JP4537452B2 - 内燃機関に関連する弁装置 - Google Patents

Description

本発明は、少なくとも１つのカムシャフトを有する内燃機関用の弁駆動（動弁）装置において、カムシャフトが歯付きシャフトと少なくとも１つのカム部とを有し、カム部が、歯付きシャフト上のアクチュエータによってカム部を変位させることでガス交換弁を可変作動させるための、互いに隣接して配置された複数の異なるカム通路を有し、歯付きシャフトがシャフト形状（シャフト・プロファイル）を有し、カム部が、前記シャフト形状に一致するハブ形状（ハブ・プロファイル）を有している弁駆動装置に関する。

内燃機関のかかる弁駆動装置はＤＥ１９６１１６４１Ｃ１により知られている。カムシャフトの歯付きシャフトにおけるカム部の変位は、シャフト形状およびハブ形状によって可能となる。４行程往復ピストン式の内燃機関では、所定数のシリンダに対して点火順序が定められているので、カムは、カムシャフト上で互いに対して特定の角度で配置されていなければならない。均一な点火間隔を有する４気筒往復ピストン式の内燃機関において、吸気弁カムの互いに対する相対的回転角度および排気弁カムの互いに対する相対的回転角度は、いずれの場合も９０°である。当然ながら、対応するカムシャフトを形成することは簡単である。

（発明の開示）
本発明の目的は、形状を均一にすると工具費が削減されかつ歯付きシャフトおよびカム部に対してブランクが同一となることから、同じ歯付きシャフトおよび同じカム部を複数のエンジンのバージョンの吸気カムシャフトおよび／または排気カムシャフトに用いることを可能にする、内燃機関用の汎用の弁駆動装置を製造することである。

本発明の目的が達成されるのは、シャフト形状およびハブ形状の楔、切込みまたは歯の数が、直列型エンジン、Ｖ型エンジン、Ｗ型エンジンなど、任意の数のシリンダを有する任意の種類の４行程内燃機関の様々なカム位置を同じ歯付きシャフトおよびカム部で実現できるようなものであるからである。

シャフト形状およびハブ形状に関連して楔、切込みまたは歯について言及するとき、様々な標準化されたシャフト形状およびハブ形状があり、それらのシャフト形状およびハブ形状はすべて本発明に包含されるべきであることに留意されたい。全く同一の形状を、したがって全く同一の歯付きシャフトおよび全く同一のベースカム部を全く異なる角度に使用したい場合、異なる角度位置を実現できることが必要である。

吸気カムの互いに対する間隔と排気カムの互いに対する間隔は、いずれの場合も、均一な点火間隔を有する３気筒直列型エンジンにおいては１２０°、４気筒直列型エンジンにおいては９０°、６気筒直列型エンジンにおいて、また均一な点火間隔を有する６気筒Ｖ型エンジンにおいては６０°、８気筒Ｖ型エンジンにおいては４５°、１２気筒Ｖ型エンジンにおいては３０°である。これらの角度間隔はエンジン全体に、したがって、１つの吸気弁カムシャフトおよび１つの排気弁カムシャフト、または吸気弁および排気弁用に１つの共通の均一なカムシャフトがエンジンごとに使用されるときにのみ適用される。Ｖ型エンジンに関しては、少なくとも１つの別個のカムシャフトがシリンダローまたはシリンダ列ごとに使用される場合、エンジンの点火順序もまた考慮される。点火順序が一方のシリンダローから他方のシリンダローへと互い違いとなる場合、１つのシリンダローの１つまたは複数のカムシャフトにおける吸気カムおよび排気カムの角度間隔は２倍になる。しかしながら、さらなるエンジン、特に直列型エンジン、Ｖ型エンジンおよびＷ型エンジンが最大２０気筒で使用されることがあるので、カムの互いに対するすべての間隔は、楔、切込みまたは歯の適切な数によって定められるべきである。

本発明の好ましい一実施形態において、３気筒、４気筒および６気筒を備える直列型エンジン、さらには均一な点火間隔を有する６気筒を備えるＶ型エンジンならびに８気筒および１２気筒のＶ型エンジンには、楔、切込みまたは歯の数は好ましくは２４または２４の倍数とすることが提案される。この数が得られるのは、６気筒エンジンと８気筒エンジンとの間ならびに８気筒エンジンと１２気筒エンジンとの間の角度間隔が、いずれの場合も２つの吸気カムおよび２つの排気カムの間で１５°であり、したがって、カムシャフトの３６０°の１回転で１５°の間隔を得ることを可能にしなければならず、結果として２４という歯の数となるからである。既に上述したように、１つのカムシャフトまたは１つの吸気カムシャフトと１つの排気カムシャフトをシリンダローごとに使用する場合、歯の数を減らすことが可能である。

また、５気筒直列型エンジンおよび１０気筒Ｖ型エンジンをも考慮したい場合、楔、切込みまたは歯の数は好ましくは１２０または１２０の倍数となる。この数が得られるのは、前記発動機を考慮すると、ここでも１つのカムシャフトまたは１つの吸気カムシャフトおよび１つの排気カムシャフトが発動機ごとに使用される場合、カム部の互いに対する６°および９°という相対的回転位置をまた可能にしなければならず、結果として、公分母は３°となり、したがって１２０の歯となるからである。別個のカムシャフトがシリンダローごとに使用される場合、歯の数は必要に応じて減らされる。

Ｗ型エンジン、さらにまた最大２０気筒のＶ型エンジンなど、他の様々なエンジンについて説明できると共に説明すべきであることに注目されたい。ここで、歯付きシャフトおよびカム部の直径は範囲内に必ず維持できるが、これは、請求するシャフト形状に加えて、正当な直径においてわずかな相対的回転角度を定めることを可能にする微細な形状がさらに存在するからであり、特に前記エンジンにおいて通常複数のカムシャフトが使用されるからである。

