JP4537561B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイドウォール部の耐カット性を向上しうる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、ステーションワゴンやSUV(Sports Utility Viechle)などと称される多目的自動車が普及しつつある。この種の自動車は、一般乗用車に比べると車体重量が大でありかつ一般道だけではなく非舗装路といったラフロードの走行性もある程度必要であるため、比較的大型で扁平率の大きなタイヤ(例えば扁平率が60%程度)が装着される傾向がある。そしてこのようなタイヤでは、サイドウォール部の領域が比較的大きくなるため、ラフロード走行時、サイドウォール部にカット傷などを受けやすい。
【0003】
従来、サイドウォール部の耐カット性を高めるために、タイヤの骨格をなすカーカスを2枚のカーカスプライで構成することや、サイドウォール部にカーカスとは別のコード補強層を前記カーカスに沿って配することが行われていた。
【0004】
しかしながら、これらの方法では、サイドウォール部の曲げ剛性も同時に向上されてしまうため、乗り心地が悪化するという問題があり、特に前者の方法では、タイヤ重量の著しい増加を招き、車両の燃費性能にも悪影響を与えるという問題がある。
【0005】
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、サイドウォール部に配されるコード補強層の構成又はその配置場所等を限定することを基本として、乗り心地を損ねることなくサイドウォール部の耐カット性を向上しうる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層と、前記カーカスの外側のサイドウォールゴムに配されたコード補強層とを具える空気入りタイヤであって、前記サイドウォールゴムは、タイヤ軸方向外側に配されかつゴム硬さが大の外側サイドウォールゴムと、その内側に配されかつ前記外側サイドウォールゴムよりもゴム硬さが小の内側サイドウォールゴムとを含むとともに、前記コード補強層を前記外側サイドウォールゴムに配したことを特徴としている。
【0007】
また請求項2記載の発明は、前記外側サイドウォールゴムのJISデュロメータA硬さHS1と、前記内側サイドウォールゴムのJISデュロメータA硬さHS2との差(HS1−HS2)が5〜20度であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤである。
【0008】
また請求項3記載の発明は、前記コード補強層は、タイヤ回転軸を含むタイヤ断面において、屈曲を繰り返す波状をなす波状部を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤである。
【0009】
また請求項4記載の発明は、前記コード補強層は、前記ベルト層のタイヤ軸方向外端を通るタイヤ軸方向線からタイヤ半径方向内外に10mmを隔てる境界線内に位置する外端と、タイヤ断面最大巾位置よりもタイヤ半径方向内側の内端とを有し、かつ前記波状部の波ピッチが4〜20mmでしかも波の振幅が1.5〜3.0mmであることを特徴とする請求項3記載の空気入りタイヤである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下参考例の実施形態を図面に基づき説明する。
図1には参考例に係る空気入りタイヤ1の実施形態を示すタイヤ軸を含むタイヤ右半分断面図を示している。図において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7と、前記カーカス6の外側のサイドウォールゴム3Gに配されたコード補強層9とを具えている。
【0011】
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して75゜〜90゜の角度で配列したラジアル構造の1枚以上、本例では軽量化を図るべく1枚のカーカスプライ6Aから構成されている。前記カーカスコードは、本例ではポリエステルコードが採用されるが、これ以外にもナイロン、レーヨンなどの有機繊維コード、さらにはアラミドコードやスチールコードをも採用しうる。また前記カーカス6は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aからのびて前記ビードコア5の廻りで折り返される折返し部6bとを一体に具えている。
【0012】
