JP4539402B2 - 軸体一体型粘性流体封入ダンパ及びその製造方法 - Google Patents

軸体一体型粘性流体封入ダンパ及びその製造方法 Download PDF

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Description

この発明はシリコーンオイル等の粘性流体を内部に封入して成る粘性流体封入ダンパ及びその製造方法に関する。
近年、CDプレーヤ等のディスクプレーヤ,AV機器,パソコンのHDD装置,ビデオカメラ等の小型精密機器において、容器内部にシリコーンオイル等の粘性流体を封入して成る小型の粘性流体封入ダンパが、防振用として広く用いられるようになって来ている。
例えばCDプレーヤ等のディスクプレーヤ、特に車載用のものにおいては、車両等の振動がそのままディスクプレーヤの本体機構部ユニットに伝達されて音飛び等が生ずるのを防止すべく、従来、図6(A)に示しているようにスプリング200を介して支持したディスクプレーヤの本体機構部ユニット(被支持部材)202と、支持フレーム(支持部材)204との間に粘性流体封入ダンパ206を介装することが行われている。
図6(B)はかかる粘性流体封入ダンパ206として従来用いられているものの具体的な構造例を、その取付構造例とともに示したもので(下記特許文献1に開示)、図示のようにこの例の粘性流体封入ダンパ206は、密閉の容器の内部にシリコーンオイル等の高粘性の粘性流体210を封入した形態をなしている。
ここで粘性流体封入ダンパ206は、円筒形状の周壁部214と、周壁部214の軸方向の一端を閉鎖する底部216と、周壁部214の底部216とは他端側に周壁部214に連続して形成された薄肉の可撓膜220と、可撓膜220の中心部に設けられた撹拌部218とを有していて、それらによって密閉容器を構成しており、その内部に上記の粘性流体210が封入されている。
この粘性流体封入ダンパ206は、周壁部214を支持フレーム(支持部材)204に形成した貫通孔222内に嵌入させる状態で、底部216において固定ねじ224により支持フレーム204に固定されるようになっている。
撹拌部218には内側に挿入孔226が形成されており、そこに予め本体機構部ユニット202にかしめ付け固定された金属製の軸体212を挿入することで、粘性流体封入ダンパ206が本体機構部ユニット202に連結状態となる。
この粘性流体封入ダンパ206の場合、支持フレーム204に振動が加わったとき、撹拌部218及び軸体212が高粘性の粘性流体210内部で相対変位し、これにより粘性流体210が粘性流動してエネルギー吸収(振動吸収)し、支持フレーム204から本体機構部ユニット202への振動伝達を遮断ないし抑制する。
しかしながらこの粘性流体封入ダンパ206の場合、本体機構部ユニット202への取付け(連結)に当って、予め本体機構部ユニット202に金属製の軸体212をかしめ付け固定しておいて、これを撹拌部218の挿入孔226に挿入しなければならず、しかもその際に可撓膜220及び筒状の撹拌部218が軟らかいために、挿入孔226内面の摩擦抵抗に抗して軸体212を挿入する際に作業に困難を伴い、そのため本体機構部ユニット202への粘性流体封入ダンパ206の取付けがし辛く、取付作業が面倒な作業となる問題があった。
このような問題を解決するものとして、従来、軸体を硬質樹脂製としてこれを撹拌部に一体成形して成る粘性流体封入ダンパが提案されている。
図7はその一例を示している(下記特許文献1)。
同図に示す粘性流体封入ダンパ230において、232は硬質樹脂から成る軸体で、その大部分(埋込部234)が底付きの筒状をなす撹拌部218の内側の埋込孔236内に埋り込む状態に、撹拌部218に2色成形にて一体に成形されている。
軸体232は撹拌部218から外部に突出した部分全体が大径の取付部238とされている。
この取付部238には環状の取付溝239が形成されており、この取付溝239を相手側、即ち本体機構部ユニットの取付孔に嵌め合せることで、相手側の本体機構部ユニットに取付固定されるようになっている。
