スイッチオフの過程は、最終的に、転写弱状態をもたらすクロマチン構造の変化につながる事象のカスケードによって説明される。遺伝子内の5'-CpG-3'ジヌクレオチドのメチル化は、メチル化DNA配列に結合し、同時にヒストンデアセチラーゼ(MBD-HDAC)および転写レドレッサータンパク質に結合する、タンパク質複合体(主として、MeCP(メチル-CpG結合タンパク質)およびMBD(メチル-CpG結合ドメインタンパク質)タンパク質のファミリーからの)の潜在的結合部位を発生させる(Jones et al.、1998;Nan et al.、1998;Hendrich et al.、1998)。これらの複合体は、原則として、転写活性のスイッチオフにつながるクロマチンの再構成に関係する(Wade et al.、1999)。プロモーター領域におけるメチル化も、導入されたメチル基に起因する必須の転写因子の結合の妨げにより、遺伝子発現のスイッチオフを直接もたらす可能性がある(Deng et al.、2001)。
腫瘍細胞における上記の発現のデレギュレーション(deregulation)は、一般的に上記のCpGアイランドにおけるメチル化状態の変化に関連する。正常な細胞では、能動的に発現する遺伝子は、メチル化されていない、またはわずかにメチル化されているCpGアイランドに主として関連する(図1B)。これらのアイランドにおけるCpGジヌクレオチドのメチル化は、これらの遺伝子(しばしば腫瘍サプレッサー遺伝子または細胞周期調節遺伝子)の発現のスイッチオフにつながり(図1C)、その結果、これらの細胞の非制御増殖につながる。逆に、CpGアイランドにおけるCpGジヌクレオチドのメチル化により不活性である遺伝子は、脱メチル化により活性化される。
上述のCpGアイランドの脱メチル化は、クロマチン構造の変化により、メチル化の場合の遺伝子スイッチオフと同様な転写活性状態につながる。構造の変化に加えて、アクチベータータンパク質に起因する発現の活性化も存在する可能性がある。ヒトCpG結合タンパク質(hCGBP)は、そのような細胞アクチベータータンパク質である。hCGBPは、プロモーターの領域における非メチル化CpGジヌクレオチドに特異的に結合し、トランスアクチベーターとして転写の増加をもたらす(Voo et al.、2000)。
従来、遺伝子内のCpG配列のメチル化が転写を下方に調節するという知識は、過剰発現する、またはその発現が望ましくない遺伝子の発現をメチル化により妨げるために用いられていた(Choi et al.、2004; Yao et al.、2003)(図1Aを参照)。
この知識のさらなる適用例は、遺伝子発現を改良することを目的とする、そのようなCpGジヌクレオチドの標的を定めた除去である(Chevalier-Mariette et al.、2003)。メチル化の除去とそれに関連することのため、クロマチン構造の転写不活性状態への変化も同様に妨げられる(図1D)。この刊行物では、生殖系列細胞およびそれから形成されるトランスジェニックマウスの胚におけるCpGアイランド内に位置するプロモーターと機能するように連結された種々のCpGジヌクレオチド内容を有するトランス遺伝子の発現を検討している。この特殊な場合には、さもなければ胚の発育中に既存のCpGジヌクレオチドの新規メチル化により予測される(図1D、CpGが高いトランス遺伝子)ようなリポーター遺伝子の転写スイッチオフがCpGジヌクレオチドの除去によって妨げられた(図1D、CpGを含まないトランス遺伝子)。Chevalier-Marietteによる刊行物におけるメカニズムのより詳細な検討により、遺伝子発現の妨げは、遺伝子内CpGジヌクレオチドのメチル化、ならびにプロモーター関連CpGアイランドのその後に発生するメチル化に関連することが示された(図1D、CpGが高いトランス遺伝子)。これらの遺伝子内CpGジヌクレオチドを有さず、効率よく発現しなかったリポーター遺伝子では、CpGアイランドはメチル化されなかったことが示された(図1D、CpGを含まないトランス遺伝子)。したがって、著者らは、持続的なin vivo発現のためには、プロモーターおよびCpGアイランドのすぐ近傍のCpGジヌクレオチド含量を減少させなけばならないと結論した。
遺伝子発現の増加は、対応するベクター構築物へのプロモーターの完全なCpGアイランド5'の組込みによって同様に達成することができる(WO02081677)(図1Bを参照)。hCGBPの同定において、CpGジヌクレオチドを同様にリポーター遺伝子の対応するプロモーター領域に組み込んだところ、リポーター活性の増加が認められた。しかし、これらの過渡的な細胞培養試験において、hCGBPは同様に過剰発現し、したがって、非生理的な高濃度で存在していた(Voo et al.、2000)。
C/G含量がmRNAの安定性に影響を及ぼすことは既に知られている。したがって、例えば、DuanおよびAntezana(2003)は、CHO細胞中のヒト遺伝子の3種類の変異体の発現が結果としてmRNA濃度の差につながることを示している。第1の変異体においては、ヒト遺伝子配列は、C/Gジヌクレオチドの数が最大化するように変化した。他方で第2の変異体においては、T/Aジヌクレオチドの数が最大化した。定常状態レベル、すなわち、mRNAの量の差は、mRNAの分解の差に実験的に帰せられた。高いC/G含量を有する二次構造が安定化するため、対応するmRNAは野生型ほどは強く分解せず、T/Aに富むmRNAは野生型よりはるかに高い程度に分解した。mRNAの二次構造の安定化は翻訳に負の影響を及ぼすので、タンパク質レベルでの解析は行われず、また、CpGジヌクレオチドの増加によるタンパク質の産生の増加は予想されなかった。
Demlらは、哺乳類細胞におけるコドン最適化発現のためのHIV-I Gag遺伝子の配列を開示している。CpGジヌクレオチドの特異的増加は開示されていない。
Gardiner-Garden M.&Frommer M(1997)J.Mol. Bio.、196、261〜282頁 Takai D.&Jones P.A.(2002)PNAS 99、3740〜3745頁 WO02081677 DE10260805.9 PCT/EP03/14850
本発明の目的は、従来技術の短所を少なくとも部分的に回避する遺伝子発現の標的調整の方法を提供することであった。
この目的は、以下のステップ、すなわち
i.発現させる標的核酸配列を準備するステップ、
ii.標的核酸配列に存在するCpGジヌクレオチドの数を、遺伝子発現を増加させるために遺伝コードの縮重を用いて増加させるか、または遺伝子発現を減少させるために減少させる、標的核酸配列を修飾するステップ、
iii.変更された数のCpGジヌクレオチドを含む、それにより修飾された標的核酸配列を適切な転写制御配列と機能するように連結された適切な発現ベクターにクローニングするステップ、
iv.適切な発現システムにおいて修飾標的核酸配列を発現させるステップ
を含む、遺伝子発現の標的調整の方法によって達成される。
本発明の方法を用いた場合、従来技術の知識により予想されるものとまさに反対の効果を達成することができることが極めて驚くべきことに見いだされた。これは、本発明の方法により、標的核酸配列におけるCpGジヌクレオチドの数を増加させることによって、この標的核酸配列の発現を増加させることができ、一方、標的核酸配列におけるCpGジヌクレオチドの数を減少させることによって、その発現が妨げられることを意味する。リーディングフレームにおけるCpGジヌクレオチドの数の増加は、本発明により、CpGアイランドの導入と同一視すべきではない。リーディングフレームにおけるCpGジヌクレオチドの増加は、i)より低い塩基数(<500)およびii)プロモーター領域との重複の欠如のため、定義によりCpGアイランドと異なっている。
発現システムは、一方で細胞であってよく、他方で無細胞システムまたはin vitroシステムであってよい。真核生物発現システムを用いることが好ましいが、原核生物または真核生物発現システムを用いることができる。適切な発現システムとしては、例えば、細菌細胞、昆虫細胞、例えば、バキュロウイルス発現システム、SF9細胞、ショウジョウバエシュナイダー(Drosophila-Schneider)細胞、植物細胞、酵母、例えば、サッカロミセス-セレビシエ(Saccharomyces Cerevisiae)、ピキア-アンガスタ(Pichia angusta)、ピキア-パストリス(Pichia pastoris)等、ならびに藻類、例えば、コナミドリムシ(Chlamydomonas)などがある。考えられる植物発現システムの例としては、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、トウモロコシ(Zea mays)、タバコ(Nicotiana tobacco)、イネ(Oryza sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare)、ダイズ(Glicine max)、カンザキハナナ(Brassica sp.)(キャベツ)などがある。好ましくは、脊椎動物細胞、特に、哺乳動物細胞、特に、ヒト細胞、特に、体細胞を用い、生殖系統細胞は用いない。特に好ましくは、発現システムは、低レベルのメチル化を有する、すなわち、実質的に新規メチル化が起こらないシステムまたは細胞である。他方で、トランスジェニック非ヒト生物、特に、植物および動物の生産のためにこの方法を用いることも可能である。