そしてこれらの本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペックス8が配され、ビード部4を効果的に補強している。また折返し部6bは、本例ではその端部をタイヤ軸を含むタイヤ断面最大巾位置Mよりもタイヤ半径方向内側に位置させたいわゆるローターンアップ構造として軽量化を図りかつ乗り心地を高めたものが例示される。ただし、特にこの構造に限定されるわけではない。
【0013】
また前記ベルト層7は、コードをタイヤ赤道に対して例えば15〜45°の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向内側のベルトプライ7Aと、その外側に配されたベルトプライ7Bとの2枚のベルトプライからなり、前記コードを互いに交差する向きに重ね合わせて構成されている。なお内側のベルトプライ7Aは、本例では外側のベルトプライ7Bよりもタイヤ軸方向の巾を大とし、その端部でベルト層7の外端7eを形成する。また前記ベルトプライ7A、7Bに配列されるコードは、本例ではスチールコードを採用しているが、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いることができる。
【0014】
前記コード補強層9は、本例では前記サイドウォール部3の前記カーカス6の外側に配されたサイドウォールゴム3Gに埋設されている。このようなコード補強層9は、サイドウォール部3に異物等が衝突ないし接触した際に生じるカット傷などが、前記カーカス6に達するのを阻止し、タイヤの耐久性を向上するのに役立つ。
【0015】
そして本実施形態のコード補強層9は、タイヤ回転軸を含むタイヤ断面において、屈曲を繰り返す波状をなす波状部10を含むことを特徴事項の一つとしており、本例ではコード補強層9の略全域をこのような波状部10で構成したものを例示する。前記の如く、サイドウォールゴム3Gにコード補強層9を配して耐カット性を向上する場合、通常、コード補強層9はカーカス6の外面と略平行をなすものである。しかしながら、このようなコード補強層では、サイドウォール部3の曲げ剛性も同時に向上されてしまい乗り心地を損ねやすい。本実施形態では、コード補強層9に前記波状部10を含ませることにより、コード補強層9に屈曲の起点を多数与え、その結果、撓み性を確保してサイドウォール部3の曲げ剛性を過度に上昇させることなく耐カット性を向上しうる。
【0016】
ここで、図2に略示する如く、前記コード補強層9は、前記波状部10の波ピッチPが4〜20mmでしかも波の振幅Aが1.5〜3.0mmであることが望ましい。なお波ピッチP、波の振幅Aは、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した無負荷の状態で図2の如く測定する。ここで、正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めているリムであり、JATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"となる。また、正規内圧とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" であるが、タイヤが乗用車用である場合には180KPaとする。
【0017】
前記波ピッチPが、4mm未満であると、このようなコード補強層9の製造が困難になる他、サイドウォール部3の屈曲変形に伴なって耐久性の低下が懸念される。逆に前記波ピッチPが20mmを超えると、サイドウォール部3の曲げ剛性の増加を抑制する効果が小さくなり、乗り心地を損ないやすい。このような観点より、前記波ピッチPは、より好ましくは4〜10mm、さらに好ましくは6〜8mmとすることが特に望ましい。なお波ピッチPが複数ある場合には、前記範囲の波ピッチPを主体的に含むことが望ましい。また前記波の振幅Aが1.5mm未満であると、サイドウォール部3の曲げ剛性の増加を抑制する効果が小さくなり、乗り心地を損ないやすく、逆に3.0mmを超えると、サイドウォール部3の厚さが大となり、タイヤ重量の軽量化を阻害する傾向がある。より好ましくは、前記波の振幅Aは、1.5〜2.5mm、さらに好ましくは1.8〜2.3mmとすることが望ましい。
【0018】
なお本実施形態では、コード補強層の外端9aに近づくほど、波状部10の波ピッチP及び/又は波の振幅Aが徐々に大きくなるように変化しているものを例示している。このような形態では、損傷を受けやすいバットレス部において効果的に耐カット性を向上しうる他、バットレス部からタイヤ半径方向内側へ向かうサイドウォール部領域では、カーカス外側のゴム厚さが減少するのに応じて振幅Aを小にでき、かつピッチPを小さくすることにより、極端な曲げ剛性の変化を抑制することが可能となる点で好ましい。
