JP4547619B2 - 機械定数同定装置および同定方法 - Google Patents

機械定数同定装置および同定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4547619B2
JP4547619B2 JP2004332705A JP2004332705A JP4547619B2 JP 4547619 B2 JP4547619 B2 JP 4547619B2 JP 2004332705 A JP2004332705 A JP 2004332705A JP 2004332705 A JP2004332705 A JP 2004332705A JP 4547619 B2 JP4547619 B2 JP 4547619B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
ref
friction
time
constant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004332705A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006020487A (ja
Inventor
敬生 猪木
整 大久保
和英 鷹尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yaskawa Electric Corp filed Critical Yaskawa Electric Corp
Priority to JP2004332705A priority Critical patent/JP4547619B2/ja
Publication of JP2006020487A publication Critical patent/JP2006020487A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4547619B2 publication Critical patent/JP4547619B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Description

本発明は、ロボットや工作機械等を制御する制御装置に関し、特に機械の摩擦係数と定数をオンラインで同定する機能を備え、機械の動作中に負荷の慣性モーメントが変動しても慣性モーメントをオンラインで同定することができる機械定数同定装置に関する。
従来の制御定数同定装置の1つについて説明する。その制御定数同定装置は、入力された速度指令と実際のモータ速度が一致するようにトルク指令を決定してモータ速度を制御する速度制御部と、モータ速度にモデルの速度が一致するように速度制御部をシミュレートする推定部と、トルク指令を所定のハイパスフィルタに通して絶対値をとった後に所定の区間で時間積分した値と、推定部のモデルトルク指令を所定のハイパスフィルタに通して絶対値をとった後に同じ区間で時間積分した値との比から慣性モーメントを同定する同定部とを備えることによって、速度制御部内のモータ速度と推定部内のモデルの速度がゼロでない値で一致する場合にのみ、同定部内で慣性モーメントを同定するというものである(例えば、特許文献1参照)。
この制御定数同定装置を、図を用いて説明すると次のようになる。図12は特許文献1に開示された制御定数調整装置のブロック図であり、この装置が指令発生部11と速度制御部12、推定部17、同定部18、調整部19から成っていることが示されている。また、図では省略しているが、速度制御部12が駆動するモータには負荷JLが取り付けられており、検出器によって実際のモータ速度Vfbが検出されるようになっている。
指令発生部11が目標とする速度指令Vrefを速度制御部12に出力すると、速度制御部12はモータ速度Vfbが速度指令Vrefに一致するように速度制御をし、トルク指令Trefとモータ速度Vfbを同定部18に出力してモータ速度Vfbとフィードフォワード信号FFaを推定部17に出力する。
推定部17は、モータ速度Vfbとフィードフォワード信号FFaを入力するとモータモデルを用いてモデル速度Vfb’を推定するとともに、モデル速度Vfb’がモータ速度Vfbに一致するように速度制御をしてモデルトルク指令Tref’とモデル速度Vfb’を同定部18に出力する。
同定部18は入力したトルク指令Trefとモータ速度Vfb、モデルトルク指令Tref’、モデル速度Vfb’を用いてモータの慣性モーメントとモータモデルの慣性モーメントの比J/J’を求め、その比J/J’を調整部19に出力する。
