JP4541789B2 - 導体用ペースト並びにそれを用いた積層セラミックコンデンサ及び配線基板 - Google Patents

導体用ペースト並びにそれを用いた積層セラミックコンデンサ及び配線基板 Download PDF

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本発明は、導体用ペースト並びにそれを用いた積層セラミックコンデンサ及び配線基板に関する。更に詳しくは、本発明は、スクリーン印刷時の滲み等を抑えることができる導体用ペースト並びにこの導体用ペーストを用いて形成された電極層を備える積層セラミックコンデンサ及びこの導体用ペーストを用いて形成された配線パターンを備える配線基板に関する。
本発明は、ビアアレイ型等の積層セラミックコンデンサ及びこのコンデンサ等の電子部品が実装される配線基板などに利用することができる。
積層コンデンサは、同容積の他の種類のコンデンサと比べて容量が大きいため、種々の電子機器において用いられている。この積層コンデンサとして、内部の電極層と外部の実装端子とがビア導体によって接続され、このビア導体が、電気的に絶縁されなければならない電極層に設けられた、ビアホールよりも大径の開口部を通過する構造とした、所謂、ビアアレイ型コンデンサが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。このような積層コンデンサは、例えば、未焼成セラミックシートに設けられたビアホールに導体用ペーストを充填し、また、その表面に導体用ペーストを印刷して未焼成電極層を形成し、この未焼成シートを所定数積層し、得られた未焼成積層体を焼成することにより製造することができる。
電極層の形成には、導電粉末、有機バインダ、有機溶剤等を含有する導体用ペーストが用いられる。有機バインダとしては、セルロース系樹脂等が使用されることが多く、有機溶剤としてはターピネオール等の親油性の高い溶剤が用いられることが多い(例えば、特許文献3参照。)。また、有機バインダとしてメチルセルロース等の水溶性樹脂を使用し、溶媒として水を用いた導体用ペーストも知られている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平11−204372号公報 特開2002−160467号公報 特開平10−50551号公報 特開2001−11388号公報
近年、ビアアレイ型等の積層コンデンサなどの電子部品では、小型化の要求がより高まっており、それにともなって絶縁層及び電極層の更なる薄膜化が必要となってきている。電極層の薄膜化には、スクリーン印刷の場合、最適なスクリーン印刷版(スクリーンマスク)を用いることが重要であり、加えて薄膜化に適した導体用ペーストを用いる必要がある。この薄膜化のためには100Pa・s以下、特に60Pa・s以下程度の低粘度の導体用ペーストを用いることが好ましい。また、このように低粘度の導体用ペーストを使用すれば、生産性を向上させることもできる。
しかし、特許文献3記載の非水溶性樹脂と親油性の高い溶剤とを含有し、粘度の低い導体用ペーストを用いた場合、印刷時に滲みが発生し易いという問題がある。更に、導体用ペーストの調製に用いられることが多いターピネオール等の有機溶剤は親油性が高く、一方、スクリーン印刷版に配設された樹脂層(乳剤)も一般に親油性の高いものであるため、導体用ペーストと樹脂層との親和性が高くなり、より滲み易くなるという問題もある。このような滲みは、ビアアレイ型積層コンデンサにおける微小且つ多数の開口部を有する電極層、並びに線幅及び配線間の間隔が小さい配線パターン等の導体層を形成する場合に、より大きな問題となる。例えば、ビアアレイ型積層コンデンサでは、セラミック層を介して対向して配設され、互いに絶縁されるべき電極間が、開口部における滲みのために導通されてしまえば、コンデンサとして機能しないものとなる。
一方、特許文献4記載の水溶性樹脂と親水性溶剤等とを含有する導体用ペーストを用いた場合は、スクリーン印刷版に配設された樹脂層が、親水性溶剤の影響により変質して剥がれてしまい、スクリーン印刷版が使用不能となることがある等の問題がある。
本発明は上記の従来の問題を解決するものであり、非水溶性樹脂を含有する導体用ペーストに用いる有機溶剤として親水親油バランスの異なる溶剤を併用し、スクリーン印刷版に配設された親油性の高い樹脂層との親和性を調整することにより、滲みの発生が抑えられた導体用ペースト並びにそれを用いた積層セラミックコンデンサ及び配線基板を提供することを目的とする。
1.非水溶性樹脂と、該非水溶性樹脂を溶解する溶解溶剤と、希釈溶剤と、導電粉末とを含有した、樹脂層が配設されたスクリーンマスクを用いて塗膜を形成するための導体用ペーストであって、
上記希釈溶剤の親水親油バランス値が、該溶解溶剤の親水親油バランス値より大きく、
上記非水溶性樹脂は、セルロース類であり、上記溶解溶剤は、炭素数が5以上の1価アルコールであり、上記希釈溶剤は、炭素数2〜4の多価アルコールであることを特徴とする導体用ペースト。
2.上記希釈溶剤の親水親油バランス値が、上記溶解溶剤の親水親油バランス値の1.3倍以上である上記1.に記載の導体用ペースト。
3.上記希釈溶剤の親水親油バランス値が4以上であり、上記溶解溶剤の親水親油バランス値が3以下である上記1.又は2.に記載の導体用ペースト。
4.上記希釈溶剤及び上記溶解溶剤からなる溶剤全体の親水親油バランス値の平均値が3〜7である上記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の導体用ペースト。
5.上記多価アルコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール及びジエチレングリコールのうちの少なくとも1種である上記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の導体用ペースト。
6.上記溶解溶剤及び上記希釈溶剤の合計含有量に対する上記非水溶性樹脂の含有量の比が0.03〜0.11である上記1.乃至.のうちのいずれか1項に記載の導体用ペースト。
7.上記非水溶性樹脂の重量平均分子量が85000以上である上記1.乃至.のうちのいずれか1項に記載の導体用ペースト。
8.粘度が1〜30Pa・sである上記1.乃至.のうちのいずれか1項に記載の導体用ペースト。
9.コンデンサ基体と、第1電極層と、第2電極層とを備える積層セラミックコンデンサにおいて、
上記第1電極層及び上記第2電極層は、それぞれ複数層あり、上記コンデンサ基体の内部において、上記第1電極層の各層と上記第2電極層の各層とは、上記第1電極層の次には上記第2電極層とし、その次には上記第1電極層とし、その次には上記第2電極層とするというように、互い違いに配置され、上記コンデンサ基体の内部にはセラミック層が複数層備えられ、上記第1電極層と、上記第2電極層とが、上記セラミック層を介して積層されており、上記第1電極層の各層同士は、電気的に導通しており、上記第2電極層の各層同士は、電気的に導通しており、上記第1電極層及び上記第2電極層が、上記1.乃至.のうちのいずれか1項に記載の導体用ペーストを用いて形成されていることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