【0019】
また前記コード補強層9は、軽量化のために例えばナイロン、ポリエステル、レーヨン、アラミドといった有機繊維コードから形成することが望ましいが、必要によりスチールコードを採用することもできる。またコード補強層9は、前記コードを平行に配列しかつその両側をトッピングゴムで被覆したコードプライが用いられるとともに、例えばプレス、或いは軸芯位置を上下に異ならせかつコードプライの幅方向に配した複数の段差ローラ群を通過させること等により波状にくせ付けされて形成しうる。また、このようなコード補強層9は、押出機から押出しされるサイドウォールゴム材料と所定形状のダイプレートの手前で合流されることにより、図3に示す如く、予め生サイドウォールゴムGと一体化された生サイドウォールゴム体3GLとしてタイヤ成形に用いられる。
【0020】
また前記コード補強層9のコード角度は、特に限定されないが、例えばタイヤ周方向に対して10〜80゜、より好ましくは30〜60゜、さらに好ましくは40〜50゜の角度で傾けて配列することが望ましい。前記角度が10゜未満になると、波状部10の形成が困難な傾向があり、逆に80゜を超えると、サイドウォール部3の曲げ剛性を高めがちとなる。なおコード補強層9は、本例では1枚のコードプライにより形成したものを例示するが、必要によりコードプライを2枚以上用いて形成することでも良い。また本例ではコード補強層9の全てを波状部10としたが、部分的に波状部10を設けるときには、コード補強層9の30%以上の長さを確保するのが望ましい。
【0021】
またコード補強層9は、図1の如く、タイヤ半径方向の外端9aと内端9bとを有し、これらの間をタイヤ半径方向にのびている。前記コード補強層9の外端9aは、前記ベルト層7のタイヤ軸方向外端7eを通るタイヤ軸方向線Nからタイヤ半径方向内外に10mmを隔てる境界線Na、Nb内に位置することが望ましい。前記コード補強層9の外端9aが、外側の境界線Naよりも外側にあると、該外端9aがタイヤ表面に近接するため、タイヤの耐久性が低下しやすく、逆に前記外端9aが、内側の境界線Nbよりも内側にあると、カット傷が最も生じやすいサイドウォール部3のタイヤ半径方向外端側の領域であるバットレス部を効果的に補強できず、本発明の効果が低下しやすい。特に好ましくは、タイヤ軸方向線Nからタイヤ半径方向内外に5mmを隔てる境界線内に位置することが望ましい。
【0022】
他方、コード補強層9の内端9bは、本例ではタイヤ断面最大巾位置Mよりもタイヤ半径方向内側に位置しており、従ってサイドウォール部3の広範囲で耐カット性を向上するのに役立つ。またコード補強層9の内端9bが、屈曲が比較的激しいサイドウォール部のタイヤ断面最大巾位置Mと揃うことがないため、コード補強層9の内端9bでのゴム剥離などを防止でき、耐久性の低下をも抑制しうる。なお本実施形態では、前記コード補強層の内端9bは、前記カーカスプライ6Aの折返し部6bの外端6beと、タイヤ半径方向の小距離Dを隔てる位置に設けられ、この小距離Dは、5mm以上、より好ましくはタイヤ断面高さHの例えば0.04〜0.08倍、より好ましくは0.05〜0.07倍としている。これにより、前記コード補強層9の内端9bとカーカスプライの折返し部6bとが近接ないしオーバーラップすることを防止し、サイドウォール部3の曲げ剛性の過度の上昇と耐久性の低下を効果的に防止しうる。
【0023】
また空気入りタイヤ1の耐久性の低下を防止するためには、前記コード補強層9とカーカス6の各コード間距離(即ち、ゴム厚さ)を少なくとも0.5mm、より好ましくは1.0mm以上確保することが望ましい。これにより、カーカスコードとの間のせん断力を介在するゴムによって緩和でき、耐久性をより向上しうる。同様に、コード補強層9のコードとサイドウォール部3の外面との間のゴム厚さを少なくとも1.0mm、より好ましくは1.5mm以上とすることが望ましい。
【0024】
次に本発明の実施形態について図4に基づき説明する。本実施形態の空気入りタイヤ1は、カーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側に配された前記ベルト層7と、前記カーカス6の外側のサイドウォールゴム3Gに配されたコード補強層19とを具えている。前記カーカス6、ベルト層7については、前記参考例と同一のものを用いているためここでの説明は省略する。
【0025】
