以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1はイオン発生装置を搭載した空気清浄機の分解斜視図、図2は図1の本体正面図、図3は図1の本体の断面図である。
イオン発生装置を搭載した空気清浄機は、図1から図3に示すように、空気清浄機の本体1、本体の前板2、複数種類のフィルタからなるフィルタ部3、ファン用のモータ4、ターボファン5、タンク44、加湿フィルタ41、第1吹出口6a、第2吹出口6b、イオン発生装置10、運転状態の表示機能を有する操作部103、前板2の吸込口2a、および空気清浄機の運転を遠隔制御するための信号を操作部103に対して指示するために操作されるリモコン(リモートコントローラの略)130を備える。
空気清浄機の本体1は、本体1の前面の一部を被うように、前板2を設けた構造になっている。
本体1は、前面側から見て、フィルタ部3を収納する凹部からなる収納部であって長方形をした開口部を有している。開口部の底面部にはフィルタ部3を通過した室内空気を通す穴24が放射状に形成されている。放射状の穴24の背面にはターボファン5およびそれを回転させるファンモータ4が配置される。ターボファン5の上側に空気を室内に吹出す第1吹出口6aおよび第2吹出口6bが設けられている。イオン発生装置10は、ターボファン5の上方に送風経路25の途中に配設される。
前板2は、本体1から一定空間をもって本体1に係止する形態で取付けられ、その中央部には室内の空気を吸込む吸込口2aが上下に形成されている。前板2と本体1との隙間からも室内の空気を吸い込むように、前板2を本体1に取付けるようにしてもよい。
フィルタ部3は、図1に示すように、プレフィルタ3a、脱臭フィルタ3bおよび集塵フィルタ3cの3種類から構成され、それらが吸込口2a側から順にフィルタ枠34に収納されて本体1の前面凹部に収納される。プレフィルタ3aは塵や埃の大きい粒子を捕集し、脱臭フィルタ3bはアセトアルデヒド、アンモニア、酢酸などの臭い成分を吸着し、集塵フィルタ3cはHEPAシートにより空気中の塵や埃を捕集する。
フィルタ部3をこのようなフィルタ構成にすることにより、プレフィルタ3aで、室内より吸込んだ空気中の塵や埃を捕集し、脱臭フィルタ3bでは、空気中の臭いの成分であるアセトアルデヒド、アンモニア、酢酸などを吸着させ、最後に集塵フィルタ3cでプレフィルタ3aを通過した微細な塵や埃を捕集されるので、フィルタ部3を出た空気は臭いや塵・埃の除去された空気となる。
室内の空気を吸込むターボファン5を回転させるファンモータ4は、フィルタ部3の下流側に配設され、ターボファン5の形態は後ろ曲がりの半径方向に長い羽をし、最も静圧が高く、静音効果を発揮する。ファンモータ4には制御性を重視した直流モータを使用している。本実施の形態におけるファンモータ4は、風量を6段階に切換え可能としている。
空気清浄機本体1の一方の側部には、水を貯めておくための着脱可能なタンク44が収納される。タンク44の下方の給水口が、受皿43と結合される。タンク44に貯留された水は、給水口から受皿43に流れ出て、受皿43に供給される。受皿43に貯留される水は、水面が所定の高さに維持される構造となっている。
加湿フィルタ41は、受皿43の上面を被う上蓋42により支持され、その下方の一部が受皿43に貯留された水に浸される。加湿フィルタ41は、フィルタ部3の下流側、ターボファン5の上流側に配設される。加湿フィルタ41は、イオン発生装置10よりも吸込口2a側に配置される。
加湿フィルタ41は、受皿43に貯留された水を吸い上げて水分を含んだ状態となる。この状態で加湿フィルタ41に風が送られると、加湿フィルタ41に含まれる水が気化する。ターボファン5が回転することにより、空気が流動し、吸込口11aから吸込まれてフィルタ部3を透過した空気は、その一部が加湿フィルタ41を通過してイオン発生装置10に向けられて搬送される。その後、第1吹出口6aまたは第2吹出口6bから室内に放出される。
空気清浄機の本体1は、フィルタ部3を収納する収納部の上部に、温度センサ151と、湿度センサ152と、ホコリセンサ153と、ニオイセンサ154とを備える。ホコリセンサ153は空気中に浮遊する粒子を検出する粒子センサである。ニオイセンサ154は、金属酸化物半導体からなるセンサ表面にガス成分が吸着すると抵抗値が変化することを利用した周知のものである。
次に、空気清浄機の運転モードについて説明する。空気清浄機は、自動モード、15分間強モード、花粉モード、静音モード、急速モード、おでかけモードの6つの運転モードで駆動可能である。自動モードは、温度センサ151と、湿度センサ152と、ホコリセンサ153と、ニオイセンサ154とで検出された温度、湿度、汚れ度に基づいて、イオン発生装置10と、ファンモータ4とを制御する運転モードである。これについては後により詳細に説明する。
15分間強モード、花粉モード、静音モード、急速モードは、ファンモータ4の駆動モードを示し、ファンモータ4を制御して風量を時間的に変化させる運転モードである。15分間強モードとは、ターボファン5を15分間強(風量5)で駆動した後、自動モードに切換る。花粉モードでは、例えば10分間、ターボファン5が風量「強(風量5)」で運転後に風量「中(風量4)」、「強(風量5)」で繰返し運転をする。静音モードではターボファン5により微風で静かな運転をする。急速モードではターボファン5による風量「急速(風量6)」で運転される。おでかけモードは、ファンモータ4およびイオン発生装置10を停止させる第1期間とファンモータ4を標準の風量(風量4)で駆動させる第2期間を繰返す運転モードである。後により詳細に説明する。
イオン発生装置10の駆動モードには、イオンコントロールモードと、クリーンモードとがある。イオンコントロールモードとは、イオン発生装置10から負イオンを正イオンよりも多く発生させるモード、または、負イオンのみを発生させるモードをいう。クリーンモードとは、イオン発生装置10からほぼ同程度の量の正負イオンを発生させるモードをいう。
自動モードにおいては、ホコリセンサ153と、ニオイセンサ154の出力に基づき、汚れ度を算出し、この汚れ度に基づいて風量が決定される。また、温度センサ151と、湿度センサ152とで検出された温度と湿度とが特定状態にあるか否かが判断され、特定状態にあるか否かと汚れ度とからイオン発生装置10の駆動モードが決定される。汚れが最も低い場合で特定状態にない場合に、イオンコントロールモードとされ、その他の場合にはクリーンモードとされる。さらに、特定状態にある場合にはみはりモードとされる。
イオン発生装置10の駆動モードのうちクリーンモードはみはりモードを含む。みはりモードは、クリーンモードの一部である。みはり浄化モードは、温度センサ151で検出された温度と湿度センサ152で検出された湿度とが特定状態にあるときのイオン発生装置10の駆動モードである。ここでは、温度センサ151で検出された温度と湿度センサ152で検出された湿度とが特定状態にない状態を通常状態という。イオン発生装置10は、室内の温度と湿度とが特定状態にある場合には駆動モードがみはりモードとされ、通常状態にある場合よりも多くの正負イオンを発生させる。