調整部19はこの比J/J’を所定のフィルタに通した後の値に基づいて速度制御部12の比例ゲインKvと積分ゲインKiを決定しており、速度制御部12の積分器の値を調節することによって慣性モーメントが変動しても正常に動作することができるようになっている。
図13は速度制御部12と推定部17、同定部18の内部構成を詳細に記載したブロック図である。前記のように、速度制御部12が速度指令Vrefを入力すると実際のモータ速度Vfbがこの速度指令Vrefに一致するように速度制御をする。速度制御の形態はPI(比例積分)制御でもIP(積分比例)制御のいずれでもよく、速度制御部12と推定部17の中にあるαを1に設定すればPI制御となり、0に設定すればIP制御となる。
速度制御部12は、モータ速度Vfbとフィードフォワード信号FFaを推定部17に出力し、トルク指令Trefとモータ速度Vfbを同定部18に出力する。
推定部17は、モータ速度Vfbとフィードフォワード信号FFaを入力すると、モータ速度Vfbを指令としてモデル速度Vfb’がモータ速度Vfbに一致するように速度制御し、モデルトルク指令Tref’でモータモデル(1/J’s)を駆動する。なお、ここで、モータモデルの慣性モーメント値J’は既知の値であり、モータモデルからモデル速度Vfb’が出力されているものとする。
推定部17は、モデルトルク指令Tref’とモデル速度Vfb’を同定部18に出力する。なお、推定部17内の比例ゲインKv’と積分時定数Ti’は速度制御器12内の比例ゲインKvと積分時定数Tiと同じ値が望ましい。
同定部18は、トルク指令Trefと速度Vfb、モデルトルク指令Tref’、モデル速度Vfb’を入力すると、それぞれ時定数Tkのハイパスフィルタを通して絶対値をとる。
このハイパスフィルタは、トルク指令に時定数Tkのローパスフィルタを通した値をトルク指令Trefから減じて実現されており、推定部をなしている。そして、ハイパスフィルタの各出力の絶対値|FTr|、|FTr’|をとって所定区間[a,b]の時間積分をとり慣性モーメントJを演算している。
速度制御部12の速度比例積分項をフィードフォワード信号として推定部17に入力すれば、ハイパスフィルタで除去できなかった外乱成分の影響を抑えることができようになる。
このように、従来の制御定数調整装置は、任意の速度指令でもモデルトルク指令Tref’をリアルタイムで同定することができるため、負荷の慣性モーメントが時々刻々に変化するような場合であっても負荷の慣性モーメントを正確に同定することができるのである。
次に従来の制御定数同定装置を用いてシミュレーションしたのでその結果を図14に示す。この例ではモータにモータ回転子慣性モーメントの5倍の剛体負荷をつけている。図からわかるようにシミュレーションの結果によると、慣性モーメントは真値に対して約4倍の値(24.4×10e-5kgm)となっている。
特開2004−129481(図1、図8参照)
しかしながら、特許文献1に開示された機械定数同定装置は、摩擦の大きい場合や一定外乱トルクが大きい場合は慣性モーメントを正しく同定することができず、場合によっては慣性モーメントの誤同定によって制御系が発振という問題を抱えていた。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、摩擦を速度に依存する粘性摩擦と速度の方向に依存するクーロン摩擦に分離して、その係数・定数を同定することができるとともに、リアルタイムで確実に慣性モーメントの同定を行うことができる機械定数同定装置および方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、速度指令Vrefを出力する指令発生部と、前記速度指令Vrefと実際のモータ速度Vfbが一致するようにトルク指令Trefを決定して該トルク指令によりモータ速度を制御する速度制御部と、を備えた機械定数同定装置において、前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて、摩擦を全て速度に比例した粘性摩擦として粘性摩擦係数D’を算出し、前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて、一定外乱トルクTdを同定する全摩擦算出部と、速度の方向に依存するクーロン摩擦定数Cを同定するクーロン摩擦同定部と、クーロン摩擦同定部の同定結果であるクーロン摩擦定数Cを用いて、粘性摩擦係数Dを同定する粘性摩擦同定部とを備えたことを特徴としている。