ここで大径の取付部238は、図中下面を可撓膜220の内周側の部分であって撹拌部218周りの膜内周部240の図中上面(外面)に接合させた状態に、撹拌部218に一体成形されている。
図8(A)はこの種軸体一体型の粘性流体封入ダンパとして本発明者等の案出したものを比較例として示している。
ここでは撹拌部218に一体に成形した硬質樹脂製の軸体232を撹拌部218から外部に突出させ、そして先端側に取付部241を、また図中下側にこれよりも軸直角方向寸法の大きい基部242を構成し、その取付部241において軸体232を相手側の本体機構部ユニットに取付固定するようにしている。
ここで基部242は、膜内周部244の上面(外面)に接合状態に撹拌部218に一体に成形されている。
膜内周部244の外周端からは円筒形状をなす膜円筒部246が立下り形状で形成されている。
これら膜内周部244と膜円筒部246との交叉部は内面,外面ともに湾曲形状(R形状)をなしている。
この図8(A)に示す粘性流体封入ダンパ254は、図9に示すようにして成形する。
同図において248は成形金型で本体部250と、図中左右方向にスライドするスライド型252,252とを有している。
この成形方法では、図9(I)に示しているように軸体232を周壁部214,可撓膜220,撹拌部218と一体に成形した後、(II)に示しているように取付部241を成形するためのスライド型252,252を図中左右方向にスライドさせて開き、その後成形後の軸体232,周壁部214,可撓膜220,撹拌部218を成形金型248から図中下向きに脱型する。
その後に別体をなす底部216を、図8(A)に示すように周壁部214の軸方向且つ開放側の一端に固着して開放部を閉鎖する。
尚、粘性流体210の封入は底部216を固着する前に行う。
しかしながらこの図8(A)に示す粘性流体封入ダンパ254の場合、取付部241の軸直角方向寸法Bを基部242の軸直角方向寸法Aよりも小さくしなければならず(そのようにしないと成形後の脱型ができない(図9(II)参照))、必然的に取付部241の寸法B(軸直角方向寸法)が小さいものとなって、取付部241を相手側に取り付ける際の取付作業性が悪いといった問題を生ずる。
そこで取付作業性を考えて取付部241の寸法Bを大きくすると、これに伴って基部242の寸法Aも大きくせざるを得ず、この場合、図8(B)に示しているように基部242の下面と可撓膜220、具体的には膜内周部244の上面とが広い範囲に亘って接合状態となって、基部242による可撓膜220の拘束範囲が広くなり、その結果として可撓膜220の可撓変形領域が少なくなって、粘性流体封入ダンパとしての減衰特性が悪化してしまう。
また可撓膜220の有効可撓長(軸直角方向長さ)が短くなることによって、更にはまた軸体232における基部242と可撓膜220との接合部と非接合部との境界部位が、可撓膜220の軸直角方向の中間位置となるため、粘性流体封入ダンパ254の防振作用時においてその境界部位に応力集中が生じ、同部分から可撓膜220が破れ易くなってしまい、耐久性低下に繋がるといった問題を生ずる。
この応力集中による可撓膜220の破れに対する対策として、可撓膜220の厚みを厚くするといったことも考えられるが、この場合には可撓膜220の肉厚が厚くなることによって可撓膜220の可撓性が低下し、従ってこの場合にも粘性流体封入ダンパとしての減衰特性が悪化する問題を生ずる。
特開2003−139182号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、取付部を大きく構成し得て相手側への取付作業性が良好であり、一方で減衰特性においても、更には耐久性においても良好な軸体一体型の粘性流体封入ダンパを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは軸体一体型粘性流体封入ダンパに関するもので、(a)筒状の周壁部と、(b)該周壁部の軸方向の一端を閉鎖する状態に設けられた底部と、(c)該周壁部の該底部とは反対側の一端に該周壁部に連続して設けられた薄肉の可撓膜と、(d)底付きの筒状を成して内側に軸体の埋込孔を有し、該可撓膜の中心部に設けられて該可撓膜とともに前記周壁部の前記底部と反対側の一端を閉鎖する