おでかけモードにおいては、ファンモータ4およびイオン発生装置10を45分間停止させた後、ファンモータ4を15分間風量4で駆動させる間欠運転が繰返される。ファンモータ4を駆動している期間に、イオン発生装置10は停止される。なお、ファンモータ4を駆動している期間に、イオン発生装置10を駆動するようにしてもよい。この場合におけるイオン発生装置10の駆動モードは、イオンコントロールモードであってもクリーンモードであってもよい。
しかしながら、おでかけモードに設定されている場合に上記間欠運転がなされるのは、次の2つの条件が共に満たされる場合である。
(1)ホコリセンサ153と、ニオイセンサ154の出力に基づき算出された汚れ度が「0」であること。
(2)温度と湿度が特定状態にない場合である。
この2つの条件が満たされない場合には、自動モードで運転する。ただし、自動モードで運転中に、室内の環境が改善されて上記2つの条件が満たされることとなったときには、間欠運転する。
すなわち、空気清浄機は、おでかけモードでは、上記2つの条件が満たされている間は間欠運転を行い、2つの条件がみたされていない間は自動モードで運転する。ここでは、おでかけモードにおいて、自動モードで運転される間を、特に特定駆動状態という。すなわち、おでかけモードでは空気清浄機は、通常は間欠運転をする状態にあるが、室内の環境によって特定駆動状態となる。
図4は、特定状態の一例を示す図である。図4(A)を参照して、縦軸に温度を、横軸に湿度をとり、温度と湿度とで定まる領域を示している。特定状態は、温度が24℃以上34℃以下で湿度が0%以上25%以下の第1領域と、温度が0℃以上24℃以下で湿度が0%以上40%以下の第2領域と、温度が0℃以上13℃以下で湿度が40%以上100%以下の第3領域を含む。第1領域〜第3領域は、ウィルスが活動しやすい領域である。特に、第2領域は、アレルゲンが浮遊しやすい環境である。
図5は、汚れ度評価テーブルの一例を示す図である。この汚れ度評価テーブルは、空気清浄機が有する読出専用メモリ(ROM)に予め記憶されているものである。図5を参照して、汚れ度評価テーブルは、ニオイセンサ出力レベル、ホコリセンサ出力レベル、両センサ加算値および汚れ度を対応付けて記憶するテーブルである。本実施の形態においては、ニオイセンサ154の出力レベルを0〜3とし、ホコリセンサ153の出力レベルを0〜3としている。それぞれ4段階でニオイの量およびホコリの量を出力する。ニオイセンサ出力レベルは、値が大きいほど空気中のニオイを発生する物質量が多いことを示し、ホコリセンサ出力レベルは、値が大きいほど空気中のホコリの量が多いことを示す値である。加算値は、ニオイセンサ出力レベルとホコリセンサ出力レベルとの和である。加算値は、0〜6の間の値である。
ニオイセンサ出力レベルとホコリセンサ出力レベルとに汚れ度が対応付けられている。加算値が同じ値であっても、汚れ度が異なる場合がある。たとえば、ニオイセンサ出力レベルが1で、ホコリセンサ出力レベルが2の場合に加算値は3となり、汚れ度は1が対応付けられている。一方、ニオイセンサ出力レベルが3でホコリセンサ出力レベルが0のときは、加算値は3となるにもかかわらず、汚れ度は2が対応付けられている。これは、ニオイセンサ出力レベルが最もニオイを発生する物質量が多いことを示す3となっているため、この場合は、汚れ度を1とするのではなく、2とするように対応付けている。
なお、ここでは、汚れ度を0、1、2の3つのレベルとしたが、汚れ度はこれに限定されることなく、これより多い汚れ度を設定してもよく、またこれより少ない2つのレベルとしてもよい。また、本実施の形態においては、ニオイセンサ154とホコリセンサ153との2つのセンサの出力値に基づき汚れ度を検出するようにしたが、いずれか一方のセンサ出力を用いて汚れ度を検出するようにしてもよい。
図6は、イオン発生装置の駆動モード別に、ファンモータ出力およびイオン発生装置に印加される電圧との関係を示す図である。ここでは、イオン発生装置10に印加される電圧は、デューティを変化させる場合を例に示している。図6を参照して、駆動モードがクリーンモードにある場合、みはりモードにある場合とそうでない場合とを比較すると、風量が同じであってもみはりモードにある場合はデューティが大きいので、正負イオンの発生量がみはりモードにない場合よりも多く発生する。なお、イオン発生装置の駆動モードがクリーンモードの場合にはイオン発生装置10から発生するイオンは正負イオンであり、イオンコントロールモードの場合にイオン発生装置10から発生するイオンは負イオンが正イオンよりも多くなる。
本実施の形態におけるイオン発生装置10で発生するイオンの量は、空気中に占める正負イオンの割合を言い、ファンモータ5の出力と関係する。ここでは、ファンモータ5の出力を風量で示し、その風量を風量1から風量6の6レベルに分類している。風量1よりも風量6の方が風速が速い。
また、印加する電圧デューティが大きくなると、発生する放電音も大きくなるため、ファンモータの出力が小さく、風切り音が小さい場合には、イオン発生装置から発生する放電音も小さい方が好ましく、ファンモータの出力に応じて、印加される電圧デューティを変えることで、製品全体として静かな運転を実現することが可能となる。
また、風速が遅い場合には、風切り音も小さく、全体の運転音を小さくするためには、イオン発生装置が発生する放電音も小さい方が好ましく、電圧デューティは小さい方がよい。逆に風速が速い場合には、風切り音も大きくなるので、イオン発生装置が発生する放電音が大きくとも、全体の運転音に与える影響は小さく気にならない。従って、風量5または6でデューティ100%とすることで、製品全体の運転音に大きな影響を与えることなく、静音性を実現した上で、所望のイオン濃度とすることができる。
次に、自動モードにおける風量およびイオン発生装置の駆動モードについて説明する。
図7は、自動モードにおける風量決定テーブルの一例を示す図である。自動モードにおいては、風量を汚れ度に基づいて定める。
汚れ度が「0」の場合、通常状態と特定状態ともに風量1とする。汚れ度が「1」の場合、通常状態では風量3とし、特定状態では風量4とする。汚れ度が「2」の場合、通常状態では風量5とし、特定状態では風量6とする。
汚れが検出された場合、ここでは、汚れ度が1以上の場合、特定状態の風量を通常状態の風量よりも多くしている。これは、イオン発生装置10に供給される水分が多いほど、発生したクラスタイオンが残存する期間が長期化することによる。風量を多くすれば、加湿フィルタ41を通過する空気の量が増加するため、より多くの水が気化する。このため、イオン発生装置10に供給される水分量が増加する。
図8は、風量と加湿量との関係を示す図である。図8に示されるように、風量が増加すれば、加湿量(気化する水分の量)が増加することが分かる。
