JP4545418B2 - 眼底カメラ - Google Patents

眼底カメラ Download PDF

Info

Publication number
JP4545418B2
JP4545418B2 JP2003377305A JP2003377305A JP4545418B2 JP 4545418 B2 JP4545418 B2 JP 4545418B2 JP 2003377305 A JP2003377305 A JP 2003377305A JP 2003377305 A JP2003377305 A JP 2003377305A JP 4545418 B2 JP4545418 B2 JP 4545418B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fundus
light
eye
imaging
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003377305A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005137584A (ja
Inventor
浩之 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topcon Corp filed Critical Topcon Corp
Priority to JP2003377305A priority Critical patent/JP4545418B2/ja
Publication of JP2005137584A publication Critical patent/JP2005137584A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4545418B2 publication Critical patent/JP4545418B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Description

本発明は、被検眼の眼底像を撮影するための眼底カメラに関し、特に、CCD等の撮像素子を用いて眼底像の撮影を行うよう構成された眼底カメラに関するものである。
従来から、眼底カメラで被検眼の眼底像を撮影し、その眼底像を調べることにより眼底の状態を検査する手法が広く利用されてきた。以前の眼底カメラの光学系は、例えば下記の特許文献1に示すように、眼底像を対物レンズで結像させるとともに合焦レンズ等で再度結像させ、リレーレンズを介してTVカメラにリレーして眼底像を撮影するよう構成されていた。
実際の医療現場で眼底を検査するに際して様々なニーズが生まれてきた。例えば、眼底をより詳細に調べるために、撮影画角を可変とする光学系を設けて低倍・高倍の2種類の結像倍率で眼底像を撮影可能な眼底カメラが提案されている(例えば特許文献2参照)。また、小さな瞳孔径しか確保できない被検眼の眼底像を撮影する場合(小瞳孔撮影と呼ばれる)に対応するために、照明系の絞り(遮光点)と撮影視野絞りとをそれぞれ可変とした眼底カメラが提案されている(例えば特許文献3参照)。この眼底カメラによれば、撮影倍率を変更せずに小瞳孔撮影を行うことができる。更に、照明光の角膜反射によって眼底像周辺に生じるフレアによる画像の劣化を防止するためにフレアを遮光して撮影視野を制限するマスクを設けた眼底カメラが提案されている。
近年、CCD(Charge−Coupled Device)の画素数が飛躍的に増加したことに伴い、CCDカメラで眼底像を撮影する眼底カメラが開発され普及してきている。特許文献4には、このような眼底カメラの一例として、CCDカメラで撮影した眼底像を電子的に変倍可能に構成されたものが開示されている。
従来のCCD搭載の眼底カメラとしては、各種のパターンマスク画像をあらかじめ記憶しておき、小瞳孔撮影に関する情報などの光学系の情報に応じてパターンマスク画像を選択し、そのパターンマスク画像を眼底像に合成して表示するよう構成された眼底カメラが提案されている。(特許文献5)。
しかし、このようなCCD搭載の眼底カメラには撮影視野を制限するマスクが設けられていないため、照明光の角膜反射光がCCDの撮像面に直接入射しスミアやブルーミングが発生して撮影画像が劣化してしまう。ここで、「スミア」とは、撮像エリアに非常に高輝度の被写体が存在する場合に、垂直転送中に光電変換される電荷量が無視できないレベルとなり、その高輝度の被写体を中心に縦方向の白っぽい筋が現れる現象である。また、「ブルーミング」とは、CCDの撮像面に強い光が入った場合に発生する余剰電荷がその画素の周辺の画素に溢れ出ることにより、光がにじんだような画像になってしまう現象である。
また、撮影される画像は、被検眼の水晶体での照明光の散乱・反射により生じるフレアの影響も受ける。このフレアによる影響は、上述の角膜反射による影響と比較すると小さいものである。実際、角膜の屈折率は約1.376で、空気の屈折率は約1.0であることからその境界面における屈折率の差は0.376程度であるのに対し、水晶体の屈折率は約1.386、硝子体の屈折率は約1.336であるのでその境界面での屈折率の差は0.05程度である。したがって、角膜表面における反射光は、水晶体と硝子体との境界面における反射光の約7.5倍の強さとなる。なお、ここでは水晶体後面の境界面がフレア発生の考慮の対象となり、水晶体前面における前房との境界面はその対象とはならない。
特許第3078030号明細書(〔請求項〕、段落〔0020〕、第3図) 特許第3359126号明細書(〔請求項〕、段落〔0007〕−〔0010〕) 特許第3243272号明細書(〔請求項〕、段落〔0009〕) 特開平11−28189号公報明細書(〔請求項〕、段落〔0010〕) 特開2003−204939号公報明細書(〔請求項〕、段落〔0026〕−〔0028〕)
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、CCD搭載の撮像手段を用いた眼底撮影において、被検眼の水晶体からの反射光によるフレアの影響の無い良好な眼底像を簡単に撮影することが可能な眼底カメラを提供することを目的としている。また、本発明は、角膜反射光によるスミアやブルーミングの影響の無い良好な眼底像を簡単に撮影することが可能な眼底カメラを提供することを目的としている。
