JP4546123B2 - プラズマ反応器 - Google Patents

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Description

本発明は、高効率で安定化したプラズマ反応器、詳しくは、電圧を印加することによって、放電が発生するプラズマ反応器、さらに詳しくは、電圧を印加することによって発生する化学反応、例えば、ディーゼル排ガス(排気)中の黒煙処理のような固体粒子及び/又は液体粒子を含むガスの処理、フロンガス処理、VOC処理などのようなガスの処理、オゾン生成などのような有用生成物の生産などの有害物質の分解もしくは有用物質の生成を行い、又は、物理変化、例えば、電気エネルギーを光エネルギーへ転換することができる放電プラズマ反応器に関するものである。
電圧印加によって放電が発生するためのプラズマ反応器はこれまで2種類、すなわち、(1)直接型放電反応器と(2)誘電体を介した間接型放電反応器が開発されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
特開平7−116460号公報(第2頁、図2) 特開平4−247219号公報(第2頁、図2) 特開平5−115746号公報(第2頁、図2)
上記の直接型放電反応器では、金属の電極対の間に直接に電圧を印加し、ガスを部分もしくは全部放電することができる。電極対構造は、図17に示すような外部電極と内部電極を同軸同心型に設けた構造、図20に示すような針状電極対針状電極、図19に示すような針状電極対板状電極、図18に示すような板状電極対板状電極がある。いずれも、電極の放電できる部分の面積と形状の違いによって分別することができるが、電極対間に放電ガスが直接に存在する特徴を有する。また、印加した電圧と放電ガスの圧力と温度条件によって、放電現象、特に放電に伴う発光が異なる。電極付近に光るコロナ放電或いはグロー放電、電極間を部分的に光るストリーマー放電、電極間を全部光るスパーク放電或いはアーク放電が観察できる。ガスの圧力と温度などの条件によっては、放電は電極間の限られた部分のみで発生する現象がよく見られるので、放電エネルギーが限られた部分に流れ込み、高いエネルギー注入密度(単位体積あたりのエネルギー注入量)が得られる。
一方、誘電体を介した放電プラズマ反応器では、電極対の片方或いは両方の電極に誘電体を設置することによって、放電を広い範囲に生成できる。電極対構造は、図21に示すような線状電極対誘電体―円筒状電極、図22に示すような充填層の内外に電極を設けた充填層型構造、図24に示すような板状電極対誘電対―板状電極、図23に示すような板状電極―誘電体対誘電体―板状電極、図25に示すような誘電体の一面に平板状電極を、他面に鋸歯状電極を設けた沿面型構造が開発されている。誘電体と片方の電極の間、或いは誘電体と誘電体の間に放電ガスを放電させる。印加した電圧とガスの圧力、温度条件によって、誘電体或いは電極表面に発生するコロナ放電とグロー放電が多く見られる。誘電体により、放電エネルギーが分散されるため、エネルギー注入密度が直接型放電反応器より低くなる。
誘電体を介した間接型放電反応器は、直接型放電反応器より処理ガス量が大きいため、ガス全体に対して放電が安定、かつ均一であることが求められている。しかし、従来の放電反応器では、放電がエッジ化しやすいため、放電が部分的に発展する。図5は、従来間接型放電反応器の放電原理を示す。印加した電圧によって、誘電体1表面に正または負の電荷が発生する。負電荷と正電極(陽極)2に電場が発生し、その間、放電空間3内のガスを放電することができるが、エッジなどの所では、放電が不均一になった場合、誘電体1表面に生成した負電荷がすべてそのエッジの部分で流れてしまう。印加した電圧が高い場合、誘電体1が破壊され、放電が直接型に近い状態になる。4は陰極である。
解決しようとする問題点は、大容量ガスを処理するには、誘電体を介して放電する間接型反応器が適しているが、放電が安定できない点である。
本発明は、誘電体を介した放電特性を検討し、電極と誘電体の構造を変えることによって放電の安定化と効率化を図るようにしたことを特徴とする。すなわち、誘電体の一面に電極を取り付け、その対面にガスを通過するギャップ(放電空間)を設置した基本構造を交互的に設けることにより、安定かつ均一な放電を行うようにしたことを最も主要な特徴とする。