このように、本発明は、とりわけ、特に真核細胞における転写物の発現のレベルの標的改変および/またはタンパク質の産生の標的改変の方法に関する。該方法は、転写されるDNA配列のリーディングフレームの修飾によって特徴付けられる。
該修飾は、発現のレベルの変化に相関するCpGジヌクレオチドの割合の変化に関連する。
人工的遺伝子合成の技術により、これらの合成される可能性から任意のヌクレオチド配列を選択することが可能である。発現のレベルに相関する遺伝子のコード領域内のモチーフを変化させることにより、タンパク質の産生をこの技術により、対応する核酸配列の選択による標的を定めた方法で調整することができる。本発明の範囲内で、CpGジヌクレオチドは、発現のレベルに対して直接影響を及ぼすそのようなモチーフとして特定された。
一般的に受け入れられている意見と異なり、本発明による方法によるCpGジヌクレオチドの導入は、遺伝子発現の減少でなく、遺伝子発現の増加をもたらすことが驚くべきことに見いだされた。逆に言えば、CpGの除去は遺伝子発現の減少につながる。
本発明の状況における「遺伝子発現」という用語は、転写ならびに翻訳を含み、特に、この用語は、タンパク質の産生を含むと理解される。
これらの核酸レベルでの変化は、新規遺伝子合成による人工遺伝子の生成により好ましくは本発明の範囲内で導入され、対応する遺伝子がコードするアミノ酸配列は変化しないままであることが好ましい。新規遺伝子合成の方法は、この分野の技術者に知られている。CpG含量の改変は、サイレント突然変異または遺伝子産物の活性を破壊しない突然変異によって行うことが好ましい。修飾標的核酸配列は、実施例で述べるように、例えば、段階PCRにより長オリゴヌクレオチドから生成させることができ、あるいは通常の遺伝子合成の場合には、専門供給業者(例えば、Geneart GmbH、Qiagen AG)に注文することができる。
驚くべきことに、対応する遺伝子の発現は、CpGジヌクレオチドの数を適切に選択することによって負の影響(CpGの数をより少なくする)または正の影響(CpGの数を増加させる)を受け、コドン最適化遺伝子を用いて達成することができる発現率さえ超える可能性がある。CpGジヌクレオチドの数の増加がRNAおよびコドン最適化を犠牲にして起こる場合、意外にも発現が増加する。CpGアイランドが標的核酸配列の修飾で導入されないことが好ましく、また修飾標的核酸配列がCpGアイランドに関連しないことが好ましい。本発明において、発現に対する影響が全か無かの原理に従って働く定義されたCpGアイランドに関して限界を設定することにより、発現のレベルとCpGジヌクレオチドの数の間に相関が認められる。
遺伝子の発現のために、これらの修飾は、コードされるアミノ酸配列が改変されないように導入されることが好ましい。理想的な場合には、対応する遺伝子の核酸配列のみがその発現のレベルに影響すべきである。遺伝コードは縮重しているので、特定のアミノ酸配列に対して、複数の対応する核酸配列を選択する可能性がある。
これまで述べた方法に関して限界を設定することにより、1)転写物をコードする領域を修飾すべきであり、それにより、この方法をベクターおよび他の遺伝子技術の状態に無関係に用いることができ、2)発現のレベルの増加のためにCpGジヌクレオチドの数を増加すべきである。さらに導入されるCpGは、これに関連してメチル化されない。
好ましくは、発現させる標的核酸配列の配列と比較したCpGジヌクレオチドの数を、発現させる標的核酸配列の長さによって少なくとも2、好ましくは少なくとも3、より好ましくは少なくとも5、さらにより好ましくは少なくとも8、より好ましくは少なくとも10、さらにより好ましくは少なくとも15、および20またはそれ以上まで、特に30〜50または100またはそれ以上まで、所望の発現のレベルによって、増加または減少させる。
好ましくは、発現させる標的核酸配列の配列と比較したCpGジヌクレオチドの数を、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも100%、特に少なくとも200%、または5もしくは10倍増加させる。
CpGを除去する場合、遺伝コードの範囲内で除去できるすべてのCpGを除去することが好ましい。しかし、より少数、例えば、10%、50%または75%のCpGを除去することもでき、その場合にも、除去は所望の発現レベルに依存する。
本発明の範囲内で、驚くべきことにCpGジヌクレオチドの数を増加または減少させることによって遺伝子発現を段階的に調整することができることが認められた。驚くべきことに用量効果が認められた。これは、より多くのまたはより少ないCpGジヌクレオチドを添加または除去することによって、遺伝子発現のレベルを調整することができることを意味する。
既に言及したように、発現させる標的核酸配列のアミノ酸配列を改変せずに好ましくは最大の数のCpGジヌクレオチドが導入または除去されるように、遺伝コードの縮重を用いることが可能であり、好ましい。導入される最大の数のCpGジヌクレオチドは、あらかじめ決定したアミノ酸配列の縮重コドンの変動の可能性によって制限することが好ましい。
他方で、対応するアミノ酸配列がそれにより改変されるとしても、所望ならば、CpGジヌクレオチドの数をさらに増加させることができる。このような場合、ペプチドまたはタンパク質の機能が妨害されないように注意を払うべきである。
CpGジヌクレオチドは、遺伝コードの縮重の種類のよって、コドン内あるいはまたコドンに重複させて除去または添加することができる。
発現させる標的核酸におけるCpGジヌクレオチドの数の変化に加えて、所望の遺伝子発現の程度によって、標的核酸を核酸レベルでさらに変化させることができる。例えば、遺伝子発現の増加が目的である場合、さらなるCpGジヌクレオチドの導入により、例えば、翻訳に不利な影響をもたらす可能性があるmRNAのより強く発現した二次構造、あるいは発現に負の影響もたらす可能性があるさらなるモチーフ、例えば、RNA不安定性モチーフ、スプライス活性化モチーフ、エンドヌクレアーゼ認識部位などの不利な効果が発生しないように、CpGジヌクレオチドの数を増加させることが好ましい。他方で、遺伝子発現を減少させるためにCpGジヌクレオチドの数を減少させる場合、核酸配列の改変の後に、これらのモチーフに特異的につながる部位のCpGジヌクレオチドを特異的に除去することももちろん可能である。
再び、CpGジヌクレオチドの数を増加または減少させることに加えて、遺伝子発現が促進もしくは抑制されるように、または減少するように、核酸の最適化をさらに行うことももちろん可能であり、また好ましい。
そのような最適化は、したがって、遺伝子発現に影響を及ぼし得るモチーフ、例えば、二次構造安定化配列、高い自己相同性を有する領域、天然遺伝子に対して高い相同性を有する領域、RNA不安定性モチーフ、スプライス活性化モチーフ、ポリアデニル化モチーフ、アデニンに富む配列ステップ、エンドヌクレアーゼ認識部位などのモチーフの挿入または除去である。最適化のさらなる可能な方法は、各場合に、所望の発現システムに対するコドンの選択を最適化することにある。
これは、本発明の範囲内で、CpGジヌクレオチドの挿入に加えて、コドンの選択が最適化されたか、または悪化した場合、発現を増加または減少させることもできることを意味する。本発明による発現最適化構築物は、例えば、用いる発現システムにおけると同じであるようにコドン分布を選択することによって生成させることができる。好ましくは、真核生物発現システムは、哺乳類システム、好ましくはヒトシステムである。したがって、コドンの最適化は、ヒト遺伝子のコドン選択に適合することが好ましい。好ましくは、これに関連して、RNAの一般的な安定化および最適コドン選択を保証するために、哺乳類細胞で最も頻繁または次に最も頻繁に用いられているコドン選択を用いる(Ausubel et al.、1994)。さらにより好ましくは、遺伝子オプティマイザ技術を用いて最適発現のために核酸配列を修飾する(DE10260805.9またはPCT/EP03/14850)。
しかし、コドン最適化と対照的に、CpGジヌクレオチドの数を増加させるために、発現システムによりまれに用いられる「不十分な」コドンも用いることもできる。