本実施形態では、前記サイドウォールゴム3Gは、タイヤ軸方向外側に配されかつゴム硬さが大の外側サイドウォールゴム12と、その内側に配されかつ前記外側サイドウォールゴム12よりもゴム硬さが小の内側サイドウォールゴム13とを含み、本例ではサイドウォールゴム3Gは、前記外側サイドウォールゴム12と前記内側サイドウォールゴム13とからなる2層のものが例示される。
【0026】
前記外側サイドウォールゴム12のゴム硬さ、本例ではJISデュロメータA硬さHS1は、例えば55〜75゜、より好ましくは60〜75゜程度に設定される。また前記内側サイドウォールゴム13のJISデュロメータA硬さHS2は、前記外側サイドウォールゴム12のJISデュロメータA硬さHS1よりも小かつ40〜60゜、より好ましくは45〜55゜に設定される。より好ましくは前記JISデュロメータA硬さHS1、HS2の差(HS1−HS2)を5〜20゜、さらに好ましくは10〜18゜とする。
【0027】
このように、外傷を受けやすいサイドウォール部3の表面側に硬質の外側サイドウォールゴム12を配することにより、ゴム硬さに基づく耐カット性を与えることができる。他方、サイドウォールゴム3Gの内層には、ゴム硬さが小の内側サイドウォールゴム13を配しているため、サイドウォールゴム全体の曲げ剛性が過度に上昇するのを防止でき、乗り心地の著しい悪化を抑制しうる。
【0028】
また本実施形態では、コード補強層19を前記ゴム硬さが大の外側サイドウォールゴム12に配したことを特徴事項の一つとしている。耐カット性能を考慮した場合、コード補強層19は、タイヤ軸方向の外側、すなわち図5に略示する如く、サイドウォール部3の表面付近に寄せて配することが内部損傷を防止する上で効果的となる。しかしながら、コード補強層9をサイドウォールゴム3Gの表面付近に設けた場合、該コード補強層9はサイドウォールゴムの曲げ中立線Yからタイヤ軸方向外側に離れた曲げ応力が大きく働く位置に配されてしまうこととなり、結果としてサイドウォールゴム3Gの曲げ剛性を大幅に上昇させてしまう。
【0029】
そこで、本実施形態では、外側サイドウォールゴム12のゴム硬さを大としてサイドウォールゴム3Gの曲げ中立線Yをタイヤ軸方向外側(外側サイドウォールゴム側)に移行させるとともに、この外側サイドウォールゴム12にコード補強層9を配することで、前記曲げ中立線Yとコード補強層9との距離を減じ、全体的なサイドウォールゴム3Gの曲げ剛性の上昇を抑制している。
【0030】
なお本実施形態では、コード補強層9は、カーカス6に沿って滑らかに湾曲するものを例示しているが、前記参考例の如く、屈曲を繰り返す波状部10を含んでいても良い。また本実施形態のコード補強層9においても、そのコード角度や、コード材料、外端、内端の位置などは前記参考例と同様の規定が採用できる。
【0031】
【実施例】
次に本発明のより具体的な実施例について説明する。
タイヤサイズが275/70R16でありかつ表1、表2に示す仕様にて空気入りラジアルタイヤを試作するとともに、耐カット性、乗り心地、タイヤ重量についてテストを行い、性能を比較した。なおタイヤの共通仕様として、カーカスは、ポリエステルコードをタイヤ赤道に対して88゜で傾けてなり、その外側にスチールコードをタイヤ赤道に対して15゜で傾く2層の交差ベルトプライを用いた。なお従来例のタイヤは、2枚のカーカスプライでカーカスを構成しているが、その他のタイヤはいずれも1枚のカーカスプライでカーカスを構成している。またコード補強層はいずれも1枚(従来例を除く)とし、そのコードにはナイロンを用いた。
【0032】
また耐カット性は、テストコースにコントロールされた悪路を設けるとともに、この悪路を100km走破したのち、サイドウォール部における破傷(長さ×深さ)の合計を従来例を100とする指数で表示している(耐ロードハザード性)。数値が大きいほど耐カット性が高く良好である。
【0033】
また乗り心地については、前記リム組みタイヤを排気量2000ccの国産SUV車に装着し、ドライアスファルト路面の段差路、ベルジャソ路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等において、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングに関して官能評価を行い、従来例を6とする10点法により評価した。数値が大きい方が良好である。
【0034】
またタイヤ重量については、タイヤ1本当たりの重量を測定し、従来例を100とする指数で表示している。数値が小さいほど軽量であることを示す。