更に、本発明は、簡易な構成によって高倍率での撮影や小瞳孔撮影を好適に行うことが可能な眼底カメラを提供することを他の目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被検眼の前眼部と共役な位置に配置され、前記被検眼の眼底を照明する照明光を断面リング状とするリングスリットと、このリングスリットと異なる位置に配置され、前記照明光を遮光する領域を変更可能とする遮光点を構成する部材とを含む照明系と、前記被検眼に臨んで配置される対物レンズと、前記被検眼の瞳孔と共役な位置に配置された撮影絞りと、前記眼底と共役な位置に配置され、前記眼底像の撮影視野を制限するために前記反射光の一部領域を遮光する視野絞りとを含み、前記対物レンズ、前記撮影絞り及び前記視野絞りを介して前記照明光の前記眼底による反射光を結像させる第1の撮影系と、前記眼底と共役な位置に配置され、前記反射光をCCDにより受光して前記被検眼の眼底像を撮影する撮像手段と、前記第1の撮影系における視野絞りにより前記一部領域が遮光された前記反射光をリレーして前記撮像手段の撮像面に結像させるリレーレンズと、を含む第2の撮影系と、前記遮光点により遮光される前記照明光の領域が小さくなるよう変更されたことに対応して、前記撮像手段によって受光された前記反射光の一部領域を電気的にマスキングするよう制御されるマスキング手段と、を備えることを特徴とする眼底カメラである。
また、上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、被検眼の前眼部と共役な位置に配置され、前記被検眼の眼底を照明する照明光を断面リング状とするリングスリットと、このリングスリットと異なる位置に配置され、前記照明光を遮光する領域を変更可能とする遮光点を構成する部材とを含む照明系と、前記被検眼に臨んで配置される対物レンズと、前記被検眼の瞳孔と共役な位置に配置された撮影絞りとを含み、前記対物レンズ及び前記撮影絞りを介して前記照明光の前記眼底による反射光を結像させる第1の撮影系と、前記眼底と共役な位置に配置され、前記反射光をCCDにより受光して前記被検眼の眼底像を撮影する撮像手段と、前記撮像手段の撮像面の近傍に配置されて前記被検眼の角膜による前記照明光の反射光を遮蔽するための遮蔽絞りと、を含む第2の撮影系と、前記遮光点により遮光される前記照明光の領域が小さくなるよう変更されたことに対応して、前記撮像手段によって受光された前記反射光の一部領域を電気的にマスキングするよう制御されるマスキング手段と、を備えることを特徴とする眼底カメラである。
また、上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の眼底カメラであって、前記撮像手段により撮影される前記眼底像の撮影倍率を変更するための変倍手段と、前記変倍手段による前記撮影倍率が所定の倍率以上に変更されたことに対応して、前記遮光点により遮光する前記照明光の領域を小さくするように前記遮光点を構成する部材を制御する制御手段と、を更に備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の眼底カメラであって、瞳孔径が小さな被検眼の眼底像を撮影するために撮影画角を小さく設定して撮影を行う小瞳孔撮影モードに設定するための小瞳孔モード設定手段と、前記小瞳孔モード設定手段によって前記小瞳孔撮影モードに設定されたことに対応して、前記遮光点により遮光する前記照明光の領域を小さくするように前記遮光点を構成する部材を制御する制御手段と、を更に備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、遮光点により遮光される照明光の領域が変更されたことに対応して、撮像手段により受光された反射光の一部領域に電気的にマスキング処理が施される。したがって、遮光点を変更したときに眼底像にフレアが生じる領域に電気的なマスキング処理を行うことができ、良好な眼底像を撮影することができる。
また、第1の撮影系に視野絞りが配置されているので、断面リング状の照明光が被検眼角膜で反射されて撮影系に入射される角膜反射光を遮蔽することができる。したがって、角膜反射光に起因するスミアやブルーミングの影響を除去することができる。また、被検眼の水晶体での反射光に起因するフレアについては、マスキング手段により対処することができる。
さらに、遮光点により遮光される照明光の領域が小さくなるよう変更されると、照明光の断面形状は太いリング状となり撮影画像の周辺部にフレアが生じやすくなるが、マスキング処理が自動的に施されてこのフレアの影響が除去されるので、良好な眼底像を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、遮光点により遮光される照明光の領域が変更されたことに対応して、撮像手段により受光された反射光の一部領域に電気的にマスキング処理が施される。したがって、遮光点を変更したときに眼底像にフレアが生じる領域に電気的なマスキング処理を行うことができ、良好な眼底像を撮影することができる。
また、CCDの近傍に配置された遮蔽絞りによって角膜反射光を遮蔽することができるので、角膜反射光に起因するスミアやブルーミングの影響を除去することができる。また、被検眼の水晶体での反射光に起因するフレアについては、マスキング手段により対処することができる。
さらに、遮光点により遮光される照明光の領域が小さくなるよう変更されると、照明光の断面形状は太いリング状となり撮影画像の周辺部にフレアが生じやすくなるが、マスキング処理が自動的に施されてこのフレアの影響が除去されるので、良好な眼底像を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、撮影倍率が高倍に変更されたことに対応してマスキング処理が自動的に施されるので、高倍での撮影時においても簡単な構成でフレアの無い良好な眼底像を得ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、小瞳孔撮影モードに設定されたことに対応して、遮光点による照明光の遮光領域が小さくなるよう制御され、撮影された眼底像に対して自動的にマスキング処理が施されるので、簡単な構成で小瞳孔撮影を好適に行うことができる。
本発明に係る眼底カメラの実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下、眼底像の撮影視野を制限するために照明光の眼底による反射光の一部領域を遮光する視野絞りと、この視野絞りにより一部領域が遮光された反射光を撮像手段(CCD)の撮像面にリレーし結像させるリレーレンズとを有する構成の眼底カメラを第1の実施の形態として説明し、また、撮像手段の撮像面の近傍に照明光の角膜による反射光を遮蔽する遮蔽絞りを備えた構成の眼底カメラを第2の実施の形態として説明する。なお、本発明に係る眼底カメラはこの第1及び第2の実施の形態に示す構成に限定されるものではない。
[第1の実施の形態]
〔光学系の構成〕
図1は、本発明に係る眼底カメラの光学系の一例を示す概略構成図である。本実施形態の眼底カメラは、被検眼Eの眼底Efに観察用・撮影用の照明光をそれぞれ照射するための照明系10と、この照明光に照射された眼底Efによる反射光を受光して撮影を行うTVカメラ20A及びTVカメラ20Bを有する撮影系20とが設けられている。TVカメラ20Bにより撮影された画像は、モニタMに表示される。TVカメラ20A及びTVカメラ20Bは、撮像素子としてのCCDをそれぞれ備えている。なお、撮影系20は、眼底Efを観察するための光学系を兼用している。