撹拌部と、(e)前記埋込孔に埋り込む状態に該撹拌部に一体に成形され、外部に突出した部分に設けた取付部において支持部材及び被支持部材の一方に取付固定される軸体と、を有し、全体として密閉容器状をなして内部にシリコーンオイル等の粘性流体が封入され、前記撹拌部の該粘性流体に対する撹拌作用に基づいて前記支持部材と被支持部材との間で振動吸収する軸体一体型の粘性流体封入ダンパにおいて前記軸体における前記外部への突出部のうち、前記可撓膜から離隔した先端側の部分を前記取付部として、該取付部と前記可撓膜の内周側の部分であって前記撹拌部周りの膜内周部の外面との間の部分を基部としてそれぞれ構成し、該基部は、一様な横断面形状で軸方向に延びており、軸直角方向寸法を前記膜内周部の内周端寸法よりも小寸法で、前記軸体における前記埋込孔に埋り込んだ部分の外径寸法よりも大寸法となし且つ成形時及び防振作用時の何れにおいても前記膜内周部の外面に対して非接触の形状となし、前記取付部は、該基部よりも軸直角方向寸法が大寸法の扁平な板状となし、更に前記可撓膜は、前記膜内周部と該膜内周部の外周端から立ち下がる形状の膜円筒部とを有する形状となして該膜内周部の外面を軸直角方向の平坦面となし、該膜内周部の肉厚Tが他の部分の肉厚tよりも厚肉となすとともに、該膜内周部と膜円筒部との交叉部の外面を断面角形状となしてあることを特徴とする。
請求項のものは、請求項1において、前記取付部には固定ねじを挿通するねじ孔と位置決孔とが、それぞれ該取付部を板厚方向に貫通する状態で設けてあることを特徴とする。
請求項3のものは軸体一体型粘性流体封入ダンパの製造方法に関するもので、その製造方法は請求項1、2の何れかの軸体一体型粘性流体封入ダンパを成形する成形型を、前記膜円筒部の外面を成形する本体部と、前記膜内周部の外面及び前記軸体における該膜内周部からの外部への突出部分を成形する、前記本体部に対してスライドする一対のスライド型とを備えて構成し、該成形型により前記可撓膜の前記膜円筒部の外面と、前記膜内周部の外面及び前記軸体の前記取付部及び基部を成形した後、前記一対のスライド型を該軸体の軸直角方向にスライドさせて開くことにより成形品を該軸体の軸方向に脱型することを特徴とする
発明の作用・効果
以上のように本発明は、軸体一体型の粘性流体封入ダンパにおいて、軸体における外部への突出部のうち可撓膜から離隔した先端側の部分を取付部となして、その軸直角方向寸法を取付部と可撓膜との間に位置する基部よりも大寸法となし、また基部については軸直角方向寸法を可撓膜の膜内周部の内周端寸法よりも小寸法となし且つ成形時及び防振作用時の何れにおいても可撓膜における撹拌部周りの膜内周部の外面に非接触の形状となしたもので、本発明によれば、取付部を大きく形成して相手側(被支持部材若しくは支持部材)への取付作業性を良好となすことができる。
一方で取付部と可撓膜との間に位置する基部については成形時及び防振作用時の何れにおいても可撓膜に対して非接触の形状をなしているため、可撓膜の有効可撓長(軸直角方向長さ)を長くでき、即ち可撓変形領域を広くでき、粘性流体封入ダンパにおける減衰特性(防振特性)を良好となすことができる。
また軸体と可撓膜の外面とが接合していないため、可撓膜に対し部分的に応力集中が生じて可撓膜が破れるといった現象を防止でき、粘性流体封入ダンパの耐久性を高めることができる。
即ち、本発明によれば相手側への良好な取付作業性と良好な減衰特性,耐久性能の何れをも確保することが可能となる。
ここで上記取付部は扁平な板状となしておく。
一方上記基部は一様な横断面形状で軸方向に延出するようになしておく。
また本発明は可撓膜の膜内周部、即ち撹拌部周りの部分の外面を軸直角方向の平坦面となしたものである。
このようにすれば、成形金型における膜内周部の外面を成形する部分を、軸直角方向にスライドして開閉するスライド型となすことができ(図9の成形方法では樹脂製の軸体の取付部を成形する部分が同方向のスライド型とされている)、これによって取付部の軸直角方向寸法が基部に対して大寸法をなす軸体を容易に成形し、脱型できるようになる。
更に、可撓膜における上記膜内周部の肉厚T他の部分の肉厚tよりも厚肉となしておく。