本発明のプラズマ反応器は、誘電体の両面にそれぞれ電極を取り付け、各電極の内面とこれに対向する誘電体の外面との少なくともいずれか一方に、ガスが通過する多数の溝状のギャップ(放電空間)を設けてなる、放電反応部を備え、上記の放電反応部は、一方の電極側のギャップの存在しない位置に、他方の電極側のギャップが存在して位置するようにしてあり、上記のギャップが存在しない位置で誘電体に接触している電極の面積よりも、その誘電体を挟んだ反対側で、ギャップにより形成された放電空間を介してその誘電体に対向している電極の面積を大きくしたことを特徴としている。
ラズマ反応器を実際に構成する場合は、一方に排ガス入口を有し、他方に排ガス出口を有する反応器本体内に、上記の放電反応部を多段に積層して収納する。
これらのプラズマ反応器において、ギャップを設置するために、凹凸状の電極を設けるか、又は凹凸状の誘電体を設ける。そして、凸部の高さを0.1〜10mm、幅を0.1〜500mmとしてなるようにすることが好ましい。
また、誘電体が、金属酸化物、セラミックス、ガラス、プラスチック及びシリコンゴムなどのいずれかからなる厚さ0.01mmから10mmの板状、管状及び球状のいずれかに形成されたものであるように構成することが好ましい。また、電極の形状は、板、管状及び球状のいずれかである。
これらのプラズマ反応器は、誘電体の両面に取り付けられた電極に電圧を印加することによって、電極と誘電体間に放電を引き起こすようになっている。印加する電圧は、交流、正直流、負直流、正パルス及び負パルスのいずれかの電圧が誘電体の両側電極に印加できる電源のものである。そして、ピーク電圧は1V〜100kVの範囲とすることが好ましい。この放電によって、ギャップを通過するガスに化学反応が生じる。
また、ガス温度は室温、低温及び高温のいずれかであり、ガスから液体や固体の生成のない範囲とするのが好ましい。また反応器本体に導入されるガス圧力は、0.1torr〜10気圧である。
本発明のプラズマ反応器では、エネルギーが誘電体により分散され、エネルギー注入密度が低下し、大面積や大空間の放電が発生できる。この場合、放電のエッジ化現象の発生が抑制されるため、安定と均一的な放電が得られるという利点がある。
間接型プラズマ反応器における放電の安定化、均一化という目的を誘電体の両面の電極内にギャップ(放電空間)を同じ位置にならないように交互に設けることにより実現した。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施されるものである。図1は本発明の実施の第1形態によるプラズマ反応器の要部(基本ユニット)を示している。
10は誘電体で、この誘電体の両面に陽極11及び陰極12が取り付けられており、陽極11及び陰極12内に、誘電体10に接してガスを通過させるためのギャップ(放電空間)13、14が一定間隔に多数設けられている。そして、一方の電極内のギャップの存在しない位置、すなわち、誘電体10に接触する電極の位置に、他方の電極内のギャップが存在して位置するようにして放電反応部15が形成され、プラズマ反応器はこの放電反応部15を備えて構成される。
この場合、誘電体10に接触している電極の長さよりも、その対面での放電空間の長さを大きくすることが好ましい。例えば図1に示すように、上記のギャップの、ガスの流れ方向とは垂直方向の断面において、誘電体10に接触している陽極11の長さをL、この電極部の対面でのギャップ(放電空間)14の幅方向の長さをLとすると、L<Lとなるようにする。なお、ガスは、ギャップ(放電空間)13、14内を、図面の表側から裏側に抜けるように流れる。
図2は、一例としてディーゼル機関の排気中の黒煙(炭素系粒子状物質PMを含む)の除去機構を示している。排気が放電反応部に導入されると、誘電体10、例えばアルミナ板の表面に黒煙中のPM16が付着し、沿面放電による酸素ラジカル等の生成により黒煙中のPM16が酸化されて排気が清浄化される。
図1に示すプラズマ反応器の要部においては、ギャップ(放電空間)13、14を形成するために凹凸状の電極を用いている。凹凸状の電極の代わりに凹凸状の誘電体を用いることも可能である。この場合、凸部の高さを0.1〜10mm、幅を0.1〜500mmとすることが好ましい。
誘電体としては、金属酸化物、セラミックス、ガラス、プラスチック及びシリコンゴムなどからなる、厚さ0.01mmから10mmの板状、管状、球状などの面を持つものなら何れでもよいが、板状又は管状のものが好ましい。また、電極の形状は、板、管状及び球状のいずれでもよいが、板状のものを用いることが望ましい。
このように構成されたプラズマ反応器の要部において、誘電体の両面に取り付けられた電極に電圧を印加することによって、電極と誘電体間に放電を引き起こすことにより、反応が起こる。この場合、印加する電圧は、交流、正直流、負直流、正パルス及び負パルスなどのいずれかの電圧が誘電体の両側電極に印加できる電源のものであり、ピーク電圧は1V〜100kVの範囲、とくにピーク電圧は10kV前後とすることが望ましい。電圧を印加することによる放電によって、ギャップを通過するガスに化学反応が生じる。
プラズマ反応器に導入されるガス温度は室温、低温及び高温のいずれかであり、ガスから液体や固体の生成のない範囲とすることが望ましい。また、反応器本体に導入されるガス圧力は、真空の0.1torr〜10気圧までが可能であるが、常圧付近の圧力とすることが望ましい。
図3は、一例として、ディーゼルエンジンの排気を処理するためのプラズマ反応器を示している。20は反応器本体で、一端に排気入口21を有し、他端に排気出口22を有している。この反応器本体20内に、図1に示す放電反応部15を多段に積層して収納し、大容量の排気を処理できるように構成したものである。23は陽極、24は陰極、25はアルミナ絶縁管である。他の構成は図1の場合と同様である。
本発明のプラズマ反応器においては、放電用のギャップを交互に設け、放電を効果的に分散することで、スパークのような強い放電を防ぐ。前記の図1は、その原理を示している。電極11、12を凹凸状にした場合には、電圧を印加することによって、誘電体10表面には印加した電圧極性と逆の電荷が発生する。この電荷と印加した電場との作用で、電圧が充分高い条件では、電極11、12と誘電体10との間の空間にあるガス中に放電が発生する。上記のギャップの、ガスの流れ方向とは垂直方向の断面において、電極と誘電体とが接する長さをL、電極と誘電体と接しない空間の幅方向の長さをLとする。L>Lの条件では、誘電体表面の電荷の分布が起こるため、その電荷が誘電体表面に自由に移動することが困難になるので好ましい。なぜなら、どちらか1つの放電空間が貫通しても、誘電体表面の電荷がすべてその貫通した部分へ移動することが抑制され、従来の放電器のような強い放電が起きにくくなるからである。
図4は本発明の実施の第2形態によるプラズマ反応器の要部(基本ユニット)で、誘電体を凹凸にした場合を示している。誘電体10aを凹凸状にした場合には、電圧を印加することによって、誘電体表面にも印加した電圧極性と逆に電荷が発生する。この電荷と印加した電場との作用で、電圧が充分高い条件では、電極11a、12aと誘電体10aとの間の空間にあるガス中に放電が発生する。電極と誘電体が接する面積をS、電極と誘電体とが接しない空間の面積をSとする。S>Sの条件では、誘電体表面の電荷の分布が電極を凹凸状にした場合より大きく起こるため、その電荷が誘電体表面に自由に移動することが更に困難になるので好ましい。どちらか1つの放電空間が貫通しても、誘電体表面の電荷の、すべてのその貫通した部分への移動が抑制され、従来の放電器のような強い放電が起きにくいからである。13a、14aはギャップ(放電空間)である。他の構成及び作用は実施の第1形態の場合と同様である。
実施例1として、交互型プラズマ反応放電での放電について実験した。交互型プラズマ反応放電器の要部の構造を図6〜8に示す。図6は正面図、図7は背面図、図8は断面図である。アルミナ板30(150x150x厚み3mm)の両面に溝31(幅6x深さ0.3x長さ150mm)を掘った後、板30の中心部分に網状金属電極32、例えばステンレス網(SUS304、110x110x厚み約0.25mm、60メッシュ)を両面に各1枚取り付けた。空気中で、この2つのステンレス網のパルス電圧を印加し、放電の様子を暗室でOlympusのデジタルカメラE−10で記録した(絞り:2.4、露出時間8秒)。放電電圧は電圧プローブ(EP−50K、パルス電子技術(株))、放電電流は電流プローブ(Model 2−1.0, Strangenes)とオシロスコープ(TDS754D、Tektronix)で測定した。パルス電源はEP−10K10(パルス電子技術(株))を用いた。
4kHzのパルス周波数での1パルス中の放電電圧と電流波形を図9〜11に示す。電圧は約1マイクロ秒でピーク電圧まで昇圧し、約10マイクロ秒内にゼロV付近に下がる。陽極と陰極の放電電流は電圧の上昇と共に1A前後まで上昇した後、低下した。
図6〜7に示した反応器の放電の様子を正面から写真を撮り観察したところ、ステンレス網とアルミナ板の溝からできた放電ギャップ中で安定した放電が均一に見られた。正面を陽極或いは陰極にしても同様に均一な放電が得られた。
実施例2として、交互型プラズマ反応器を用いるディーゼル黒煙処理について実験した。交互型プラズマ反応器を用いるディーゼル排気黒煙処理システムを図12に示す。ディーゼルエンジンの排気管33に交互型のプラズマ反応器34を取り付け、実験を行った。
図13は交互型のプラズマ反応器34の構造を示し、図14はアルミナ板30まわりの基本ユニットを示している。この基本ユニットは図6〜8に示した一枚のアルミナ板30、2枚の金属電極35と4枚のガラススペサー36から構成される。アルミナ板の表面の溝31はエンジン排気流れ方向に垂直となっている。溝の幅を6mm、深さを0.5mm、長さを150mm、溝と溝との間の距離を4mmとしたアルミナ板裏面にも同様の溝を設けた。表面の溝と裏面の溝は[0008]に述べた位置関係にある。金属電極35(110x110x2mm)はスチール製で、表面に排気ガスの流れ方向に幅5mm、深さ0.5mm、長さ110mmの溝37を13個掘った。溝と溝との間の距離は3mmであった。裏面にも同様の溝を設けた。電気絶縁するために、金属電極35の両側にガラススペサー36(20x110x2mm)を取り付けた。一つの金属電極を陽極、もう一つの金属電極を陰極とした。このような基本ユニットを13ユニット製作し、図13に示すように、反応器にセットした。反応器上下の不足空間を板状アルミナ充填層38で充填した。39はアルミナ絶縁管である。他の構成は図3の場合と同様である。
黒煙発生源として、4気筒、直噴型、総排気量2Lのディーゼルエンジンを用いた。エンジンからの排気ガスの一部を空気で150℃で稀釈した後、黒煙モニター(TEOM105、Rupprecht & Patashnick)を用いて、黒煙の発生量を測定した。1krpmで3.8kWのエンジン条件で実験した。この条件では、エンジンから排出される黒煙の量は約1.5g/時間であった。エンジン始動20分後にピークパルス電圧は4.5kV前後でパルス周波数は2kHzの条件で30分、4kHzの条件で10分、計40分の放電を行った後、エンジンを停止した。反応器中のアルミナ板の表面をデジタルカメラで撮影して観察したところ、アルミナ板の溝部分と金属電極の溝のエッジ部分との間の放電の跡が均一に起こっていることが分かった。一方、図6〜8に示した溝付きのアルミナ板の代わりに、溝なしのアルミナ板と金属網(エキスパンドメタル、スモールメッシュ(2)、奥谷金属製作所)を用い、放電後の板の写真を撮影して観察したところ、強い放電と弱い放電、更に放電がしていない部分が見られた。すなわち、均一で安定した放電が得られなかった。
実施例3として、交互型プラズマ反応器を用いるディーゼル黒煙処理について、さらに実験した。ディーゼル排気黒煙を効率的に処理するには、放電を均一に行うことが重要である。また、放電電場を均一にしても、放電が均一にできないことから、放電を強制的に発することも重要である。そこで図14に示した金属電極を、パンチングして孔を設けたスチール板を用いて実験した。パンチ穴直径:5mm、穴中心間距離:8mm、60°チドリ、板厚:0.8mm。計2枚のパンチングしたスチール板を一つの電極として使用した。アルミナ板をこの2枚のスチール板中に挿入し、電極の厚さを2mmに調整した。計20層のユニットを図13のプラズマ反応器34にセットし、実験を行った。エンジン条件は実施例2と同じであった。エンジン始動後20分からパルス電圧を変化し、放電を行いながら、黒煙排出量を測定した。図15にパルス周波数が2kHzでの黒煙除去率と印加したパルス電圧のピーク値との関係を示す。パルス電圧の増加と共に黒煙除去率が増加したことが分かる。
実施例4として、交互型プラズマ反応器を用いるディーゼル黒煙処理について実験し、エンジン始動後の黒煙除去効果を考察した。ディーゼルエンジン冷始動後、エンジンから多くの黒煙が排出される。図16は、エンジン排気管にプラズマ反応器を設置しない場合(反応器なし)、実施例3の反応器を設置したが、放電がない場合(反応器あり、放電なし)、実施例3の反応器を設置し、エンジン始動前から放電を行っていた場合(反応器あり、放電あり)の黒煙排出量(モニター測定値)を示す。反応器なしの場合では、黒煙の排出量は5mg/hのピーク値を持ったが、反応器あり放電ありの場合、このピーク値を2.2mg/hまで削減することができた。その後、放電ありの場合には、他の場合より黒煙の排出量が少ないことが分かった。
本発明の実施の第1形態によるプラズマ反応器の要部(基本ユニット)の概略構成図である。 ディーゼル機関の排気中の黒煙の除去機構を示す説明図である。 図1に示す構成を積層したもので、一例としてディーゼル機関の排気を処理するためのプラズマ反応器を示している。 本発明の実施の第2形態によるプラズマ反応器の要部の概略構成図である。 従来のプラズマ反応器の要部の一例を示す概略構成図である。 実施例1で用いたプラズマ反応器の要部の正面図である。 同背面図である。 同断面図である。 実施例1における1パルス中の放電電圧波形を示すグラフである。 実施例1における1パルス中の陽極電流波形を示すグラフである。 実施例1における1パルス中の陰極電流波形を示すグラフである。 実施例2における黒煙発生及び測定装置のシステム図である。 実施例2において用いたプラズマ反応器の構造を示す説明図である。 図13に示すプラズマ反応器の基本ユニット(要部)を示す斜視図である。 実施例3における黒煙除去率とピークパルス電圧との関係を示すグラフである。 実施例4におけるエンジン冷始動後の黒煙除去効果を示すグラフである。 従来の直接型放電反応器の一例を示す構成説明図である。 従来の直接型放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の直接型放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の直接型放電反応器のさらに他の例を示す構成説明図である。 従来の間接型放電反応器の一例を示す構成説明図である。 従来の間接型放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の間接型放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の間接型放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の間接型放電反応器のさらに他の例を示す構成説明図である。
符号の説明
10、10a 誘電体
11、11a 陽極
12、12a 陰極
13、13a、14、14a ギャップ(放電空間)
15、15a 放電反応部
16 黒煙中のPM(粒子状物質)
20 反応器本体
21 排気入口
22 排気出口
23 陽極
24 陰極
25 アルミナ絶縁管
30 アルミナ板
31 溝
32 網状金属電極
33 排気管
34 プラズマ反応器
35 金属電極
36 ガラススペーサー
37 溝
38 板状アルミナ充填層
39 アルミナ絶縁管

Claims (9)

  1. 誘電体の両面にそれぞれ電極を取り付け、各電極の内面とこれに対向する誘電体の外面との少なくともいずれか一方に、ガスが通過する多数の溝状のギャップを設けてなる、放電反応部を備え、
    上記の放電反応部は、一方の電極側のギャップの存在しない位置に、他方の電極側のギャップが存在して位置するようにしてあり、
    上記のギャップが存在しない位置で誘電体に接触している電極の面積よりも、その誘電体を挟んだ反対側で、ギャップにより形成された放電空間を介してその誘電体に対向している電極の面積を大きくしたことを特徴とするプラズマ反応器
  2. 一方に排ガス入口を有し、他方に排ガス出口を有する反応器本体内に、上記の放電反応部を積層して収納したことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ反応器。
  3. ギャップを設置するために、上記の電極と上記の誘電体との少なくともいずれか一方を凹凸状に設け、凸部の高さを0.1〜10mm、幅を0.1〜500mmとしてなる請求項1または請求項2に記載のプラズマ反応器。
  4. 誘電体が、金属酸化物、セラミックス、ガラス、プラスチック及びシリコンゴムのいずれかからなる厚さ0.01mmから10mmの板状に形成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ反応器。
  5. 誘電体の両面に取り付けられた電極に電圧を印加することによって、電極と誘電体間に放電を引き起こすようにした請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ反応器。
  6. 印加する電圧は、交流、正直流、負直流、正パルス及び負パルスのいずれかの電圧が誘電体の両側電極に印加できる電源のものであり、ピーク電圧は1V〜100kVの範囲である請求項5記載のプラズマ反応器。
  7. 放電によってギャップを通過するガスに化学反応が生じるようにした請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ反応器。
  8. プラズマ反応器に導入される上記ガスの温度は室温、低温及び高温のいずれかであり、ガスから液体や固体の生成のない範囲であるようにした請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマ反応器。
  9. 反応器本体に導入されるガス圧力は0.1torr〜10気圧とした請求項2に記載のプラズマ反応器。
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