また請求項2に記載の発明は、前期全摩擦算出部は 前記モータ速度Vfbが停止したことを判定し、判定信号を出力する速度判定部と、前記判定信号の信号状態により、前記トルク指令Trefを時間積算して、時間積算値を出力する時間積算部と、前記時間積算値を加算時間で除算し、一定外乱同定値を出力する除算器と、前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて、摩擦を全て速度に比例した粘性摩擦として粘性摩擦係数D’を算出する全摩擦同定部とを備えたことを特徴としている。
また請求項3に記載の発明は、前記クーロン摩擦同定部は粘性摩擦係数D’とモータ速度Vfbを乗算して粘性摩擦係数D’の粘性摩擦トルクを算出する乗算器(20)と、前記粘性摩擦トルクを入力すると所定の区間[a,b]で時間積算して時間積分値Aを出力する時間積算部(21)と、前記モータ速度Vfbを入力すると加速時間と減速時間を計測してその和を算出する加速・減速時間測定部(22)と、トルク指令Trefから一定外乱トルクTdを減算した値を入力すると所定の区間[a,b]で時間積算して時間積分値Bを出力する時間積算部(23)と、前記時間積算値A、Bと前記加速・減速時間の和を入力すると(3)式によってクーロン摩擦Cを算出するクーロン摩擦算出部(24)とからなることを特徴としている。
C=2×(時間積算値A−時間積算値B)/(加速・減速時間の和) (3)
また請求項4に記載の発明は、前記粘性摩擦同定部は、トルク指令Trefとクーロン摩擦Cと一定外乱トルクTdを入力して減算する減算器と、その減算結果とモータ速度Vfbから(4)式に従って粘性摩擦係数Dを算出する粘性摩擦算出部とからなることを特徴としている。
D=∫(Vfb×(減算器出力))dt/∫(Vfb )dt (4)
また請求項に記載の発明は、速度指令Vrefを出力する指令発生部(11)と、前記速度指令Vrefと実際のモータ速度Vfbが一致するようにトルク指令Trefを決定して該トルク指令によりモータ速度を制御する速度制御部と、を備えた機械定数同定装置において、前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて、摩擦を全て速度に比例した粘性摩擦として粘性摩擦係数D’算出し、前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて、一定外乱トルクTdを同定する全摩擦算出部と、前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて、速度の方向に依存するクーロン摩擦定数Cを同定するクーロン摩擦同定部と、前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Tref、前記クーロン摩擦定数Cを用いて、粘性摩擦係数Dを同定する粘性摩擦同定部と、モータモデルからモデル速度Vfb’を推定してモータ速度Vfbと一致するように速度制御し、モデルトルク指令Tref’とモデル速度Vfb’を出力する推定部と、トルク指令Trefとクーロン摩擦C、粘性摩擦係数D、モータ速度Vfb、モデルトルク指令Tref’、モデル速度Vfb’を入力すると、モータとモータモデルの慣性モーメント比J/J’を求めて出力する慣性モーメント同定部と、この慣性モーメント比J/J’を受けると、所定のフィルタに通して速度制御部の制御ゲインを決定する調整部とを備えたことを特徴としている。
請求項1及び6に記載の発明によると、速度に依存する粘性摩擦と速度の方向に依存するクーロン摩擦に分離して、その係数・定数を同定することができる。
また、請求項2及び7に記載の発明によると、一定外乱トルクを同定することができ、モニタすることができる。
また、請求項3及び8に記載の発明によると、速度の方向に依存するクーロン摩擦と速度に依存する粘性摩擦を同定することができ、モニタすることができる。
また、請求項4及び9に記載の発明によると、速度の方向に依存するクーロン摩擦を独立に同定することができる。
また、請求項5に記載の発明によると、速度に依存する粘性摩擦と速度の方向に依存するクーロン摩擦に分離して、その係数・定数を同定することができ、リアルタイムで慣性モーメントの同定を確実に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の機械定数同定装置のブロック図である。図において、指令発生部11が速度指令Vrefを速度制御部12に出力すると、速度制御部12はモータ速度Vfbを全摩擦算出部13とクーロン摩擦同定部14、粘性摩擦同定部15へ出力し、トルク指令Trefを全摩擦算出部13とクーロン摩擦同定部14、粘性摩擦同定部15に出力する。全摩擦算出部13は摩擦をモータ速度Vfbに比例する粘性摩擦に換算した場合の粘性摩擦係数D’を求めてクーロン摩擦同定部14と摩擦表示部16へ出力し、一定外乱同定値Tdを求めてクーロン摩擦同定部14と粘性摩擦同定部15、摩擦表示部16へ出力する。クーロン摩擦同定部14は粘性摩擦係数D’と一定外乱同定値Td、モータ速度Vfb、トルク指令Trefを入力するとクーロン摩擦Cを算出して粘性摩擦同定部15と摩擦表示部16へ出力する。粘性摩擦同定部15はクーロン摩擦Cと一定外乱同定値Td、モータ速度Vfb、トルク指令Trefを入力すると粘性摩擦係数Dを算出して摩擦表示部16へ出力する。摩擦表示部16は機械のクーロン摩擦Cと粘性摩擦係数Dまたは粘性摩擦係数D×モータ速度Vfbの粘性摩擦トルクと一定外乱トルクTdをモニタする。