(照明系)
照明系10は、ハロゲンランプ11と、コンデンサレンズ12と、キセノンランプ13と、コンデンサレンズ14と、リングスリット15と、遮光点16a、16bと、反射ミラー17と、リレーレンズ18とを含んで構成されている。なお、図示は省略するが、キセノンランプ13を用いて蛍光撮影を行うときに光軸上に配置されるエキサイタフィルタや、固視標等を表示して被検眼Eに投影するための液晶表示器なども含まれている。
ハロゲンランプ11は、検者が眼底Efを観察するときや動画撮影を行うときに点灯される光源である。コンデンサレンズ12は、ハロゲンランプ11が発した照明光を集光して眼底Efを均等に照射するためのレンズである。また、キセノンランプ13は、眼底Efの静止画を撮影するときに点灯される光源である。コンデンサレンズ104は、キセノンランプ103が発した照明光を集光して眼底Efを均等に照射するためのレンズである。
リングスリット15は、被検眼Eの前眼部と共役な位置に配置されており、光軸を中心としたリング状の透光領域15aを備えている。照明光は、リングスリット15の透光領域15aを通過して断面リング状の光束となって被検眼Eに照射される。
遮光点16a、16b(まとめて遮光点16と呼ぶことがある)は、図1に示す矢印の方向、すなわち照明系10の光軸に直交する方向に移動可能とされている。遮光点16は、図示しないソレノイド等の駆動手段によって移動されて、照明系10の光軸上にそれぞれ選択的に配置されるようになっている。ここで、遮光点16aは、遮光点16bよりも径が小さく形成されている。したがって、遮光点16aが光軸上に配置されると、(リング状の)照明光の断面中心部近傍の小さな領域が遮光され、遮光点16bが光軸上に配置されると、照明光の断面中心部近傍の比較的大きな領域が遮光される。なお、本発明に係る遮光点は、このような構成に限定されるものではない。例えば、3つ以上の異なる径の遮光点を光軸上に選択配置可能に構成してもよい。また、照明系10の光軸方向に移動可能な遮光点を設け、その位置を変化させることによって照明光を遮光する領域を変更させるようにしてもよい。いずれにしても、遮光点16は、照明光を遮光する領域を変更可能に構成されたものであればよい。
反射ミラー17は、ハロゲンランプ11やキセノンランプ13からの照明光を反射して撮影系20の光軸方向に導くためのミラーである。また、リレーレンズ18は、反射ミラー17によって反射された照明光を撮影系20の光軸方向にリレーするためのレンズである。
(撮影系)
本実施形態の眼底カメラの撮影系20は、対物レンズ21と、孔開きミラー22と、撮影絞り23と、フォーカシングレンズ24と、クイックリターンミラー25と、フィールドレンズ26と、視野絞り27と、プリズム28と、リレーレンズ29と、変倍レンズ29Aと、TVカメラ20Aとを含んで構成されている。このTVカメラ20Aは、本発明にいう撮像手段を構成し、被検眼Eの眼底Efと共役な位置に撮像素子としてのCCDを備えている。なお、図示は省略するが、上述の蛍光撮影時に撮影系20の光軸上に配置されるバリアフィルタ等が更に配設されている。
ここで、対物レンズ21、孔開きミラー22、撮影絞り23、フォーカシングレンズ24、フィールドレンズ26及び視野絞り27は、本発明にいう第1の撮影系を構成するもので、眼底Efによる反射光は、対物レンズ21〜フィールドレンズ26を介して視野絞り27の位置において一旦結像される。
また、リレーレンズ29、変倍レンズ29A及びTVカメラ20Aは、本発明にいう第2の撮影系を構成し、視野絞り27の位置において一旦結像された反射光をTVカメラ20AのCCDの撮像面に再結像させる。
対物レンズ21は、眼底Efの観察時や撮影時に被検眼Eに臨んで配置されるレンズである。孔開きミラー22は、照明系10の光軸と撮影系20の光軸とを合成するよう作用するとともに、その中心部近傍に形成された孔部22aを介して照明光の眼底Efによる反射光をTVカメラ20A、20Bに向けて案内するようになっている。撮影絞り23は、被検眼Eの瞳孔と共役な位置に配設されている。フォーカシングレンズ24は、図示しないソレノイド等の駆動手段によって撮影系20の光軸に沿って移動可能に設けられている。なお、本実施形態では単一のフォーカシングレンズ24によって合焦を行うように構成されているが、複数のレンズからなる合焦レンズ系として構成してもよい。
クイックリターンミラー25は、回動軸25aを中心として回動可能に設けられており、TVカメラ20Aで眼底撮影を行うときには図中上方に跳ね上げられて撮影系20の光軸上から退避され、眼底Efによる反射光をTVカメラ20Aに導く。一方、TVカメラ20Bで撮影を行う場合には、クイックリターンミラー25は撮影系20の光軸上に配置され、反射光をTVカメラ20Bに導くよう制御される。
視野絞り27は、被検眼Eの角膜による照明光の反射光を遮蔽するために、眼底像の撮影視野を制限するためのもので、フィールドレンズ26の後方(TVカメラ20A側)近傍、かつ、眼底Efと共役な位置に配置されている。なお、光学系の構成に応じて、視野絞り27をフィールドレンズ26の前方(対物レンズ21側)近傍に配置するように構成してもよい。
プリズム28は、第1の撮影系によって案内されてきた眼底Efによる反射光を反射してその進行方向を変更するためのものである。
リレーレンズ29は、第1の撮影系により一旦結像され、プリズム28により反射された眼底Efによる反射光をリレーし、TVカメラ20AのCCDの結像面に再結像させるためのレンズである。変倍レンズ29Aは、図示しないソレノイド等の駆動手段によって撮影系20の光軸上に挿脱可能に設けられている。なお、この変倍レンズ29Aは、後述する制御系の変倍処理部とともに本発明にいう変倍手段を構成している。
撮影系20は、眼底Efによる反射光をTVカメラ20Bに案内する光学素子として、絞り31、フィールドレンズ32、反射ミラー33及びリレーレンズ34を更に備えている。
このような構成の光学系により、被検眼Eの眼底Efは次のように観察・撮影される。まず、眼底EfをモニタMで観察する場合、クイックリターンミラー25は、撮影系20の光軸上に斜設配置され、ハロゲンランプ11が点灯される。ハロゲンランプ11が発した照明光は、コンデンサレンズ12、14を介してリングスリット15を照射する。リングスリット15の透光領域15aを通過した照明光は、その断面がリング状の光束となる。遮光点16(16a又は16b)が光軸上に配置されているときは、その遮光点16により照明光の中心部領域が遮光される。そして、照明光は、反射ミラー17により反射され、リレーレンズ18によりリレーされ、孔開きミラー22により撮影系20の光軸に沿って被検眼Eの方向に反射され、対物レンズ21により収斂されて被検眼Eに入射されて眼底Efを照明する。このとき、リングスリット15は被検眼Eの前眼部と共役な位置に配置されているので、リングスリット15の透光領域15aの形状(つまりリング状)の像が前眼部に形成される。