10.上記コンデンサ基体の外面に形成された第1実装端子及び第2実装端子と、上記第1電極層と該第1実装端子とを電気的に接続している第1ビア導体と、上記第2電極層と該第2実装端子とを電気的に接続している第2ビア導体とを更に備え、該第1ビア導体は該第2電極層に設けられた開口部を通過し、該第1ビア導体と該第2電極層とが電気的に絶縁されており、該第2ビア導体は該第1電極層に設けられた開口部を通過し、該第2ビア導体と該第1電極層とが電気的に絶縁されているビアアレイ型積層コンデンサである上記.に記載の積層セラミックコンデンサ。
11.未焼成基板と、該未焼成基板の表面に形成された未焼成配線パターンとを備える未焼成体が焼成されてなる配線基板であって、
上記未焼成配線パターンは、上記1.乃至.のうちのいずれか1項に記載の導体用ペーストを用いて形成されたものであることを特徴とする配線基板。
希釈溶剤の親水親油バランス値が、溶解溶剤の親水親油バランス値より大きい本発明の導体用ペーストによれば、スクリーン印刷に用いられるスクリーン印刷版に配設された親油性の樹脂層に対する親和性を適度に低くすることができ、滲みを抑えることができる。更に、粘度を低下させることができ、印刷時の作業性を向上させることもできる。
また、希釈溶剤の親水親油バランス値が、溶解溶剤の親水親油バランス値の1.3倍以上である場合、及び希釈溶剤の親水親油バランス値が4以上であり、溶解溶剤の親水親油バランス値が3以下である場合は、いずれもより確実に滲みを抑えることができる。
更に、希釈溶剤及び溶解溶剤からなる溶剤全体の親水親油バランス値の平均値が3〜7である場合は、溶剤間の相溶性が高く、非水溶性樹脂も十分に溶解し、良好な外観を有する導体用ペーストとすることができ、印刷版に配設された親油性の高い樹脂層に対する導体用ペーストの親和性も適度に低下させることができ、滲みを抑えることができる。
また、多価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール及びジエチレングリコールのうちの少なくとも1種である場合は、印刷版に配設された親油性の樹脂層に対する親和性を適度な範囲とすることができ、滲みを抑えることができる。
更に、溶解溶剤及び希釈溶剤の合計含有量に対する非水溶性樹脂の含有量の比が0.03〜0.11である場合は、サドル現象(塗膜の幅方向において塗膜厚さが中央部より両端側で厚くなる現象)を抑えることができる。
また、非水溶性樹脂の重量平均分子量が85000以上である場合は、サドル現象を抑えることができる。
更に、粘度が1〜30Pa・sである場合は、印刷が容易であり、作業性がより向上する。
本発明の積層セラミックコンデンサは、電極層が本発明の導体用ペーストを用いて形成され、滲みが抑えられているため、信頼性が高い。
また、印刷時の滲みがより大きな問題となるビアアレイ型積層セラミックコンデンサの場合も、滲みが確実に抑えられ、信頼性が高い。
本発明の配線基板は、配線パターンが本発明の導体用ペーストを用いて形成され、滲みが抑えられているため、信頼性が高い。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]導体用ペースト
本発明の導体用ペーストには、非水溶性樹脂、溶解溶剤、希釈溶剤及び導電粉末が含有される。
(1)非水溶性樹脂
上記「非水溶性樹脂」は難水溶性又は非水溶性の樹脂である。この非水溶性樹脂は、25℃における水に対する溶解度が5質量%以下、特に3質量%以下であり、実質的に水に不溶のものも多い。非水溶性樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース類、ポリメチルメタクリレート等のアクリルエステル系樹脂、ポリビニルブチラール等のブチラール系樹脂、及びアクリル系樹脂などが挙げられ、本発明ではセルロース類が用いられる。この非水溶性樹脂としては、エチルセルロース等が好ましい。非水溶性樹脂は1種のみであってもよく、2種以上が含有されていてもよい。
非水溶性樹脂の含有量は特に限定されず、非水溶性樹脂、溶解溶剤、希釈溶剤及び導電粉末の合計を100質量%とした場合に、2〜20質量%とすることができ、2〜15質量%、特に2〜10質量%とすることが好ましい。 非水溶性樹脂の含有量が2〜20質量%であれば、導体用ペーストの粘度を低くすることができ、スクリーン印刷等により印刷する際に、均質な塗膜を形成することができ、作業性が向上する。
また、非水溶性樹脂の重合度も特に限定されないが、重量平均分子量が85000以上であることが好ましく、90000以上(通常、200000以下である。)であることがより好ましい。非水溶性樹脂の重量平均分子量が85000以上であれば、後記の溶解溶剤及び希釈溶剤の合計含有量に対する非水溶性樹脂の含有量の比が同程度である場合に、重量平均分子量が大きくなるとともに、サドル現象をより抑えることができる。一方、重量平均分子量が大きくなると印刷厚さが大きくなる傾向があるため、サドル現象と印刷厚さとを勘案して所望の重量平均分子量を有する非水溶性樹脂を用いることが好ましい。この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフを用いて、ポリスチレン換算により求めることができる。
(2)溶解溶剤
上記「溶解溶剤」は、非水溶性樹脂を溶解する溶剤であり、本発明の導体用ペーストでは、希釈溶剤に比べて親水親油バランス値(以下、「HLB値」という。)が小さい。この溶解溶剤としては、(1)1価アルコール、特に炭素数が5以上の1価アルコール、例えば、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ノニルアルコール、ブチルカルビトール等、(2)アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、本発明では炭素数が5以上の1価アルコールが用いられる。この溶解溶剤としては、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ノニルアルコール等が好ましい。
溶解溶剤としては、ターピネオール及びジヒドロターピネオールが用いられることが多く、特に、ジヒドロターピネオールを用いた場合は、他の条件が同様であれば、ターピネオールを用いたときに比べて、印刷厚さをより小さくすることができ、且つ塗膜の表面粗さをより小さくすることもでき、好ましい。
溶解溶剤は1種のみであってもよく、2種以上が含有されていてもよい。
尚、これらの溶解溶剤に加えて、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶剤、特に炭素数が8以上の炭化水素系溶剤、例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、トリデカン、シクロオクタン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、テトラリン等を併用することもできる。更に、混合溶剤であるミネラルスピリット及びソルベントナフサ等を併用することもできる。