本発明による方法において、異種標的核酸配列も用いることができる。「異種標的核酸配列」という表現は、標的核酸配列の由来と発現システムの由来を意味する。したがって、好ましくは標的核酸配列と発現システムは互いに異種である。すなわち、それらが異なる種由来であり、かつ/または野生型標的核酸配列のコドン選択が発現システムのそれと異なる配列である。したがって、本発明の文脈内の「異種」という用語は、コドン選択に関して異なることも含む。コドン選択とは、遺伝コードの縮重の範囲内で各動物種の好ましいコドンの使用を意味する。
発現ベクターとして、適切な発現ベクターを用いることができる。そのようなベクターは、真核細胞中での発現に適することが好ましい。発現させる修飾標的核酸配列は、適切な転写制御配列およびおそらくさらなる調節要素と機能するように連結された前記ベクターにクローンする。構成的または誘導性である適切なプロモーターは、そのような転写制御配列であってよい。
構成的に活性なプロモーターは、CMV(サイトメガロウイルス)プロモーターおよびシミアンウイルス40(SV40)から選択することが好ましいが、これらに限定されない。誘導プロモーターは、テトラサイクリン依存性プロモーターを含むが、これらに限定されない。当業者は、困難を伴わずに、適用例によってさらなる適切なプロモーター、例えば、細胞由来のプロモーターも選択することができる。
これに関連して、原則として、従来技術において知られている誘導プロモーターシステムが適切である。例えば、天然または人工誘導プロモーター、例えば、テトラサイクリンにより誘導可能なプロモーター(Tetオン/オフシステム)を用いることができる。さらに、誘導ウイルスプロモーターも用いることができる。
好ましくは、誘導プロモーターは、トランス活性(transactive)因子によって誘導することができる。ウイルストランス活性因子により誘導することができるウイルス誘導プロモーターは、任意のウイルス由来であってもよい。レトロウイルス、HCV(C型肝炎ウイルス)、HBV(B型肝炎ウイルス)、HSV(単純ヘルペスウイルス)、EBV(エプスタイン-バー-ウイルス)、SV40(シミアンウイルス40)、AAV(アデノ関連ウイルス)、アデノウイルス、パピローマウイルスまたはエボラウイルスの配列をこの目的のために用いることが好ましい。これに関して用いる因子は、したがって、例えば、以下のウイルス因子から選択されるが、これらに限定されない。NS5A(HCV)、HB X(HBV)、VP16/ICP4(EBV)、EBNA1/Rta(EBV)、ART(HHV8)、Large T-Antigen(SV40)、Rep78/68(AAV)、E1A(アデノウイルス)、E2(パピローマウイルス)およびVP30(エボラウイルス)。
ウイルストランス活性因子により誘導することができる誘導プロモーターとして、レトロウイルスLTRプロモーターまたはその機能的部分配列を用いることが好ましい。したがって、好ましくはトランス活性因子は、レトロウイルスTatまたはTaxタンパク質である。LTRプロモーターは、HIV-1、HIV-2、SIV、HTLVおよびLTRプロモーターを有する他の関連レトロウイルスのLTRから選択することができる。特に、レンチウイルスプロモーター、とりわけHIVのそれが好ましい。
好ましくは、転写制御配列、すなわち、例えば、本発明の範囲内で用いるプロモーターおよび/またはエンハンサー等は、CpGアイランドを伴わない。
発現させる標的核酸におけるCpGジヌクレオチドの数を増加させることに加えて、該ベクターに存在する残りの配列またはその一部におけるCpGジヌクレオチドの数を減少させることも可能である。これに関して、残りのベクター配列またはその一部におけるCpGジヌクレオチドは完全に除去してもよい。好ましくは、これは、遺伝コードの縮重性を用いることにより、アミノ酸配列を保持しながら再び行う。また、これらの配列におけるCpGジヌクレオチドの、例えば、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも25%、より特に好ましくは50%、最も特に好ましくは75%以上の部分的除去は、起こり得る。好ましくは、これが可能な限り、すべてのCpGを除去する。
したがって、用途(発現のサイレンシングまたは増加)によって、CpGジヌクレオチドの数を、選択するコドン最適化と独立に変化させることができる。
ほとんどの場合に、リーディングフレームからのCpGの完全な除去が可能である。コードされるアミノ酸配列は、上方に、すなわち、CpGの数の増加に関して制限されている。
標的核酸配列は、RNA、その誘導体または擬似体、ペプチドまたはポリペプチド、修飾ペプチドまたはポリペプチド、タンパク質または修飾タンパク質をコードするものであってよい。
標的核酸配列は、異なる野生型配列のキメラおよび/またはアセンブル配列であってもよく、例えば、融合タンパク質またはモザイク様の構造のポリジーン構築物をコードするものであってよい。標的核酸配列は、合成配列をコードするものであってもよい。これに関して、例えば、コンピュータモデルを用いて、核酸配列を合成によりモデル化することも可能である。
発現させる標的核酸配列は、好ましくは、任意のタンパク質、例えば、組換えタンパク質、人工ポリペプチド、融合タンパク質等の遺伝子の配列である。診断用および/または治療用ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質が好ましい。ペプチド/タンパク質は、例えば、i)例えば、ヒト酵素(例えば、アスパラギナーゼ、アデノシンデアミナーゼ、インスリン、tPA、凝固因子、ビタミンKエポキシドレダクターゼ)、ホルモン(例えば、エリトロポイエチン、卵胞刺激ホルモン、エストロゲン)およびヒト由来の他のタンパク質(例えば、骨形成タンパク質、抗トロンビン)などの治療用製剤の製造、ii)ワクチン(HIV、HBV、HCV、インフルエンザ、ボレリア、ヘモフィルス、髄膜炎菌、炭疸、ボツリン毒素、ジフテリア毒素、破傷風毒素、マラリア原虫等)として用いることができるウイルス、細菌タンパク質または寄生虫由来のタンパク質、あるいはiii)診断テストシステム(例えば、血液型抗原、HLAタンパク質)の製造に用いることができるタンパク質に用いることができる。
さらなる可能性として、隣接細胞の自然防御メカニズムを作動させる、あるいは適切な抗原と組み合わせて、特異免疫応答を増幅させることができるメッセンジャー物質(サイトカイン/ケモカイン)、例えば、G-CSF、GM-CSF、インターロイキン、インターフェロン、PDGF、TNF、RANTESまたはMIPlαもしくはそのドメイン、フラグメントもしくは変異体を産生する遺伝子を選択することができる。
さらなる可能な使用は、バイオテクノロジーの適用のための、例えば、酵素(ポリメラーゼ、プロテアーゼ等)のようなタンパク質の生産における使用である。
発現させる標的核酸は、細胞中での分子スイッチ分子としての発現の後に他の遺伝子の発現をオンまたはオフに切り替える調節遺伝子であってもよい。そのような調節遺伝子として、例えば、シグナル伝達経路または転写因子の成分を用いることができる。「発現」という用語は、これに関連して、標的核酸の転写とおそらく転写により得られるRNAの翻訳を含む。
最後に、発現させる標的核酸は、好ましくは治療目的または酵素としての目的のために用いることができる機能的RNA(例えば、リボザイム、デコイまたはsiRNA)であってよい。
本発明はさらに、野生型配列由来であり、遺伝コードの縮重を用いて野生型配列と比較してCpGジヌクレオチドの数が増加するように修飾されている転写できる領域を有する修飾核酸に関する。修飾核酸は、上記のように発現システムにおいて発現させることができ、転写できる領域は、使用する発現システムに関してコドン最適化され、遺伝コードの縮重を用いて野生型配列由来のコドン最適化配列と比較してCpGジヌクレオチドの数が増加するように修飾されている。
本発明の意味内の野生型配列は、天然核酸配列である。
上で既に言及したように、標的核酸配列は、種々の野生型配列からアセンブルすることができる、アセンブルされた遺伝子配列をコードすることも可能である。そのような場合、野生型配列は、本発明の意味内で未だ修飾(CpGジヌクレオチドの数の増加または減少)されていない配列を指す。
本発明による核酸におけるCpGジヌクレオチドの数は、上述のように、CpGジヌクレオチドを数個増加させることができる。好ましくは、その数は、遺伝コードの縮重の範囲内で可能な最大の数まで増加させる。