次に図2を用いて全摩擦算出部13の動作を説明する。速度判定部30は、モータ速度Vfbを入力し、モータが停止したことを判定すると、判定信号を出力する。時間積算部31は、速度判定部30の判定信号の状態に応じて、トルク指令Trefを時間積算し、時間積算値を出力する。除算器32は、その時間積算値を加算時間で除算し、一定外乱同定値Tdを出力する。全摩擦同定部33はモータ速度Vfbとトルク指令Trefから粘性摩擦係数D’を求めて出力する。
次に図3を用いてクーロン摩擦同定部14の動作を説明する。減算器27は、速度制御部12が出力するトルク指令Trefから一定外乱同定値Tdを減算し、求めた減算値を出力する。時間積算部23は、その減算値を入力し、所定の区間[a,b]で時間積算して時間積分値Aを出力する。乗算器20は全摩擦算出部13が出力する粘性摩擦係数D’と速度制御部12が出力するモータ速度Vfbを入力して乗算し、粘性摩擦係数D’の粘性摩擦トルクを算出する。時間積算部21はその粘性摩擦トルクを入力すると所定の区間[a,b]で時間積算して時間積分値Bを出力する。加速・減速時間測定部22はモータ速度Vfbを入力すると加速時間と減速時間を計測してその和を算出する。クーロン摩擦算出部24は、時間積算部23、21の時間積算値A、Bと加速・減速時間の和を入力すると(5)式によってクーロン摩擦Cを算出する。
C=2×(時間積算値A−時間積算値B)/(加速・減速時間の和) (5)
ここで(5)式でクーロン摩擦Cを同定することができる理由を図4〜図7を用いて説明する。図4は区間[a,b]でモータを加減速したときのタイムチャートである。この図に示すように、あるモータ速度Vfbで回転しているときのトルク指令Trefを区間[a,b]で積算すると速度指令Vrefの指令加速度で発生するトルク指令をキャンセルすることができるので、時間積算値Aは区間[a,b]の面積ということから摩擦トルクを求めることができるということになる。全摩擦算出部13の出力となっている粘性摩擦係数D’は、図5のようにモータ速度に比例した粘性摩擦係数であるため、モータ速度Vfbで回転しているときの粘性摩擦トルクと区間[a,b]の時間積算値B(面積)は図6のようになる。ここで、時間積算値Bから時間積算値Aを減算すると図7の斜線部が示すようになり、粘性摩擦係数D’と実際のクーロン摩擦C、粘性摩擦係数Dの誤差を算出することができる。この誤差は加速時間と減速時間の和の時間積算値となり、時間積算値Bから時間積算値Aを減算した値を加速時間と減速時間の和で除算して平均値を算出する。この平均値は、クーロン摩擦Cの半分になるため2倍するとクーロン摩擦Cとなる。
次に、粘性摩擦同定部15の動作について図8のブロック図を用いて説明する。減算器25はトルク指令Trefから一定外乱同定値Tdとクーロン摩擦Cを減算してその減算結果を出力する。粘性摩擦算出部26がその減算結果とモータ速度Vfbを入力すると(6)式に従って粘性摩擦係数Dを算出する。
D=∫(Vfb×(減算器出力))dt/∫(Vfb )dt (6)
ここで(6)式で粘性摩擦係数Dを同定することができる理由を図5を用いて説明する。区間[a,b]で求めたクーロン摩擦Cは図5における切片となる。この切片に相当する値を実際のトルク指令から減算することにより、全摩擦算出部13と同じ方法で一般的な摩擦モデルである粘性摩擦係数Dを求めることができる。
ただし、クーロン摩擦Cと粘性摩擦係数Dは全粘性摩擦係数D’が算出されなければ導出することができないため、1回も速度指令によって動作させなければクーロン摩擦Cと粘性摩擦係数Dが更新されることはない。そのため、1回目の速度指令では粘性摩擦係数Dを全粘性摩擦係数D’と同じにしている。
図9は本発明の機械定数同定装置の第2実施例の構成を示すブロック図である。