本発明の導体用ペーストでは溶解溶剤の含有量は特に限定されず、非水溶性樹脂、溶解溶剤、希釈溶剤及び導電粉末の合計を100質量%とした場合に、15〜45質量%とすることができ、15〜40質量%、特に15〜35質量%とすることが好ましい。溶解溶剤の含有量が15〜40質量%であれば、非水溶性樹脂を十分に溶解することができ、その一部が析出することもない。尚、溶解溶剤の含有量が45質量%を越えると、導体用ペーストの粘度が低くなりすぎ、滲みが発生することがあり好ましくない。更に、導体用ペーストとスクリーン印刷版に配設された樹脂層との親和性が高くなりすぎることによっても、滲みが発生する傾向にある。
(3)希釈溶剤
上記「希釈溶剤」は、本発明の導体用ペーストでは、溶解溶剤と比べてHLB値が大きい。この希釈溶剤としては、多価アルコールが好ましい。特に炭素数2〜6、更に炭素数2〜4の多価アルコールがより好ましく、本発明では炭素数2〜4の多価アルコールが用いられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール,1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール等の2価アルコール及びグリセリン等の3価アルコールなどが挙げられる。この多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンが特に好ましい。
希釈溶剤は1種のみであってもよく、2種以上が含有されていてもよい。
本発明の導体用ペーストでは希釈溶剤の含有量は特に限定されず、非水溶性樹脂、溶解溶剤、希釈溶剤及び導電粉末の合計を100質量%とした場合に、2〜30質量%とすることができ、2〜25質量%、特に2〜10質量%とすることが好ましい。希釈溶剤の含有量が2〜30質量%であれば、特に溶解溶剤の含有量が多い場合であっても、導体用ペーストとスクリーン印刷版に配設された樹脂層との親和性が高くなりすぎることがなく、印刷時の滲みの発生が抑えられる。尚、希釈溶剤が過多であると、特に溶解溶剤の含有量が少ない場合、非水溶性樹脂の一部が析出することがあり、また、導体用ペーストと印刷版に配設された樹脂層との親和性が低くなりすぎ、かすれ(はじき)等の印刷不良が発生することもある。
溶解溶剤と希釈溶剤との含有割合によっては、非水溶性樹脂の一部が溶解せず、析出することがあるが、溶解溶剤、希釈溶剤及び非水溶性樹脂を混合した際に、混合液がやや白濁する程度であれば実用上は何ら問題ない。しかし、白濁する場合や、非水溶性樹脂がゲル状に観察されるほどに析出する場合は、そのような含有割合の溶解溶剤と希釈溶剤とを含有する導体用ペーストは、実用に供することができないことがある。
更に、本発明の導体用ペーストでは、非水溶性樹脂と各々の溶剤の合計との含有割合も特定の範囲内にあることが好ましい。即ち、非水溶性樹脂、溶解溶剤及び希釈溶剤の合計を100質量%とした場合に、非水溶性樹脂は5〜30質量%、特に5〜20質量%であることが好ましい。また、溶解溶剤は60〜85質量%、特に65〜80質量%であることが好ましく、希釈溶剤は5〜30質量%、特に5〜20質量%であることが好ましい。この範囲の含有割合であれば、適度な粘度を有する導体用ペーストとすることができる。更に、溶解溶剤と希釈溶剤との含有割合も特定の範囲内にあることが好ましく、溶解溶剤及び希釈溶剤の合計を100質量%とした場合に、希釈溶剤は、30質量%以下、特に20質量%以下であることが好ましい。この範囲の含有割合であれば、非水溶性樹脂が十分に溶解し、優れた外観を有する導体用ペーストとすることができ、印刷時の滲みの発生も抑えられる。
また、非水溶性樹脂と各々の溶剤の合計との含有割合は、溶解溶剤及び希釈溶剤の合計に対する非水溶性樹脂の質量比としても表すことができ、この質量比は特に限定されないが、溶解溶剤及び希釈溶剤の合計含有量(Cs)に対する非水溶性樹脂の含有量(Cr)の比(Cr/Cs)が0.03〜0.11であることが好ましく、0.04〜0.10であることがより好ましい。このCr/Csが0.03〜0.11であれば、滲みの発生が抑えられ、且つサドル現象を抑制することもできる。更に、Cr/Csが0.03〜0.11であり、且つ非水溶性樹脂の重量平均分子量が85000以上であれば、サドル現象をより抑えることができる。
本発明の導体用ペーストでは、溶解溶剤と希釈溶剤とが併用されることで、塗膜の表面粗さが小さくなり、特に優れた薄層部品用電極層及び薄層部品用導体層を形成することができる。表面粗さの絶対値は導体用ペーストの組成等により変化するが、希釈溶剤を併用した場合は、JIS B 0601−1994により測定したRaを約30%小さくすることができ、Rzを約20%小さくすることができる。この希釈溶剤を用いない場合、導体用ペーストの粘度を大きく低下させることができ、平均印刷厚さは小さくなり、且つサドル現象も抑えることができる。しかし、滲みが発生し、更には塗膜の表面粗さが大きくなり、特に、薄層部品用電極層及び薄層部品用導体層として用いたときは、積層される未焼成シートが損傷を受けたり、層間が十分に密着しないという問題が発生する。
Ra低下率(%)=[(希釈溶剤を用いないときのRa−希釈溶剤を用いたときのRa) /希釈溶剤を用いないときのRa]×100
Rz低下率(%)=[(希釈溶剤を用いないときのRz−希釈溶剤を用いたときのRz) /希釈溶剤を用いないときのRz]×100
(4)導体用ペーストの外観及び印刷時の滲みの有無
本発明の導体用ペーストにおいて、溶解溶剤は、非水溶性樹脂を溶解する溶剤であり、また、希釈溶剤は、溶解溶剤と相溶性があり、且つスクリーン印刷版に配設された樹脂層に対する導体用ペーストの親和性を適度に低下させる溶剤である。これら特定のHLB値を有する溶剤を、それぞれ所定量併用することにより、導体用ペーストの透明性を高めることができ、印刷時の滲みの発生が抑えられる。尚、非水溶性樹脂の一部が溶解しない場合でも、混合液がやや白濁する程度であれば、十分に実用に供し得る導体用ペーストとすることができる。
希釈溶剤のHLB値は、溶解溶剤のHLB値より大きく、特に、希釈溶剤のHLB値は、溶解溶剤のHLB値の1.3倍以上であることが好ましい。希釈溶剤のHLB値は、溶解溶剤のHLB値の2倍以上、特に1.3〜15倍、更に2〜10倍であることが好ましく、3〜8倍であることがより好ましい。希釈溶剤のHLB値が溶解溶剤のHLB値の1.3倍以上であれば、スクリーン印刷版に配設された樹脂層に対する導体用ペーストの親和性を適度に低下させることができ、印刷時の滲みの発生を抑えることができる。一方、希釈溶剤のHLB値が溶解溶剤のHLB値に比べて過度に大きい場合は、溶解溶剤と希釈溶剤との相溶性が低下し、非水溶性樹脂の一部が析出することがあり、更には印刷版に配設された樹脂層に対する導体用ペーストの親和性が低くなりすぎ、かすれ(はじき)等の印刷不良が発生することがあるため好ましくない。