被検眼Eの眼底Efを照射した照明光は眼底Efで反射される。この眼底反射光は、前眼部に形成されたリング状の像の中心領域の暗部を通過して被検眼Eから射出され、対物レンズ21により収斂され、孔開きミラー22の孔部22a、撮影絞り23、フォーカシングレンズ24を介してクイックリターンミラー25により上方に反射される。上方に反射された眼底反射光は、絞り31、フィールドレンズ32を介して反射ミラー32により反射され、リレーレンズ34によりTVカメラ20BのCCDの撮像面に結像されて撮影される。モニタMには、TVカメラ20Bにより撮影された眼底像Ef′が表示される。
一方、眼底EfをTVカメラ20Aで撮影する場合、クイックリターンミラー25は撮影系20の光軸上から退避され、キセノンランプ13がフラッシュ発光される。この照明光は、コンデンサレンズ14を介してリングスリット15を照射する。リングスリット15の透光領域15aを通過した照明光は、その断面がリング状の光束となる。遮光点16(16a又は16b)が光軸上に配置されているときは、その遮光点16により照明光の中心部領域が遮光される。そして、照明光は、反射ミラー17により反射され、リレーレンズ18によりリレーされ、孔開きミラー22により撮影系20の光軸に沿って被検眼Eの方向に反射され、対物レンズ21により収斂されて被検眼Eに入射されて眼底Efを照明する。このとき、照明光はリング状の像を前眼部に形成する。
眼底Efを照射した照明光は反射されて上記リング状の像の中心領域の暗部を通過して被検眼Eから射出される。眼底反射光は、対物レンズ21により収斂され、孔開きミラー22の孔部22a、撮影絞り23、フォーカシングレンズ24及びフィールドレンズ26を介して視野絞り27の位置に結像される。視野絞り27の位置にて一旦結像された眼底反射光は、プリズム28により反射されてその進行方向が変更され、リレーレンズ29によってTVカメラ20AのCCDの撮像面に再結像される。これにより、被検眼Eの眼底像が撮影される。なお、高倍率で眼底像を撮影する場合には、眼底反射光の光路上に変倍レンズ29Aが挿入されるようになっている。
〔制御系の構成〕
次に、本実施形態の眼底カメラの制御系の構成について、図2に示すブロック図を参照して説明する。当該眼底カメラの制御系は、装置の全体制御及び各部の制御を行う制御部40を中心に構成されている。この制御部40には、画像記憶部41、表示部42、入力操作部43、小瞳孔モード設定部44、遮光点16(16a、16b)を移動させるための駆動部45、変倍レンズ29Aを撮影系20の光軸に対して挿脱させるための駆動手段46、マスキング処理部47、及び、変倍処理部48がそれぞれ接続されている。また、制御部40にはTVカメラ20Aが接続されており、制御部40は撮影画像を表示するための制御を行うようになっている。なお、図示は省略するが、ハロゲンランプ11やキセノンランプ13をそれぞれ発光させるための電源回路、クイックリターンミラー25を動作させる駆動手段などが制御部40に接続されている。
制御部40は、本発明にいう「制御手段」を構成するもので、各種の演算・制御を実行するCPU等の演算制御装置と、この演算制御装置に所定の演算処理や制御処理を実行させるためのプログラム及び各種のデータを記憶するROM等の記憶装置などを含んで構成されている。当該記憶装置には、特に、TVカメラ20Aにより撮影された画像に各種の電気的処理(デジタル画像処理)を施すためのプログラムが格納されている。
画像記憶部41は、TVカメラ20Aで撮影された画像を記憶するための記憶装置(あるいは記憶装置の所定の記憶領域)からなる。制御部40は、TVカメラ20Aによる撮影画像を受け付け、その撮影画像を画像記憶部41に記憶させる。
表示部42は、TVカメラ20Aで撮影された画像を表示するためのモニタ等の表示装置である。制御部40は、TVカメラ20Aで撮影された画像を例えばRGB信号等の画像データに変換するとともに、必要に応じてその画像データに所定のデジタル画像処理を施し、その画像データを表示部42に送出して表示させる。なお、表示部42は、TVカメラ20Bで撮影された画像を表示するモニタM(図1参照)と兼用の構成としてもよい。
入力操作部43は、本実施形態の眼底カメラの各部を操作するためにユーザが行う入力動作を受け付けるユーザインターフェイスである。例えば、装置の電源のオン/オフを切り換えるための電源スイッチや、カラー撮影/蛍光撮影を切り換えるための切換スイッチ、更には、撮像手段としてのTVカメラ20A/TVカメラ20Bを切り換えるためのスイッチなどがある。また、後述のマスキング処理や変倍処理の実行を手動で設定するためのスイッチなどが含まれていてもよい。更には、照明系10の光軸上に配置される遮光点16を手動で変更するための操作スイッチを設けてもよい。制御部40は、入力操作部43からの入力内容に応じて眼底カメラ各部の設定や動作を制御する。
小瞳孔モード設定部44は、瞳孔径が小さな被検眼Eの眼底像を撮影するための小瞳孔撮影モードを設定する場合に操作されるスイッチ、ボタンあるいはタッチパネル等からなる操作手段である。ユーザが小瞳孔モード設定部44を操作して小瞳孔撮影モードに設定すると、制御手段40は駆動手段46を制御して変倍レンズ29Aを撮影系20の光軸上に挿入して撮影倍率を高倍とする。なお、撮影倍率が高倍となると撮影画角が小さくなる。ここで、小瞳孔モード設定部44は、入力操作部43の一部として構成されていてもよい。この小瞳孔モード設定部44は、本発明にいう「小瞳孔モード設定手段」を構成するものである。
駆動手段45は、制御部40の制御に応じて、照明系10の光軸上に遮光点16を切り換え配置させる。すなわち、制御手段40は、駆動手段45を制御することにより、遮光点16aを配置させるか、遮光点16bを配置させるか、又はいずれも配置させないかを切り換える。なお、この駆動手段45の具体的構成としては、ソレノイドやパルスモータ等を適宜用いることができる。
駆動手段46は、制御部40の制御に応じてTVカメラ20Aによる眼底像の撮影倍率を変更するために変倍レンズ29Aを撮影系20の光軸上に挿脱させるように駆動する。この駆動手段46としては、駆動手段45と同様にソレノイドやパルスモータ等を適宜用いることができる。
マスキング処理部47は、TVカメラ20Aにより撮影された画像に対して電気的にマスキング処理を施すものである。マスキング処理された画像は、画像記憶部41に記憶されるとともに、表示部42により表示される。ここで、電気的なマスキングとは、撮影画像のフレア発生領域等の不要な部分領域を電気的処理、すなわちデジタル処理によってマスクするものであり、本実施形態では、特に、被検眼Eの水晶体での散乱光や水晶体と硝子体との境界面での反射光に起因するフレアの除去を目的とするものである。なお、マスキング処理部47は、本発明にいう「マスキング手段」を構成している。