図9は、浮遊細菌の残存率を時系列で示す図である。図9を参照して、点線301Aは、自然の状態における浮遊細菌の残存率を示し、実線301Bはイオン発生装置10で正負イオンを発生させた場合の浮遊細菌の残存率を示し、実線301Cは、加湿した空気をイオン発生装置10に供給した状態で正負イオンを発生させた場合の浮遊細菌の残存率を示す。
加湿した空気をイオン発生装置10に供給した状態で正負イオンを発生させた場合の方が、加湿せずにイオン発生装置10から正負イオンを発生させた場合に比べて、浮遊細菌を消滅させる効果が高いことが分かる。
図10〜図13は、脱臭試験の試験結果を示す図である。図10は総合試験結果を示し、図11はアンモニアの残存率を示し、図12はアセトアルデヒドの残存率を示し、図13は酢酸の残存率を示す。実線302Aは、イオン発生装置10で正負イオンを発生させた場合のニオイ成分の残存率を示し、実線302Bは、加湿した空気をイオン発生装置10に供給した状態で正負イオンを発生させた場合のニオイ成分の残存率を示す。
このように加湿した空気をイオン発生装置10に供給した状態で正負イオンを発生させた場合の方が、加湿せずにイオン発生装置10から正負イオンを発生させた場合に比べて、ニオイ成分を消滅させる効果が高いことが分かる。
図14は、空気清浄機の操作部103を拡大して示す図である。操作部103は、本体1の電源を入り切りするための電源ボタン106と、リモートコントローラ130からの赤外線を受光するための受光部105と、加湿フィルタの線上が必要な磁気をユーザに報知するためのミストユニットお手入れランプ111と、フィルタ部3の洗浄が必要な時期をユーザに報知するための脱臭フィルタ洗浄ランプ112と、空気清浄機の運転モードを表示するためのミストランプ113と、室内の空気の汚れ度を表示するためのクリーンサインランプ114、室内の温度および湿度の状態を表示するためのみはりランプ115、およびイオン発生装置10の駆動状態を表示するためのクラスタイオンランプ116と、空気調節装置100の運転モードを示すための自動ランプ117a、15分間強ランプ117b、花粉ランプ117c、静音ランプ117d、急速ランプ117e、おでかけランプ117fと、運転モードを切換えるための運転切換ボタン104と、切タイマの設定時間を示す切タイマ時間ランプ120とを含む。
運転切換ボタン104は、本体1の運転モードを切換えるために操作されるもので、電源ボタン105が押されると運転は開始されて自動運転モードでの運転になり、自動ランプ117aが点灯する。
運転切換ボタン104を押すごとに、自動モード⇒15分間強モード⇒花粉モード⇒静音モード⇒急速モード⇒おでかけモード⇒自動モード・・・と順々に運転モードが切換り、併せて自動ランプ117a⇒15分間強ランプ117b⇒花粉ランプ117c⇒静音ランプ117d⇒急速ランプ117e⇒おでかけランプ117f⇒自動ランプ117a⇒・・・と切換った運転モードに対応のランプが消灯→点灯に切換る。
脱臭フィルタ洗浄ランプ112は、空気清浄機の稼働時間の積算値が、予め定められた脱臭フィルタ洗浄時間を超えているときに点灯し、そうでないときは消灯する。これにより、脱臭フィルタ3bを洗浄するタイミングを、ユーザに知らせることができる。脱臭フィルタ洗浄ランプ112は、その横に設けられたリセットボタンにより積算値がゼロにリセットされる。
ミストユニットお手入れランプ111は、タンク44および受皿43に水が入っている状態での空気清浄機の稼働時間、すなわち加湿運転時間の積算値が、予め定められた加湿フィルタ洗浄時間を超えているときに点灯し、そうでないときは消灯する。これにより、加湿フィルタ41を洗浄するタイミングを、ユーザに知らせることができる。ミストユニットお手入れランプ111は、その横に設けられたリセットボタンにより積算値がゼロにリセットされる。
切タイマランプ120は、ユーザによる指示に応じたタイマの時間を表示するためのランプであり、ユーザによる指示回数に応じて2つの切タイマ時間ランプ120のいずれかが点灯する。
ミストランプ113は、受皿43に水が溜まっている場合に点灯する。
クリーンサインランプ114は、室内の空気の汚れ度を示す。クリーンサインランプ114は、最も汚れの少ない汚れ度「0」の場合に緑色で点灯し、中程度の汚れを示す汚れ度「1」の場合に橙で点灯し、最も汚れがひどい汚れ度「2」の場合に赤色で点灯する。
クラスタイオンランプ116は、イオン発生装置10の駆動モードを示すためのランプである。クラスタイオンランプ116は、イオン発生装置10の駆動モードがイオンコントロールモードにあるときは緑色で点灯する。クリーンモードにあるとき、みはりモードの場合は青色で5秒周期で点滅し、みはりモードにない場合は青色で点灯する。イオン発生装置10が駆動していない場合には、クラスタイオンランプ116は消灯する。
みはりランプ115は、温度と湿度が特定状態にあるとき点灯する。このため、ユーザに対して、室内がウィルスの繁殖しやすい環境になったことが報知される。ユーザは、この時点で、運転切換ボタン104を操作して、運転モードを自動モードに切換えることにより、イオン発生装置10の駆動モードがみはりモードのクリーンモードに切換り、風量が増加する。このため、イオン発生装置10から発生する正負イオンが増加するとともに、イオン発生装置10に供給される水分が増加するので、発生した正負イオンの残存期間がながくなる。これにより、より多くのイオンを室内に放出させ、室内の正負イオンの濃度を高くすることができる。
図15は、リモートコントローラ130の平面図である。リモートコントローラ130は、空気清浄機の電源のオンオフを切換えるための電源スイッチ106Aと、脱臭フィルタを洗浄した後に運転積算時間をリセットするためのフィルタリセットボタン129と、空気清浄機の運転モードを自動モードに指定するための自動ボタン116Aと、手動モードに切換えファンモータ4の風量を指定するための風量ボタン119Aと、花粉モードに設定するための花粉ボタン118Aと、切タイマ時間を設定するための切タイマボタン122Aと、毎日モードに設定するための毎日モードボタン121と、お休み自動モードに設定するためのお休み自動ボタン122と、お急ぎモードに設定するためのお急ぎボタン123と、操作部103の表示のオンオフを切換えるための表示切換スイッチ124と、イオン発生装置10の駆動モードを手動で設定するための設定ボタン125〜128とを備える。
リモートコントローラ130は、押下されたスイッチに応じた赤外光の信号を出力する。空気清浄機でその赤外光の信号が受光部105で受光されると、受光した赤外光の信号に応じて駆動する。
なお、赤外光を利用したリモートコントローラ130を例に説明するが、リモートコントローラ130と空気清浄機との間の通信は、赤外光を用いるものに限られず、たとえば、電磁波、音波などを用いることができ、無線により通信を行なうことができるものであれば、赤外光に限られるものではない。