尚、HLB(hydrophile-lipophile-balance)値はグリフィンの式[HLB値=20×(親水基の質量比)]に基づいて算出した値である[例えば、化学大辞典(株式会社東京化学同人発行)の278頁参照]。ここで、親水基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基が挙げられる。
更に、希釈溶剤のHLB値は4以上、特に4〜15、更に5〜12であることが好ましい。溶解溶剤のHLB値は3以下、特に1〜3、更に2〜3であることが好ましい。希釈溶剤及び溶解溶剤の各々のHLB値が、それぞれ上記の特定の範囲内にある場合は、優れた外観を有し、スクリーン印刷版に配設された樹脂層に対して適度な親和性を有する導体用ペーストとすることができる。それにより、滲みの発生が十分に抑えられ、印刷時の作業性も向上する。
また、希釈溶剤のHLB値と溶解溶剤のHLB値との平均値は、3〜7、特に3.5〜6、更には4〜5であることが好ましい。この平均値が3〜7であれば、外観に優れ、スクリーン印刷版に配設された樹脂層に対して適度な親和性を有する導体用ペーストとすることができる。その結果、滲みの発生が十分に抑えられ、印刷時の作業性も向上する。尚、平均HLB値は、希釈溶剤と溶解溶剤との合計を100質量%とした場合の、希釈溶剤の含有割合と親水親油バランス値との積と、溶解溶剤の含有割合と親水親油バランス値との積との合計を100で除して算出することができる。
HLB値の平均値が3〜7となる溶剤の組み合わせは特に限定されないが、溶解溶剤として炭素数5以上の1価アルコールを使用し、希釈溶剤として多価アルコールを用いることが好ましい。特に、1価アルコールとしてターピネオール、ジヒドロターピネオール及びノニルアルコールのうちの少なくとも1種を使用し、多価アルコールとしてエチレングリコール及びプロピレングリコールのうちの少なくとも一方を用いることが好ましい。これらのうちでもターピネオール及び/又はジヒドロターピネオールとエチレングリコールとを組み合わせて使用することがより好ましい。
(5)導電粉末
上記「導電粉末」としては、貴金属(金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、オスミニウム、ルテニウム及びイリジウム)、銅、ニッケル、スズ、亜鉛、コバルト、クロム、チタン、タンタル、タングステン並びにインジウム等の金属の粉末が挙げられる。更に、これらの金属のうちの2種以上からなる合金の粉末が挙げられる。金属としては、貴金属、銅及びニッケルが好ましく、金、銀及び銅がより好ましい。合金としては、貴金属を含有する合金、銅合金及びニッケル合金が好ましく、銀合金及び銅合金がより好ましい。導電粉末は1種のみであってもよく、2種以上が含有されていてもよい。
導電粉末の平均粒径は特に限定されず、0.2〜2.0μmであればよく、0.3〜1.2μm、特に0.4〜0.8μmであることが好ましい。導電粉末の平均粒径が0.4〜0.8μmであれば、コンデンサ等をより薄層化することができ、平均粒径が0.2〜0.8μmであれば、更に薄層化することができる。尚、この導電粉末の平均粒径はレーザー回折式粒度分布測定機によって測定することができる。
また、導電粉末の含有量は特に限定されず、非水溶性樹脂、溶解溶剤、希釈溶剤及び導電粉末の合計を100質量%とした場合に、30〜80質量%とすることができ、40〜80質量%、特に50〜70質量%とすることが好ましい。導電粉末の含有量が30〜80質量%であれば、導体層の組織を緻密化することができ、コンデンサ等の薄層化も容易である。更に、導体用ペーストの粘度が高くなりすぎず、十分な流動性を有する導体ペーストとすることができ、スクリーン印刷等により印刷する際に均質な塗膜を形成することができる。
(6)導体用ペーストの粘度
導体用ペーストの粘度は特に限定されないが、50Pa・s以下であることが好ましく、30Pa・s以下であることが特に好ましい。また、この粘度は、通常、5Pa・s以上である。粘度が50Pa・s以下であれば、サドル現象を十分に抑えることができ、作業性も良好であり好ましい。また、5Pa・s以上であれば、滲みの発生が十分に抑えられる。尚、本発明の導体用ペーストでは、溶剤として特定の溶解溶剤と希釈溶剤とを併用しているため、30Pa・s以下、特に20Pa・s以下、更には10Pa・s以下という通常は滲みが発生し易い低粘度域であっても、滲みの発生を十分に抑え得る導体用ペーストとすることができる。
(7)その他の成分
導体用ペーストには、非水溶性樹脂、溶解溶剤、希釈溶剤及び導電粉末の他に、可塑剤、消泡剤等を含有させることができる。
可塑剤としては、フタル酸ジエステル等の不飽和酸のエステルが挙げられる。可塑剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。この可塑剤の含有量は特に限定されず、導電粉末を100質量部とした場合に、1〜5質量部とすることができる。
消泡剤は、導体用ペーストを未焼成セラミックシートに印刷する際の精度を向上させる作用を有するものである。この消泡剤としては、ポリジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン−オキシアルキレンブロック共重合体、フルオロアルキル基含有ポリシロキサン、ポリプロピレングリコール、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。この消泡剤の含有量は特に限定されず、導電粉末を100質量部とした場合に、1〜5質量部とすることができる。
[2]積層セラミックコンデンサ
本発明の積層セラミックコンデンサは、セラミックからなるコンデンサ基体と、その内部に、セラミック層を介して交互に配設されている第1電極層及び第2電極層と、を備える。そして、第1電極層及び第2電極層の各々が、本発明の導体用ペーストを用いて形成されている。この積層セラミックコンデンサの構造は特に限定されないが、ビアアレイ型である場合に、印刷時の作業性に優れ、滲みの発生が抑えられるという本発明の導体用ペーストの作用、効果が特に十分に奏される。
このビアアレイ型積層セラミックコンデンサは、例えば、図1のような構造を有する。
セラミックからなるコンデンサ基体11と、このコンデンサ基体11の内部にセラミック層を介して交互に配設されている第1電極層121及び第2電極層122とを備え、コンデンサ基体11の外面には第1実装端子131及び第2実装端子132が形成されている。また、第1電極層121と第1実装端子131とは、第1ビア導体141により電気的に接続されており、第2電極層122と第2実装端子132とは第2ビア導体142により電気的に接続されている。更に、第1ビア導体141は、第2電極層122に設けられた開口部1221を通過し、即ち、第1ビア導体141と第2電極層122とが接触せず、これにより、第1ビア導体141と第2電極層122とが電気的に絶縁されている。また、第2ビア導体142は第1電極層121に設けられた開口部1211を通過し、同様に第2ビア導体142と第1電極層121とが電気的に絶縁されている。このようにして、ビアアレイ型積層セラミックコンデンサ1が形成されている。