ところで、通常の眼底カメラでは、被検眼Eに断面リング状の照明光を照射して、照明光のリング内の中心領域を介して被検眼Eから眼底反射光を射出させるとともに、前述の視野絞り27によって眼底反射光の周辺領域が遮蔽されることとなるため、照明光の角膜反射光が眼底反射光に混入して生じるフレア等の悪影響を抑えるようになっている。しかし、被検眼Eの水晶体における照明光の反射光によって発生するフレアについては除去することができない。本実施形態の眼底カメラが備えるマスキング処理部47は、この水晶体に起因するフレアを除去するためのデジタル処理を制御部40の制御を基に実行するものである。
このマスキング処理部47は、撮影画像のフレア発生領域に所定のマスク画像(例えば黒色のリング状の画像)を合成することにより当該フレアの影響を除去する。また、フレア発生領域に相当する画像データを例えば黒色表示用データに置換することによりフレアの影響を除去する。また、撮影画像の各領域の明るさや境界線の鮮明さ等を解析してフレア発生領域を検出することによって、その都度異なるマスク画像を形成してマスキング処理を行うようにすることも可能である。この場合、各患者に応じたマスク画像を記憶してデータベース化しておき、次回以降の眼底撮影時にはそのデータベースからその患者に対するマスク画像を選択して使用するようにしてもよい。
また、TVカメラ20Aにより撮影された眼底像を図示しないプリンタ等で印刷出力する場合、その印刷画像の上下方向を識別させるために、識別情報(例えばマスクの切欠部や矢印マーク等)を付すようにしてもよい。
変倍処理部48は、制御部40の制御を受けて、TVカメラ20Aで撮影された画像を電気的、つまりデジタル的にズームアップ/ダウンさせる処理を行う。処理された画像は、画像記憶部41に記憶されるとともに、表示部42により表示される。なお、変倍処理部48は、撮影系20の変倍レンズ29Aとともに、本発明にいう「変倍手段」を構成している。本発明に係る変倍手段としては、一般に、変倍レンズと変倍処理部48の双方を備える必要はなく、装置の構成に応じていずれか一方のみを備えた構成としてもよい。
なお、本実施形態では、眼底カメラ本体に制御系を備える構成として説明を行うが、そのような構成に限定されるものではない。例えば、眼底カメラ本体にコンピュータ端末等の情報処理装置が有線又は無線のデータ通信手段によって接続され、その情報処理装置によって眼底カメラが制御される構成を採用する場合、制御部40、画像記憶部41、表示部42、入力操作部43、小瞳孔モード設定部44、マスキング処理部47及び変倍処理部48のうち少なくともいずれかを、その情報処理装置に設けるように構成することができる。特に、画像記憶部41については、多数の画像を記憶するために、記憶容量の大きなハードディスクドライブ等の記憶装置を本体外部に別途設け、撮影された眼底像を患者ごとにデータベース化するよう構成することが好ましい。また、複数の眼底カメラをLAN等のネットワークを介して接続し、各眼底カメラにて撮影された画像をサーバ(及びデータベース)によって一括管理するよう構成してもよい。
〔処理手順〕
以上のような構成の光学系及び制御系を備える本実施形態の眼底カメラによる眼底撮影の処理手順について説明する。以下に示す各処理手順は、TVカメラ20Aにより被検眼Eの眼底像を撮影するときの処理形態である。したがって、TVカメラ20Aで撮影を行うための予備的な処理(照明光源やクイックリターンミラー25等に関する処理)は整っているものとする。また、各処理手順は、所定のプログラムに基づいて動作する制御部40によって制御・実行される。なお、本発明に係る眼底カメラは、以下の全ての処理手順を実行可能に構成されている必要はなく、そのうちの少なくとも一つを実行可能であればよい。また、各処理手順をユーザの選択に応じて使用可能に構成してもよい。
(第1の処理形態)
本実施形態の眼底カメラの基本的な処理形態について図3に示すフローチャートを参照して説明する。まず、被検眼Eの眼底像をTVカメラ20Aにより撮影する(S1)。撮影された眼底像の画像データは、制御部40に送信されて画像記憶部41に保存される。次に、当該眼底像の撮影時に、照明系10の遮光点16が小径のもの、すなわち遮光点16bであったか否かを制御部40が検出する(S2)。遮光点16の変更処理は制御部40によって実行されるので、制御部40は当該変更処理の情報を基に上記判定処理を行う。
小径の遮光点16bが照明系10の光軸上に配置された状態でS1の撮影処理が行われたと検出された場合(S2;YES)、制御部40は画像記憶部41に保存された眼底像のデータをマスキング処理部47に送るとともに、マスキング処理部47を制御して当該眼底像に対するマスキング処理を実行させる(S3)。マスキング処理が施されると、制御部40は、その画像を画像記憶部41に保存するとともに、表示部42に送信して表示させる(S4)。
一方、ステップS2において遮光点16aが用いられたと検出された場合、又はいずれの遮光点16も用いられなかったと検出された場合(S2;NO)、制御手段40は、TVカメラ20Aによる撮影画像にマスキング処理を施さず、撮影されたそのままの画像を表示部42に送信して表示させる(S4)。
このような処理手順によれば、小径の遮光点16bを用いて撮影された眼底像に対して自動的に電気的なマスキング処理が施されるので、被検眼Eの水晶体に起因するフレアを容易にかつ効果的に除去することができる。また、被検眼Eの角膜による照明光の反射光は視野絞り27によって遮蔽されるので、スミアやブルーミングの無い良好な眼底像を容易に撮影することができる。また、そのための構成は、上述のように複雑なものではなく簡易なものである。
本処理形態では、小径の遮光点16bが選択されたことに応じてマスキング処理が行われるようになっているが、より一般的に、遮光点により遮光される照明光の領域が連続的に又は離散的に小さくなるように変更されたことに対応して、撮影画像にマスキング処理を施すよう制御することができる。特に、遮光点により形成される照明光の遮光領域に所定のしきい値を設定し、遮光領域がそのしきい値よりも小さくなるように遮光点が変更されたことに対応してマスキング処理部47を動作させるよう制御することができる。
また、図3のフローチャートのS3に示す処理において、画像記憶部41に保存された眼底像のデータのコピーデータをマスキング処理部47に送り、そのコピーデータに対してマスキング処理を施すとともに、S4に示す処理において、マスキング処理が施されたコピーデータを元のデータとともに画像記憶部41に保存するようにしてもよい。
(第2の処理形態)
続いて、本実施形態の眼底カメラの他の処理形態について図4のフローチャートを参照して説明する。当該処理形態は、ユーザが入力操作部43から撮影画像を電気的に高倍に変倍するための操作を行ったときに実行されるものである。なお、変倍レンズ29Aを撮影系20の光軸上に配置して撮影画像を光学的に変倍する場合における処理については後述する。
