JP4546287B2 - 圧着葉書 - Google Patents

Description

本発明は、通知情報を表示した重ね合わせ面を剥離可能に接着してなる圧着葉書に関する。

従来、この種の圧着葉書は、視覚健常者を念頭において構成されていたので、視覚障害者は、通知情報の内容を理解することができず、一般的な宣伝広告用のダイレクトメールなのか、公的機関や金融機関等からの重要事項通知葉書、例えば選挙の投票通知葉書、定期貯金の満期通知葉書なのかを識別できなかった。
特開２００３−１６５２８６号公報 特開２００４−９０３９２号公報 特開２００４−９０３９３号公報

このため、従来においては、重要事項通知葉書を受領した視覚障害者が、一般的な宣伝広告用のダイレクトメールと誤認して、これを破棄してしまう虞があるという不都合があった。本発明は、この不都合を解消し、視覚障害者が通知情報の内容を理解できるようにした圧着葉書を提供することを目的とする。

この目的を達成するために本発明の請求項１に係る圧着葉書は、２紙片の重ね合わせ面を、圧力を付与すると接着し接着後に剥離可能な感圧性接着剤によって剥離可能に接着するとともに、この重ね合わせ面に通知情報を表示してなる圧着葉書であって、前記２紙片における一方の紙片の一端側を延出し、この延出した露出部分に前記通知情報の内容を知らせる情報を点字で表示したものである。

同じく上記目的を達成するために本発明の請求項２に係る圧着葉書は、上紙片、中紙片、下紙片を重ね合わせて、前記上紙片と前記中紙片の重ね合わせ面は、圧力を付与すると接着する感圧性接着剤によって剥離困難に接着する一方、前記中紙片と前記下紙片の重ね合わせ面は、圧力を付与すると接着し接着後に剥離可能な感圧性接着剤によって剥離可能に接着するとともに、この剥離可能な重ね合わせ面に通知情報を表示してなる圧着葉書であって、前記下紙片の一端側を延出し、この延出した露出部分に前記通知情報の内容を知らせる情報を点字で表示したものである。

本発明の請求項１に係る圧着葉書によれば、圧着葉書における露出部分に通知情報の内容を知らせる点字情報を設けたので、視覚障害者がこの点字情報を読み取ることにより、通知情報の内容を理解できるとともに、点字は延出した露出部分に設けたので、２紙片の重ね合わせにより形成した段差の低い部分に存在することになり、圧着の際の加圧動作が点字情報に及ぶことがなく、点字が潰れてしまうことがないほか、前記段差によって重ね合わせ面の剥離開始動作も容易であるという効果を奏する。

本発明の請求項２に係る圧着葉書によれば、段差は、上、中２紙片と、下紙片との間に形成されるので、上記効果における段差を形成したことに起因する効果がより向上する。

以下、本発明の好適な実施形態について添付図面に基づき説明する。ここにおいて、図１は圧着葉書の平面図、図２は図１のＡ−Ａ線断面図、図３は圧着葉書を作成する前の葉書用シートを示す平面図である。

図１及び図２に示すように、圧着葉書１は、上紙片２，中紙片３，下紙片４の３紙片を、折り用ミシン目５，６でジグザグ状に折り重ねて、前記上紙片２と前記中紙片３の重ね合わせ面は感圧性接着剤７によって剥離困難に、前記中紙片３と前記下紙片４の重ね合わせ面は感圧性接着剤８によって剥離可能に、それぞれ圧着してなる。また、前記上紙片２と前記中紙片３の幅は同一長で、前記下紙片４は前記２紙片２，３よりも幅を長く形成し、一端側に延出した露出部分４ａを有している。

ここで、各感圧性接着剤７，８について説明する。感圧性接着剤７は、感圧性で一旦接着すると剥離困難な公知の感圧性接着剤である。一方、感圧性接着剤８は、印刷及び印字が可能な、接着後に剥離可能な感圧性接着剤であり、例えば、感圧性で一旦接着すると再剥離困難な非剥離性接着剤基剤に、この非剥離性接着剤基剤に対して非親和性を示す微粒状充てん剤を配合してなるものが好適である。前記非剥離性接着剤基剤としては、従来公知の通常の感圧性接着剤でよく、上述した感圧性接着剤７を利用してもよい。

感圧性接着剤７としては、例えば、天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックスを挙げることができる。

一方、微粒状充てん剤としては、非剥離性接着剤基剤との親和力が小さいもの、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、活性白土、球状アルミナ、小麦デンプン、シリカ、ガラス粉末、シラスバルーン等を用いることができる。これらの材料は、単独でも、あるいは、複数組み合わせてもよい。この微粒状充てん剤の配合割合によって、感圧性接着剤８の剥離強度を調整することができる。