第1電極層121及び第2電極層122の平面形状は特に限定されず、例えば円形、楕円形、及び三角形、四角形等の多角形などとすることができる。更に、セラミック層を介して交互に配設されている第1電極層121及び第2電極層122の配設数は特に限定されず、コンデンサの容量、寸法、用途等により適宜設定することができる。
第1電極層及び第2電極層並びに第1実装端子及び第2実装端子は、貴金属(金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、オスミニウム、ルテニウム及びイリジウム)、銅、ニッケル等により形成することができる。また、コンデンサ基体となるセラミックとしては各種の誘電体セラミックを使用することができる。この誘電体セラミックとしては、チタン酸塩(チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛等)、スズ酸カルシウム、スズ酸バリウム、ジルコン酸バリウムなどが挙げられる。
このビアアレイ型積層セラミックコンデンサは、例えば、以下のようにして製造することができる。
セラミック粉末等のセラミック原料、有機バインダ、可塑剤及び溶剤等を配合し、混合してセラミックスラリーを調製し、その後、このセラミックスラリーを使用し、ドクターブレード法等によりシートを成形し、乾燥して未焼成セラミックシートを作製する。次いで、この未焼成セラミックシートの所定位置に所要個数のビアホールを形成し、このビアホールに導体用ペーストを充填する。この導体用ペーストは電極層の形成に用いられる導体用ペーストと同じものであってもよいし、組成の異なるものであってもよい。その後、未焼成セラミックシートの一面に、スクリーン印刷等により導体用ペーストを印刷し、塗膜を形成し、乾燥する。この塗膜には、焼成後、導通されるべきでない電極層とビア導体とが導通されることのないように、通常、それぞれ隣り合うビアホールのうちの一方が大径に形成され、開口部となっている。ビアアレイ型積層セラミックコンデンサにおいては、開口部が小さいほど、コンデンサとしてより高性能な特性を有する。よって、かかる特徴を考慮すると、開口部の径は通常500μm以下、特に400μm以下、更に300μm以下であることが好ましい。
上記のようにして、その表面に導体用ペーストを用いてなる塗膜が形成された未焼成セラミックシートを所要数作成し、それらのシートを、相対向する電極層が導通されることのないように積層し、未焼成セラミックシート積層体を作製する。次いで、最表層の未焼成セラミックシートの表面に実装端子を形成し、その後、所定形状及び寸法のコンデンサチップとなるように切断し、次いで、焼成することにより、ビアアレイ型積層セラミックコンデンサを製造することができる。
[3]配線基板
本発明の配線基板は、未焼成基板と、この未焼成基板の表面に形成された未焼成配線パターンとを備える未焼成体が焼成されてなり、未焼成配線パターンは、本発明の導体用ペーストを用いて形成される。
この配線基板の構造は特に限定されず、例えば、図2のように、積層された未焼成基板が焼成され、一体となって形成されているセラミック基体1と、各々の未焼成基板の表面に形成され、導体用ペーストを用いてなる未焼成配線パターンが焼成されてなるそれぞれの配線パターン22とを備える配線基板とすることができる。
セラミック基体を形成するセラミックは特に限定されず、前記の積層セラミックコンデンサにおけるセラミック基体の形成に用いられるセラミックと同様のセラミックなどが挙げられる。また、配線パターンも、どのような導電材料からなっていてもよいが、通常、Ag、Au及びCu等により形成することができる。尚、この配線基板は、セラミック層と配線パターンとをそれぞれ1層有するものでもよいし、図2のように、セラミック基体に複数層の配線パターンが配設されたものでもよい。
この配線基板は、例えば、以下のようにして製造することができる。
セラミック粉末等のセラミック原料、有機バインダ及び溶剤等を配合し、混合してセラミックスラリーを調製する。このスラリーには必要に応じて可塑剤等を配合することもできる。その後、このセラミックスラリーを使用し、ドクターブレード法等によりシートを成形し、乾燥して未焼成基板を作製する。次いで、この未焼成基板の表面に、スクリーン印刷等により導体用ペーストからなる塗膜を形成し、乾燥する。その後、未焼成基板の形成と、未焼成配線パターンの形成とを繰り返し、次いで、得られた未焼成積層体を一体に焼成することにより、配線基板を製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実験例1〜4
溶解溶剤及び希釈溶剤の各々の種類と配合量による導体用ペーストの外観の相違を観察した。
エチルセルロース2.2gに、表1に記載の溶解溶剤及び希釈溶剤を合計で8.8gとなるように、且つ表1の質量割合となるように配合し、その後、それぞれの配合物を目視で観察し、その外観を確認した。結果を表1に併記する。
Figure 0004541789
表1の結果によれば、溶解溶剤としてターピネオール(HLB値;2.2)、希釈溶剤としてエチレングリコール(HLB値;11.0)(希釈溶剤のHLB値は溶解溶剤のHLB値の5.0倍)を用いた実験例1−1〜1−3では、ターピネオールが67質量%(平均HLB値;5.1)及び75質量%(平均HLB値;4.4)の場合は、無色透明であり、良好な外観であった。一方、ターピネオールが50質量%、即ち、エチレングリコールが50質量%(平均HLB値;6.6)と多い場合はやや白濁していた。これは親水性の高いエチレングリコールが多いためであるが、この混合物を用いた導体用ペーストは何ら問題なく使用することができた。また、溶解溶剤としてターピネオール、希釈溶剤としてプロピレングリコール(HLB値;8.9)(希釈溶剤のHLB値は溶解溶剤のHLB値の4.0倍)を用いた実験例2−1〜2−3では、ターピネオールが50質量%(平均HLB値;5.6)、67質量%(平均HLB値;4.4)及び75質量%(平均HLB値;3.9)のいずれの場合も、無色透明であり、良好な外観であった。これはプロピレングリコールの親水性がエチレングリコールより低いためである。
更に、溶解溶剤としてノニルアルコール(HLB値;2.4)、希釈溶剤としてエチレングリコール(希釈溶剤のHLB値は溶解溶剤のHLB値の4.6倍)を用いた実験例3−1〜3−3では、ノニルアルコールが75質量%(平均HLB値;4.6)の場合は無色透明であり、良好な外観であったが、ノニルアルコールが67質量%(平均HLB値;5.3)で既に僅かに白濁しているのがみられ、ノニルアルコールが50質量%(平均HLB値;6.7)の場合はやや白濁していた。これはターピネオールに比べて親油性が低いノニルアルコールと、親水性の高いエチレングリコールとを組み合わせて用いたためであるが、いずれの混合物を用いた導体用ペーストも何ら問題なく使用することができた。また、溶解溶剤としてノニルアルコール、希釈溶剤としてプロピレングリコール(希釈溶剤のHLB値は溶解溶剤のHLB値の3.7倍)を用いた実験例4−1〜4−3では、ノニルアルコールが67質量%(平均HLB値;4.6)及び75質量%(平均HLB値;4.0)の場合は無色透明であり、良好な外観であったが、ノニルアルコールが50質量%(平均HLB値;5.7)の場合、エチルセルロースの析出によりゲル化し、この混合物を用いた導体用ペーストは実用に供し得なかった。