入力操作部43から眼底像を高倍にするよう操作がなされると(S11;YES)、制御部40は、駆動手段45を制御して、照明系10の光軸上に小径の遮光点16bを配置させる(S12)。そして、この状態で、TVカメラ20Aにより被検眼Eの眼底像を撮影する(S13)。更に、制御部40は、変倍処理部48を制御して、撮影された眼底像を変倍処理部48に送ってデジタル的に高倍に変倍し眼底像の拡大像を形成する(S14)。
制御部40は、撮影された眼底像の画像データをマスキング処理部47に送るとともに、マスキング処理部47を制御して当該眼底像に対するマスキング処理を実行させる(S15)。マスキング処理が施されると、制御部40は、その画像を画像記憶部41に保存するとともに、表示部42に表示させる(S16)。
一方、通常の倍率で撮影された場合には(S11;NO)、TVカメラ20Aにより眼底像を撮影し(S17)、その撮影画像にマスキング処理を施さず、撮影されたそのままの眼底像を表示部42に表示させる(S16)。
このような処理手順によれば、電気的に高倍で撮影された眼底像に対して自動的にマスキング処理が施されるので、被検眼Eの水晶体に起因するフレアを容易にかつ効果的に除去することができる。また、そのための構成も簡単なものとなっている。
更に、被検眼Eの角膜による照明光の反射光は視野絞り27によって遮蔽されるので、角膜反射光により生じるスミアやブルーミングの影響も効果的に除去される。
本処理形態では、撮影倍率が高倍に設定されたことに応じてマスキング処理が行われるようになっているが、特に、撮影倍率に所定のしきい値を設定し、そのしきい値よりも高い倍率に変更されたことに対応してマスキング処理部47を動作させるよう制御することができる。
(第3の処理形態)
本実施形態の眼底カメラの更に他の処理形態について図5のフローチャートを参照して説明する。当該処理形態は、ユーザが小瞳孔モード設定部44から小瞳孔撮影モードによる眼底撮影を設定したときに実行されるものである。
小瞳孔モード設定部44を操作して小瞳孔撮影モードが設定されると(S21;YES)、制御部40は、駆動手段45を制御して、照明系10の光軸上に小径の遮光点16bを配置させる(S22)。このとき、変倍レンズ29Aやフォーカシングレンズ24が所定の位置に配置されるなど、装置各部が小瞳孔撮影モードに応じた設定状態に制御される。そして、この状態で被検眼Eの眼底像がTVカメラ20Aによって撮影される(S23)。
制御部40は、撮影された眼底像の画像データをマスキング処理部47に送るとともに、マスキング処理部47を制御して当該眼底像に対するマスキング処理を実行させる(S24)。マスキング処理が施されると、制御部40は、その画像を画像記憶部41に保存するとともに、表示部42に表示させる(S25)。
一方、小瞳孔撮影モードではなく通常の撮影の場合には(S21;NO)、TVカメラ20Aにより眼底像を撮影し(S26)、その撮影画像にマスキング処理を施さず、撮影されたそのままの眼底像を表示部42に表示させる(S25)。
このような処理手順によれば、小瞳孔撮影モードで撮影された眼底像に対して自動的にマスキング処理が施されるので、被検眼Eの水晶体に起因するフレアを容易にかつ効果的に除去することができる。また、被検眼Eの角膜による照明光の反射光は視野絞り27によって遮蔽されるので、スミアやブルーミングの無い良好な眼底像を容易に撮影することができる。また、そのための構成も簡単なものとなっている。
ところで、小瞳孔撮影モードでの撮影において変倍レンズ29Aにより光学的に変倍を行う場合、視野絞り27とTVカメラ20Aとの間に変倍レンズ29Aが配置されていることから、高倍時には視野絞り27の像はTVカメラ20Aによって記録されない。したがって、角膜による照明光の反射光を遮蔽することができずに撮影画像にはスミアやブルーミングが発生してしまう。この場合においても、本実施形態の眼底カメラによれば、撮影画像にマスキング処理が施されて角膜反射光による影響が効果的に除去されるので、スミアやブルーミングの無い良好な眼底像を容易に撮影することができる。なお、入力操作部33を手動で操作して光学的に高倍に設定する場合においても、この第3の処理形態に示す処理を実行することにより、同様の作用を実現することが可能である。
[第2の実施の形態]
〔光学系の構成〕
図6は、本発明に係る他の眼底カメラの光学系の一例を示す概略構成図である。同図中において、第1の実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付して説明を行うことがある。本実施形態の眼底カメラは、第1の実施形態と同様の照明系10を備えているため、その詳細については第1の実施形態の説明を参照する。また、本実施形態の撮影系20は、第1の実施形態とは異なる光学的構成を備えている。特に、本実施形態の撮影系20は、TVカメラの直前に各種のフィルタやカバーガラスなどを備え、被検眼Eの眼底Efと共役な位置に視野絞りを配置することが困難であることを考慮して、CCDの撮像面にできるだけ近い位置に遮光絞りを設けることにより、照明光の角膜反射光をカットする構成が採用されている。
(撮影系)
本実施形態の眼底カメラの撮影系20は、対物レンズ21と、孔部22aを有する孔開きミラー22と、撮影絞り23と、フォーカシングレンズ24′と、撮影レンズ25′と、変倍レンズ26′と、クイックリターンミラー27′と、遮蔽絞り28′と、フィルタ29′と、CCD20Cを撮像素子として備えるカメラ(撮像手段)とを含んで構成されている。CCD20Cは、被検眼Eの眼底Efと共役な位置にその撮像面が配置されている。
遮蔽絞り28′は、被検眼Eの角膜による照明光の反射光を遮蔽するための光学部材である。また、フィルタ29′は、例えば、被検眼Eの眼底Efによる照明光の反射光に含まれる赤外成分をカットしてゴーストやかぶりを抑える赤外カットフィルタや、眼底反射光の不必要な成分を除去して偽色や色モアレを防止するローパスフィルタなどからなる。
対物レンズ21、孔開きミラー22、撮影絞り23、フォーカシングレンズ24′及び撮影レンズ25′は、本発明にいう第1の撮影系を構成する。また、遮蔽絞り28′、フィルタ29′及びCCD20Cは、第2の撮影系を構成している。
更に、撮影系20には、モニタMに表示される画像を撮影するTVカメラ20B、クイックリターンミラー31′、フィールドレンズ32′、反射ミラー33、リレーレンズ34、フィールドレンズ35及び接眼レンズ36が設けられている。
クイックリターンミラー31′は、回動軸31a′を中心に回動可能に設けられており、クイックリターンミラー27′により反射された眼底反射光の光路を切り換えるよう作用する。具体的には、被検眼Eの眼底EfをTVカメラ20Bで撮影する場合、眼底反射光の光路上からクイックリターンミラー31′を退避させ、フィールドレンズ32′、反射ミラー33、リレーレンズ34を介して眼底反射光をTVカメラ20Bに導く。TVカメラ20Bよる撮影像は、モニタMに眼底像Ef′として表示される。一方、検者が眼底Efを観察する場合には、クイックリターンミラー31′を光路上に斜設して眼底反射光を反射させ、フィールドレンズ35及び接眼レンズ36を介して検者の眼に導くようになっている。