自動ボタン116Aが押下されると、空気清浄機は、運転モードを自動モードに設定して運転する。風量ボタン119Aが押下されると、空気清浄機は、風量ボタン119Aが押下される毎に静音、標準、急速の順に風量を変更する。花粉ボタン118Aが押下されると、空気清浄機は、運転モードを花粉モードに設定して運転する。切タイマボタン122Aが押下されるごとに、切タイマ時間が1、4時間の順に切タイマ時間が設定される。
毎日モードボタン121が押下されると、空気清浄機は、運転モードを予め記憶された運転モードにして運転する。お休み自動ボタン122が押下されると、空気清浄機は、運転モードを静音モードにして運転する。お急ぎボタン123が押下されると、空気清浄機は、運転モードをお急ぎモードにして運転する。
設定ボタン125〜128のいずれかが押下されると、イオン発生装置10の駆動モードが切換えられる。設定ボタン126が押下されると、イオン発生装置10に印加される電圧が停止され、イオン発生装置10の駆動が停止される。設定ボタン125が押下されると、イオン発生装置10がクリーンモードで駆動される。設定ボタン127が押下されると、空気清浄機100では、イオン発生装置10をイオンコントロールモードで駆動する。設定ボタン128が押下されると、空気清浄機100は、自動モードで運転される。
図16は、本実施の形態における空気清浄機の回路ブロック図である。図16を参照して、空気清浄機は、全体を制御するための制御部150は、温度センサ151と、湿度センサ152と、ホコリセンサ153と、ニオイセンサ154と、温度を設定するための温度設定部155と、湿度を設定するための湿度設定部156と、イオン発生装置10に電圧を印加するための電圧印加回路20と、ファンモータ4の駆動を制御するためのモータ駆動回路31と接続される。イオン発生装置10は、電圧印加回路20に接続され、ファンモータ4はモータ駆動回路31に接続されている。
上述したように、空気清浄機は、運転モードが自動モードの場合、室内の温度と湿度が特定状態にあるときはイオン発生装置10の駆動モードをみはりモードに切換える。温度設定部155および湿度設定部156は、この特定状態を判断するためのしきい値を設定するための入力部である。この温度設定部155および湿度設定部156は、例えば、本体1の内部に設けられたボタンスイッチあるいはスライドスイッチであり、温度と湿度とを設定するものである。また、リモートコントローラ130に温度設定部155および湿度設定部156を設けるようにし、設定された温度と湿度とをリモートコントローラ130から空気清浄機に送信するようにしてもよい。
モータ駆動回路31は、制御部150からの指示に従って、ファンモータ4の回転数を6段階に切換える。また、電圧印加回路20は、制御部150からの指示に従って、イオン発生装置10を駆動する。
図17は、イオン発生装置の概略構成を示す図である。図17(A)は、イオン発生装置10の平面図であり、図17(B)は、イオン発生装置10を側面側からみた断面図である。イオン発生装置10は、誘電体11と、放電電極12aと、誘導電極12bと、コーティング層13とを備える。放電電極12aと誘導電極12bとに電圧が印加されると、放電電極12aと誘導電極12bとの間で生じる放電により、正負両イオンまたは負イオンを発生させる。
誘電体11は、上部誘電体11aと下部誘電体11bとを張り合わせた平板状で構成されている。放電電極12aは、上部誘電体11aの表面に上部誘電体11aと一体的に形成されている。誘導電極12bは、上部誘電体11aと下部誘電体11bとの間に形成され、放電電極12aと対向して配置される。放電電極12aと誘導電極12bとの間の絶縁抵抗は、均一であることが望ましく、放電電極12aと誘導電極12bとは平行であることが望ましい。
イオン発生装置10において、放電電極12aと誘導電極12bとを上部誘電体11aの表裏面に対向して配置することにより、放電電極12aと誘導電極12bとの間の距離を一定とすることができる。このため、放電電極12aと誘導電極12bとの間の放電状態が安定し、正負両イオンまたは負イオンを好適に発生することが可能となる。
放電電極接点12eは、放電電極12aと同一形成面に設けられた接続端子12cを介して、放電電極12aと導通する接点である。導通可能なリード線の一端を放電電極接点12eに接続し、他端を電圧印加回路20と接続することにより、放電電極12aと電圧印加回路20とを導通させることができる。誘導電極接点12fは、誘導電極12bと同一形成面に設けられた接続端子12dを介して、誘導電極12bと導通する接点である。銅線からなるリード線の一端を誘導電極接点12fに接続し、他端を電圧印加回路20と接続することにより、誘導電極12bと電圧印加回路20とを導通させることができる。
図18は、電圧印加回路の回路図である。図18を参照して、電圧印加回路20は、交流電源201と、スイッチングトランス202と、切換リレー203と、抵抗204と、ダイオード205a〜205dと、コンデンサ206と、サイダック(登録商標)207とを含む。サイダック(登録商標)207は、シリコン制御整流素子SCR(Silicon Control Rectifier)の一種であり、新電元工業株式会社の製品である。
交流電源201の一端は、ダイオード205aのアノードとダイオード205cのカソードに各々接続されており、他端は切換リレー203の共通端子203aに接続されている。ダイオード205aのカソードは、抵抗204の一端とダイオード205dのカソードに各々接続されている。抵抗204の他端は、トランス202の1次コイルL1の一端とコンデンサ206の一端にそれぞれ接続されている。1次コイルL1の他端は、サイダック(登録商標)207のアノードに接続されている。コンデンサ206の他端とサイダック(登録商標)207のカソードは互いに接続されており、その接続ノードは、切換リレー203の一選択端子203bと、ダイオード205b、205cの各アノードとにそれぞれ接続されている。ダイオード205bのカソードとダイオード205dのアノードは互いに接続されており、その接続ノードは切換リレー203の他選択端子203cに接続されている。トランス202の2次コイルL2の一端は、イオン発生装置10の放電電極接点12eに接続されている。2次コイルL2の他端は、リレー208の共通端子208aに接続されている。リレー208の一方の選択端子208cはダイオード209のアノードに接続されており、ダイオード209のカソードは誘電電極接点12fに接続されている。イオン発生装置10の誘電電極接点12fは、リレー208の他方の選択端子208bと、ダイオード209のアノードとに接続されている。
このように構成してなる電圧印加回路20は、通常状態においてイオン発生装置10の駆動モードがクリーンモードにあるとき、切換リレー203は選択端子203bが選択され、切換リレー208は選択端子208bが選択される。