本発明はまた、適切な転写制御配列に機能するように連結された、本発明による前述の修飾核酸を含む発現ベクターを提供する。該ベクターは、好ましくは、任意のDNA配列の真核細胞における発現を増加させるために用いる。該ベクターは、好ましくは既知のベクター由来のものである。本発明による修飾核酸配列と異なる該ベクターの配列領域において、CpGジヌクレオチドの数を減少させることが好ましい。好ましくは、これらの残りのベクター配列またはその一部におけるCpGジヌクレオチドの数は、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、さらにより好ましくは少なくとも25%、特に少なくとも50%、最も特に好ましくは少なくとも75%以上減少させる。
CpGの減少は、上述のように個々のベクターモジュール(抗生物質耐性遺伝子、選択マーカー、マルチプルクローニング部位等)の人工的遺伝子合成によって達成することが好ましい。個々のベクターモジュールは、機能的ベクターを形成するために単一制限部位を用いて改変できない本質的なモジュール(複製起点、ポリアデニル化部位、ウイルスプロモーター等)の対応するDNAフラグメントを用いてアセンブルされる。ベクターは、ウイルス(例えば、アデノウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アルファウイルス等由来)もしくは細菌由来または裸のDNA(発現プラスミド)であってよい。
ベクターのモジュラー構成物はさらに、個々のモジュールの急速かつ容易な改変が起こることを可能にする。モジュールの数は、適用例に応じて変化させ、適応させることができる。
細胞内への安定な組込みのために、真核選択マーカー(例えば、ハイグロマイシン、ゼオシン等に対する耐性遺伝子、GFP、LNGFR等などの選択リポーター、または特異的組換えのための組換え配列)のような要素を用いることができる。この場合、対応する遺伝子配列は、可能な限り、CpGの含量に関して減少させることもできる。遺伝子治療における適用のために、免疫刺激モチーフの妨げとなる配列(例えば、免疫抑制CpGモチーフ)を導入することができる。したがって、例えばワクチン接種におけるような免疫化における適用のため、あるいは抗体の生産のために、免疫刺激因子(例えば、免疫刺激CpGモチーフ)を含む配列を組み込むことができる。
本発明に用いるための好ましいベクターは、配列番号27に示すベクターである。
本発明はまた、上述のような転写できる形で存在する標的核酸またはベクター(好ましくはDNA構築物の形の)を含む真核細胞、より好ましくは哺乳類細胞、特に最も好ましくはヒト細胞を提供する。該細胞は、好ましくは体細胞であり、あるいは、より好ましくは、基本的に新規メチル化を行わない細胞である。
DNA構築物は、例えば、エピソーム的に存在するか、または染色体に安定に組み込まれていてよい。これに関連して、1つまたは複数のコピーが細胞内に存在していてよい。前記DNA構築物を導入するために、ウイルス(例えば、アデノウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アルファウイルス等)または細菌起源の遺伝子フェリー、あるいは裸のDNA(発現プラスミド)を用いることができる。
本発明はさらに、
a)野生型配列に由来し、野生型配列と比較して増加または減少した数のCpGジヌクレオチドを有し、転写制御配列に機能するように連結された、転写できる領域を含む修飾核酸配列、および
b)発現システムが、増加した数のCpGジヌクレオチドを含む修飾核酸配列の発現の場合には発現の増加を示し、減少した数のCpGジヌクレオチドを含む修飾核酸配列の発現の場合には発現の減少を示す、a)を発現させることができる細胞および無細胞発現環境から選択される発現環境
を含む発現システムを提供する。
したがって、本発明は、標的核酸配列の発現を増加または減少させるように用いることができる。発現を増加させる場合、好ましくは、少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、さらにより好ましくは少なくとも20%、よりより好ましくは少なくとも30%、特に少なくとも50%、最も特に少なくとも100〜400%またはそれ以上の発現の増加が達成されるべきである。発現させる標的核酸配列の長さおよび導入することができるCpGジヌクレオチドの数によって、2、3、5もしくは10〜20倍、またはおそらく100〜200倍までの発現の増加を達成することもできる。
発現の減少が望ましい場合、好ましくは、発現の減少、言い換えれば、例えば、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも50%、特に少なくとも75%の転写物の量の減少を行うべきである。好ましくは、発現は検出限界に近付くべきである。
既に上で詳細に説明したように、転写のレベルは、遺伝子におけるCpGジヌクレオチドの数に依存する。これは、より長い遺伝子の場合、またはCpGジヌクレオチドが導入される可能性がより大きい遺伝子においては、より高いレベルの発現が達成されるはずであることを意味する。逆に、本発明を用いて、すべてのCpGジヌクレオチドのできる限りの標的除去によって、発現を著しく、また、適用分野によって検出限界まで減少させることが可能であるはずである。
本発明はさらに、本発明による修飾核酸および/またはベクターに基づく薬剤および診断薬を提供する。修飾核酸およびベクターは、診断、治療および/または遺伝子治療適用、また特にワクチンの製造に用いることができる。
特に、本発明による方法ならびに本発明による発現システム、核酸配列、ベクターおよび細胞は、DNAワクチンの製造に用いることができる。従来の死菌ワクチンおよび生ワクチンに代わるものとして、「裸」のプラスミドDNAに基づくワクチンの開発がますます重要になりつつある。DNAワクチンの利点は、抗原の真正な生成(修飾を含む)ならびに細胞性および体液性免疫反応の効率のよい活性化と組み合わせた、細胞内へのDNAの取込みにある。これに関連して、誘導免疫反応のレベルは、生成される抗原の量、およびひいては、DNA構築物の発現出力に相関する。任意の抗原の発現を、コード配列におけるCpGジヌクレオチドの蓄積により増加させることができるならば、結果として、免疫系の活性化とそれによる防御効果が改良される。
(実施例)
(実施例1)
(種々のCpG含量を有するGFPリポーター遺伝子の生成)
CpGジヌクレオチドの数が異なる緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子の2つの変異体を生成させた。huGFP遺伝子は60個のCpGを有し、ΔCpG-GFP遺伝子はCpGを有していなかった。CpG欠失遺伝子ΔCpG-GFPは、人工的に構築した。ΔCpG-GFPの設計に際して、レアコドンや、スプライシング部位またはポリ(A)シグナル部位のような負に作用するシス作用要素が導入されないように注意を払った。コドンの選択の質の尺度であるコドン適応指数(CAI)は、CpGの欠失によりわずかに変化させた(CaI(huGFP)=0.95、CAI(ΔCpG-GFP)=0.94)。これに関連して、GFPのコードアミノ酸配列は変化させなかった。サブクローニングのためにさらなるインターフェースを挿入した。ヌクレチオドおよびアミノ酸配列は、配列番号1/2に示す。
配列は、完全合成遺伝子(Geneart GmbH)として生成させ、インターフェースHindIIIおよびBam HIを用いて発現ベクターpcDNA/5FRT(Invitrogen)にクローンし、サイトメガロウイルス(CMV)初期プロモーター/エンハンサーの転写制御下においた(「pc ΔCpG-GFP」)。
そのCpG分布の変化はないが、類似した発現プラスミドを生成させるために、ヒト化GFP遺伝子(huGFP)のコード領域を市販のベクターのオリゴヌクレオチドhuGFP-1およびhuGFP-2を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅し、同様にインターフェースHindIIIおよびBam HIを用いて発現ベクターpcDNA/5FRTにクローンした(「pc-huGFP」、配列番号3/4)。
(GFP遺伝子変異体を有する安定細胞系の生成)
安定な組換え細胞の速やかな確立と選択のために、InvitrogenのFlp-Inシステムを用いた。このシステムのさらなる重要な利点は、標的細胞の定められた遺伝子座へのトランス遺伝子のコピーの特異的(directed)組込みである。したがって、この技術は、任意のトランス遺伝子の発現の定量的比較のための最善の条件を提供する。その理由は、標的細胞の生理的および遺伝的因子はおおむね同じであるからである。さらなる確実性を達成するために、これらの比較分析に2種類の異なる哺乳類細胞を選択した。細胞系Fip-In CHOおよびFip-In 293Tは、Invitrogenから入手し、37℃、5%CO2で培養した。細胞系は、L-グルタミン、10%不活性化ウシ胎児血清、ペニシリン(100U/ml)およびストレプトマイシン(100μg/ml)を含むダルベッコの修正イーグル培地高グルコース(DMEM)(293T)およびHAMs F12(CHO)中で培養した。集密状態が達成された後に細胞を1:10の比で継代培養した。