本実施形態の眼底カメラは、図2と同様の制御系を備え、図3〜図5に示すフローチャートと同様の処理手順を実行可能に構成されている。これにより、遮蔽絞り28′によって角膜からの反射光が遮蔽されてスミアやブルーミングの影響が除去されるとともに、被検眼Eの水晶体に起因するフレアは電気的なマスキング処理によって除去される。したがって、スミアやブルーミング、フレアの影響の無い良好な眼底像を容易に撮影することができる。また、そのための構成も簡単なものとなっている。
なお、以上で説明した各実施形態の眼底カメラは、上述のような光学的構成を備えているが、本発明に係る眼底カメラはこのようなものに限定されるものではない。本発明に係る眼底カメラとしては、遮光点のサイズを変更可能とする照明系を備え、少なくとも対物レンズ及び撮影絞りを第1の撮影系として含み、少なくとも眼底反射光をCCDにより受光して被検眼の眼底像を撮影する撮像手段を第2の撮影系として含むとともに、撮像手段により受光された眼底反射光の一部領域、すなわち撮影された眼底像の一部領域を、遮光点のサイズに応じて電気的にマスキングするように制御されるマスキング手段を備えていれば十分である。
上記第1の実施形態は、このような眼底カメラの第1の撮影系に視野絞りが含まれるとともに、第2の撮影系にリレーレンズが含まれた構成の一例を具体的に開示するものである。また、第2の実施形態は、本発明に係る眼底カメラの第2の撮影系に遮蔽絞りを更に含んだ構成の一例を開示するものである。
以上、詳細に説明した構成は本発明を実施するための一具体例に過ぎないものであって、本発明の要旨の範囲内において各種の変形を施すことが可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る眼底カメラが備える光学系の構成を一例を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る眼底カメラが備える制御系の構成を一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る眼底カメラによる処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る眼底カメラによる処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る眼底カメラによる処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る眼底カメラが備える光学系の構成を一例を示す概略図である。
符号の説明
10 照明系
15 リングスリット
16(16a、16b) 遮光点
20 撮影系
20A TVカメラ(撮像手段)
20C CCD
21 対物レンズ
23 撮影絞り
27 視野絞り
29 リレーレンズ
29A 変倍レンズ
26′ 変倍レンズ
28′ 遮蔽絞り
40 制御部(制御手段)
44 小瞳孔モード設定部(小瞳孔モード設定手段)
47 マスキング処理部(マスキング手段)
48 変倍処理部(変倍手段)
E 被検眼
Ef 眼底

Claims (4)

  1. 被検眼の前眼部と共役な位置に配置され、前記被検眼の眼底を照明する照明光を断面リング状とするリングスリットと、このリングスリットと異なる位置に配置され、前記照明光を遮光する領域を変更可能とする遮光点を構成する部材とを含む照明系と、
    前記被検眼に臨んで配置される対物レンズと、前記被検眼の瞳孔と共役な位置に配置された撮影絞りと、前記眼底と共役な位置に配置され、前記眼底像の撮影視野を制限するために前記反射光の一部領域を遮光する視野絞りとを含み、前記対物レンズ、前記撮影絞り及び前記視野絞りを介して前記照明光の前記眼底による反射光を結像させる第1の撮影系と、
    前記眼底と共役な位置に配置され、前記反射光をCCDにより受光して前記被検眼の眼底像を撮影する撮像手段と、前記第1の撮影系における視野絞りにより前記一部領域が遮光された前記反射光をリレーして前記撮像手段の撮像面に結像させるリレーレンズと、を含む第2の撮影系と、
    前記遮光点により遮光される前記照明光の領域が小さくなるよう変更されたことに対応して、前記撮像手段によって受光された前記反射光の一部領域を電気的にマスキングするよう制御されるマスキング手段と、
    を備えることを特徴とする眼底カメラ。
  2. 被検眼の前眼部と共役な位置に配置され、前記被検眼の眼底を照明する照明光を断面リング状とするリングスリットと、このリングスリットと異なる位置に配置され、前記照明光を遮光する領域を変更可能とする遮光点を構成する部材とを含む照明系と、
    前記被検眼に臨んで配置される対物レンズと、前記被検眼の瞳孔と共役な位置に配置された撮影絞りとを含み、前記対物レンズ及び前記撮影絞りを介して前記照明光の前記眼底による反射光を結像させる第1の撮影系と、
    前記眼底と共役な位置に配置され、前記反射光をCCDにより受光して前記被検眼の眼底像を撮影する撮像手段と、前記撮像手段の撮像面の近傍に配置されて前記被検眼の角膜による前記照明光の反射光を遮蔽するための遮蔽絞りと、を含む第2の撮影系と、
    前記遮光点により遮光される前記照明光の領域が小さくなるよう変更されたことに対応して、前記撮像手段によって受光された前記反射光の一部領域を電気的にマスキングするよう制御されるマスキング手段と、
    を備えることを特徴とする眼底カメラ。
  3. 前記撮像手段により撮影される前記眼底像の撮影倍率を変更するための変倍手段と、
    前記変倍手段による前記撮影倍率が所定の倍率以上に変更されたことに対応して、前記遮光点により遮光する前記照明光の領域を小さくするように前記遮光点を構成する部材を制御する制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1又請求項2に記載の眼底カメラ。
  4. 瞳孔径が小さな被検眼の眼底像を撮影するために撮影画角を小さく設定して撮影を行う小瞳孔撮影モードに設定するための小瞳孔モード設定手段と、
    前記小瞳孔モード設定手段によって前記小瞳孔撮影モードに設定されたことに対応して、前記遮光点により遮光する前記照明光の領域を小さくするように前記遮光点を構成する部材を制御する制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の眼底カメラ。
