JP4548891B2 - 有機溶剤の回収方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は可燃性有機溶剤の回収方法に関する。更に詳しくは、可燃性有機溶剤を含む不活性ガス(原ガス)から有機溶剤を活性炭を使用して吸着除去することにより、溶剤の引火爆発等の事故を防止した、経済的な不活性ガス中の有機溶剤の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
活性炭によるガス吸着、液体中に溶存する着色成分の除去は古くから行われているが、粉状、粒状等の活性炭はあまり再利用されず、従来使い捨て使用も行われている。このような使い捨て使用は環境汚染問題を生じるため、使用した活性炭を再生して再使用に供することが検討されている。
【0003】
近年、吸、脱着速度が大きく、特に低濃度ガスの吸着に用いたときに効果的なACF(繊維状活性炭)が開発されている。このACFは、アクリル繊維、レーヨン系繊維、フェノール系繊維、ピッチ系繊維等を出発原料とし、耐炎化処理を経て、或いは直接活性化処理することにより製造されている。
【0004】
このACFは再生が簡単なことから、再生して溶剤の回収に繰返し使用されており、その使用方法自体は周知のものである。
【0005】
図3は、周知の不活性ガス中の有機溶剤の回収方法の一例を示すものである。
【0006】
この周知の方法においては、吸着缶500A、500B内に繊維状活性炭(ACF)502A、502Bが充填されている。有機溶剤を含有する不活性ガス(原ガス)504は吸着缶500A内を通過する際に、有機溶剤がACF502Aに吸着される。有機溶剤が吸着除去された不活性ガスは、浄化ガス508として外部に放出される。
【0007】
一方、上記吸着除去が行われている間に、吸着缶500Bにおいては有機溶剤の脱着が行われる。即ち、吸着缶500B内に充填され、有機溶剤が吸着されたACF502Bに過熱水蒸気510が供給され、吸着された有機溶剤が過熱水蒸気で脱着させられてACF502Bの再生がなされると共に、脱着された有機溶剤と脱着に用いられた水蒸気との混合ガスは熱交換器512に送られる。前記熱交換器512に送られた混合ガスはここで冷却されて凝縮させられた後、デカンター514に送られここで凝縮させられた水と有機溶剤とが分離され、溶剤が回収される。
【0008】
一般的には、ACFを充填した吸着缶が複数(図3では2缶)並列に配置され、これら吸着缶は吸着と脱着とを交互にシリーズ運転される。これにより、連続的に排出される溶剤を含有する不活性ガス(原ガス)が連続的に処理される。
【0009】
上記水蒸気脱着によるACFの再生方法においては、脱着された後のACFには水分が吸着し、残留している。このため、このACFが次に吸着処理に利用される場合、その吸着効率が低下している問題がある。
【0010】
この問題を解決するため、通常脱着工程と吸着工程との間において、ACFに高温乾燥空気を供給する工程が採用されており、これによりACFが乾燥される。或いは、水蒸気で脱着されたACFに有機溶剤を含有するガス(原ガス)が予備供給され、これによりACF層の乾燥を促す工程も提案されている。
【0011】
なお、水蒸気脱着に変えて空気等のガスを用いる脱着法も採用されているが、脱着後の空気等と有機溶剤との分離効率が悪いため、有機溶剤の回収率が低い。
このため、空気脱着法が採用される場合は、処理される溶剤の種類に制限が課される問題がある。従って、現在は水蒸気脱着法が主流である。
【0012】
ACFを吸着材として用いる溶剤回収においては、対象とされる溶剤として、洗浄剤や樹脂加工用溶剤として使用されているハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、DMF等の有機溶剤が挙げられる。
【0013】
ケトン等の可燃性有機溶剤、或は重合性化合物が反応系に使用される場合、作業環境の安全性を保ち、反応に異常を生じないようにする目的で、反応系をシールガスでシールしたり、パージガスを供給することが行われている。このような場合、反応系を発生源として前記有機溶剤ガスがパージガスと共に系外に排出されることがある。
【0014】