安定にトランスフェクトされた細胞の確立は、製造業者の指示に従って行った。2.5×105個の細胞を6ウエル培養皿に播種し、24時間後にリン酸カルシウム共同沈殿(GrahamおよびEb、1973)により1.5μgの伝達プラスミドおよび13.5μgのpOG44でトランスフェクトした。細胞は、293T細胞については100μg/mlのハイグロマイシンを、CHO細胞については500μg/mlを用いて>90% GFP陽性細胞の比まで選択した。GFP陽性細胞の数は、通常のフローサイトメトリ分析によりすべての細胞系について測定した。
(GFP発現の測定)
リポーター構築物の発現は、フローサイトメーター(Becton-Dickinson)でのGFP媒介緑色自己蛍光の定期的測定により16ヶ月間にわたり測定した。平均蛍光強度のデータを図2A(293T細胞)および2B(CHO細胞)に要約する。huGFP発現は両細胞系において全測定期間にわたって比較的一定であることが認められ、平均蛍光強度は800(293T)および700(CHO)であった。CpGの数が少ないΔCpG-GFPリポーター構築物は、同様に全測定期間にわたって一定の蛍光強度を示した。しかし、平均蛍光強度は、huGFPと比較して10〜20倍(293T)および6〜9倍(CHO)低かった。GFP媒介蛍光の減少は、蛍光顕微鏡によっても検出された(図2C)。
様々な原因がGFP媒介蛍光の減少に関与している可能性がある(タンパク質の不安定性、RNAの核輸出の減少、より低い転写速度等)ので、さらなるウエスタンブロット分析および定量的実時間PCRを行った。
イムノブロットによるタンパク質の検出のために、安定なトランスフェクトCHO細胞を氷冷PBS(10mM Na2HP4、1.8mM KH2PO4、137mM NaCl、2.7mM KCl)で2回洗浄し、氷冷PBS中でかき落とし、300gで10分間遠心分離し、氷上溶解緩衝液(50mM Tris-HCl、pH8.0、0.5%Triton X-100(重量/体積))中で30分間溶解した。細胞溶解物の不溶性成分を10000gで4℃にて30分間遠心分離した。上清中のタンパク質の総量をBio-Radタンパク質定量法(Bio-Rad、Munich)により製造業者の指示に従って測定した。等量の2倍試料緩衝液(Laemmli、1970)を試料に加え、95℃で5分間加熱した。細胞溶解物から12.5%SDS/ポリアクリルアミドゲル(Laemmlie、1970)により40μgの総タンパク質を分離し、ニトロセルロース膜に電気転移し、モノクローナルGFP特異抗体(BD-Bioscience)および第2HRP(西洋わさびペルオキシダーゼ)結合抗体で検出し、色素原染色により同定した。ウエスタンブロットによるタンパク質の検出は、FACS測定によるデータを確認するものであった。両遺伝子変異体について、全長GFPタンパク質が、安定にトランスフェクトされたCHO細胞に検出され、処理またはタンパク質分解による分解の差を検出することができなかった(図3)。
転写活性を明らかにするために、安定にトランスフェクトされたCHO細胞について定量的実時間PCR(Light Cycler、Roche)を行った。細胞質RNAを細胞から調製し(RNeasy、Quiagen)、DNアーゼ(500U無RNアーゼDNアーゼ/20μg RNA)で処理した。1μgのDNアーゼ処理RNAを逆転写(ランダムプライムド、RT-PCR用のp(dN)6、第1鎖C-DNA合成キット、Roche)に続くPCR(RT-oligolおよびRT-oligo2)のマトリックスとして用いた。得られたPCR産物を希釈し、ライトサイクラー(light cycler)(LC)分析(SYBR、Roche)に用いた。内部対照として、細胞ゲノム内に同様に組み込まれたハイグロマイシン耐性遺伝子のRNAの量を測定した。結果を図4に要約する。ハイグロマイシン耐性のRNAの量は、測定したすべての構築物において差を示さなかった(CHO細胞については図4A、293T細胞については4C)。しかし、GFP RNAの結果はタンパク質発現(GFP蛍光強度)の結果と非常によく相関していた。CpG欠失構築物については、ライトサイクラーデータの定量後に、最初の構築物と比較して、約7倍少ない量の細胞質RNAがCHO細胞に検出され(図4B)、約30倍少ない量のRNAが293T細胞に検出された(図4D)。
(実施例2)
(異なるCpG含量を有するマウスMiP1α遺伝子の生成)
この実施例では、異なる数のCpGジヌクレオチドを含む一連の構築物を生成させるが、コードアミノ酸配列を変化させないように、マウスMiP1α遺伝子の核酸配列を改変させた。この目的のために、マウスMiP1α遺伝子産物のアミノ酸配列をヒト細胞のコドン選択を用いて合成MiP1αコードリーディングフレーム内に翻訳しなおした。最初の一連の構築物において、発現に有害な影響を及ぼすと予想されるレアコドンを導入することなく、偶発的に形成されたCpGジヌクレオチドを配列から段階的に除去した。さらに、コドン最適化構築物より2倍多いCpGジヌクレオチドを含む、CpGジヌクレオチド最適化MiP1α遺伝子構築物を生成させた。この場合、できる限り多くのCpGジヌクレオチドを導入するために、コドン選択の質の低下を作為的に考慮に入れた。従来技術によれば、この遺伝子構築物は、そのコドン選択がより不十分なため、コドン最適化遺伝子構築物より低い発現を有すると予想されよう。
これらの遺伝子変異体は、長オリゴヌクレオチドおよび段階的PCRを用いて完全合成リーディングフレームとして構築し、発現ベクターにクローンした。生成したMiP1αベクター変異体は、マウスMiP1αの発現のレベルに関して完全に異なっていた。当業者には、最低のCpGを有する変異体は最悪の発現を示し、CpGの増加は哺乳類細胞におけるMiP1αの発現の増加を伴うことは予見することはできなかったであろう。特に、コドン選択の質の低下という犠牲を払って導入した可能な最大の数のCpGジヌクレオチドを含む構築物がコドン最適化遺伝子より有意に強い発現を示したことは、当業者は予見できなかったであろう。
CpGジヌクレオチドの数が異なるマウスMiP1α遺伝子の変異体を実施例1で述べたように合成により構築し、インターフェースHindIIIおよびNotIを用いて発現ベクターpcDNA3.1にサブクローニングした。人工的に生成させた遺伝子は各場合にそれらのコドン選択に関して哺乳類システムと一致していた。CpGジヌクレオチドを除去する場合にはレア哺乳類コドンを用いなかったが、通常のコドン適応により達成されるジヌクレオチドの数を上回るCpGジヌクレオチドを挿入する場合にはレアコドンも作為的に用いた。
コドンが最適化されているが、異なる数のCpGジヌクレオチドを有する構築物は、一貫して0.9を超えるCAI値を有し、わずかに異なるにすぎない。野生型遺伝子ならびにCpGジヌクレオチド最適化遺伝子(42CpG)のCAI値は、他方で非常に低いCAI値(0.8未満)を有する。したがって、野生型遺伝子およびCpGジヌクレオチド最適化遺伝子の発現は有意により低いが、従来技術によれば、コドン最適化遺伝子の同等な発現が予想されよう。構築物の同定、CpGの数ならびにCAI値を表1に示す。ヌクレオチドおよびアミノ酸配列を配列番号5/6〜配列番号13/14に示す。野生型配列に対応する類似の発現構築物(野生型参照構築物)は、そのCpG分布に関して変化させなかった。コード領域は、cDNAクローン(RZPDから得られた)からのオリゴヌクレオチドmamip-1およびmamip-2を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅し、インターフェースHindIIIおよびNotIを用いて発現ベクターpcDNA3.1に同様にクローニングした(「pc-maimp-wt」、配列番号15、GenBankアクセッション番号AA071899)。
(Mip1αの発現のチェック)
ケモカインの発現を定量化するために、ヒトH1299細胞に各発現構築物をトランスフェクトし、細胞中および細胞培養上清中のタンパク質の量を市販のELISAテストキットにより測定した。
1.5×105個のヒト肺癌細胞(H1299)を6ウエル細胞培養皿に播種し、24時間後にリン酸カルシウム沈殿により15μgの対応する発現プラスミドをトランスフェクトした。トランスフェクトしてから48時間後に細胞および細胞培養上清を収集した。トランスフェクト細胞を実施例1で述べたように溶解し、細胞溶解物のタンパク質の総量をBio-Radタンパク質定量法により測定した。不溶性細胞成分は、4℃で15分間の10000gでの遠心分離により細胞培養上清から除去した。