JP2003377305A 2003-11-06 2003-11-06 眼底カメラ Expired - Lifetime JP4545418B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003377305A JP4545418B2 (ja) 2003-11-06 2003-11-06 眼底カメラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003377305A JP4545418B2 (ja) 2003-11-06 2003-11-06 眼底カメラ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005137584A JP2005137584A (ja) 2005-06-02
JP4545418B2 true JP4545418B2 (ja) 2010-09-15

Family

ID=34688074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003377305A Expired - Lifetime JP4545418B2 (ja) 2003-11-06 2003-11-06 眼底カメラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4545418B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4532943B2 (ja) * 2004-03-17 2010-08-25 キヤノン株式会社 眼科用画像処理装置及び処理方法
JP5038626B2 (ja) * 2006-01-13 2012-10-03 興和株式会社 眼底撮影装置
JP4917824B2 (ja) * 2006-04-07 2012-04-18 株式会社トプコン 眼科撮影装置
JP5409410B2 (ja) * 2010-01-18 2014-02-05 興和株式会社 眼科撮影装置
JP5887805B2 (ja) * 2010-09-30 2016-03-16 株式会社ニデック 眼科装置
JP5209143B2 (ja) * 2012-10-23 2013-06-12 株式会社トプコン 眼底観察装置
US11160449B2 (en) 2017-08-29 2021-11-02 Verily Life Sciences Llc Focus stacking for retinal imaging
JP7302342B2 (ja) * 2018-07-02 2023-07-04 株式会社ニデック 眼底撮影装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01195838A (ja) * 1988-01-30 1989-08-07 Topcon Corp 眼底カメラ
JPH06189913A (ja) * 1992-12-24 1994-07-12 Canon Inc 眼底カメラ
JPH0751230A (ja) * 1993-08-10 1995-02-28 Canon Inc 眼底カメラ
JPH11309117A (ja) * 1998-04-28 1999-11-09 Topcon Corp 眼底カメラの光学系
JP2002051985A (ja) * 2000-08-10 2002-02-19 Kowa Co 眼底カメラ
JP2003204939A (ja) * 2002-01-10 2003-07-22 Canon Inc 眼科撮影装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01195838A (ja) * 1988-01-30 1989-08-07 Topcon Corp 眼底カメラ
JPH06189913A (ja) * 1992-12-24 1994-07-12 Canon Inc 眼底カメラ
JPH0751230A (ja) * 1993-08-10 1995-02-28 Canon Inc 眼底カメラ
JPH11309117A (ja) * 1998-04-28 1999-11-09 Topcon Corp 眼底カメラの光学系
JP2002051985A (ja) * 2000-08-10 2002-02-19 Kowa Co 眼底カメラ
JP2003204939A (ja) * 2002-01-10 2003-07-22 Canon Inc 眼科撮影装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005137584A (ja) 2005-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4244160B2 (ja) 眼底カメラ
JP5773598B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP2008110156A (ja) 眼科撮影装置
JP4574277B2 (ja) 眼科撮影装置
JP2016185192A (ja) 眼科装置及び眼科装置の制御方法
JP4545418B2 (ja) 眼底カメラ
JP2006167068A (ja) 眼科撮影装置
JP4447172B2 (ja) 眼底カメラ
JP2009285108A (ja) 眼科撮影装置
JP5048103B2 (ja) 眼科撮影装置
JP2021104229A (ja) 眼底画像処理装置および眼底画像処理プログラム
JPH08182653A (ja) 眼科撮影装置
JP4834452B2 (ja) 眼底撮影装置
JP5508140B2 (ja) 眼底撮像装置及びその処理方法
JPH11188006A (ja) 眼科装置
JP2003290146A (ja) 眼底カメラ
JP2000232961A (ja) 眼底カメラ
JP5539103B2 (ja) 眼底カメラ
JP2000041946A (ja) 眼撮影装置
JPH10272104A (ja) 眼底カメラ
JP2003225208A (ja) 眼底カメラ
JP4503377B2 (ja) 眼底カメラ
JPH105179A (ja) 眼科撮影装置
JP7355194B2 (ja) 眼底撮影装置
JP4566654B2 (ja) 眼科撮影装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061025

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20081217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100629

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100630

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130709

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4545418

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term