このとき、交流電源201の出力電圧は、ダイオード205aで半波整流された後、抵抗204で電圧降下され、コンデンサ206に印加される。コンデンサ206の充電が進んで両端電圧が所定しきい値に達すると、サイダック(登録商標)207がオン状態となり、コンデンサ206の充電電圧が放電される。したがって、トランス202の1次コイルL1に電流が流れて2次コイルL2にエネルギが伝達され、イオン発生装置10にパルス電圧が印加される。その直後、サイダック(登録商標)207はオフ状態となり、再びコンデンサ206の充電が開始される。
上記の充放電を繰返すことによって、イオン発生装置10の放電電極12aと誘導電極12bとの間には、図19(A)の交流インパルス電圧(たとえばpp(Peak-to-Peak)値:3.5[kV]、放電回数:120[回/秒])が印加される。このとき、イオン発生装置10の近傍ではコロナ放電が生じて周辺の空気がイオン化され、正電圧印加時はプラスイオンであるH+(H2O)mが発生し、負電圧印加時はマイナスイオンであるO2 -(H2O)n(m、nは0または任意の自然数)が発生する。より具体的に説明すると、イオン発生装置10の放電電極12aと誘導電極12bとの間に交流電圧を印加することにより、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギを受けてイオン化し、H+(H2O)m(mは0または任意の自然数)とO2 -(H2O)n(nは0または任意の自然数)を主体としたイオンを生成する。これらH+(H2O)mおよびO2 -(H2O)nは、ファン等により空間に放出され、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2または・OHを生成する。H2O2または・OHは、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで不活化することができる。ここで、・OHは活性種の一種であり、ラジカルのOHを示している。
正負のイオンは浮遊細菌の細胞表面で式(1)〜式(3)に示すように化学反応して、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)を生成する。ここで、式(1)〜式(3)において、m、m′、n、n′は0または任意の自然数である。
これにより、活性種の分解作用によって浮遊細菌が破棄される。したがって、効率的に空気中の浮遊細菌を不活化、除去することができる。
H3O+(H2O)m+O2 -(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n+1)H2O ・・・(1)
H3O+(H2O)m+H3O+(H2O)m'+O2 -(H2O)n+O2 -(H2O)n'→2・OH+O2+(m+m´+n+n´+2)H2O ・・・(2)
H3O+(H2O)m+H3O+(H2O)m'+O2 -(H2O)n+O2 -(H2O)n'→H2O2+O2+(m+m´+n+n´+2)H2O ・・・(3)
以上のメカニズムにより、上記正負イオンの放出により、浮遊細菌等の不活化効果を得ることができる。
また、上記式(1)〜式(3)は、空気中の有害物質表面でも同様の作用を生じさせることができるため、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)が、有害物質を酸化もしくは分解してホルムアルデヒドやアンモニアなどの化学物質を二酸化炭素、水、窒素などの無害な物質に変換することにより、実質的に無害化することが可能である。
したがって、ファンモータ4を駆動することにより、イオン発生装置10によって発生させた正イオンと負イオンを本体外に送り出すことができる。そして、これらの正イオンと負イオンの作用により空気中のカビや菌を不活化し、その増殖を抑制することができる。
その他、正イオンと負イオンには、コクサッキーウィルス、ポリオウィルス、などのウィルス類も不活化する働きがあり、これらウィルスの混入による汚染が防止できる。また正イオンと負イオンには、臭いのもととなる分子を分解する働きがあることも確かめられており、空間の脱臭にも利用できる。
また、ターボファン5からイオン発生装置10に向けて風を送り、約25cm離れたところのイオンカウンタに到着した正イオンおよび負イオンそれぞれの量を計測した結果、イオンカウンタでは、正イオンと負イオンとがそれぞれ約30(万個/cc)計測された。
一方、特定状態にある場合には、イオン発生装置10の駆動モードは必ずクリーンモードとなる。このとき、切換リレー203は選択端子203cが選択され、切換リレー208は選択端子208bが選択される。
これにより、交流電源201の出力電圧は、ダイオード205a〜205dからなるダイオードブリッジで全波整流された後、抵抗204で電圧降下され、コンデンサ206に印加される。したがって、イオン発生装置10の放電電極12aと誘導電極12bとの間には、図19(B)に示すように、特定状態にない時よりも放電頻度の高い交流インパルス電圧(たとえばpp値:3.5[kV]、放電回数:240[回/秒])が印加される。
このとき、前述の条件でイオン量を計測した結果、イオンカウンタでは、正イオンとマ負イオンとがそれぞれ約50万個/cc計測された。すなわち、特定状態にない通常状態時と比べて約1.7倍のイオン量が計測された。
なお、切換リレー203に代えて、ダイオード205bのカソードとダイオード205dのアノードとの接続ノードを交流電源201の他端に接続するとともに、ダイオード205cまたはダイオード205dのアノードまたはカソードに開閉スイッチを直列接続し、該開閉スイッチを駆動モードに応じて制御する構成としても、上記と同様の動作を実現することが可能である。
さらに、イオン発生装置10がイオンコントロールモードにある場合には、切換リレー203は選択端子203bが選択され、切換リレー208は選択端子208cが選択される。
これにより、ダイオード209により半波整流されることにより、イオン発生装置10には、図19(A)に示した電圧印加パルスのうち、負電圧のパルスのみが印加されることになる。その結果、イオン発生装置10の近傍ではコロナ放電が生じて周辺の空気がイオン化されるが、負電圧のみが印加されるため、マイナスイオンであるO2 -(H2O)nが発生する。
<電圧印加回路の第1の変形例>
図20は、電圧印加回路の変形例の回路図を示す図である。図20を参照して、図18に示した電圧印加回路20と異なるところは、交流電源201とスイッチングトランス202の1次コイルL1との間の回路が異なる。その他の回路は同一であるのでここでは説明を繰返さない。交流電源201の一端は、抵抗214の一端と接続されており、抵抗214の他端はコンデンサ215のアノードと接続されている。交流電源201の他端は、サイダック(登録商標)207のカソードと、コンデンサ106aの一端と、リレー213の一端に接続されている。ダイオード215のカソードは、コンデンサ206a,206b、および1次コイルL1の一端と接続されている。コンデンサ206bの他端は、リレー213の他端と接続されている。