図において、指令発生部11は速度指令Vrefを速度制御部12に出力している。速度制御部12は、入力された速度指令Vrefにモータ速度Vfbが一致するように速度制御をして、トルク指令Trefを全摩擦算出部13とクーロン摩擦同定部14、粘性摩擦同定部15、慣性モーメント同定部18に出力するとともに、モータ速度Vfbを全摩擦算出部13とクーロン摩擦同定部14、粘性摩擦同定部15、推定部17、慣性モーメント同定部18に出力する。第1実施例と同様に全摩擦算出部13は、摩擦をモータ速度Vfbに比例した粘性摩擦に換算した場合の粘性摩擦係数D’を求めてクーロン摩擦同定部14に出力し、一定外乱同定値Tdを求めてクーロン摩擦同定部14と粘性摩擦同定部15、慣性モーメント同定部18に出力する。クーロン摩擦同定部14は、粘性摩擦係数D’と一定外乱同定値Td、モータ速度Vfb、トルク指令Trefからクーロン摩擦Cを算出し、粘性摩擦同定部15と慣性モーメント同定部18へ出力する。粘性摩擦同定部15はクーロン摩擦Cと一定外乱同定値Td、モータ速度Vfb、トルク指令Trefから粘性摩擦係数Dを算出して慣性モーメント同定部18へ出力する。推定部17はモータ速度Vfbを入力すると、モータモデルからモデル速度Vfb’を推定してモータ速度Vfbと一致するように速度制御をし、モデルトルク指令Tref’とモデル速度Vfb’を慣性モーメント同定部18に出力する。慣性モーメント同定部18はトルク指令Trefとクーロン摩擦C、粘性摩擦係数D、一定外乱同定値Td、モータ速度Vfb、モデルトルク指令Tref’、モデル速度Vfb’を入力すると、モータとモータモデルの慣性モーメント比J/J’を求め、その慣性モーメント比J/J’を調整部19に出力する。調整部19は、この慣性モーメント比J/J’を受け取り、所定のフィルタに通した値に基づいて、速度制御部12内の制御ゲインを決定する。
次に図10を用いて、慣性モーメント同定部18の動作について説明する。粘性摩擦同定部15が出力する粘性摩擦係数Dと速度制御部12が出力するモータ速度Vfbを入力すると、これらを乗じて粘性摩擦トルクを求め、続いて速度制御部12が出力するトルク指令Trefからその粘性摩擦トルクが減算され、更に全摩擦算出部13が出力する一定外乱同定値Tdも減算され、更にクーロン摩擦同定部14が出力するクーロン摩擦Cも減算される。こうして摩擦トルクを減算したトルク指令と、モータ速度Vfb、モデルトルク指令Tref’、モデル速度Vfb’とを用いてモータとモータモデルの慣性モーメント比J/J’を求める。
次に実施例1と実施例2の機械定数調整装置を用いてシミュレーションをしたのでその結果を図11に示す。この例ではモータにモータ回転子慣性モーメントの5倍の剛体負荷をつけた場合の検証実験結果について説明する。図11(a)は、同定された一定外乱Td[Nm]を表しており、破線1が一定外乱の真値(計算値=0.02[Nm])である。(c)は同定された粘性摩擦係数D[×10e-3Nms/rad]を表しており、破線3が粘性摩擦係数の真値(計算値=5×10e-2Nms/rad)である。(b)は同定されたクーロン摩擦C[Nm]を表しており、破線2がクーロン摩擦の真値(計算値=0.01[Nm])である。(e)は同定された慣性モーメント値J(×10e-5kgm)を表しており、破線4が慣性モーメントの真値(計算値=5.8×10e-5kgm)である。これらの図から一定外乱Tdと粘性摩擦係数D、クーロン摩擦C、慣性モーメントは全てほぼ真値を示していることがわかる。 このように、本発明の実施例からわかるように、本発明によれば、速度に依存する粘性摩擦と速度の方向に依存するクーロン摩擦に分離して、その係数・定数を同定することができ、リアルタイムで慣性モーメントの同定を確実に行うことができる。また、クーロン摩擦C、粘性摩擦係数D、一定外乱Tdを同定することによって、パソコンなどを通して、自動的に機械モデルを構築することができる。更に、同定した一定外乱Td、クーロン摩擦C、粘性摩擦係数D、粘性摩擦係数D×モータ速度Vfbの粘性摩擦トルクを監視することにより、異常な値が同定された場合には故障と判断することができ、故障診断にも適用できる。
一定外乱、粘性摩擦とクーロン摩擦を同定することによって経年変化で摩擦が変わった場合でも慣性モーメントを含む機械定数を精度よく同定することができ、また一定外乱、粘性摩擦とクーロン摩擦を同定してモニタすることによって故障診断ができるので、装置が動作することによって慣性モーメントが変化するようなロボットやウェハ搬送装置という用途に適用することができる。また、搬送物の慣性モーメントが変化するようなベルト・ボールネジにより駆動される搬送装置や半導体露光装置という用途にも適用できる。
第1実施例の機械定数同定装置のブロック図 全摩擦同定部の構成を示すブロック図 クーロン摩擦同定部の構成を示すブロック図 クーロン摩擦同定部の動作説明図 全粘性摩擦同定結果の説明図 クーロン摩擦同定部の動作説明図 クーロン摩擦同定部の動作説明図 粘性摩擦同定部の動作を説明するブロック図 第2実施例の機械定数同定装置のブロック図 第2実施例の機械定数同定装置の詳細なブロック図 第1、第2実施例のシミュレーション図 従来の機械定数同定装置のブロック図 従来の機械定数同定装置の詳細なブロック図 従来の機械定数同定装置のシミュレーション図