細胞溶解物ならびに希釈細胞培養上清の1〜5μgの総タンパク質について、Mip1αの発現を各場合に市販のELISA検定法(R&D Systems)により製造業者の指示に従ってチェックした。検出可能なMip1αの総量は、GFP発現構築物およびp24発現構築物のデータと同様に、リーディングフレーム内のCpGの数と相関していた。データを表1に要約する。構築物の数は、発現のレベルとコード領域内のCpGの数との関連の詳細な評価を初めて可能にするものであった。
サイトカインELISAによる評価の代表的結果を図5に示す。陰影を付けたバーは2つの独立したトランスフェクションバッチの平均値に相当し、バーは各標準偏差を表す。
2つの独立した一時的トランスフェクション実験(2バッチにおける)における野生型構築物を基準とした相対的なタンパク質の量を表1に示す。これらの結果は、CpGジヌクレオチドの減少に伴うタンパク質発現の著しい減少と、そのようなモチーフの付加的な導入と相関し、また、コドン適合の低下にもかかわらず、野生型遺伝子およびコドン最適化遺伝子と比較して著しい増加を示している。
Figure 0004550115
(実施例3)
(異なるCpG含量を有するヒトおよびマウスサイトカイン遺伝子の生成)
これまでに得られた結果と解釈をさらに確認することができようにするために、野生型遺伝子とCpGジヌクレオチドの数が異なる、ヒトMIP1α遺伝子、ヒトGM-CSF遺伝子、ヒトIL-15遺伝子およびマウスGM-CSF遺伝子の変異体を実施例2と同様に人工的に構築し、インターフェースHindIIIおよびNotIを用いて発現ベクターpcDNA3.1にサブクローニングした。構築物の同定、CpGの数ならびにCAI値を表2に示す。野生型配列(wt)およびCpGジヌクレオチドの数を変化させた配列のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を配列番号17/18〜配列番号23/24および配列番号48/49〜配列番号54/55に示す。発現構築物を、対応するcDNAクローン(RZPDから得られた)からのオリゴヌクレオチドhumip-1およびhumip-2、hugm-1およびhugm-2、huil-1およびhuil-2、magm-1およびmagm-2を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅し、同様にインターフェースHindIIIおよびNotIを用いて発現ベクターpcDNA3.1にクローニングした(「pc-huMiP-wt」、GenBankアクセッション番号NM_021006、「pc-huGM-wt」、GenBankアクセッション番号M11220、「pc-huLL-wt」、GenBankアクセッション番号BC018149、「pc-muGM-wt」、GenBankアクセッション番号NM_049969、偏りを含む)。
(サイトカインの発現のチェック)
サイトカインの発現を定量化するために、ヒト細胞に各発現構築物をトランスフェクトし、細胞培養上清中のタンパク質の量を市販のELISAテストキットにより測定した。
実施例2で述べたように、H1299細胞に15μgの対応する発現プラスミドを一時的にトランスフェクトした。トランスフェクトしてから48時間後に細胞培養上清を収集した。不溶性細胞成分は、遠心分離により細胞培養上清から除去した。
希釈細胞培養上清について、ヒトMIP1α、ヒトGM-CSFおよびIL-15ならびにマウスGM-CSFの発現を各場合に市販のELISA検定(MIP1αについてはR&D Systems、GM-CSFおよびIL-15についてはBD Pharmingen)によりチェックした。前述の発現構築物のデータと同様に、培養上清中の検出可能なサイトカインの総量は、リーディングフレーム内のCpGの数と相関していた。データを表2に要約する。サイトカインELISAによる評価の結果を図6に示す。陰影を付けたバーは2つの独立したトランスフェクションバッチの平均値に相当し、バーは各標準偏差を表す。一時的トランスフェクション実験(2バッチにおける)の各場合における野生型構築物を基準としたタンパク質の相対的な量を表2に示す。実施例2の結果と同様に、これらの結果も、野生型遺伝子と比較して、そのようなモチーフの付加的な導入と相関するタンパク質の産生の著しい増加を確認するものである。
Figure 0004550115
(実施例4)
(発現を増加させるための少ない数のCpGジヌクレオチドを含むプラスミドの生成)
プラスミドpcDNA5(Invitrogen)の核酸配列を、CpGジヌクレオチドの数をできる限り減少させたモジュール方式で構築したプラスミドの生成のための基礎として用いた。アンピシリン耐性遺伝子(bla)をコードするDNA配列を実施例1で述べたように合成により生成させ、制限インターフェースClaIおよびBglIIを用いてサブクローニングした。これに関連してCpGの数を72から2に減少させた。同様に、複数のクローニング部位を再設計し、合成により構築し、制限インターフェースSacIおよびPmeIを用いてサブクローニングし、それにより、CpGの数を11から1に減少させた。CMVプロモーター(31CpG)、BGHポリアデニル化部位(3CPG)およびpUC複製起点(45CpG)を変化させずにプラスミドに組み込んだ。ハイグロマイシン耐性カセットは削除した。CMVプロモーターは、さらにClaIおよびSacI制限インターフェース3'および5'を加えたオリゴヌクレオチドCMV-1およびCMV-2を用いてPCR増幅によりクローニングした。同様にして、pUC ori-1をオリゴヌクレオチドori-1(XmaIインターフェースを含む)およびori-2(BglIIインターフェースを含む)を用いて増幅し、BGHポリアデニル化部位をオリゴヌクレオチドpa-1(PmeI)およびpa-2(XmaI)を用いてPCRにより増幅し、対応する制限酵素を用いてサブクローニングした。プラスミドpcDNA5をすべてのPCR反応における鋳型として用いた。このプラスミドの構造を図7A(「P-smallsyn」)に図示し、完全な配列を配列番号25に示す。
転写物の発現のレベルに対するベクター中のCpGの数の影響を検討するために、対照として用いることができるように、参照ベクターを修飾した。各場合に5'末端にNsiI制限インターフェースを導入したオリゴヌクレオチドref-del-1およびref-del-2を用いたPCR増幅、NsiIによる切断および連結反応により、プラスミドpcDNA5からハイグロマイシン耐性カセットを除去した(図6B、「Pc-ref」参照)。
HIV-1由来のp24キャプシドタンパク質をテスト転写物として用いた。ヒト細胞中の発現について既に以前に最適化されたp24のコード領域(Graf et al.、2000)をHIV-1 syngag構築物(Graf et al.、2000)からのオリゴヌクレオチドp24-1およびp24-2を用いてPCRにより増幅し、インターフェースHindIIIおよびBam HIを用いて2つの比較ベクターにクローニングした(「R/p24」および「s/p24」)。
(異なるベクターバックグラウンドにおけるHIV-1 p24の発現のチェック)
転写物の発現に対するベクター中のCpG数の影響をチェックするために、構築物R/p24およびs/p24をヒト細胞に一時的にトランスフェクトし、p24の発現を分析した。
実施例2で述べたように、H1299細胞に15μgの対応する発現プラスミドを一時的にトランスフェクトした。トランスフェクトしてから48時間後に細胞を収集した。トランスフェクト細胞を実施例1で述べたように溶解し、上清中のタンパク質の総量をBio-Radタンパク質定量法により測定した。細胞溶解物からの50μgの総タンパク質を実施例1で述べたようにモノクローナルp24特異抗体13-5(Wolf et al.、1990)を用いたウエスタンブロット分析でテストした(図8)。2つの独立したトランスフェクションバッチにおいて、smallsyn構築物(s/p24)のトランスフェクションの後に著しくより高いp24発現が検出された。
(異なるCpG含量を有するHIV p24遺伝子の生成)
CpGジヌクレオチドの数が異なるHIV-1由来のキャプシドタンパク質遺伝子p24の2つの変異体を生成させた。Syn p24遺伝子は38個のCpGを有しており、一方、p24ΔCpG遺伝子はCpGを有していなかった。CpG欠失遺伝子p24ΔCpGは、実施例1で述べたように人工的に構築し、インターフェースHindIIIおよびBam HIを用いて発現ベクターP-smallsyn(実施例4で述べた)(「s/p24ΔCpG」)および参照ベクターPc-ref(「R/p24ΔCpG」)にクローニングした。p24ΔCpGのヌクレオチドおよびアミノ酸配列を配列番号26/27に示す。実施例4で述べたプラスミドR/p24およびs/p24を参照構築物として用いた。
