JP4537078B2 - 生分解性ポリエステル繊維 - Google Patents

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本発明は、製糸から製編織工程までの工程安定性に優れた生分解性ポリエステル繊維に関するものである。
石油から誘導されるポリエステル等の合成繊維は、他の素材に比べ強度、コスト、および生産性の点で優れており、今や社会において必要不可欠な素材となっている。しかしながら、一方で文明社会の功罪とも言える地球規模での環境問題がクロ−ズアップされるようになり、合成繊維の上記特徴を維持しながら、かつ、綿や絹のように自然環境で微生物により分解、無害化される生分解性ポリマ−の開発が強く望まれてきた。特に欧米では、有機系廃棄物の処理方法として焼却に代わりコンポストによる発酵分解が主流となりつつあり、今後汎用合成繊維にもコンポストレベルでの生分解性が要求されるようになると考えられる。その様な素材として、構成原子として酸素、水素、炭素からなり、分解して水と二酸化炭素のみを生成する脂肪族ポリエステルは潜在的に低環境負荷型の生分解性を有していることが知られている。特に微生物産生のポリ−ヒドロキシ酪酸エステルや合成高分子系のポリ−ε−カプロラクトン、ポリエチレンアジペ−ト、ポリグリコ−ル酸およびポリ−L−乳酸は代表的な生分解性ポリエステルとして多くが開発、商品化されている。
一方、これらの生分解性ポリエステルポリマーは、溶融紡糸、延伸、整経、製織、製編工程等を通過する際に、ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルに比べて毛羽や断糸の発生が多く、該工程の通過性が不良に成りやすいという問題がある。この原因としては、生分解性ポリエステルは一般に融点が低いためプレートやガイド類との摩擦が高くなりやすく、また、ガラス転移点が室温より低いため、繊維化する時に膠着しやすく解舒性不良になりやすくなることが考えられる。さらには、紡糸の際に付与される油剤がポリマー中に浸透しやすいため、ポリマー膨潤に起因する強度低下により毛羽や断糸が起こりやすくなること等が考えられる。
このような生分解性ポリエステルの問題に対し、例えば特許文献1には、膠着を防止して解舒性を改善するため、ポリオルガノシロキサンや鉱物油を主体成分とし、エーテル変性ポリオルガノシロキサンやアミノ変性ポリオルガノシロキサンまたはシリコンレジンを添加したストレート系油剤が提案されている。確かにこのストレート油剤によれば、膠着は防止されて解舒性は改善できるものの、制電剤成分が配合されていないため、延伸工程、整経工程等において、摩擦静電気による糸絡み、断糸が発生して工程通過性が極めて悪くなるという問題がある。この問題を考慮して、特許文献2には、ラウリルホスフェートカリウム塩等のアニオン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、脂肪族高級アルコールや高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物等のノニオン系界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールブロック共重合体等のポリアルキレングリコール類、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル類を1種または2種以上を付与することが提案されている。確かに、これらの成分を適宜選択組み合わせた油剤を使用すれば、膠着や静電気発生による問題は低減できるものの、延伸工程での毛羽発生を抑制することは難しく工程通過性は十分とは言えないものである。
また、特許文献3には、平滑剤と乳化剤とからなる油剤を付与し、繊維と金属との動摩擦係数を0.30〜0.45にした繊維が提案されている。確かにこの繊維は、膠着や静電気発生による問題がなく、また、繊維と金属との動摩擦係数が適正の範囲に設定されているので延伸工程での工程通過性の改善は認められるものの、延伸速度が高速になったりローラーセット温度が高くなったりすると毛羽発生の抑制が不十分となり、延伸以降の工程通過性も不良になりやすい。
このように、紡糸、延伸から、製編織等の後加工までの工程通過性を満足できる生分解性ポリエステル繊維は、いまだ提案されていないのが実情である。
特開平6−257072号公報 特開平9−21017号公報 特開2003−20567号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、製糸から製編織工程までの工程安定性に優れた生分解性ポリエステル繊維を提供することにある。
本発明者は、かかる問題を解決せんと鋭意検討した結果、シリコン類や鉱物油ベースに特定の部分リン酸エステル塩を配合した油剤を付与し、その繊維と金属との静摩擦係数を特定の範囲に設定すれば、生分解性ポリエステル繊維の製糸時(延伸時)の毛羽発生が極めて少なくなり、延伸以降の工程通過安定性が良好になることを見出し、本発明に到ったものである。
すなわち、上記課題は、
「繊維表面に下記(a)〜(c)成分を必須成分として含有する油剤が付与された生分解性ポリエステル繊維であって、その繊維−金属間静摩擦係数が0.20〜0.40であることを特徴とする生分解性ポリエステル繊維。
(a)ポリオルガノシロキサンおよび/または鉱物油が50〜98重量%
(b)ポリエ−テル変性ポリオルガノシロキサンおよび/またはアミノ変性ポリオルガノシロキサンが1〜10重量%