このようにすれば、膜内周部の外面を成形するスライド型と、その外周端から立下る形状の膜円筒部の外面を成形する成形金型の本体部とによるパーティングラインが膜内周部の外周端に生じ、同部に成形時のバリが発生したとしても、膜内周部の肉厚が厚くされているため、バリの部分に応力集中してそこから可撓膜に破れが生じるのを良好に防止することができ、可撓膜の耐久性、ひいては粘性流体封入ダンパの耐久性を良好となすことができる。
ここでTはtの2倍以上となしておくことができる。
また本発明は膜内周部の外周端から膜円筒部を立下り形状で形成し、膜内周部と膜円筒部との交叉部の外面を断面角形状となしたもので、このようにすることで、膜内周部の外面を平坦面とすることと相俟って、成形金型の膜内周部の外面を成形する部分を軸直角方向のスライド型として容易に構成することができる。
尚、取付部には固定ねじを挿通するねじ孔を設けておくことができる(請求項2)
次に本発明を車載用ディスクプレーヤの防振支持に適用した場合の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10はディスクプレーヤにおける本体機構部ユニット(被支持部材)で、12は支持フレーム(支持部材)である。
本体機構部ユニット10は支持フレーム12により図示を省略するスプリングを介して弾性支持されている。
これら本体機構部ユニット10と支持フレーム12との間には、本実施形態の軸体一体型の粘性流体封入ダンパ14が介装されており、本体機構部ユニット10と支持フレーム12とが粘性流体封入ダンパ14を介して結合されている。
ここで粘性流体封入ダンパ14は横向きに配置されている。
図2及び図3にこの実施形態の粘性流体封入ダンパ14の具体的構成が示してある。
同図に示しているように粘性流体封入ダンパ14は、円筒形状の周壁部16と、その軸方向の一端を閉鎖する底部18と、周壁部16の底部18とは反対側の一端に周壁部16に連続して設けられた薄肉の可撓膜20と、可撓膜20の中心部に設けられ可撓膜20とともに周壁部16の底部18とは反対側の一端を閉鎖する撹拌部22とを有しており、全体として密閉容器状をなしていてその内部にシリコーンオイル等の粘性流体24が封入されている。
この粘性流体封入ダンパ14は、撹拌部22が後述する軸体38とともに粘性流体24内部で相対移動して、その際の粘性流体24に対する撹拌作用に基づいて支持フレーム12と本体機構部ユニット10との間で振動吸収作用する。
周壁部16は硬質樹脂(ここではポリプロピレン)から成る外周壁部26と、軟質の弾性体(ゴム,エラストマー等)から成る内周壁部28とから成っている。
また可撓膜20及び撹拌部22は内周壁部28と同じ弾性体にて一体に成形されている。
一方底部18は外周壁部26と同じく硬質樹脂(ここではポリプロピレン)にて構成されている。
ここで底部18は周壁部16とは別体に成形されており、粘性流体24の注入後において周壁部16の一端に固着され、周壁部16と一体化されている。
この底部18には上記支持フレーム12への固定用の取付部29が一体に成形されている。
図2(B)において、30は可撓膜20の内周側の部分であって軸直角方向に延びる撹拌部22周りの膜内周部を表しており、また32はその膜内周部30の外周端から図中下向きに立下る第1の膜円筒部(内円筒部)を表している。
更に34はその第1の膜円筒部32の下端から再び径方向(軸直角方向)に延びて最外周の第2の膜円筒部(外円筒部)35に繋がる膜外周部を表している。
ここで膜内周部30は、図中上面(外面)が軸直角方向の平坦面をなしており、またその肉厚Tは他の部分の肉厚tに対して2倍の膜厚とされている。
更に膜内周部30と第1の膜円筒部32との交叉部の外面は断面角形状とされている。即ちコーナ部Cの断面における外面形状が角形状とされている。
但しコーナ部Cの外面形状は半径0.3mm以下の小さな曲りをもたせておいても良い。
撹拌部22は底付きの円筒形状をなしており、内側に埋込孔36を形成している。
38は撹拌部22に一体に成形された硬質樹脂(ここではポリプロピレン)から成る軸体で、その一部が埋込孔36に埋込状態に撹拌部22に2色成形により一体成形されている。図中40は埋込孔36への埋込部を表している。