(HIV-1 p24の発現のチェック)
ベクターおよび挿入配列(転写物)におけるCpG数の影響をチェックするために、構築物R/p24、R/p24ΔCpG、s/p24およびs/p24ΔCpGをヒト細胞に一時的にトランスフェクトし、p24の発現を分析した。
実施例2で述べたように、H1299細胞に15μgの対応する発現プラスミドを一時的にトランスフェクトした。トランスフェクトしてから48時間後に細胞を収集した。トランスフェクト細胞を実施例1で述べたように溶解し、溶解物中のタンパク質の総量をBio-Radタンパク質定量法により測定した。細胞溶解物からの50μgの総タンパク質を実施例1で述べたようにモノクローナルp24特異抗体13-5を用いたウエスタンブロット分析でp24の発現についてチェックした(図9A)。実施例4で既に示したように、同一のトランス遺伝子におけるCpG欠失ベクターP-smallsynを用いることにより、p24の生成の明らかな増加がもたらされた(R/p24とs/p24の比較)。GFPおよびサイトカイン/ケモカイン発現構築物のデータと同等に、同じベクターバックグラウンドを用いた細胞溶解物中の検出可能なp24の量はリーディングフレーム内のCpGの数と相関していた(R/24とR/p24ΔCpGならびにs/p24とs/p24ΔCpGの比較)。データは、p24特異的ELISAテストで確認された(図9B)。38CpGを含む構築物(p24)は、CpGを含まない構築物(p24 DcpG)より約2.5倍(Pc-ref)または約25%(P/smallsyn)多い量のp24を有していた。結果を図9に示す。
タンパク質産生とCpGジヌクレオチドの数との相関は、ここで言及した諸実施例において実証された。選択した遺伝子は、クラゲ、ヒト病原体ウイルスおよび哺乳類などの種々の生物に由来するものである。したがって、このメカニズムを一般的に有効であるとみなされることは明らかである。諸実施例は、さらにin vitroでのこの相関が一時的トランスフェクションと安定な組換え細胞の両方の場合に有効であることを示している。ここで述べた方法、すなわち、コード領域ならびにベクターバックグラウンドにおけるCpGジヌクレオチドの標的調整による真核生物における標的を定めて遺伝子発現を改変することは、したがってバイオテクノロジー、診断または医療への適用のための生体分子の生産に用いることができる。
(配列の説明)
1.オリゴヌクレオチド
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2.ポリペプチドコード配列およびベクター配列
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メチル化による遺伝子発現の調節(従来技術)を示す図である。図1A:CpGジヌクレオチドのメチル化が遺伝子発現のスイッチオフをもたらすことを示す図である。図1B:CpGアイランドがメチル化とそれに伴うスイッチオフを防ぐことを示す図である。図1C:CpGアイランドの二次的低メチル化が遺伝子発現のスイッチオフをもたらすことを示す図である。図1D:二次的低メチル化がリーディングフレームにおけるCpGジヌクレオチドを減少させることにより防ぐことができることを示す図である。 安定にトランスフェクトされた細胞におけるGFP発現の解析を示す図である。AおよびBに安定にトランスフェクトされたFlp-In 293TおよびCHO細胞の長時間フローサイトメトリ分析を示す。Y軸にGFP調整蛍光強度(MFI"平均蛍光強度")を示し、X軸にトランスフェクション後の週単位の測定時間を示す。図2A:huGFPおよびΔCpG-GFP組換え293T細胞のFACS分析を示す図である。図2B:huGFPおよびΔCpG-GFP組換えCHO細胞のFACS分析を示す図である。図2C:安定な細胞系の蛍光顕微鏡像を示す図である。 安定にトランスフェクトされた細胞におけるGFPタンパク質の検出を示す図である。GFPリーディングフレームの発現の解析。huGFPまたはΔCpG-GFP遺伝子を細胞ゲノムに安定に組み込んだ組換えFlp-In CHO細胞を溶解し、通常のイムノブロット分析を用いて遺伝子の発現を検出した。huGHF、ΔCpG-GFPおよびモック試料のプロットを示す。モノクローナル細胞系は、両ポリクローナル細胞培養(poly.)から樹立した(ΔCpG-GFPについてはmono.14および7、huGFPについてはmono.10および9)。モック細胞は、未変化の最初の細胞集団に一致する。 安定な細胞の特異的転写物の定量的測定を示す図である。細胞質RNA調製物からの特異的ハイグロマイシン耐性遺伝子およびgfp RNAの実時間PCR分析。LC分析の実時間PCR評価をCHO細胞(ハイグロマイシン耐性Aおよびgfp B)ならびに293T細胞(ハイグロマイシン耐性Cおよびgfp D)について示す。PCRサイクルの数(X軸)および蛍光強度(Y軸)を示す。特異的速度論をhuGFP産物およびΔCpG-GFP産物ならびにプライマー二量体について示す。 一時的トランスフェクション後のMIP1α発現分析を示す図である。トランスフェクトH1299細胞の細胞溶解物および上清の代表的なELISA分析。H1299細胞に各場合に15μgの野生型および最適化マウスMIP1α構築物をトランスフェクトした。細胞上清および細胞溶解物中の各タンパク質濃度を通常のELISAテストにより対応する標準曲線を用いて定量した。陰影を付けたバーは各場合に2つの独立したバッチの総タンパク質濃度の平均値を示し、バーは標準偏差に相当する。オープンリーディングフレーム内のCpGジヌクレオチドの数をX軸にプロットし、pg/ml単位の総タンパク質濃度をY軸にプロットする。Wtは、各野生型遺伝子の発現構築物に相当する。 一時的トランスフェクション後のMIP1αおよびGM-CSF発現分析を示す図である。トランスフェクトH1299細胞の上清の代表的なELISA分析。H1299細胞に各場合に15μgの野生型および最適化ヒトMIP1α(A)およびGM-CSF(B)構築物をトランスフェクトした。トランスフェクトしてから48時間後の細胞培養の上清中の各タンパク質濃度を通常のELISAテストにより対応する標準曲線を用いて定量した。陰影を付けたバーは各場合に2つの独立したバッチの平均値を示し、バーは標準偏差に相当する。オープンリーディングフレーム内のCpGジヌクレオチドの数をX軸にプロットし、pg/ml単位の上清中のタンパク質濃度をY軸にプロットする。Wtは、各野生型遺伝子の発現構築物に相当する。 用いた発現プラスミドの図解を示す図である。図7A:P-amallsynプラスミドのプラスミドマップを示す図である。図7B:PC-ref.モジュールのプラスミドマップおよび配列の起点を示す図(野生型「Wt」を黒色、合成は灰色)である。 一時的トランスフェクションの後のHIV-1 p24の検出を示す図である。P-amallsynおよびPc-ref.ベクターの発現分析。H1299細胞に所定の構築物をトランスフェクトし、通常のイムノブロット分析によりタンパク質産物を検出した。HIV-1 p24トランスフェクトH1299細胞の細胞溶解物の分析。分子量(precision plus protein標準、Bio-Rad)ならびにR/p24、s/p24およびモックトランスフェクト試料のプロットを示す。モックトランスフェクションは、元のpcDNA3.1プラスミドによるトランスフェクションに相当する。 各種発現構築物のHIV-1 p24発現分析を示す図である。H1299細胞に各場合に15μgのR/p24、R/24ΔCpG、s/p24およびs/p24ΔCpG構築物ならびにpcDNA3.1(モック対照)を独立した2つのバッチでトランスフェクトした。図9A:細胞溶解物中の各p24タンパク質濃度の通常のイムノブロット分析による定量を示す図である。図9B:細胞溶解物中の各p24タンパク質濃度のELISAテストによる対応する標準曲線を用いた定量を示す図である。陰影を付けたバーは、各場合に2つの独立したバッチの細胞溶解物中のp24濃度(μg/ml)の平均値を示す。
(参考文献)
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Claims (40)

  1. (i)発現させる標的核酸配列を準備するステップ、
    (ii)標的核酸配列に存在するCpGジヌクレオチドの数を、遺伝子発現を増加させるために遺伝コードの縮重を用いて増加させるか、または遺伝子発現を減少させるために減少させる、標的核酸配列を修飾するステップ、
    (iii)変更された数のCpGジヌクレオチドを含む、それにより修飾された標的核酸配列を適切な転写制御配列と機能するように連結された適切な発現ベクターにクローニングするステップ、