(c)炭素数8〜18のアルコールにエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを0〜10モル付加した化合物の部分リン酸エステル塩であって、第2級アミン塩または第3級アミン塩である部分リン酸エステル塩が1〜10重量%」
により達成できることが見いだされた。
本発明の生分解性ポリエステル繊維によれば、紡糸延伸時の毛羽発生が抑制されるだけでなく、製編織までの後加工工程での膠着等によるトラブルも抑制され、従来に比して著しく品質の優れた繊維製品を生産性よく提供することができる
本発明が対象とする生分解性ポリエステルとしては、例えばポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸などのポリヒドロキシアルキレート(PHA)、ポリカプロラクトン、ポリピバロラクトンなどのポリラクトン(PL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネートとポリエチレンサクシネートの共重合体、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキシレンアジペート、ポリデシレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキシレンセバケート、ポリデシレンセバケートなどの脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸から得られるポリアルキレンアルキレート(PAA)等のポリエステルを例示することができる。さらに、これらの重合原料に由来する成分が70重量%以上含まれるブロックおよび/またはランダム共重合ポリエステル、さらには、該ポリエステル成分の他に、例えばポリエーテル成分、ポリカーボネート成分、ポリアミド成分、ポリウレタン成分、ポリオルガノシロキサン成分等を30重量%以下の割合でブロックまたはランダム共重合したもの、または、前記ポリエステルにポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオルガノシロキサン等を30重量%以下の割合で混合したものなどを挙げることができる。
また、アルカリ減量速度を調節したりポリマー界面の接着性を改善するために、第3成分として5−金属スルホイソフタル酸、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、アルキレンオキサイドブロックを有するグリシジルエーテルなどを共重合してもよい。
本発明においては、上記生分解性ポリエステルの融点は、耐熱性の観点から120℃以上であることが好ましく、より好ましくは150℃以上である。特に好ましくは200℃以上である。上限は高いほど好ましいので特に限定する必要はないが、通常熱安定性が高いものを得ることは困難なので、300℃程度であればよい。
次に本発明で用いられる油剤は、製糸から製編織工程までの工程で毛羽や断糸の発生を抑制し、極めて優れた工程通過性を達成するために紡糸時に付与するものである。
まず、該油剤の(a)成分であるポリオルガノシロキサンおよび/または鉱物油は、繊維の粘着性と摩擦抵抗を小さくすると共に繊維間の膠着を防止し、さらに、後述する(b)成分であるポリエ−テル変性ポリオルガノシロキサンまたはアミノ変性ポリオルガノシロキサンを溶解させる剤として使用するものである。ここでいうポリオルガノシロキサンとは、実質的に変性されていないポリオルガノシロキサンを意味し、具体的にはポリジメチルシロキサンが好ましいものとして例示できる。その粘度は5〜100センチストークス(以下、cstと略す)、好ましくは5〜50cstの範囲が適当である。また鉱物油としては、その粘度が5〜100cst、好ましくは5〜50cstの範囲にあるものが適当である。
ポリオルガノシロキサンおよび/または鉱物油の油剤中に占める重量割合(非水成分として)は、50〜98重量%、好ましくは60〜95重量%の範囲とする必要がある。該重量割合が50重量%未満の場合には、平滑性が不十分となって糸導ガイドとの擦過による毛羽や断糸が発生しやすくなる。一方、98重量%越える場合には、後述する(b)成分と(c)成分のうち、少なくとも一方の成分の割合が少なくなり、膠着防止、製糸時(延伸時)油膜強度低下による毛羽発生の防止、静電気発生によるトラブル発生の防止などが困難となる。
次に(b)成分として用いられるアミノ変性ポリオルガノシロキサンは、ポリオルガノシロキサンにアミノ基を導入したものである。アミノ基の変性部位は側鎖であっても主鎖であってもよい。アミノ変性ポリオルガノシロキサンのアミノ当量(アミノ変性ポリオルガノシロキサンの平均分子量/1分子当りの平均アミノ基数)は、アミノ当量があまりに小さいと平滑性が高くなりすぎて巻取が難しくなる傾向にあり、逆に大きくなりすぎると膠着防止性能の向上効果が小さくなるので、600〜3000の範囲が適当である。アミノ変性ポリオルガノシロキサンの粘度は5〜1000cst、特に20〜500cstの範囲が適当である。