また、可燃性の有機溶剤が使用される反応系においては、反応系を窒素、ヘリウム等の不活性ガスでパージし、酸素の混入を防いで反応系を安全に維持することもしばしば行われている。
【0015】
このような反応系から排出されるガスは、パージガスと、使用されている有機溶剤との混合ガスであり、これがこのまま外部に放出されることは環境対策上、及び経済性の観点から問題がある。この問題を避けるため、通常このような混合ガスに含まれる有機溶剤はAFC等の活性炭を使用して回収され、再利用される。
【0016】
この回収の際に使用され、有機溶剤が吸着されたACF等の活性炭は、水蒸気で再生できるものであるが、ACF等の活性炭が水蒸気を用いて脱着処理されると、前述の様にACF等の活性炭は温湿状態にあり、再度使用される前に、水蒸気を含んで湿潤したACF等の活性炭は乾燥される必要がある。
【0017】
しかし、活性炭の乾燥が加熱乾燥空気で行われる場合、活性炭は高温かつ酸素を含む空気雰囲気下に置かれているので、この状態でパージガス等の有機溶剤を含む混合ガスが前記高温の活性炭に供給されると、爆発が起きる危険がある。この危険を避けるために、加熱乾燥状態の不活性ガスがACF等の活性炭の乾燥に用いられることが有効である。
【0018】
一方、ACF等の活性炭が迅速に乾燥されるためには、温度もさることながら、相当量の乾燥用不活性ガスが必要とされる。この必要量を原ガスに追加することにより行うことも一方法であるが、この場合は排出される不活性ガスが膨大な量になり、経済性が低くなる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は上記問題を解決するために種々検討した結果、過熱水蒸気で有機溶剤を脱着させて再生した温湿活性炭を乾燥させる際に、乾燥に用いる不活性ガスを循環させて不活性ガス流量を増加させると共に、前記循環する不活性ガス流路の途中において不活性ガス中に含有される水分を分離除去することにより、乾燥に用いる不活性ガスの使用量を減少させ得ると共に、爆発等の危険を防止して安全に不活性ガス中の有機溶剤を回収除去できることを見出した。本発明は、上記知見に基づき完成するに至ったもので、その目的とすることは上記問題を解決する不活性ガス中の有機溶剤の回収方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
【0021】
〔1〕 活性炭に過熱水蒸気を供給して活性炭に吸着された有機溶剤を脱着させることにより前記活性炭を温湿活性炭に再生する脱着工程と、前記温湿活性炭に有機溶剤を含有する不活性ガスを供給することにより前記温湿活性炭に有機溶剤を吸着させると共に温湿活性炭を乾燥させて温湿不活性ガスを排出する乾燥吸着工程とからなる2工程を前記2つの活性炭を用いて交互に繰返す不活性ガス中の有機溶剤の回収方法において、前記乾燥吸着工程で排出される温湿不活性ガスの所定割合を脱水して前記温湿活性炭に供給する有機溶剤を含有する不活性ガスに返送することを特徴とする不活性ガス中の有機溶剤の回収方法。
【0022】
〔2〕 活性炭に過熱水蒸気を供給して活性炭に吸着された有機溶剤を脱着させることにより前記活性炭を温湿活性炭に再生する脱着工程と、前記温湿活性炭に乾燥用不活性ガスを供給することにより温湿活性炭を乾燥させて乾燥活性炭に再生すると共に温湿不活性ガスを排出する乾燥工程と、前記乾燥活性炭に有機溶剤を含有する不活性ガスを供給することにより前記乾燥活性炭に有機溶剤を吸着させて浄化不活性ガスを得る吸着工程とからなる3工程を前記少なくとも3つの活性炭を用いて順次繰返す不活性ガス中の有機溶剤の回収方法において、前記乾燥工程で得られる温湿不活性ガスを脱水して前記温湿活性炭に供給する乾燥用不活性ガスに返送することを特徴とする不活性ガス中の有機溶剤の回収方法。
【0023】
〔3〕 有機溶剤を含有する不活性ガスが、反応系のシールガスである上記〔1〕又は〔2〕に記載の不活性ガス中の有機溶剤の回収方法。
【0024】
〔4〕 乾燥吸着工程で得られる温湿不活性ガスの所定割合の残部を脱水して反応系のシールガスとして利用する前記〔1〕に記載の不活性ガス中の有機溶剤の回収方法。
【0025】
〔4〕 浄化不活性ガスを反応系のシールガスとして利用する前記〔2〕に記載の不活性ガス中の有機溶剤の回収方法。
【0026】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0027】