図１に示すように、上紙片２の表出面は宛名表示面となって、あらかじめ、郵便葉書表示１１、郵便番号記入欄１２（図３参照）を印刷するとともに、宛名情報９と郵便番号１０を印字している。なお、この上紙片２と中紙片３との重ね合わせ面は剥離困難に接着されているので、ここには何らの情報も表示されない。

図１及び図２に示すように、下紙片４の延出した露出部分４ａには、点字を発泡インキを用いて凸状に表示してなる点字情報１３を設けている。この点字情報１３は、剥離可能な中紙片３と下紙片４の重ね合わせ面に印字した宛名人に対する通知情報１４の内容を知らせる情報であり、たとえば、通知情報１４が選挙の投票通知情報であれば、「投票用紙」と表示される。

圧着葉書１は、当初、図３に示すように、葉書用シート２１として各紙片２，３，４が展開された状態にあり、葉書用シート２１の両側には、切り用ミシン目２２，２３を境に、マージナル孔２４，２５を等間隔に設けたマージナル部２６，２７を設けている。図示してはいないが、前記葉書シート２１は、折り兼切り用ミシン目を介して天地方向に多数連接した連続状態にあり、各感圧性接着剤７，８は所定の重ね合わせ面にあらかじめ塗布されている。

この連続状態にある葉書用シート２１をマージナル孔２４，２５を利用してトラクタ装置（図示せず）で移送しながら、所定の通知情報１４を中紙片３と下紙片４の重ね合わせ面に印字するとともに、露出部分４ａに点字情報１３を発泡インキを用いて印字し、連続状態から単位用紙毎に切断した後、各折り用ミシン目５，６で所定状態に三つ折りし、上下一対の圧着ローラ（図示せず）で加圧して、重ね合わせ面を接着し、圧着葉書１とするものである。

圧着ローラによる圧着動作の際、点字情報１３は段差部分に表示されているので、上下からの圧が付与されることがなく、点字が潰れてしまう虞はない。したがって、視覚障害者が正確、かつ容易に、点字情報１３を読み取ることができる。また、段差部分を剥離開始端にすることによって、指で摘み易くなるので、中紙片３と下紙片４の重ね合わせ面の剥離開始動作も容易となる。

なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、例えば、圧着葉書１を、上紙片２を用いずに、中紙片３を宛名表示片として、中紙片３と下紙片４の２紙片だけで構成してもよい。また、葉書用シート２１が当初から単片状態にある場合には、延出した露出部分４ａを、折り用ミシン目６とは反対側の側部にではなく天地方向の一方側に設けることもできる。さらに、剥離可能に重ね合わせる２紙片３，４は、折り用ミシン目６を介して連接するほか、別体に構成してもよい。さらにまた、点字情報１３は、発泡インキによる印字のほか、裏面側から押圧部材で押圧してなる点字により設けることもできる。

圧着葉書の平面図。 図１のＡ−Ａ線断面図。 圧着葉書を作成する前の葉書用シートを示す平面図。

符号の説明

１ 圧着葉書
２ 上紙片
３ 中紙片
４ 下紙片
４ａ 露出部分
５，６ 折り用ミシン目
７ 剥離困難な感圧性接着剤
８ 剥離可能な感圧性接着剤
１３ 点字情報
１４ 通知情報
２１ 葉書用シート

Claims (2)

1. ２紙片の重ね合わせ面を、圧力を付与すると接着し接着後に剥離可能な感圧性接着剤によって剥離可能に接着するとともに、この重ね合わせ面に通知情報を表示してなる圧着葉書であって、前記２紙片における一方の紙片の一端側を延出し、この延出した露出部分に前記通知情報の内容を知らせる情報を点字で表示したことを特徴とする圧着葉書。
2. 上紙片、中紙片、下紙片を重ね合わせて、前記上紙片と前記中紙片の重ね合わせ面は、圧力を付与すると接着する感圧性接着剤によって剥離困難に接着する一方、前記中紙片と前記下紙片の重ね合わせ面は、圧力を付与すると接着し接着後に剥離可能な感圧性接着剤によって剥離可能に接着するとともに、この剥離可能な重ね合わせ面に通知情報を表示してなる圧着葉書であって、前記下紙片の一端側を延出し、この延出した露出部分に前記通知情報の内容を知らせる情報を点字で表示したことを特徴とする圧着葉書。

Images