このように構成してなる変形された電圧印加回路20aは、特定状態にない場合には、リレー213が閉じる。交流電源201の出力電圧は、ダイオード215で半波整流された後、コンデンサ206aおよび206bに印加される。コンデンサ206aおよび206bの充電が進んで両端電圧が所定しきい値に達すると、サイダック(登録商標)207がオン状態となり、コンデンサ206aおよび206bの充電電圧が放電される。したがって、トランス202の1次コイルL1に電流が流れて2次コイルL2にエネルギが伝達され、イオン発生装置10にパルス電圧が印加される。その直後、サイダック(登録商標)207はオフ状態となり、再びコンデンサ206aおよび206bの充電が開始される。
一方、特定状態にある場合は、リレー213が開く。交流電源201の出力電圧は、ダイオード215で半波整流された後、コンデンサ206aのみに印加される。コンデンサ206aの充電が進んで両端電圧が所定しきい値に達すると、サイダック(登録商標)207がオン状態となり、コンデンサ206a充電電圧が放電される。したがって、トランス202の1次コイルL1に電流が流れて2次コイルL2にエネルギが伝達され、イオン発生装置10にパルス電圧が印加される。その直後、サイダック(登録商標)207はオフ状態となり、再びコンデンサ206aの充電が開始される。
リレー213が開いている場合には、閉じている場合に比べてサイダック(登録商標)207に印加される電圧が早くしきい値に達する。このため、リレー213が開いた場合の方が、閉じた場合に比べて、イオン発生装置10に印加する電圧パルスの放電頻度が高くなる。イオン発生装置10に印加されるパルスの放電頻度が高いほど、発生するイオン量が多くなるため、リレー213を切換えるだけで、イオン発生装置10から発生するイオンの量を切換えることができる。
図21は、変形された電圧印加回路20aから出力される電圧波形を示す図である。図21(A)は、リレー213が閉じた場合における波形を示し、ダイオード215で半波整流された電圧波形と、イオン発生装置10に印加される電圧パルス波形を示している。図21(B)は、リレー213が開いた場合における半波整流された電圧波形とイオン発生装置10に印加される電圧パルスの波形を示している。
なお、上述した電圧印加回路20では、スイッチ203を切換えることにより、半波整流と全波整流とを切換えるようにした。変形された電圧印加回路20aにおいては、半波整流のみを用いるものを説明したが、全波整流と半波整流との切換を組合せるようにしてもよい。この場合には、イオン発生装置10に放電頻度の低い電圧パルスを印加する場合には、半波整流された電圧とリレー213を閉じた状態にすればよく、放電頻度の高い電圧パルスを印加する場合には、全波整流を用いてリレー213を開いた状態にすればよい。
<イオン発生装置および電圧印加回路の第2の変形例>
図22は、イオン発生装置の変形例を示す図である。図22を参照して、変形例におけるイオン発生装置10Aは、上述したイオン発生装置10と異なるところは、放電電極21aと誘導電極21bとからなる第1放電部21と、放電電極22aと誘導電極22bとを有する第2放電部22とを有することである。すなわち、変形されたイオン発生装置10Aでは、2つの放電部21,22を有する点が異なる。
変形されたイオン発生装置10Aは、下部誘電体11bの表面に誘導電極21bおよび22bとが形成される。また、上部誘電体11aの表面に放電電極21aと放電電極22aとが形成される。上部誘電体11aの表面は、コーティング層13で覆われている。また、上部誘電体11aは、下部誘電体11bの誘導電極21b,22bが形成された面に積層される。また、第1放電部21の放電電極21aと誘導電極21bとは対向する位置に配置され、第2放電部の放電電極22aと誘導電極22bとは対向する位置に配置される。
第1放電部において、放電電極21aの接続端子21eは、放電電極接点21eと接続される。放電電極接点21eは、リード線で電圧印加回路20Bと接続される。また、誘導電極21bの接続端子21dは、誘導電極接点21fと接続されており、誘導電極接点21fは電圧印加回路20Bとリード線で接続されている。
同様にして、第2放電部22においては、放電電極22aの接続端子22cは、放電電極接点22eと接続されており、放電電極接点22eは、電圧印加回路20Bとリード線で接続されている。誘導電極22bの接続端子22dは、誘導電極接点22fと接続されており、誘導電極接点22fは電圧印加回路20Bとリード線で接続されている。
図23は、変形されたイオン発生装置10Aに接続される電圧印加回路20Bの回路図である。図23を参照して、電圧印加回路20Bは、交流電源201とトランス222と、切換リレー233と、抵抗224,225と、ダイオード226〜230と、コンデンサ231a,231bと、サイダック(登録商標)232とを含む。
交流電源201の一端は、抵抗224を介して、ダイオード226のアノードに接続されている。ダイオード226のカソードは、トランス222の1次側を構成する第1コイル222aの一端と、ダイオード227のアノードと、サイダック(登録商標)232のアノードにそれぞれ接続されている。第1コイル222aの他端とダイオード227のカソードは互いに接続されており、その接続ノードはコンデンサ231aおよび231bそれぞれの一端に接続されている。サイダック(登録商標)232のカソードと、コンデンサ231aの他端と、リレー233の一端233aとは互いに接続されており、その接続ノードは交流電源201の他端に接続されている。リレー233の他端233bは、コンデンサ231bの他端と接続されている。
トランス222の2次側を構成する第2コイル222bの一端は、第1放電部21の放電電極接点21eに接続されており、第2コイル222bの他端は、第1放電部21の誘導電極接点21fと、ダイオード229のカソードと、ダイオード230のアノードにそれぞれ接続されている。ダイオード229のアノードは、切換リレー223の一方の選択端子223aに接続されており、ダイオード230のカソードは、切換リレー223の他方の選択端子223bに接続されている。トランス222の2次側を構成する第3コイル222cの一端は、第2放電部22の放電電極接点22eに接続されており、第3コイル222cの他端は、第2放電部22の誘導電極接点22fと、ダイオード228のアノードにそれぞれ接続されている。切換リレー223の共通端子223cとダイオード228のカソードが互いに接続されており、その接続ノードは、抵抗225を介して、交流電源201の他端に接続されている。