埋込部40は断面円形状をなしており、その上端部に径方向外方に環状に突出する鍔状部42を有している。
軸体38は、撹拌部22から外部に突出しており、その突出部分の先端側に取付部44が設けられている。
取付部44は、図3にも示しているように扁平な板状をなしており、その幅寸法即ち軸直角方向寸法Yが、取付部44と可撓膜20との間の基部46の幅寸法即ち軸直角方向寸法Xに対して大寸法とされている。ここで基部46は断面四角形状をなしている。
取付部44には、固定ねじ52(図1(B)参照)を挿通させる円形のねじ孔48が、またその下側に同じく円形の位置決孔50が、それぞれ取付部44を板厚方向に貫通する状態で形成されている。
図1(B)は取付部44の本体機構部ユニット10への取付構造を示している。
同図に示しているようにここでは取付部44のねじ孔48に固定ねじ52が挿通された上、本体機構部ユニット10の固定部54のねじ孔56にねじ込まれ、かかる固定ねじ52によって取付部44と固定部54とがねじ締結、即ち粘性流体封入ダンパ14が本体機構部ユニット10に取付固定されている。
また取付部44の位置決孔50には固定部54から突出した位置決ピン58が嵌り込んでおり、これによって取付部44が固定部54に対し位置決めされている。
図4は粘性流体封入ダンパ14の成形方法の要部を表している。
同図において60は成形金型で、本体部62と、軸直角方向(図中左右方向)にスライドして進退するスライド型64-1,64-2とを有している。
ここでスライド型64-1には取付部44のねじ孔48,位置決孔50を成形する成形ピン66,68が突設されている。
これらスライド型64-1,64-2は取付部44の板厚方向にスライド可能とされている。
本実施形態では、上記可撓膜20における膜内周部30の上面及び軸体38における外部への突出部分、詳しくは基部46と取付部44とがこれらスライド型64-1,64-2にて成形される。
従ってこの成形方法によれば、図5にも示しているように成形後においてスライド型64-1,64-2を後退方向にスライドさせ、開くことによって成形品を支障無く図中下向きに脱型することができる。
本実施形態において、このようなスライド型64-1,64-2によって可撓膜20の膜内周部30を成形することが可能となったのは、かかる膜内周部30の上面を軸直角方向の平坦面となしたことに基づいている。
この場合、膜内周部30の外周端に沿ってスライド型64-1,64-2と本体部62とのパーティングラインが生ずるが、本実施形態では膜内周部30の肉厚Tが他の部分の肉厚tに対して厚肉とされているため、更にそのパーティングラインがコーナ部Cの角部に生じ、成形時のバリがそのコーナ部Cに生ずるため、そのようなバリが生じたとしても可撓膜20の耐久性を良好に保つことができる。
以上のように本実施形態においては、軸体一体型の粘性流体封入ダンパ14の軸体38の外部への突出部のうち、可撓膜20から離隔した先端側の部分の取付部44の幅寸法(軸直角方向寸法)Yを大寸法となし、図中下側の基部46の幅寸法(軸直角方向寸法)Xを小寸法とし且つ成形時及び防振作用時の何れにおいても可撓膜20に対して非接触の形状と成していることから、本体機構部ユニット10に対して取付部44を取付固定する際の取付作業性を良好となすことができる。
また軸体38(詳しくは基部46)が可撓膜20に対して非接触であるため、可撓膜20の有効可撓長(軸直角方向長さ)を長くでき、粘性流体封入ダンパ14の減衰特性を良好となすことができる。
また軸体38(詳しくは取付部44)と可撓膜20とが接合していないため、可撓膜20に対し部分的に大きな応力集中が生じて、その応力集中により可撓膜20が破れるといった現象を防止でき、粘性流体封入ダンパ14の耐久性を高めることができる。
即ちこの実施形態によれば相手側への良好な取付作業性と良好な減衰特性,耐久性能の何れをも確保することができる。