【発明実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、2缶式の有機溶剤の回収方法を示すフロー図である。図1において、2A、2Bはそれぞれ円筒状の吸着缶で、軸方向を垂直にして立設してある。前記吸着缶の内部には円筒状のACF4A、4Bが充填してある。
【0028】
ACFは、溶剤回収用として通常用いられる、PAN系、フェノール系、レーヨン系、ピッチ系等の任意のものが例示され、特に制限は無い。ACFの比表面積は800〜2000m2/g程度のものが好ましい。
【0029】
上記吸着缶は当業者に公知のものである(特許公告54−30917号、同57−25254号、実用公告2−33863号、同2−33864号、同58−37456号、同53−35580号)。
【0030】
6A、6Bは、吸着缶2A、2Bの上部に取付けた排気弁、8A、8Bは同下部に取付けた吸気弁、10A、10BはACFの下部側に挿入した過熱水蒸気吹出し部であり、過熱水蒸気は蒸気弁12A、12Bを通って過熱水蒸気吹出し部10A、10Bから前記ACF内に供給される。
【0031】
14A、14Bは排出弁で、この弁を通って、吸着缶2A、2BとAFC4A、4Bとの間に形成された間隙部30A、30Bに送られた後述する溶剤含有水蒸気が熱交換器16に送られ、ここで凝縮され、油水分離器18に送られる。
【0032】
20は有機溶剤を含有する不活性ガス(原ガス)送風ブロアで、このブロア20により原ガスが吸着缶2A、2Bに送られる。
【0033】
ここで、原ガスは可燃性有機溶剤を含む不活性ガスの事もあり、反応系のシールガスである事もあり、更に排ガス等の事もある。
【0034】
本発明において不活性ガスとは、窒素、ヘリウム、アルゴン等の有機溶剤に対し非酸化性のガスであり、これらのなかでも、窒素は特に好ましいガスである。
これは大気中に放出する事が可能で、しかも低廉であることによる。空気等の酸素を含むガスを使用すると爆発の危険があるので本発明の用途には好ましくない。
【0035】
22は、吸着缶2A、2Bから排出される温湿不活性ガスが冷却される冷却器、24は冷却器22で凝縮した温湿ガス中の水分が不活性ガスと分離される分離器である。
【0036】
次に上記構成の溶剤の回収装置を用いて不活性ガスに含有される有機溶剤を回収する場合につき、説明する。
【0037】
ここで、吸着缶2Aは吸着乾燥工程にあり、吸着缶2Bは脱着工程にある。
【0038】
先ず、脱着工程に付き説明すると、水蒸気供給管26、蒸気弁12Bを順次通って、過熱水蒸気が過熱水蒸気吹出し部10Bに送られ、吹出し部10BからACF4B内に放出される。過熱水蒸気は、100℃以上、好ましくは110℃〜200℃に過熱されており、短時間で有機溶剤がACFから脱着される。前記水蒸気は、円筒状のACF4B内側から外側に向けてACFを透過して移動するが、この際にACFに吸着されている有機溶剤が脱着され、脱着された有機溶剤蒸気と共にACF外面と吸着缶2Bとの間隙で形成される間隙部30Bに送られる。
【0039】
過熱水蒸気と脱着された有機溶剤とは、次いで、排出弁14Bを通過し、更に回収管32を通って熱交換器16に送られ、ここで冷却されて凝縮せしめられた後、油水分離器18に送られる。凝縮水には、微量ながら脱着された有機溶剤を含むので、両者は油水分離器18で分離され、有機溶剤は精製等の必要な処理を経て再利用される。
【0040】
脱着工程は以上で終了する。
【0041】
ACF4Bは、上記のようにして吸着した有機溶剤を脱着させられるが、この時点においてはACF4Bは水蒸気を多量に吸収した高温の温湿状態にある。
【0042】
次に、吸着乾燥工程に付き説明する。この工程の初期においては、ACF4Aは脱着工程を終了した直後であるので、高温の温湿状態にある。
【0043】
先ず、有機溶剤を含有する不活性ガス(原ガス)は、原ガス供給管34を通って送風ブロア20に送られ、更に原ガスパイプ36、吸気弁8Aを通り、吸着缶2AとACF4Aとの間隙部30Aに送られる。次いで、原ガスはACF4Aを透過して中空部38Aに送られるが、この透過する際に原ガス中の有機溶剤が、ACF4Aに吸着除去されると共に、温湿状態にあるACF4Aが、原ガスにより乾燥させられる。