テストの結果を表1、表2に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004537561
【0036】
【表2】
Figure 0004537561
【0037】
テストの結果、実施例のものは、従来例と同程度の耐カット性を具えつつ比較例に比べて乗り心地を大幅に向上していることが確認できる。
【0038】
【発明の効果】
上述したように、請求項1記載の発明では、前記サイドウォールゴムは、タイヤ軸方向外側に配されかつゴム硬さが大の外側サイドウォールゴムと、その内側に配されかつ前記外側サイドウォールゴムよりもゴム硬さが小の内側サイドウォールゴムとを含むとともに、前記コード補強層を前記外側サイドウォールゴムに配したことにより、外側サイドウォールゴムのゴム硬さとコード補強層とで耐カット性を向上できる
【0039】
また請求項2記載の発明の如く、前記外側サイドウォールゴムのJISデュロメータA硬さHS1と、前記内側サイドウォールゴムのJISデュロメータA硬さHS2との差(HS1−HS2)を一定範囲に規制したときには、より効果的に耐カット性を高めかつ乗り心地の悪化を防止できる。
【0040】
また請求項3記載の発明では、サイドウォールゴムに配されたコード補強層が、タイヤ回転軸を含むタイヤ断面において、屈曲を繰り返す波状をなす波状部を含むことにより、コード補強層に多数の屈曲の起点を与え、その結果、サイドウォール部の曲げ剛性を過度に上昇させることなく撓ませることができるから乗り心地を損ねることなく耐カット性を向上しうる
【0041】
また請求項4記載の発明の如く、前記コード補強層の外端、内端の位置を限定するとともに、前記波状部の波ピッチ、波の振幅を限定したときには、より確実に乗り心地を損ねることなく耐カット性をさらに向上しうる。
【0042】
また請求項4記載の発明の如く、前記外側サイドウォールゴムのJISデュロメータA硬さHS1と、前記内側サイドウォールゴムのJISデュロメータA硬さHS2との差(HS1−HS2)を一定範囲に規制したときには、より効果的に耐カット性を高めかつ乗り心地の悪化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例の実施形態を示す空気入りタイヤの右半分断面図である。
【図2】コード補強層の略図である。
【図3】生サイドウォールゴム体の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す空気入りタイヤの右半分断面図である。
【図5】サイドウォールゴムの部分断面図である。
【符号の説明】
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
9 コード補強層
9a コード補強層の外端
9b コード補強層の内端
10 波状部
A 波の振幅
P 波ピッチ

Claims (4)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層と、前記カーカスの外側のサイドウォールゴムに配されたコード補強層とを具える空気入りタイヤであって、
    前記サイドウォールゴムは、タイヤ軸方向外側に配されかつゴム硬さが大の外側サイドウォールゴムと、その内側に配されかつ前記外側サイドウォールゴムよりもゴム硬さが小の内側サイドウォールゴムとを含むとともに、
    前記コード補強層を前記外側サイドウォールゴムに配したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記外側サイドウォールゴムのJISデュロメータA硬さHS1と、前記内側サイドウォールゴムのJISデュロメータA硬さHS2との差(HS1−HS2)が5〜20度であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記コード補強層は、タイヤ回転軸を含むタイヤ断面において、屈曲を繰り返す波状をなす波状部を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記コード補強層は、前記ベルト層のタイヤ軸方向外端を通るタイヤ軸方向線からタイヤ半径方向内外に10mmを隔てる境界線内に位置する外端と、
    タイヤ断面最大巾位置よりもタイヤ半径方向内側の内端とを有し、
    かつ前記波状部の波ピッチが4〜20mmでしかも波の振幅が1.5〜3.0mmであることを特徴とする請求項3記載の空気入りタイヤ。
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