実施例1〜8及び比較例1〜3
溶剤の種類と配合量が異なる導体用ペーストの粘度を測定し、この導体用ペーストを用いて印刷した場合の滲みの発生の有無を評価した。
[1]導体用ペーストの製造
非水溶性樹脂であるエチルセルロース2.2gに、溶解溶剤であるターピネオール6.29gを配合し、遊星回転機能を有する予備攪拌機により混合し、その後、80℃のホットテーブル上で1時間加熱し、次いで、上記の予備攪拌機により再び攪拌し、エチルセルロースを溶解させた。その後、希釈溶液であるエチレングリコール2.51gを配合し、予備攪拌し、次いで、3本ロールを通過させて混合物を得た。その後、この混合物に導電粉末であるAg微粉末13.2gを配合し、予備攪拌し、次いで、3本ロールを通過させて実施例1の導体用ペーストを製造した。
また、ターピネオールの配合量、並びに希釈溶剤の種類及び配合量を、それぞれ表2のようにした他は、実施例1と同様にして実施例2〜8の導体用ペーストを製造した。更に、ターピネオールの配合量を表2に記載のとおりとし、希釈溶剤を配合しなかった他は、実施例1と同様にして比較例1〜3の導体用ペーストを製造した。
尚、実施例1〜8において、溶解溶剤と希釈溶剤との平均HLB値は4.1又は4.7である。
Figure 0004541789
[2]粘度の測定及び滲みの有無の評価
(1)粘度の測定
実施例1〜8及び比較例1〜3の導体用ペーストの粘度を、回転円筒粘度計(ハーケ株式会社製、型式「VK−550」)により、ロータの回転数10rpm、温度25℃の条件で測定した。結果を表3に示す。
(2)滲みの有無の評価
(a)未焼成セラミックシートの作製
ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる長尺のキャリアフィルム上に、チタン酸バリウム粉末を含有するセラミックスラリーを均一に塗布し、乾燥させて、セラミック薄層を形成した。次いで、70〜90℃で乾燥して厚さ5μmの未焼成セラミックシートを作製した。
(b)印刷
上記(a)で作製した未焼成セラミックシートの表面に、実施例1〜8及び比較例1〜3の導体用ペーストを使用し、スクリーン印刷によって塗膜を作製した。また、スクリーンマスクとしては、直径290μm又は232μmの円形の開口部が等間隔に設けられており、樹脂層(乳剤)の厚さが3μmであるものを用いた。尚、印刷時のマスク面と印刷面とのギャップは2mm、印圧は0.069MPa、スキージの移動速度は240mm/秒とした。このようにして作製した塗膜に形成された上記開口部と略同形の非印刷部分を光学顕微鏡により観察することにより、その周縁における滲みの有無を確認した。結果を表2に併記する。また、実施例1及び比較例2の各々の導体用ペーストを使用して形成した塗膜について、開口部の直径が232μmである場合の状況を、光学顕微鏡の観察結果に基づいて図3及び図4にそれぞれ示す。
尚、表2における評価結果の基準は、○は、滲みがほとんどない又は僅かに滲みが観察される、×は、開口部の特に印刷方向の周縁によりはっきりとした滲みが観察される、である。
表2の結果によれば、導電粉末と非水溶性樹脂との合計に対する溶剤量が同じである実施例1〜2と比較例1、実施例3〜4と比較例2、実施例5〜6と比較例3を、それぞれ比較してみると、希釈溶剤を含有する各々の実施例の粘度は、希釈溶剤を含有しないそれぞれの比較例の粘度に比べて30〜40%低くなっていることが分かる。一方、下記の滲みの有無の評価結果では、各々の実施例では滲みがほとんど発生しないか僅かに発生する程度であり、それぞれの比較例に比べて優れている。このように、本発明の導体用ペーストは、一般には滲みが発生し易い低粘度、特に実施例3〜6のように4.9〜11.9Pa・s、更には実施例5〜6のように4.9〜5.3Pa・sと低い粘度でありながら、滲みの発生が十分に抑えられることが分かる。
また、滲みの有無の評価では、希釈溶剤が含有されず、溶解溶剤の含有量が各々11.0g、13.2gと多い比較例2及び3では、導体用ペーストの親油性が特に高く、開口部の直径にかかわらず、滲みが確認された。また、希釈溶剤が含有されず、溶解溶剤の含有量が8.8gと少ない比較例1では、導体用ペーストの親油性が比較例2、3に比べて低くなるため、開口部の直径が290μmの場合は滲みの発生が僅かであるが、開口部の直径が232μmとより小さい場合は滲みが確認された。このように開口部の直径が小さいほど滲みが発生し易く、希釈溶剤を含有しない導体用ペーストでは、実用に供し得ないことがある。
一方、実施例1〜6では、希釈溶剤のHLB値が溶解溶剤のHLB値の4.9倍又は4.0倍であり、溶解溶剤と希釈溶剤の平均HLB値が4.1又は4.7と好ましい範囲内にあり、希釈溶剤の種類によらず、且つ溶解溶剤と希釈溶剤との含有割合にもよらず、いずれの場合も滲みは発生しないか僅かに発生する程度であり、優れていることが分かる。
更に、希釈溶剤としてグリセリンを用いた実施例7〜8でも、希釈溶剤のHLB値が溶解溶剤のHLB値の5.0倍であり、溶解溶剤と希釈溶剤の平均HLB値が4.7と好ましい範囲内にあり、また、他の実施例及び希釈溶剤を含有しない比較例1〜3に比べてかなり粘度が高くなっているが、同様に滲みの発生は僅かであり、更には粘度が高い場合に発生し易いサドル現象等の印刷不良も発生しなかった。
実施例9〜13及び比較例4
溶剤の合計含有量と非水溶性樹脂の含有量との比、及び非水溶性樹脂の重量平均分子量が異なる導体用ペーストの粘度、この導体用ペーストを用いて連続的に10枚印刷した場合の印刷厚さ、印刷により形成された塗膜の表面粗さ、及び10枚目の印刷シートにおける非印刷部分の径を測定し、更に、印刷枚数による滲みの発生の有無を評価した。
[1]導体用ペーストの製造
非水溶性樹脂であるエチルセルロース(表3に記載の重量平均分子量を有する。)に、溶解溶剤であるターピネオールを表3の質量割合になるように配合し、遊星回転機能を有する予備攪拌機により混合し、その後、80℃のホットテーブル上で1時間加熱し、次いで、上記の予備攪拌機により再び攪拌し、エチルセルロースを溶解させた。その後、希釈溶剤であるエチレングリコールを表3の質量割合になるように配合し、予備攪拌し、次いで、3本ロールを通過させて混合物を得た。その後、この混合物に導電粉末であるNi微粉末、セラミック粉末であるチタン酸バリウム粉末及び可塑剤であるジオクチルフタレート(表3では「DOP」と表記する。)を表3の質量割合になるように配合し、予備攪拌し、次いで、3本ロールを通過させて実施例9〜13及び比較例4(この比較例4では希釈溶剤は配合されていない。)の導体用ペーストを製造した。
Figure 0004541789
[2]粘度、印刷厚さ、表面粗さ及び開口径の測定、並びに印刷枚数による滲みの発生の有無の評価
(1)粘度の測定