符号の説明
11 指令発生部、 12 速度制御部、 13 全摩擦算出部、
14 クーロン摩擦同定部、 15 粘性摩擦同定部、 16 摩擦表示部、
17 推定部、 18 慣性モーメント同定部、19 調整部、
20 乗算器、 21、23 時間積算部、
22 加速・減速時間計測部、24 クーロン摩擦算出部、 25 減算器、
26 粘性摩擦算出部 27 減算器 30 速度判定部
31 時間積算部 32 除算器 33 全摩擦同定部

Claims (9)

  1. 速度指令Vrefを出力する指令発生部(11)と、前記速度指令Vrefと実際のモータ速度Vfbが一致するようにトルク指令Trefを決定して該トルク指令によりモータ速度を制御する速度制御部(12)と、を備えた機械定数同定装置において、
    前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて、摩擦を全て速度に比例した粘性摩擦として粘性摩擦係数D’を算出し、前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて、一定外乱トルクTdを同定する全摩擦算出部(13)と
    速度の方向に依存するクーロン摩擦定数Cを同定するクーロン摩擦同定部(14)と、
    クーロン摩擦同定部の同定結果であるクーロン摩擦定数Cを用いて、粘性摩擦係数Dを同定する粘性摩擦同定部(15)と、
    を備えたことを特徴とする機械定数同定装置。
  2. 前記全摩擦算出部(13)は
    前記モータ速度Vfbが停止したことを判定し、判定信号を出力する速度判定部(30)と、前記判定信号の信号状態により、前記トルク指令Trefを時間積算して、時間積算値を出力する時間積算部(31)と、前記時間積算値を加算時間で除算し、一定外乱同定値を出力する除算器(32)と、前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて、摩擦を全て速度に比例した粘性摩擦として粘性摩擦係数D’を算出する全摩擦同定部(33)と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の機械定数同定装置。
  3. 前記クーロン摩擦同定部(14)は
    粘性摩擦係数D’とモータ速度Vfbを乗算して粘性摩擦係数D’の粘性摩擦トルクを算出する乗算器(20)と、
    前記粘性摩擦トルクを入力すると所定の区間[a,b]で時間積算して時間積分値Aを出力する時間積算部(21)と、
    前記モータ速度Vfbを入力すると加速時間と減速時間を計測してその和を算出する加速・減速時間測定部(22)と、
    トルク指令Trefから一定外乱トルクTdを減算した値を入力すると所定の区間[a,b]で時間積算して時間積分値Bを出力する時間積算部(23)と、
    前記時間積算値A、Bと前記加速・減速時間の和を入力すると(1)式によってクーロン摩擦Cを算出するクーロン摩擦算出部(24)と
    からなることを特徴とする請求項1に記載の機械定数同定装置。
    C=2×(時間積算値A−時間積算値B)/(加速・減速時間の和) (1)
  4. 前記粘性摩擦同定部(15)は、
    トルク指令Trefとクーロン摩擦Cと一定外乱トルクTdを入力して減算する減算器(25)と、
    その減算結果とモータ速度Vfbから(2)式に従って粘性摩擦係数Dを算出する粘性摩擦算出部(26)と
    からなることを特徴とする請求項1に記載の機械定数同定装置。
    D=∫(Vfb×(減算器出力))dt/∫(Vfb )dt (2)
  5. 速度指令Vrefを出力する指令発生部(11)と、前記速度指令Vrefと実際のモータ速度Vfbが一致するようにトルク指令Trefを決定して該トルク指令によりモータ速度を制御する速度制御部(12)と、を備えた機械定数同定装置において、
    前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて、摩擦を全て速度に比例した粘性摩擦として粘性摩擦係数D’を算出し、前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて、一定外乱トルクTdを同定する全摩擦算出部(13)と
    前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて、速度の方向に依存するクーロン摩擦定数Cを同定するクーロン摩擦同定部(14)と、