また本実施形態によれば、粘性流体封入ダンパ14の成形時においてバリが発生するのは、上面が軸直角方向の平坦面をなす膜内周部30の外周端且つコーナ部Cであり、しかもその膜内周部30の肉厚Tは他の部分の肉厚tに対して厚肉とされているため、更にはコーナ部Cが断面角形状をなしているため、コーナ部Cでバリが生じたとしてもそのことによって可撓膜20の耐久性が低下するのを効果的に防止することができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態の粘性流体封入ダンパを取付状態で示す図である。 同実施形態の粘性流体封入ダンパを単体状態で示す図である。 同実施形態の粘性流体封入ダンパを一部切り欠いて示す斜視図である。 同実施形態の粘性流体封入ダンパの成形方法の説明図である。 図4(II)の工程を取り出して示す説明図である。 従来の粘性流体封入ダンパの一例を示す図である。 従来の粘性流体封入ダンパの図6とは異なる例を示す図である。 図7と同種の軸体一体型の粘性流体封入ダンパを比較例として示す比較例図である。 図8の粘性流体封入ダンパの成形方法の説明図である。
10 本体機構部ユニット(被支持部材)
12 支持フレーム(支持部材)
14 粘性流体封入ダンパ
16 周壁部
18 底部
20 可撓膜
22 撹拌部
24 粘性流体
30 膜内周部
32 第1の膜円筒部
36 埋込孔
38 軸体
44 取付部
46 基部
48 ねじ孔
52 固定ねじ
C コーナ部(交叉部)
X 基部の軸直角方向寸法
Y 取付部の軸直角方向寸法
T 膜内周部の肉厚
t 他の部分の肉厚

Claims (3)

  1. (a)筒状の周壁部と、(b)該周壁部の軸方向の一端を閉鎖する状態に設けられた底部と、(c)該周壁部の該底部とは反対側の一端に該周壁部に連続して設けられた薄肉の可撓膜と、(d)底付きの筒状を成して内側に軸体の埋込孔を有し、該可撓膜の中心部に設けられて該可撓膜とともに前記周壁部の前記底部と反対側の一端を閉鎖する撹拌部と、(e)前記埋込孔に埋り込む状態に該撹拌部に一体に成形され、外部に突出した部分に設けた取付部において支持部材及び被支持部材の一方に取付固定される軸体と、を有し、全体として密閉容器状をなして内部にシリコーンオイル等の粘性流体が封入され、前記撹拌部の該粘性流体に対する撹拌作用に基づいて前記支持部材と被支持部材との間で振動吸収する軸体一体型の粘性流体封入ダンパにおいて
    前記軸体における前記外部への突出部のうち、前記可撓膜から離隔した先端側の部分を前記取付部として、該取付部と前記可撓膜の内周側の部分であって前記撹拌部周りの膜内周部の外面との間の部分を基部としてそれぞれ構成し、
    該基部は、一様な横断面形状で軸方向に延びており、軸直角方向寸法を前記膜内周部の内周端寸法よりも小寸法で、前記軸体における前記埋込孔に埋り込んだ部分の外径寸法よりも大寸法となし且つ成形時及び防振作用時の何れにおいても前記膜内周部の外面に対して非接触の形状となし、
    前記取付部は、該基部よりも軸直角方向寸法が大寸法の扁平な板状となし、
    更に前記可撓膜は、前記膜内周部と該膜内周部の外周端から立ち下がる形状の膜円筒部とを有する形状となして該膜内周部の外面を軸直角方向の平坦面となし、該膜内周部の肉厚Tが他の部分の肉厚tよりも厚肉となすとともに、該膜内周部と膜円筒部との交叉部の外面を断面角形状となしてあることを特徴とする軸体一体型粘性流体封入ダンパ。
  2. 請求項1において、前記取付部には固定ねじを挿通するねじ孔と位置決孔とが、それぞれ該取付部を板厚方向に貫通する状態で設けてあることを特徴とする軸体一体型粘性流体封入ダンパ。
  3. 請求項1、2の何れかの軸体一体型粘性流体封入ダンパを成形する成形型を、前記膜円筒部の外面を成形する本体部と、前記膜内周部の外面及び前記軸体における該膜内周部からの外部への突出部分を成形する、前記本体部に対してスライドする一対のスライド型とを備えて構成し、該成形型により前記可撓膜の前記膜円筒部の外面と、前記膜内周部の外面及び前記軸体の前記取付部及び基部を成形した後、前記一対のスライド型を該軸体の軸直角方向にスライドさせて開くことにより成形品を該軸体の軸方向に脱型することを特徴とする軸体一体型粘性流体封入ダンパの製造方法。
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