【0044】
前述のように、脱着直後のACFは脱着媒体である水蒸気に由来する水分で湿潤状態にあるが、ACF全体が湿潤状態にあるわけではなく、水分が重力により流下するため、ACFの下部及び缶の底部近傍に多く湿潤状態が観察され、缶頂近傍は乾燥状態に近い。このためACFの一部は吸着能力をある程度回復しており、乾燥が進むにつれて徐々に吸着能力が高くなる。従って、有機溶剤を含む原ガスが温湿状態のACFを通過することにより、ACFの乾燥と、原ガスに含有される有機溶剤の吸着が同時に行われる。
【0045】
このようにして、原ガス中の有機溶剤が除去されると共にACF中の水分が供給されて生成した温湿不活性ガスは、排気弁6Aを通った後、その所定割合が排気管40を通って、外部に放出される。外部に放出される温湿不活性ガスの割合は、ACFの含水状態、外部に放出される温湿不活性ガス中の有機溶剤の除去率等を考慮して、適宜決定されるべき本装置の運転条件である。
【0046】
一方、前記外部に放出された温湿不活性ガスの残部は第1返送管42を通って冷却器22に送られてここで冷却された後、分離器24に送られ、ここで凝縮水と不活性ガスとに分離される。凝縮水は凝縮水パイプ28を通って油水分離器18に送られる。
【0047】
前記分離器24で凝縮水と分離された不活性ガスは、次いで第2返送管44を通って原ガス供給管34に返送され、原ガスと共に送風ブロア20により再び原ガスパイプ36に送られ、更に吸気弁8Aを通って吸着缶2A内に送られ、前記と同様に不活性ガス中の有機溶剤の吸着と、ACF4Aの乾燥とが繰返される。
【0048】
上記のようにして原ガスが吸着缶2Aを通過することにより原ガス中の有機溶剤が吸着処理される状態が継続し、その結果原ガス処理量がACF4Aの破過容量に近づくと、吸着乾燥工程は終了する。
【0049】
即ち、排気弁6A、6B、吸気弁8A、8B、蒸気弁12A、12B、排出弁14A、14Bが切替えられる。これにより、吸着缶2Aは脱着工程が、吸着缶2Bは吸着乾燥工程が開始される。
【0050】
以後、同様の操作が繰返され、原ガス中の有機溶剤の吸着除去処理が連続的に行われる。
【0051】
なお、ACFの容量設計は、原ガスの排出量と排出速度との兼ね合いで決められる。また、原ガスがシールガスである場合、排出される温湿不活性ガスを、反応系に循環させてシールガスとして再使用することも出来る。更に、上記態様においては、吸着剤としてACFを使用したがこれに限られず、粒状活性炭、破砕状活性炭等、任意の活性炭を使用することが出来る。
【0052】
温湿ACFの乾燥には、多量の不活性ガスが必要であり、また温度も高い方が効率的である。しかしながら、乾燥と同時に行なわれる有機溶剤の吸着は、低温のほうが好ましい。本態様による場合は、多量の浄化した温湿不活性ガスを脱水して循環させることによってACFの乾燥及び冷却が促進され、乾燥と吸着の促進という要求を同時に満足させることが出来る。
【0053】
更に、本態様による場合は、吸着乾燥工程において排出される温湿不活性ガスの所定量の残部を原ガスに返送して温湿状態のACFに供給する循環路を形成するようにしているので、温湿状態のACFを通過するガス流量が増加し、このため温湿状態のACFの乾燥が迅速に行われ、これによりACFの吸着能は急速に回復する。更に、ACFを通過するガス流量が増加するため、有機溶剤の濃度が希釈され、このため湿温状態で吸着能の低下した乾燥初期状態のACFでも充分に有機溶剤を吸着できるようになる。
【0054】
(第2の実施形態)
この形態においては、吸着缶は複数缶設けられ、吸着、脱着、乾燥の各工程がいずれかの缶で並行して進行し、連続的に処理される。
【0055】
吸着、脱着、乾燥の各工程は、所要時間が同一ではないことが多く、例えば、一ユニットを3缶式として、運転時脱着2缶、乾燥及び吸着を1缶として吸着時間を1/2に設定することも出来る。
【0056】
図2は3缶式の本発明の実施態様を示すフロー図であり、吸着用の缶、乾燥用の缶及び脱着用の缶の3缶が用いられる。
【0057】
ここで、2缶、3缶の語は缶の数を意味しているものではなく、同時に機能する単位を意味する。
【0058】