このように構成してなる電圧印加回路20Bにおいて、特定状態でなく、かつ、イオン発生装置10の駆動モードがクリーンモードにあるとき、リレー233は閉じられ、切換リレー223は選択端子223aが選択される。この場合、第1放電部21の放電電極21aと誘導電極21bとの間には、正の直流インパルス電圧が印加され、第2放電部22の放電電極22aと誘導電極接点22bとの間には、負の直流インパルス電圧が印加される。このような電圧を印加することによって、第1放電部21と第2放電部22との近傍では、コロナ放電が生じ、周辺の空気がイオン化される。このとき、正の直流インパルスが印加された第1放電部21の近傍では、プラスイオンであるH+(H2O)mが発生し、負の直流インパルスが印加された第2放電部22の近傍では、マイナスイオンであるO2 -(H2O)n(m,nは0または任意の自然数)が発生する。
このように、切換リレー223で選択端子223aを選択すれば、第1放電部21からプラスイオンを、第2放電部22からマイナスイオンを、ほぼ同等量発生させることができる。したがって、正負イオンを空気中の浮遊細菌等に付着させ、その際に生成される活性種の過酸化水素(H2O2)および/または水酸基ラジカル(・OH)の分解作用をもって、浮遊細菌を除去することが可能となる。
一方、特定状態にある場合には、リレー233は開かれ、切換リレー223は選択端子223aが選択される。この場合、コンデンサ231aにのみ蓄電されるため、サイダック(登録商標)232に印加される電圧が所定のしきい値に達するまでの時間が早くなる。このため、第1放電部21に印加される正の直流インパルス電圧と、第2放電部22に印加される負の直流インパルス電圧の放電頻度が上昇する。このため、第1放電部21ではより多くの正イオンが生成され、第2放電部22ではより多くの負イオンが生成される。
特定状態でなく、かつ、イオン発生装置10の駆動モードがイオンコントロールモードにあるとき、リレー233は閉じられ、切換リレー223は選択端子223bが選択される。
この場合、第1放電部21および第2放電部22には、いずれも負の直流インパルス電圧が印加されることになる。このような負の直流インパルス電圧が印加されると、第1放電部21および第2放電部22の近傍では、いずれもマイナスイオンであるO2 -(H2O)n(nは0または任意の自然数)が発生する。
このように、切換リレー223で選択端子223bを選択すれば、第1放電部21および第2放電部22の双方から、マイナスイオンのみを発生させることができる。したがって、イオンバランスを調整してマイナスイオンが多価である状態を作り出し、リラクゼーション効果を高めることが可能となる。
図24は、自動モードにおいて制御部で実行される駆動モード決定処理の流れを示すフローチャートである。図を参照して、まず、汚れ度に基づいて風量が設定される(ステップS01〜S04)。ステップS01で汚れ度が判断され、汚れ度が「0」の場合には風量1に設定され(ステップS02)、汚れ度が「1」の場合には風量3に設定され(ステップS03)、汚れ度が「2」の場合には風量5が設定される(ステップS04)。
そして、次に、特定状態か否かが判断される(ステップS05〜S08)。特定状態の場合にはステップS12に進み、特定状態でなく通常状態の場合にはステップS09へ進む。具体的には、ステップS05において、温度センサ151と湿度センサ152で温度と湿度を検出する(ステップS05)。そして、ステップS06において、温度が34℃以下かつ湿度が25%以下の場合には特定状態としてステップS12へ進み、そうでない場合はステップS07に進む。ステップS07では、温度が24℃以下かつ湿度40%以下の場合には特定状態としてステップS12へ進み、そうでない場合にはステップS08に進む。ステップS08では、温度が13℃以下の場合には特定状態としてステップS12へ進み、そうでない場合にはステップS09に進む。
通常状態と判断された場合には、ステップS09で汚れ度が1以上か否かが判断される。真の場合にはステップS10に進み、偽の場合にはステップS11に進む。ステップS10では、イオン発生装置10の駆動モードをクリーンモードとする。このクリーンモードはみはりモードでないため、みはりモードの場合に比べてイオン発生装置10の正負イオンの発生量は少ない。ステップS11では、イオン発生装置10の駆動モードをイオンコントロールモードとする。この場合、イオン発生装置10は、負イオンを正イオンよりも多く発生する。
特定状態と判断された場合には、ステップS12でイオン発生装置10の駆動モードをクリーンモードとする。このクリーンモードはみはりモードである。このため、みはりモードでない場合に比べてイオン発生装置10の正負イオンの発生量が多い。そして、次のステップS13では汚れ度が1以上か否かが判断される。真の場合にはステップS14に進み、偽の場合には処理を終了する。ステップS14では、ステップS02〜S04で設定した風量を増加させる。具体的には、風量3を風量4に増加させ、風量5を風量6に増加させる。風量を増加させることにより、加湿フィルタ41を通過する空気の量が増えるので、イオン発生装置10に供給される水分が増加する。その結果、発生するイオンの残存期間が長くなり、より除菌効果が向上する。
図25は、おでかけモードにおいて制御部で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図を参照して、ステップS21において、温度センサ151で検出された温度と湿度センサ152で検出された湿度とから特定状態か否かが判断される。この処理は、図24のステップS05からS08で実行される処理と同じである。特定状態にあると判断された場合にはステップS33に進み、特定状態にないと判断された場合にはステップS22に進む。ステップS33に進む場合は、特定駆動状態となる。
ステップS22では、汚れ度が1以上の場合にはステップS33に進み、汚れ度が0の場合にはステップS23に進む。ステップS23では、ファンモータ4が停止中か否かが判断される。ファンモータ4が停止している場合にはステップS24,S25をスキップしてステップS26に進み、駆動している場合にはステップS24に進む。ステップS24では、第1タイマをスタートさせる。第1タイマーは、第1期間を計時するためのタイマーである。第1期間は、ファンモータ4およびイオン発生装置10を停止させている期間であり、ここでは45分としている。そして、ステップS25では、ファンモータ4とイオン発生装置10とを停止させる。
ステップS26では、第1タイマーが45分を計時したか否かが判断される。ファンモータ4が45分間停止した場合には、ステップS27に進み、そうでない場合にはステップS21に戻る。そして、ファンモータ4を停止している間に、ステップS21で特定状態となったか否か、ステップS22で汚れ度が1以上になったか否かが判断される。いずれかのステップで真となれば、ステップS33に進む。
すなわち、第1タイマーが第1期間を計時する前の段階で、特定状態となるか、または汚れ度が1以上となった場合には、特定駆動状態と判断して、ステップS33に進む。
ステップS27では、ステップS21と同様に特定状態か否かが判断され、特定状態にあると判断された場合にはステップS33に進み、特定状態にないと判断された場合にはステップS28に進む。