(b)成分として用いられるもう一方のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンは、代表例としてジメチルポリシロキサンにポリエーテル鎖が導入されたものを挙げることができるが、メチル基は他のアルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。ポリエーテル鎖としては、プロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドが(共)重合されたポリアルキレンオキシド鎖が好ましく、共重合されている場合にはブロック共重合でもランダム共重合でもよい。ポリエーテル鎖の変性部位はポリオルガノシロキサンの側鎖であっても主鎖であってもよい。これらのアルキレンオキサイドの重合度は10〜50の範囲が適当である。10未満の場合にはポリオルガノシロキサンとの差が小さくなり、膠着防止性能の向上効果が小さくなり、一方50を越える場合には平滑性が低下して毛羽発生の防止効果が低下しやすい。ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの粘度も5〜1000cst、特に20〜500cstの範囲が適当である。
上記のアミノ変性ポリオルガノシロキサンおよび/またはポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの油剤中に占める重量割合(非水成分として)は、1〜10重量%、特に2〜8重量%の範囲とする必要がある。該重量割合が1重量%未満の場合には膠着防止性能が不十分となり、一方、10重量%を越える場合には平滑性が低下して毛羽や断糸の発生防止が困難となる。
次に(c)成分として用いられる、炭素数8〜18のアルコールにエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを0〜10モル付加した化合物の部分リン酸エステル塩は、摩擦静電気の発生を抑制するだけでなく、繊維−金属間静摩擦係数を下げて製糸時(延伸時)の毛羽発生を抑制するために使用するものである。
このような部分リン酸エステル塩は、所定のアルコールにエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを所定量付加し、次いでリン酸エステル化した後にアルカリまたはアミンで中和して塩にしたものである。アルコールは、炭素数8〜18のアルコールである必要があり、例えばカプリリルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールまたはこれらの分岐アルコールが挙げられる。特にポリオルガノシロキサン、アミノ変性ポリオルガノシロキサン、ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(以下、総称してシリコーンということがある)や鉱物油との相溶性の観点から、分岐アルコールが好ましい。エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドの付加モル数は0〜10モルとする必要があり、シリコーンや鉱物油との相溶性の観点から2〜8モルの範囲が好ましい。ここで付加モル数が10モルを越える場合には、静電気抑制効果が低下するため好ましくない。
部分リン酸エステル化の割合(エステル化の割合)は、1.0〜1.6の範囲が適当であり、特に1.0〜1.3の範囲が好ましい。なお、ここでエステル化の割合が1とはリン酸モノエステルを意味し、2がジエステル、3がトリエステルを意味する。
該部分リン酸エステルを中和した塩としては、アルカリ金属塩、アミン塩が挙げられる。ここで、アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられ、一方、アミンとしては第2級アミンであるジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミンなどが挙げられ、また、第3級アミンであるトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミンなどが挙げられる。このなかでは第2級アミン塩または第3級アミン塩が好ましい。このようなアミン塩は、繊維−金属間静摩擦係数を低くすることができ、しかも油剤を非水系で使用しても油剤各成分の相溶性が良好で均一な油剤を得ることが可能である。
このような部分リン酸エステル塩の油剤中に占める重量割合(非水成分として)は、1〜10重量%、特に2〜8重量%の範囲とする必要がある。該重量割合が1重量%未満の場合には、油膜強度が低下して金属と繊維間の平滑性が低下し、毛羽や断糸の発生を防止することが困難になるだけでなく静電気によるトラブル発生を防止することができない。一方、10重量%を越える場合には、平滑性が低下して毛羽や断糸の発生防止が困難となる。
本発明においては、以上に説明した要件に加えて、繊維−金属間静摩擦係数を0.20〜0.40の範囲にすることが重要である。生分解性ポリエステル繊維は、ポリエチレンテレフタレート繊維などの通常のポリエステル繊維に比べて一般的に強度が低いため、延伸時に糸導のガイドやローラー等との摩擦によって毛羽や断糸が発生しやすいので、付与する油剤の平滑性(繊維−金属間動摩擦係数)を低くすることが重要であるが、本発明者の研究によれば、例え平滑性が良好であっても、繊維−金属間静摩擦係数が高いと延伸性が不良となり、毛羽を抑えることは困難であり、繊維−金属間静摩擦係数を0.20〜0.40の範囲とすることにより、毛羽の発生を大幅に改善できることが判明した。
繊維−金属間静摩擦係数を上記の範囲にするには、例えば前記(c)成分の種類および割合を適宜選択することによりできる。その理由は明確ではないが、延伸ローラーに油剤中の(c)成分である部分リン酸エステル塩が吸着され、ローラーと繊維との摩擦が低下して、繊維上の油剤層が破壊され難くなるためと推定される。