    前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Tref、前記クーロン摩擦定数Cを用いて、粘性摩擦係数Dを同定する粘性摩擦同定部(15)と、
    モータモデルからモデル速度Vfb’を推定してモータ速度Vfbと一致するように速度制御し、モデルトルク指令Tref’とモデル速度Vfb’を出力する推定部(17)と、
    トルク指令Trefとクーロン摩擦C、粘性摩擦係数D、モータ速度Vfb、モデルトルク指令Tref’、モデル速度Vfb’を入力すると、モータとモータモデルの慣性モーメント比J/J’を求めて出力する慣性モーメント同定部(18)と、
    この慣性モーメント比J/J’を受けると、所定のフィルタに通して速度制御部の制御ゲインを決定する調整部(19)と
    を備えたことを特徴とする機械定数同定装置。
  6. 速度指令Vrefを出力する指令発生部(11)と、前記速度指令Vrefと実際のモータ速度Vfbが一致するようにトルク指令Trefを決定して該トルク指令によりモータ速度を制御する速度制御部(12)とを備えたモータ制御装置において、
    摩擦が全て速度に比例する粘性摩擦であるとして前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて粘性摩擦係数D’を算出し、前記モータ速度Vfbと前記トルク指令Trefを用いて一定外乱トルクTdを同定し、速度の方向に依存するクーロン摩擦定数Cを同定し、前記クーロン摩擦定数Cを用いて粘性摩擦係数Dを同定することを特徴とする機械定数同定方法。
  7. 前記一定外乱トルクTdは、前記モータ速度Vfbが停止したことを判定してその判定状態によって前記トルク指令Trefを時間積算し、その時間積算値を加算時間で除算して求められることを特徴とする請求項6に記載の機械定数同定方法。
  8. 前記クーロン摩擦Cは、粘性摩擦係数D’と前記モータ速度Vfbを乗じてから所定区間[a,b]で時間積算して時間積分値Bを求め、前記モータ速度Vfbの加速時間と減速時間を計測してその和を求め、前記トルク指令Trefから一定外乱トルクTdを減じてから所定区間[a,b]で時間積算して時間積分値Aを求め、前記時間積算値A、Bと前記加速・減速時間の和を用いて(3)式によって算出されることを特徴とする請求項6に記載の機械定数同定方法。
    C=2×(時間積算値A−時間積算値B)/(加速・減速時間の和) (3)
  9. 前記粘性摩擦係数Dは、トルク指令Trefからクーロン摩擦Cと一定外乱トルクTdを減算し、その減算結果とモータ速度Vfbから(4)式に従って算出されることを特徴とする請求項6に記載の機械定数同定方法。
    D=∫(Vfb×(減算器出力))dt/∫(Vfb )dt (4)
JP2004332705A 2004-06-04 2004-11-17 機械定数同定装置および同定方法 Expired - Fee Related JP4547619B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004332705A JP4547619B2 (ja) 2004-06-04 2004-11-17 機械定数同定装置および同定方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004166871 2004-06-04
JP2004332705A JP4547619B2 (ja) 2004-06-04 2004-11-17 機械定数同定装置および同定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006020487A JP2006020487A (ja) 2006-01-19
JP4547619B2 true JP4547619B2 (ja) 2010-09-22

Family

ID=35794205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004332705A Expired - Fee Related JP4547619B2 (ja) 2004-06-04 2004-11-17 機械定数同定装置および同定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4547619B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5198514B2 (ja) 2010-07-22 2013-05-15 株式会社東芝 ロボット制御装置