ステップS28では、ステップS22と同様に、汚れ度が1以上か否かが判断される。汚れ度が1以上の場合にはステップS33に進み、汚れ度が0の場合にはステップS29に進む。ステップS33に進む場合は、特定駆動状態となる。
ステップS29では、ファンモータ4が標準の風量4で駆動しているか否かが判断される。ファンモータ4が、風量4で駆動している場合にはステップS30、S31をスキップしてステップS32へ進み、そうでない場合にはステップS30に進む。ステップS30では、第2タイマをスタートさせる。第2タイマーは、第2期間を計時するためのタイマーである。第2期間は、ファンモータ4を風量4で駆動させる期間であり、ここでは15分としている。そして、ステップS31では、ファンモータ4を風量4で駆動する。
ステップS32では、第2タイマーが15分を計時したか否かが判断される。ファンモータ4が15分間風量4で駆動された場合には、ステップS21に戻り、そうでない場合にはステップS27に戻る。ステップS27に戻ることにより、ファンモータ4は最大で15分間風量4で駆動されることになる。また、15分間風量4で駆動されるとステップS21に戻るので、次にステップS25に進む場合にファンモータ4が停止される。
また、ステップS27に戻ることにより、ファンモータ4を風量4で駆動している間に、ステップS27で特定状態となったか否か、ステップS28で汚れ度が1以上になったか否かが判断される。いずれかのステップで真となれば、ステップS33に進む。
すなわち、第2タイマーが第2期間を計時する前の段階で、特定状態となるか、または汚れ度が1以上となった場合には、特定駆動状態と判断して、ステップS33に進む。
ステップS33では、図24で説明した駆動モード決定処理が実行される。そして,次のステップS34では、ステップS33で決定された駆動モードに従って、ファンモータ4とイオン発生装置10とを駆動する。その後、ステップS21に戻る。ステップS21に戻ることにより、特定駆動状態において、ファンモータ4およびイオン発生装置10を駆動している間に、ステップS21で特定状態となったか否か、ステップS22で汚れ度が1以上になったか否かが判断される。いずれかのステップで真となれば、ステップS33に進む。
すなわち、特定駆動モードにある段階で、特定状態でなく通常状態となり、かつ、汚れ度が0となった場合には、ファンモータ4およびイオン発生装置10を停止させる。
図26は、おでかけモードにおけるファンモータの駆動状態の一例を示す第1の図である。図では、温度と湿度が特定状態ではなく、汚れ度が0の状態が継続する場合を示している。まず、運転モードがおでかけモードに切換えられた時点t0でファンモータ4およびイオン発生装置10が停止(OFF)する。そして、停止した状態が45分間経過すると、ファンモータ4が15分間風量4で駆動した後、停止する。ファンモータ4が15分間の停止と、45分間の風量4での駆動とが、おでかけモードが解除されるまで繰返される。
図27は、おでかけモードにおけるファンモータの駆動状態の一例を示す第2の図である。図では、おでかけモードに切換った時点では、温度と湿度が特定状態ではなく、汚れ度が0の状態であるが、その後室内の環境が変化して、汚れ度が1となり、その後さらの汚れ度が0となった場合を示している。まず、運転モードがおでかけモードに切換えられた時点t0でファンモータ4およびイオン発生装置10が停止する。そして、停止した状態が45分間経過する前に、汚れ度が1となった時点t1で自動モードでの運転される特定駆動状態となる。この場合、ファンモータ4が風量3で駆動される。その後、室内の環境が改善されて汚れ度が0となった時点t2で、ファンモータ4およびイオン発生装置10が停止する。そして、停止した状態が45分間経過すると、ファンモータ4が15分間風量4で駆動した後、停止する。
図28は、おでかけモードにおけるファンモータの駆動状態の一例を示す第3の図である。図では、おでかけモードに切換った時点で、温度と湿度が特定状態ではなく、汚れ度が1の状態にある場合を示している。まず、運転モードがおでかけモードに切換えられた時点t0で、汚れ度が1なので、自動モードでの運転される特定駆動状態となる。この場合、ファンモータ4が風量3で駆動され、イオン発生装置がクリーンモードで駆動される。その後、室内の環境が改善されて汚れ度が0となった時点t3で、ファンモータ4およびイオン発生装置10が停止する。そして、停止した状態が45分間経過すると、ファンモータ4が15分間風量4で駆動した後、停止する。
以上説明したように本実施の形態における空気清浄機は、加湿フィルタ41が、吸込口2aから吹出口6a,6bに至る経路にイオン発生装置10よりも吸込口2a側に配置されるので、イオン発生装置10には加湿された空気が供給される。そして、汚れ度が1以上で、かつ、特定状態にあるときは、通常状態よりも多くの水分がイオン発生装置10に供給される。このため、イオンが、水分子に取り囲まれることにより残存期間が長くなるので、除菌効果を向上させることができる。
また、ファンモータ4を制御して風量を増加させることにより、イオン発生装置10に供給する水分を増加させるので、簡単な構成とすることができる。
さらに、クリーンモードで駆動するイオン発生装置10を、特定状態にあるときは、通常状態にあるときよりも多くのイオンが発生させるみはりモードで駆動するので、より多くのイオンを室内に放出することができる。
また、室内の温度と湿度とが特定状態になると、みはりランプ115が点灯するので、ユーザは室内がウィルスが繁殖しやすい好ましくない環境になったことを知ることができる。また、この時点でユーザが自身の意思で運転切換ボタン104を操作して、運転モードを自動モードに切換えれば、空気清浄機は、イオン発生装置10の駆動モードをみはりモードのクリーンモードとし、風量を増加する。ユーザの意思で、室内の正負イオンの濃度を増加させることができる。
また、間欠運転モードにおいて、室内が汚れておらず、かつ、温度と湿度とが所定の状態にないことを条件に、ファンモータ4およびイオン発生装置10を停止させるので、室内の環境を維持しつつ消費電力を低減することができる。
また、間欠運転においてはファンモータ4を45分間停止させた後に15分間風量4で駆動させるので、温度センサ151、湿度センサ152、ホコリセンサ153、ニオイセンサ154近傍の空気が長時間停滞することがなく、誤検出を防止することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 空気清浄機本体、2a 吸込口、6a,6b 吹出口、10,10A イオン発生装置、20,20a,20b 電圧印加回路、103 操作部、104 運転切換ボタン、115 みはりランプ、130 リモートコントローラ、150 制御部、151 温度センサ、152 湿度センサ、153 ホコリセンサ、154 ニオイセンサ。