    (iv)適切な発現システムにおいて修飾標的核酸配列を発現させるステップ
    を含むことを特徴とする、遺伝子発現の標的調整の方法。
  2. ステップ(ii)において、標的核酸配列の修飾を、CpGジヌクレオチドの数の増加または減少に加えて、1つまたは複数のさらなる修飾が核酸レベルで行われるように行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 核酸レベルでのさらなる修飾が、コドン選択の変化、RNA二次構造を安定化する配列の挿入または除去、自己相同性の増加を有する領域、天然遺伝子との相同性の増加を有する領域、RNA不安定性モチーフ、スプライス活性化モチーフ、ポリアデニル化モチーフ、アデニンに富むモチーフ、エンドヌクレオース認識部位からなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. CpGジヌクレオチドの数を増加または減少させることによる標的核酸配列の修飾を、発現システムに対して最適化されたコドンの選択を考慮して行うことを特徴とする請求項1から3の一項に記載の方法。
  5. CpGジヌクレオチドの数の変更を哺乳類に対して最適化されたコドンの選択を考慮して行うことを特徴とする請求項1から4の一項に記載の方法。
  6. 遺伝子発現を増加させることを特徴とする請求項1から5の一項に記載の方法。
  7. 遺伝子発現を減少させることを特徴とする請求項1から5の一項に記載の方法。
  8. 発現させる標的核酸配列が発現システムに対して異種であることを特徴とする請求項1から7の一項に記載の方法。
  9. 真核生物または原核生物の発現システムを発現システムとして用いることを特徴とする請求項1から8の一項に記載の方法。
  10. 発現システムとして、細菌、酵母、単細胞、寄生虫細胞、植物細胞、昆虫細胞、哺乳類細胞、ヒト細胞および体細胞からなる群から選択される原核細胞および真核細胞からなる群から選択される細胞、または無細胞発現環境を用いることを特徴とする請求項1から9の一項に記載の方法。
  11. 真核生物、原核生物、ウイルスまたは合成源の標的核酸を発現させることを特徴とする請求項1から10の一項に記載の方法。
  12. 低メチル化システムを発現システムとして用いることを特徴とする請求項1から11の一項に記載の方法。
  13. 修飾標的核酸配列および転写制御配列がCpGアイランドに関連しないことを特徴とする請求項1から12の一項に記載の方法。
  14. CpGジヌクレオチドの数を少なくとも2個増加または減少させることを特徴とする請求項1から13の一項に記載の方法。
  15. CpGジヌクレオチドの数を少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも100%増加または減少させることを特徴とする請求項1から14の一項に記載の方法。
  16. すべてのCpGジヌクレオチドを遺伝コードの縮重を用いて除去することを特徴とする請求項1から15の一項に記載の方法。
  17. 標的核酸配列がmRNA、その誘導体もしくは擬似体、ペプチドもしくはポリペプチド、修飾ペプチドもしくはポリペプチド、タンパク質または修飾タンパク質をコードすることを特徴とする請求項1から16の一項に記載の方法。
  18. 標的核酸配列が治療用および/または診断用タンパク質をコードすることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 標的核酸配列がヒト、寄生虫、ウイルスまたは細菌タンパク質、酵素、ホルモン、ワクチン、メッセンジャー物質および調節タンパク質をコードすることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 標的核酸配列が、アスパラギナーゼ、アデノシンデアミナーゼ、インスリン、tPA、凝固因子、ビタミンLエポキシドレダクターゼ、エリトロポイエチン、卵胞刺激ホルモン、エストロゲン、骨形成タンパク質、抗トロンビン、HIV由来タンパク質、HBV由来タンパク質、HCV由来タンパク質、インフルエンザ由来タンパク質、ボレリア由来タンパク質、ヘモフィルス由来タンパク質、髄膜炎菌由来タンパク質、炭疸由来タンパク質、ボツリヌス毒素、ジフテリア毒素、破傷風毒素、マラリア原虫タンパク質、血液型抗原、HLAタンパク質、サイトカイン、ケモカイン、G-CSF、GM-CSF、インターロイキン、インターフェロン、PDGF、TNF、RANTES、MiPlαおよび転写因子から選択されるタンパク質をコードすることを特徴とする請求項18または19に記載の方法。
  21. 発現システムにおいて発現させることができ、野生型配列由来であり、用いる発現システムに関してコドンが最適化されるように、また、遺伝コードの縮重を用いてCpGジヌクレオチドの数が野生型配列由来のコドン最適化配列と比較して増加するように修飾されている転写できる領域を含むことを特徴とする修飾核酸。
  22. CpGジヌクレオチドの数が野生型配列と比較して少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも100%、より特に好ましくは少なくとも200%、特に5倍、最も特に10倍以上増加していることを特徴とする請求項21に記載の核酸。
  23. 核酸がCpGアイランドに関連しないことを特徴とする請求項21または22の一項に記載の核酸。
  24. 配列番号1、5、7、9、11、13、17、19、26、52および54から選択される配列を含むことを特徴とする請求項21から23の一項に記載の核酸。
  25. 適切な転写制御配列と機能するように連結されたことを特徴とする請求項21から24の一項に記載の核酸を含むベクター。
  26. 転写制御配列がプロモーターを含むことを特徴とする請求項25に記載のベクター。
  27. プロモーターが構成的に活性なプロモーターであることを特徴とする請求項26に記載のベクター。
  28. 構成的に活性なプロモーターが(サイトメガロウイルス)CMVプロモーターおよびシミアンウイルス40(SV40)プロモーターから選択されることを特徴とする請求項27に記載のベクター。
  29. プロモーターが誘導プロモーターであることを特徴とする請求項26に記載のベクター。
  30. 誘導プロモーターがテトラサイクリン依存性プロモーターであることを特徴とする請求項29に記載のベクター。
  31. プロモーターがCpGアイランドに関連しないことを特徴とする請求項25から30の一項に記載のベクター。
  32. ベクターに存在し、請求項21から24の一項に記載の核酸と異なる配列またはその一部が少ない数のCpGジヌクレオチドを有することを特徴とする請求項25から31の一項に記載のベクター。
  33. 請求項21から24の一項に記載の核酸と異なる配列またはその一部が約25%、好ましくは50%、より好ましくは75%、最も特に好ましくは100%減少した数のCpGジヌクレオチドを有することを特徴とする請求項25から32の一項に記載のベクター。
  34. 配列番号25に示されている核酸配列を含むことを特徴とする請求項25から33の一項に記載のベクター。
  35. 請求項21から34の一項に記載の核酸またはベクターを含むことを特徴とする細胞。
  36. (a)転写できる領域を含み、野生型配列由来であり、用いる発現システムに対してコドンが最適化されるように修飾され、前記コドンが最適化された配列に比較して多いまたは少ない数のCpGジヌクレオチドを有し、転写制御配列と機能するように連結された修飾核酸配列、
    (b)細胞および無細胞発現環境から選択され、(a)を発現させることができ、発現システムが、多い数のCpGジヌクレオチドを有する修飾核酸配列の発現の場合に発現の増加を示し、少ない数のCpGジヌクレオチドを有する修飾核酸配列の発現の場合に発現の減少を示す、発現環境
    を含む発現システム。
  37. 請求項21から36の一項に記載の核酸および/またはベクターおよび/または細胞および/または発現システムを有効成分として含むことを特徴とする薬剤。
  38. 診断および/または治療処置用の薬剤の製造のためであることを特徴とする請求項21から36の一項に記載の核酸および/またはベクターおよび/または細胞および/または発現システムの使用。
  39. 遺伝子治療処置のためであることを特徴とする請求項38に記載の使用。
  40. ワクチンの製造のためであることを特徴とする請求項21から36の一項に記載の核酸、ベクターおよび/または細胞および/または発現システムの使用。
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