実施例9〜13及び比較例4の導体用ペーストの粘度を、回転円筒粘度計(ハーケ株式会社製、型式「VK−550」)により、ロータの回転数10rpm、温度25℃の条件で測定した。結果を表4に示す。
(2)印刷厚さ、表面粗さ及び開口径の測定、並びに印刷枚数による滲みの発生の有無の評価
(a)未焼成セラミックシートの作製
ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる長尺のキャリアフィルム上に、チタン酸バリウム粉末を含有するセラミックスラリーを均一に塗布し、乾燥させて、セラミック薄層を形成した。次いで、70〜90℃で乾燥して厚さ5μmの未焼成セラミックシートを作製した。
(b)印刷
上記(a)で作製した未焼成セラミックシートの表面に、実施例9〜13及び比較例4の導体用ペーストを使用し、スクリーン印刷によって塗膜を形成した。スクリーンマスクとしては直径327μmの円形の開口部が等間隔に設けられており、樹脂層(乳剤)の厚さが3μmであるものを用いた。尚、印刷時のマスク面と印刷面とのギャップは2mm、印圧は0.069MPa、スキージの移動速度は240mm/秒とした。また、この印刷は各々の導体用ペーストを用いてそれぞれ連続的に10枚の未焼成セラミックシートについて行った。
(c−1)印刷厚さの測定
上記(b)で形成した10枚の印刷シートの各々の塗膜の厚さを、触針式表面粗さ計(東京精密社製、形式「SURFCOM 1400D」)を用いて、触針により未焼成セラミックシートと塗膜との段差を掃引することにより測定した。表4に10枚の印刷シートのそれぞれの塗膜の印刷厚さの平均値を示す。
(c−2)表面粗さの測定
上記(b)で形成した10枚の印刷シートの各々の塗膜の表面粗さを、JIS B 0601−2001に準拠し、触針式表面粗さ計(東京精密社製、形式「SURFCOM 1400D」)を用いて、触針により塗膜の表面を掃引することにより測定した。表4に10枚の印刷厚さの平均値を示す。
(c−3)開口径の測定
上記(b)で形成した10枚の印刷シートのうちのそれぞれ10枚目の印刷シートに形成された塗膜をスケール付きの光学顕微鏡により観察し、塗膜に形成されたスクリーンマスクの開口部と略同形の非印刷部分の径(表4では「開口径」と表記する。)を10個の非印刷部分について測定した。表4に10個の開口径の平均値を示す。
(c−4)滲みの有無
上記(b)で形成した10枚の印刷シートの各々の塗膜に形成されたスクリーンマスクの開口部と略同形の非印刷部分を光学顕微鏡により観察することにより、その周縁における滲みの有無を確認した。また、実施例11及び比較例4の各々の導体用ペーストを使用して形成した10枚目の塗膜の状況を、光学顕微鏡の観察結果に基づいて図5及び図6にそれぞれ示す。
尚、表4における評価結果の基準は、○は、滲みがほとんどない又は僅かに滲みが観察される、×は、開口部の特に印刷方向の周縁によりはっきりとした滲みが観察される、である。
Figure 0004541789
表4の結果によれば、実施例9〜13の導体ペーストの粘度は10.1〜27.3Pa・sであり十分に低いことが分かる。また、印刷厚さは、Cr/Csが比較的大きい実施例9、13及び非水溶性樹脂の重量平均分子量が比較的大きい実施例12では、厚くなる傾向があるが、Cr/Csが小さい実施例10及び非水溶性樹脂の重量平均分子量が比較的小さい実施例11では、十分に薄くすることができる。更に、実施例9〜13の導体ペースト用いた場合の塗膜の表面粗さは、いずれも比較例4の場合に比べて小さく、これらの導体ペーストは薄層部品用電極層及び薄層部品用導体層の形成に有用であることが分かる。また、実施例9〜13の導体ペースト用いて印刷した場合、いずれも10枚印刷時に滲みは観察されず、開口径も比較例4に比べて大きく、良好な印刷性を有することが分かる。
[3]多数枚印刷時の滲みの有無
上記[1]で製造した導体用ペーストのうち、上記[2]、(2)、(c−1)の印刷厚さ、(c−2)の表面粗さ、(c−3)の開口径、及び(c−4)の滲みの有無の評価のいずれにおいても結果が良好であった実施例11の導体用ペーストと、比較例4の導体用ペーストを用いて、上記[2]、(2)、(b)と同様にして(但し、スクリーンマスクの開口部の直径は328μmである。)印刷し、多数枚印刷したときの滲みの有無を上記(c−4)と同様にして確認した。また、実施例11の導体用ペーストを使用して形成した1枚目及び100枚目の塗膜の状況を光学顕微鏡による観察結果に基づいて図7及び図8にそれぞれ示す。更に、比較例4の導体用ペーストを使用して形成した1枚目及び7枚目の塗膜の状況を光学顕微鏡による観察結果に基づいて図9及び図10にそれぞれ示す。
この多数枚印刷では、希釈溶剤が併用されており、且つ溶剤の合計含有量に対する非水溶性樹脂の含有量の比(表3では「Cr/Cs」と表記する。)、及び非水溶性樹脂の重量平均分子量が好ましい範囲内にあり、印刷厚さ、表面粗さ、開口径及び滲みの有無のいずれにおいても優れている実施例11の導体用ペーストでは、図8のように、100枚印刷時にも滲みはほとんど観察されず、図7の1枚目印刷時と比べて大差のないことが分かる。一方、希釈溶剤を含有していない比較例4の導体用ペーストでは、図9の1枚目印刷時は特に問題ないものの、図10の7枚目印刷時に既に滲みが観察される。このように、希釈溶剤が併用されており、且つCr/Cs及び非水溶性樹脂の重量平均分子量が好ましい範囲内にある場合は、繰り返し印刷したときにも滲みが発生せず、又は少なくとも滲みの発生が抑えられ、良好な印刷性が維持されることが分かる。
尚、上記[2]、(2)、(c−3)と同様にして測定した開口径は、実施例11の導体用ペーストを用いて1枚印刷したときは320.5μm、100枚印刷したときは312.2μmであり、比較例4の導体用ペーストを用いて1枚印刷したときは326.3μm、7枚印刷したときは309.1μmであった。このように、比較例4の導体用ペーストでは、7枚目の印刷時に既に実施例11の導体用ペーストを用いて100枚印刷した時点での開口径より小さくなっており、滲みの結果と併せて、希釈溶剤が併用されており、且つCr/Cs及び非水溶性樹脂の重量平均分子量が好ましい範囲内にある場合の良好な印刷性が裏付けられている。
[4]サドル現象の評価
上記[1]で製造した導体用ペーストのうちの実施例10〜12及び比較例4の各々の導体用ペーストを用いて、スクリーン印刷により、線幅714μm、配線間の間隔327μm、厚さ約2μmであり、形状が長方形の配線パターンを形成し、その幅方向の断面における塗膜厚さの変動を、触針式表面粗さ計(東京精密社製、形式「SURFCOM 1400D」)を用いて、触針により配線パターンの表面を掃引することにより測定し、サドル現象の有無を評価した。実施例10〜12及び比較例4の各々の結果を、それぞれ図11〜14に示す。尚、図11〜14において、縦軸は塗膜厚さの幅方向における変動を表しており、「0」が塗膜の平均厚さである。