図2において、2C、2D、2EはACFを内蔵した吸着缶であり、吸着缶2Cは吸着工程、吸着缶2Dは脱着工程、吸着缶2Eは不活性ガスによる乾燥処理工程にある。各吸着缶はそれぞれの切替弁を切替えることにより、順次乾燥、吸着、脱着工程に切替えられる。
【0059】
吸着缶2Dの脱着中、吸着缶2Cには原ガスが供給され、有機溶剤はACF4Cに吸着固定される。これらの操作は前記第1の実施形態において説明したものと同一であるから、その説明を省略する。
【0060】
ACF4Cにより、含有する有機溶剤が吸着除去された原ガスは、ほぼ純粋な不活性ガス(浄化ガス)になり、排気弁6Cを通った後、その所定割合が排気管40を通って大気に放出される。なお、浄化ガスの放出量は吸着缶の容量や、原ガスの供給量等により決定される運転条件である。
【0061】
一方、前記外部に放出される浄化ガスの残部は、第2ガス循環パイプ66を通って冷却器22に送られてここで冷却された後、分離器24に送られ、ここで不活性ガスと凝縮水とに分離される。凝縮水は凝縮水パイプ28を通って油水分離器18に送られる。
【0062】
前記分離器24により凝縮水と分離された不活性ガスは、次いで第3ガス循環パイプ68を通り、前記循環ガスブロア64よって、更に第1ガス循環パイプ62を通って乾燥工程を行う吸着缶2Eへ供給される。この間、循環ガスブロア64が規定風量に達するまで、浄化ガス弁70は閉となっている。循環ガスブロア64が規定の風量に到達した後は、浄化ガス弁70は開となり、その後循環ガスブロア64が規定の風量を維持する様に浄化ガス弁70の開閉が調節される。循環ガスブロア64の規定風量は、吸着缶容量、原ガス供給量等により決定される運転条件である。
【0063】
乾燥ガス弁60Eから吸着缶2E内に送られる循環ガスはACF4Eを透過するが、この際に前工程の水蒸気による脱着工程において水分を吸収して温湿化されたACF4Eの乾燥が行われる。
【0064】
なお、循環ガスブロア64の前後段、或はこれらの何れかにヒーターを設けることは、乾燥工程におけるACFの乾燥促進を行う上で好ましい。
【0065】
本態様による場合は、乾燥工程に用いる不活性ガスを独立した循環路で供給し、確実に乾燥して吸着能が再生したAFCを用いて原ガスの処理をするので、浄化ガス中の、有機溶剤、及び水蒸気含有量は充分低くなる。
【0066】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
【0067】
実施例1
図1に示す構成の有機溶剤の回収装置を用いて原ガス中の有機溶剤を回収した。
【0068】
吸着缶2A、2BにはPAN系ACF(表面積1500m2/g)をそれぞれ10.4Kg充填した。
【0069】
先ず、吸着缶2Aに、原ガス(ベンゼン/窒素ガスを時間当りの比率で20Kg/50m3)を供給した。
【0070】
0.13時間経過後、吸着缶2Aの脱着工程に入った。吸着缶2Aに150℃の過熱水蒸気を5.2Kg供給し、AFC4Aに吸着されているベンゼンを脱着した。脱着に使用したベンゼンを含む過熱水蒸気を熱交換器16で冷却した。ベンゼンと凝縮水とは比重差で分離回収した。
【0071】
一方、吸着缶2Aが脱着工程にある間、吸着缶2Bは吸着、乾燥工程に入った。脱着工程の終了している吸着缶2Bに上記原ガスを供給すると共に、吸着缶2Bが排出する温湿不活性ガスの50〜95容量%を冷却器22に送り冷却し、次いで分離器24で凝縮水を分離した。凝縮水を分離して得た窒素ガスを原ガスに返送した。これにより、吸着缶2BのACF4Aは乾燥されると共に、ベンゼンの吸着がなされた。
【0072】
以後、同様にして切替え弁の操作で、上記吸着乾燥工程と、脱着工程とを交互に繰返した。
【0073】
浄化ガス中のベンゼン濃度は20ppmであった。
【0074】
実施例2
図2に示す構成の有機溶剤の回収装置を用いて原ガス中の有機溶剤を回収した。
【0075】
吸着缶2E、2F、2GにはPAN系ACF(表面積1500m2/g)をそれぞれ5.2Kg充填した。
【0076】
先ず、吸着缶2Cに、原ガス(ベンゼン/窒素ガスを時間当りの比率で20Kg/50m3)を供給した。
【0077】
一方、吸着缶2Cが吸着工程にある間、吸着缶2Eは乾燥工程にある。脱着工程が完了している吸着缶2Eに吸着缶2Cが排出する温湿不活性ガスの0〜100容量%を供給した。即ち、吸着缶2Cが排出する温湿不活性ガスを冷却器22に送って冷却し、次いで分離器24で凝縮水を分離して得た窒素ガスを循環ブロア64に返送し、吸着缶2Eに供給した。これにより吸着缶2EのACF4Eは乾燥された。