本発明についてさらに詳細に説明するために図面を参照するが、その図面において、本発明の例示的実施形態は簡略化した方式で示されている。

図１および２は、往復ピストン式の内燃機関のシリンダを弁駆動装置の部品と共に、必要に応じて詳細に、かつ符号１で示している。その部品には、特に、カム部３を有する歯付きシャフト２、２つのアクチュエータピン４および５、カム部と符号８で表すガス交換弁との間の伝達要素６および７がある。ガス交換弁８は、吸気弁または排気弁として具現化することができる。

歯付きシャフト２は、その長手方向の広がりの少なくとも一部分においてシャフト形状（シャフト・プロフィール）９を有している。カム部３には、前記シャフト形状９に一致するハブ形状（ハブ・プロフィール）１０が設けられており、このハブ形状１０によって、前記カム部は回転に対しては固定されかつ軸方向には変位可能となるように歯付きシャフト２上に配置される。

カム部３は、その外周に、それぞれにつき１つの軸受け点１１を有しており、その軸受け点１１は、カム部３を、したがって歯付きシャフト２を支持する役割を果たす。軸受け点１１にはベアリング１２が与えられており、そのベアリング１２はシリンダヘッドに固定されている（不図示）。カム部３の軸受け点１１は、両側でカム通路１３および１４に隣接している。カム通路１３および１４は、異なるカムリフト寸法を有しているが、同じ基礎円直径を有している。後者は、カム部３が変位する間、伝達要素６および７とカム通路１３および１４との間にジャミングがないことを確実にするのに重要である。カム通路１３および１４は、カム部３の端部となる円筒形部分１６と隣接している。円筒形部分１６は、それぞれにつき、各変位方向に対して１つの変位溝１７および１８を有している。前記変位溝１７および１８は好ましくは互いに対して鏡像対称に設計および配置され、したがって、２つの変位溝１７および１８の傾き（グラディエント）は正反対となる。前記変位溝１７および１８は、カム部３の１回転におけるカム部３の変位の大きさに対応（一致）する傾きを有している。

変位溝１７および１８は、円筒形領域１６の周囲で末端部１９において終端に達し、その末端部１９は互いにある間隔でずれている。

アクチュエータピン４、５はアクチュエータハウジング（不図示）内に装着されている。それらは、変位溝１７および１８内に交互に挿入される。カム部の軸方向の変位は、このようにして実現される。

特に図２から明らかとなるように、シャフト形状９は、歯２０および溝２１を有する歯付きハブ形状として設計されており、その歯２０および溝２１に、カム部３の歯付きハブ形状として形成されたハブ形状１０の対応する内部歯および内部溝が一致する。

カム部３の互いに対する所望の相対的回転角度は、歯付きハブ形状および歯付きシャフト形状の歯を適切に選択することにより、全く同一の歯付きシャフト２上で得ることができ、その結果、２４または２４の倍数の歯数を使用して、全く同一の歯付きシャフトおよび全く同一のベースカム部を有する多数のエンジンを得ることができる。従来の自動車エンジンの範囲を対象とするために５気筒直列エンジンおよび１０気筒Ｖ型エンジンをさらに含める場合、所望の相対的回転角度を得るためには、好ましくは歯付きシャフト形状および歯付きハブ形状当たり１２０またはその倍数の歯も有利となることがある。

図１は、ガス交換弁を有するカムシャフトの側面図である。 図２は、図１の線ＩＩ−ＩＩにおける歯付きシャフトおよびカム部を有するカムシャフトの断面図である。

１ シリンダ
２ 歯付きシャフト
３ カム部
４ アクチュエータピン
５ アクチュエータピン
６ 伝達要素
７ 伝達要素
８ ガス交換弁
９ シャフト形状
１０ ハブ形状
１１ 軸受け点
１２ ベアリング
１３ カム通路
１４ カム通路
１６ 円筒形部分
１７ 変位溝
１８ 変位溝
１９ 末端部
２０ 歯
２１ 溝

Claims (2)

1. 複数の楔、切込み又は歯（２０）が均等に設けられた歯付きシャフト（２）及び少なくとも１つのカム部（３）を有する少なくとも１つのカムシャフトを有する内燃機関のための弁駆動装置であって、
   前記カム部（３）は、前記歯付きシャフト（２）上のアクチュエータピン（４、５）による前記カム部（３）の変位によってガス交換弁（８）を可変作動させるべく互いに隣接して配置された複数の異なるカム通路（１３、１４）を有し、
   前記歯付きシャフト（２）はシャフト形状（９）を有し、
   前記カム部（３）は、前記シャフト形状（９）に整合するハブ形状（１０）を有し、
   前記シャフト形状（９）及び前記ハブ形状（１０）の楔、切込み又は歯（２０）の数が２４又は２４の倍数であり、
   前記歯付きシャフト（２）及びカム部（３）は、３気筒、４気筒及び６気筒を備える直列型エンジン、均一な点火間隔を有するＶ６型エンジン、並びに８気筒及び１２気筒のＶ型エンジンのいずれかの形態をとる４行程内燃機関の異なるカム位置に共通して設けることができることを特徴とする弁駆動装置。
2. 前記歯付きシャフト（２）及びカム部（３）は、５気筒直列型エンジン及び１０気筒Ｖ型エンジンのいずれかにも設けられ、前記楔、切込み又は歯（２０）の数は１２０又は１２０の倍数であることを特徴とする請求項１に記載の内燃機関のための弁駆動装置。

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