本発明で用いられる油剤は、上記(a)〜(c)成分を必須成分として含有するものであるが、必要に応じて他の成分、例えば、エステル系平滑剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、酸化防止剤、相溶化剤、安定性向上剤などを、本発明の目的を損なわない範囲内で添加してもよい。
以上に説明した油剤を生分解性ポリエステル繊維に付着せしめるには、水に乳化させたエマルジョンを用いてもよいし、原液をそのまま用いてもよく、任意の方法を採用することができる。なかでも、原液をそのまま用いる(ストレート型処理)方法は、通常エマルジョンとする際に併用される乳化剤が該繊維を膨潤させやすいためにスカムを発生しやすいのに対して、この乳化剤を併用する必要がなくなるといった利点があり好ましい。
油剤の生分解性ポリエステル繊維への付与は、従来公知の任意の手段を採用することができるが、なかでも糸に与える抵抗を少なくするオイリングノズルを介して計量された量を付与する方法が好ましい。
油剤(非水成分)の繊維への付着量は、繊維重量を基準として0.3〜3.0重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%の範囲が適当である。付着量が0.3重量%未満の場合には、平滑性や制電性が低下して毛羽や断糸、スカム発生などのトラブルが発生しやすくなる。一方、3.0重量%を超えても毛羽や断糸、スカム発生の抑制効果の向上は少なく、逆に過剰の油剤が糸導等を汚染することになり、新たな問題を惹き起こすことにもなり工業上得策でない。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の測定値は以下の方法で測定した。
(1)油剤付着量(OPU)
生分解性ポリエステルからなる延伸糸試料約3gを105℃×2時間乾燥後直ちに、重量(A)を測定し、次いでアルキルベンゼンスルホン酸ソーダを0.5重量%含有する洗浄用水溶液300cc中に浸漬し、40℃にて超音波を少なくとも10分かける。洗浄液を廃棄し、40℃の温水により30分流水洗浄後、室温にて風乾する。その後、105℃×2時間乾燥後直ちに重量(B)を測定し、下式よりOPUを算出する。
OPU%=(A−B)/B×100
(2)糸・金属接触体間の動摩擦
生分解性ポリエステルからなる延伸糸試料を用い、繊維・金属間走行摩擦測定機で、走行速度300m/分で摩擦体として径60mmの梨地クロムピンを用いて、接触角180度、摩擦体入側張力10g(T1)で摩擦体出側の張力(T1)を測定した。フィラメント間摩擦係数(f)は、円筒上を走行するベルトの摩擦に関する良く知られた下記式より算出される。
f=(1/π)×ln(T2/T1)
(3)糸・金属接触体間の静摩擦
生分解性ポリエステルからなる延伸糸試料を用い、繊維・金属間走行摩擦測定機で、走行速度0.1m/分で摩擦体として径60mmの梨地クロムピンを用いて、接触角180度、摩擦体入側張力30g(T’1)で摩擦体出側の張力(T’2)を測定し糸・金属間の動摩擦に記載した式で摩擦係数をもとめた。
f=(1/π)×ln(T’2/T’1)
(4)毛羽数
生分解性ポリエステルからなる延伸糸試料を用い、毛羽試験機で測定して百万mあたりの毛羽数を求めた。
(5)膠着
生分解性ポリエステルからなる延伸糸試料を、300m/分で解舒する際に膠着による解舒張力変動を記録計で観察し、膠着の有無を確認した。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートとポリカプロラクトンとをエステル交換反応させてブロック共重合体(融点は230℃)としたものを、温度240℃で溶融吐出して16フィラメントの糸条となした。この糸条の固化後、計量オイリングノズルを介して表1に記載の油剤を繊維重量を基準として1.2重量%(非水成分)付与し、次いで表面速度1000m/分の引取りローラーを介して引取り、引き続き引取りローラーと延伸ローラー間で2.7倍に延伸して110dtex/16フィラメントの延伸糸を得た。延伸糸の強度は2.06cN/dtexであった。評価結果を併せて表1に示す。
Figure 0004537078
本発明の生分解性ポリエステル繊維は、平滑性に優れていながら延伸性も良好で、しかも毛羽の発生も抑制された高品質のものであるので、製編織などの後加工工程の工程安定性が改善され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (3)

  1. 繊維表面に下記(a)〜(c)成分を必須成分として含有する油剤が付与された生分解性ポリエステル繊維であって、その繊維−金属間静摩擦係数が0.20〜0.40であることを特徴とする生分解性ポリエステル繊維。
    (a)ポリオルガノシロキサンおよび/または鉱物油が50〜98重量%
    (b)ポリエ−テル変性ポリオルガノシロキサンおよび/またはアミノ変性ポリオルガノシロキサンが1〜10重量%
    (c)炭素数8〜18のアルコールにエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを0〜10モル付加した化合物の部分リン酸エステル塩であって、第2級アミン塩または第3級アミン塩である部分リン酸エステル塩が1〜10重量%
  2. (c)成分の部分リン酸エステル塩のエステル化の割合が1.0〜1.6の範囲である請求項1記載の生分解性ポリエステル繊維。
  3. 油剤の付着量が繊維重量を基準として0.3〜3.0重量%である請求項1または2記載の生分解性ポリエステル繊維。
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