【0078】
更に、このとき吸着缶2Dは脱着工程にある。吸着缶2Dに150℃の過熱水蒸気を2.6Kg供給し、ACF4Dに吸着されているベンゼンを脱着した。脱着に使用したベンゼンを含む過熱水蒸気を熱交換器16で冷却した。ベンゼンと凝縮水とは比重差によって分離し、それぞれを回収した。
【0079】
以後、切替え弁を操作することにより、各吸着缶は順次吸着、脱着、乾燥工程におかれた。
【0080】
浄化ガス中のベンゼン濃度は20ppmであった。
【0081】
本実施例においては、実施例1と異なり、乾燥工程と吸着工程とが相互に独立しているため、高濃度の原ガスを循環不活性ガスにより希釈することなく供給でき、その結果吸着率が実施例1に比較して高くなり、このため実施例1と同程度の溶剤量を処理する場合でも1吸着缶当りのACF充填量を少なくすることが出来た。これに伴い、脱着に使用する過熱水蒸気量も低減でき、その結果ランニングコストを低減できた。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、活性炭の乾燥を不活性ガスで行うので、可燃性有機溶剤を閉鎖系で安全に回収することが出来る。又、活性炭の乾燥に使用する不活性ガスは循環させて用いるので、送風量が大きくなり活性炭の乾燥を迅速に行うことが出来る。更に活性炭の乾燥に使用した不活性ガスを循環して原ガスの発生源である反応系等に戻すこともでき、この場合は不活性ガスの使用量の節減になり、経済的に優れ、更に反応系(原ガスの発生源)に不純物を混入させるおそれのある不活性ガスを供給することもなく、反応系の安全性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機溶剤の回収方法の一例を示すフロー図である。
【図2】本発明の有機溶剤の回収方法の他の例を示すフロー図である。
【図3】従来の有機溶剤の回収方法の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
2A、2B、2C、2E、2D 吸着缶
4A、4B、4C、4E、4D 繊維状活性炭
6A、6B、6C、6E、6D 排気弁
8A、8B、8C、8E、8D 吸気弁
10A、10B、10C、10E、10D 過熱水蒸気吹出し部
12A、12B、12C、12E、12D 蒸気弁
14A、14B、14C、14E、14D 排出弁
16 熱交換器
18 油水分離器
20 送風ブロア
22 冷却器
24 分離器
26 水蒸気供給管
28 凝縮水パイプ
30A、30B、30C、30E、30D 間隙部
32 回収管
34 原ガス供給管
36 原ガスパイプ
38A、38B、38C、38E、38D 中空部
40 排気管
42 第1返送管
44 第2返送管
60C、60D、60E 乾燥ガス弁
62 第1ガス循環パイプ
64 循環ガスブロア
65C、65D、65E 出口弁
66 第2ガス循環パイプ
68 第3ガス循環パイプ
70 浄化ガス弁

Claims (3)

  1. 活性炭に過熱水蒸気を供給して活性炭に吸着された有機溶剤を脱着させることにより前記活性炭を温湿活性炭に再生する脱着工程と、前記温湿活性炭に乾燥用不活性ガスを供給することにより温湿活性炭を乾燥させて乾燥活性炭に再生すると共に温湿不活性ガスを排出する乾燥工程と、前記乾燥活性炭に有機溶剤を含有する不活性ガスを供給することにより前記乾燥活性炭に有機溶剤を吸着させて浄化不活性ガスを得る吸着工程とからなる3工程を前記少なくとも3つの活性炭を用いて順次繰返す不活性ガス中の有機溶剤の回収方法において、前記吸着工程で得られる浄化不活性ガス及び乾燥工程で得られる温湿不活性ガスの所定割合を脱水して前記温湿活性炭に供給する乾燥用不活性ガスに返送することを特徴とする不活性ガス中の有機溶剤の回収方法。
  2. 有機溶剤を含有する不活性ガスが、反応系のシールガスである請求項1に記載の不活性ガス中の有機溶剤の回収方法。
  3. 浄化不活性ガスを反応系のシールガスとして利用する請求項に記載の不活性ガス中の有機溶剤の回収方法。
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