KR101856256B1 (ko) 2012-12-12 2018-05-09 현대자동차주식회사 구동모터 축 절단 검출 방법
JP6002079B2 (ja) * 2013-04-24 2016-10-05 オークマ株式会社 位置制御装置
DE112014005564B4 (de) 2013-12-06 2023-08-24 Mitsubishi Electric Corporation Reibungsidentifizierungsverfahren und Reibungsidentifizierungsgerät
CN114368008B (zh) * 2021-09-08 2023-11-10 伯朗特机器人股份有限公司 Delta型并联机器人的关节摩擦辨识方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06309008A (ja) * 1993-04-20 1994-11-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd サーボ制御装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06309008A (ja) * 1993-04-20 1994-11-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd サーボ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006020487A (ja) 2006-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4367058B2 (ja) モータ制御装置
JP3892823B2 (ja) モータの速度制御装置
JP5591400B2 (ja) 駆動機械の負荷特性推定装置
JP6324641B1 (ja) 異常診断装置及び異常診断方法
JP3637597B2 (ja) 制御定数同定装置
US20060129348A1 (en) System for collision a voidance of rotary atomizer
US9952249B2 (en) Inertia estimating method and inertia estimation apparatus of position control apparatus
JP2002304219A (ja) モータ制御装置およびメカ特性測定方法
US7030588B2 (en) Control constant adjusting apparatus
JP4547619B2 (ja) 機械定数同定装置および同定方法
JP4196400B2 (ja) モータの制御装置及び制御方法
JP2001051721A (ja) 衝突検出装置
JP6614384B1 (ja) サーボアンプ及びサーボシステム
WO2022162740A1 (ja) 数値制御装置
WO1994002988A1 (en) Method for estimating inertia and disturbance torque, and method for detecting abnormal load
JP2006074896A (ja) モータ制御装置
JP4632171B2 (ja) モータ制御装置および制御方法
TWI720662B (zh) 伺服放大器和伺服系統
JP4565426B2 (ja) モータ制御装置
Yoshioka et al. Variable noise-covariance Kalman filter based instantaneous state observer for industrial robot
US20240241016A1 (en) Method for regulating a test bench arrangement
JP2009031989A (ja) サーボ制御装置
JP2008043132A (ja) 機械制御装置
JP4366566B2 (ja) 制御定数調整装置
JP5065675B2 (ja) エレベータモータの回転子角の調整方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100617

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100623

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140716

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees