JP2007075778A - プラズマ放電発生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プラズマ放電をより効率よく発生させる方法の提供。
【解決手段】誘電体10の両面に電極11,12を取り付け、該電極の内面又は誘電体の外面に、ガスを通過させるためのギャップ14を一定間隔に多数設け、一方の側のギャップの存在しない位置に、他方の側のギャップが存在して位置するようにしてなるプラズマ放電反応部を備えたプラズマ放電反応器の両電極間に、正および負のパルス電圧波形を有するパルス電圧を印加し、プラズマ放電を発生させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高効率でプラズマ放電を発生させるプラズマ放電発生方法、詳しくは、電圧を印加することによって、プラズマ放電が発生するプラズマ放電発生方法に関する。さらに詳しくは、電圧を印加することによって発生するプラズマ放電は、化学反応、例えば、ディーゼル排ガス(排気)中の黒煙処理のような固体粒子及び/又は液体粒子を含むガスの処理、フロンガス処理、VOC処理などのようなガスの処理、オゾンなどの有用生成物の生産などにおける有害物質の無害化もしくは有害物質の有用物質への変換に利用することができ、又は、物理変化、例えば、電気エネルギーを光エネルギーへ転換すること等に利用できる。
電圧印加によってプラズマ放電を発生させるプラズマ放電発生方法に用いられるプラズマ放電反応器はこれまで2種類、すなわち、(1)直接型プラズマ放電反応器と(2)誘電体を介した間接型プラズマ放電反応器が開発されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
上記の直接型プラズマ放電反応器では、金属の電極対の間に直接に電圧を印加し、ガスの存在する一部もしくは全部の空間で放電することができる。電極対構造は、図12に示すような外部電極と内部電極を同軸同心型に設けた構造、図15に示すような針状電極対針状電極、図14に示すような針状電極対板状電極、図13に示すような板状電極対板状電極がある。いずれも、電極の放電できる部分の面積と形状の違いによって分別することができるが、電極対間にプラズマ放電ガスが直接に存在する特徴を有する。また、印加した電圧と、プラズマ放電ガスの圧力と温度条件によって、プラズマ放電現象、特にプラズマ放電に伴う発光が異なる。電極付近に光るコロナ放電或いはグロー放電、電極間を部分的に光るストリーマー放電、電極間を全部光るスパーク放電或いはアーク放電が観察できる。ガスの圧力と温度などの条件によっては、プラズマ放電が電極間の限られた部分のみで発生するので、プラズマ放電エネルギーが限られた部分に流れ込み、高いエネルギー注入密度(単位体積あたりのエネルギー注入量)が得られる。
一方、誘電体を介した間接型プラズマ放電反応器では、電極対の片方或いは両方の電極に誘電体を設置することによって、プラズマ放電を広い範囲に生成できる。電極対構造は、図16に示すような線状電極対誘電体―円筒状電極、図17に示すような充填層の内外に電極を設けた充填層型構造、図19に示すような板状電極対誘電体―板状電極、図18に示すような板状電極―誘電体対誘電体―板状電極、図20に示すような誘電体の一面に平板状電極を、他面に鋸歯状電極を設けた沿面型構造が開発されている。誘電体と片方の電極の間、或いは誘電体と誘電体の間で放電させる。印加した電圧とガスの圧力、温度条件によって、誘電体或いは電極表面に発生するコロナ放電とグロー放電が多く見られる。誘電体により、プラズマ放電エネルギーが分散されるため、エネルギー注入密度が直接型プラズマ放電反応器より低くなる。
直接型プラズマ放電反応器より処理ガス量が大きい間接型プラズマ放電反応器では、ガス全体に対して安定、かつ均一なプラズマ放電が求められている。しかし、従来のプラズマ放電反応器では、プラズマ放電がエッジ化しやすいため、プラズマ放電が部分的に発展する。図5は、従来の間接型プラズマ放電反応器のプラズマ放電原理を示す。陽極2と陰極4に印加した電圧によって、誘電体1の表面に印加した電圧の極性と逆の電荷が発生する。そして、負電荷と陽極2の間に電場が発生し、プラズマ放電空間3内で放電することができる。しかし、放電空間3と接触している陽極2と誘電体1の表面に存在するエッジの所では、プラズマ放電が不均一になり、誘電体1の表面に生成した負電荷がすべてそのエッジの部分に流れてしまう。印加した電圧が高い場合、誘電体1が破壊され、プラズマ放電が直接型に近い状態になる。
大容量ガスを処理するには、誘電体を介して放電する間接型反応器が適しているが、従来の問題点は、プラズマ放電が安定できない点である。
本発明者らは、先に、誘電体の両面に電極を取り付け、該電極の内面又は誘電体の外面に、ガスを通過させるためのギャップを一定間隔に多数設け、一方の側のギャップの存在しない位置に、他方の側のギャップが存在して位置するようにしてなるプラズマ放電反応部を備えたことを特徴とするプラズマ放電反応器の創製に成功し、このようなプラズマ放電反応器がプラズマ放電を安定かつ均一に発生させ、かつ大容量ガスの処理に適していることを見出した(特許文献4)。
特開平7−116460号公報(第2頁、図2) 特開平4−247219号公報(第2頁、図2) 特開平5−115746号公報(第2頁、図2) 特願2004−081026号
本発明は、本発明者らが先に開発したプラズマ放電反応器を使用し、プラズマ放電をより効率よく発生させる方法を提供することを主目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、誘電体の両面に電極を取り付け、該電極の内面又は誘電体の外面に、ガスを通過させるためのギャップを一定間隔に多数設け、一方の側のギャップの存在しない位置に、他方の側のギャップが存在して位置するようにしてなるプラズマ放電反応部を備えたプラズマ放電反応器の両電極間に、正および負のパルス電圧波形を有するパルス電圧を印加し、プラズマ放電を発生させることにより、上記目的を達成することができることを見出し、例えば、排気ガスに含まれる黒煙をより効率よく除去することができることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1] 誘電体の両面に電極を取り付け、該電極の内面又は誘電体の外面に、ガスを通過させるためのギャップを一定間隔に多数設け、一方の側のギャップの存在しない位置に、他方の側のギャップが存在して位置するようにしてなるプラズマ放電反応部を備えたプラズマ放電反応器の両電極間に、正および負のパルス電圧波形を有するパルス電圧を印加し、プラズマ放電を発生させることを特徴とするプラズマ放電発生方法、
[2] パルス電圧のピーク値(絶対値)が100V〜50kVであり、パルス電圧(絶対値)の立ち上がり時間が10ナノ秒〜0.01秒であり、パルス電圧の半値幅が0.01μ秒〜1秒であり、さらに、パルス電圧の周波数が1Hz〜10kHzの範囲内である前記[1]記載の方法、
[3] パルス電圧における正のパルス電圧波形および負のパルス電圧波形の両パルス波形間の時間間隔が、0〜1秒の範囲内である前記[1]記載の方法、
[4] 誘電体の両面に電極を取り付け、該電極の内面又は誘電体の外面に、排気ガスを通過させるためのギャップを一定間隔に多数設け、一方の側のギャップの存在しない位置に、他方の側のギャップが存在して位置するようにしてなるプラズマ放電反応部を備えたプラズマ放電反応器の両電極間に、正および負のパルス電圧波形を有するパルス電圧を印加し、プラズマ放電を発生させ、プラズマ放電と排気ガスを接触させることにより排気ガスを無害化する方法、および
[5] 排気ガスに炭素系粒子状物質が含まれ、炭素系粒子状物質が除去されることを特徴とする前記[4]記載の方法、
に関する。
また、本発明は、
[6] 前記[1]記載のプラズマ放電反応部が、一方に排ガス入口を有し、他方に排ガス出口を有するプラズマ放電反応器本体内に、積層して収納されていることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれかに記載の方法、
[7] プラズマ放電反応器が、ギャップを設置するために、凹凸状の電極を設けるか、又は凹凸状の誘電体を設け、凸部の高さを0.1〜10mm、幅を0.1〜500mmとしてなる前記[1]〜[6]のいずれかに記載の方法、
[8] 誘電体が、金属酸化物、セラミックス、ガラス、プラスチック及びシリコンゴムなどのいずれかからなる厚さ0.01mmから10mmの板状、管状及び球状のいずれかに形成されたものである前記[1]〜[7]のいずれかに記載の方法、ただし、誘電体は、金属酸化物、セラミックス、ガラス、プラスチック及びシリコンゴムなどのいずれかからなる厚さ0.01mmから10mmの板状、管状及び球状のいずれかに形成されたものであるように構成することが好ましいが、本発明ではこれらに限定されない、
[9] 電極の形状が、板、管状及び球状のいずれかである前記[1]〜[8]のいずれかに記載の方法、ただし、電極の形状は、板、管状及び球状が好ましいが、本発明ではこれらの形状に限定されない、
[10] 誘電体の両面に取り付けられた電極に電圧を印加することによって、電極と誘電体間にプラズマ放電を引き起こすようにした前記[1]〜[9]のいずれかに記載の方法、
[11] プラズマ放電によって、ギャップを通過するガスに化学反応が生じるようにした前記[1]〜[10]のいずれかに記載の方法、
[12] ガス温度が室温、低温及び高温のいずれかであり、ガスから液体や固体の生成のない範囲であるようにした前記[1]〜[11]のいずれかに記載の方法、および
[13] 反応器本体に導入されるガス圧力が0.1torr〜10気圧とした前記[1]〜[12]のいずれかに記載の方法、
に関する。
本発明のプラズマ放電発生方法は、プラズマ放電を効率よく発生させることができ、例えば、排気ガス中に含まれる黒煙を炭酸ガスに効率よく変換して、除去することができ、公害、大気汚染の解消に有用である。例えば、本発明によれば、従来より更に少ない電力で、黒煙などの有害物質をより高い除去率で除去することができる。
本発明のプラズマ放電発生方法は、誘電体の両面に電極を取り付け、該電極の内面又は誘電体の外面に、ガスを通過させるためのギャップを一定間隔に多数設け、一方の側のギャップの存在しない位置に、他方の側のギャップが存在して位置するようにしてなるプラズマ放電反応部を備えたプラズマ放電反応器の両電極間に、正および負のパルス電圧波形を有するパルス電圧を印加し、プラズマ放電を発生させることを特徴とする。
本発明に用いられるプラズマ放電反応器は、誘電体の両面に電極を取り付け、該電極の内面又は誘電体の外面にガスを通過させるためのギャップ(プラズマ放電空間)を一定間隔に多数設け、一方の側のギャップの存在しない位置に、他方の側のギャップが存在して位置するようにしてなるプラズマ放電反応部を備えていればよい。
電極としては、第1電極と第2電極があり、2つの電極間に誘電体を配置するのが好ましく、(イ)第1電極と誘電体とが接している部分における第1電極の表面または/および誘電体の表面、および/または(ロ)第2電極と誘電体とが接している部分における第2電極の表面または/および誘電体の表面にギャップを設けるのが好ましく、上記(イ)におけるギャップと、(ロ)におけるギャップは、具体的には例えば、以下図面を用いて説明するように、互い違いになっていて、一方の側のギャップが存在しない位置に、対応する他方の側の位置に他方のギャップが設けられているのが好ましい。
プラズマ放電反応器を実際に構成する場合は、一方に排ガス入口を有し、他方に排ガス出口を有する反応器本体内に、上記のプラズマ放電反応部を多段に積層して収納する。
これらのプラズマ放電反応器において、ギャップを設置するために、凹凸状の電極を設けるか、又は凹凸状の誘電体を設けるのが好ましい。そして、凸部の高さを0.1〜10mm、幅を0.1〜500mmとしてなるようにすることが好ましい。
また、誘電体が、金属酸化物(例えばアルミナ等)、セラミックス、ガラス、プラスチック及びシリコンゴムなどのいずれかからなる厚さ0.01mmから10mmの板状、管状及び球状のいずれかに形成されたものであるように構成することが好ましく、電極の形状は、板、管状及び球状が好ましいが、これらの形状に限定されない。
これらのプラズマ放電反応器は、誘電体の両面に取り付けられた電極間に、正および負のパルス電圧波形を有するパルス電圧を印加することによって、電極と誘電体間にプラズマ放電を引き起こすようになっている。そして、ピーク電圧は100V〜50kVの範囲とすることが好ましく、パルス電圧(絶対値)の立ち上がり時間は10ナノ秒〜0.01秒であるのが好ましい。また、パルス電圧の半値幅は0.01μ秒〜1秒であるのが好ましく、パルス電圧の周波数は1Hz〜10kHzの範囲内であるのが好ましい。
上記「正および負のパルス電圧波形」としては、図9で示される正負パルス電圧波形や、図10で示される負正パルス電圧波形が挙げられる。正および負のパルス電圧波形は、正のパルス電圧波形および負のパルス電圧波形の両パルス波形間の時間間隔が、0〜1秒の範囲内であるのが好ましい。なお、図9および図10は前記の時間間隔が0秒である。また、前記の時間間隔が0.0034秒である例が図11に示されている。時間間隔は、隣り合う正のパルスと負のパルスのピークとピークの時間差によって測定される。
このプラズマ放電によって、ギャップを通過するガスに化学反応が生じる。
また、ガス温度は室温、低温及び高温のいずれかであり、ガスから液体や固体の生成のない範囲とするのが好ましい。また反応器本体に導入されるガス圧力は、0.1torr〜10気圧である。
以下、本発明の実施の形態(1)についてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施されるものである。図1は本発明の実施に用いられ得るプラズマ放電反応器の要部(基本ユニット)を示している。
図1において、10は誘電体で、この誘電体の両面に第1電極11及び第2電極12が取り付けられており、第1電極および第2電極のいずれか一方は、所要電圧を供給するパルス電源と接続されており、他方はアースと接続されている。第1電極11及び第2電極12内に、誘電体10に接してガスを通過させるためのギャップ(プラズマ放電空間)13、14が一定間隔に多数設けられている。そして、一方の電極内のギャップの存在しない位置に対応する、すなわち、誘電体10に接触する他方の電極の位置に、他方の電極内のギャップが存在するようにしてプラズマ放電反応部15が形成され、プラズマ放電反応器はこのプラズマ放電反応部15を備えて構成されるのが好ましい。
この場合、誘電体10に接触している部分における第1電極の長さよりも、その対面の第2電極における誘電体と接触していない部分の誘電体の長さを大きくすることが好ましい。例えば、誘電体10に接触している第1電極11の長さをL、この電極部の対面のギャップ(プラズマ放電空間)14の長さをLとすると、L<Lとなるようにする。なお、ガスは、ギャップ(プラズマ放電空間)13、14内を、例えば図面の表側から裏側に抜けるように流れる。
図2は、一例としてディーゼル機関の排気中の黒煙(炭素系粒子状物質PMを含む)の除去機構を示している。排気が反応器の入口からプラズマ放電反応部に導入されると、誘電体10、例えばアルミナ板の表面に排気中のPM16が付着し、プラズマ放電により生成した酸素ラジカル等により排気中のPM16が酸化されて炭酸ガスとなって反応器の出口から排出され、有害排気ガスが清浄化される。
図1に示すプラズマ放電反応器の要部においては、ギャップ(プラズマ放電空間)13、14を形成するために凹凸状の電極を用いている。凹凸状の電極の代わりに凹凸状の誘電体を用いることも可能である。この場合、凸部の高さを0.1〜10mm、幅を0.1〜500mmとすることが好ましい。
このように構成されたプラズマ放電反応器の要部において、誘電体の両面に取り付けられた電極に電圧を印加することによって、電極と誘電体間のギャップにプラズマ放電を引き起こすことにより、反応が起こる。例えば図2で示される電圧を印加することによるプラズマ放電によって、ギャップを通過するガスに化学反応が生じる。
プラズマ放電反応器に導入されるガス温度は室温、低温及び高温のいずれかであり、ガスから液体や固体の生成のない範囲とすることが望ましい。また、反応器本体に導入されるガス圧力は、真空の0.1torr〜10気圧までが可能であるが、常圧付近の圧力とすることが望ましい。
図3は、一例として、ディーゼルエンジンの排気を処理するためのプラズマ放電反応器を示している。20は反応器本体で、一端に排気入口21を有し、他端に排気出口22を有している。この反応器本体20内に、図1に示すプラズマ放電反応部15を多段に積層して収納し、大容量の排気を処理できるように構成したものである。23はパルス電源に接続された第1電極、24はアースに接続された第2電極、25はアルミナ絶縁管である。他の構成は図1の場合と同様である。
本発明で用いられるプラズマ放電反応器においては、プラズマ放電用のギャップを交互に設け、プラズマ放電を効果的に分散することで、スパークのような強いプラズマ放電を防ぐ。前記の図1は、その原理を示している。電極11、12を凹凸状にした場合には、上記した電圧を印加することによって、誘電体10表面には印加した電圧極性と逆の電荷が発生する。本発明では、印加電圧が時間の経過と共に正から負へ、そして負から正へ(この逆も真なり)に変化するが、この電荷と印加した電場との作用で、電圧が充分高い条件では、電極11、12と誘電体10との間の空間にあるガス中にプラズマ放電が発生する。上記では、二つの対応するギャップ列の関係をL(長さ)とL(長さ)で示したが、両者の関係を面積で示してもよい。電極と誘電体とが接する面積をS、電極と誘電体と接しない誘電体の面積をSとする。S>Sの条件では、誘電体表面の電荷の分布が起こるため、その電荷が誘電体表面に自由に移動することが困難になる。従って、どちらか1つのプラズマ放電空間が貫通しても、その貫通した部分への誘電体表面のすべての電荷の移動が抑制され、従来のプラズマ放電器のような強いプラズマ放電が起きにくくなる。
図4は本発明の他の実施の形態(2)について、プラズマ放電反応器の要部(基本ユニット)で、誘電体を凹凸にした場合を示している。誘電体10aを凹凸状にした場合には、電圧を印加することによって、誘電体表面にも印加した電圧極性と逆の電荷が発生する。この電荷と印加した電場との作用で、電圧が充分高い条件では、電極11a、12aと誘電体10aとの間の空間にあるガス中にプラズマ放電が発生する。電極と誘電体が接する面積をS、電極と誘電体とが接しない誘電体の面積をSとする。S>Sの条件では、誘電体表面の電荷の分布が電極を凹凸状にした場合より大きく起こるため、その電荷が誘電体表面に自由に移動することが更に困難になる。従って、どちらか1つのプラズマ放電空間が貫通しても、その貫通した部分への誘電体表面のすべての電荷の移動が抑制され、従来のプラズマ放電器のような強いプラズマ放電が起きにくい。13a、14aはギャップ(プラズマ放電空間)である。他の構成及び作用は上記実施の形態(1)と同様である。
図1では、溝を電極表面に設けている。図4では、誘導体の両面に溝を掘っている。本発明では、実施例で示すように図1の場合と、図4の場合を組み合わせて実施してもよい。
なお、上記は、正および負のパルス電圧波形を有するパルス電圧を印加する場合の発明についての説明であるが、このようなパルス電圧の代わりに、印加する電圧が、交流、正直流、負直流、正パルスおよび負パルスのいずれかであっても実施し得る。
(実施例1)
実施例1として、交互型プラズマ放電反応器を用いるディーゼル黒煙処理について実験した。交互型プラズマ放電反応器を用いるディーゼル排気黒煙処理システムを図6に示す。ディーゼルエンジンの排気管33に交互型のプラズマ放電反応器34を取り付け、実験を行った。
図7は交互型のプラズマ放電反応器34の構造を示し、図8はアルミナ板30まわりの基本ユニットを示している。この基本ユニットは一枚のアルミナ板30、2枚の金属電極35、40と4枚のガラススペーサー36から構成される。アルミナ板の表面の溝31はエンジン排気流れ方向に垂直となっている。溝の幅を4mm、深さを0.2mm、長さを150mm、溝と溝との間の距離を2mmとした。アルミナ板裏面にも同様の溝を設けた。表面の溝と裏面の溝は[0012]に述べた位置関係にある。金属電極35、40(110x110x1.9mm)はステンレス製で、表面に排気ガスの流れ方向に幅2mm、深さ0.5mm又は0.2mm、長さ110mmの溝37を掘った。溝と溝との間の距離は2mmとした。裏面にも同様の溝を設けた。電気絶縁するために、金属電極35、40の両側にガラススペーサー36(20x150x1.9mm)を取り付けた。一つの金属電極を第1電極、もう一つの金属電極を第2電極とした。上記基本ユニットは2枚の金属電極とガラススペーサーとの組み合わせが二組の間にアルミナ板が一枚挿入してなるが、二枚のアルミナ板の間に金属電極とガラススペーサーの組み合わせを一つ挿入してもよい。なお、最上層と最下層とを構成する電極である金属板がアルミナ充填層38と接触している面は、溝が掘られていない。このような基本ユニットをアルミナ板が30枚積層されるようにして製作し、図7に示すように、反応器にセットした。なお、基本ユニット積層の一例を図22に示す。反応器上下の不足空間を板状アルミナ充填層38で充填した。39はアルミナ絶縁管である。他の構成は図3の場合と同様である。
黒煙発生源として、4気筒、直噴型、総排気量2Lのディーゼルエンジンを用いた。エンジンからの排気ガスの一部を空気で150℃で希釈した後、黒煙モニター(TEOM 1105、Rupprecht & Patashnick)を用いて、黒煙の排出量を測定した。1.2krpmで2.9〜3.1kW、排気ガス流量:70〜80m/時間のエンジン運転条件で実験した。この条件では、エンジンから排出される黒煙の量は約1.2g/時間であった。1)図9に示した正負パルス電圧1(正パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ11μ秒と11μ秒、負パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ6μ秒と10μ秒、パルス周波数は500Hz、正パルス部分と負パルス部分の間隔は0秒、正パルス部分と負パルス部分のピーク電圧(絶対値)は6〜10kVに調整した。)、2)図10に示した負正パルス電圧(負パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ9μ秒と9μ秒、正パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ5μ秒と9μ秒、周波数は500Hz、負パルス部分と正パルス部分の間隔は0秒、正パルス部分と負パルス部分のピーク電圧(絶対値)は6〜10kVに調整した。)、および3)図11に示した正負パルス電圧2(正パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ12μ秒と14μ秒、負パルス部分の立ち上がり時間と電圧半値幅はそれぞれ12μ秒と14μ秒、パルス周波数は145Hz、正パルス部分と負パルス部分の間隔は約0.014秒、正パルス部分と負パルス部分のピーク電圧(絶対値)は6〜10kVに調整した。)の計3種類のパルス電圧をパルス電源によってそれぞれ発生させた。発生したパルス電圧を図7に示した第1電極と第2電極に印加することによって、プラズマ放電反応器のギャップ空間にプラズマ放電が発生した。なお、それぞれのパルス電圧波形を発生したときのパルス電源の消費電力(電源入力)を計測して、プラズマ放電による黒煙除去の効果を調べた。図21に、それぞれのパルス電圧波形を用いた場合の黒煙(PM)除去率と電源入力との関係を示す。パルス電圧を印加して、プラズマ放電を発生することにより、PM除去効果が認められた。
本発明のプラズマ放電発生方法では高効率でプラズマ放電を発生させることができる。また、本発明により発生したプラズマ放電は、化学反応、例えば、ディーゼル排ガス(排気)中の黒煙処理のような固体粒子及び/又は液体粒子を含むガスの処理、フロンガス処理、VOC処理などのようなガスの処理、オゾンなどの有用生成物の生産などの有害物質の無害化もしくは有用物質の生成に利用することができ、又は、物理変化、例えば、電気エネルギーを光エネルギーへ転換すること等に利用できる。
本発明の実施の形態(1)におけるプラズマ放電反応器の要部(基本ユニット)の概略構成図である。 ディーゼル機関の排気中の黒煙の除去機構を示す説明図である。 図1に示す構成を積層したもので、一例としてディーゼル機関の排気を処理するためのプラズマ放電反応器を示している。 本発明の実施の形態(2)におけるプラズマ放電反応器の要部の概略構成図である。 従来の間接型プラズマ放電反応器の要部の一例を示す概略構成図である。 実施例1における黒煙発生及び測定装置のシステム図である。 実施例1において用いたプラズマ放電反応器の構造を示す説明図である。 図7に示すプラズマ放電反応器の基本ユニット(要部)を示す斜視図である。 正負パルス電圧波形の一例を示す図であって、縦軸が電圧(kV)であり、かつ横軸が時間(μ秒)であるグラフを示す。 負正パルス電圧波形の一例を示す図であって、縦軸が電圧(kV)であり、かつ横軸が時間(μ秒)であるグラフを示す。 正のパルス電圧波形および負のパルス電圧波形の両パルス波形間の時間間隔が0.0034秒である正負パルス電圧波形の一例を示す図であって、縦軸が電圧(kV)であり、かつ横軸が時間(秒)であるグラフを示す。 従来の直接型プラズマ放電反応器の一例を示す構成説明図である。 従来の直接型プラズマ放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の直接型プラズマ放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の直接型プラズマ放電反応器のさらに他の例を示す構成説明図である。 従来の間接型プラズマ放電反応器の一例を示す構成説明図である。 従来の間接型プラズマ放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の間接型プラズマ放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の間接型プラズマ放電反応器の他の例を示す構成説明図である。 従来の間接型プラズマ放電反応器のさらに他の例を示す構成説明図である。 実施例1の実験結果を示す図であって、縦軸が炭素系粒子状物質(PM)除去率(%)であり、かつ横軸が電源入力(W)であるグラフである。 基本ユニットが積層されている場合の一例を示す。
符号の説明
10、10a 誘電体
11、11a 電極
12、12a 電極
13、13a、14、14a ギャップ(プラズマ放電空間)
15、15a プラズマ放電反応部
16 黒煙中のPM(粒子状物質)
20 反応器本体
21 排気入口
22 排気出口
23 パルス電源に接続された第1電極
24 アースに接続された第2電極
25 アルミナ絶縁管
30 アルミナ板
31 溝
33 排気管
34 プラズマ放電反応器
35 金属電極
36 ガラススペーサー
37 溝
38 板状アルミナ充填層
39 アルミナ絶縁管
40 金属電極

Claims (5)

  1. 誘電体の両面に電極を取り付け、該電極の内面又は誘電体の外面に、ガスを通過させるためのギャップを一定間隔に多数設け、一方の側のギャップの存在しない位置に、他方の側のギャップが存在して位置するようにしてなるプラズマ放電反応部を備えたプラズマ放電反応器の両電極間に、正および負のパルス電圧波形を有するパルス電圧を印加し、プラズマ放電を発生させることを特徴とするプラズマ放電発生方法。
  2. パルス電圧のピーク値(絶対値)が100V〜50kVであり、パルス電圧(絶対値)の立ち上がり時間が10ナノ秒〜0.01秒であり、パルス電圧の半値幅が0.01μ秒〜1秒であり、さらに、パルス電圧の周波数が1Hz〜10kHzの範囲内である請求項1記載の方法。
  3. パルス電圧における正のパルス電圧波形および負のパルス電圧波形の両パルス波形間の時間間隔が、0〜1秒の範囲内である請求項1記載の方法。
  4. 誘電体の両面に電極を取り付け、該電極の内面又は誘電体の外面に、排気ガスを通過させるためのギャップを一定間隔に多数設け、一方の側のギャップの存在しない位置に、他方の側のギャップが存在して位置するようにしてなるプラズマ放電反応部を備えたプラズマ放電反応器の両電極間に、正および負のパルス電圧波形を有するパルス電圧を印加し、プラズマ放電を発生させ、プラズマ放電と排気ガスを接触させることにより排気ガスを無害化する方法。
  5. 排気ガスに炭素系粒子状物質が含まれ、炭素系粒子状物質が除去されることを特徴とする請求項4記載の方法。
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