図11〜14によれば、溶剤の合計含有量に対する非水溶性樹脂の含有量の比が小さい実施例10(図11)及び比較例4(図14)では、サドル現象が十分に抑えられていることが分かる。また、Cr/Csは同じであり、非水溶性樹脂の重量平均分子量が異なる実施例11(図12)と実施例12(図13)では、実施例11に比べて非水溶性樹脂の重量平均分子量が大きい実施例12の場合、サドル現象はより抑えられており、非水溶性樹脂の重量平均分子量とサドル現象との相関が裏付けられている。
本発明のビアアレイ型積層セラミックコンデンサの断面を表す模式図である。 本発明の配線基板の断面を表す模式図である。 実施例1の導体用ペーストをセラミックグリーンシートの表面に印刷し、光学顕微鏡で観察した結果に基づく説明図である。 比較例2の導体用ペーストをセラミックグリーンシートの表面に印刷し、光学顕微鏡で観察した結果に基づく説明図である。 実施例11の導体用ペーストを10枚のセラミックグリーンシートの表面に印刷したときの、10枚目の印刷シートを光学顕微鏡で観察した結果に基づく説明図である。 比較例4の導体用ペーストを10枚のセラミックグリーンシートの表面に印刷したときの、10枚目の印刷シートを光学顕微鏡で観察した結果に基づく説明図である。 実施例11の導体用ペーストを100枚のセラミックグリーンシートの表面に印刷したときの、1枚目の印刷シートを光学顕微鏡で観察した結果に基づく説明図である。 実施例11の導体用ペーストを100枚のセラミックグリーンシートの表面に印刷したときの、100枚目の印刷シートを光学顕微鏡で観察した結果に基づく説明図である。 比較例4の導体用ペーストを7枚のセラミックグリーンシートの表面に印刷したときの、1枚目の印刷シートを光学顕微鏡で観察した結果に基づく説明図である。 比較例4の導体用ペーストを7枚のセラミックグリーンシートの表面に印刷したときの、7枚目の印刷シートを光学顕微鏡で観察した結果に基づく説明図である。 実施例10の導体用ペーストを用いて導体パターンを形成したときの、幅方向のサドル現象を示すグラフである。 実施例11の導体用ペーストを用いて導体パターンを形成したときの、幅方向のサドル現象を示すグラフである。 実施例12の導体用ペーストを用いて導体パターンを形成したときの、幅方向のサドル現象を示すグラフである。 比較例4の導体用ペーストを用いて導体パターンを形成したときの、幅方向のサドル現象を示すグラフである。
符号の説明
1;ビアアレイ型積層セラミックコンデンサ、11;コンデンサ基体、121;第1電極層、1211;第1電極層に設けられた開口部、122;第2電極層、1221;第2電極層に設けられた開口部、131;第1実装端子、132;第2実装端子、141;第1ビア導体、142;第2ビア導体、2;配線基板、21;セラミック基体、22;配線パターン。

Claims (11)

  1. 非水溶性樹脂と、該非水溶性樹脂を溶解する溶解溶剤と、希釈溶剤と、導電粉末とを含有した、樹脂層が配設されたスクリーンマスクを用いて塗膜を形成するための導体用ペーストであって、
    上記希釈溶剤の親水親油バランス値が、該溶解溶剤の親水親油バランス値より大きく、
    上記非水溶性樹脂は、セルロース類であり、
    上記溶解溶剤は、炭素数が5以上の1価アルコールであり、
    上記希釈溶剤は、炭素数2〜4の多価アルコールであることを特徴とする導体用ペースト。
  2. 上記希釈溶剤の親水親油バランス値が、上記溶解溶剤の親水親油バランス値の1.3倍以上である請求項1に記載の導体用ペースト。
  3. 上記希釈溶剤の親水親油バランス値が4以上であり、上記溶解溶剤の親水親油バランス値が3以下である請求項1又は2に記載の導体用ペースト。
  4. 上記希釈溶剤及び上記溶解溶剤からなる溶剤全体の親水親油バランス値の平均値が3〜7である請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の導体用ペースト。
  5. 上記多価アルコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール及びジエチレングリコールのうちの少なくとも1種である請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の導体用ペースト。
  6. 上記溶解溶剤及び上記希釈溶剤の合計含有量に対する上記非水溶性樹脂の含有量の比が0.03〜0.11である請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載の導体用ペースト。
  7. 上記非水溶性樹脂の重量平均分子量が85000以上である請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載の導体用ペースト。
  8. 粘度が1〜30Pa・sである請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載の導体用ペースト。
  9. コンデンサ基体と、
    第1電極層と、
    第2電極層とを備える積層セラミックコンデンサにおいて、
    上記第1電極層及び上記第2電極層は、それぞれ複数層あり、
    上記コンデンサ基体の内部において、上記第1電極層の各層と上記第2電極層の各層とは、上記第1電極層の次には上記第2電極層とし、その次には上記第1電極層とし、その次には上記第2電極層とするというように、互い違いに配置され、
    上記コンデンサ基体の内部にはセラミック層が複数層備えられ、
    上記第1電極層と、上記第2電極層とが、上記セラミック層を介して積層されており、
    上記第1電極層の各層同士は、電気的に導通しており、
    上記第2電極層の各層同士は、電気的に導通しており、
    上記第1電極層及び上記第2電極層が、請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載の導体用ペーストを用いて形成されていることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  10. 上記コンデンサ基体の外面に形成された第1実装端子及び第2実装端子と、上記第1電極層と該第1実装端子とを電気的に接続している第1ビア導体と、上記第2電極層と該第2実装端子とを電気的に接続している第2ビア導体とを更に備え、該第1ビア導体は該第2電極層に設けられた開口部を通過し、該第1ビア導体と該第2電極層とが電気的に絶縁されており、該第2ビア導体は該第1電極層に設けられた開口部を通過し、該第2ビア導体と該第1電極層とが電気的に絶縁されているビアアレイ型積層コンデンサである請求項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  11. 未焼成基板と、該未焼成基板の表面に形成された未焼成配線パターンとを備える未焼成体が焼成されてなる配線基板であって、
    上記未焼成配線パターンは、請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載の導体用ペーストを用いて形成されたものであることを特徴とする配線基板。
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